針灸院日記 2016  本文へジャンプ


●今年の最初へ


12.24 季刊誌の鍼灸OSAKA 2016・秋号に掲載されました

夏頃に原稿を依頼されていた、「千秋針灸院の眼科鍼灸ネットワーク(仮称)の取り組みについて」が、森ノ宮医療学園出版部の季刊誌、鍼灸OSAKA 2016・秋号で掲載されました。千秋針灸院は眼科領域の専門治療院として、全国から患者さんが来院されるのですが、遠方の患者さんは通院が難しいため、お近くで適切な針治療を行える治療院さんを探し始めたのが、眼科鍼灸ネットワーク(仮称)の原型です。眼科的に確実な結果を出している治療院さんなら、原則として治療方法は問わず提携治療院として、近隣の患者さんをお願いしてはや10年。500名以上の患者さんに、お近くの治療院をご紹介してきました。

 ●森ノ宮学園出版部 鍼灸OSAKA123号

今回はその経緯や仕組みを書いているのですが、このシステムは眼科領域で適切な針治療を必要とする患者さんのため、試行を繰り返し自然と現在の形になったものです。紹介先の提携治療院の先生方も、患者さんにできる限りの結果を出したいということで、当院と目的は一致しています。このネットワークの仕組みと眼科領域での専門性の高さが、豊富な症例数を基にした各種の報告や来年の講演などへと繋がっていきます。当院は今後も眼科領域の鍼灸治療の可能性を追求し、皆様の眼の健康に役立てられるよう努めていきます。来年もよろしくお願いいたします。

12.13 特別講演のスライドはようやく完成、まだ道半ば

第34回「眼科と東洋医学」研究会の特別講演用スライドがようやく完成。緑内障(一般口演)用のスライドと合わせて丁度1ヶ月で、たたき台となるスライドが出来上がってきました。この一ヶ月間は毎日午後11時前後まで残って、エクセルでのデータ処理やパワーポイントでのスライド作成に明け暮れました。なんとかスライドは完成しましたが、ここからは一枚毎に説明を入れ、講演内容を膨らませていく段階になります。その後は限られた時間内(50分)に終了できるように調整とテストです。講演日(3月12日)の直前まで気が抜けないと思います。

これまで30分以上の講演は鍼灸師の方向けに3回程行っていますが、私は他の機会も含めて大勢の人前で話すことは、どうにも不得手で向いていないと思います。患者さんと話す時は全くストレスを感じないのに不思議です。ともかく何度か行ってみて準備期間も含め、その度に体調も悪くなり仕事にも支障が出るので、やや長時間の講演は今回限りにさせていただきたいと思っています。何でもそうですが、人それぞれ向き不向きがある事を痛感します。もちろん10分程度の小規模な報告は患者さんに還元するためにも、機会があれば続けていくつもりですが、大きな講演はご勘弁下さい。

肝心の内容は、網膜色素変性や網膜動脈閉塞を理解されている先生方ほど、恐らくは驚かれることになると思います。現在の眼科医療の常識の一部を、少しだけ書き換えていまう報告になります。参加される眼科医や鍼灸師の先生方は楽しみにしていて下さい。残念ながら今回の特別講演では、患者さんから許可をいただいた検査画像などのデータも使用するため、ホームページ上で全ては公開できませんが、部分的な公開や院内限定で閲覧できる資料などとして、必要な方に見ていただけるようにしたいと思います。

12.2 求人の募集条件に追加、今回は男性スタッフ(全日のみ)についても募集します

医道の日本社に案内を出してから1週間ほど経ちましたが、アクセス数は伸びているものの現在まで応募はありません。これまで男性スタッフについては、院内の私を含めたスタッフ数のバランスから募集を控えていましたが、以前よりスタッフ数が増えているため検討することになりました。純粋な鍼灸治療を、患者さんの健康に役立てたい思いのある方の応募をお待ちしています。

●リンク・・・スタッフ募集のお知らせ 2016 

11.26 医道の日本社の求人サイトに掲載中

昨日から医道の日本社の求人サイト、Jobサーチに求人案内を掲載しています。掲載期間は4週間の予定ですが、その後はまだ決まっていません。全国区の求人サイトですので、ある程度は見ていただけると思いますが、初めてのことですので全くの手探り状態。期待と不安で一杯です。今回の求人案内を助けていただいたSさんには感謝ばかりです。さて、どうなるかな。

●リンク・・・医道の日本Jobサーチ http://www.ido-jobsearch.com/

緑内障の演題はスライドが概ね完成済み。今度は特別講演ですが、講演のシナリオを考えながらスライド作りを始めています。毎回思うのですが、統計症例報告や講演の準備は、ある種の作品の様ですね。見ていただく方に、「どうしたら興味を持っていただけるか」を考えながら少しずつ進め、何度も見直しながら完成度を高めていく作業は、ある意味自己満足の世界かもしれません。しかし今回見ていただく相手は、眼科専門医の先生方であり、医師に鍼治療の存在や選択肢を知っていただき、次の段階へ繋げていく大切な講演になることは理解しているつもりです。眼科領域の患者さんと鍼治療の未来に、少しだけ影響を与えるかもしれない数ヵ月後の講演に向けて、全力で取り組む毎日です。

11.21 スタッフ募集のお知らせを大幅に更新しました

近日中に大手求人サイト(医道の日本社)への掲載が決まりましたので、掲載内容に合わせて来年度以降の給与条件等を併記させていただきました。大きな変更は固定給が月額で最大15.000円程度の増額になることや、専門学校の学生さんのアルバイトについては週
3日以上の条件に緩和(これまでは週5日)することになりました。正直な話、必要な診療体制を保つためのスタッフが明らかに不足していて、この状況が続けば本格的に事業の縮小へ舵を切る必要に迫られるかもしれません。私は患者さんを手助けする仕事がしたいのですが、経営は難しいですね。まあ、成るようにしか成りませんので、できる範囲で努力するだけです。

●リンク・・・スタッフ募集のお知らせ 2016 

11.12 第34回「眼科と東洋医学」研究会の特別講演が決まりました なんとW講演。

前回の日記で緑内障の一般口演演題をエントリーしていましたが、会長の竹田先生から連絡があり、別途特別講演(1時間枠)の依頼を受けることになりました。今年3月の特別講演では明治国際医療大学の鶴先生が、眼科領域での鍼灸の基礎研究を報告されており、参加されていた眼科医の先生方に鍼灸への興味を持っていただける内容でした。今回は鍼灸の眼科領域の研究では第一人者である鶴先生に続いて、私が眼科領域の鍼灸臨床の実際を専門医の先生方に紹介するという大役をいただいてしまいました。恐らくは鍼灸師が眼科医に眼科臨床を講義するのは前代未聞の話です。鍼治療の実技も行います。

