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針灸院日記 2010

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12.31 今年もありがとうございました。

   29日はスタッフ全員で最後になるかもしれない大掃除。道大も狭い所に入り込んで大奮闘してくれました。昨日・今日は銀行回りや買い物、
   家の掃除や年賀状作りに明け暮れました。今年は緑内障の鍼治療の統計症例報告を作ったり、眼科鍼灸ネットワークがより充実したりも
   あったのですが、私としては千秋針灸院の隣地を購入できたことは、年初には想定できなかった事項でした。来年中には新しい千秋針灸院を
   完成させ、これまで以上に多くの患者さんを診せていただくことができ、建物にも眼科領域へ特化した内容を盛り込む予定でいます。

   今年最後の話として、中国の針灸が世界遺産に登録されました。様々な意見がありますが、どうやら中国では針灸が伝統医学として保護が
   必要になる状況が生まれてきているようです。それは強刺激・深刺による眩暈や気胸等の事故、鍼自体の品質が低いために起こる折針
   事故、衛生管理の問題により起こる感染等の多発により、中国国民の意識が向上するに伴い針灸治療が敬遠され、衰退傾向にあることが
   背景にあります。一方で世界的には針灸の効果やメカニズムは少しずつですが解明が進んでおり、現代医学の中でどのように役立てることが
   できるかが、真剣に検討されるようになりました。

   日本においては『中医臨床』編集長の井ノ上様からもメールで指摘いただきましたが、これまで私のように中国へ留学し中医学の鍼灸・漢方を
   持ち帰った先生は既にかなりの人数になります。そうした先生方がどのように中医学を生かし、発展させていくのかは、私も非常に興味深い
   ところです。日本の鍼灸は先に挙げた中国における問題点、副作用や事故、感染等については、遥かに安心できる状況ではあるものの、
   医療制度や教育としても鍼灸師の立場は著しく低く、一般の鍼灸治療院では治療効果の医学的な検証さえ難しいため、発展が阻害されて
   しまっています。私の手法は眼科領域に専門化して知識・臨床を集積させ、少しでも眼科専門医レベルへ近づく専門的な鍼灸治療を目指した
   内容ですが、それぞれの先生が適性を生かして病気で苦しむ患者さんのために鍼灸を役立て、発展させていけたらと心から思います。
 
   皆様にとって来年が良い年でありますように。

12.28 今年の診療が終了しました。

   今日で年内の診療は全て終了しました。最後の二日間は連日30名を越える患者さんが来院され、力尽きたのかコタツで眠ってしまいました。
   振り返ってみると、今年来院された患者さんは特殊な状況の方が少なくなく、難易度が高い印象があります。千秋針灸院が眼科領域を専門と
   してから丸4年が経過し、インターネット上での知名度が高くなったり、医療機関からの紹介も増える傾向にあるためと思われます。複雑な
   状況にある患者さんを診せていただく度に、より一層の眼科専門領域の知識や、状況に合わせた適切な治療法の選択の必要性を痛感させ
   られています。治療家であり続ける限り、勉強が大切ですね。

12.24 中医臨床に掲載していただきました。

   東洋学術出版社の中医学季刊誌『中医臨床』2010年12月号に、鍼灸院見学リポートとして千秋針灸院を掲載していただきました。神奈川で
   提携治療院としてお願いしている秋英堂治療院の金本先生が投稿されたもので、鍼灸の新たな専門領域を目指して眼科分野に取り組む
   当院と、全国で確かな治療を行える提携治療院のネットワーク作りを紹介いただいたものです。金本先生は当院を何度か見学されていま
   したが、少ない機会にも関わらず、私が日頃考えていることを金本先生にお話していた内容が、見事にまとめられており驚嘆しました。
   金本先生、『中医臨床』編集長・井ノ上様、ありがとうございました。      

12.16 建築現場を見学させていただきました。

   今日は、一条工務店さんの建築現場を見学させていただきました。市内の様々な家の実例の現場を紹介していただき、「本当に家作りは、
   よく考えないといけない」と思いました。僅か数年で痛んでしまう家も少なくないようです。簡単には作り直せないものだけに、建てていただく
   業者選びや基本的な構造、長期的に見た場合の使い勝手やメンテナンスなど、デザインだけではない大切なことを勉強させていただき、
   ありがとうございました。二ヶ月余りの間で多くのハウスメーカー回りを通して、ようやく自分の求めていた治療院の姿が、構造、間取り、内装、
   デザイン等が具体的に見えはじめています。様々な問題も残ってはいますが、新しい治療院作りは一歩前進しました。 

12.13 お待ちいただく期間が解消しました。

   今年は4月半ば頃から、当院での継続した治療を希望される新規の患者さんに、数週〜数ヶ月お待ちいただく状況が常態化していましたが、
   ようやく解消してきました。多くの患者さんにお待ちいただき、ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。私としても一人ひとりの患者さんに
   丁寧に治療し最良の結果を出していきたいため、一日に診療させていただく人数を制限させていただきました。来年も暫くの間は、ご迷惑を
   おかけするかもしれませんが、新しい千秋針灸院の完成後には、治療が必要な患者さんをお待たせすることはなくなるものと思います。ただ
   引き続き時間帯や日によっては、予約が非常に込み合う状況が続いていますので、予約が取り難い場合がありますことは、ご理解下さい。

12.1 緑内障の鍼治療 ( 第2部 鍼治療による視力、視野(感度)の変化 )を報告しました。

   ようやく第2部が完成して、今年予定していた緑内障の統計症例報告が完了しました。作成途中の時期に針灸院建築の話が出てきたりして
   忙しくなり、本当はもう少し内容を練り込む必要があったという思いもあります。ただ緑内障という病気は数ある眼科疾患の中でも、とりわけ
   多くの研究が行われている分野で奥が深く、今年一年の時間をかけて初めて緑内障の報告を作る私の力量では、まだ完全には理解できて
   いないというのが正直な感想です。昨年の若年性黄斑変性の報告(黄斑変性としては2回目)のように、次の機会には更に症例数や内容を
   レベルアップして、皆様に役立てていただける統計症例報告を目指していきたいと思います。ご協力いただいた患者の皆様、提携治療院の
   先生方、スタッフや家族に感謝いたします。

   今回の報告を作成していて分かった眼科領域への鍼治療の最大の特徴として、眼科領域の様々な疾患や症状に効果的ですが、特に視界
   中心の見え方(視力や感度)に対して最も効果的なことです。視力の向上や視野中心部付近の変視(歪みや暗点)の改善、網膜黄斑部での
   OCT(光干渉断層計)でも確認できる病変部の変化や浮腫の消退は、鍼治療が実際の見え方に最も影響を与える視野中心部への効果が
   高いことを示しています。このことは視覚に障害のある患者さんの日常生活にとって、最も重要な改善が得られる可能性を意味しています。
   眼科領域への鍼治療の効果は、まだよく分からないことも多いのですが、様々な統計症例報告を作成していく中で明らかにしたいものです。

   今年の課題は終わりましたが、これからは次のテーマが待っています。少し前に決まったことですが、来年3月に東京で公開講座を行うことに
   なりました。漢方研究の三旗塾(塾長・金子朝彦先生)で毎年行われている中医オープン講座で、テーマは「眼科領域に専門化した針治療に
   何ができるのか」という、妙に挑発的な・・・。「眼科針灸を中医学の学問として説明するのは私には力不足で、私が取り組んでいる実際の
   内容程度しか話せません。」と言ったら、そのままテーマに決まってしまいました。(苦笑)

   詳しくは、漢方研究の三旗塾 http://ainetjp.com/sankijuku/  2011年3月20日(日) 目黒さつき会館 人前で話すのは苦手です・・・。

