針灸院日記 2015  本文へジャンプ


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12.31 今年もお世話になりました。1年間ありがとうございました。

28日に今年最後の診療が終了。29日は針灸院の大掃除。気が付けば大晦日になってしまいました。振り返ると今年は前半に天利先生の加入と針灸院の増築、後半に井坂先生の退職と「眼科と東洋医学」研究会での一般口演採用が、千秋針灸院にとっての大きな出来事でした。今年一年間の患者さんも延べ1万人を超え、来院いただいた患者さんをはじめ、支えていただいたスタッフや家族に感謝することばかりです。

来年は3月に「眼科と東洋医学」研究会での一般口演が控えており、同時進行で足りなくなっていた駐車場を数台分増設して、患者さんが利用し易く改善していく予定です。午後のスタッフも引き続き募集していきますが、こればかりはご縁があるかどうかですね。誰か来て下さい(切実)。他にもおかげ様で忙しさが増しているため、長く続けられるよう仕事の仕方を変えていく必要を痛感しました。日常の患者さんの診療では、ご迷惑をかけないようにしながら、私自身でいろいろと整理していきたいと思います。

来年が皆様に良い一年でありますように。

12.17 13年目の車検

私の愛車(?)、Copen(初代)の13年目の車検を通してきました。来年から軽自動車税が7,200円から12,900円に上がることや交換の必要なパーツが集中したこともあり、買い替えも含めて正直かなり迷ったのですが、20年越えを目標に乗り続けることにしました。音飛びが増え弱っていたCDオーディオは、随分安くなったナビにアップグレード。古いものでも気に入って購入したものは、いつまでも魅力がありますね。最後の初代Copen乗りを目指そうかな。そういえば私は最後の「かな入力」者も目指していたりします。車とは関係ありませんが、仕事も含めて悪く言えば頑固。自分のスタイルを確立しているとも言えますが、裏目に出て失敗することもよくあります。リニューアルしたCopenも長く乗れるといいのですが。

12.1 「眼科と東洋医学」研究会での一般口演が決まりました

とある経緯で千秋針灸院から2ヶ月ほど前にエントリーしていた、『黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について』の抄録の採用通知があり、眼科専門医の先生方に当院の針治療を紹介させていただく機会をいただけることになりました。

第33回 「眼科と東洋医学」研究会 平成28年3月13日10時〜13時
台東区民会館 〒111-0033 東京都台東区花川戸2-6-5
日本眼科学会 : 関連学会

今回の演題、『黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について』は、千秋針灸院の最新の統計症例報告になります。一般の方から鍼灸師はもちろん、眼科専門医の先生方にも眼科領域の針治療に興味を持っていただける水準で、科学的に吟味した内容となっています。例えば統計的に針治療の効果を表していますので、抗VEGF硝子体内注射(ルセンティス)などの効果との比較や特徴を知ることも可能です。作成にあたっては論文作成等に詳しい菊池先生をはじめ、スタッフや家族の協力もあり、また札幌市・竹田眼科の竹田眞先生には私の演題を推薦していただき、今回の機会がいただけたことを感謝します。

今後はスライド作成などに取り掛かりますが、通常は眼科専門医の先生方が針治療を目にする機会はほとんど無いと思いますので、分かり易い写真や説明など工夫が必要になりそうです。また内容は可能であれば発表後に当院ページに掲載しますが、今回の研究会は初めて眼科医だけでなく、薬剤師や鍼灸師も聴講可能(会費3,000円)となっています。私の持ち時間は7分と短いものの全力で取り組んでいきますので、話下手ではあるのですが内容は楽しみにしていて下さい。

11.28 今日1日で60名の患者さんが来院されました

最近は概ね平日で40名程度、土曜日は50名前後の患者さんが来院されていますが、今日は初めて1日60名の大台に乗りました。全ての患者さんの治療を私一人で担当している訳ではありませんが、少なくとも1日で1.000回以上針を打った計算です。午後の診療が終わってカルテを書こうとしたら、疲れで手が震えて思うように動かず驚きました。

現在の千秋針灸院は合計8台のベッドを使用していますが、3台のベッドで治療していたテナント時代から4年3ヶ月なのに随分前に感じられます。それだけ多くの患者さんに来院していただけることに感謝すると共に、開業・テナント時代から様々な形で支持、協力していただいている皆様のおかげであることを実感しています。

来年も更に患者さんが来院し易くなるような利便性の向上や、私自身の仕事を整理して、これまで以上の専門性を持って診療に注力できるよう努めていくつもりです。ある先輩先生の治療院では一日の患者さんが100名以上とか。とても私には体力的に無理ですが、眼科領域の専門性を様々な形で、針治療を必要としている患者さんに還元していけると良いですね。

11.11 260.000アクセス

11.4 網膜動脈閉塞症のページを追加しました

網膜動脈閉塞症は突然の片眼の大幅な視力低下などから始まる、眼科分野の中で救急医療としての対応が必要な重篤な病気の一つです。現在でも眼科での受診と適切な入院・治療がたった数日遅れるだけで、多くの場合に予後不良となり、眼科での治療法や自然回復は望めない病気です。千秋針灸院では様々な状況の患者さんを診せていただく機会をいただき、たとえ入院・治療後の発症から一週間以上が経過して、眼科では治療ができないことを告げられる状況でも、発症から概ね1ヶ月以内であれば状況にもよりますが、大幅な視力や視野の回復が得られることが分かってきました。

現在までのところ症例数は10名未満ですが、発症から1ヶ月以内に鍼治療を開始できた全症例で、視力は0.4〜1.0以上まで回復し、視野の大きな回復も得られています。まだ鍼治療による効果や限界を全て把握するには至りませんが、発症後の入院・治療後の一週間程度までで予後が決まってしまう現状に対して、鍼治療により1ヶ月程度までは回復の可能性があることを知っていただけたらと思い、時期尚早ではありますが当HPに掲載しました。高齢者を中心に意外と多く、失明される方も少なくない疾患ですので、眼科医の先生方も含めて多くの方に知っていただけると良いですね。

網膜動脈閉塞症については、回復可能な期間が限られた救急疾患になりますので、退院後には1日でも早く鍼治療の開始を検討されることをお勧めします。当院としても早期の予約や集中した治療など、可能な限り対応させていただきますのでご連絡下さい。

●リンク・・・網膜動脈閉塞症

10.29 2連覇達成 !!

神宮へ移動しての第3戦はセ・リーグのトリプルスリー、山田の3打席連続HRで、4-8で負けたことよりも素晴らしい打撃に感銘を受けました。中田だけでなく千賀まで打たれての3本塁打には驚きです。第4戦は摂津がなんとか試合を作り6-4、第5戦は5-0とスタンリッジがよく投げました。打撃陣では内川を骨折で欠き、柳田が死球の後遺症で苦しむ中、李大浩をはじめ脇役の明石、福田、川島あたりも結果を出してくれました。

今年に関しては概ね前評判どうり、私の予想どうりの展開で2連覇を達成する結果になりましたが、最後はやはりシーズン終盤ですので、多くの選手が怪我や勤続疲労でギリギリの状態だったと思います。オフはしっかり疲れを癒していただき、来年のV3、本物の黄金時代を築くことを楽しみにしています。お疲れ様。

10.26 日本シリーズは連勝スタート

昨年までは日本シリーズに出場する度に毎日更新して気合が入っていましたが、今年は針灸院日記自体がなぜか忙しくて更新できていません。とはいっても、この時期までプロ野球を楽しめるのは、ホークスの選手をはじめ球団や福岡を中心とした熱いファンのおかげですね。ホークスは第1戦4-2、第2戦4-0で連勝スタート。

今年のセ・リーグ代表は優勝したヤクルト・スワローズ。トリプルスリーを達成した本塁打王・盗塁王の3番山田を核として、首位打者で2番の川端、打点王で4番の畠山という3人が並ぶセ・リーグ最強打線。確かに怖いのですが、同じイニングで3人を続けて打席に立たせなければ、大量失点は防ぐことができます。ヤクルトの攻撃力自体はパ・リーグならソフトバンク、西武、日本ハムを下回り、チーム打率4位のロッテあたりに相当します。一方、ホークスの打線は得点力、チーム打率等は12球団1位ですので、4番のキャプテン内川が骨折で欠場となっても攻撃力はヤクルトを上回ります。トリプルスリーの柳田から李大浩(本来は内川)、松田、中村と好打者が途切れなく続く打線を、日本中の野球ファンに観て欲しいですね。脇役も揃っていますので、私は黄金時代の西武ライオンズを思い出します。

投手力は両チーム共に実力のある救援陣を持つ似たもの同士ですが、先発投手の力量はホークスが頭数が揃っている分、上回っています。武田、バンデンハーク、中田、摂津、スタンリッジという並びで先発し、森、五十嵐、サファテの勝ちパターンに持ち込む展開になりますが、シーズン終盤になって千賀が戻ってきたため、ジョーカーのようにピンチで登板して力づくで抑え込むことが可能です。3戦目以降は先発投手の力が落ちますので、両チームとも継投がポイントになると思いますが、線(打線)を断って点(個人)にできた方が勝ちます。今年のホークスは油断さえしなければ全勝も可能な状況ですが、最後までやってみないと分からないですね。2連覇まで、あと2勝 !!

