●今年の最初へ
12.31 今年もありがとうございました
今年を振り返れば、約3年にも及んだコロナ禍から日常を取り戻しつつ、色々あった一年でしたね。私事では8月に足を痛めてから長い距離を歩くことは難しくなりました。私も50代後半に入りましたから、何らかの形で体の不具合は出てくるものと受け止めています。予防や対策を立てて、9月からは私の診療時の負担も減らさせていただいたので、日常の診療は心配ありません。今後も長く無理をせず診療を続けていくつもりです。新しい年が皆様にとって健やかな一年になるよう願っています。よいお年をお迎えください。
12.11 目の健康寿命の話を聞いたことがありますか
数年前になりますが、日本眼科啓発会議がアイフレイル(視機能の衰え)という概念を提唱しています。かなり幅広い内容を含んでいますので省略しますが、視機能の衰えが自立機能低下や日常生活の制限に関わり、結果として健康寿命の短縮に繋がることを意味します。一般に多くの人で何かの視機能障害が生じる目の健康寿命は、概ね60代前半と言われていることは少し驚きました。しかし視機能の衰えは眼科医療だけでなく、身近なところでは眼鏡等を含めた適切な道具等で補える部分もあり、また生活環境で支えられる部分もあります。もちろん適切な針治療も、目の健康に役立てることができますのでご期待下さい。
依頼状が届いてから抄録の登録期限が迫っていたため、最近3週間は突貫工事のように進めていた演題の概要がようやく完成して、無事提出できました。タイトルは【緑内障性視野障害への鍼施術】ということで、患者さんから許可をいただいた実際の静的視野検査の結果画像を基に症例報告を行う予定です。5年あるいは10年を超える長期経過で視野障害が改善している事実から、鍼治療が長期間の進行抑制に役立つ可能性を、眼科医療に関わる先生方にお伝えできることを願っています。ただ緑内障の医学常識から大きく外れた内容ですので、査読などを通過できるのか少し心配です。もしボツになった時は別の形で公開を考えます。
抄録の登録を終えて、年末年始を迎えられるので凄くホッとしています。
11.20 統計症例報告「兎眼(顔面神経麻痺など)への鍼灸施術」を掲載しました
先日ZOOMで開催された第39回「眼科と東洋医学」研究会での当院の一般演題、「兎眼(顔面神経麻痺など)への鍼灸施術」を統計症例報告として掲載しました。当日参加できなかった先生方や患者さん、一般の方にも見ていただけるよう必要な説明を加えています。顔面神経麻痺への治療実績は20年を超えていて、当初からデジタルカメラを使った患者さんの回復過程を克明に記録することで私も学ばせていただきました。今回の報告により、これまで来院いただいた顔面神経麻痺の患者さんへ可能な範囲で統計症例報告という形でお返し出来、また今後発症された患者さんに少しでも役立てられるよう願っています。
今年の研究会も無事に終わって一息つけるかと思っていたところ、来夏に別の案件が来てしまいました。詳細はもう少し先になりますが、また一仕事しなければならないようです。日常の診療以外はできるだけお断りして、自分のペースを守って無理をしないよう努めているのですが、現実は難しいですね。
●関連リンク・・・統計症例報告「兎眼(顔面神経麻痺など)への鍼灸施術」
11.6 第39回「眼科と東洋医学」研究会は無事終了
昨日開催された「眼科と東洋医学」研究会は、私の一般演題も含めて一般演題5題+特別公演2題で無事終了しました。今回、私の報告は「兎眼(顔面神経麻痺など)への鍼灸施術」ということで、初めて温灸治療も含めた内容でした。兎眼(閉眼不全)は眼科領域ですが、顔面神経麻痺は耳鼻科領域ということで、眼科領域の演題としては微妙なところです。発表順としてはスターター(第1席)ということで、緊張することもなく終わることが出来ました。
