冬虫夏草

冬虫夏草菌(フユムシナツクサタケ)の子実体と寄生主の昆虫の幼虫の乾燥体です。この菌は特にコウモリガ科の昆虫の幼虫に寄生します。冬に虫体の養分を吸収して幼虫を枯死させて、夏に中頭部から発芽して棒状の菌核を形成して草になります。虫体により異なりますが主な成分としてマンニトールを約7%、エルゴステロール、コレステロール、シストテロールや抗菌成分コルディセピンなどが含まれています。主として病後の身体の調整や滋養による体質を強くします。冬虫夏草自体の作用は緩慢ですので、長期間服用することで効果があらわれます。むしろ一緒に配合される滋養性のものや補益薬の吸収をよくすることで体内での効き目をよくする作用があると考えられます。とくに気管支や肺の抵抗力が低下し、冷えなどで風邪をひきやすい人は豚・鶏肉などや魚・スッポンと一緒にゆっくり煮込んで食べますと抵抗力が増します。

清の呉儀洛の「本草従新」に初めて収載されましたが、これ以前にすでに薬用として用いられ、1726年に中国に派遣されたフランスのカトリック僧が市場で冬虫夏草を買ってパリに送っています。入手した生物学者ラムールは翌1727年にこの珍奇な菌について小論文を発表しました。冬虫夏草は大きさによって市場品が3種ー虫王草(ちゅうおうそう)、散虫草(さんちゅうそう)、把虫草(はちゅうそう)に分類され、日本に輸入されているのは主に把虫草で子実体が細く虫体が小型のものです。


効用・効果
気管内を浄化し、痰や咳に用いる。
血管内に付着した不純物を除去、心臓の収縮力を強化、血小板を増加させる。
細胞の活性化、傷害のある細胞の修復、血液中のBリンパシステムを強化し、免疫力を強化させる。
血糖値を正常化する。
インポテンツや下半身の脱力感、遺精などの症状にクコシ、サンシュユ、サンヤクなどを配合して使用するとよい。
慢性腎炎には常用すると体質を強化する。

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