特別講演は1時間。短くはありませんが長くもないため、内容は眼科での対応が難しい疾患で千秋針灸院での実績がある、網膜動脈閉塞と網膜色素変性に絞ることにしました。網膜動脈閉塞は発症後数日以内に、視機能の大半を失い回復不能に陥る手強い病気で、眼科でも概ね発症から1週間で治療終了となり回復の見込みはありません。千秋針灸院では状況にもよりますが、1ヶ月前後までなら大幅に回復可能なことが分かっています。また網膜色素変性は、現在でも眼科での有効な治療方法はなく、経過観察のみとなる特定疾患の難病です。鍼治療で治癒はできないものの一定度は改善することや、視野狭窄の進行を遅らせて、結果的に見える時間を延長する可能性が高くなります。再生医療の実用化までの現実的な治療法として、可能であれば全ての患者さんに適切な鍼治療をお勧めしたい思い入れの強い病気です。この病気への鍼治療を、公の場で眼科専門医の先生方に紹介することは、私やこの病気で当院に通院されている患者さん方の悲願でした。

これから3月12日の講演まで、日々の治療は今までどうりしっかり行いますが、他の時間は全力で特別講演と一般口演(緑内障)の準備に取り組むことになります。私は口下手ですので至らない点も多いとは思いますが、眼科専門医の先生方に鍼灸を知っていただき、患者さんが適切な鍼治療を選択できる先駆けとして伝えていきたいと思います。今回の講演は、恐らく私にとって大きな区切りの出来事になると感じていますので、後悔しないようやり遂げていくつもりです。私の担当する特別講演を含めて聴講は、医師、薬剤師、鍼灸師の国家資格者に限られ、当日参加が可能です。詳細な案内がありましたら再度掲載します。

10.26 緑内障の統計症例報告をエントリーしました

今年3月に「眼科と東洋医学」研究会の場で、主に眼科医の先生方に「黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について」を報告させていただきましたが、来年3月の次回報告向けの抄録が完成しました。今回は「鍼施術による緑内障性視野障害へのアプローチ」として、針治療前後での視野障害の変化を統計として報告する予定です。

私としては、いつもより症例数が少ないことが残念ですが、眼科でのハンフリー視野計の検査結果で、緑内障で重要視される視野の数値の改善が得られていることや、今回は初めての試みとして統計学上で95%信頼区間を確保していることから、針治療が緑内障性視野障害を一定度改善させ得る事を証明できたと考えています。もし仮に今回の報告をきっかけとして大学病院や医療機関などでも追試していただき、より大きな症例数で再現性が確認できると、緑内障治療法の選択肢としての可能性が広がりますね。とはいえ、まずは昨日提出した抄録を眼科医の先生方に審査いただき、研究会の場で報告を認められるかどうかが最初です。一度生じた視野障害を改善する治療法は、現在まで存在しないとされていますので、かなり抑制した内容にしてありますが、眼科医学の常識に挑戦した報告です。落選した場合にも統計症例報告として、ホームページ上で公開しますのでお待ち下さい。

10.18 緑内障点眼薬の副作用にご注意

ここ数年、緑内障の点眼薬で何例も続けて生じている副作用があります。患者さんは「目がヒリヒリ痛む」、「見辛い」と言われる症状で、角膜上皮障害の診断名が付きます。主に緑内障の点眼薬に含まれる塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤が原因となり、角膜が傷むもので、完全な医原性疾患です。防腐剤を含む点眼薬を速やかに中止することが唯一の解決法なのですが、実際の眼科では緑内障の眼圧降下を優先させるために、患者さんの訴えに耳を傾けないケースが少なくありません。私の経験ではルミガンに多く、最近ではグラナテックにも生じているようで、比較的効果の強い新薬で目立つように思います。

角膜上皮障害を無視して進行させてしまうと、遷延性角膜上皮欠損(PED)となり、著しい視力障害などを伴い重篤で治り難くなってしまいます。こうした状況にしないためには、少しでも異常を感じたら早めに眼科医に診ていただき、「角膜上皮障害」の診断名を付けて貰いましょう。実はこの病名などが付くことで、防腐剤フリーの緑内障治療薬が健康保険適応になります。全ての点眼薬が対応しているわけではありませんが、キサラタン、レスキュラ、チモプトール、ミケラン、タプロスなどで防腐剤フリーの点眼薬が存在します。当院でも可能性がある場合、患者さんに指摘していますが、眼圧を気にするあまり、角膜上皮障害を無視した点眼治療を続けないよう気をつけて下さい。

10.13 秋の連休を取りました

患者さんにはご迷惑をおかけするのですが、この秋は5連休をいただきました。千秋針灸院は元々は木・日・祝日を休診日とする完全週休2日でしたが、現在は木・日を固定の休診日として祝日は診療することが多くなっています。どうしても祝日が月曜日に多くなり、毎週月曜日に来院される患者さんに休診が続いてしまうことや、祝日を休診にすることで他の曜日の予約が混雑する傾向が強いことが理由です。一方で祝日を診療日とすることで、その分の休診日を確保しようとすると、まとまった連休を時々いただくことになり、結果として年末年始、春季、GW、夏季(お盆)、秋季の5回に分けて3〜8連休となっています。

集中して休診とすることで蓄積した疲れを取ったり、家族旅行や日頃できないことに打ち込めたり、色々な意味でリフレッシュできることで、仕事への集中力も高まります。以前なら「遊んでいていいのかな」などと思った時もありましたが、今は休息も大切な時間であることを意識して過ごしています。慢性の疾患があり長期間治療を続ける必要がある患者さんにとっても、時々息抜きができることは無理なく治療を続けられるコツでもあるでしょうね。またスタッフの先生方もそれぞれ良い時間を過ごしていると思います。明日から再開、頑張りましょう。

10.7 リンク更新といろいろ

これまで主に四国の東部地方から来院される患者さんに、ご紹介させていただいていた徳島市のはりきゅう達仁堂さんと相互リンクをしました。はりきゅう達仁堂の篠原先生は、長く出張による中医鍼灸を行われていて、中国各地の中医薬大学への留学等もあり経験豊富な先生です。

●関連リンク・・・はりきゅう達仁堂

リンク絡みで別に会員として長く加入していた抗加齢医学会は、前年度末で退会しました。興味深い報告も数多くあるのですが、何となく企業色を感じるようになり、少し距離を置きたくなったのが理由です。それでも患者さんの治療を針灸だけでなく、医療を含む生活環境の全てから病気の根本を変えていく、現在の治療スタイルの基礎を学ぶことができたのは、抗加齢医学がきっかけですので良い出会いだったと思っています。