   内容はこれから考えていきますが、千秋針灸院での眼科領域の取り組みの紹介、専門分野に取り組む意義や患者さんのニーズの多さ、
   専門性を発揮するため必要なこと等、これからの鍼灸師に必要な一つの方向性でもある「専門分野に特化した針治療」で、患者さんの役に
   立つ治療を実現するために、私の話がいくらかでも役に立てられるのであれば幸いです。実技はどうしようかな・・・これから考えます。

   来年は春に公開講座、その後に針灸院建設が進む可能性があるため多忙と思います。統計症例報告は来年は一旦休止する予定ですが、
   再来年には多数の症例を基に、二回目の網膜色素変性症の報告を目標にしています。   

11.25 新しい千秋針灸院 テーマその2

   もうひとつのテーマである「視覚障害の方に配慮された内容」は、点字ブロックの配置や患者さんの目線で分かりやすい印や色使い、また
   現在も実現していますが、紫外線吸収機能を持つ照明や採光等です。どこまでできるかは分かりませんが、患者さんからも意見をいただき、
   実現可能な内容は盛り込みたいと思っています。身体障害の方への配慮は普通になりましたが、視覚障害の方へ配慮されたデザインは、
   まだ少ないのではないでしょうか。完成するまでに少しづつ勉強していきたいと思います。

   その他、現在の課題として駐車場が足りない(店舗の共同駐車場で最大4台)ため、当院占有で6台分以上を確保。また年間の半分以上を
   患者さんに待っていただいているベッド数(現在3床)が足りない状況を、最大6床に増やして受け入れ可能な患者さんを増やすことも課題
   です。またスタッフが増えたり、カルテや資材が増えたりすることも考え、休憩室や収納の容量も準備していきたいところです。

   あと今日は、一条工務店さんが地盤調査の結果を持ってきてくれました。ベタ基礎+ソイルセメント(コンクリートによる改良工事)が適切と
   いうことで、通常の基礎(布基礎、ベタ基礎)に比較して50万円程度の費用が必要らしいです。建物の保障条件に関わる内容ですし、
   にわか勉強ですが、「基礎と構造の両方で建物は決まる」ので、しっかりと行う必要があります。想定内ですが予算を圧迫しそう・・・。

   それから免震(地震対策)装置についても適合地であることを教えていただきました。この周辺では適合地は少ないそうですが、免震装置を
   導入すると、震度6強から7程度の大地震でも「ワイングラスに入れたワインがこぼれない」そうで、この話が本当であれば普通に立っている
   ことができる程に地震の揺れを吸収できることになります。患者さんやスタッフ、家族の安全を考えると入れたくなりますが、300万円弱・・・。
   そもそも一条工務店さんも含めた大手メーカーの住宅は、最近の建築であれば地震で倒壊した建物は無いそうなので・・・と言ってみる。
   予算に余裕があれば導入したい装置ですね。

   唐突に新しい千秋針灸院の話を書き始めましたが、開業当初の「針灸院ができるまで」のように、進行を日記として記していくつもりです。
   書ける話と書けない話が出てくるとは思いますが、自分で後から読み返すと「今」を思い出せる内容にしたいです。
   

11.23 新しい千秋針灸院 テーマその1

   これまであまり書いてきませんでしたが、先月の後半から新しい千秋針灸院を建てるために、住宅展示場などからハウスメーカー回りを
   始めています。新しい千秋針灸院のテーマは、外装は「周囲の建物に対して上品に目立つこと」、内装では「来ていただく患者さんに快適な
   空間であること」、また眼科領域が専門ですので「視覚障害の方に配慮された内容」を盛り込みたいと思っています。

   外装については和風でも洋風でも良いのですが、はっきりとした存在感があり、時間が経過しても古さを感じさせない伝統的な建物で、和風
   洋風ともに各国の特徴ある民家のデザインを考えています。現在の千秋針灸院は県道に面していながら、どこにあるのか迷う患者さんも
   あるため、一目で分かる特徴のある建物がテーマです。「一度行ってみよう」と思っていただける印象的な建物になると良いですね。

   内装では一般に事業用の建物はコストを重視するため快適性は二の次になっており、例えば現在の千秋針灸院はコンクリートの土台に
   いきなりクッションフロアーが貼り付けてあり、冬は結構冷えてしまいます。しかし住宅では必要な断熱性や気密性が確保される作りのため、
   比較的新しい家では少しの暖房や冷房で快適に暮らすことができます。千秋針灸院は患者さんにとって、1回1時間以上の時間を過ごす空間
   ですので、できる限り住宅に近い水準の快適な空間が目標です。お灸の煙対策や視力測定が5m(現在は3m)で行えることも課題です。

   続きは次回に。 

11.18 スウェーデン式サウンディング試験

   という聞き慣れない名前で、ピンッ!!と来る方は、建築・土木関連に詳しい人と思います。私も初めて耳にしました。地盤の強さを測る調査で、
   建物を建てる際に土の中に小型のボーリングのようなドリルを入れていき、その時の抵抗力や音、進入速度等から地盤の深さ毎の状態を
   ある程度知ることができるようです。建物を建てる土台の基礎は、一般にこの方法で得られたデータから、最適な方法を決めていくそうです。
   今日来ていただいた一条工務店さんは、自社による無料の地盤調査を行っていて、治療院を建てる際にお願いする可能性のあるメーカー
   です。

   私も立会ったのですが、基礎を打つ可能性のある4箇所を各20分位ずつかけて調べていきました。地上から2.5m程でやや固い地層に当り、
   4m程で大昔に木曽川が運んで来た砂礫層が出てきました。畑でしたので表面は軟らかいものの、地盤は恵まれている方という話です。
   大規模な地盤改良が必要な場合は基礎を打つ面積にもよりますが、200万円以上の費用がかかることもあるそうです。事前に分かるのは
   とてもありがたいです。

11.14 第2部の報告をゆっくりと作成中です。

   緑内障の統計症例報告の第2部の作成が少しづつ進んでいます。秋は祝日がやや多いため予約が混雑気味になっており、仕事が終わると
   帰って寝るだけの日が多く、メールを読むことやホームページの作成も遅れがちになっています。統計症例報告も何とか早く完成させたいの
   ですが、11月中には間に合わないかもしれません。報告をアップするのは遅れますが、内容は緑内障の患者さんだけでなく、多くの眼科疾患
   に関わる重要な内容が様々な症例を通して見えてきていますので、報告できる日を楽しみに少しずつ作成しています。 

11.7 イトウメディカルの売り出しに行きました。

   恒例となっている半年に一度のイトウメディカルさんの売り出しに行ってきました。千秋針灸院では半年分の鍼や灸といった治療用の資材の
   全部を売り出し時に買い込むことで、普段は資材の補充を必要としません。ですので売り出し時には、結構大量に買い込むことになります。
   今回も半年間で必要になる鍼や灸の消耗品を中心に買い込んできました。また直ぐに必要ではないのですが、近い将来のベッドの増床を
   見込んだ機材も安くなっていたものは購入してきました。

   イトウメディカルさんの売り出しは、とにかく全てが凄く安いのが特徴で、まず他所では見たことの無い価格です。このため売り出し当日は、
   とにかく必要なものを黙って(粘って値切ったりせず)買っていくのが「暗黙のルール」なのですが、今回は中国人らしき方が買出しに来て、
   レジで粘っており、他のお客さんやお店の方もかなりゲンナリとしていました。元々他所では出ない価格ですし、こういう手合いにいちいち
   応じてしまうと、お店の方でも値切られることを見越した価格を付けなくてはなりません。買い物で一々値切っていく行為は中国では普通の
   商習慣ですが、ここではお店も客も皆が不利益を被ることになりますので、止めてほしいです。