10.16 ホークスはCSを3連勝で突破

勝ち上がってきたロッテを迎えたクライマックス・シリーズ(CS)は、初戦のサヨナラ勝ちで勢いに乗るとホークスは一気に3連勝で、日本シリーズ出場を決めました。ホークスはダイエー時代からCSでは苦戦してきましたが、ようやく呪縛を吹き飛ばす戦いを見せてくれました。日本シリーズ2連覇まで、あと4勝です。

9.30 井坂友美先生が退職されました。

千秋針灸院を4年間に渡り手伝っていただいた、井坂友美先生が退職されました。主に小児科領域の担当として、小児眼科を含めて良好な結果が出ていたので、私としては残念なのですが、新しい場所で活躍されることを願っています。井坂先生はテナント時代から一緒に仕事をしてきた最後のスタッフでしたので、時の流れを感じますね。井坂先生の今後の活躍を期待しています。

千秋針灸院を手伝っていただいた歴代スタッフを思い返すと、免許取得後の当院での3年目あたりから誰もが少しづつ才能の芽が出てきます。私を含めて他のスタッフでは恐らく簡単ではないであろうレベルの結果が、少しづつ出てくるようになるのです。プロ野球の投手に例えるとその投手独特の速度、球筋、コントロールや変化球の切れのようなものでしょうか。私は日常の診療を手伝っていただきながら、こうした才能の芽を見つけて臨床の場で適所に起用し力を伸ばしていくことが、スタッフの成長に欠かせないと思っています。結果、スタッフの毎日は針灸漬けになります。縁あって手伝っていただいたスタッフが、いつの日か千秋針灸院を離れても、持ち味を生かして活躍できることが私の願いです。

ということで、午後の診療を手伝っていただける女性スタッフを募集しています。針灸の治療家としての真の実力は、留学を含めた学校での短期間の臨床や、マッサージ施術等をいくら繰り返しても得られるものではありません。千秋針灸院は未来の針灸専門の治療家として、誰にでもある自分の才能の芽を見つけ、伸ばしたいと願っているあなたをお待ちしています。(これでは安っぽい宣伝ですね。でも才能の芽の話は本当のことです。)

●リンク・・・スタッフ募集(女性1名)のお知らせ 2015

9.23 「黄斑変性への鍼施術による、視力変化の統計症例報告」(仮称)

千秋針灸院での針治療による黄斑変性への治療結果が、今回は視力に限定ですが統計的にまとまってきました。当院で一定期間以上の治療を続けられた80名以上・100眼を超える黄斑変性の患者さんの結果は、最新の眼科医療(レーザーや注射など)に比較して引けを取らないばかりか、特に長期的な視力維持では針治療が圧倒的に優位に立つ可能性が高いことが分かってきました。もちろん眼球を傷つけない針治療は、副作用が生じないため安全面でも心配がありません。詳細はまだ書けませんが、それほど遠くなく多くの方に見ていただけると思います。できれば眼科専門医の先生方の目にも留まるよう、報告の内容や提出への工夫を凝らしていくつもりです。

最近1ヶ月以上は今回の報告作成に掛かりきりでしたが、ようやく最初の下書きや基礎となる統計化作業が終了してホッとしています。修正後に某所に提出しますが、果たして眼科医療の側が少しでも鍼灸という薬とは異なるアプローチに興味を示していただけるかどうか、怖さと同時に楽しみでもあります。まあどういう結果になろうとも、実際に鍼灸で良くなっている患者さんが少なからずありますので、私は自分の道を進んで努力を続けていくだけですが、黄斑変性と鍼治療に関心のある方は、今後の報告を楽しみにしていて下さい。公式な報告ですので、治療法も含めた全ての内容が明らかにできる予定です。

9.17 ソフトバンク・ホークス優勝

ホークスは昨年に引き続いての2連覇。しかもパ・リーグ最速の記録的な強さでした。開幕当初の工藤新監督の采配には、正直ギクシャクしたところを感じていましたが、交流戦あたりから投打の歯車が噛み合い、他球団を圧倒する層の厚い野球を見せていただきました。オフの戦力補強以上に他球団では広島カープしか採用していない、三軍制による競争の中から新しい若手も伸びてきていますので、今年だけでなく来年以降も強いホークスが見られそうです。

私がホークス(当時は南海)ファンになったのは35年以上前ですが、当時の野村克也監督が去った後のホークスは20年近くBクラスが続き、いつも負けてばかりで本当に弱小球団でした。ダイエーになり大阪から福岡に本拠地が移っても最初は弱いままでしたが、当時常勝球団だった西武ライオンズから移籍した故・根本さんや王さん(現会長)らが、現在に続く強いホークスを時間を掛けて作り上げました。変化する日々や毎年の状況に対応しながらも、着実な戦略で実力を付けてきた現在の力は本物と思います。昔を振り返ると感慨深い思いがすると同時に、自分や千秋針灸院に振り返っても、学ぶべきところが少なくないように思いました。CS(クライマックスシリーズ)、その先の日本シリーズも応援しています。

9.3 10月から新規患者さんの受付時間を限らせていただくことになりました。

おかげさまで来院される患者さんが増えていることや、6月頃から募集をはじめている午後のスタッフが決まらないこともあり、10月より新規患者さんの受付時間を平日昼間に限らせていただく事になりました。午後の再開は未定です。ご迷惑をお掛けしますが、どうしても初回の診療を午後の診療時間にされたい方は、9月中に来院されるようお願いいたします。千秋針灸院は現在治療を続けられている患者さんに、全力で取り組むことを第一にしていますので、ご理解下さい。

先日の新しい統計作成に加えて、来年には検討が必要な新たな案件が出てきています。このところ何だか落ち着かないですね。天気も雨ばかりで変ですし。

8.16 夏休みでリフレッシュしてきました

今年は沖縄本島。毎年春のプロ野球のキャンプで広島東洋カープが宿泊する、沖縄市のオキナワグランメールリゾートで4泊5日の日程でした。毎年のことですが気温は30度前後と涼しく、連日35度になる愛知県から避暑としての沖縄も、冗談ではなく有りと思えるほどです。ただし日差しはとても強いので、海に行くと思い切り日焼けします。

子どもに海を見せようと毎年恒例になったシュノーケルは2日間、慶良間諸島と津堅島へ行きました。今年もシュノーケルでそっと覗くだけです。透明度や多様なサンゴなどは宮古島には及びませんが、それでも数多くの熱帯魚は見られ、とても楽しめる海でした。津堅島から数十キロ北に辺野古があるのですが、貴重なサンゴ礁を破壊して開発を進めることは、今以上に後世の社会から非難されることになると思います。子どもが親になる頃に、美しいサンゴ礁が残っていると良いのですが、かなり不安ですね。

昨秋あたりから仕事も一段と忙しくなっていたので、とても良い休暇になりました。いろいろと考えを整理する時間にもなり、これからの展望も開けてきました。統計を取りつつ作成し始めていた『黄斑疾患への鍼治療』は、申し訳ありませんが一旦休止して、代わりに簡素な形で統計を取り入れた報告の作成を始めます。まだ詳しくは書けませんが、もしかすると鍼治療が少しだけ今後の眼科医療に影響するきっかけになるかも・・・という大切な内容です。チャンスをいただけたので、しっかり作りたいと思いますが、ボツ企画になったら恥ずかしいのですが年内に公開できます。採用された場合は来春以降になります。

千秋針灸院を眼科領域の専門治療院へと転換してから9年。数多くの症例から眼科領域への鍼治療が一定の効果を持つことを、眼科学に沿って確かめてきましたので、患者さんをはじめ一般の方から、できれば眼科専門医の先生方まで幅広く見ていただけるよう頑張っていきます。今年後半はこの課題に全力で取り組むつもりです。

7.31 鍼灸の流派や治療法よりも大切なこと

千秋針灸院では、これまで提携治療院を含めて500名を超える患者さんに、提携治療院に対してはご紹介、その他の治療院に対しては治療報告という意味合いで、眼科領域などの測定結果や、実際に行った針灸処方などのカルテの写しをお渡ししてきました。当院と類似した治療法で良くなった方や、かなり異なる治療法でも良くなっていた方など様々な患者さんがあります。当院が眼科的に改善しているかをある程度正しく評価できるのは、眼科領域の各種の測定・評価を行っていることや、眼科での薬や手術、検査結果を理解し読み取る専門性の高さが基本になっています。