いつの間にか開業から17年目になり、様々な関わりや仕事が増えた一方で、私も少し年を重ねました。そろそろ仕事も折り返しの時期になり、ここ数年でいろいろな事を一度見直すことを考えています。まだ老け込む年齢ではありませんが、少しでも長く健康に針灸を役立てる仕事を続けていきたいと願うようになりました。やはり年を取ったということでしょうね。

9.20 台風16号とログハウス

今年の秋は台風がやたらと多いですが、今回の台風16号はそれほど強くはないものの、千秋針灸院に増築したログハウスにとって初めて直撃した台風となりました。ログハウス部分は平屋に加えて、軒は一般の住宅よりも深い90cm程なのですが、さすがに横殴りの強い雨が吹きつけ、外壁に当たった雨水が無垢材の節から染み出ています。普段は全く心配ないのですが、年に1回あるかないかの台風などは今後も注意が必要になりそうです。

それにしてもログ材を積み重ねた部分からではなく、「節」からというのが予想外でしたが、用心して樹種は水に強く腐り難いレッドシダーを選び、内外壁共に木材保護塗装を行い、耐水性を高めておいて良かったと思います。横殴りの雨の間は染み出ていた水も、雨が止む頃には消えて無くなりました。ログハウスの調湿性能の高さを示す結果で興味深いです。しかし居住用としてのログハウスなら、やはり雨漏りは問題かもしれません。

9.16 緑内障の統計症例報告を作成中

今年3月に「眼科と東洋医学」研究会で報告させていただいた、「黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について」に続いて、来年3月の研究会での報告を目標に、今回は緑内障の統計症例報告を作成中です。今回は症例数は少なくなってしまうのですが、眼科で行われた視野検査の実際のデータを基に、当院の針治療が緑内障において視野を改善している事実を、眼科医の先生方の前で報告することを目指しています。まずは主催者の眼科の先生方に抄録を査読していただくのですが、ここを通過することが当面の目標です。

緑内障の視野検査の結果を評価するためには、針治療の開始前も含めて少なくとも数回以上の同一検査で継続したデータが必要で、一人の患者さんで数年以上の歳月が必要になります。私の手元にデータが残っていることも条件です。この条件を満たす緑内障の患者さんは僅か8名。しかしデータは統計としても確実な改善を示していますので、何らかの理由で落選した場合でも、少なくとも当院ホームページでは公開できると思います。現在、緑内障の視野については限定的でも改善し得る治療法は存在しませんので、今回の報告を通して針治療が緑内障治療の選択肢の一つとなることを目標に頑張っていきます。

7月に依頼を受けていた案件は完了手前。もう少ししたら書くことができると思います。別件で今後に向けた新たに検討中の事案(建築関係)も動き始めています。あまり同時進行をこなすのは体力的に得意ではないので、無理をしないよう進めていきたいと思います。

9.1 新規患者さんの受付を再開させていただきます

2ヶ月程、新規患者さんの受付を休止させていただき、ご迷惑をお掛けしました。平日午前を中心に予約枠に若干の余裕が出てきましたので、受付を再開させていただきます。今回休止させていただいた経緯から、診療を希望される方がスムーズに治療を開始できるよう、初診の受付時間については原則平日の昼頃に限定させていただきます。

またMT式温灸器を用いる「顔面けいれん」や「顔面麻痺」については、当院の事情から2診目以降も午前診療のみに限らせていただくことや、午前診療で午後1時、午後診療で午後8時以降に到着が遅れる場合は、理由の如何を問わず時間外料金(1.080円)を加算させていただきます。時間外に来院されますと、その都度スタッフの配置や設備の稼動が必要になります。航空機や鉄道のダイヤの乱れなど、明らかに遅れる場合には別の日に変更していただくこともご検討下さい。なお休日前の混雑日など、当院から時間外の予約を指定した場合はこの限りではありません。

9月からの変更点として今後、新規の方の近視治療は診療対象外とさせていただきます。針治療は半数以上の方で当初視力の2倍以上が得られるなど良好でしたが、子どもさんの成長に伴う進学、環境などの様々な要因に左右され、長期では視力維持が困難な場合が少なくないこと。そして当院の事情で申し訳ないのですが、近視は病気ではなく環境への適応の結果ですので、限られた予約枠は治療を必要とする患者さんに使っていただきたい思いがあることも理由です。なお現在通院中の患者さんについては引き続き治療させていただきますが、近視治療のご紹介等はご遠慮下さい。こうした内容も含めて小児眼科領域のページを更新しました。(気が付けば3年半ぶり)

リンク・・・小児眼科領域

もう一点、当院で長く使用を続けていた個人専用鍼の入手が難しくなっており、既に今年に入ってから治療を開始した患者さんについては、全てディスポーザブル(使い捨て)鍼で治療を行っています。個人専用鍼は鍼自体の品質が高く痛みが少ないことや、私の使い勝手としても手になじんで良いのですが在庫が無くなり次第、ディスポーザブル鍼に移行します。なお昨年まではディスポーザブル鍼の使用を特に指定される場合は、毎回300円を頂いていましたが、現在は無料としています。開業した頃と比較して鍼を含めた消耗品の単価が値上がりし費用負担も増えていますが、料金の維持が可能な時期まで患者さんの負担が増えないよう努めていきたいと思います。

8.28 夏の予定終了

今年の夏は8月7日〜14日の夏休みに加えて、昨日27日も義母の法事で休診とさせていただきました。私の性格上、遊びでも仕事、その他でも何か予定が入っているというだけで気になるタイプで、例えば新幹線などでも指定席には乗れません。時間が指定されるだけで強いストレスを感じてしまいます。だからいつも自由席です。話を戻しますが、この夏の大きな予定(というほどでもないですが)が終わったので、とても気が楽になりました。出発前に、ある依頼(まだ非公開)も概ね完成できたので、明日からはストレスなく頑張れそうです。

7月から2ヶ月ほど新規の患者さんの受け入れを休止させていただいていますが、平日の午前中では予約枠に余裕ができ始めています。遠くなく再開できる予定ですので、もう暫くお待ち下さい。

