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針灸院日記 2009

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12.30 今年もありがとうございました。

   昨日で今年の診療は終了しました。今日は大掃除です。今年は初めて伊藤先生と清水先生にも手伝っていただき、毎年の年末の
   大掃除は二日間かかっていたのが一日で終わり、いつもはできなかった所まで済ますことができました。とても感謝しています。

   振り返ってみると今年も症例報告を始め、眼科領域の専門性を更に高めた一年でした。様々な眼科領域の患者さんが大きく増え、
   当院や病院での様々な測定・検査結果をパソコンに取り込んで、患者さん毎の変化や状況が直ぐに見られるようになりました。また
   患者さんから許可を得られているOCTや眼底検査、視野検査等の画像について、様々な疾患で当院内に限定して見ていただける
   ようにもなりました。遠方からの患者さんなど、当院への頻繁な通院が難しい方も、このHPに書いている以上の内容で、針治療の
   可能性を知っていただけ、より安心して提携先の治療院で針治療を受けていただけるようになってきています。

   この他にも開業後初めて、3台のベッドを木製から低反発仕様の最新タイプへ入れ替え、ベッドに使うクッション類はテンピュール
   製に変えたことで、非常に快適になりました。うっかり横になると私も眠ってしまう程です。また伊藤先生が4月から1日入っていただく
   ようになり、受け入れ可能な患者さんの数に余裕ができたため、年間の半分以上で新患さんを止めていた昨年のような事態は解消
   されました。私自身も健康を考えてプールに通う様になり、それと共に分子栄養学に基づく栄養療法の探求を始めたのも、今年から
   です。現在70歳を超えた父親に、あくまで目標ではありますが、100歳まで現役(自分のことが自分ででき、やりたいことができる)を
   針灸治療と栄養療法によって目指していきたいと思っています。

   おかげさまで今年も千秋針灸院は、確かな歩みを続けることができました。来院された患者さん、支えていただいたスタッフや
   家族に感謝して、来年も頑張っていきます。 

12.20 気がつけば、半年近く更新してませんでした。来年は緑内障の報告に取り組む予定です。

   このところ今年の報告疲れなのか、仕事の時間外は放心状態でした。帰宅後は集中力が切れ、専門書を読む気にもなりません。
   自分で言うのも何ですが、「中医学による脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)への鍼灸治療」は、半年近く、ほとんど毎晩1時
   過ぎまで取りかかり、現時点での私自身の専門知識や千秋針灸院での実績など、全てをつぎ込んだ内容でした。ようやく2年前の
   当院の黄斑変性の報告を、規模や内容で完全に上回ることができたと思います。その反動から最近は仕事外では無気力になって
   いたのですが、ヤル気が戻り始めたようです。来年のテーマも見つかり始めました。

   これまで当院から報告してきた統計症例報告は、網膜色素変性、網膜黄斑変性ですが、日本における中途失明の第3位、第4位の
   原因疾患となっています。当院の症例報告は、これらの病気を針治療により改善・維持が可能であることを証明したものです。
   しかし中途失明の原因疾患の第1位は緑内障、第2位は糖尿病性網膜症であり、こうした疾患を攻略しない内は、眼科針灸の
   専門治療院として片手落ちと思います。そこで来年は、緑内障の報告に取り組むことにしたいと思うようになりました。

   緑内障は従来からある点眼や手術により、眼圧を低下させる手法のみでは、視野欠損の進行速度の鈍化程度といった、消極的な
   結果しか生まれません。しかし最近の研究では、緑内障は眼圧を含めた循環全体の問題であることが分かっており、眼圧を低下
   させることに加えて、針治療による循環の改善効果がプラスされることで、比較的軽度な視野内の感度低下や欠損は、改善したり
   時には解消される症例もあることが分かってきました。当院からの緑内障への報告は、来年が1回目ですので、今年程の規模は
   ありませんが、従来の眼科的な治療から、もう一歩進んだ針治療からのアプローチを、症例数を背景とした統計を基に、レポートを
   作成したいと考えています。

   半年ぶりに脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)を更新しました。他のページも順次最新の内容に、切り替えていく予定です。

12.13 忘年会

   私が現在まで大変お世話になっている、長谷川針灸院の現役、OBによる忘年会がありました。名古屋駅前のカニ本家なのですが、
   現役、OBを合わせて二十数名が集まり、同窓会のような感じです。懐かしい顔ぶれの中で、とても楽しい時間を過ごすことができ
   ました。長谷川針灸院のOBは、多くの先生が鍼灸専門で開業しており、成功への登竜門と一部では言われていたりします。改めて
   良い先生に出会えたことを実感しました。

   もしや知っている方もあるかもしれませんが、「カニは大丈夫だったの?」という話は、全く問題はありませんでした。何故かといえば
   私は別メニューの肉料理を用意していただけたからです。宮崎牛と名古屋コーチンの様々な料理は、とても美味しかったです。
   長谷川先生、幹事さん、声を掛けていただき、ありがとうございました。

12.1 「中医学による脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)への鍼灸治療」(第3部)を公開、全ての報告が完了しました。

   今年10月の第1部、11月の第2部に続いて、最後となる第3部を公開することができました。今回の報告は、私が当初考えていた
   以上に幅広い、大きな内容になりました。脈絡膜黄斑変性への針治療の効果は、個々の治療では結構手応えがあるものですが、
   実際に統計として数値になることで、新しい事実に次々に気づかされることになりました。

   針治療の効果には、もちろん個人差が出てきますし、初診時の状況も例えば視力なし(失明状態)から、2.0の患者さんまで大きな
   幅があります。しかし数十症例以上を平均化すると、少しばかり凄く結果の良かった症例や、残念ながら結果の出せなかった症例が
   あっても、全体の平均値は殆ど影響を受けず、針治療での全体の変化という大きな動きが見えてきます。数十症例からの平均値を
   出しているので当たり前のことですが、改めて針治療の効果の高さというものを実感させられることになりました。

   今回の報告は黄斑変性では二回目となり、三部構成ということで、過去の報告を上回る規模や内容で報告を行うことができました。
   多くの患者さんが当院や提携治療院まで足を運ばれ、患者さんと治療者が一緒になって努力し、今回の報告が生まれました。私は
   そうした皆様の努力をまとめて、数値化を試みたに過ぎません。眼科領域での針治療は日本では、まだ一般的ではありませんが、
   とても大きな可能性を秘めた代替医療であることに、改めて思い知らされました。ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います。

   全国から来院いただいた患者の皆様や、ご協力いただいた治療院の先生方、支えてくれた当院のスタッフや家族に感謝します。

11.29 やっと終わりました。

   今年の統計症例報告、「中医学による脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)への鍼灸治療」は、とにかく全症例の分析や数値の
   読み取り、測定結果の画像の見直し等、大変な作業でした。眼科領域でも他の疾患ページの更新が、完全に止まってしまう程で、
   この半年程は黄斑変性ばかり追いかけてきましたが、今日で一つの区切りです。あとは、細部のチェックのみで、予定どうり12月
   1日に公開予定です。公開に先立ち、第1部に若干の内容を追加しました。第3部までの内容を分かりやすくするための修正です。
   公開後は基本的に症例数などの追加はしませんが、内容を分かりやすくするための修正等は、必要に応じて行っていく予定です。   

11.25 140.000アクセス

11.24 千秋針灸院では様々な検査結果を、患者さんの手元で保管されることをお勧めしています

   千秋針灸院では、特に眼科領域の難病の患者さんには、病院での検査結果をいただくことをお勧めしています。先日、患者さんが
   診察の際、医師に「検査結果が欲しい」と話したら、酷く立腹され、当院の方針も強く非難されたという話を聞きました。診察の際の
   話の持って行き方にも問題があったのかもしれませんが、この医師の患者さんに対する考え方の違いを感じ、呆れてしまいました。
   個人情報保護法でもカルテの開示など、本人からの情報開示の求めには応じる法律ができており、時代の流れなのですが・・・。

   緑内障や網膜色素変性、黄斑変性などの眼科領域の難病は、基本的に進行性であり、数年から数十年という長い期間をかけて、
   徐々に進行していく傾向があります。このため、患者さんが自分自身の長期間の状況を把握することは、大切な意味を持ちます。
   しかし、医師法により病院のカルテの保管義務は5年、検査結果などについては、たった2年(3年)です。この期間が経過すると
   廃棄されるなどして、患者さんが以前の状況を把握することは、不可能になることも多いのです。このため千秋針灸院では、できる
   だけ検査結果を患者さんの手元で保管されるよう、お勧めしています。もちろん患者さんの価値観も関係しますので、必ずしも持た
   ないといけない訳ではありません。

   また当院で眼科領域の針治療をされる場合に、当院でも各種の測定を行っており、患者さんの状況を確実に掴めるように努力して
   いますが、眼科での検査結果も参考にさせていただければ、より確実になります。針治療の効果判定を当院の測定結果に加えて、
   眼科での検査結果を合わせて評価するという考え方から、「もし眼科での検査結果を、貰えそうならいただいて下さい。」という話に
   なるのです。客観性のある病院での検査結果は患者さんにとって、病気の克服への自信になり、針治療だけでなく日常生活上での
   様々な意欲に繋がっていきます。

   自身のクローン病を克服した経験のある私から見ると、回復に向かう患者さんの多くは、自分の状況を詳しく知ろうとする傾向があり
   ます。逆に全てを病院に委ねてしまう患者さんは、順調に回復する場合は問題ありませんが、難しい病気であるほど困難な状況に
   陥りがちです。日本の医学界は特に閉鎖的で、行き詰っている病気に対しても「経過観察」として事実上放置される傾向があり、
   針灸を含めた様々な可能性のある代替療法を取り入れることは、ほとんどありません。先の話で私が英文での統計症例報告を考え
   始めたのも、海外の研究者の方が関心を持って貰いやすく、結果的に黄斑変性症の患者さんに、役立てられる可能性があると
   考えたからでした。