時々ある出来事なのですが、当院に来院された患者さんがお近くで治療院を探される際に、「千秋針灸院のカルテの写しがありますので、同じように治療していただけますか」と強く求められる場合があるようです。当院に来院される眼科領域の患者さんは、大学病院クラスでないと対応できないような難病の患者さんも多く、真剣に治療院を探されています。眼科の病医院であれば同じ検査や薬の処方ができ、何より眼科学という共通の土台があります。しかし鍼灸治療は外科で行われる手術以上に治療法や技術が治療者によって異なり、全く同様の結果が得られる治療者は二人といないと言っても過言ではありません。同じ治療院内で何年も学んだ場合にのみ、同様の治療法でようやく近い結果が得られるかもしれないという状況です。

このため鍼灸治療院の間での紹介は非常に難しく、紹介やホームページのリンクは一切しないという鍼灸師の先生は多いです。全国規模で多くの提携治療院と共に連携した治療を続けている当院は、まるで逆なのですが、柔軟なご紹介を可能にしているのは、「治療法は一切問わず、治療結果のみを直視する」という、患者さんの立場なら当然の考え方を根本にしているからです。患者さんにとっては「結果が得られるのなら、治療法はどうでもよい」のが真実で、例え治療方法は異なっても確かな結果を出している先生に、私の考え方をお伝えして協力していただいている形が、各地の提携治療院による連携治療です。

当院以外で治療を続けられる患者さんには、「大切なのは治療法ではなく、結果ですよ」と丁寧にご説明していますが、どうしても誤解されてしまうケースがあり、他の治療院とトラブルになることがあります。当院の治療は確かに眼科領域ではある程度結果が出ており、また一層の向上に努めてはいますが、唯一絶対の治療法ではありません。提携治療院の治療結果を見せていただくと治療法は異なっても、病気・症状によっては当院よりも良い結果を次々と出している治療院もあります。治療法などは患者さんにとって「安全で気持ちよく受けられる治療の範囲」なら十分です。どこの治療院で治療を受けていただく場合でも、大切なのは治療法ではなく、確かな結果ですので、見かけの流派や治療法のみに拘り過ぎないよう、お願いいたします。

7.16 ログハウスの夏レポート



千秋針灸院のログハウス増築から、2ヵ月半程が経過しています。現在の千秋針灸院の建物は、2011年に住友不動産の注文住宅仕様(W地域対応・当時の高気密高断熱仕様)として建てられたものに、2015・4より夢木香のマシンカットログハウスを増築した状態です。本体建物からログハウス棟へは、直接連絡しているのでバリアフリーで移動できます。同一建物内に最近(2011年時点)の高気密高断熱仕様の治療室と、ログハウスの治療室を持つということで、毎日仕事場として使う立場の私やスタッフは空間に大きな違いを感じるようになりました。これから家や店舗を建てる方の参考になるかもしれませんので、今後も時々レポートしていきます。

・ログハウスの木の香り
住友不動産の本体建物は、2週間から1ヶ月ほどで木の香り(新建材?)は無くなっています。しかしログハウスは引渡し直後ほど強く香ることは無くなりましたが、現在でもウエスタンレッドシダーの甘い独特の香りが程よく残り、とても気持ちの良い空間になっています。実は最初の数週間ほどは、床下の合板に使われている接着剤らしき薬臭が混ざっていましたが、現在は気にならなくなっています。また一般住宅の壁紙に使われる接着剤や土台の防蟻剤処理をされた米栂材は長期間拡散を続け、夏になると気になりますが、ログハウスは壁紙が使われておらず、土台は防蟻剤処理が不要なイエローシダー(米ヒバ)のため、薬の臭いはせず木の香りだけを楽しむことができます。

・夏のログハウスの室温
本体建物の冷房設定は27度付近です。それでも昼頃になると外気温32度の状態で室温は29度台になります。3台のエアコンが稼動していますが、外気温が熱くなるとなかなか室温が下がりません。店舗ですので人の出入りが多いこともエアコンが効き難い理由と思います。一方ログハウスは冷房設定が28度付近でも室温は27度台になり、明らかに涼しく感じます。エアコンは1台(床面積は半分位)なのですが、患者さんがベットで肌を出すと寒く感じる場合があるほどです。夏のログハウスの室温は確実に1〜2℃は異なることが分かりました。なお全てのエアコンはパナソニック製のJシリーズで統一していますので、特別な機能の違いはありません。またエアコンを入れていない時の温度差も、ログハウスは1℃程低いようです。

・夏のログハウスの湿度
千秋針灸院の各ベッドには全て温度・湿度計を置いていますので、個体差を考慮することなく平均的な状態を知ることができます。エアコンを全て稼動した状態の湿度は本体建物は50%台半ば、ログハウスは60%台半ばという値になりました。本来ログハウスは優れた調湿性を持つため、夏の湿度は低めになるはずです。意外にもログハウスの方が湿度が高い結果になりましたが、これは基礎コンクリートが乾燥するまでの数年間は、コンクリートが水分を放出するため湿度が高くなる現象という話です。それでもログハウス棟に入ると明らかに汗が引いていくのが分かります。数字だけでは無い何かがあるのでしょうか。エアコンを入れていない時の湿度は、この夏は概ね本体建物60%代前半、ログハウスは60%台半ばです。

・ログハウスの遮音・反響
千秋針灸院は県道に面していて交通量が多いことから、往来する車の騒音が結構気になります。しかしログハウスは本体建物の裏側にあり県道に面していないこともあり、車の音は全く聞こえません。しかし県道に直接面していないという理由だけでなく、駐車場や隣の店舗に関係した音や人の話し声も聞こえず、非常に静寂な空間となっています。一方ログハウス棟内の音や、ガルバニウム(金属)屋根への雨音はかなり響きます。ログハウス壁面のレッドシダーは、多くのコンサートホールに使用されるほどの遮音・反響に優れた特性があるという話で、こうした結果になっているのかもしれません。ログハウスは静かで、音楽がとても綺麗に聞こえることが分かりました。

・ログハウスのセトリング現象
ログハウス独特の現象として、完成後の数年間は木が収縮することで壁が低くなる「セトリング」という現象が必ず起こります。ログハウス棟の内壁は半透明ホワイトに着色していますので、本体建物との接合部でセトリングの量が分かります。最初の1ヶ月で5ミリ程低くなった後は少し落ち着きつつあり、現在は7ミリとなっています。ログハウスでは最初からセトリング量を予測して設計されるのですが、3%程度と言われていて例えば2.5mの天井高なら最終的に7センチ以上低くなる計算になります。レッドシダーは柔らかい無垢材ですのでセトリング量は大きくなるそうですが、今回は自然乾燥の進んだ木材を使用したため、それほど大きくはならないだろうと夢木香さんから説明されています。興味深い現象ですね。

現在までのところ、ログハウス棟は本体建物に比較して、「次元が違う」と言えるほどの快適な空間になっています。この状況がいつまで続くのかは分かりませんが、まずは四季を過ごしてみて、更には年月を重ねることで「住み心地の良い家」とは何かが、実感できるのではないかと楽しみにしています。最近の住宅は大手ハウスメーカーの宣伝もあり、高気密・高断熱の仕様が主流になっていますが、真逆のログハウスがこれだけ住み心地が良いという結果になるのは、現代の住宅に何か足りないものがあるようにも思います。何やら医療と同じ部分がありそうですね。どれだけの方に見ていただけるか分かりませんが、季節が変わったらまたレポートしますので、お楽しみに。

7.12 神奈川県・伊勢原市の医鍼堂鍼灸院さんをリンクしました

これまで諸事情により、当院に来院いただいた患者さんで希望がある場合に限って、ご紹介させていただいていた神奈川県・伊勢原市の医鍼堂鍼灸院さんを、提携治療院としてリンクさせていただきました。「丁寧に治療していただけた」と通われている患者さんからも好評で、眼科的な結果も良好です。近隣の方にはお勧めできる治療院です。

●リンク・・・眼科領域の連携治療・提携治療院一覧

7.3 眼内注射や白内障手術後の副作用に気をつけて

最近来院される新規の患者さんで、気になる傾向があります。眼科で黄斑変性や黄斑浮腫の治療に頻繁に使われている眼内注射(アバスチン、ルセンティス、アイリーアなど)です。当院の問診からは、これらの注射を一回でも行った患者さんでは、数年後に白内障を高率で発症しています。また概ね5回以上行った患者さんでは、眼圧が上がり緑内障を発症するケースが目立っています。白内障、緑内障共に、眼内注射を行った側の眼だけに生じていることから、加齢などが原因ではなく、因果関係は明らかと思われます。