8.14 明日から再開

8月7日から8日間もの夏休みをいただき、この間メールなどの返信が遅れ、ご迷惑をお掛けしました。今年は8日から12日まで沖縄の宮古島で過ごしました。名古屋の最高気温は35℃前後を続けていましたが、日差しは強いものの宮古島は最高気温で31℃前後と涼しく、冗談ではなく避暑地として選べそうです。毎年恒例になったサンゴ礁のシュノーケルは楽しかったのですが、サンゴの白化現象(弱って死滅していく段階)の割合が2年前より大きく広がっており、今後いつまで東洋一と言われる美しいサンゴ礁が見られるのか心配になります。宮古島は素朴な味わいのある離島でしたが、開発も進んでおり自然と共生できるかが今後の課題ですね。また機会があれば行きたいと思います。

明日から再開です。リフレッシュできましたので、頭を切り替えて精一杯頑張っていきます。

7.27 いーはとーぶ鍼灸・接骨院さん(静岡市)に提携治療院をお願いできました

2年前にお会いして以来、静岡市付近の患者さんの治療を引き受けていただき、良好な結果が続いていることから、静岡市のいーはとーぶ鍼灸・接骨院さんに、今後は提携治療院としてお願いする運びになりました。院長の福岡先生は視能訓練士として、眼科で15年以上勤務された経験があり、眼科領域の専門家として私も教わることが多々あります。ご自身で眼科領域の測定・評価が適切に行える先生ですので、提携鍼灸治療院で唯一、千秋針灸院での定期的な経過観察を必ずしも必要としない治療院となります。

静岡県は東西に長く距離があることから静岡市付近の患者さんは、これまでは浜松か藤沢(神奈川県)まで通っていただく必要がありましたが、静岡市で提携治療院をお願いすることができましたので、お近くの患者さんはご検討下さい。現在、千秋針灸院での継続した治療を希望される方はお待ちいただいている状況ですが、当院での初診の後、継続した治療は提携治療院などで受けられる場合は、予約状況により受付可能な場合があります。特に回復期の限られた眼の外傷や外眼筋・神経麻痺、網膜動脈閉塞症などでは、針治療開始の遅れが予後を大きく左右しますので、ご連絡いただけたらと思います。

●リンク・・・いーはとーぶ鍼灸・接骨院

7.9 企業説明会は盛況だったようです。ここ最近いろいろありました。

私は診療中で行けなかったのですが、昨日の中和医療専門学校で行われた企業説明会は、おかげ様で盛況だったと報告を受けました。かなり余裕を持って多めに50部作った資料は、40部近く手にしていただき、20名近くの学生の方と話ができたようです。初めての参加ということや、純粋な針灸専門治療院ということに興味を持っていただけたようでした。

学生の方の現実として鍼灸師の免許を取得しても、鍼灸臨床を経験できる就職口は、ほぼ皆無です。学校の就職科に求人を出している病院・整骨院などの9割以上は、院内でのマッサージや往診でのマッサージ担当者を探しています。会社の規模が大きいため比較的条件は良く見えますが、残念ながら就職後は多くの場合、鍼灸に触れる機会は無いと言って間違いないでしょう。学校の先生からもあまり話していただけませんが、プロとして通用する鍼灸技術を身に付けられる条件は、鍼灸臨床にどれだけ触れるかが王道、この一点に限られます。千秋針灸院では、スタッフにも数多くの鍼灸臨床を経験していただくことから、数年後には同学年の卒業生の中で、間違いなくトップクラスの鍼灸臨床で使える技術が身に付くはずですし、私もプロとして通用する鍼灸師の育成を強く意識しています。

昨日は私の代わりに竹畑先生、天利先生に出席していただきましたが、事前にいくつかの事項を確認しただけで、2人には千秋針灸院の実際を自由に思うまま説明していただき、数年前の卒業生ということもあって、話を聞きにくる学生の方が途切れることのなかったほどの活気ある説明会になりました。竹畑先生、天利先生、お疲れ様でした。後はスタッフの応募に繋がると良いのですが、こればかりは御縁を待つしかありませんね。まだ詳細は明かせませんが、新しいスタッフ(求める人によります)にとって、驚き(かも)の条件を用意しています。当院の面接を受ける際にお話できると思います。

それから、これも詳細はまだですが、とある依頼が私宛に入ってきました。皆様の役に立つとよいのですが・・・。

もう一つ、ひっそりと6月末で療養費(健康保険)の取り扱いを完全終了。7月より医療機関でマイナンバーの運用が始まる(完全義務化などは、まだ詳細未定)からですが、当院のような小規模治療院では患者さん毎の大切なマイナンバーを安全に管理できないのが理由です。開院以来、適応疾患の患者さんには健康保険での対応もしてきましたが、眼科領域が適応外ということで2010年6月末で新規取り扱いを終了。2016年6月末で完全終了という運びになりました。千秋針灸院は開業17年目に入る今月から、完全に自由診療の治療院になりました。

6.29 企業説明会のパンフレット完成

2週間ほどの突貫作業で、7月8日に行われる企業説明会のパンフレットが完成しました。4年前の電子書籍作成以来で、Adobe InDesignという印刷物作成ソフトを使ったのですが、使い方を思い出すまでに随分と時間が掛かってしまいました。3枚のチラシに千秋針灸院のあれこれが詰め込まれています。手を取っていただいた学生の皆様に、伝わるものがあると嬉しいのですが、初めての試みですので分かりませんね。当日配布しています。

7月8日(金) 12:30〜16:00 中和医療専門学校

また前回のお知らせのとおり、新規の患者さんの受付を休止させていただきました。ご迷惑をお掛けしますが、通院されている患者さんへの「治療の質」を保つために、受付休止が必要な状況です。継続した治療を提携治療院など他の治療院で受けられる場合には、当院での初診を平日昼頃に時間を限って、予約受付可能な場合がありますので、必要な方はご相談下さい。千秋針灸院での継続した治療を希望される方への受付再開は未定で、恐らくは秋以降までお待ちいただきます。


6.15 7月より当面の間、新規患者さんの受付を休止させていただきます。

先週から午後の診療時間での一部疾患について、受付を制限させていただきましたが、午前診療を含めて予約枠が一杯になり、丁寧な診療が困難になりつつあるため、7月1日以降、一旦新規患者さんの受付を休止させていただきます。再開時期は未定で秋頃を予定していますが、予約状況により前後します。現在通院中の患者さんの治療に集中するためですので、大変ご迷惑をおかけしますがご理解下さい。なお6月末までは時間帯は制限させていただきますが、新規患者さんを受け付けていますので、必要な方はお問い合わせ下さい。

今回は数年ぶりに新規患者さんの受付を休止させていただきますが、数ヶ月あれば通院中の患者さんで軽微な疾患・症状では治癒により治療を完了したり、難しい疾患でも状態が落ち着くことで治療間隔が空いていきます。ある程度予約枠が空いていけば受付を再開できますので、当院での継続した診療を希望される方は申し訳ありませんがお待ち下さい。また提携治療院での診療を希望される方など、初診のみであれば受付は可能な場合がありますので、お問い合わせ下さい。