他にも伊藤先生(イトウ鍼灸院)からは、興味深い網膜動脈閉塞症の症例報告があり、特別公演(平地治美先生)で、少陰心経の関係する眼球は熱が籠り易いため温めるべきではない(眼の周囲は温めても問題ない)という話から、私も日頃気になっていた内容が特に印象に残りました。今回の「眼科と東洋医学」研究会を最後に、会長は竹田眞先生から山本昇伯先生に変わり、次回の開催はまだ未定ですが新しい内容で再開される予定です。私も7回連続で症例報告をさせていただきましたが、一区切りついてホッとしています。もう少し先になりますが、当院の統計症例報告として「兎眼(顔面神経麻痺など)への鍼灸施術」を掲載する予定ですので、お待ち下さい。
10.10 新しい趣味に目覚めたかも
10月8日〜9日の連休は大学時代のサークル仲間と、岐阜県にある恵那峡温泉に行ってきました。天候が雨で出かけられなかったので、温泉だけの二日間になりましたが、結果として新しい趣味に目覚めたかもしれません。実は私は温泉が苦手で、出かけてもカラスの行水、また直ぐに熱く火照ってしまい、後で疲れて寝込むなど、とても楽しめたものではありませんでした。ところが今回は涼しくなった秋の露天風呂で、体の火照りも少なく、疲労感も軽い上、最近の足の痛みも楽になりました。一泊旅行中に初めて3回もしっかり入浴できたのは自分でも驚きです。温泉好きのベテランの方はもっと凄いのでしょうね。
涼しい季節の露天風呂なら疲れも少ないことや、雨が降っても問題無く楽しめること、年を取ってきた体のケアにも良さそうなことなど、気が付いたことが一杯です。車で1時間も走れば温泉は沢山ありますから、これからは家族や友人と一緒に楽しめそうなので、温泉の良さを教えてくれた大学時代のサークル仲間には感謝です。老後の趣味が一つ増えました。有名な川上屋の巨大マロンケーキ(1.400円・4人前位)を完食したのは秘密です。
9.27 夏の疲れ
ようやく朝晩は涼しくなってきましたが、9月末になっても昼間は30℃を超える残暑が続いています。もう個人的に9月は夏、という認識が必要と思っていますが、このところ風邪や体調不良で休まれる患者さんも多く、今になって新型コロナやインフルエンザに罹る方も少なくありません。今年の夏は長期間に渡って気温が高く、疲れが溜まっていることは体調に大きく影響しているはずです。少し涼しくなった今、暑くてできなかった作業を進めたい気持ちはやまやまですが、疲れが取れない内に頑張り過ぎないようにしましょう。朝起きた時に体が重だるいのは、夏の疲れが残っているサインと思って下さい。10月になって上手く夏の疲れが取れてこれば、気持ちのいい季節をきっと満喫できますよ。
9.5 兎眼(顔面神経麻痺)への針灸治療
延期されていた「眼科と東洋医学」研究会は、2ヶ月後の11月5日(日)に開催されます。当院から報告予定の兎眼(顔面神経麻痺)への針灸治療も、少しずつデータやスライドのチェックを進めています。本来、耳鼻科領域である顔面神経麻痺は、発症した初期こそ検査結果により手術や投薬を行う場合はあるものの、その後は概ね経過観察だけで治療はありません。発症から1週間前後で目視による検査(柳原法)を始めることが多いのですが、自然回復には限界があります。また耳鼻科でのデータにより、時間が経てば自然に治癒する症例には条件があることも分かっています。
一般に多いベル麻痺の例では40点満点中、発症後1週間時点で概ね12点以上、1ヶ月時点で20点以上(平均は28点)あれば、最終的に治癒(38〜40点)する可能性は高いようです。しかし発症後1週間時点で10点以下、1ヶ月時点で14点以下の場合は最終的に重い後遺症が残る(30点以下)ことが多く、この中間では軽度の後遺症(32〜36点)が残る結果となります。柳原法は閉眼等の外見的な評価ですので、点数が高ければ表情を作っても後遺症は目立ちませんが、患者さんが感じる違和感や顔の張り、軽微な共同運動は考慮されません。