   少し様子を見ていましたが、さすがに社長は慣れたもので、「ウチより安い店で購入して下さい」と上手く対応していました。中国では条件に
   合わない売買は「背を向ける」のが売主、買主ともに基本で、はっきりしない態度は付け込まれて次の譲歩を迫られることになります。何か
   尖閣諸島を巡る日中の外交姿勢の縮図を見たような気がしました。

10.31 事業用地の購入が完了しました。

   6月頃から進めていた事業用地の購入がようやく完了しました。農地転用の許可とか、測量や境界の確定など4ヶ月以上もかかってようやく
   完了です。役所の許可や確認なども結構時間がかかるものですね。80坪弱の土地ですが、将来的には建物と駐車場ができる予定です。
   今回の購入(全て込みで約1.250万円)により手元の資金をかなり減らしてしまいましたので、しばらくは貯金に励まないといけません。
   ようやく土地は購入できたものの、いつから次の動きができるでしょうか。

10.21 緑内障への鍼治療  (第1部 当院の緑内障への取り組みと、鍼治療による眼圧の変化)を報告しました。今年は2部構成です。

   今年のテーマとした緑内障の統計症例は、ようやく第一部が完成しました。当院の患者さん方やスタッフにも意見をいただき、専門的であり
   ながら、治療を探されている患者さんにとって分かりやすい内容を目指しました。緑内障の患者さんは基本的に眼圧を下げる必要がある
   ため、点眼薬を使用していることが多く、今回の報告は点眼薬+鍼治療の効果を眼圧の側面から統計化した内容になります。

   従来の眼科での薬物治療に加えて鍼治療を行うことで、概ね半数の症例で3mmHg以上の眼圧降下が得られ、眼圧コントロールが不十分な
   症例の多くは、適切な眼圧に抑えられやすくなります。このことは必要以上の手術を回避できることにもつながり、患者さんにとって緑内障
   治療の選択肢が広がります。更に第2部では千秋針灸院で測定した視力や視野の変化、また他の眼科領域の疾患も含めて、私自身が
   今回の報告を通して見つけた、特徴的な鍼治療が眼に及ぼす効果についても書いていきたいと思います。第2部も年内に報告予定です。

10.20 ソフトバンク終戦

   プロ野球パ・リーグのクライマックスシリーズは、全試合本拠地かつアドバンテージ1勝があったにも関わらず、ソフトバンクホークスは敗退
   してしまいました。もともと今年のパ・リーグは混戦で、力強く勝ち上がっての優勝ではありませんし、今回のような有利な条件で勝てないと
   なると、残念ながらパ・リーグ代表としては、やはり資格が無いという他ありません。選手は頑張ったとは思いますが、力は足りなかったと
   思います。以前の制度と違い、優勝できただけでも良かったという気持ちもあるのですが、ガックリ来て症例報告が進みません。地元の
   中日との試合が見たかったです。

10.10 追い込み中

   先日出てきた緑内障の統計から、報告を作成する追い込みに入っています。沢山のデータから、見ていただく患者さんや先生方が何を求め
   られているか、どうしたら分かりやすか、現代の眼科医学から見て妥当な内容かなど、何冊もの専門書を手元に置き、何度も調べながら
   進めています。丁度、嫁さんと子どもは実家の秋祭りで帰っていますので、ここが頑張りどころです。来年はいろいろ(まだ書きませんが
   大きな出来事が・・・)ありそうなので、何とか年内に全て完成させて、次のステップへと進めたいと焦っています。      

10.4 統計症例報告の進歩状況

   今年は以前から書いてきたとおり、緑内障の統計症例報告を完成させる予定ですが、ようやくデータの集計が完了しました。緑内障で来院
   されている60名以上の患者さんからデータを集計させていただき、視野、視力、眼圧といった緑内障の課題に対し、針治療がどのように
   役立てられるのかを統計から導き出す報告になります。緑内障に対しての鍼灸治療の報告は、これまでもありましたが、緑内障の課題を
   幅広くサポートした統計症例報告は、日本では初めてになると思います。「緑内障への針治療に何ができるのか」を、患者さんから鍼灸師、
   専門医の先生方まで、見ていただけたらと思います。年内には当院ホームページ上で報告できる予定で、鋭意製作中です。

   データを集計していて気がついたですが、医療系の資格は基本的に理系ですが、なぜか鍼灸師という職種は理系と文系の中間の資格で、
   鍼灸専門学校の入試も、国語・社会・生物あたりだったのを覚えています。英語・数学・物理・化学といった医療系資格に必須の科目は、
   それほど重視されておらず、こうしたことが鍼灸治療の統計化が遅れてしまっている原因かもしれません。医師を中心とした現代医学から
   鍼灸治療が異端として見られてしまうのは、こんなところにも原因があるのかもしれませんね。私は東洋医学にも通じる文系的な価値観も
   「人」を対象とする医学には大切な一面があると思っています。

   統計症例報告を読んでいただいた先生からは、「データの集計や統計化がよくできるものですね」と言われますが、私にとってはこうした
   集計や統計化は、患者さんに効果のある針治療を行うために欠かせない内容です。私は高校二年の終わり頃まで理学部や生物学部を
   目指した理系の方向から、訳あって社会福祉学部へ進んだ経歴ですので、鍼灸師としては私も異端かもしれません。出てきたデータを
   眺めていると、実に色々なことが分かってきますし、また一見もっともらしい話(医学も含めて)が、実はあまり根拠の無い内容であることも
   見抜くことができます。今回の報告も緑内障の常識を変えていく「きっかけ」になるかもしれない内容ですので、楽しみにしていて下さい。

   つい先ほど160.000アクセスに到達しました。いつも見ていただき、ありがとうございます。

9.28 ビクトリーフラッグ

   夕方からの診療の終わりがけに、思わぬ荷物がとどきました。福岡の箱嶌先生から送っていただけたのは、福岡ソフトバンクホークスの
   ビクトリーフラッグでした。昨日のヤフードームでのパブリックビューイングで観戦されて、その際にいただいたものだそうです。30年来の
   ホークスファンである私にとっては、とても嬉しい贈り物でした。早速翌日にお礼の電話を入れさせていただきました。

9.26 中国と日本に思うこと

   現在、尖閣諸島で起こった出来事から日本は揺れています。私は上海に2年ほど住んでいたこともあり、また針灸は中国から始まった
   医療ですので、いろいろと思うところがあります。今回の経緯は中国に住んだ経験があり、中国を理解できる方なら、恐らくは予想できた
   範囲であり、日本の外交や対応のチグハグさには、なんとも情けなさを感じたのではないでしょうか。外交は互いの立場を理解、尊重しな
   がらも、時には敢えて強く主張したり、逆に言わずに実行することで、互いの利益に繋がるような方向へ舵を切るもので、ただ外交上で
   一方的に勝てば良いという単純なものでもなく、また外交は将来も続いていく実際を考える必要もあります。繰り返しマスコミから流される
   報道は、一方的に中国嫌いの人を増やすだけで、問題の解決にはなりません。

   中国と日本は古くから様々な歴史の中で交流が繰り返され、相互に発達を促しあってきました。地理的にも近い両国は、これからも密接な
   交流が続いていきますし、続けざるおえない状況は変わらないと思います。中国という「巨大な隣人」に対して、変わらなくてはならないのは
   すっかり弱ってしまった日本であり、一部の国に食料や資源を依存しすぎず、技術を守り世界から企業を誘致し、国内外に対し足腰の強い
   日本を作ることが大切ではないでしょうか。今回の出来事が単なる批判や中傷に終わらず、長期的な日本の再構築に繋がる議論へと
   発展していくことを期待しています。

