品質の値段
品質は製品の1部であり、コストと値段の一部でもあります。
昔は「安かろう、悪かろう」の時代もありましたが、日本では特に意識改革の結果として世界に誇る品質を持つ製品を作れるようになりました。
その結果、「品質は良くて当然」「その上で価格が安い製品を選ぶ」考え方になりました。
これが信仰の様に信じられていましたが、いつのまにか「価格値下げ>コストダウン>品質低下」が起きており、それに気づくのが遅れました。
日本が一時、先端技術の一部でトップにいたときに、アメリカや東南アジア系のベンチャーが台頭して日本は価格競争で苦境になりました。
その時の品質観は、ベンチャー系は「当面の品質を確保」で日本は「大企業の1部門故に該当製品と事業は一時かどうか不明でも、企業は長く存続するのでそれに見合った品質が必要」でした。
その結果、ベンチャー系からは「日本の技術者は安全度を高く設定しすぎる。」と言われ現実に、製品として大きな価格差が発生しました。
安全度を高く設定しすぎ指摘は、正解だったかもしれませんが、ベンチャー系の品質設定が正しい事は証明されていません。
要求特性の把握>それに対応出来る製品設計能力>その中にコストの最小化を含める>完成製品のバラツキを含めた品質検査・寿命シミュレーション>トータルの品質の把握。
これは非常に難しい技術です。そして、直ぐにあるいは色々な事情で表面化しない場合がかなりあります。
従って、これにかかるコストの算出は不可能に近いです。
そしてこの事は、品質にかけるトータルコスト自体を見誤らせます。
ゲームの理論によれば、最悪の事態に最小の被害で防ぐのが最良の戦略決定になりますが、品質確保必要コストと、品質不良時の対策コストが算出されなければこの理論は利用できません。
時代は、コスト競争による撤退・倒産、品質不良による不買>倒産の可能性を絶えずもつ事になりつつあります。2項目も「無限大」設定は意味がなくなります。
品質の値段、それは企業戦略で最大の技術力になりつつあります。