6.14 中和医療専門学校の企業説明会に出席します。

今年は偶然に参加案内が私の目に留まった母校、中和医療専門学校の企業説明会へ参加させていただくことになりました。千秋針灸院は個人事業ですので企業ではありませんが、事業の紹介文や当日配布するパンフレットなどの作成を始めています。こうした説明会は初めてですので手探りですが、鍼灸師の免許を取得していくことで、純粋な針灸治療のみでも治療院が成り立ち、多くの患者さんに役立つことを学生の方に知っていただけたらと思います。残念ながら当院の診療時間の都合で私は出席できませんが、竹畑先生と天利先生に託すことになりました。7月8日(金) 12:30〜16:00 中和医療専門学校校舎です。全部で65社も参加するそうですから、誰も来てくれなかったら寂しいですね。

千秋針灸院には隠すことは何もありませんので、当日は2人に何でも聞いてみて下さい。現在午後の診療スタッフも募集していますので、合わせてお問い合わせ下さい。

●リンク・・・スタッフ募集のお知らせ 2016 

6.7 午後の診療時間について、一部疾患の受け入れを休止させていただきます

大変ご迷惑をおかけしますが現在当院の事情により、午後の診療時間での新たな患者さんの継続した受け入れが難しくなっています。このため午後の診療時間での「顔面神経麻痺」、「眼瞼けいれん・顔面けいれん」等のMT式温灸器を使用する疾患や、「近視」等の重篤でない小児の眼科症状について、当面の間新たな患者さんの受け入れを休止させていただきます。こうした疾患・症状などで受診を希望される方には大変申し訳ありませんが、当院の午前診療もしくは提携治療院での治療をご検討下さい。

なお現在通院中の方については、午後の診療時間から変更していただく必要はありません。皆様にはご迷惑をおかけしますが、ご理解ご協力をよろしくお願いいたします。

6.5 270,000アクセス達成

6.1 眼科疾患と喫煙

タバコと健康を考えるとき、一般に「百害はあって一利なし」と言われています。眼科領域でも確かに悪いことも多いのですが、飲酒と網膜浮腫との関わりなどに比較して、直接の影響は分かり難いです。しかし眼底の血流量を減らしてしまうことから中毒性(タバコ)視神経症をはじめ、中途失明の4大原因である加齢黄斑変性や糖尿病網膜症、緑内障、網膜色素変性の全てに関わり、突然の失明に至る網膜動脈閉塞や虚血性視神経症の原因にもなります。また受動喫煙も含めて煙の成分による活性酸素により、白内障を進行させてしまいます。あまり目の症状との直接の関与は意識できませんが、眼科疾患を患っている方で喫煙を続けている場合には確実に影響しています。

血流については最近の光干渉断層計(OCT)の進歩により、眼底の詳細が分かるようになり新しい報告が次々に出ています。特に正常眼圧緑内障の原因として視神経乳頭の緑内障性変化は、眼底血流の低下により生じることが専門書でも明記されました。眼圧が元々高くない正常眼圧緑内障では、視神経乳頭の変化は眼圧の影響以上に血流量の低下が関与することが分かってきたのです。眼底血流が低下する心疾患の既往や網膜静脈閉塞などの虚血性疾患の後には視神経乳頭に変化が生じることや、手足の冷えや低血圧も緑内障のリスクであることが、先日の「眼科と東洋医学」研究会でも取り上げられました。喫煙も含めた血流を低下させる全ての行為は、目の健康に対して確実にマイナスになります。

初診で来院される眼科疾患の患者さんの問診をしていると、特に男性では飲酒と喫煙の両方もしくは一方の習慣のある方が目立ちます。両方の習慣がある方では網膜浮腫が問題になる場合には飲酒から、それ以外では喫煙から減らすよう指導しています。明らかに喫煙や飲酒が問題になる患者さんには、カルテに飲酒や喫煙を数字で記録するなど少し執拗にお話していきますが、中には残念ながらドロップアウトされてしまう方もあります。身に付いた習慣は中々変えることができませんが、ここを変える努力ができない方は鍼治療だけでなく、いくら最先端の眼科医療に頼ったとしても解決は難しくなります。逆に言えば必要以上にリスクのある眼科医療に頼らなくても、現状を変えられる可能性があるのです。

私は眼科領域の鍼治療を専門する立場から鍼治療だけでなく、日常生活上のポイントを的確に指摘して患者さん自身で病気の原因を変えていただくことや、その結果を眼科学に基づく測定法から正しく評価することで、可能な限り目の健康を取り戻す手助けを促すことが大切と考えています。当院での針治療を含めた眼科領域への取り組みで治癒・改善したり、悪化を止められる患者さんも多いのですが、力及ばず回復の難しい患者さんもあります。縁あって来院された患者さんが、皆良くなったらいいのにと願いながら、針治療と勉強を続ける毎日です。

5.17 眼科疾患と飲酒

飲酒に関して中医学では「肝」と「目」は切り離せない関係があるのですが、日々の診療の中でも様々な事実に出会います。直接の病気として、視力・視野障害を生じる「アルコール視神経症」が挙げられますが、他にも中心性漿液性脈絡網膜症に代表される様々な網膜浮腫の原因になります。主な症状は「視界が歪んで見える」です。毎日飲酒の習慣がある方は、早期であれば硝子体内注射や鍼治療などをしなくても、治癒する可能性が高いです。千秋針灸院に来院された患者さんには、「騙されたと思って毎日の飲酒は止めてみて下さい。週末やお友達と楽しく飲むのは構いませんから。」と指導しています。結果、大学病院などでお手上げの大幅な視力低下を伴う中心性漿液性脈絡網膜症でも、視力や変視(歪み)が改善するケースが少なくありません。丁寧に問診をしていくと、飲酒がキーワードになる症状は案外多いことに気づかされます。

加齢黄斑変性と続発した黄斑浮腫で来院されたある患者さんは、毎日4合以上の飲酒が習慣になっていました。針治療と共にまずは半分にしていただくようお話したところ、飲酒は毎日3合以下に減り、視力も1ヶ月も経たずに回復し始めました。しかし3ヶ月を越えて遠方にお住まいのこともあり、針治療の回数を減らした頃から視力がやや下がったため飲酒の状況を伺ったところ、見易くなったことで安心して最初の4合以上に戻ってしまったという話でした。指導に失敗した典型的な症例ですが、逆に飲酒の習慣を止められたことで、眼科医も驚くほどの回復を得られた患者さんも少なくありません。