   関係ありませんが、ソフトバンクホークスはM1。7年ぶりの優勝に期待しています。実は外交の話よりも、こちらの方がドキドキです。 

9.19 サツマ芋掘りと日本福祉大学

   連休で天候も良かったので、家族で知多半島に遊びに出かけました。道大(息子)が「芋掘りをしたい」と前から話していたからです。
   まだサツマ芋は早いのですが、美浜町にある「ジョイフルファーム鵜の池」という施設で、予約なしで芋掘りが体験できるということで
   行ってみました。時期が早く、それ程大量と言うほどではありませんでしたが、芋の品質は良く、サツマ芋掘りを楽しむことができました。
   道大は土の中から出てくるサツマ芋に大喜びで、来年の年賀状に使えそうな写真が撮れました。

   近くにある日本福祉大学は、私と嫁さんの共通の母校です。学内に入ることはしませんでしたが、周囲の町並みや、かつての下宿先を
   見てきました。20年以上が経ち大きく変わったところ、そして変わらないところがありますね。昔あまり美味しくなかった「灯台ラーメン」で
   昼食を食べましたが、現在は普通に美味しいラーメン店になっていました。美浜町に行くと「確かにここに居た」という感覚が戻ってきます。
   よく大学時代はもっと有効に過ごせば良かったと思うのですが、現在に繋がる充実した時間だったのだと思います。

9.17 甲状腺眼症のページを10年ぶりに更新しました。

   甲状腺機能亢進症・甲状腺眼症のページですが、気がつけば10年以上も更新していませんでした。患者さんも少なくありませんし、一度
   まとめて書き直さなくてはと思っていたところでした。まだ必要なことを全部書くことができたわけではありませんが、取りあえず更新する
   ことにしました。以前はバセドウ病の治療を、病院での投薬治療と平行して針治療を行っていましたが、現在は主に甲状腺眼症を中心に
   治療を行う機会が増えています。非炎症期(投薬完了後)の眼球突出や眼球運動障害を除き、針治療の効果は比較的良好な疾患です。
   以前から更新したかったのですが、やっと更新することができました。

   甲状腺眼症のページ
   

9.12 WindowsXPがまもなく出荷完了

   既にWindows7やvistaのパソコンを使っている方は関係ありませんが、10月22日までで、WindowsXPをプリインストールしたパソコンの
   出荷が終了することが、各メーカーからアナウンスされています。既に店頭には無く、メーカーの法人向け直販で細々と売られているだけ
   ですが、10月22日以降は購入することができなくなります。私は以前からWindows2000を中心に使ってきて、ここ数年でXPにようやく
   慣れたところですので、とても残念に思います。

   Windows2000は今年の7月で修正ファイル等のサポートが既に終了しており、WindowsXPのサポート期間は2014年4月までと、少し時間は
   ありますが、そろそろWindows7に移行しなくてはならない時期が来ているようですね。WindowsXP(Windows7ダウングレード)のパソコンは
   概ね9月中旬〜下旬には注文を締め切るようです。どうしても必要な方はお早めに・・・ということで、私も一台注文してしまいました。
   少し古いソフトや業務用ソフトの一部には、WindowsXPでしか動作しないものもありますので、確認しておいた方が良いかもしれません。

9.5 一宮市健康祭り

   今日は猛暑の中、一宮市健康祭りのボランティアに参加しました。最高気温35℃以上の猛暑日とあって、例年に比べて参加された方は
   少ない状況でしたので、休憩時間を使って医師会のブースへ出かけました。私の目当ては、もちろん眼科ブースで行われる眼底写真。

   散瞳せずに撮影できる眼底写真を撮ってもらえ、実際の写真から眼科専門医の先生に説明していただける機会は、私にとってはとても
   貴重です。今日は眼科ブースも人がまばらでしたので、色々と聞くことができました。特に「眼底写真の何処を診るべきか」という点では、
   基本でありながら眼科の専門書にも書かれていない内容を教えていただき、大変勉強になりました。

   私は眼科領域の治療を専門としていますので、「どうやって専門分野を深めていくのか」と聞かれることも多いのですが、いつも興味を
   持ち続けて、今日のような機会を逃さないことや、もちろん眼科の専門書を読み込むこと、患者さんの話をよく聞くこと、針治療の結果を
   眼科医学の視点で検証することに尽きます。これを何年も重ねていたら、いつの間にか専門分野として確立していたということです。
   とはいえ、学べば学ぶほど新しい疑問が増えてきますので、当分終わりはなさそうです。

8.27 日本皮膚科学会の報告について

   8月21付けの朝日新聞で、「円形脱毛症、ステロイド注射は推奨 学会が治療法評価」 という記事が出ていました。
   http://www.asahi.com/health/news/TKY201008200500.html

   この記事は日本皮膚科学会の報告を受けたもので、鍼灸治療について「行うべきではない」という結論を出しています。
   早速、日本皮膚科学会のページ http://www.dermatol.or.jp/medical/guideline/pdf/120091841j.pdf から内容を読んでみました。
   内容は、全日本鍼灸学会などで報告された5編の内容を検討して、医学的な評価を行う水準に達していないため、推奨できないという
   ことでした。

   確かに日本皮膚科学会の主張しているように、5編中4編は一例報告に過ぎず、数十例を扱った1編も治療回数や間隔、脱毛範囲等の
   記載が不明で、有益性を論じる段階ではないという話は、当然かもしれません。残念ながら通常の鍼灸治療院で行われている円形
   脱毛症への治療は症例数も少なく、医学的な検証もあまりされてはいません。治療回数や間隔、脱毛範囲等の記載がないことは、
   鍼灸学会での報告として、必要な内容が不足しています。

   しかしながら今回のように否定的に鍼灸治療を取り上げるのであれば、少なくとも日本皮膚科学会自身が鍼灸治療の検証を行い、
   その上で結果を公表すべきものと思います。日本では医師が医学的な検査や検証方法の多くを独占しており、医師以外では医学的な
   検証は大きく制限されてしまいます。例えば眼科領域を専門とする当院のように、皮膚科領域の鍼灸治療だけを本当に専門としている
   治療院があれば、多くの症例や記録から検証できるのかもしれませんが、皮膚科専門の鍼灸院の存在を私は聞いたことがありません。
   こうした事情から限られた疾患への有益性を鍼灸師が証明することは、かなりの困難を伴います。

   最近のホメオパシーに関する医学会の動きもそうですが、「日本の医師に理解し難い内容は排除すべき」という風潮が強まっている
   ように感じます。確かに医学的な観点からは不明な内容の療法も少なくはありませんが、そうした部分を全て排除してしまうことは、
   医学の可能性を閉ざすことに繋がります。少なくとも、ある種の療法を肯定もしくは否定する場合には、きちんと検証を行っていかなく
   ては、それこそ非科学的と言わざるを得ません。今回のような報告が、患者さんの回復へ道筋を阻害してしまう可能性すらあります。

   また、私たち鍼灸師にできる検査や検証は限られたものですが、できる限りの努力をしていかないと、例えば整形外科分野でも同じ
   ような報告が権威のある団体から出てくる可能性があります。多くの症例を基に医学的な測定や検証を加え、鍼灸の効果を広く伝える
   努力は、今後益々重要になると思います。私も眼科領域の針治療の専門家として医学的な検証を続け、患者さんの回復への希望の
   光を消してしまわないようにと、強く思います。

   緑内障のページを更新しました。

8.24 メールソフトの不調

   メールソフトの不調で、23日深夜から24日午前までに受信した内容が確認できないまま、消失してしまいました。サンダーバードという
   メールソフトなのですが、自動アップデートをする際にトラブルが起きたようで、過去のメールを含めて見ることができなくなりました。
   これまでも何度かアウトルックエクスプレス等で同様のトラブルがあり、重要なメールも含めて、かなりの内容を消失してしまいました。