更には眼内注射後に脳出血を生じた患者さんがあり、医師は因果関係は不明としながらもその後の注射は行えないと診断した症例もあります。こうした副作用情報は初回の眼内注射を行う前に説明されているようですが、注射を繰り返し行っていく中で軽く見られてしまい、気が付くと黄斑浮腫の問題よりも緑内障が進んでいたという結果になることもあります。実際に眼内注射の副作用で発症した緑内障により、失明の手前まで追い詰められた患者さんもあります。

安全と言われている白内障手術も、眼科医療現場の外側にある私から見ると、大きな問題を抱えています。白内障手術の成功率は99.8%以上。しかし当院では加齢黄斑変性を発症した患者さんの何割かは、白内障手術後から5〜10年程度で生じていることが分かっています。術後の網膜障害の原因として、白内障手術で挿入される人工水晶体は透明度が高く、一定度の紫外線を透過させてしまうことが原因であることは、眼科学専門書にも書かれています。別のページにも書きましたが、水晶体は加齢に伴い徐々に濁ることで、同じく加齢した網膜をある意味守っている一面もあるのです。だからといって視力が出ないほど白内障が進行しては本末転倒ですが、可能な範囲で手術を遅らせることで、別の障害の発症リスクを最小限に抑えることは、今後の長寿社会において大切になると思われます。

このような問題から、私は来院される患者さんには注意を促しているのですが、眼科医によっては「注射で副作用などが生じたことは一度も無い」などと強弁し、中には「注射をしなければ膨らんだ網膜が破裂しますよ」などと、私がOCT画像や眼科学専門書で一度も見たことのない説明をされるケースもあるようです。私も患者さんが主治医からここまで言われて注射等を選択されると、「どのような状況でも最善な治療をしましょう」としか話せなくなります。私の知る限り、不要不急の状況で、眼内注射やその他の手術を繰り返した場合、その後大きく改善して長期間良好な結果が得られているケースはまずありません。

一回の注射では網膜浮腫などは一時的に減り、薬効が切れると元に戻る程度ですが、大幅に悪化して取り返しが付かなくなるリスクの方が問題で、網膜裂孔による大出血やレーザー(PDT)による黄斑傷害、大幅な眼圧上昇などは、回数を重ねるほど危険が高まります。患者さんも医師も良くなることを願って、そして良くならないから注射や手術を繰り返す事になるのですが、結局のところ繰り返し注射や手術を行った場合には、長い目で見ると別のトラブルも加わり、針治療を含めて何をしても回復不能な状況まで悪化してしまうケースが少なくないのです。

眼球は直径3センチにも満たない精密な小器官です。ここにメスを入れたり、注射やレーザーを行えば、全体に影響が波及して別のトラブルを生じるリスクは、避けられない事実です。緊急の場合には選択の余地はありませんが、それ以外では医師の勧める様々な投薬・手術が適切かどうか、リスクは何か、漫然と行われていないかを検討してみて下さい。以前なら医師が勧める医療しか選択できませんでしたが、インターネットをはじめ様々な情報が得られる時代です。誰もが自分で調べて自分の意見を持ち、最善の治療法を選択していただけるよう願うと共に、私も微力ながら眼科領域やクローン病などでは、皆様の力になれるよう精進していきます。

6.16 天利先生が新たに当院スタッフとして加わりました

諸事情で予定より遅れましたが、本日より天利先生がスタッフとして加わりました。これまで天利先生はリハビリテーションを専門に活躍されていて、眼科をはじめ特殊な分野を中心とした千秋針灸院では若干異色ですが、整形外科領域など本来針灸院の得意とする分野で助けていただけそうです。治療院の「姿」には様々な考え方が有りますが、私は個人の能力には限界が有りますので、各スタッフの優れた部分を持ち寄って、患者さんの要望に応えていける治療院の姿を目指しています。天利先生の活躍に期待しています。

なお、昨日の午後の診療を手伝っていただけるスタッフは引き続き募集しています。

またスタッフ紹介千秋針灸院の施設紹介も更新しました。これまで施設紹介はテナント時代の写真が更新されずに残っていました。ホームページの規模が大きくなるほど、更新できていないページがあちこちにできてしまいますね。

6.15 スタッフ募集(女性1名)のお知らせ

千秋針灸院では、午後の診療を手伝っていただけるスタッフ(女性1名)を募集しています。有資格者の方も応募は可能ですが、午後の診療時間を担当していただくため、鍼灸専門学校の1・2年生の方に向く募集内容となります。卒業後も希望が有りましたら、引き続き就職していただける可能性が高いため、その先の開業まで見据えた現実的な将来設計ができていくと思います。定期テストや国家試験にも配慮した雇用条件を設定していますので、学業への影響は心配ありません。将来、医療としての針灸治療を専門として、仕事をしていきたいと考えている方の応募をお待ちしています。

なお今回の募集内容については、就業時期を本年9月以降で予定しています。
詳細な募集内容は下記リンクから

●リンク・・・スタッフ募集(女性1名)のお知らせ 2015

6.12 東京都で新たに提携治療院をお願いすることができました。

今年初めにご紹介した、東京の世田谷区で開業されている仙川一本堂鍼灸指圧院さんを、新たに提携治療院としてお願いできることになりました。東京都内の提携治療院は4件となり、患者さんはお住まいの近くかどうかに加えて、治療方法の違いを含めて選ぶことができるようになっています。当院も含めた眼科鍼灸ネットワーク(仮称)は、特に転居や転勤のため同じ治療院で治療を続けることが難しい患者さんに、大変喜ばれています。これからも患者さんの立場に立ち、確かな実力のある治療院のネットワークが広がっていきます。

また直接のリンクは行っていませんが提携治療院に準じて、ご紹介できる治療院がある場合もありますので、当院に来院された際には聞いてみて下さい。ただし理由を問わず電話での問い合わせではご紹介できませんし、本当に無い場合もあることはご了承下さい。

●リンク・・・眼科領域の連携治療・提携治療院一覧

6.3 眼瞼けいれん・顔面けいれんのページを更新しました。

2年ぶりに眼瞼けいれんなどのページを更新しました。千秋針灸院では2年も経つと症例数も大きく増え、治療法も改良が進んできます。今回も治療法や新しい知見が加わり、内容を大幅に更新しています。眼瞼けいれん・顔面けいれんなどでは現在の医学では根本治療が存在しないので、治療はボトックス(ボツリヌス菌)の注射療法に頼っています。しかし様々なリスクのある注射を打ち続けることで、大きなトラブルを生じていることを多くの患者さんから学ばせていただきました。また完治こそ難しいものの、症状の軽減は多くの患者さんで得られることや、日常生活での注意点なども今まで以上に分かってきました。

私がHPで書いている内容は他では書かれていないことも多いのですが、千秋針灸院が眼科領域に専門化した治療院のため、同じ病気・症状を持つ患者さんが自然に多くなることや、最新の眼科学を学びながらも、常に中医学を出発点とした全身や生活環境の視点から「事実かどうか、問題は無いか」に目を向けていることが理由です。例えばコンタクトレンズやLED照明などでは、意図的に問題点が隠されています。様々な医薬品や手術なども医師向けの専門書には書かれていても、患者さんには説明されていない事実があります。こうした内容を正しく理解していくと、医療機関のためではなく患者さんの立場に立った治療や働きかけが可能になります。私も日々勉強ですが、多くの方に役立てていただけるよう頑張っていきます。

眼瞼けいれんのページを更新しました。

5.19 針治療による眼科領域の新しい知見がぞくぞく登場

私が眼科領域の治療を唯一の専門として取り組み始めてから、今年で9年目になりますが、まだまだ臨床では新しい発見の毎日です。例えば眼科では72時間以内に緊急の治療が必要になる網膜動脈閉塞(RAO)では、様々な症例の治療を経験させていただいた結果、発症から1ヶ月以内であれば、良好な結果が得られる可能性があることが分かってきました。ただし、年齢では若い方の回復が優れることや、1日でも早く針治療を開始することが最大限の回復に繋がることはもちろんです。

また白内障では通常の視力に加えて、コントラストを下げた(12.5%)視力の回復も得られることが分かり、根本的な回復には繋がらないものの、見え方を改善して手術時期を遅らせることが可能になるなど、一定の効果は有ることが分かってきました。こうした事実が次々と分かってくる理由は、眼科領域を専門とすることから様々な測定・評価が可能であることや、同じ疾患での症例数が多く、針治療による効果の傾向を把握し易いことによります。今後も様々な新しい知見を加えながらホームページで公開していきますので、ご期待下さい。