外傷などを除く多くの病気は例え遺伝性の疾患でも、進行には少なからず日常生活が関与しています。千秋針灸院の眼科領域の針治療が確かな効果を上げられる理由の一つは、眼科領域の専門知識と豊富な症例数に加えて、中医学や抗加齢医学を基にした患者さんの日常生活の適切な改善ポイントをお伝えできることにあります。必要以上にリスクのある医療に頼ることなく、日常生活を少し変えていくことで健康な毎日を過ごせることは、何よりクローン病を持つ私自身が常に問われている課題です。次回は喫煙について。

5.7 加齢黄斑変性のページを更新しています。しつつあります。

今年3月に報告した「黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について」に基づいて、当院の最近の知見を加えて加齢黄斑変性のページを3年ぶりに更新しつつあります。新薬が登場していたり、様々な知識や経験が加わったりと情報量が膨大なため、一応更新はしたものの、まだ何度か見直して書き換える必要も出てきています。3年は短いようで長いですね。全体に他のページも含めて情報がやや古くなっていますので、改めて読み返すと違和感を感じる記述も少なくありませんが、少しづつ更新して皆様の目の健康に役立てられるよう努力していきます。

●リンク・・・加齢黄斑変性

なかなか忙しさを理由に更新が進まず申し訳ありませんが、実際の治療は眼科領域の様々な部分で確実に進化を続けています。初診などで来院された際には、目の病気や眼科での治療、針治療、日常で気をつけることを何でも聞いて下さい。私は正直なところ専門領域以外は詳しくありませんが、眼科領域であれば患者さんの立場で最良の道筋をお伝えし、お力になることができると思います。

4.29 熊本の地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます

4.14
(木)から続く熊本の地震は今日までに震度1以上が1.000回を超え、今日も震度5強の余震が起こっています。震度5以上が十数回、震度7が2回と、繰り返し強い揺れが長期間続く地震は、遠くはなれた当地では想像もできませんが、提携治療院や患者さんが被災されたと考えられ、無事を案ぜずにはおられません。

被害の規模や詳細は報道されつつありますが、今後も予想される大きな余震や二次災害に警戒しながら、被災された皆様が困難を乗り切れるよう願っております。


4.1 新年度のはじまりです

今日から千秋針灸院も新年度入りです。日々の診療に変わりは無いのですが、この春は午後の診療に新しいスタッフとして中本湖琴先生が加わり、菊池真樹子先生が午前の診療のみに異動となりました。中本先生は中和医療専門学校の非常勤講師も勤められていて、学術と臨床の両輪で今後の活躍を期待しています。

●リンク・・・スタッフ紹介を更新

それから午後の診療スタッフ(女性1名)も引き続き募集しています。諸事情により募集の対象を一部変更しました。学生もしくは鍼灸師の国家資格を持ち、鍼灸を生涯の仕事にしたい方の応募をお待ちしています。

●リンク・・・スタッフ募集のお知らせ 2016 

今日の昼前の地震(M6.1)は横方向の揺れ方や震源地から、東南海地震を想像させられました。東日本大震災の数日前にも、今回のように前兆となる中規模の地震が起きています。今日の地震は必ずしも大地震の前兆とは言えませんが、イザという時の心構えは必要に感じました。千秋針灸院の本体建物と増築部分は共に耐震構造なので、倒壊などの心配はありませんが、治療中に大きな揺れが来た場合には適切な処置や誘導が大切ですね。

3.26 建物東側に第二駐車場を用意できました

千秋針灸院に車で来院される患者さんは、これまで建物の北側駐車場(患者さん用6台、スタッフ用3台)を利用していただいていましたが、新たに建物東側に隣のアパート・店舗の共通駐車場として、患者さん用に2台まで利用できるようになりました。アスファルト舗装を補修してラインも引いてあり、かなり余裕のある設計としたので、大きめの乗用車でも楽に駐車できます。遅ればせながら8台のベッド数と同数の患者さん用の駐車場を用意できたので、駐車場不足でご迷惑をかけることも解消すると思います。

3.17 ようやく統計症例報告を掲載できました

4年ぶりの統計症例報告「黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について」を、統計症例報告集に掲載しました。黄斑変性の統計は前回から7年が経過し、そろそろ取り組まないといけないと思っていたところに、「眼科と東洋医学」研究会の竹田眞先生から一般口演としてお誘いいただき、眼科専門医の先生方の前で報告しながらの統計症例報告となりました。一般口演では限られた時間で必要最小限の内容を控えめに説明させていただきましたが、ホームページでは分かりやすく解説を加えながら、完全版として皆様にお伝えしていくことにしました。報告後に急いで作成しましたので、見直しながら若干調整が必要になる部分が出てくるかもしれませんが、興味のある方は見てみて下さい。

●リンク・・・「黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について」

3.12-13 「眼科と東洋医学」研究会で一般口演を行いました

12日(土)は翌日に備えて休診とさせていただき、ご迷惑をおかけしました。発表前日から東京入りしたのですが、新幹線に飛来物が飛んできたため1時間以上遅れてしまい、浅草に到着した頃には日が暮れていました。おかげで直ぐに浅草の夜景を楽しむことができましたが、名古屋の大須観音と周辺の商店街が大きくなった感じですね。なかなか風情のある街でした。

13日(日)は発表当日。私の報告は一般口演の中で最後の演題でしたので、先に報告される先生方の報告を聴きながら、場の雰囲気を探ることができました。さすがに眼科専門医の先生方の報告は勉強させていただくことが多く、日頃考えていたことが確信に変わったり、新たな発見もありましたので、今後の診療やホームページの内容にも反映していきます。

今回の報告は僅か7分間にまとめる必要があり、十分な説明とは言えませんでしたが、的確な質問があったり、発表後には一部の先生から「分かりやすく良かった」と話していただけました。鍼灸師に対してではなく、初めて眼科専門医の先生方の前で報告するということで、かなり慎重に準備していきましたが、同じ東洋医学に関心のある先生方なので、立場は違っても「全身から眼科領域を診る」という視点は変わらないことに気づき、安心できました。今後も機会をいただけるのであれば、様々な眼科領域の鍼治療を説明させていただけたらと思います。

私の報告は統計症例報告ということで、じっくり見ていただくと驚くべき内容ですので、初めて鍼治療に触れる眼科医の先生方には、後に様々な問題を残す可能性がありました。幸い私の後に明治国際医療大学の鶴先生が1時間に渡って、「眼科疾患の鍼灸治療の可能性」として、鍼灸の研究成果や作用機序を丁寧に説明していただき、大変助かりました。もし鶴先生の特別講演が無かったら、私の発表も鍼灸師の突拍子も無い報告として、反発を受けたかもしれません。当日参加し応援していただいたスタッフや、提携治療院の先生方も駆けつけていただき、発表に心強く臨むことができ大変感謝しています。