   今度はバックアップや迷惑メールフィルターが容易という、ジャストシステムのシュリケンというソフトを使ってみたいと思います。バック
   アップを頻繁に取ることで、重要なメールの損失が防げるといいのですが、本当にPCはトラブルが付きものですね。患者さんや提携
   治療院の先生方にはご迷惑をおかけしますが、数日間メールの送受信ができなくなりますことをお詫びいたします。

8.15 明日から再開です。

   今回は4連休をいただき、リフレッシュできました。私の疲れには二種類あるようで、一つは毎日の仕事による疲れで、これはある程度の
   睡眠を取れば解消します。しかしもう一つの疲れは、毎日の睡眠や日・木の休診日を挟んでも、少しづつ溜まってしまう疲れで、体の芯
   から辛くなってくる疲労です。これは2連休以上で解消します。科学的ではありませんが、こんな感覚を持つのは私だけでしょうか。

   毎年この夏休みから、年1回まとめている統計症例報告の基礎データの収集を始めています。今年は緑内障なので、緑内障のタイプや
   眼圧、視力、視野等のデータ集計を試みています。どんな切り口から報告をまとめるか、緑内障の患者さんが求めている内容か、眼科
   学の立場から見た妥当性はどうか等、様々な検討を必要とします。緑内障の統計症例報告は私としては初めての試みですので、
   昨年の若年性黄斑変性のような報告の規模にはなりませんが、将来の報告に繋がる内容にしていきたいと思っています。年内に報告
   予定で、「緑内障への針治療に何ができるのか」を探っていく内容ですので、ご期待下さい。

8.8 暑い日が続きますね。 残暑お見舞い申し上げます。

   最近の千秋針灸院内では暑さの話題が多くなるのですが、皆さんのお宅のエアコンの温度設定の低さに驚いた話です。最初に驚いた
   のは、寝ている間エアコンをつけたままの方で、23℃という設定です。扇風機で空気を攪拌されるのですが、どうしても部屋の一部に
   気流が集中するため、冷たい風が当たり続けて寝違えを起こしていました。「いくらなんでも低すぎです。」とお話したら、25℃にされた
   そうです。

   エアコンの設定が23℃で夜中連続で驚いていたら、19℃という患者さんが現れて更にびっくりしました。実際にはエアコンの設定温度が
   そのまま室温ではないかもいれませんが、冬に近い寝間着や布団で寝られるそうです。それぞれの家庭によって使い方は様々ですね。
   ただし、毎年この時期は首から背中、腰にかけて冷えて硬くなり、凝りや痛み・寝違えやギックリ腰で来院される患者さんが多くなります。
   またエアコン使用による乾燥で、喉をやられる方も少なくありません。

   誰にでも合うかどうかは分かりませんが、私のエアコンの使い方は寝ている間中、冷房の連続運転で29℃の設定です。また冬に使う
   加湿器を併用しています。29℃は寝汗を少しかきながら、なんとか朝までぐっすり眠れるギリギリの温度で、いろいろと試行錯誤しながら
   この設定にしました。またタイマーでエアコンを止めると起きてしまうので、私は連続運転の方が良い気がします。それから加湿器を
   使うことで、喉がずいぶん楽になりました。喉痛でお困りの方は試してみると良いです。今年は例年以上に暑い夏ですが、睡眠時間を
   充分にとって、疲れを溜めないようにしましょう。   

8.5 先日の補足 針灸専門で治療をしている私の立場からの意見です。興味の無い方は無視していただけたらと思います。

   先日の(社)愛知県鍼灸師会消滅の話ですが、選挙後の速報として書いたため分かり難くなっている部分の補足をしたいと思います。
   一般に鍼灸マッサージ等と呼びますが、正確には「はり師」、「きゅう師」、「あんまマッサージ指圧師」という別々の国家資格になります。
   この内、「はり師」、「きゅう師」は養成科のある大学や専門学校で、共通したカリキュラムで同一の国家資格試験を合格することにより
   取得できます。一方「あんまマッサージ指圧師」の養成科は、限られた専門学校のみに認可されており、「はり師」、「きゅう師」を併設
   している専門学校では、同時に「あんまマッサージ指圧師」専門の科目を履修することにより、「あんまマッサージ指圧師」の国家試験に
   合格することで取得できます。現在、多くの免許取得者は「はり師」、「きゅう師」のみであり、「あんまマッサージ指圧師」免許の取得者は
   比較的少数です。ここからは「はり師」、「きゅう師」は鍼灸師、「あんまマッサージ指圧師」はマッサージ師と、便宜上書くことにします。
   
   ※鍼灸専門治療院は主に医療としての鍼灸を行い、鍼灸マッサージ治療院は主に慰安としてマッサージを中心に鍼灸も行うのが現実。

   一般に見かけることの多い、「鍼灸マッサージ」と書かれた治療院は先の3つの免許を取得している場合で、治療内容はそのまま鍼灸や
   マッサージです。需要の多さから大抵はマッサージが中心になることが多く、鍼灸は部分的であり医療としての内容は多くはありません。
   更にマッサージ専門の店舗もあり、マッサージを行う治療院は、基本的に慰安の要素が強いといえます。一方、「鍼灸」だけを掲げている
   治療院では、免許上もマッサージは行えません。治療内容は概ね鍼灸のみであり、東洋医学的な治療の意味合いが強くなり、慰安的な
   部分はほとんどありません。鍼灸には(社)全日本鍼灸学会がありますが、マッサージには公的な学会は存在しないことからも、鍼灸と
   マッサージは別々の内容と考える必要があります。ただしマッサージはリハビリや介護の分野で、新しい役割を持ちつつはあります。

   (社)愛知県鍼灸師会の上部団体である(社)日本鍼灸師会は、当然ながら開業鍼灸師のみが対象で、マッサージ師は無関係です。
   マッサージを行う方は(社)日本マッサージ師会か、(社)全日本鍼灸マッサージ師会に入会するのが普通です。ところが愛知県では、
   鍼灸の発展や普及を願う鍼灸師だけが入会するはずの(社)愛知県鍼灸師会に、会員数を稼ぎ組織を大きくするためにマッサージを
   行う方が多く入ってしまい、長く同床異夢という状況が続いており、ついに今回の事態へ至ったものでした。マッサージを中心に開業
   されている鍼灸マッサージ師の先生方に、いくら鍼灸も守り発展させていくと言われても、やはりマッサージの次でしかありません。

   ※医療としての鍼灸の多くは保険医療機関内で行われ、主に慰安としての鍼灸マッサージが有資格の開業による治療院として残る流れ。

   混合診療の禁止という健康保険の決まりがあるため、公式には認められていませんが、現在既に全国の一万ヶ所を超える医療機関で、
   非公式に鍼灸は行われています。鍼灸が世界的に認められつつある流れから、医療機関からは鍼灸の「混合診療の禁止」という規制
   からの除外が求められており、(社)日本鍼灸師会は開業鍼灸師が一方的に不利にならないよう、慎重に国に働きかけています。
   万一こうした力が弱くなれば、医療機関内での鍼灸は公に認められ、後からは保険適用を求める声も上がってくるでしょう。医療機関内
   での鍼灸は、慰安ではなく医療の一端として行われますので、規模や信用でも既存の鍼灸治療院を圧倒し、特に整形外科分野を中心と
   してきた鍼灸治療院の多くは廃業に追い込まれることは想像に難くありません。