   当院は患者さんの立場で正しく状況を把握して、日々の針治療が患者さんにとって最善の結果を残せるよう努めています。
   今後も病院での検査結果などは、患者さんの手元で保管されることを、積極的にお勧めしていきますし、当院での測定結果や
   カルテの写しなども、患者さんの求めに応じてお渡ししています。患者さんのデータは「医療機関のもの」と立腹した先の医師と、
   「患者さん自身のもの」と考える私では、明らかに価値観が異なるようですので仕方がありませんが、残念な話です。

   千秋針灸院のページに、病院の検査結果は、手元での保管をお勧め を追加しました。           

11.20 逆子の鍼灸治療と、英文での統計症例報告の試み

   当院で3年以上も勤めていただいている伊藤先生に、当院ホームぺージで今回、初めて「逆子の鍼灸治療」の内容を書いていただき
   ました。最近の千秋針灸院は眼科領域やクローン病などは私が担当し、今回の逆子や小児・産婦人科領域は基本的に伊藤先生が
   担当しています。当院の眼科領域の治療でも分かるように、疾病の治療を目的とした針灸専門院に求められる水準は、医療各科の
   専門医に近い知識を持ち、充分な症例数を扱う様々な分野の専門家である事と考えています。伊藤先生にも東洋医学はもちろん、
   千秋針灸院での勤務期間内に、少なくとも医学生以上の専門知識を身に付け、充分な専門分野の治療実績を積み重ねられるよう
   頑張っていただいていて、結果も伴ってきていますので期待しています。

   逆子の鍼灸治療を掲載しました。

   また検討中になりますが、間もなく完成予定の第3部を含めた統計症例報告「中医学による脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)への
   鍼灸治療」
は、特に第3部での針治療による長期的な視機能の維持について、画期的な報告となります。脈絡膜新生血管を含めた
   広義の網膜黄斑変性症は、抗VEGF(ルセンティス等)療法の開発により、短期的には悪化を食い止めることが可能になりましたが、
   欧米では中途失明の第一位の原因であり、特に長期間の視機能の維持については、世界的な課題であることに変わりありません。

   今回の当院の報告は、こうした状況に僅かながら楔を打ち込むものであり、日本だけでなく世界中の研究者に関心を持っていただ
   けたのなら、網膜黄斑変性症による社会的失明から、少しでも多くの方に役立てられる可能性があると考えています。そこで今回の
   報告が完了した後に、英文による報告に挑戦してみたいと思うようになりました。上手くできるかは分かりませんが、幸い私の父や
   妹は英語に明るく、翻訳の仕事などもしていますので、協力してもらって・・・などと他力本願ですが、取り組んでみたいと思います。

   今回も著作権や規定に煩い学会誌等への投稿ではなくて、世界中からアクセスが可能なインターネットを生かしたWeb統計症例
   報告としたいところです。かつてクローン病で苦しんだ私は良い治療さえできればよく、権威とか肩書きには興味がありませんから。

   ・・・でも盗作は止めて下さいね。当院との提携治療院ではない某有名治療院のHPは、当院の文章を一部抜き出して書いている
   ようです。HPの文章も私の著作物なのですが・・・。その治療院は、眼科医学会の画像も無断で借用していました。(苦笑)

11.16 消費税について

   来年1月から、初回料や治療代に消費税をいただくことになりました。これまで当院は消費税の課税対象外でしたが、来年分からは
   納税が必要となります。治療代などを低めに抑え、消費税の課税を回避してきましたが、昨年より対象(課税開始は翌々年から)と
   なりました。原則5%(治療費1.000円につき50円を課税)となり、例えば眼科初回料+治療代で、来年1月以降は5.250円になります。
   遠方の患者さんで連携治療を行っている方、これから開始を検討されている方は、非課税の年内に来院されることをお勧めします。
 
   当院の実費治療代は、全国で比較しても安く抑えてきましたが、今後は毎年数十万円の納税が必要なため、やむなく消費税分を
   上乗せさせていただくことになります。ご了承ください。十分なおつり用の小銭の用意や、領収書に明細を打ち出す必要があるため、
   レジを新規に購入したりと準備もいろいろあります。 こうしたところも一般のお店(課税対象店)は苦労されていたのですね。

11.7 いろいろと少しずつ

   今年も気がつけば、残り少なくなってきました。千秋針灸院でも年末年始の診療日を設定したり、スケジュール帳を用意したりと、
   少しづつ年末に向けて動き始めています。また栄養学の勉強や、脈絡膜新生血管の統計症例報告も着々と進行しています。
   またホームページのカラーを少し変えてみました。ライトグレーから淡いグリーンです。皆さまの意見を聞きながら、見やすいページを
   目指していきたいと思います。

   統計症例報告の脈絡膜新生血管(CNV)、第3部では、概ね1年以上の長期的な針治療の結果を掲載する予定ですが、あまりに
   凄い結果に驚いています。少し紹介すると、2年以上針治療を継続されている15症例の内、8症例は矯正視力1.0以上を保っており、
   13症例が矯正視力0.5以上という結果になりました。東京医科歯科大学から出ている報告では、CNV発症から5年後の視力は半数
   以上で0.1以下、0.5以上を保てる症例は僅か14%ということです。当院での矯正視力0.5以上の症例が13/15(86.7%)という数字は、
   期間としては短いものの、5年以上経った方でも視力低下は特に見られません。針治療が長期間の視機能の維持に、非常に重要な
   役割を果たせることが分かってきました。詳しくは12月に報告予定の第3部をお待ち下さい。

   もうひとつ先の治療へ 「針灸治療」と「分子栄養学」も更新しました。私の体験や体づくりの取り組みも交えながら、ゆっくりと更新
   していくつもりです。私の基本としている「分子栄養学」について、故・三石巌先生が設立されたメグビーという会社があり、各種の
   栄養素についての説明や、栄養補完食品の販売なども行っています。興味のある方は見てみてください。よく聞かれるのですが、
   私自身が行っている栄養療法の内容も遠くなく書いていく予定です。   

11.1 眼科領域の疾患について、当院での「眼科針灸相談(相談のみ)」の受け付けを、開始します

   私も以前は、メールによる治療の相談も受けていたのですが、スパムメールが毎日500通以上にもなり、今年夏にはパソコンの
   トラブルからメールが消失する等したため、現在は当院を受診された患者さんだけにメールサポートを行っていました。その後、
   眼科針灸について電話での問い合わせも多くなっていますが、私も診療中で手の離せない場合も多く、ホームページの内容を
   充実させるよう取り組んではいますが、何らかの窓口の必要性を感じていました。

   当院で今回始める眼科針灸に対しての「相談のみ」というのは、眼科針灸の初診時に相当する問診や必要な測定を行い、治療の
   可能性や現状をお話しし、また日常生活上での注意点や様々なサポートなどを行うものです。その後の針治療は、希望される
   患者さんに限り行っていきます。眼科針灸の初診時に相当する問診や測定などを行い、時間的にも他の患者さんの治療を同時に
   行いながらですが、概ね1時間近くかかりますので、初回料相当の費用(2.000円)をいただくことになり、また後に針治療を行われた
   場合は、初回料に充当させていただくことになります。当院の針治療に不安や疑問がある方は、結果的に相談のみとされても
   構いません。眼科領域ですので、一部の測定を除いて、全て院長の私が対応することになります。お気軽にご相談下さい。  

   また、「中医学による脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)への鍼灸治療」(第2部)を掲載しました。

10.26 眼科医療の最先端は、とても勉強になります。

   眼科領域を専門としている当院では、患者さんから眼底写真や光干渉断層計(OCT)の画像、視野検査の結果等を、提供して
   いただけることも多いのですが、特に近年進歩が著しいOCTでは、これまで眼の正面からしか分らなかった眼底の詳細な状況を、
   網膜の断面図として知ることができるようになりました。更に最新の検査機器による画像では、網膜の状況を三次元化し、眼底
   全体を地図のように見ることさえ可能です。

   現在、脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)の統計症例報告の第2部を作成している最中ですが、最近患者さんからいただいた画像
   から、強度近視の患者さんの眼底が、どのようになっているかが、克明に分かることになりました。一般に強度近視の患者さんでは
   眼球の奥行きが長くなることから、網膜は薄く引き延ばされ、網膜剥離などの様々な病気を発症しやすいことが知られています。
   
   今回いただいた画像では、黄斑部以外の視神経乳頭をはじめ、様々な部位の断面図を見せていただくことができました。強度近視
   眼の網膜は、脈絡膜新生血管(CNV)の発症眼や健全な側の眼を問わず、黄斑以外の直接視機能に大きく関係しない部分でも、
   小さな浮腫や剥離、変形などが、いくつも見られるものでした。

   このことは、私が今回、脈絡膜新生血管(CNV)の発症には、前兆となる症状(様々な眼の不調や中心性網膜炎、眼底出血等)が
   ある場合も多いとした報告を裏付けるものです。また今のところ健康な側の眼にも、将来発症する可能性がある理由や、鍼治療を
   行うことで、眼底の状態が改善されるという事実もOCTの画像を通して知ることができました。強度近視という状況は、網膜の健全
   性が損なわれやすいのですが、最新の検査機器により、専門書でも見かけたことの無いような、網膜の実際を知ることができ、
   大変勉強になりました。こうした画像は患者さんのご協力が得られましたので、千秋針灸院内限定で見ていただくことが可能です。

   また、今回の画像から分かった強度近視眼での網膜の脆弱性の実際は、今後の針治療や栄養療法を行っていく上での目標にも
   なります。どうすれば網膜の健全性を保つことができるのかは手探りの段階ですが、目指すものは見えてきた感じがします。
   いつも私が勉強させていただくのは、患者さんからですね。今回は膨大な画像を提供していただき、ありがとうございました。