●眼科領域の針灸治療のページを更新しました。

P.S. まだ注文しているベッドが届かず、ログハウス棟は一部だけしか使えません。フル稼働はもう少し先になりそうです。

5.7 ログハウス棟の引渡し完了


アーチカットはログハウスだけの特徴的な仕様。壁にはメープルとシーダーの彫り物。

ログハウスではログ壁を好きな形に切り抜くアーチカットが可能なのですが、治療院ですので無難な形に収めていただきました。夢木香さんのHPを見ると様々な形やキャラクターにカットされていて、見ていると楽しくなってきます。カットは無難な形に収めましたが、向かって左にカナダ材を表すメープル、右にはレッドシーダーの枝葉をログ壁に彫っていただけました。こうした楽しみはログハウスならではですね。飾り棚も5ヶ所に付けていただきました。


トイレ本体と手洗いはピンク。ストロベリーチョコをイメージした配色にしてみました。

ログハウス棟との連絡通路にあるトイレは、待合にあるトイレの予備として設置したものですので、最小限のスペースのため狭いのですが、木肌の透けた白い壁にピンクとブラウンの設備として遊んでみました。狭いだけに大柄な方には窮屈かもしれませんが、必要な設備は揃っていて木の香りは最高です。これでメイントイレが故障した際でも大丈夫。


白い壁に青〜紺色の配色が今回の塗装色。沖縄のマリンブルーをイメージしました。

本来レットシーダーの木肌は赤系なこともあり、内・外壁の塗装はイメージと違った部分もありましたが、最終的には概ね良い感じに仕上げていただけました。この建物だけ見ると鮮やかな色使いで気に入っているのですが、周辺はリゾート地ではないので微妙な感じです。県道側(南側)に面していたら凄く目立ってしまいましたが、今回は控えめに自己主張。

4月30日に引渡しが完了し、すぐにローラーベッドだけは使用を開始しました。ベッドや赤外線治療器、カーテンなども発注済で、5月18日あたりから治療室としても使用できる事になりそうです。ログハウス棟はベット毎に専用の換気設備を持つ従来の治療室とは異なり、ベッド毎の換気設備は備えていないため、お灸を使わない針治療専用の治療室となります。基本的にログハウス棟の使用は子どもさん(小児はり)と、針治療のみの患者さん、ローラーベッドを使われる方となりますので、ご了承下さい。

ログハウス棟は完成しましたが、実際の感想として塗装がやや難しい以外には、思った以上にレッドシーダーの香りが強く、ログ材の選択段階から好き嫌いが分かれそう(私は好きな香りなので正解でした)。調湿作用のためか中に入ると少しひんやりし、ジメッとした感じが薄れること。あと音楽をかけると音が良いのに驚きました。調べてみるとレッドシーダーはギターなどの楽器本体に使われるほど音響効果が良好で、オーディオルームとしてもレッドシーダーのログハウスは優れているようです。私には予想外のプレゼントでした。

これから長期的な長所や短所も明らかになると思いますので、私も住宅としてのログハウスに少しづつ触れていきたいと思います。ログハウスについては賛否両論、ネット上でも色々と言われていますが、実際に建てて住んでみることで初めて分かることがあるはずです。私は針灸治療を仕事にしてはいますが、根本は自身のクローン病をきっかけとして「健康の条件とは何か」を考え実践していくことがライフサイクルです。医療だけでなく日常生活の全ての面から、無理なくできそうなことから取り組める、人に優しい環境や生き方を探して行きたいですね。

4.30 クローン病が完全寛解すると問題が。

私自身の持病でもあるクローン病は、現在の医学の常識として治癒することはないとされるため、特定疾患としての認定制度もあり、患者さんの医療費は一定度軽減されたり、職場での配慮などもされています。しかし当院では私自身も含めて、比較的軽症な患者さんでは実質治癒(長期の完全寛解)を得られることが少なくないため、体が完全寛解に近づくと別の意味で悩む患者さんが増えてきます。なお完全寛解とは、病院で処方される一切の医薬品を必要とせず食事制限や体重減、その他症状も無いか、ごく軽微な状態が長期間続いている状態です。クローン病では発症からの期間が比較的短く、手術歴なし、免疫抑制治療(レミケードなど)歴なしなどの条件が合えば、半数以上で完全寛解は可能です。

過去にあった主な相談では、就職の際にクローン病を告知すべきか、住宅ローンを組む際に過去のクローン病をどう説明すればよいか、薬も要らないのに特定疾患の認定を続けるべきか、診断名が変わった(IBDからIBSなど)り、過去の診断書があっても職場に残業・夜勤などの配慮をして貰えなくなったなど、様々なケースがありました。患者さんは体重も増えて健康を取り戻しつつある順調な状況でも、新たな悩みが出てきてしまいます。私は現在の医学や制度がクローン病を不治の病と定義していること自体に誤りがあり、もっと柔軟に状況に応じた治療や制度が必要ではないかと思っています。クローン病に限らず様々な難病を抱える患者さんにとって、どうしたら過ごし易い社会になるのだろうかと、漠然と考えるのですが答えは出てきませんね。

4.19 現在の進捗状況 (7)


窓枠が取り付けられました。このままでも良いくらいですが、更に塗装されます。

平屋で軒の出は750mm以上はあるため、耐水性の高いレッドシーダーの外壁は無塗装でも問題ない(シルバーグレーに退色はします)のですが、今回は木目を出さない油性で塗りつぶすログハウス専用の塗料を使います。外壁の保護を考えてのことですが、様々な方から「もったいないね」と言われています。多くの方が採用する木目を生かした塗装は、寿命が5年程度しかなく頻繁な塗り替えが必要になりますが、今回の塗装は耐久性が高く10年程度は塗り替えなしで済むそうです。残念な気もしますが、レッドシーダー特有の色ムラのある美しい木肌は、そろそろ見納めです。


棚やカウンターの造作工事。パインの集成材で、天板30mm他は25mm厚の仕様。

内部の大工工事は終盤になっています。現在の針灸院の棚やカウンターは、新築時に取り付けていただいたヤマハのキッチン用キャビネット等の既製品でしたが、今回は木工事を得意とする夢木香さんですので、木製品のほとんどが造作です。パインの集成材とはいえ、MDFに突き板を貼った家具とは違い、武骨ですがズッシリと重く質感の高さを感じます。費用も材料代と大工さんの手間代で済みますので、既製品よりも割安で高品質。


勾配天井と壁の間には間接照明用のボックスを取り付け。謎のスリットは何でしょう。

壁と間接照明用ボックスの間にあるスリットは窓のカーテン用ではなく、間接照明の光を下に逃がして柔らかな明るさになる工夫を提案し、設計していただきました。ただ実際の効果は完成してみないと分からず、今回の増築では必要十分な照明の確保が最大の不安要素です。ログハウスは木肌の経年変化を楽しむ方が多く、コストも掛からないことから、一般に内装は無塗装とされることが多いのですが、治療院としては業務用途としての耐久性を重視して、また暗くなり過ぎないよう木目を生かした半透明ホワイトで塗装をします。

間もなく大工工事が終了し、内装・外装の仕上げや設備設置へと進みます。当初の予定から若干遅れますが、4月末頃に完成する予定です。そろそろカーテンやベッド、赤外線治療器などの発注が必要な時期になってきました。あと1ヶ月位で使用可能になりそうです。

4.18 250.000アクセス 

ホームページ公開から約15年で25万アクセスになりました。おかげさまで、針灸治療院として仕事を続けられることに感謝です。

4.9 現在の進捗状況 (6)


窓が付きました。窓枠はこれから。外側が樹脂・内側は木製のLowE断熱2重サッシ。

防犯対策として、細い縦すべり窓は米国製のインティグリティ。必要十分の高性能サッシです。ログ材はカナダ産のレッドシーダー(WRC)なので、建物の材料はワイルドな北米系。しかし外壁塗装は北欧系の特徴を持つデザインになる予定。施工は日本の気候に合わせた工夫が取り入れられます。なんかワールドワイドですが、統一感は微妙で少し心配かも。


勾配天井の下は太いログ材が縦横に走っています。カーテンレールの取り付け用。

傾斜している天井にはカーテンレールを取り付け難いことから、大胆にも無垢のログ材をカーテンレールの取り付け用に使ってしまうことを提案して、この形になりました。ちょっと天井が賑やかになりますが、建物の補強にもなります。それにしても圧倒的な木材量。内部の塗装と照明でどう変わるのかは、完成までのお楽しみ。(実は私にも想像できません)


基礎とログの間は、水切りのガルバニウム鋼板でカバー。夢木香ログハウスの特徴。

ログハウスは外壁も有機物である木材が露出していますので、多雨多湿の日本では腐りやすく不向きとされてきました。しかし現存する世界最古のログハウス(丸太組み工法)は、奈良県にある国宝の正倉院(校倉造り)で、1200年も前の建物だったりします。宝物庫として建てられた正倉院は基礎を高くし、軒を長くするなど多雨多湿の影響を受けにくい設計で、日本の気候に合った家作りのお手本といえるでしょう。昔の人の知恵は凄いです。