今回の報告では当院で治療を行ったベル麻痺やハント麻痺を含む52症例について、柳原法も含めて分析していますが、耳鼻科での経過観察に比較して特に早期に針灸治療を開始できた場合には、発症後1週間時点で10点以下、1ヶ月時点で14点以下の重症でも治癒(38〜40点)した症例が複数あり、元々軽症な場合には1〜2ヶ月で完治する症例も多いです。針灸治療は経過観察に比較すると驚く程成績は良いのですが、その確実な条件は発症からの経過時間です。重症例では遅くとも発症から4週間、1日でも早く開始された方が後遺症を残さずに済む可能性が高くなります。ベル麻痺は発症後概ね1年で回復期が完了する疾患で、その後は症状が永続します。誰もが治療に専念するのは難しいことですが、千秋針灸院では可能な限り回復されることを願って日々の治療に取り組んでいます。
8.27 9月1日からの新規・再診(1年以上未来院)患者さんの治療について
私事ではありますが、お盆休みが終わってから二度続けて、足の引き攣りと共に強い痛みを伴って一週間程歩くのにも支障が出てしまいました。熱中症ではという話もありましたが、休み明けで毎日40〜50名の診療で足に疲れが溜まっていたと思います。振り返ると数年前から足に違和感があり、忙しい時には時々足が攣る手前の感覚があったことを思い出しました。今年で私も55歳になりますので年齢からの体力低下でしょうね。しかし日々の診療にも支障が出てきましたので、やむを得ず体への負担を減らすために対策を取らせていただくことになりました。
千秋針灸院の治療スタイルはうつ伏せ・仰向けでの針治療と、必要に応じてお灸を加える形です。これまで専門領域である眼科領域やIBD等の患者さんは、できる範囲で針治療は私が担当してきましたが、9月1日以降の新規・再診(1年以上未来院)の患者さんについては、原則として初診時から、うつ伏せ、仰向けの針治療のどちらかは当院スタッフが行うことになります(少なくともうつ伏せ、仰向けの針治療のどちらかは私が行います)。本来は眼科領域やIBDの患者さんはできる限り私が診るべきですが、幸い当院スタッフの技術や実績は過去にない程の水準にありますので、安心して任せられる状況です。なお眼科領域やIBD等では初診時の問診は全て従来通り私が行います。また現在来院されている患者さんの治療は変更ありませんのでご安心下さい。
今回の治療原則の変更は、今後の定着が必要なことでもありますので、どうしても私(院長)に、うつ伏せ・仰向け全ての針治療を希望される場合には、指名料として毎回1.100円(税込)の加算をお願いすることになります。希望される方は多くはないと思いますが、私(院長)の指名については問い合わせがあれば説明させていただきます。また日々の診療の状況によって、私が全ての針治療を行う場合もあると思いますが、患者さん側からの指名でなければ指名料は加算しません。現在継続して来院されている患者さんについては指名料の加算はありません。(9.6付 提携治療院との料金バランスを考慮して改訂させていただきました)
もう一点、患者さんへの電話やメールでのサポートについてですが、これまでは一度でも来院された患者さんには無期限で質問やご相談等への対応をさせていただきました。しかし現実問題として数年以上に渡り来院の無い患者さんについては、現在の状況を把握しきれないことや確認事項などで何度もやり取りが必要になることから、適切なサポートが困難なことが度々ありました。このため今後は電話やメールでのサポートは最終来院日から概ね2年間とさせていただき、2年以上が経過して相談等が必要な患者さんは原則来院していただき、治療相談扱い(必要なら治療も)となります。
眼科領域やIBD等は特に力を入れて診療をしてきたので、私自身が戸惑う部分もあるのですが、今後も長く診療を続けていくために必要な変更と感じますので、ご理解いただけたら幸いです。重ねて現在継続して来院されている患者さんへの変更ではありませんので、ご安心下さい。
8.1 先日に続いて、網膜色素変性への光遺伝学による治療薬開発の報道