   一方で、リハビリを除きマッサージを中心とした慰安的な内容は医療機関内で行われることはありませんで、鍼灸マッサージの治療院は
   いくらかの影響は受けても、本質的に異なりますので競合はありません。鍼灸マッサージ師の方は、「病院で鍼灸が行えるようになれば
   治療院はもっと流行る」と言われますが、その可能性すらあります。しかし医療としての鍼灸は基本的に病院で行うことになりますので、
   医療機関を上回る技術や安価な料金設定ができないと、鍼灸専門の治療院は残ってはいけません。私自身は上海への留学から医療
   機関内で行う鍼灸治療の意味や凄さを知っていますので、病院での鍼灸が国民にとって有益な治療になる可能性は理解しますが、
   現在の医師独占の医療体系が変わらないまま鍼灸を医療機関内で行えば、鍼灸の優れた可能性を狭めてしまうことにもなります。 

   ※残念ながら現状の鍼灸専門治療院には、医療としての水準が不十分な治療院も少なくない為、私も含めてレベルアップが必要です。

   先日、提携治療院の無い地域から来られた眼科領域の患者さんを、私がホームページの内容を確認しつつ、某鍼灸専門の治療院に
   ご紹介したところ、「鍼では治りませんので、引き受けられません」と一方的に電話を切られてしまったそうです。ホームページ上では
   中医学により様々な疾患や症状に対応していることが書かれていましたが、実際に眼科の難病の患者さんをご紹介すると、逃げ出して
   しまう先生が少なからずあります。当院での実績も多数あり、鍼で普通に治療できる疾患でしたし、短期間でも中国に留学をし、それを
   誇らしげにホームページに書かれている先生でしたので、非常に残念に思います。私からも推薦した治療院のため患者さんには申し訳
   ない思いですが、本当に難病に対応でき、結果を出せる治療院を探し出すのは難しいです。優れた結果を残せる鍼灸治療院が残って
   いけるよう、距離は置きつつも今後の業界団体の動きを見守っていきたいと思います。

   前回、今回と続けて、かなり過激に業界に関する話を書いてきました。私の鍼灸に対する強い思いと、業界への危機感から、こうした
   書き方になりました。私自身は鍼灸専門治療院を肯定し、鍼灸マッサージ治療院を否定している訳ではなく、鍼灸とマッサージは別々の
   発展や役割があると考えているだけです。第一、私自身が鍼灸・マッサージの免許(マッサージの仕事は全くしないが)を持っています。
   私の一連の話から鍼灸や業界に対して不安に感じたり、不快に思われた方には、お詫びいたします。今後はあまり書かないつもりです。     

8.1 残念ながら、(社)愛知県鍼灸師会は解散、消滅することになりました。

   今日は愛知県で唯一の鍼灸専門の業界団体である、(社)愛知県鍼灸師会の役員選挙がありました。今回の選挙は役員の改選に
   止まらず、鍼灸とマッサージは別々に専門性を発揮し発展すべきと考える鍼灸専門治療院の先生方と、鍼灸マッサージは一体であり、
   力を合わせて発展すべきと考える鍼灸マッサージ治療院の先生方の真っ二つに分かれ、それぞれ鍼灸専門団体の独立を維持するか
   廃止、消滅が決まる選挙でした。公益法人への認可、移行を踏まえて、会としてどのように活動していくべきかを決めなければならない、
   ギリギリのタイミングであったと思います。

   そもそも(社)愛知県鍼灸師会は、(社)日本鍼灸師会に協力している地方組織でもあり、会員は基本的に鍼灸専門治療院の先生方で
   構成されているはずです。ところが愛知県に限っては歴史的な経緯から、県内の業界団体への加入は(社)愛知県鍼灸師会と、(社)
   愛知県鍼灸マッサージ師会、(社)愛知県マッサージ師会の3団体へ、取得している資格によって複数の団体に加入するよう決められて
   いました。本来は個人の判断で必要な会に加入するべきものが、歪められてしまっていたことに、今日の異常な事態へ繋がった原因が
   あります。鍼灸専門団体の(社)愛知県鍼灸師会に、無理やり多くの鍼灸マッサージ治療院の先生方が加入してしまっているのです。

   前回の総会で役員改選ができなかったため、今日は中和医療専門学校で最初から役員選挙が行われました。弁護士と2名の警備員が
   会場内に入り物々しい雰囲気の中、選挙から開票、結果報告が3時間かけて行われましたが、罵声と怒鳴り声が飛び交い、大荒れの
   国会のような状況でした。結果は鍼灸マッサージ治療院の先生方の票が上回り、今後の(社)愛知県鍼灸師会の解散、消滅の方向が
   決まりました。私を育てていただいた長谷川栄一先生や、故安達和弘先生も大変残念に思われたことでしょう。

   私は針灸治療を専門としており、マッサージに関しては興味も無く、とにかく医療としての科学的な鍼灸の発展と普及を願っている立場
   です。こうした理由と、かつては保険(療養費)の取り扱いをしていたため、規定に従って(社)愛知県鍼灸師会と(社)愛知県マッサージ
   師会に加入してきました。しかし(社)愛知県鍼灸師会が無くなり、眼科針灸を専門としたことから保険(療養費)の新規取り扱いも終了
   した現在では、業界団体に加入し続ける意味は薄れてしまっています。今後、愛知県の業界団体にどのような動きが出てくるかは、
   まだ分かりませんが、私としては今日の総会で声を荒げていたような先生方とは一緒に活動は行えませんので、一宮支部の活動も
   含めて愛知県の業界団体とは距離を置きたいと考えています。

   (社)愛知県鍼灸師会の解散、消滅は、全国組織である(社)日本鍼灸師会にも影響し、今後の日本全体の開業鍼灸師に関わることは
   確実です。鍼灸は医療としては残っても開業鍼灸師の利益は守れないため、現状のような個人での開業は少しづつ減り、最終的には
   全て病院内で行う形態に変わっていくものと思われます。国民にとって良い方向であればよいのですが、どのような未来が待っている
   のかは、まだ分かりません。私には今日の結果が、これまでのような開業鍼灸師を中心とした日本型の鍼灸院が崩壊していく始まりの
   ような気がしています。大きな話はこれくらいにして、私自身は自分に与えられた針灸という道を、ひたすら突き進んでいくだけです。 

7.30 ナマズと金魚

   数日前、道大(息子)が「近所の用水にドジョウがいるから飼いたい」というので捕まえたところ20センチ位もあり、どうもドジョウではなく
   ナマズということが分かりました。私も昔捕まえたような記憶がありましたが、飼い方が分かりませんので調べてみたところ、野生の
   ナマズは丈夫ですが、肉食で飼い辛い(ややマニア向き)ということが分かりました。実際水槽に入れてみると、小さいのにパワフルで
   水槽に激しくぶつかり結構大きな音を立てます。気の弱い道大は少し引き気味(笑)だったりします。

   嫁さんがホームセンターで餌を買ってきて与えてみました。数日は何も食べず「飼うのは無理かな」と思っていましたが、やっと餌を食べ
   始め、更にパワフルになっています。長い髭で食べ物を探して、沈んでいる餌を器用に食べる姿はなんとも愛嬌があります。私も昔、
   父親が捕りに連れて行ってくれて、あれこれと様々な生き物を飼育していましたので、私も気がつけば同じ事をしているのでしょうね。

   もうひとつ、一宮の七夕祭りで金魚すくい(道大は全く捕れないですが)をして、貰った金魚も水槽に加わりました。もちろんナマズとは
   別の水槽です。二年前にも金魚すくいで貰った金魚が一匹生きていますが、そこに二匹(もう一匹は二日で亡くなりました)が加わり、
   一人ぼっちだった金魚の水槽は賑やかになりました。道大はおとなしい金魚の方が好きみたいです。長生きしてくれると良いですね。