ログハウスの話に戻すと、木材が露出する弱点を、基本に忠実な設計や施工の工夫でカバーできるかが大切になってきます。ログハウスはメーカーによっては、経年による著しい劣化や雨漏りなどの苦情が多いのが事実です。今回の増築をお願いした夢木香さんは、こうしたログハウスの設計・施工の品質が国内メーカーの中でもトップクラスであり、様々な工夫が各所に見られます。こうした部分に目が行ってしまうのは、私も現在の千秋針灸院の設計を通して、かなり家作りを勉強させていただいたということですね。

4.5 ウノプロストン(商品名オキュセバ)の第三相臨床試験が終了

多くの網膜色素変性の患者さんに登場が期待されていた、オキュセバ点眼薬の第三相臨床試験が終了となりました。結果は残念ながら統計学的な有効性は認められず、今回は治療薬としての認可は下りないのですが、視力や網膜感度の改善、自覚については有意差が認められたということで、引き続き治療薬としての可能性を検討していく事になったようです。この結果から治療薬としての登場は暫く先にはなりますが、私は近年専門書の一冊すら出ていない網膜色素変性の研究を続けていくことが大切と思います。

オキュセバ点眼薬は眼圧を下げる効果が認められており、やや眼圧が高い方には眼圧を下げることで網膜の血流量を増加させる効果が有ります。血流量が増加すれば網膜細胞に酸素や栄養が届くようになり、結果として弱った網膜細胞が視機能を取り戻し、生き残り易くなることで網膜変性の進行を抑制します。副作用である嚢胞様黄斑浮腫が生じないかを、OCT(光干渉断層計)で確認しながら慎重に処方すれば、網膜色素変性の進行抑止には有効な点眼薬と思います。

私の緑内障治療の経験からも、針治療との併用により効果も高まることが期待できるため、眼圧がやや高く嚢胞様黄斑浮腫が無いなどの条件を満たす患者さんには、積極的に勧めてきました。ただ今回の結果から最近まで試験的に用いられることの多かった、オキュセバのベース薬であるレスキュラ点眼薬が、一律に効果無しとして止められないかが心配です。今後も網膜色素変性の研究が進んで、針治療も含めて「どのようなケースで、何の治療が有効か」が明らかにされることを願っています。

3.29 井坂先生が小児科領域を専門に取り組みます。&現在の進捗状況 (5)

4月より小児科領域は井坂先生が専門として担当する事になりました。以前から小児科領域に関心を持たれ、各種の勉強会や専門書などから学んで準備を続け、当院でも小児科領域の様々な治療で実績を重ねつつあります。千秋針灸院では各スタッフの関心や興味のある分野を深めて、専門医のレベルに少しでも近づけられるよう後押しすることで、将来針灸治療を通して様々な専門分野で活躍できる、本物の治療家を育てていきたいと考えています。とはいえ眼科領域に比較すれば、まだ井坂先生の取り組みは始まったばかりですので、お手柔らかにお願いします。子どもさんやお孫さんのことで気がかりなことがありましたら何でも聞いてみて下さい。

個人的な意見ですが、従来の鍼灸師にありがちな幅広い分野に一応は対応できても、インターネット以上の専門知識を必要とする少し踏み込んだ疾患には、お手上げになってしまう状況では、適切な治療を本当に必要としている患者さんのニーズに応えていけないと思います。私は患者さんに対して、専門医と基本的に同じ説明ができ、一方で針灸治療の専門家として分かりやすく診立てを伝えて適切な治療や指導を行い、自覚的にも客観的にも結果を伴うことで患者さんの期待に応えていくことが、今後の鍼灸師に求められている姿という信念を持っています。こういう話をしている私もまだ途中ですが。

●小児はり適応症のページを、なんと9年ぶり更新しました。(サボってました)


今日は雨。昨日中に防水ルーフィングまで進めていただけたので助かりました。


28日午前には足場が組まれたため、建物の姿はしばらくおあずけです。


よく聞かれる現在の建物との位置関係です。患者さんの駐車場には影響しません。

3日間でルーフィングまで進み、今日の雨も心配ありません。近くの別の現場(他社)では納期に間に合わせるためか、雨の中でも野路板(屋根)や木工事の作業を濡らしながら進めていたので、他人の家ながら心配になってしまいます。今日の雨に建物が濡れないよう、昨晩は結構遅くまで大工さんは頑張られていたので感謝です。下請けに任さず自社の責任施工かどうかは、こういう部分に出てくるのでしょうね。

3.27 現在の進捗状況 (4)


お昼過ぎにはもうここまで。(寝坊しました) 一段毎に丁寧に組み上げていきます。


増築なので2階からも作業を見ることができます。木材の使用量に圧倒されました。


夕方には屋根の垂木まで進みました。幸い天候に恵まれ順調に進みました。

僅か2日間でここまで進みました。今日が工事のメインイベントということで、6人もの方が作業されていました。出来上がりの形が見えてきたのですが、思ったよりも大きく積み上げられたログ材に圧倒されました。ログビルダー(ログハウス専門の大工さん)の方も、「ミニログの増築と聞いたけど結構大きいね」と話されていました。室内の梁もログ材です。夢木香の設計士さんには「小さくても本物のログハウスで」とお願いしていたので、私の希望を形にしていただき本当に感謝です。明後日は雨の可能性があるため、明日は屋根まで進むでしょうか。

ところでレッドシーダーはその名のとおり、材の赤みが特徴的ですね。土台のイエローシーダー(米ヒバ)とは全く異なる色調です。ほんのりと甘くスッキリした特有の香りも最高。

3.26 現在の進捗状況 (3)


基礎パッキン上に3.5寸米ヒバの土台です。防蟻剤不要は嬉しい仕様。名前入り。


ログ(壁)材はレッドシーダーの90ミリ厚無垢材。年輪が細かく詰まっている良材です。


今日は土台・床断熱・床組みと1段目のログ積みで終了。明日がいよいよログ積み。

今回の増築はベタ基礎に基礎パッキン、3.5寸の米ヒバ土台、スタイロエース(90ミリ)の床断熱、28ミリ合板の剛床構造で、現在の住友不動産の建物に劣らない仕様です。大手のハウスメーカーには安心感がありましたが、自社施工で優良な工務店であれば全く心配無いように思いました。

90ミリのレッドシーダーにした理由は、香りの良さと耐久性に期待したからですが、厚みのあるログを使うと部屋が狭くなってしまうことも理由でした。この厚みは居住可能なログハウスとしては薄い方ですが、壁芯から45ミリしか内外に出ないため、部屋が広くなり限られた土地を有効に利用できます。実は今回の増築は薄いログを選ばざるをえない程、スペースが足りなかったのが事実ですし、通常のログハウスの様に1.5倍程度の厚みがあると、価格も更に数百万円は高価になってしまいます。

薄いログは断熱・蓄熱性で不利ですが、床・天井の断熱仕様はしっかりしている上、窓を防犯上の理由から小さくして床暖房も備えているため、冬場の寒さは心配無いものと思っています。どうしたら快適で使い易く、合理的に価格を抑えるかを考え抜いたのが今回の形ですが、実際に完成するのがとても楽しみです。

3.23 現在の進捗状況 (2)


型枠が外されて綺麗な基礎が現れました。駐車場側から見ると結構高く感じます。

3.20 現在の進捗状況 (1)


20cmピッチで鉄筋が入り、いよいよ基礎工事が本格化します。西側は深基礎です。

3.17にベースコンクリートを打つ前の状態ですが、きちんと防湿シートが貼られています。以前の住友不動産の工事も同じでしたが、こうした見えなくなる部分がしっかりしているのは安心できます。


土台の上に外壁部分の型枠が入り、もう一度ミキサー車から生コン注入の直前。

3.20に今度は立ち上がり部分へ再度のコンクリートを注入しました。基礎高は既設の建物に合わせましたが、大切な立ち上がり幅は150ミリあるので必要十分な仕様です。これから中5日寝かせて土台やステージ作りが始まる予定です。

3.11 正常眼圧緑内障

正常眼圧緑内障(NTG)とは、一般に眼圧が正常範囲(21mmHg以下)内にも関わらず、緑内障性の視野欠損や視神経乳頭に異常が生じている病気で、千秋針灸院の緑内障の患者さんの内、NTGと診断されている方は半数以上にもなります。眼科では一般に眼圧が正常範囲内にあっても、視神経がそれ以上に弱くダメージを受けるために視野障害が進行すると説明されます。仮に眼圧が15で進行するのなら12以下に、12で進行するのなら10以下を目標として最初は点眼薬、眼圧低下が不十分であれば手術が検討されます。しかし眼圧だけに着目した眼科医療では、いくら眼圧を下げたところで進行するNTGは少なくないのが現実です。