   報告の第2部は11月1日のアップを目指して作成中です。今日、ようやく候補版が完成して、千秋針灸院内で見ていただいています。  

10.24 エイデン渋滞

   ローカルな話ですが、国道22号線上にあった名岐ボウルが無くなり、昨日エイデン一宮店がオープンしました。千秋針灸院に来院
   される患者さんのバスの路線上にできたため、開店と共に大変な渋滞が起こり、この二日間の予約は大混乱です。バスが40分
   以上も来ないため、来院を諦められた方や、頑張って来ていただいた方も1時間程度の遅れが出た方が何名もありました。
   千秋針灸院に来院される方は、昨日も京都や静岡、東京などと、遠方の患者さんも多いため、交通機関が乱れると、大きく影響
   してしまいます。渋滞に巻き込まれながらも遠方から来ていただいた患者さん、お疲れ様でした。来週は大丈夫なハズです。
   激しい渋滞が起きるようなオープンセールは勘弁して欲しいですね。 

10.15 脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)の統計症例報告、第1部の報告に若干追記をしました。

   現在、第2部の作成中ですが、第1部で報告しておく必要のある内容が出てきましたので、若干の追記をすることにしました。
   千秋針灸院に来院された患者さんの、初診時の視力は様々ですが、発症から針治療開始前までを期間別に統計化することで、
   現代の眼科医療が、脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)の患者さんの視力を、どの程度維持できているのかが分かります。

   統計については「中医学による脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)への鍼灸治療」(第1部)を見ていただければ、と思いますが、
   やはり、長期間に渡る視力の維持については、眼科医療の課題であることが分かります。また針治療が、長期間に渡り、視力を
   はじめとした視機能の向上、維持に、非常に重要な役割が果たすことができることも、今後の第3部において、明らかになります。 
   順次報告していきますので、もうしばらくお待ち下さい。  

10.8 もうひとつ先の治療へ 「針灸治療」と「分子栄養学」

   唐突ですが、昨年の抗加齢医学学会に入会したころから関心があり、最近具体的な形で治療に取り入れられる目処が付き始めた
   「分子栄養学」を基本とした栄養療法を、今後少しづつ紹介していきたいと思います。
   「分子栄養学」は、故 三石巌先生(物理学者)が提唱した、健康維持や病気を未然に防ぐための栄養療法ですが、様々な病気の
   治癒や改善に役立つ治療のための栄養療法でもあり、針灸治療と併用することで、これまで以上の治療効果が期待できると
   考えています。

   千秋針灸院では特に眼科領域の多くの患者さんから、サプリメント等を「どのように摂ったらよいか」という質問がありましたが、
   健康食品の氾濫する情報や宣伝に対して、思ったほどの効果が見られなかったり、戸惑われる患者さんも少なくないと思います。
   私は「分子栄養学」を基本に、針灸の基礎である中医学や、最新の抗加齢医学や眼科学を取り入れ、特に眼科領域を中心とした
   様々な難病に対しての科学的な栄養療法として、少しづつ作り上げていきたいと思います。

   なお、こうした栄養療法については、針灸治療単独で十分に効果の上がっている方や、あまり関心の無い方、ご自分の良いと
   思われる方法で実践している方には、特にお勧めしません。また針灸の専門的な治療技術を提供する当院で、栄養補助食品を
   販売するようなことはありませんので、御安心ください。

   こういう勉強も同時に進行させているので、若年性黄斑変性の報告作りが遅れていたりします・・・。 

10.1 「中医学による脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)への鍼灸治療」(第1部)

   千秋針灸院では眼科針灸を専門とすることの証明という意味も込めて、毎年テーマを決めて統計的な症例報告を目指しています。
   私は「針灸治療が高い安全性と再現性を併せ持つ医療の一つであり、難病治療の選択肢の一つと成り得ることを広く伝えたい」と
   思い、必要とされる方が直ちに治療を始められるよう、鍼灸の学会誌などへの投稿ではなく、WEBを通して誰にでも見ていただける
   ことを第一にしました。 昨年の網膜色素変性の報告から、丁度一年ぶりの統計症例報告となります。

   今回のテーマである脈絡膜新生血管については、一昨年加齢性黄斑変性(実際には網膜黄斑変性)への鍼灸治療として、
   (社)日本鍼灸師会の全国大会で報告させていただいた報告を、眼科学に基づいて加齢性から分離して、50才未満で発症した
   若年性黄斑変性の統計症例報告としたものです。多角的に脈絡膜新生血管を捉えるため、内容を三部構成としました。
   
   今回の第1部は、問診などから新たに分かった脈絡膜新生血管の概要になります。手持ちの専門書のどこを見ても掲載されて
   いないような内容は、眼科医会の先生が見たら波紋が起こるかも知れませんが、眼科医の立場では無い私が指摘している
   眼科医学の課題は、患者さんと向き合う中で検討を重ねてきたもので、多くの方に共感、支持していただけるものと思います。

   不十分な部分もあった一昨年の報告を、一新させたい思いですが、年内に完了できるのか・・・不安も一杯です。    

9.20-24 シルバーウィーク

   今年は暦の妙で祝日が月・火・水と続き、通常の日・木と合わせて、臨時休診でもないのに、5連休をいただけることになりました。
   千秋針灸院の場合、シルバーどころかGWやお盆の各4日を上回り、プラチナウィークという感じです。夏の疲れを取りながら、近場
   ですが車で出かけたり、子どもと遊んだり、なかなかできなかった畑の草取りも進みました。仕事の方でも、今年のテーマである
   脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)の第1部に取り掛かりはじめ、遠くなく報告ができる見込みです。今回のような休日があると
   普段できなくて気になっていた事柄が進みますね。患者さんには、休診でご迷惑をかけた方もあると思いますが、私なりに有意義に
   使わせていただきました。

9.18 どのような報告にするか、試行錯誤しながら考え中。

   今年一年は目標として、眼科領域の難病である、50歳未満の方に発症する若年性黄斑変性にテーマを置いてきました。夏頃から
   統計データをまとめ始めて、改めて報告可能な内容が多彩であり、また50名を超えるデータの処理や報告方法も、まだ試行錯誤を
   始めたばかりです。一昨年の加齢性黄斑変性(実際は網膜黄斑変性、日鍼会・大阪大会で報告)、昨年の網膜色素変性では、
   概ね学術大会や学会での報告を意識した内容や水準を目指してきました。しかし昨年の網膜色素変性の場合でも、もっと分かって
   きたことや報告すべきことは残っており、学術大会や学会での報告形式では、手間がかかる割に様々な限界を感じていました。

   今年のテーマとした若年性黄斑変性では、学術大会や学会での報告形式のような単一の報告モデルではなく、多彩な内容を
   統計データを元に、それぞれが読み物のように。また幾つかの報告を繋げていくと、若年性黄斑変性の実態や針治療の役割が
   多くの方に分かっていただけるような内容を目指していきたいと考えています。もちろん例え専門医の先生に見ていただいても、
   眼科医学的に整合性がある(針治療は教育を受けていないので、全ての理解は無理と思います)水準で書いていくつもりです。
   最近某製薬会社の緑内障の説明を読みましたが、眼科医学的な間違いを見つけました。こういうことは無いようにしたいです。

   報告方法も学術大会や学会での発表では、マスコミで報道される程の内容でない限り、一般の方には届き難くなってしまいます。
   当院のホームページ上で基本的に公開し、必要としている患者さんに検討していただき、全国の提携治療院のネットワーク等を
   活用して、直ぐにでも治療が開始できることを第一にしたいです。もったいないとよく言われるのですが、学術大会や学会での
   発表は、余裕があったら程度に考えています。インターネットの特性を活かした内容の濃い報告を、試行錯誤しながら作成して
   いきたいと思います。   

9.14 偉大な記録も日々の積み重ねですね。

   米大リーグ、マリナーズのイチロー選手が、9年連続の200安打を達成しました。大リーグ史上初めての記録で、なんと108年ぶりの
   記録だそうです。打撃面では人種として体格や筋力で見劣りする日本人に本塁打の量産は難しく、メジャーで通用するために安打
   (出塁)する技術を磨き抜いたイチロー選手は、自分の適性を大リーグに適応させていった結果、偉大な記録が生まれました。
   
   もちろん打撃だけでなく、守備や走塁も超一流であり、徹底した自己管理能力、様々なエピソードやコメントは、私の様な凡人では
   とても真似ができないという意味も込めて、年下の著名人では私が唯一尊敬しているのがイチロー選手です。私の針灸の仕事は
   野球とは関わりがありませんが、様々な病気や症状で困っている患者さんを、可能な限り健康な状態に導いていく中で、特に眼科
   領域では「結果」を求められています。常に「結果」を求め続けられるプレッシャーは、スケールは違っても同じ部分があり、私が
   イチロー選手に共感する所以です。ですから今回の記録達成のニュースを聞くと、自分も頑張らなくてはと、強く思います。

   これからもイチロー選手の活躍に期待しています。私も針灸治療で結果を積み重ね、皆様の健康に役立てられるよう頑張ります。

9.9 最近、栄養学に興味を持っています。

   以前はあまり興味を持っていなかったのですが、昨年入会した日本抗加齢医学会では、抗加齢医学に基づいたサプリメント等、
   医学各分野での様々な情報が得られます。眼科分野でも様々な情報があり、「いったい何が良いのか」「どうすれば良いのか」は
   まだまだ流動的です。私も昨年40才を迎え、持病のクローン病も踏まえて、多くの商業的な健康情報に踊らされない栄養摂取を
   意識するようになりました。もちろん基本は毎日の食事ですが、必要な栄養素は積極的に補うという考え方です。

   私の考える正しい栄養摂取法とは、食事と合わせ良質で必要十分なビタミン類の摂取と、人間の体内で作れない必須アミノ酸を
   補うという基本的な事柄のみです。人間は体内に必要な材料が十分に揃っていれば、自然治癒力を発揮する条件を整えることが
   できる生き物だからです。好き嫌いの多い私が言うのも何ですが、中国留学中にクローン病で食事制限をしていた私に「何でも
   食べなさい」「食べなければ本当の回復はありません」と言う老師の言葉は非常に的を得たものでした。そう考えれば針灸治療は
   痛みの治療だけではなく、血流や体の調節機構を整えて、体中に栄養を行き渡らせ、老廃物を排出し、病気からの回復に果たす
   役割が大きいことも理解しやすくなります。

