脂性タイプか乾燥タイプかをチェックする
髪の手入れやスタイリング剤の選び方を覚える前に必要なことは、自分の髪質や髪の状態を知ることなのです。自分の髪のことは意外に正しく知られていないものです。自分がどんなタイプの髪なのか調べてみましょう。
まず、頭皮には脂性タイプと乾燥タイプがあります。通常の状態で、髪や頭皮が脂っぽいか、それともパサパサしているかです。シャンプーして、1〜2日ほどたった状態をみて、明らかにベタベタしているのであれば脂性の髪といえますし、リンスをしてすぐに乾いてパサつくようなら、乾燥タイプだといえます。このほかの目安として、フケの状態があります。脂性ならベタっとしたフケで、ブラシなどにまとわりついてきますが、乾燥タイプはパサパサして手で髪をすくと飛んでいきます。また、季節や湿度によっても髪の乾燥度はずいぶん変わりますし、体調による変化もありますので、いつも同じ状態とはかぎりません。
そのときどきの状態をチェックし、たとえば季節によってシャンプーをかえるといったことも必要です。
自分に合ったシャンプー剤を選ぶ
髪の質、髪の状態がわかったら、自分に合うシャンプーやリンス、トリートメントを選びましょう。
まず、シャンプーです。髪質によって大きく分けると、脂性の人にはノンオイリータイプ、乾性の人にはオイリータイプのシャンプーを使うのが基本です。そのうえで、自分によいシャンプー選びをします。よいシャンプーとは次のような条件を備えるものです。
適度な洗浄力
強すぎる洗浄力は、髪や頭皮を乾燥させることになります。強いということはアルカリ成分が多いということで、脂性の人には効果的ですが、乾性の人はより乾燥を促進させるのです。それに、最近では毎日のように洗髪する人が多いので、極端な汚れも少なく、それほど強い洗浄力は必要ありません。
刺激が少ない
シャンプーを使った後、頭皮に刺激を感じるようなら、それは自分に合ってないと考えてください。顔やほかの部分の肌に付着してトラブルを起こすこともあります。また、香料や着色料を含まない低刺激性のものが理想的でしょう。
正しいシャンプーの仕方
シャンプーの役目はもちろん汚れを落とすことにありますが、汚れにも2種類あります。一つは、外からの汚れ。外出すれば必ず土ぼこりや排気ガス、煙草の煙などが髪に付着します。室内にいるとしても家のほこりや料理による油や煙などけっこう髪につく汚れは多いのです。
もう一つは、自分の体の汚れ。
汗や皮脂、フケといった分泌物です。とくに、頭皮からの脂は、はかの部分の約2倍もの分泌量なのです。これらの汚れは毎日付着し、分泌されるわけですから、シャンプーはできるだけ毎日行いたいものです。また、新陳代謝を促す点からいっても、その日の汚れはその日のうちにとり除くのがベストですから、朝に洗うより、就寝前に洗うほうがよいのです。
効果的なリンス
髪の汚れはだいたい皮脂とともに付着しているので、いわゆる脂汚れです。脂分は、水だけではおちません。これは、食器などの油汚れでも同じで専用の洗剤を使うわけですが、髪の場合も脂は酸性ですので、アルカリ性のシャンプーを使うと落ちやすいことになります。ただ、アルカリ成分が強すぎると、今度は脂分が落ちすぎてパサパサの乾燥状態になってしまいます。そのためにも、乾燥を防ぎ、適度な脂分を保たせるためにリンスが必要になるのです。
リンスは髪に近い成分の弱酸性のものが多く、「保湿剤」や「コート剤」の役割をになっています。保湿については電気作用を利用しています。濡れた髪はマイナスイオンの電気を帯びており、シャンプーにもまたマイナスイオンがあります。このためシャンプーをするとマイナス同士の摩擦が生じ、そのままだとどうしてもゴワゴワして髪を傷めやすくなります。そこで、リンスのもつプラスイオンと結合させることで、薄い膜をつくり、髪のすべりをよくし、乾燥などのダメージを防ぐのです。これは、電気的な結合なので、瞬間的に起こり、しかも一度膜をつくれば、あとはいくらすすいでも落ちません。したがって、リンスもシャンプーもよくすすぎ、余分なリンス液を落とすほうがいいのです。