主として製造における、情報化の注意点について
情報化は通常トップダウンで行われます。
全体システムから、次第に最終個別システムを構築する段階になるといくつかのトラブルが発生します。
これを、システム開発者と現場作業者のギャップでかたづけると問題は解決しません。
情報化を行う場合には、目的=何に利用するかがはっきりしてる必要があります。これは誰でも知っています。
一方、どの様な手段で情報を集めるかはしばしばあいまいのまま、開発に入る事があります。
しかし、情報を集める方法と、その品質は情報化の成功のための必需項目です。
開発者がしばしば間違うのは、「全体での成果しか見ていない」「トップダウンだから命令さえ出せば情報は簡単に集まる」「情報の品質が良い場合のみを想定して開発する」「非定常作業の頻度と対策が考慮されていない」「工程・システム要件を完全に理解していない」などが原因となります。
現在は実力主義・成果主義に移行しつつあります。
個人個人に実力と成果を求められる時代です。
全体での成果を個人レベルに如何に落とし込むかが明確になっていないと成功はしません。
トップダウンでも、この状況では同じ問題点があります。
簡単に言えば、命令された事のみ作業しておれば良い時代ではなくなったのです。
情報の集め方が重要なのは、個人作業者にとってもし余分に情報収集のための作業が追加されるならば、よほど閑でなければ、質の高い情報は集まらないです。
開発者は情報化システムを使う事で個人作業者に直接なメリットをもたらす工夫を考える必要があります。
使う事で自分自身にメリットがあれば、自然に普及します。
システム開発者は、理想とするイメージからスタートします。
これを次第に現実に落として行きます。
その段階で、考えられる・あるいは過去に生じたトラブルの対策またはトラブルがあっても、相当のレベルで稼働する様にまで作り上げる必要があります。
注意点をあげれば切りがありません。
しかし、使ってもらうシステムではなく、使いたくなるシステムの開発が必要です。