6月末に始めて承認された遺伝子補充療法(ルクスターナ)に続いて、昨日付の中日新聞に慶応義塾大学が研究を進める網膜色素変性への光遺伝学に基づく治療薬の臨床試験について、24年度開始を目指しているという記事が掲載されました。先日の遺伝子補充療法は特定の遺伝子タイプのみで効果を発揮するというものでしたが、今回の治療法は幅広い遺伝子タイプに適応できる可能性がありそうで期待されます。他にも東北大学や名古屋大学でも研究が進んでいるようで、これまで止まっていた網膜色素変性への遺伝子治療が今後は大きく進歩しそうですね。
今回報道された光遺伝子による治療薬は、理論的には視細胞が大きく損なわれていても視機能を大幅に回復できる可能性がありますが、医療の進歩は試行錯誤の連続です。安全に実用化される時期まで、網膜色素変性を大きく進行させないことが大切になります。網膜色素変性に限らず、これから10年も経つと治療可能な疾患へと変わる難病は少なくないと思います。他の難病で苦しんでいる方も諦めず、そして現時点の標準治療が劇的に変わる可能性もありますので、特に手術等のやり直しができない治療は、緊急に必要でなければ慎重に検討されることをお勧めします。
7.18 暑い夏の睡眠とエアコン
当地は梅雨明け宣言はまだですが、晴れた日は35℃を超えて、夜でも25℃を下回る日は無くなってきました。毎年こうなってしまうと蒸し暑くて質の良い睡眠確保は難しくなります。エアコン嫌いで寝る前に水分を摂り過ぎて、何度もトイレに起きる方も見かけますし、私も年のせいか、何時に寝ても明るくなる朝5時過ぎには目が覚めてしまいます。そこで夏場の良質な睡眠確保のためのポイントを考えてみました。
○寝室のエアコンはタイマーオフで28〜29℃で付けっ放し
タイマーが止まる度に直ぐに部屋の温湿度は上昇します。また冷し過ぎは朝だるくなる原因ですので、少し物足りないと思っても高めの温度設定にします。電気代も割安です。ちなみに昼も28℃位に留めて、物足りないなら扇風機を使うことで冷房病を防ぎます。熱中症対策は体感で決めるのではなく、エアコンの設定温度で管理しましょう。
○寝る前にはあまり水分を摂らない
夕食以降の水分摂取が過剰になると、夜間トイレに起きてしまい睡眠の質が低下します。水分摂取は飲酒も含めて程々にします。こう書くと1日に何リットルという質問が出ますが、基本的に高齢者を除く健康な方が夜トイレに起きてしまうのは、水分の過剰摂取と言えます。水分は朝起きて最初に摂りましょう。
○できれば、とにかく早く寝ましょう
明るくなると目が覚めてしまい易いのですから、そのぶん夏は早く布団に入ります。午後10時〜午前2時は生理的に最も睡眠の質が良くなる時間帯ですから、できるだけ睡眠時間にあてた方が体調やメンタル面も良くなります。難しい場合はカーテンなどで遮光して朝日が入らないようにすると夏でも目覚め難くなります。少なくとも連続で6時間以上眠ることが出来れば睡眠の質は確保できているでしょう。
夏の体調管理は第一に睡眠が大切です。私もあれこれと試行錯誤をしながら、良質な睡眠を確保できるよう努めています。近年の夏は異常な暑さもあり体調不良になり易いですが、私たちは変わっていく環境に上手く適応していく他ありません。創意工夫して暑い夏を乗り切ってやり過ごしていきましょう。
6.27 眼科疾患で初の遺伝子補充療法が承認
昨日、IRD(遺伝性網膜ジストロフィー)に対する初めての遺伝子補充療法「ルクスターナ」が承認されました。IRDには網膜色素変性が含まれますが、中でもRPE65遺伝子が変異して視機能障害を生じる網膜色素変性に有効性が認められ、日本人4例を含む治験で光の感受性に改善がみられたということです。
今回の遺伝子補充療法は網膜色素変性症の中でも限られたタイプのみへの適応ですが、今後は続いて様々な遺伝子タイプへと適応が拡がることが予想され、2030年代には網膜色素変性の多くは大学病院等で治療が可能になるはずです。ルクスターナの網膜下注射により遺伝子の変異による機能欠損を補うことで、生存している網膜細胞が正常な働きを取り戻し視機能が改善する仕組みです。