帰りは伊藤健吾先生と浅草の賑わいを観ながら帰路へ。昨年後半からずっと準備を続けていましたので、ようやく肩の荷が下りた思いです。今回で「眼科と東洋医学」研究会の雰囲気は少し分かりましたので、次の機会があればもう少し肩の力を抜いて参加できそうです。ホームページを通して一般の皆様に説明し、日々の診療で患者さんに可能な限りの結果を出していくことに加え、眼科医療の中心となる専門医の先生方に、機会がある毎に直接説明させていただくことが、鍼治療が眼科医療の選択枝の一つとなる王道であり早道でもあると思いました。次がいつになるかは分かりませんが、楽しみにしていて下さい。

2.27 視力と変視(歪みなど)の変化は、眼(網膜)の状態に関係しています

千秋針灸院では眼科領域の測定として、病気により視力や変視(歪んで見えるなど)の量や大きさを測定しながら針治療を進めていきます。変視(歪み)を伴う疾患としては加齢黄斑変性をはじめ、若年者の脈絡膜新生血管、糖尿病網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、網膜静脈(中心or分枝共)閉塞症が代表的です。視力はランドルト環がランダムに表示される液晶視力表を、変視(歪みなど)は鈴木式アイチェックチャートとM-chartsを使用して、誰にでも理解できるよう図と数字で記録していきます。

針治療を始めるにあたり、特に比較的軽症な患者さんでは、まず視力が向上することが多くなります。最も極端な変化では、1回の治療のみで0.2から2.0へと改善した症例もあるくらいです。もちろん平均的には数ヶ月の時間をかけて、当初の2倍程(0.5から1.0など)への改善を目指します。近く「眼科と東洋医学」研究会で公式に報告する黄斑変性の統計からも、概ね半数近くは3ヶ月時点までで、治療開始当初の2倍以上の視力が達成できることが分かっています。

治療を受けられる患者さんからすると、針治療を始めると視力が上がることで初期には「スッキリした」などの感想が多く、暫くすると「見易くなってきた」と話されることが増えてきます。一方、変視(歪みなど)については、視力が改善することで反って目立つと言われる方が多いです。針治療による視力の変化は軽症の方ほど早い傾向がありますが、変視(歪みなど)は多くの場合に半年〜数年かけて改善していくため、視力だけが改善することの多い針治療開始当初は、「歪みが強くなり悪化したのでは」と思われる方が少なくありません。

私も臨床上、こうした現象を理解していますので、患者さんには視力などの変化を睨みながら「視力が改善しているため、歪みがはっきり見えるだけです。網膜の良い健康状態が続けば、徐々に歪みは減少していきます。」と説明していくのですが、針治療開始後に実際に歪み感が強くなると、視力は改善しているのにも関わらず、慌てて眼科で注射(ルセンティスやアイリーアなど) を受けに行かれる患者さんがあります。眼科も針治療のことは理解していないので、病気のある方になら取りあえず注射をしておこうという流れになります。

眼科領域を専門とするにあたり、私自身が眼科分野に限っては完全な理解を目指し、患者さんに対しては十分に説明できることを目標に取り組んでいます。患者さんの状態に対しては、眼科での検査や当院の測定結果を基に、客観的かつニュートラルな姿勢で臨みますので、必要であれば手術や眼内注射も勧めることがありますし、本当に必要な状態なのか、今一度考えていただくこともあります。私の説明が不十分なこともありますし、治療方法は患者さん自身で決めることですが、良い方向での変化や少なくとも悪化していないにも関わらず、眼科で手術や眼内注射を受けられる方がある度、その後を心配しない訳にはいきません。時々針治療に戻られる患者さんがありますが、以前より更に悪化していることが少なくないからです。

目の状態に対して説明が必要でしたら、適切な治療を選択するために私に対しても、また眼科医に対しても不明や不安な点は遠慮せずに聞いていただくことが大切です。他の分野も同じことですが、必要な説明を面倒がる治療者は医師であろうが、鍼灸師であろうが失格です。結果はやってみないと分からない部分もあるのですが、ご自身の選択を後悔しないためにも、重要な治療ほど納得のいくまで検討されることをお勧めします。

2.19 再度、午後のスタッフ(女性1名)を募集します(今回は学生の方に限ります)

先日4月から勤務していただける女性スタッフが決まったばかりですが、スタッフ全体のシフト変更の都合により、再度午後の診療を手伝っていただける女性スタッフを募集します。今回は現時点では鍼灸専門学校の学生の方(女性)に限らせていただきます。マッサージや整体などに一切頼らない純粋な鍼灸治療で開業を目指す方や、眼科領域をはじめ様々な専門分野へ特化した治療に興味がある方、本当の意味での針灸専門治療院で働いてみたい方などの応募をお待ちしています。

●リンク・・・スタッフ募集のお知らせ 2016 

2.15 4月より初診料、再診料を一部改訂させていただきます

本年4月より、これまで眼科領域(2.160円)と他の疾患(1.080円)に別れていた初診料を原則2.160円に統一とさせていただきます。ただし問診・測定などが短時間で済む場合など、状況により当院の判断で1.080円に減額させていただきます。これまで原則として病名で分けていましたが、疾患の範囲が眼科領域から全身疾患などに関わるケースもあり、明確な分類が難しくなっていたことによります。

また再診料(1.080円)について料金は変わりませんが、これまで「2年以上来院の無い場合」とさせていただいていたものを、カルテ管理の都合により「前年中に一度も来院の無い場合」に変更させていただきます。例えば2015年1月に来院されて、今回が2016年12月の場合には再診料は掛かりません。当院のカルテ管理として、年が変わると前年に来院が無い場合には、カルテの量が膨大になるため受付周りから他の場所に移動して保管しています。このサイクルに合わせた改訂です。

現在まで通院中の患者さんについては、改訂の影響は無いと思います。今回は千秋針灸院の運営上の実態に合わせた改訂になりますので、ご理解下さい。

2.6 午後診療のスタッフが、ようやく決まりました

昨年6月頃から募集を始めた午後の診療時間での新しいスタッフが決まりました。今回は実に8ヶ月もの時間が掛かりましたが、このホームページと中和医療専門学校にしか出していないので、当然の結果でしょうね。4月からスタッフとして活躍していただけることで、春以降は午後の診療にも少し余裕ができそうです。ホームページでの募集についても終了させていただきました。