   変わりダネや高価過ぎるサプリメントは一切排除し、栄養学の基本的な考え方から、現在私自身の体で実験をしています。ある
   程度の答えが出始めたら、また続きを書いていくつもりです。プラシーボの可能性もありますが、最近目覚めが良く、これまで年に
   何日も無い「体調が良い」と感じる日が続いています。

   最近薬剤師の方に紹介していただいた本が、それまで疑問に感じていた栄養やサプリメントについて、理解を深めるきっかけに
   なりました。 『医学常識はウソだらけ』 三石巌 祥伝社黄金文庫 という文庫本で、少し疑問な部分もありますが、分かりやすく
   書かれていますので、興味のある方は読んでみてください。これまでと違う立場から、医学を考えることができるかもしれません。   

9.3 選挙結果

   先日の選挙結果は民主党が300議席以上を獲得して、戦後初めて衆議院で自民党以外の政党が過半数となりました。今後は
   様々な分野で、良くも悪くも変化が起こってくると思います。海外の報道は、近代日本では明治維新、第二次世界大戦敗戦に次ぐ
   変化と捉えられているようです。あまり現実感はありませんが、海外から見た日本の姿は、私たちが見ている以上に客観性が
   ある場合もあります。今回の選挙で多くの国民に支持された民主党政府が、日本を良い方向へ導いていけるのか、私たちは注意
   深く見守る必要があるようです。新内閣の予想される顔ぶれを見ていると、結構本気で改革をしようという意気込みは感じますね。

8.29 明日は選挙

   マスコミの報道も活発になっていますが、明日は久しぶりの選挙です。 選挙は行かない、関心が無いという人もあるようですが、
   特に若い方は積極的に投票に行くべきです。なぜなら政治家は基本的に、投票してくれる有権者の為に活動するからで、投票を
   しない(投票率が低い)若者への政策は、当然のことながら後回しになります。例えば年金問題で若い人ほど、将来の受取額が
   不利になる仕組みは、若者の投票率の低さが少なからず関係しているはずです。仮に若者の投票率が高ければ、受け取り額の
   不利は放置できなくなります。候補者がよく分らない、支持できないという場合には、何も書かずに「白票」として投票することも
   立派な投票です。

   私の所属する県の鍼灸マッサージ師会は、基本的に医師会に追従で、自民党支持のようです。先日も葉書が送られてきました。
   しかし所属団体と個人の考えは同一である必要はなし。私は有権者になった時から自分で考えて、自分の意見で投票先を決めて
   きました。良くも悪くも今の日本を築いたのはどこか。これからどこへ向かうべきか。を考えて、小さな一票を入れてきます。
   明日は選挙に行きましょう。   

8.24 高校野球

   高校野球で地元愛知県の中京大中京が見事優勝しました。県予選から注目して見ていましたが、県予選では決勝を除いて全て
   コールド勝ち。圧倒的な打力は甲子園でも変わりませんでした。今日の決勝戦も中盤から大きくリードしましたが、9回2アウトから
   5点を返され、辛うじて1点差で逃げ切る結果になりました。「野球は2アウトから」とはよく言ったものですが、それこそ野球アニメも
   顔負けの展開でした。昔は高校野球に関心は無かったのですが、今は一生懸命な姿に、試合があれば思わず見てしまいます。
   私も年をとったのかな。 あと私はちょっと変かもしれませんが、決勝戦の後半だけは負けている日本文理を応援していました。

   負け戦ほど面白いのは針灸も同じです。医師も苦戦する難病を、患者さんと共に攻略していくことは、とてもやりがいがあります。
   私は根っからの挑戦者なのでしょうね。

8.16 夏休み

   
13日から16日まで4連休をいただきました。5月のGW以来、久しぶりにゆっくり過ごすことが出来ました。私はクローン病もあり、
   とにかく体力が無く、暑さで夏は全く話にならないほど何もできません。自分で分かっていることなので、夏はできるだけ何も予定を
   入れないようにしています。今回の連休も1日目は寝るだけでしたが、2日目にようやく夕方から伊吹山へ家族で出かけました。

   伊吹山は1.377mあるそうですが、ドライブウェイで1.200m以上まで車で登ることができます。幸い天候も良く、日没前に山上にある
   駐車場に到着することが出来ました。そこから日の入りと夜景、満天の星を見ながら40分くらいの道のりを山頂まで歩きました。
   4才の子どもにとっては初めての登山(とはいっても9号目からです)でしたが、とても喜んでくれました。自信になるといいですね。

   3日目、4日目は針灸院の掃除や溜まっていた事務仕事をマイペースで片付け、夕方の涼しい時間帯で庭の手入れという感じで、
   疲れも取れてきました。明日からまた頑張っていくつもりです。それにしても休息は良い仕事をするためにも大切と思います。
   リフレッシュできました。

8.8 
驚きました

   
最近の話で2件ほど。1件はクローン病の話で患者さんから聞きました。悪い話は8月5日付・中日新聞夕刊で、米食品医薬品局
   (FDA)がレミケード等のTNF阻害薬に、青少年の長期使用で癌の発症リスクが高まることを強く警告した話です。日本は比較的
   新しい新薬の情報は海外に頼っており、中でもFDAの情報は最も信頼されている一つですので、今後のクローン病やリウマチの
   治療に影響が出ることは必至です。更にヒューミラやエンブレルといった次世代のクローン病治療薬も警告対象ですので、今後は
   慎重に使用されることになると思います。レミケード等のTNF阻害薬は、私も以前の日記に書いていますが、医療現場での濫用が
   目立っていました。医療機関の経営のためでなく、患者さんのためになるような使い方をしていただきたいものです。

   http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2009080502000258.html 8月5日付・中日新聞夕刊

   
もう一つは最近当院に来院された糖尿病性網膜症の患者さんの話。増殖性網膜症のため0.15まで落ちていた視力が、初診の
   治療後、徐々に見えるようになり、10日後の2診目には2.0まで回復していました。硝子体手術が予定されていましたが、回避
   されることになると思います。たった一回の針治療で、0.15→2.0までの回復は、私にも記憶がありませんが、確かに良くなって
   いました。患者さんも当院からの指導を、かなり厳格に守っていただけていたようで、こうした努力が非常に大きく視力の回復に
   働いたようです。この患者さんも以前書いたように、神様に特別に愛された症例なのでしょうね。私としては嬉しい反面、特別では
   ない多くの患者さんに、できる限り良い結果を出していけることを目標にしなければならないと思います。

   それにしても針治療をきっかけとして、思わぬ回復が得られる患者さんが少なからずあります。私は少なくとも眼科分野に関しては
   必要な勉強はしているのですが、現代医学の常識では説明できない回復が針治療ではしばしば見られますので、難しい病気でも
   当院で多くの実績があるものについては、例えばあらかじめ期間を決める等して試してみることをお勧めします。

8.4
 中医書

   亜東書店という中国書籍の専門店から、眼科関連の中医学専門書を取り寄せてみました。これまで最近の情報は『中医臨床』か
   インターネットの中文ページから得ていましたが、専門的な眼科分野に限れば情報量に限界がありました。そこで私の中国語が
   ある程度分かるスキルを生かして、直接最近の眼科の専門書を入手してみました。はやり専門書は抜群の情報量ですね。
   各眼科疾患への特徴や証分類、治療法などが書かれており、かなり勉強になりそうです。しかし改めて気が付いたことは、眼科の
   基礎の重要性で、ある程度眼科学を理解して日々臨床現場にいるからこそ、中医学での説明や証分類がよく分かりました。
   中国に留学していた頃の自分では、ここまで理解は出来なかったと思います。

   私にとっての中医学は原点であり、また鍼灸師としての唯一の治療法が針灸ですので、中医眼科学の専門書を学ぶことは大変
   大きな意味があります。これまでの当院の蓄積に加えて、中国の最新の治療法を検討・導入することで、今後の治療にも大きく
   影響すると思います。自分で言うのも何ですが、とてもワクワクしている自分がいます。中医書は幸い安いので、続々と取り寄せて
   みるつもりです。

7.31 電子カルテ化

   千秋針灸院では患者さんから眼科関連の検査結果や診療情報提供書をいただく機会が多いのですが、気が付けば数千枚にも
   なっており、収拾がつかない状況になっていました。提携治療院や患者さんからの電話やメールでの問い合わせも多く、手元に
   患者さん毎の資料を集めたいと思ったときに時間がかかってしまいます。そこで様々な資料をスキャナーからパソコンに取り込んで
   電子カルテ化をすることにしました。既に膨大な数になりますので半年くらいかかりますが、少しずつ作成していきたいと思います。
   来年には液晶モニター上で、患者さん毎の眼底等の画像や視野、アイチャート等の測定結果が検討できるようになる予定です。   

7.22 皆既日食

   今日は奄美大島あたりで皆既日食。当地でも太陽の8割近くが欠けるという部分日食で、これだけの日食は初めての経験です。
   当地はあいにく曇りでしたが、僅かに太陽が出た瞬間にデジタルカメラで撮影できました。患者さんにも遮光眼鏡のサンプルを
   使っていただき、見ることが出来たと喜んでいただけました。曇り空とはいえ、辺りは若干薄暗くなり、不思議な感じでした。

7.16 開業9周年、診療券のデザインを一部変更しました。

   気が付けば開業から9年、支えてくれる方や患者さんに育てられ、ここまできました。しかし早いものですね。患者さんからの要望も
   あり、診療券のデザインや記載内容を初めて変更してみました。小さく見辛いと言われた文字を一回り大きくして、メールアドレスを
   新たに記載。一方で不要と思われる表記は削除し、千秋針灸院のロゴは位置が変わりました。サンプルの出来は、まずまずです。
   近い内に新しい診療券に切り替えていく予定です。

   メールでの問い合わせやサポートについては4月以降、休止させていただいていましたが、当院に来院された患者さんに限定した
   サポートとして再開します。以前アドレスを公開していた頃は、週の何日かはメールの返事を書くために数時間を費やしていました。
   当院での測定等を行っていない患者さんは、実際の状況が分からないため的確な返答が難しく、患者さんにとっても有益とは思え
   ないため、今後は当院に来院された患者さんや提携治療院さんへのサポートに集中したいと思います。ホームページ上では公開
   しませんが、最近作成した当院の新しい診療券にはメールアドレスを記載しています。   

