煙草
百害あって一利もないたばこ
喫煙の有害性は、いまさらいうまでもないでしょう。疫学的にもその有害性は証明されています。
1日40本のたばこをすう人の死亡率は、すわない人のそれの2.2倍です。紙巻きたばこの煙には、肺がん、慢性気管支炎、肺気腫の誘因となる物質が含まれています。またニコチンには、血液を濃くし、血液の流れをわるくし、血栓をつくることで動脈硬化に導く物質が含まれています。実際1日40本以上のヘビースモーカーでは心筋梗塞の発症が多いのも事実です。また、たばこをすう妊婦の未熟児出生率は、すわない人の2倍です。これだけ有害で、1つも有益な作用がないたばこがやめられない理由はなんでしょうか。たしかに、多忙な現代人の日常生活のなかでは、たばこは日に何回かの句読点、一服の清涼剤です。仕事がひとくぎりついたとき、食後などは特にたばこのうまさがしみじみと感じられる一瞬です。しかし、それをみとめたうえでも、これだけの喫煙の害を理解し、さらにたばこをすわない人にとって煙がきわめて不愉快であることを考えれば、1日も早く禁煙する必要があるでしょう。
いますぐ禁煙しませんか?
一本吸うと寿命が十二分縮まる、「一本十二分」というのは英米の四〇歳男子を対象にして、喫煙と平均寿命の関係を調べた諸報告からはじきだした数字です。タバコの有害性を裏づける研究結果は、たくさんあり、ほとんどあらゆる病気を引き起こす原因になるのです。
ひと仕事終わった後の一服は実にうまい、これでストレスが解消されると考えている人が多いようです。タバコそれ自体にはストレスを解消させるような働きはありません。タバコのニコチンによって神経細胞が興奮して、そのために疲れがとれるとか、頭がすっきりしたような錯覚に陥るだけなのです。