シイタケ自体から抽出したエキスとシイタケの菌糸体をバイオ技術で人工栽培し、抽出した菌糸体エキスの2種類に大別されます。シイタケエキスにはエルゴステリン、レンチナン、エリタデニンなどの生理活性物質が多く含まれています。エルゴステリンは体内でビタミンDになり、吸収率の低いカルシウムの吸収を高めます。シイタケを日光にあてるとビタミンDがすぐに作られます。シイタケを10〜20分間天日乾燥するとビタミンD1日の必要量400IUが1個のシイタケで摂取することができます。カルシウムが必要な成長期の子供、妊婦、骨の老化が始まる中年以上の人にシイタケからビタミンDを摂取することをおすすめします。レンチナンは医学的に抗ガン作用があることは確認されています。エリタデニンは血中コレステロールを低下させ、血流をよくすると報告されています。国立栄養研究所でのねずみを使った実験で、コレステロールを含むエサと干しシイタケのもどし汁を与えている間はコレステロールが低く、もどし汁を止めるとコレステロールが高くなる報告がありました。このことから血中コレステロールを低下させ動脈硬化を予防する作用があることもわかりました。また高血圧のねずみを用いた実験で血圧降下作用があることもわかりました。他のキノコ類のエノキダケ、マッシュルーム、ナメコ、キクラゲ、白マクラゲ、ユウタケなどにも血中コレステロールを低下させる作用があります。また胞子に含まれているリボ核酸は体内でインターフェロンをつくりますが、インターフェロンは抗ウイルス性物質であることでも知られています。菌糸体エキスの効用についてはマウスなどの動物実験で生体防御機構であるリンパ球やマクロファージなどの免疫系の活性を高め、外部から侵入してくるウイルスや細菌などに対して有効に作用すると報告されています。
シイタケは中国、日本、台湾、韓国などに分布し、シイタケの傘のつぼみのものを「どんこ」、傘が開いて収穫したものを「香信」に区別します。どんこの方が味も香りもよく、エリタデニンなどの成分を多く含んでいます。シイタケの傘の子実体と呼び、キノコの茎からのびている白い糸状のものを菌糸体とよびます。昔から慢性腎炎などで尿の出が悪かったり、出ししぶりや血尿が混じっているときはシイタケを黒焼にして飲むとよいといわれています。
効用・効果
血中コレステロールの低下作用があり、動脈効果の予防と血圧降下に有効である。
常食することによって免疫系を増強する可能性がある。