当院ではNTGの患者さんへの長期的な良好な視機能(視力・視野など)維持を目標に針治療を行っていくのですが、針治療が適切に行えた場合には、多くの方で視力や視野の一定度の回復が認められます。眼科での視野測定を定期的に行っている方のハンフリー視野計の結果からは、概ね1〜3年程度前の視野に回復していることが分かります。また針治療を適切に行えた場合には、一方的に視野欠損が進行してしまう症例はまずありません。網膜色素変性のように統計を出した訳ではありませんが、恐らくは進行にブレーキが掛かっていると思われます。針治療の効果は主に血流改善によるもので、視神経への酸素供給や栄養状態が改善することで、視神経の内、弱って機能し難くなっていた部位が機能を取り戻しているものと考えています。

私はこのことから、眼圧が高い場合の緑内障は直接に視神経がダメージを受けることが原因かもしれませんが、NTGについては眼圧が直接の原因ではなく、主に血流の低下が原因になると考えています。もしも正常な眼圧でも緑内障が進むというのなら、例えば小児の多くにNTGが発症するのではないでしょうか。実際には小児の緑内障は先天性の発達緑内障など特殊なケースに限られます。また当院ではNTGの患者さんの半数近くで低血圧があり、多くの方が手足の冷えを訴えられていることも血流に問題があることを示唆しています。

NTGは血流低下が主な原因という説は、現在の眼科医学の主流ではありませんが、当院での実績・経験上から間違いなく血流の低下が進行の主原因といえます。眼圧が15以下に下がっているにも関わらず、視野欠損が進行して手術を勧められるようなケースでは、手術に踏み切る前に針治療を試してみて下さい。針治療により眼圧や視野の状況が改善することで、ここ数年は患者さんで手術を受けられた方はありません。手術は白内障をはじめ様々な眼疾患のリスクを高めてしまいます。NTGの患者さんに必要な治療は点眼薬までで、あとは血流を改善する生活習慣が大切です。当院の針治療も合わせて行うことで、NTGの進行を長期間抑え込むことを目指しましょう。

3.5 目に優しい照明とは

針灸院の増築は来週から始まる予定ですが、打ち合わせ中に気になった点として、最近の照明についての話です。このところ省エネ志向の高まりもあって、最近の新築住宅では全ての照明器具でLEDが勧められているようです。しかし当院では患者さんから照明をLEDに変えてから「目が疲れやすくなった」、「眩しく感じる」などの声が少なくありません。そして針灸院内の照明は、一般住宅に比較すればかなり明るいのですが、「眩しく感じる」と言われたことはありません。

オーストリアにある国際照明委員会(CIE)では、光源の安全基準についてリスクを分類しています。従来の蛍光灯や以前の液晶ディスプレイ、テレビに使われていたCCFL(冷陰極管)は、リスク免除(Exempt Group)とされており、光源を直視で10.000秒(約3時間)見ても網膜傷害が起こらず、8時間の連続照射を受けても目や皮膚に急性の傷害を生じない安全性が認められています。ところがLED光源については、中リスクグループ(RG-2)とされており、光源を直視した場合には0.25秒以上100秒未満で網膜傷害を生じる可能性、1.000秒(約17分)以上10.000秒(約3時間)未満の連続照射で、目や皮膚に急性の傷害を生じる可能性を指摘されています。詳しくは「CIEリスクレベル」で検索することができます。

千秋針灸院内の照明がかなり明るいのに眩しさを感じ難いのは、患者さんの目に入る照明は全て蛍光灯であること、加えて主要な部分は全て紫外線吸収膜付きもしくは美術館・博物館用の蛍光管を使用していることが役立っています。事実、建物の2階の一部の照明はLED器具ですが、1階より暗いのに眩しく感じられます。紫外線吸収膜付きの蛍光灯は、従来の蛍光灯に比較して価格は数倍しますが、紫外線量は800分の1と低いため目に優しく、開業して早期から採用してきました。網膜色素変性の患者さんなど、眩しさに敏感な方は私が話さなくても「眩しくありませんね」と違いに気が付かれます。

LED照明が安全性で微妙な立ち位置にも関わらず普及しているのは、省エネ志向に加えて単価が高く企業利益に結びつくことが理由ですが、眼科の病気・症状がある方や心配な方は、現状ではできる限り室内の照明にLEDを使用しないことをお勧めします。どうしても使用される場合にはカバー付きの器具にしたり、できれば電球色を選ぶことでエネルギーの大きな青色光を緩和することができます。少なくとも光源を直視することは避けましょう。

既にパナソニックはLED照明器具しか生産しておらず、先日東芝が電球型蛍光灯の生産終了を発表しています。世の中の流れは安全性に目をつぶり、確実にLED照明へと変化しています。将来、従来の安全性の高い蛍光灯などは入手できなくなる可能性もあるため、交換用の蛍光灯や電球をある程度確保すると共に、増築部分のベース照明は間接照明にしてみました。やや暗くなりますがログハウスなので有りかなと。今日の打ち合わせで室内外の全ての色や仕様が決定、完成してみないと分からないこともあるので期待と不安でいっぱいです。

2.21 突然ですが、千秋針灸院の増築工事が始まります

昨年の夏頃から検討を進めていた千秋針灸院の増築が、実現する事になりました。現在の場所に新築移転して3年余り、建物自体の設計から眼科領域へ対応させて、ベッド数も3床から6床となり、以前の治療院での様々な課題を解消してきました。しかしながら、来院される患者さんも増えているため新たな課題として、特に週末や連休前後に予約が集中し、患者さんの希望される時間帯で予約が取り辛くなっていることや、お灸の煙で咳き込むなどのアレルギーを持つ方があること、子どもさんの来院や付き添いも多くなったことで状況により騒がしくなることがありました。トイレの使用頻度も高くなったため、タイミングによってはトイレ渋滞が起こることも有り、ハード面での根本的な解決が必要と考えてきました。

増築にあたっては、ベッド数を2床増やして合計8床とすることやトイレの増設を検討していましたが、検討を重ねる中で更にベッド数を最大で5床(合計11床)まで増やせる拡張性を確保しました。また、子どもさんの治療は増築部分で行うことで治療の空間を分けたり、設計上お灸を完全に使わない空間にすることで、アレルギーを持つ方に配慮できたらと思いました。スタッフの目が行き届かなくなる可能性に対しては、スタッフの増員と配置で対処し、駐車場の不足については少し遅れますが、数年以内に解決する見込みです。そして増築部分は現在の住友不動産の住宅仕様ではなく、ログハウスでの増築に決めました。

ログハウスとは丸太組み工法であり、実際には柱(ログ)を横置きにして井桁状に組み合わせていく建物で、四方の壁には断熱材や壁紙は使用されず、積み重なったログが外壁にも内装にもなります。地震に対しても木造建築としては最強、火事に対しても分厚いログの芯までは簡単には燃えないことから、少なくとも在来工法や2×4(6)工法に対して劣ることは無いようです。壁が全て柱なので使用する木材は通常の木造建築の数倍になり、クロス(壁紙)も使わないため、木材の持つ高い蓄熱性や調湿性が最大限発揮される建物になります。最近の住宅は高気密・高断熱が常識となっているのですが、ログハウスは基本的に低気密・低断熱。しかし住み心地が悪いかというと決してそうではなく、適切に施工されたログハウスは冬は暖かく乾燥し過ぎず、夏は湿度が抑えられ快適という評価が多いです。

千秋針灸院の建物は比較的最近の住宅仕様になりますが、ログハウスという真逆の性質を持つ建物が同一の空間に存在することで、どちらが住み心地が良いのかが、私にも患者さんにも分かるのではないかと思っています。建物の要となるログ材はよく使われているパインや杉ではなく、ウエスタンレッドシーダー(WRC)を選びました。耐久性の高さや木の香りに期待しています。ログハウスの建築で最も重要な施工業者は、単一の工務店としては日本でも屈指の施工実績を持ち、評価も高い名古屋市にある夢木香さんにお願いできました。正直なところ増築は小さな工事ですので断られるかもと思っていましたが、少ない予算の中で相談に乗っていただき、例えば半数の窓は既設部分を再利用するなど、コストを掛ける部分と割り切る部分を明確にすることで、今回の計画が実現することになりました。