7.12 久しぶりに大須に行って来ました。

   名古屋市公会堂で愛知県鍼灸マッサージ師会の全員講習会があったため、一年ぶりに名古屋の中心部に出かけました。帰りに
   大須の電気街に立ち寄りましたが相変わらず元気な街ですね。毎年見る度に店や流行は変わっていきますが、独特の雰囲気は
   30年前に初めて行った時と変わりません。行く度に地元の店やネットショップでは見かけない様な特価品に手を出してしまいます。
   流行の物だけでなく、「なにこれ?」、「何に使うのだろう」、「これは・・・」と考えてしまうような変なものも沢山あって、いつも騒がしく
   賑やかなのですが、私には何故かホッとする場所なのです。 

7.4 クローン病から針灸へが完結。

   少しづつ書いてきたクローン病から針灸へが、ようやく完結しました。私がクローン病に罹った頃から、上海留学を経て、針灸を
   志し、現在に至るまでを文章にしてみました。私にとって針灸は生涯をかける価値のある仕事です。クローン病で苦しんでいた
   20年前には、とても気が付く余裕はありませんでした。20年以上経った最近になって、ようやく私の役割が見つかった思いです。
   治療法が進んだ現在も、私と同じ病気で将来が見えない患者さんは、まだまだ多くあると思います。クローン病で悩む患者さんが
   少なくとも私と同程度の健康を取り戻し、また「自分の進むべき道は必ずある」ことに、気が付かれるきっかけになれば幸いです。

6.28 腰痛が解消しました。

   治療院のベッドを新調して一ヶ月。患者さんからの評判も上々ですが、気が付けば腰痛が解消していました。ベッドの高さは5cm
   高くしただけですが、中腰で治療を行うことが無くなり、腰への負担が軽くなったようです。腰痛持ちの治療家はベッドの高さも
   重要と思います。スタッフの伊藤先生も、腰の張りが無いことに気が付いたと話していました。早く替えれば良かったですね。

6.25 「誰のための団体なのか?」を問いたい思いです。

   中国での網膜色素変性症は日本での緑内障や黄斑変性症などの治療のように、中国国内の病院で普通に治療が行われている
   病気です。中国の眼科医療を正しく検討するためには眼科学の知識に加え、針灸や中薬の理解に必要な中医学、医学中国語を
   理解する必要があり、幸い私は眼科領域を専門的に学んでいる上、上海中医薬大学への留学経験があるため、ある程度理解
   することが可能でした。

   今年に入って中国各地で取り組まれている網膜色素変性症の治療を「詐欺」などと批判されている個人、団体があるようで、更に
   日本で行われている漢方薬、サプリメント、鍼灸、その他の療法まで同様な表現がされているようです。眼科針灸を専門とする
   当院は少なくとも中医学による網膜色素変性症への鍼灸治療による実績を持ち、別に日本国内で行われている他の治療院や
   治療法も検証は不十分でも、成果があると考えられる前向きな取り組みは無くはないと思います。(玉石混合でしょうが)

   また中国は約35万人もの患者さんがあり、積極的に進行を抑制するための治療が行われる事実は、治療を半ば放棄している
   日本の現状に比較し、前向きなことは確かです。網膜色素変性症は決して容易な病気ではありませんが、中国では病院内の
   眼科や中医科で、緑内障や黄斑変性症などと同様に治療を受けられる事実を知ってしまうと、日本が検査や手術でいくら優れて
   いても、網膜色素変性症の治療に限れば後進国であると言わざるをえません。日本の眼科医学会や患者団体は中国を含めた
   海外の状況を正しく分析・評価して、良好なものは日本の眼科医療へ取り入れる努力が必要なはずです。私は「誰のための団体
   なのか?」を問いたい思いです。

   今回は特に「詐欺」とされた複数の紹介ブローカーが問題になりましたが、このことと中国国内での網膜色素変性症への積極的な
   取り組みの事実は全く別ですので、日本の患者さんは混同しないようお願いしたいと思います。当院も今後も確かな網膜色素
   変性症の治療や情報提供に取り組んでいきます。

   網膜色素変性症のページを再度更新しました。中文ですが、中国へのリンクを掲載しています。(コピー&ペーストでお願いします)

6.20 内容の整理を始めました。

   眼科各疾患のページが大きくなり過ぎていたのに加え、先日の話から伝えたい情報を少し絞ってみました。また当院の測定法や
   サポート情報など、共通する内容は一括して紹介するよう内容を整理してみました。まだ重複している部分も残っていますが、
   疾患ごとに特化した最新の情報なども加えて順次見直しを行っていきます。

   網膜色素変性症のページを更新しました。

6.14 (社)全日本鍼灸学会に入会しました。

   やっとというか、今頃になって(社)全日本鍼灸学会に入会しました。昨年の日本抗加齢医学会に続き、二つ目の学術団体です。
   鍼灸に関する情報が得られやすくなることや、余裕があれば当院からの眼科領域の症例報告等も可能になるかもしれません。

   どのような展開になるのかはまだわかりませんが、今後に繋がるよう付き合っていきたいと思います。    

   クローン病から針灸へを更新しました。

6.10 130.000アクセス

6.9 大切なことに気づかされました。

   実は最近、気になっていたことがありました。千秋針灸院は眼科領域を専門としているため、新規の方の多くが眼科疾患の
   患者さんなのですが、なぜか最近の傾向として、実績があり多くの説明をしている疾患ほど新規の患者さんが少なく、実績が
   それほど多くなく、あまり詳しく説明をしていない疾患に新規の患者さんが多いという現象がありました。
   もしかしたらと思ってはいたのですが、先輩の先生から「あまり正直に書き過ぎて、治療を探されている方に不安に思われて
   いるのでは」という指摘をいただきました。確かに統計症例報告なども含めて、私は事実を書き過ぎていたのかもしれません。

   例えば私たちは一般に医薬品の効果を信用し、病院で医療を受けていますが、眼科での黄斑変性症などへの治療効果は
   1年後の視力向上で、PDT(光線力学療法)で僅か5%、期待されているルセンティスの眼内注射でも40%程度に過ぎません。
   それでも他に有力な治療法が無いことから、現在のところ効果的な治療法と位置づけられています。当院の針治療の統計では
   概ね56〜82%が向上(半年後に2段階以上)した結果が出ていますが、このように正しく書いてしまうと患者さんによっては
   不安に思われるのかもしれません。針灸の効果はよく個人差があるなどといわれますが、医薬品も同様に大きな個人差が
   あるのです。医薬品に付いてくる医師や薬剤師向けの添付文書には、きちんとテスト法や効果率等の記載があります。

   文章は読む方によって感じることはそれぞれです。しかし私は、日本では人によっては「怪しい治療法」とまで思われている
   針灸が、そんな思い込みで治療の可能性を失っては大変な損失ですので、できる限り医学的な根拠を持ったデータから、
   針灸を正しく伝えたいという思いです。一方で治療を探しはじめた患者さんが不安になるかもしれない内容は、最初から
   ホームページで提示するべきでは無く、治療を進める中で必要な説明や指導をしていけば良いことにも気づきました。
   どのような書き方が適切かは、まだ手探りですが、「治療の窓口は広く、伝えたい内容はきちんと書く」ことを基本に、内容を
   吟味していきたいと思います。

   眼科領域の比較的多い病気では既に100名に近づく患者さんがあり、その規模で視力や視野など様々な測定から針治療の
   検証を行う治療院は日本国内にはたぶん無い(視力測定のみを行う治療院はあります)ので、当院のホームページでも慎重に
   データや結果を扱う必要があることに気が付くことができました。大切なことを教えていただき、ありがとうございました。

6.1 ホームページ各頁の背景色を変えていきます。

   千秋針灸院のイメージカラーはライトグリーン(個人的にも好きな色)ですので、これまで当院のホームページもライトグリーンを
   多用してきました。しかし最近はインターネットを閲覧する液晶ディスプレイの多様化(携帯の画面から大型の液晶テレビまで)や
   輝度(明るさ)が強く、液晶の高性能化に伴う色域拡大(鮮やかさ)もあり、ホームページの作成も色を選ばないと眩しく見辛い、
   眼が疲れ易いページになってしまいます。

   眼の治療を専門に行う当院のページで眼が疲れてしまっては困りますので、様々なパターンを試した結果、当面背景色をライト
   グレーとして、また使用するカラーを絞ることにしました。トップページをはじめ一部のページを除いて、今後更新するページから
   順次変えていく予定です。ただライトグレーの背景も最良とは言い切れませんので、今後も見やすいページを目指していきます。

   他に新型インフルエンザについて、初めての国内での二次感染から二週間が経ち、報道等の情報も落ち着いてきましたので、
   当院スタッフのマスク着用は一旦休止とさせていただきます。今後、当院の地域(愛知県西部)で流行する可能性が生じた
   場合には、再び対応することにします。今回のインフルエンザは、現時点では幸い弱毒性であり、国の検疫体制から私たちの
   家庭レベルの対応まで様々な課題を残しました。今回の反省を、今後流行する可能性のある強毒性インフルエンザに対しての
   教訓にしたいところですね。

   小児眼科と針治療を更新しました。眼科向け小児針について、多くの症例から分かってきたことを追記しています。

5.28 治療院のベッドを新調しました。

   先日のイトウメディカルさんの売り出しで注文していた3台のベッドが到着しました。固定式で普通のベッドですが、僅かに大きく
   低反発の厚みのあるクッション、耐久性(耐荷重)も高く、脚やベッドの角も丸く安全に配慮されています。私の身長に合わせて
   高さも若干高くなりました。開業以来使ってきた木製ベッドの欠点が解消。価格は3台で17万円(定価47万円弱)でした。
   木製のベッドは閉院した治療院さんからいただいたもので、千秋針灸院の開業から9年間近く仕事をしてくれました。ご苦労様。
   