   網膜色素変性のページを更新しました。

7.25 事業用地の取得手続きに入りました。

   現在の千秋針灸院は賃貸の店舗で、家賃は安いものの治療院の広さは僅か8.5坪、3台のベッドに共有の駐車場(4台)という状況で、
   時間帯によって駐車場は大抵一杯なので、患者さんは止むを得ず歩道(幸い広い)にまで止めておられる状況でした。待合も狭く、
   時折立ったまま待っておられる患者さんもあるほどで、眼科領域を専門として忙しくなってからは、改築や移転を含め検討を続けて
   きました。そんな時、先月中頃に隣接する畑の地主さんから「買いませんか」といっていただき、急に用地購入の話が進み始めました。
   実は数年前に、「もし譲っていただけるのなら、声を掛けて下さい」とお話していたことが、今回の話に繋がったようでした。

   この辺りの畑は市街化調整区域ということで、農地からの転用はなかなか大変です。農業委員会などの開発許可を得る必要が
   あるのですが、この許可だけで数ヶ月と16万円近くの費用(行政書士への費用を含む)がかかるようです。畑自体は県道に接した
   立地条件の良い80坪弱の土地のため坪15万円と少し高めですが、現在の千秋針灸院の隣ということで、他に代わりは無い場所の
   ため、納得して購入を決めました。今日は土地代の1割程を支払って契約し、念願の用地取得から将来の治療院建築に向けて、
   ようやく動き始めました。現在の場所で10年仕事をしてきたので、施設として何が足りないかは充分分かっているつもりですので、
   末永く仕事のできる良い環境の治療院をじっくりと設計していきたいと思います。

7.16 開業10周年

   千秋針灸院は明日で開業から10年を迎えます。開業当初は患者さんも少なく、クローン病の持病もあり、体力的にも「一年後は
   続いているのだろうか」と正直なところ不安で一杯のスタートでした。ここまで来られたのは、近隣や遠方からも通院していただいた
   患者さんや支えてくれた家族、手伝っていただいたスタッフ、連携治療を引き受けていただいた提携治療院さんあってのもので、
   感謝することばかりです。

   千秋針灸院の10年は、開業から徐々に軌道に乗り、眼科領域の専門治療院として手探りで進んできた黎明期であったと思います。
   難病の患者さんからは時々、「千秋針灸院でダメなら、針治療は諦める」と言われることがありますが、全ての患者さんに充分な
   結果は難しいものの、眼科領域への針治療としては最高の治療水準を目指して、これからも歩んでいきます。

   開業10周年ということで明かしてしまいますが、ついに事業用地を取得できそうです。将来的には治療院を新築する予定でいます。
   進歩の状況や詳細は、また10年前と同じく日記で公開していきたいと思います。これからの10年も、いろいろなことがありそうです。

   加齢性黄斑変性のページを更新しました。

7.9 保険(療養費)の新規取り扱い終了のお知らせ

   3年程前から検討していたのですが、新規の患者さんについて、今後は鍼灸の保険(療養費)の新規での取り扱いを行わないことと
   させていただくことになりました。鍼灸の保険取り扱いは、健康保険法により整形外科分野の痛みを伴う慢性の疾患についてのみ、
   医師の同意書を添付することを条件に、様々な制約の元で認められているもので、当院でも5年以上前には、多くの患者さんが利用
   されていました。

   現在の千秋針灸院は眼科領域が専門ですので、来院患者さんの7割は眼科領域であり、整形外科分野の慢性疾患の患者さんは
   1割程度しかなく、また最近では初診の後、数ヶ月間もお待ちいただく状況が続いているため、新規で保険を取り扱うことは、ほとんど
   なくなっています。加えて治療上も整形外科領域の限られた患者さんにしか取り扱えないことで、他の疾患の患者さんとの負担に
   格差が生じてしまうことが気がかりでした。

   今後は新規での取り扱いを行わないことで、当院の保険取り扱いは終了へと向かうことになりますが、現在保険を利用されている
   患者さんについては、ご迷惑がかからないよう、当面は継続した治療が完了するまで、保険での治療を継続することが可能とさせて
   いただきます。将来、鍼灸治療を希望される誰もが、普通に保険を使える時が来たら、また取り扱いを復活させたいと思いますが、
   現状の保険財政では、難しいかもしれません。これからも行政に届くことを願って、当院は眼科領域への鍼灸治療の有効性の報告を
   続けていきたいと思います。      

   千秋針灸院のQ&Aを更新しました。

7.1 密かに進行中

   先月半ばから急な話が持ち上がって、少しずつ話が進んでいます。院内では結構話している内容ですが、もう少し具体的になったら
   HPでも書いていきたいと思います。今年で開業してから10年、そろそろ・・・がヒントです。またその時が来たら、以前のように公開
   していくつもりです。

   プロフィールなどを更新

6.30 サッカー日本代表

   今日の針灸院での話題の中心は、やっぱり昨晩のサッカーワールドカップ南アフリカ大会でした。来院された患者さんの半数
   以上がテレビで観戦されていて、日本代表は格上の相手パラグアイに対して、延長戦を含めて0-0と健闘し、最後のPK戦で残念
   ながら敗退となりました。国際大会限定のにわかサッカーファンの私は個人的にPK戦ではなく、同点の場合は延長を繰り返して、
   どちらかが力尽きるまで試合を続けて欲しかったと思います。その方が勝っても負けても納得がいきますから。

   結果的には負けましたが、力を出し切った戦いは、それを観ていた私たちも感動と勇気を貰いました。今回のサッカーのようには
   私の仕事は大きな注目を浴びるものではありませんが、眼科領域の難病に針治療を通して立ち向かい、全国の提携治療院さんと
   共に、数多くの患者さんへの治療やサポートを続けながら、時に現在の眼科医学の限界を超えた、客観性のある治療効果を報告
   しています。眼科医学を深く学ぶ程、様々な難病が一筋縄ではいかない事も分かっていますが、私達が針治療の大きな可能性を
   追求することで、多くの患者さんに役立てられることを願い、既存の眼科医学の壁に勇気を持って立ち向かいたいと思います。

6.26 新規患者さんの記録更新

   今日は飛び込みの患者さんがあったため、なんと一日で新規の患者さんを5人も治療することになりました。この内2人は小児はり
   だったため、伊藤先生が頑張ってくれました。特に眼科関連の新規の患者さんは、様々な測定やサポートが必要であり、2時間
   近くかかることもあるため、一日の受付け人数を制限させていただいているのですが、流石に今日はグッタリでした。それにしても
   全国各地から一宮まで来ていただく患者さんには、頭が下がる思いです。「来た甲斐があった」と思っていただける様、しっかりと
   診療をしていかなければと、いつも気を引き締めています。(6.30現在、月間の新規患者さんも26名と記録を更新しました。感謝)

6.25 眼科医学を超えた針治療

   今日、黄斑変性で来院された2人の患者さんは、共に現在の眼科医学の常識を超えた回復が得られていました。などと書くと、針
   治療はある人には奇跡を起こす魔法のように、ある人には胡散臭く感じられることでしょう。しかし針治療は魔法でも、胡散臭くも
   ありません。最新の眼科医学を学び、眼科領域を専門に治療している私から見ても、間違いなく大幅な改善が得られていますし、
   一人の患者さんへの大学病院の眼科専門医の診断は、病名が変わるほど(それほど改善していることの裏返し)のものでした。

   萎縮型黄斑変性により、片眼が視力ゼロ(失明状態)、中心外視力0.1の患者さんは、1ヶ月半の治療で視力が0.4まで回復して
   きました。萎縮型黄斑変性は眼科では治療方法が無く、経過観察のみとされてしまう病気です。今後更に回復すると思われます。
   (6.30現在、中心暗点は更に縮小し、当院の測定や大学病院の視力検査では、共に0.7まで回復されています。)
   近視性黄斑変性で数年以上経ち完全に瘢痕化し、視力0.05(社会的失明)、中心外視力0.1の患者さんは、3ヶ月の治療で瘢痕が
   縮小し、視力は0.7まで回復しました。瘢痕面積が半分程度になり、視界の中心がクリアーになったために、大幅な視力の改善が
   得られています。瘢痕化した黄斑変性も眼科での治療方法はありません。またこの症例は、提携治療院さんの治療結果です。