価格は今後決定されるそうでが、先行している海外での価格は両眼で1億円超えです。網膜色素変性は国の特定疾患ですので、患者さんの負担は心配なさそうですが、同様の薬剤は眼科領域以外でも登場していますので、健康保険の財源は少し気がかりですね。
今回の遺伝子補充療法の登場で予想されることとして、生存している網膜細胞が正常な働きを取り戻す治療機序から、とにかく網膜細胞の死滅を防いで視野障害を進行させないことが大切です。当院の針治療は網膜での血流を確保することで、視野狭窄を改善したり長期的には進行を遅らせることに成功していますが、加えてビタミンCの十分な摂取も網膜細胞の死滅を防ぐ可能性があることは、網膜変性疾患の専門書にも記載されるようになりました。また中国医学では体の消耗を防ぐことが視野狭窄を進行させないことに繋がるとされています。
私が20年以上取り組んできた網膜色素変性も、ようやく治療の道筋が見えてきました。ご自身の遺伝子変異タイプに適合する治療法が登場するまでの間、できる限り視野狭窄を進行させないことが、遺伝子補充療法後の見え方を左右します。今後も眼科領域の患者さんが安全に適切な治療へと乗り換えていけるようサポートしていきますので、ご期待下さい。
6.19 適切な針灸治療の間隔とは
千秋針灸院では患者さんの初診時や治療の節目で、患者さん毎に治療に必要な針灸治療の間隔をお話ししています。何かの理由で時々治療を休まれても、概ね75%以上の治療回数(4回中3回以上)ができていれば大丈夫ですが、下回った場合(アンダーペース)には不十分な結果になることもあります。また患者さんの希望により必要以上の治療間隔で行う場合もあります。遠方の患者さんが当地で滞在して治療を行ったり、とにかく悪化させたくない等が当てはまりますが、推奨する治療間隔を上回る場合(オーバーペース)では悪化するなどの心配はまずありません。
※週2回ペース 病気・症状の改善◎(最適)、維持★(オーバーペース)、進行抑制★
病気の進行状況(中期以上)や症状が重い場合、進行性疾患の悪化を止める等を目的として行う治療間隔です。3ヶ月間程まで限定して行うことで状況を変えられる場合が多く、例えば眼科疾患では緑内障、網膜色素変性、糖尿病網膜症、黄斑変性などでは自覚症状の変化だけではなく、病医院での検査結果で驚かれることも少なくありません。
※週1回ペース 病気・症状の改善○(可能)、維持◎、進行抑制◎
病気の進行状況(前期まで)や症状が軽い場合に改善や治癒を目指したり、週2回ペース終了後の治療間隔になります。眼科領域では進行性疾患の場合に推奨する治療間隔で、病気や症状の維持は容易です。週2回ペース程の大きな改善は期待できませんが、悪化はかなりの確率で抑え込むことができます。
※隔週1回ペース 病気・症状の改善△(やや難しい)、維持○〜△、進行抑制○〜△
病気や症状が軽く概ね問題が無い場合に予防や維持を目的とした治療間隔です。眼科領域では慢性に進行する疾患以外、例えば静脈閉塞や黄斑変性の回復期、眼瞼けいれんなどの症状が落ち着いている時に推奨しています。しかし最初から2週間に1回ペースでは改善や治癒は難しくなります。慢性に進行する病気で何かの理由で隔週ペースになる場合には、病気の進行に治療間隔に応じてブレーキがかかる程度になりますので、遠方の患者さんの場合などではお近くの提携治療院等での治療をお勧めしています。
※月1回ペース 病気・症状の改善×(困難)、維持◇(概ね治癒が条件)、進行抑制×
病気や症状がほぼ治癒しているなどで良好な場合に、予防や維持を目的とした治療間隔です。月1回の針灸治療では病気の改善や治癒は困難になりますので、最初から推奨することはありませんが、慢性に進行する病気以外では当院の目標とする良好な状態です。患者さんの希望により一旦終了とする場合も多い治療間隔になりますが、稀に再発した場合には治療のやり直しになります。