5.23 針治療による、加齢性黄斑変性での視界内の状況変化を症例報告として公開。

   針治療による緑内障の改善結果に続いて、加齢性黄斑変性での視界内の状況変化を症例報告として公開しました。
   加齢性黄斑変性は2007年に当院から、(社)日本鍼灸師会の全国大会で『中医学による加齢性黄斑変性症への鍼灸治療』
   報告させていただきました。当時は視力の改善のみを報告し、視界内の変視(歪みや暗点)については明確に改善しているか
   どうかは不明でした。その後、様々な眼科学の専門書を参考にし、鈴木式アイチェックチャートやM-chartsを導入したことにより、
   針治療により変視の変化も十分に得られることが分かってきました。

   針治療は加齢性黄斑変性での視力改善にとどまらず、歪みや暗点などの変視に対しても、部位の縮小や軽減といった効果が
   得られる可能性があります。視機能の改善も他の治療法(抗VEGF抗体の眼内注射など)に劣らず、元々薬を使用しないため
   副作用や合併症のリスクが無いことも特徴であり、加齢性黄斑変性の治療法の選択肢として有力な治療手段といえます。
   今回は加齢性脈絡膜新生血管(CNV)とポリープ状黄斑変性(PCV)の症例を加齢性黄斑変性症のページに掲載しました。 

5.18 新型インフルエンザ対策

   国内で初めての二次感染が明らかになりました。現時点では新型インフルエンザが実際に、どの程度の感染拡大があるかが
   分かりませんが、当院では少なくとも感染を拡げないことを目的に、今日からスタッフのマスク着用、受付での消毒器の設置、
   加湿器の使用など、必要最小限の対策をしていきます。当面は感染の予防と、今後の訓練的な意味合い(慣れるため)です。
   現時点では分からないことも多く、また人口密度の高い日本では難しいことですが、感染が拡大しないことを願っています。

5.15 鈴木式アイチェックチャートによる視野の測定結果を画像として公開しました。

   眼科領域の各疾患に対して、これまで視力測定は数字での結果を当院の症例報告として出していましたが、2007年後半から
   採用をはじめた鈴木式アイチェックチャートについても、ようやく結果が揃ってきました。この鈴木式アイチェックチャートは、
   全国の眼科や脳外科などで緑内障などへのスクリーニング(簡易検査)として用いられているもので、例えば緑内障に対しては
   8割以上の精度で疾患を見つけ出すことが可能です。当院では視野や変視の変化を掴む目的で様々な疾患に使ってきました。

   今回は緑内障への針治療で、視野の変化を追った画像を通常の緑内障(開放隅角緑内障)と正常眼圧緑内障の症例から
   公開しました。共に比較的視野欠損は軽度な為、マリオット盲点は完全に捉えられており、誤差は非常に少ないと考えられる
   症例になります。通常の緑内障の症例では、眼科での視野検査でも大幅な改善が確認されているものであり、緑内障は
   良くならないという常識は、必ずしも当てはまらないということになります。もちろん緑内障は回復の個人差が大きい傾向ですが
   適切な針治療を数ヶ月行ってみることは、患者さんにとって大きな意味を持つ可能性があります。

   これまで様々な眼科疾患で眼科での視野検査などの結果をいただき、良好な結果をいくつもいただいてきました。しかし当院の
   測定結果ではないことから、測定病院の許可無く公開することは、たとえ患者さんの了解が得られたとしても問題がありました。
   ようやく測定結果も集積してきましたので、当院での眼科医学に基づく測定結果を各疾患のページにて公開していくつもりです。
   緑内障を更新しました。

   また神奈川県で眼科領域の連携治療を開始できることになりました。事情により当面は当院で初診を受けられた患者さんに
   限らせていただくことになります。 眼科領域の難病治療を提携治療院でを更新しました。

5.7 カルテを整理しつつ、調べてみました。

   50歳未満で発症し、特発性脈絡膜新生血管もしくは近視性黄斑変性と診断され、当院に来院された多くの患者さんへの
   問診から、この病気の発症に、コンタクトレンズの長期装用が強く関与している可能性が疑われる結果となりました。

   コンタクトレンズは大変便利ですが、前眼部の角膜までの様々な障害が報告されています。今回調べたのは深部の網膜での
   疾患である近視性などの黄斑変性に対して、コンタクトレンズの長期装用が強く関わっていることを示すものですので、
   特発性脈絡膜新生血管、近視性黄斑変性と診断された方は、できる限り必要最小限の使用に止めることをお勧めします。
   詳しくは脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)のページで

5.3 白内障対策にビタミンC

   加齢により確実に誰もが発症しうる眼の病気に白内障があります。針治療は白内障に対して効果はあると推測されるものの
   他の眼科疾患に対して視力や視野が改善していても、白内障は関係無く進行する症例が見られます。針治療が白内障の
   進行を抑制している可能性もあるのですが、残念ながら証明ができません。
そこで当院では遮光レンズによる紫外線対策と
   共に、長期間に渡りビタミンCを安全な低用量で摂取を続けることをお勧めしています。

   (当院は針灸治療を専門としていますが、日本抗加齢医学会会員として眼の治療に関する総合的な研究を行っています。)

   眼科領域の様々な加齢性疾患に対して、発症や進行予防を目的として栄養補助食品(サプリメント)を用いる場合、数年から
   数十年以上の長期間服用しても副作用が出ないことが必須条件となります。サプリメントの過剰摂取による障害を起こさない
   ためにも、ビタミンCといえども一日の最大用量とさせる量より、少なくとも低用量で長期間継続して摂取することが大切です。
   患者さんにお勧めするからには私自身も実践しなくては・・・ということで、40歳になり白内障が気になる私も使用することに
   しました。
   詳しくは眼科領域の針灸治療、もしくは網膜色素変性症のページで

4.23 労働基準監督署と税務署で手続き

   今年から伊藤先生に丸一日治療に入っていただくため、これまでの労災保険に加え、雇用保険に加入するため労働基準監督署に
   手続きに行きました。また給与からの源泉徴収税についての説明や、来年からかかってくる消費税について税務署で手続きを
   してきました。開業して何年も経ってくると、いろいろと手続きが必要になってくるので大変です。法律で決まっていることなので
   仕方がありませんが、もう少し簡単にならないものかと・・・。でもここまでやって来れたという裏返しと思えば、感謝すべきことかも
   しれません。この業界の雇用形態は結構微妙(内弟子とか研修とか)で、最低限の労働基準も守られないケースも聞きますが、
   せめて気持ちよく働いていただける条件は整えていきたいと思います。

4.19 神様に愛された患者さん

   千秋針灸院は特に眼科領域の患者さんが多いので蓄積されている症例が豊富であり、また現代の眼科医学や中国での針治療の
   情報などから、よく見かける眼科疾患では初診時の状態で、回復の可能性も含めて概ね予測がついている場合も多くあります。
   (治療結果の保証はできません) 残念ながら針治療が期待どうりの効果を上げられなかった症例がある一方で、医学の常識では
   有り得ない程の著効を示す症例に出会うことがあります。私は自分の治療の実力を、多くの症例から得られたデータより把握して
   いますので、想定外の著効が得られる度に、ある意味無責任ですが「神様に回復を助けられた」と思わざるをえない時があります。

   例を挙げると、先日の眼科での視野検査で年々回復している網膜色素変性症、0.02→1.2へと回復した萎縮型黄斑変性、数回の
   針治療で高眼圧・視野欠損が完治した緑内障、一ヶ月程度で大幅な視力と視野の改善が得られた視神経萎縮など、様々な疾患で
   眼科での検査でも著効が証明される症例が、数十人に一人くらいは出てきます。全ての患者さんに同じくらいの効果があるのなら
   素晴らしいのですが、宝くじより大当たりは多いものの通常は無理な話です。ですが神様に愛された患者さんには共通する条件も
   あるようです。また通常多くの患者さんでは個人差はありますが、時間をかけて少しずつ好転していく症例が多いことは付け加えて
   おきたいと思います。

   著効がみられた患者さんで最も共通すると考えられることは、針治療の間隔が適切(概ね指示どうり)、手術等を行っていない、が
   あり、比較的強く関係すると考えられるのは、年齢(若い)、病歴(短い)、進行具合(初期〜前期)、コンタクトレンズは使用しない、
   煙草や飲酒の習慣を止められた、疲労を溜めず休息を心がけた、が挙げられます。漢方薬や必要最低限のサプリメントの服用、
   適切な運動の併用も、治療効果を底上げしている可能性がありそうです。結局のところ、多くの病気は生活習慣が背景にあり、
   これを変えることと、自然治癒を促す適切な刺激(例えば針治療)が回復には大切になるようです。全てをクリアしても、明確な
   改善が見られない症例も残念ながらあるのですが、眼科医も驚くほどの著しい効果が得られた症例には共通した内容があります。

   治療者側の私としては、難しい状況でも無効を減らし、著効例の割合や治療効果の平均値を上げていくことが目標となりますが、
   治療の成功には患者さんの協力や努力もとても大切になります。十分な回復が困難な状況の症例もありますが、当院に来院して
   いただけた全ての方に、できる限り良い結果が得られるよう、これからも患者さんと一緒に頑張っていきたいと思います。

4.16 クローン病などへのレミケード(インフリキシマブ)治療に一考を

   最近のクローン病治療の主流となっているレミケード(インフリキシマブ)について、最近気になる話が続いています。レミケードの
   投与により、クローン病の患者さんは一回の注射毎に数ヶ月間、従来のような食事制限や投薬を必要とせず、普通の社会生活が
   可能なほどの一時的な回復を得られます。しかし高確率の副作用と共に、レミケードの主成分であるマウス等の遺伝子に由来する
   異種蛋白は、遅かれ早かれ人間の持つ正常な免疫機能により、抗体(抗ヒトキメラ抗体)が作られ、徐々に効果を失っていきます。
   具体的にはレミケードの効果期間(通常8週間とされる)が短縮したり、効果が弱まったりという形で表面化してくるようです。