3月初めから工事が始まり、4月末には完成、5月中には診療室として使えるようになる予定です。来院される患者さんの駐車場の利用に極力影響が出ないよう配慮していただきますが、工事日程によりご迷惑をかける場合もありますので、ご了承下さい。また工事の進捗状況は随時このページでアップしていきます。ログハウス部分の内装・仕様は現在の建物と全く異なりますので、お楽しみに。

●夢木香さんのホームページ・・・ログハウスに興味のある方は見てみて下さい。

2.16 小さなお客さん

昨年秋で出産のため退職された杉枝(清水)先生が、息子さんを連れて顔を出してくれました。生後約3ヶ月なのですが、首も座ってしっかりしていました。言葉はまだ分かりませんが、何か話そうとしています。まだ体重も6キロ位でとても軽いです。道大(息子)もこんな頃があったことを思い出しました。杉枝先生も元気そうで、子育てを楽しんでいる様子でした。

2.12 IBDの話で最初の状態が抜けてましたので、追加

先日のクローン病の話で、現在通院中の患者さんの昨年末時点の状態をまとめてみましたが、治療開始当初の状況が抜けていました。初めて来院された時点での状態は、全く様々なのですが、まとめてみると先日の分類では以下の様になります。

5.完全寛解・当初0名→現在2名・・・当初は0名は当然ですね。治療自体がほぼ不要。
4.良好維持・当初1名→現在5名・・・最近病名が付いたが、症状は軽く薬は躊躇など。
3.寛解維持・当初4名→現在6名・・・寛解期にレミケードを勧められたための相談多い。
2.不調状態・当初9名→現在3名・・・注射・薬が効かない為、来院される方が多い状況。
1.増悪状態・当初3名→現在1名・・・レミケードを中止した直後は相当厳しい状況です。

こうしてみると、適切に治療を行えた患者さんでは、針灸治療開始当初の状態に比較して概ね1〜2段階程良くなっている方が多い印象です。とはいえ、以前にレミケード治療を続けられ、レミケード等が効かなくなったため、針灸・漢方の治療に切り替えを目指したケースでは、苦戦することが多くなっています。レミケード等の治療は薬が効いている間は表面的には良好に見えても、体の本当(真実)の状態は徐々に悪化しているように思えます。例えば小腸・回盲部等の切除が必要な狭窄も、多くはレミケード使用中に起きています。

他には食事の摂り方で必要以上に制限をかけてしまう方も、栄養状態が悪く回復が難しくなります。もちろん状態が悪いのに何でも食べてしまうのは無謀でリスクもあるのですが、クローン病の患者さんは、食べると悪化しやすいことから食事にマイナスイメージを持つ方が多く、便の回数も少なく状態も比較的良いのに痩せてしまうことも少なくありません。この辺りの意識を含めて針灸治療と共に、クローン病との付き合い方を変えていくことで、必要以上の薬を用いずに、IBDの方を単に胃腸が少し弱め程度までで長期間安定(完全寛解)させる手助けが、私の役割と思っています。

上記の統計は、現在(14.12時点)で半年以上通院されている患者さんに限った数字です。過去の患者さんの数字が加わると、恐らくは寛解して治療を終了された方と、残念ながら回復せず再度入院されるなどで治療を中断された方、転居・転院されるなどして提携治療院など他院で続けられている方によって、寛解と増悪の両側で数字が大きくなると思われます。いずれ報告したいと思いますが、しばらく先になりそうです。

2.1 クローン病などの統計を作成中です

最近はいろいろと忙しいこともあり、眼科関係の統計や報告はあまり進んでいないのですが、思うところがあってクローン病の統計を作成中です。カルテからデータを丁寧に書き出すと、様々な事実が分かってきます。詳しくはもう少し先になりますが、現在当院に通院中の患者さんだけは、昨年末時点までのデータ入力が終わりました。そこで少しだけ報告。

現在当院へ通院中の患者さんはIBD(炎症性腸疾患)で19名、ほとんどがクローン病の患者さんです。その内通院が半年以上あり、針灸治療の評価が可能な方は17名ありました。詳細な結果は今後クローン病などのページで出していきますし、既に治癒(完全寛解)したり、残念ながら悪化し中止したり、提携治療院などへ転院するなどして、当院での治療を終了している患者さんも加えて集計できる予定です。

当院の簡単な評価の基準としては、全てレミケード・ヒュミラ・免疫抑制剤は併用せずで、

5..完全寛解・・・治癒と同義で、服薬無し・食事制限無し・症状無しか僅か・針灸治療は私の指示で2週に1回以下・1〜数年以上の完全な安定が得られている・体重減無し
4.良好維持・・・良好な寛解状態で、服薬は無しもしくは漢方やペンタサ程度・食事制限無し・症状は無しか僅か・針灸治療は週に1回以下・半年以上の完全な安定・体重減無し
3.寛解維持・・・一般的な寛解状態で、服薬は漢方やペンタサ、エレンタール程度、食事は若干制限有・症状は有るが重篤なものではない・半年以上概ね安定している状態
2.不調状態・・・寛解とはいえず安定していない状態で、服薬は漢方やペンタサ、食事はエレンタールを併用など制限有・症状は発熱や下痢・腹痛があるなど・最近の入院歴あり
1.増悪状態・・・一般に入院が推奨される状態に近く、服薬はステロイドなど・食事はエレンタール中心・症状は強い発熱や下痢・下血・腹痛があるなど・最近の入院歴あり

以上の基準で現在通院中の17名の患者さんを評価してみると
5.完全寛解は2名、4.良好維持は5名、3.寛解維持は6名、2.不調状態は3名、1.増悪状態は1名となりました。良好維持の患者さんの多くは、時間と共に完全寛解に向かうことが多いので、全ての患者さんで良好維持以上を目指していくのですが、現実は色々と難しいことも多いです。しかし詳細は後日になりますが、当院で治療中の患者さんは全ての方でレミケードなどに頼らず、一定割合の患者さんは治癒(完全寛解)していきます。また完全寛解まで回復してしまうと、病院へ行かなくなったり病名が変わってしまうなどして、クローン病の診断は無くなってしまいます。ちなみに私自身を評価すると完全寛解になります。

レミケード治療等を行っている場合、薬がよく効き調子の良い数ヶ月から数年は、4.良好維持程度が得られる可能性は有りますが、抗レミケード抗体によって効果が減弱してくると、1〜3の状態を繰り返しながら、狭窄の進行による手術やレミケード増量・免疫抑制剤投与へと状況は悪化していきます。レミケードを含めた全ての薬が不要となる、5.の完全寛解は私の知る限りありません。この現実は医師からは説明していただけない内容なのですが、もし病院でIBDの診断がついた場合にはレミケード治療に踏み切る前に、針灸や漢方などの治療法も検討していただくことをお勧めします。手術やレミケード等へ踏み切る前なら、必要な治療や養生ができれば完全寛解や近い状態までに回復する可能性が十分に残っていることは、お分かりいただけるのではないでしょうか。

現在のIBD治療に疑問を持たれている患者さんや関係者の皆様、今後の報告をお待ち下さい。私も治療者として、また患者の一人としての立場からIBD治療を探っていきます。

1.22 仙川一本堂鍼灸指圧院さんをリンクしました。

以前から眼科領域の針治療を受けてみたいという連絡をいただいていた、東京の吉村先生が先日来院されました。お話を伺ってみると、中国との国交回復時期に始まった日本での中医学の黎明期から活躍された、横山瑞生先生に師事されていたそうです。吉村先生は世田谷区で開業されていますので、相互リンクさせていただきました。

○関連リンク・・・仙川一本堂鍼灸指圧院

1.11 スタッフ募集を終了させていただきました。

昨年の11月頃から今年度の女性スタッフ2名の募集を掲載してきましたが、昨年中は全く動きが無く少し心配しはじめていたところでした。昨日連絡をいただき、面接予定を組む事になったのですが、同じ日に別の募集枠も決まり、一日にして募集枠が埋まりそうな状況になっています。実は先日、中和医療専門学校に求人を出したばかりなのですが、直ぐに一旦取り消しの依頼が必要になりました。それにしても分からないものですね。なにか今年1年を暗示しているような出来事でした。

1.4 あけましておめでとうございます

千秋針灸院は、おかげさまで15回目の新年を迎えることができました。今年も眼科領域を中心に、医療としての針灸治療を積み重ねていきたいと思います。このホームページでも新たに効果が判明した病気や症状、情報をお伝えしていきますので、よろしくお願いいたします。

私としては現時点では公開していない内容も含めて、いろいろなことがありそうな、起こりそうな一年だったりします。順調に進むと良いのですが、しんどくなりそうな・・・。もちろん来院される患者さんにとってはプラスになることも多いので、スタッフ共々頑張って実現させていきたいと思っています。

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   本ページの内容は現代の眼科医学及び中医学、抗加齢医学、千秋針灸院の治療実績に基づいて書いたものです。
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