液晶が勝ち残った現状

白黒テレビの誕生と普及は、民生に限っても生活を大きく変えました。
狭い生活空間以外の、情報が入って来るのです。
そして、普及により情報の共有という事が、驚く程に広い範囲になりました。


文明と情報という面からは、白黒テレビの有無に比べると小さいかも知れません。
しかし、カラーテレビの登場と普及は、テレビの一層の普及を保証するかの様でした。
3C時代という言葉も生まれ、生活必需品にもなりました。
無いと生活出来ないかという面からは、異色といえますが、それを感じさせないくらい生活に入りました。


電子銃で電子ビームを、見ている人の方へ撃ち、蛍光を光らせる事の問題は気にされません。
ただし、テレビの見過ぎは体に悪いとは、構造的に妥当ともいえます。
カラーテレビの多くに使用されていた、シャドーマスク方式は、それが3倍以上にして重ね合わせる技術です。
アメリカに特許使用料を払っても、日本のテレビ産業が栄えたのは、特許料を越えたからです。
ソニーのトリニトロン方式は、別の物で評価は高かったです。


コンピュータが登場・普及すると、特にパソコンでは、ブラウン管表示機は必須となりました。
実際に、初期にはコスト的にテレビを表示に使用する事も多かったです。
とにかく、直ぐにパソコン1台に1表示機という時代になり、パソコンの普及はブラウン菅表示機の台数に反映しました。
時代は半導体で、個別から集積回路へと進んでいましたが、ブラウン菅表示機の存在で「オール半導体素子」とは強くは言わなかったです。


「ダイナブック」というパソコンはご存じですか。
アメリカが構想されて、販売されたノート型の持ち運び型パソコンです。
話題にはなりましたが、普及には至りませんでした、その商標を得て日本で初めて登場したノート型パソコンも同名でした。
ノート型パソコンの登場は、パソコン業界を大きく変えました。
持ち運び可能>軽い・小型・・・・表示機も軽くて小さいです。
もうブラウン管表示機ではなく、既に普及していた電卓に使用されている内の技術と表示方法が使用されました。


最初は影響表示機で、現在まで続いています。
ただ、いくつも方式が提案され、技術開発は今も行われています。
新しい用途で、新しい技術と機能が要求されていました。
液晶表示機は、あくまでも解答のひとつで登場しました。


パソコンは、ノート型のみになった訳でなく、デスクトップ型との共存をしています。
ですが、表示機の大きさの問題と長時間使用の問題は、急激なフラット表示機への変更になりました。
場所を取らない、軽い、目が疲れにくい・・・・変更要素ばかりでした、あえて言えば費用です。


パソコンに向いている、フラット表示機がテレビに使用される事は、必然とも言えます。
最初はどちらも、コストが問題でしたが、急激な普及は大きな市場の存在になります。
多くの企業が競って参入し、機能改良と、製造コストの削減競争を行いました。
その時に、行く末を正しく見れていた人は居たのでしょうか。


フラット表示機の価格の急激な下落が起きると、それを使用する機器が急激に増えました。
その最大が、携帯電話です。
そこから、半導体記憶の音楽プレイヤー・スマートフォン・タブレット端末と登場しています。


小型の携帯電話表示機から、大型のテレビ用表示機では用途はかなり異なります。
機能やコスト的に、異なる表示方式が対応して棲み分けても良さそうな気がします。
現実のそれを目指して、液晶方式以外の、プラズマ表示や有機EL方式、プロジェクター方式が開発されて来ました。
そして驚いた事に、2014年現在では、全ての所で液晶方式が主流になっています。
まだまだ、機能・性能・コスト面で競っています。
その将来を予想すると、他の方式が入る事は非常に難しい状態です。
予測可能な民生機器の範囲では、現状は液晶方式が勝ち残ったと言って良いでしょう。


この変化のなかで、生き残れなかった機器を製造・開発していた企業は、その販売額や投資額で大きな影響を受けました。
ひとつは単純な、製造する商品がない事と、無駄な開発投資です。
これれは、撤退判断の時期で影響が異なり、深みに入り戻るのが遅れている所も明暗があります。
勝ち残りの液晶方式企業でも、大方がコストダウンの幅とその速さは予測以上で、投資を回収出来ていない事が多いです。
とにかく、普及と低価格で高機能との流れができました。
そして、次に来るのはその寿命です、高機能の流れで寿命も長くなっている筈です。
機器として、寿命が短い=機能的に買い換える必要があるかどうかが大きなポイントとなりそうです。
買い換え動機の少ない機器の表示機は、需要は非常に複雑です。
液晶方式でもその中の競争は予測が難しい状態です。

 (2014/05/27)

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