電話での問い合わせで多い質問として、治療に適切な治療間隔は一概に言えないのですが、多くは上記になります。針灸治療には病気の種類や状況、年齢、生活習慣などが関係するものの、多くの症例を振り返ると治療結果には個人差はありますが、半数位は治療間隔が適切かどうかで決まっています。患者さんには様々な事情もありますので、適切な治療間隔について何度も説明することはありませんが、あまり状況が良くない場合には治療間隔が適切か、都合等で休み過ぎてはいないかを見直されることをお勧めします。また来院中の患者さんにはお答えしますので尋ねてみて下さい。適切な針灸治療が皆様に役立てられるよう願っています。
5.30 健康は十分な睡眠から
初診の患者さんからよく聞かれる質問に、「自分で出来ることはありませんか」が挙げられます。サプリメントや食事などの答えを期待されていることが多いのですが、ご自身でできる最も効果的な生活習慣の改善は睡眠です。少なくとも6時間以上、可能ならトイレなどで中断しないのが望ましいです。夏は5時頃には明るくなることから早く目が覚めてしまう人なら、夜は11時前に寝る必要があります。この話をすると無理と落胆される方も少なくないのですが、人間は生きているのですから制約があって当たり前。若い内なら無理は効くものの40代・50代となると体が付いていかなくなり、様々な病気を患うことにも繋がります。
仕事上の理由で昼夜が逆転してしまう方も、少しづつでも日勤の割合を増やしていくなど、年齢を重ねるにつれて生活のリズムを整え、出来れば仕事を少し見直したり減らしたりして、疲れを溜めないようお気を付けください。私自身も生活を朝型にシフトして、睡眠時間を確保するよう心掛けています。先日、私もお世話になった先生が60代半ばで亡くなりましたが、長年業界で活躍されていたことも無関係ではないかと思います。ご冥福をお祈りいたします。
5.9 ようやくマスク卒業
昨日からマスクを外しての診療です。心なしか体のキレが良くなったような・・・。100年前のスペイン風邪(インフルエンザ)も約3年で終息しているそうですから、文明が進歩しても終息には概ね同じ時間が掛かったことになります。もちろん亡くなった方はスペイン風邪の推定5000万〜1億人に比較して、少なく(新型コロナは約690万人)済んでいるのはワクチンや医療、公衆衛生の進歩と考えられますが、人類史に残る世界的大流行だったことは間違いないでしょう。3年以上続く様々な制限は長かったですね。
個人的には今も引きずっているのか、何処か出かけたいとかはありませんが、少しづつ楽しみを探していけたらと思っています。
4.24 火曜日午後の診療時間が変更になります
昨年の11月から土曜日午後の診療については、PM4:00〜6:00へと受付時間を変更していましたが、6月より火曜日午後の診療受付時間もPM4:00〜6:00へと変更になります。千秋針灸院は眼科領域の患者さんでは明るい時間帯の通院希望が多く、一方でコロナ禍や残業が減る等の理由から、夜遅い時間帯に来院される方の減少傾向が続いていました。
今から10年程前は遅い時間に予約は集中していましたが、世の中変わるものです。
4.7 新年度の始まりです
3年にも渡るコロナ禍はようやく終息が見えてきて、今年は日常を取り戻す1年になりそうです。私生活でも息子(道大)が高校を卒業して成人しました。残念ながら進学は1年先送りになりましたが、新たに目標が定まったことや今回の挫折は、結果的に後の人生でプラスに働くと思います。彼を支えるためにも今後10年はしっかりと仕事を続けることが必要ですので、親の私達にも良い励みになりそうです。
千秋針灸院内でもマスクを外されている患者さんが増えてきました。当院としても指定感染症2類相当から5類へと変更される5月8日以降は、私やスタッフも含めてマスクを外す予定でいます。この3年間の記憶を忘れないで前に進みたいですね。