1.29 スライド作成がほぼ完成しました

3月に東京で行われる「眼科と東洋医学」研究会で、私が報告する『黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について』で、使用するスライド作成がほぼ完成しました。同時に解説する下書きも作成しているのですが、限られた時間内で多くを分かりやすくお伝えすることは難しいですね。このところ菊池先生に相談しながら内容を練り込んでいます。

「眼科と東洋医学」研究会から、抄録も送られてきました。小冊子なのですが、印刷物になると立派に見えますね。今回は私の報告の他にも鍼灸の一般口演が1題、また私の報告の後には特別講演で、明治国際医療大学の鶴浩幸先生が、特別講演「眼科疾患の鍼灸治療の可能性」ということで、1時間近く話されます。

今回の「眼科と東洋医学」研究会での鍼灸治療の報告は、公に眼科専門医の先生方に鍼灸治療の実際や可能性を伝える、日本で初めての機会になると思われます。今回をきっかけとして、今後眼科医療の中で鍼灸治療が選択肢の一つと認知され、将来に渡って多くの患者さんに役立つことができるのなら、こんなに素晴らしいことはありません。私も全力で取り組み成功させるつもりです。報告後には当院ホームページでも掲載する予定ですので、楽しみにしていて下さい。

1.24 ログハウスの冬レポート

千秋針灸院のログハウス増築から、9ヵ月程が経過しています。現在の千秋針灸院の建物は、2011年に住友不動産の注文住宅仕様(W地域対応・当時の高気密高断熱仕様)として建てられたものに、2015・4より夢木香のマシンカットログハウスを増築した状態です。本体建物からログハウス棟へは、直接連絡しているのでバリアフリーで移動できます。同一建物内に最近(2011年時点)の高気密高断熱仕様の治療室と、ログハウスの治療室を持つということで、毎日仕事場として使う立場の私やスタッフは空間に大きな違いを感じるようになりました。これから家や店舗を建てる方の参考になるかもしれませんので、昨夏に続いてレポートしていきます。

・ログハウスの木の香り
引渡し時はもちろん昨夏に比較しても、レッドシダー特有の香りは薄れているように感じます。それでも私たちスタッフは慣れてしまっていることもありますが、患者さんは「木の良い香りがしますね」と話されます。最近、ログハウスの完成見学会に行く機会がありましたが、いつもの香りに慣れているのか、新築のパイン材の香りに違和感を感じて戸惑いました。パイン材も良い香りのばずなのですが、私にはレッドシダーが合っているようです。

・冬のログハウスの室温
ログハウスは窓の断熱性能こそ高いものの、壁自体の断熱性は住友不動産の建物(高性能グラスウール16K90ミリ)の約1/3。また勾配天井で天井が高いため、冬は暖まりにくいことは予想していました。暖房を入れない休日では外気温にもよりますが、本体建物に比較して約1〜2℃低い13〜14℃程度になり、思った以上に寒いという印象です。暖房は暖まるまで時間がかかる傾向ですが、念のため設置した床暖房に救われました。一般にログハウスは暖かい建物という印象がありますが、火力の強い薪ストーブを設置する場合が多いためと思われます。ログハウスの実際として、木を多く使う(一般住宅の3倍以上)事による蓄熱性能により、温まり難く冷め難いことが分かりましたので、実は不在がちな別荘等には向かないかもしれません。

・冬のログハウスの湿度
ログハウスの剥き出しの木の内壁は調湿性能が高く、湿度の高い夏は吸湿することで湿度を下げ、乾燥する冬は放湿することで湿度を上げる特性が知られています。ログハウスは暖房を入れない状態の湿度は35〜45%程度で、本体建物より平均して10%程度は高く、加湿器を使わなくても喉が痛くなるような乾燥はありません。25℃以上で加湿器無しの暖房時は湿度30%前後まで下がりますが、本体建物は同条件で加湿器を使用しても20%前後、無加湿では20%未満になります。ログハウスの冬の調湿性能は、期待どうりといって良い結果になりました。

・その他、気がついたこと
年末の大掃除の時に気がついたのですが、塗装された外壁は意外にも汚れず、多少付いた汚れも水拭きで容易に落ちるようです。また木の収縮によりログ壁が沈むセトリング量は、7月頃の7ミリから半年で合計11ミリまで大きくなりました。徐々に落ち着いていきますが、もう少し沈むように思います。その他、無垢材の建具などが収縮してトイレの鍵が掛かり難くなっていたり、造作棚と内壁の隙間が大きくなったりしています。無垢の木は動くことを実感しています。

ログハウスの夏と冬を経験して、様々なことが分かってきました。快適な住環境を考えたときに、最近の建物なら性能差はともかく高気密高断熱の設計により、昔の家に比較して暑さ寒さはかなり改善されていると思います。その上で私は今後の建築の課題は室温だけではなく、調湿も重要になると考えています。現在のところ高気密高断熱の建物での調湿は、一般に除湿機や加湿器の機械に頼るしかなく、費用や手間もかかります。

ログハウスはやや低い断熱性や気密性、外壁塗装やセトリングを含めた設計上の課題など弱点も多いのですが、木材の使用量が多く自然の調湿力が発揮されやすい特徴を生かすことで、これまで以上に快適で優れた可能性を持つ建物になると思います。個人的には住まいや職場がよく考えられたログハウスで建てられていたら、最高の環境です。

1.7 今年の診療が始まりました。

5日の仕事始めに、いきなりBGMを流していたCDコンポが故障して院内が無音状態になりました。6年間以上毎日酷使していましたからね、ご苦労様です。ということで、今回は初めて壊れやすい稼動部のあるCDではなく、タブレットに外付けスピーカーを繋ぐ形で構成してみました。長く使えると良いのですが、操作に慣れるまで時間が掛かりそうです。

1.4 あけまして、おめでとうございます

本年もよろしくお願いいたします。今年は日程の都合上、早くも明日から仕事始めです。今日まで嫁さんの実家のある兵庫県高砂市でのんびりと過ごさせていただきました。今年は改装された姫路城に連れて行っていただきました。徳川御三家の象徴である名古屋城とは違い、戦うための要塞という感じが良く出ていて雰囲気のあるお城でした。

昨年の正月は雪で名神高速が通行止めになり行けませんでしたが、今年は関が原付近に雪一つ無い状態。近所では菜の花の黄色い色が目立ってきています。こんなに暖かくて大丈夫なのでしょうか。


トップに戻る

   本ページの内容は現代の眼科医学及び中医学、抗加齢医学、千秋針灸院の治療実績に基づいて書いたものです。
 内容や画像は千秋針灸院の著作物です。無断での転用や複製はお断りします。