   レミケードの効果が、人の正常な免疫による抗体反応により減弱されるのを防ぐために、一般に免疫抑制剤が広く併用されます。
   免疫抑制剤は、様々な感染症に罹りやすくなったり、悪性新生物(癌)などの合併症もみられます。正常な免疫が感染や癌などの
   発生を抑えているのですから当然の話です。また最近ではレミケードの効果持続期間の短縮が問題になっているようで、通常の
   8週間という期間を短縮して6週間や4週間でも投与される話を耳にします。レミケード自体が多くの副作用を持つ医薬品ですので、
   頻回の投与は一定期間の快適な生活と引き換えに、クローン病の患者さんが大きなリスクを負わされることになります。

   違う病気ですが、例えばパーキンソン病に対するドーパミンの投与も似たような状況があり、「楽になるから」と医師から言われ、
   限界まで薬を増やした結果、病気が急速に進んで早期に治療手段を失い、亡くなられる方は後を絶ちません。レミケードは、現在
   クローン病治療の主流であることは認めます。しかし私と同じ病気の患者さんが、本来持っていた免疫を低下させられ、命に関わる
   危険を背負わさせている可能性に、私は目をつぶることはできません。様々な意見があるとは思いますが、実際に患者でもあり
   鍼灸師としてクローン病の治療も手がけている、私なりの意見として疾患別の専門ページで述べさせていただきたいと思います。

   潰瘍性大腸炎、クローン病、過敏性腸症候群のページを更新しました。

4.10 網膜色素変性症の患者さんの、ゴールドマン視野計での明確な改善例が院内限定で閲覧可能になりました。

   患者さんの許可を得て、病院でのゴールドマン視野計で年一回、4年間(計5回)に渡り、視野を継続して測定した症例を院内限定で
   見ていただくことができます。この症例の患者さんは、比較的軽度な視野狭窄と視力低下が見られる状況でしたが、視力は完全に
   正常となり、視野は年々改善している状況がゴールドマン視野計によって証明されています。この症例は眼科医を含めて誰が
   見ても確実な改善が得られていることが確認できるもので、当院に来院される患者さんはもちろん、治療者を含む全ての方に見て
   いただけます。

   網膜色素変性症は眼科分野唯一の特定疾患として、治療の手段が無いとされてきた病気ですが、昨年当院HP上で報告している
   統計症例報告「中医学による網膜色素変性症への鍼灸治療」に続き、外部の医療機関での検査でも証明されたことになります。
   眼科医学会へ報告可能な水準の客観性があり、眼科医学の常識を変える可能性さえある内容ですので、私は最近つくづく
   眼科医を目指せば良かったと思うときもあります。でも眼科医だったら針治療に注目することは無かったと思いますので、鍼灸師で
   良かったのでしょうね。眼科分野の他疾患も含め、続々と優れた結果が出てきていますので、眼科専門の鍼灸師として皆様の目の
   健康に役立てられるよう、これからも頑張るつもりです。

   今回の症例は当院での検査結果ではなく、また患者さんの許可を得て院内のみで見ていただける資料ですので、当院HPを含め
   外部への公開はできないことをご了承下さい。
客観性のある資料ですので眼科医の先生に興味を持っていただけたら幸いです。

4.9 今後のメールについて

   先日、過去の全てのメールが消失してしまいましたが、ようやくメールの送受信が可能になりました。メールは便利ですが、紙に書く
   カルテ等とは違い、油断すると一瞬で全てが消えてしまいます。しばらくメールが使えませんでしたが、便利さと危うさを思い知らされ
   ました。また長い間メールアドレスを公開していましたので、一日に受け取るメールのほとんどが迷惑メールであり、毎日500通から
   1.000通ものメールが届きますし、ウイルス対策ソフトも頻繁に作動するなど、安定したメールのやり取りが難しくなっていました。

   今回のメール消失の件で思うところもあり、一旦当院ホームページからメールアドレスを削除させていただくことにします。
   メールアドレスは変更しませんので、過去にメールを出していただいた方については、同じアドレスでメールのやり取りは可能ですが
   新規の方からの問い合わせについては、大変申し訳ありませんがメールでの対応はできません。問い合わせなど、必要な連絡は
   診療時間内に、お電話にてお願いいたします。(治療中のため、すぐに出られない場合もあります) 当院のホームページは他に
   掲示板も無いので、情報が一方的になってしまうことをご容赦下さい。今後良い方法が見つかれば取り入れていきたいと思います。 

4.6 千秋針灸院は8周年(全日開業から)を迎えました。

   おかげさまで千秋針灸院は、全日開業から8周年を迎えることができました。この間クローン病による私自身の体調不良での休診も
   無く、治療を続けられたことに感謝したいと思います。この仕事は年月が経つごとに、私自身に与えられた役割と思わずにはいられ
   ません。これからも眼科分野へ集中した取り組みを続け、鍼灸を少しでも医学に役立てることができたらと思います。今年は私の
   身近で、これから鍼灸の世界に入る方が多かったこともあり、当院の歩みとしても久しぶりに少し書かせていただくことにしました。

   ちょっと裏の針灸小話 3年ぶりに書きましたが、昔書いた話を読み返すとちょっと微妙な部分もあり、恥ずかしいです。

4.1 今日から伊藤知里先生が、主に婦人科・小児科分野の治療者として勤務されます。
 
   これまで3年近く私の治療補助をしていただいていた伊藤先生が、当院では私以外に初めてとなる治療者として勤務していただく
   ことになりました。当院では私自身が眼科分野を専門としていますので、伊藤先生には眼科分野とは別に専門とする分野を目指して
   いただくことになります。具体的には女性特有の疾患や小児への対応などですが、この分野については今後専門の治療者として
   担当制をとらせていただく予定でいます。少しずつですが当院の眼科領域並みの治療を目指していきますので、ご期待下さい。
   伊藤先生にはプレッシャーですが頑張って下さいね。 私も協力しますし、開業された後の伊藤先生自身の財産になりますから。
   眼科専門の当院の中で、様々な領域の専門家が育ち、開業後は安心して任せられる治療家に成長していただけることが夢です。

   今後、女性鍼灸師による治療を希望される患者さんは、伊藤先生が担当になります。希望される方はお申し出下さい。

3.29 当分の間、メールのやり取りができません。

   パソコンの入れ替え中に、たぶんソフトの操作ミスで、過去の全てのメール・添付ファイル等が消失してしまいました。今のところ
   修復ができず、また新しいメールも安定して受信できません。ですので、大変ご迷惑をおかけしますが、当面の間メールでの連絡は
   一切行えません。HP上にあるメールアドレスも全て一時消去させていただきます。治療に関する事など連絡の必要な方は、直接
   電話にてお願いいたします。

3.26-28 昨年に続いて水木しげるロードへ

   道大が行きたいというので、昨年に続いて水木しげるロード(鳥取県境港市)まで行ってきました。片道420キロ程で6時間近くの
   ドライブです。当方からは結構遠いのですが、昨年行ったこともあり、道や町並みも覚えているものですね。道大も大喜びでした。
   去年よりもじっくり見れた水木しげる記念館で知ったのですが、水木しげる翁(確か現在87歳)が「ゲゲゲの鬼太郎」で漫画家として
   一躍有名になりはじめたのは40歳を過ぎた頃という話です。(間違っていたらごめんなさい)その後の活躍はよく知られていますが、
   それ以前は落ちこぼれと社会不適応(戦前・中)、戦後も長い間貧困が続き苦労されたそうです。

   人には早咲きの方もあれば、遅咲きの方もあるようで、水木しげる翁はどちらかといえば遅咲きの部類に入ると思います。しかし
   考えてみれば、その時々の自分には過去の全てが繋がっているので、努力した結果や失敗から学んだ反省は全て現在の自分に
   帰ってくることになります。私はまだ40歳の若造(?)ですが、水木しげる翁は「いい人生を歩んだ人だな」と思いました。私も後から
   振り返ったときに、「まあ良かったかな」と思えるようになりたいですね。

   道大は随分楽しんだようで、夢(寝言)でも妖怪と喋っていました。また行きたいと言ったら、いつか連れて行きたいと思います。   

3.23 古い内容を削除しました。また眼科鍼灸の最新の治療情報を掲載しました。

   疾患別針灸治療の古いコンテンツの一部を削除することにしました。内容として古く、また医学的な面からも考証が不十分という
   判断です。必要性を感じましたら、再度書き直してアップしたいと思いますが、たぶん無いと思います。何度か書いてきましたが、
   ここ数年、眼科分野に集中した取り組みを行ってきた反面、他の分野では自分の専門性の無さに気づかされたことが理由です。

   また、当院の取り組んでいる眼科鍼灸の最新情報を掲載しました。症例数の少ない疾患についても、鍼灸治療の可能性の面から
   書かせていただきました。症例数の少ない疾患に関しては、あまり確実な話はできないのですが、同じような疾患の患者さんに
   少しでも鍼灸による治療の可能性を知っていただけたらという思いです。参考にしていただけたら幸いです。

   最近の傾向として従来多かった網膜黄斑変性等から、より眼科での治療が難しい疾患が増えています。加齢性黄斑変性は新薬が
   登場したため、比較的初期の症例では薬物の眼内注射で効果が期待できるようです。最近では小児眼科領域の難病や視神経の
   疾患への治療が増えており、この分野へのより深い勉強の必要性を感じています。当院の役割も眼科医学の進歩と共に、少しずつ
   変化していくようですね。治療が難しい症例ほど燃えるのは私の性分ですので、毎日の治療が楽しく思えます。 難病の患者さんに
   対しては不謹慎かもしれませんが、全力でプレーして結果を出しているWBC(野球)に出ている選手のような気分かもしれません。