3.11 網膜色素変性のページを更新
前回の更新から3年以上ぶりに、網膜色素変性のページを更新しました。この間に網膜色素変性の遺伝子研究が進んでおり、遺伝子補充療法などの新しい治療法も臨床試験が始まっています。実際の標準治療としての医療は2030年代を待つことになりそうですが、千秋針灸院での針治療も将来の先端医療へ円滑に移行できるよう、予想される課題(長期間光刺激が少ないことによる視神経・視覚野の萎縮予防)に対しての取り組みを行っています。少しずつですが、網膜色素変性の根本的な治療も進んでいますので、今後に期待が持てる状況になりつつあります。大切なことは治療法が確立するまでの間、できる限り視機能を保つことでしょう。
●関連リンク・・・網膜色素変性のページ
2.17 勉強は続けなければいけませんね
先日、新規の患者さんに眼の病気の説明をしていた際、「視神経乳頭」という言葉が出なくなって焦りました。当院は眼科領域が専門ですので、診療中も頻繁に出てくる単語です。最近半年程はあまり体調も良くなかったため診療後は早く仕事を切り上げて、長く続けてきた眼科領域の勉強が疎かになっていました。眼科領域の様々な病気や症状を専門としている以上、患者さんに適切な治療を行うためにも継続した学習が必要ですね。
気が付けば眼科領域も新しい専門書が次々と出版されています。専門的な知識と共に針治療の経験を踏まえて、患者さんに分かり易く説明できるよう心掛けたいと思います。
1.27 新型コロナ感染症はようやく5類になるようです
政府はGW明けの5月8日から新型コロナ感染症について、感染法上の位置付けを現在の2類から5類へと変更することを発表しました。感染者の隔離や濃厚接触、マスク着用等の各種制限は基本的になくなり、冬季のインフルエンザと同等の扱いになるはずです。本当は弱毒化が進んだ約1年前の第6波(オミクロン株)終息時に5類相当への変更が適切で、実際に海外は昨年春までで各種制限は概ね解除されていたのですが、ようやく日本政府も1年遅れで重い腰を上げました。
3年以上もの間、マスク着用をはじめ私達の生活は大きく制限されてしまいましたが、ようやく当たり前だった日常が戻ってきます。私も3年間は家族での外食や旅行は一度もありませんでしたし、友人等まで広げても思い返すと数回だけでしたので素直に嬉しいです。今春の感染状況にもよりますが、順調なら千秋針灸院もマスクを外して診療を行う予定です。蒸し暑い夏にマスクで息切れして、診療中に倒れそうだったことも思い出になりそうですが、あと一息ですので皆様も感染しないよう健やかにお過ごし下さい。
1.5 あけまして、おめでとうございます
明日から今年の仕事始めです。今回の年末年始休暇は特に出かけたりしませんでしたが、鉢植えのバラと格闘していました。先に剪定してからショックレスハンマーで鉢を叩いてバラ苗を抜き易くするのですが、2年も経つと鉢中に根が回っているので、トゲのある幹を力一杯引っ張っても簡単には抜けません。牛革の作業手袋をしていても大きなトゲは貫通するし、体のあちこちに刺さって痛い目に遭いましたので皆様もご用心。数年後には再び苦戦する未来が脳裏をよぎりましたが、無事二周り程大きな鉢に植え替えが完了しました。素人づくりですが、針灸院の玄関先で様々なバラを楽しんでいただけたらと思います。
千秋針灸院はおかげ様で23年、私も今年で55歳になります。もう無理ができる年ではありませんが、手の届く範囲で皆様の健康に役立てられるよう日々の診療に臨みたいと思います。それから今年3月に予定されていた「眼科と東洋医学」研究会は諸事情で延期になると連絡がありました。再度開催が決まり次第報告します。
今年も皆様にとって健やかな一年となりますよう願っています。
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