   全国各地の提携治療院さんと共同して眼科の難病に取り組み、病院の治療でも得られない結果を出していくことは、大変なことも
   ありますが、本当にやりがいのある仕事と思います。残念なことですが、鍼灸の資格を取られる方は増えているのに、実際に鍼灸の
   道へ進まれる方はあまりありません。日本の鍼灸は整形外科分野を除けば遅れており、治療技術はともかく現代医学からの検証と
   いう観点では全く進歩していないに等しい為、ある分野(例えば私なら眼科領域)に徹底した取り組みを行うことは、ある意味無限の
   可能性があります。現代医学に精通した鍼灸治療が行える各分野の専門家が育っていけば、日本の医療において治療の幅が
   広がり、副作用の心配も無い鍼灸治療が多くの患者さんの役に立てる場面が増えるのですが・・・まだ道のりは遠そうです。
   

3.15 4月から予約枠の拡大や、一部の治療については担当制となります。

   私の他、伊藤先生が終日治療者としても入っていただくため、4月以降の平日午前については、若干ですが予約枠が増える見込み
   です。昨年まで頻繁に新規患者さんの受け入れ休止が続きましたが、いくらか緩和できそうです。また時々問い合わせのある女性
   鍼灸師による治療を希望される患者さんに対しても、伊藤先生に担当していただくことが可能になります。私の専門とする眼科分野と
   同じく、伊藤先生は特に婦人科分野に対して注力した取り組みを目指していきますので、今後にご期待下さい。

3.13 自宅で雨漏り

   今晩は全国的に春の嵐となったのですが、仕事から帰って食事をしていると、隣の部屋から「バタバタッ」という音がしました。
   すぐに隣の部屋に行ってみると、なんと天井から盛大に雨漏りしていました。2か所からの雨漏りで、早速バケツを二つ置いて対応。
   どんどん溜まっていく濁った水を見ると「ゾッ」としますね。結局二つのバケツに半分程で収まりましたが、なんとかしないと・・・。
   雨漏りなんて30年以上前の子どもの頃以来の経験です。

3.3 新規患者さんの受付を一時休止とさせていただきます。

   予約が混み合ってきましたので、大変ご迷惑をおかけしますが、3月末までの間、初回治療を除く新規患者さんの予約受付を休止と
   させていただきます。予約枠の空きが少なくなっていますので、連携治療などの初回治療のみは受付できますが、当院で継続した
   治療を希望される患者さんは、申し訳ありませんが4月以降までお待ちいただくことになります。

2.23 無事合格できたようです。おめでとう。

   昨日と一昨日に行われた国家試験は、当院のスタッフも2人が受験していましたが、自己採点などから無事合格の模様です。
   あたーちゃんのブログでお馴染みの伊藤先生は、4月から私以外では初めての治療者として、終日治療を行っていただく予定です。
   最も忙しい土曜の午前に手伝ったいただいていた桑原先生は、名古屋市内の病院へ就職されるそうです。長い間お疲れ様でした。
   2人とも治療家として、これからが本当のスタートです。しばらくの間、試験疲れを発散したら、プロの治療家として頑張って下さいね。

2.17 鍼灸師国家試験

   2月21日(土)、22日(日)は、はり師、きゅう師、あんま・マッサッージ・指圧師の国家試験が行われます。鍼灸師になるには3年間、
   全日制の専門学校へ通って必要な知識や技術を身に付け、国家試験に合格して厚生労働大臣から免許を受けることになります。
   今年は当院からも2人のスタッフが受験します。治療家としてスタートを切るための最後の壁です。頑張って乗り越えて下さいね。

2.11 網膜色素変性症の情報

   最近中国での網膜色素変性症の研究や治療を調べる機会があったのですが、中国のWebサイトを見て、その情報の豊富さに
   驚きました。日本では網膜色素変性症は眼科分野唯一の特定疾患であり、病医院で臨床的に有効とされる治療法はありません。
   しかし中国では35万人とされる網膜色素変性症の患者さんに対して、針灸をはじめ中薬(漢方)、血管拡張薬等から手術法までが
   病医院内で行われており、進行を食い止めると同時に視力の向上、視野の拡大、暗順応改善、網膜電図の改善が得られている
   ようです。網膜色素変性症は確かに治癒させることのできる病気ではありませんが、視機能の改善や進行抑止に対して中国では
   日本より前向きに取り組まれていることが分かります。

   非常に興味深いのは、私が多くの患者さんから学ばせていただき辿り着いた「視野欠損部分=細胞死部分+機能不全部分」と
   いう推測が多くの報告で裏付けられており、その治療のカギは「網膜での血流改善」であると結論づけられています。
   つまり針灸治療により機能不全が改善されていけば、個人差はありますが視力や視野の改善は当然の結果ということになります。
   中国語や眼科医学がある程度分らないと厳しいですが、例えば http://www.swmssbx-rp.com/ のページにある簡体中国語の
   単語をコピーして検索すれば、驚くほどの情報が得られますので興味のある方は調べてみて下さい。

   日本では網膜色素変性症の情報はあまりにも少ない上、医療機関で治療が行われないため患者さんにとって有益な情報は更に
   少なく、針灸も民間療法の一つに過ぎない扱われ方です。しかし中国では現在も網膜色素変性症治療の中心の一つであり、その
   効果は現代医学の検査法から検証されています。たまたま見た石家庄の眼科病院では針灸治療の症例の記載があり、視力等の
   向上が得られているということでした。中国のHPに書かれていることが全て正しい情報とは限らないですが、内容や症例自体は
   不自然ではなく当院での治療成績とも似通っています。公的な医療機関から発信される情報であれば信憑性は高いと思います。

   網膜色素変性症の実質的な臨床は、日本よりも中国の方が遙かに一般的に行われているため、今後は中国での臨床研究も
   含めて有益な情報を掲載していきたいと思います。 眼科学の勉強に加えて、かつての上海留学が久しぶりに役に立ちそうです。    

1.28 眼科針灸の資料作成(院内閲覧限定)を始めていきたいと思います。

   一昨年あたりから当院にて治療を受けられ実際に良くなられた患者さん方から、「今後の同じ病気の患者さんの励みになれば」と
   いうことで、様々な疾患で眼底写真や視野、最近ではOCT(光干渉断層計)の画像までいただいています。現代医学では有効な
   治療法がほぼ無いとされる疾患であり、概ね針治療による効果と考えられるものです。当院では院内で様々な測定・評価法を
   行えることから眼科での診断と合わせて、これまでも多くの治療実績があるのですが、診断の根拠となる画像については検査の
   タイミングもあり、また検査の画像が患者さんに渡ることを嫌がる医師も多いため、当院では限られた資料しか手元にありません。

   自院で検査が行えない針灸院としては貴重な資料であり、また患者さん自身の個人情報である資料を、「今後の患者さんの為に
   使って欲しい」と言っていただけることには大変感謝したいと思います。患者さんのご協力により、こうした貴重な資料が少しづつ
   増えてきましたので、個人情報のある部分は消去し疾患ごとに分類する等して、院内限定で該当する疾患の患者さんや見学に
   来られた提携治療院などの先生方に見ていただける資料を少しづつ作成していきたいと考えています。当院のホームページも
   含めて、外部へは出せない内容です。

   当院の眼科針灸は多くの症例での各種測定・評価法より得た結果から、時間をかけて練り上げた治療ですが、こうした資料は
   以前治療した患者さんから、これから針治療を受ける患者さんへの大変心強いメッセージになると思います。私自身としても
   「患者さんが私の治療を育て、次の患者さんの治療を助けていただける」ことは治療として理想ですし、千秋針灸院の歩みでも
   あります。ご協力いただいた患者さんに感謝しつつ、今後はホームページだけでなく、院内での資料も充実させたいと思います。    

1.12 自費診療の病院

   当院のある愛知県西部にあり、整形外科分野で評判の良かった病院が保険診療を止め、完全な自費診療の病院となった
   ようです。この病院はレーザー治療により体にメスを入れずヘルニアを治療できる技術と高度な設備を持ち、この分野では
   東海地方随一の実力と実績がありました。ヘルニアへのレーザー治療は元々保険適用にはならず、自費で40万円程かかり
   ましたが、今回対象疾患と治療方法を大幅に拡げ、高度な技術と設備によって本格的な自費診療専門に踏み切ったようです。

   日本の健康保険制度は、誰もが低料金で医療を受けられるという点で優れたシステムですが、一方で保険診療による医療
   内容の制限や、診療報酬が低く抑えられることからの医師不足や医療体制の不十分さ、慢性的な財政への圧迫等が問題と
   なっています。自費診療専門へと踏み切る民間病院が出てきているのは、経営状況を改善したいということもあるのでしょうが、
   治療者である医師として健康保険に縛られず、最高の医療を提供したいという意味でもあると思います。

   自費料金は腰椎ヘルニアのレーザー治療の40万円強から脊柱圧迫骨折手術など、通常行われない高度な治療では120万円
   にもなるようです。初診料(初回費用)も3万円以上とかなりのもの。私も含め一般の方は経済的に診療は無理と思いますが、
   これまで海外でしか手術ができなかったような内容の治療が日本国内でできるようになったと思えば、必要とする患者さんも
   あると思います。今後は高度な技術と設備で勝負する自費診療専門の病院が増えてくるのかもしれませんね。

   鍼灸は元々自費治療が原則で、健康保険(療養費)が使えるのは整形外科分野の限られた病気だけ(更に医師の同意書と
   健康保険組合などでは承諾が必要)なので、ほとんどの患者さんが眼科領域の当院は、多くの方が自費治療となっています。
   しかし必要とされる誰もが当院の治療を受けられるように、自費治療としては国内の一般的な鍼灸治療では最低水準である
   3.000円に抑えてきました。今後は分らない部分もありますが、できるだけ維持していきたいと思っています。私としてはあまりに
   費用がかかる治療院や病院へは、紹介し辛いという思いです。しかしこうなってくると格差社会が進んでいることを感じますね。

   2年ぶりに糖尿病・糖尿病性網膜症のページを更新しました。今後もう少ししっかり書いていきたいです。   

1.5 仕事始め

   今日は仕事始めでした。お休みが続いたためか、少し疲れましたが順調なスタートが切れました。ただ夜7時以降の予約の
   空きが完全に無くなってしまったため、ご迷惑をおかけしますが当面の間、夜7時以降の予約受付を休止とさせていただきます。

1.1 あけまして、おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。