   "When we meet a fact which contradicts a prevailing theory,we must accept the fact and abandon the theory, even when the
   theory is supported by great names and generally accepted" (従来の理論と異なる事実に出会ったなら、理論を捨てて、事実を
   受け入れなければならない。その理論が高名な学者に支持され、広く一般に受け入れられていたとしても) 針治療を仕事とする
   私の中でいつも大切にしている、フランスの医学者で内分泌の父と呼ばれるクロード・ベルナールの言葉です。

   私も眼科医学を深く学んでいくと、医学の理論や常識に囚われやすくなるのですが、針治療は未だ全貌が明らかになっていない
   医療であり、現代医学の常識を超えた結果を生み出すことも少なくありません。そんな時に客観的な事実を受け入れることは、
   とても勇気の要ることですが、医学的に正しい測定法で得られた結果を患者さんに伝え、患者さんと一緒に難病に立ち向かう
   ことが、当院の針治療の真骨頂であり、私の望む医療の姿です。

   眼科領域の難病で、特に眼科での治療が困難(経過観察のみ)という場合には、一度は針治療を試してみるべきと思います。
   全ての症例とはいきませんが、眼科医学の常識では考えられない程の回復が得られるケースも少なくありません。眼科領域の
   患者さんが年間延べ3.000名もあり、偶然のレベルではなく統計的な結果から、当院や提携治療院での針治療をお勧めします。   

6.21 金本先生が見学に来られました

   神奈川県で連携治療を行っている秋英堂治療院の金本先生が見学に来られ、眼科領域に特化した当院の測定や治療を見て
   いただけました。金本先生は中医学を深く学んでおられ、眼科領域を含めた幅広い疾患への対応も可能であり、ご紹介した
   患者さんの治療結果も良好なことから、今後お近くの患者さんへの連携治療をお願いすることになりました。

   余談ですが金本先生はラン等の花を育てられており、私のブルーベリーや果樹の栽培に通じるところがあります。針灸治療も
   植物を育てることに似た部分があり、どのように手を入れるか、ポイントを押さえているかで結果が変わってきます。また直ぐに
   結果が出るわけではなく、多くは数ヶ月になってはっきりと違いが出てくる所も似ていて、植物の栽培から学ぶことも少なからず
   あり、興味深いところです。

   今回は東京都、神奈川県ともに、県内2ヶ所目となる提携治療院をお願いできることになりました。関東や近畿地区では人口に
   比例して、眼科領域に対応できる治療院を探されている患者さんが非常に多いため、複数の提携治療院が必要という判断を
   しました。今後も眼科領域に対応できる実力のある提携治療院さんを、全国規模で展開していく予定ですので、ご期待ください。

   眼科領域の難病治療を提携治療院で を更新し、東京、神奈川の2ヶ所の提携治療院さんを追加しました。

6.17 タプロス

   読んでいる眼科の専門書で見つけたのですが、緑内障の治療薬にタプロスという点眼薬があります。1日1回の点眼で済むため、
   最近頻繁に使われるようになっているのですが、なんと副作用の出現率は67%以上、つまり3人に2人は副作用を生じるそうです。
   副作用は結膜充血や睫毛の異常といったものから、虹彩色素沈着(8.1%)といった重大なものまでありますが、それにしてもよく
   こんな副作用だらけの薬が認可されているのか理解に苦しむところです。今日付けの新聞に、未承認薬が一部の病院で使用が
   可能になるという記事がありましたが、いつも薬や手術の副作用や合併症は患者さん持ちです。新薬は患者さん側で、よく情報を
   集めて納得して服用する他ありません。私は日本の医療はなにか間違っているところがあるような気がしています。

6.14 箱嶌先生が見学に来られました

   福岡で提携をお願いしている箱嶌医鍼堂の箱嶌先生が見学に来られました。箱嶌先生は中国で日本人では初めて医学博士号を
   取得し、治療院だけでなく様々な研究発表や翻訳等で活躍されている先生です。朝から昼過ぎまで、当院の眼科領域の治療や
   測定法までをご紹介しました。特に測定法では、共通した測定法や器具を使うことで、統計的な症例報告を行う際には、お互いの
   データを合算することができます。このことは針灸治療の効果を医学的に検証、再現していく上でも、大変重要な意味を持ちます。

   箱嶌先生から伺った話ですが、少し残念なことがありました。私の留学していた1994年頃は、一般の病院内で盛んに中薬(漢方)や
   針灸が行われていたのですが、最近では経済発展と共に最先端の現代医学が導入されたことで、多くの研究者がそちらに目を
   向けたこと。また中薬は製薬業界の後押しもあり、研究にも資金援助が受けやすいのですが、針灸は手技療法であり、技術料の
   他に儲かる部分が無くスポンサーが付き難いため、積極的に研究しようとする方はあまりいないそうです。針灸治療は当院の統計
   症例報告でも書いているように、素晴らしい可能性を秘めてはいますが、スポンサーになる業界が存在しないのも事実です。

   なにやら昨日の話しとかぶってきましたが、鍼灸の未来はあまり明るくはないのかもしれません。私の頭の中では、ゲゲゲの女房の
   水木しげる先生の「貸本漫画」を想像してしまいました。しかしながら、私は鍼灸に期待をかけていただける患者さんがある限り、
   協力していただける先生方と共にマイペースで頑張っていこうと思っています。クローン病で苦しんでいた私自身を救い、役割を
   与えてくれた仕事ですからね。

6.13 日本鍼灸師会

   急な話でしたが、日鍼会と愛知県鍼灸師会会員との意見交換会という場が設けられたので、私も出席させていただきました。
   変化を続ける医療界にあって、日鍼会の正・副会長から直接、「医療における鍼灸の役割、日本の鍼灸をどう導いていくか」を
   中心に話していただけました。

   鍼灸師(国家免許取得者)の数は、養成学校の増加により年間3.000名以上のペースで輩出されていますが、卒後の業界団体や
   学術団体への加入は、あまり進んでいません。愛知県に限っては徐々に減少していく傾向すらみられます。また一方で、医療に
   おける鍼灸の役割は、主に海外での報告や発表から少しずつですが、日本においても重要視されつつあります。しかし、鍼灸の
   重要性が少しずつ高まっていても、鍼灸師の治療者としての水準が、3年程の養成学校を出ただけでは、とても医療の一部を担って
   いけるものではないことから、今後「医療として鍼灸は残っても、鍼灸師は残らない=必要無い」との危惧が出てきています。

   愛知県に関しては、これまでは保険(療養費)取り扱いという点で、多くの鍼灸師が加入してきた経緯があるのですが、民間団体や
   個人からの請求が認められるようになり、新卒・既卒を問わず鍼灸師の側からの視点では、公の業界団体に加入する意味は、
   薄れてしまっているのかもしれません。これまでのような保険取り扱いに頼った内容では、先細りになることは当然と思います。
   保険取り扱いとは別に、入会する意義やメリットを示していくべきで、私はひとつに学術や技術面でのリードと考えてきました。

   私は最近の全日本鍼灸学会の全国大会等の内容を見て感じるのですが、開業鍼灸師による報告よりも、医療機関や医大による
   報告が多くなってきており、優れた内容はあっても実際に私たちが明日からの診療に役立て、患者さんに提供していけるのかという
   点で、私たちの臨床と直結していない違和感を感じていました。このことに加えて日常の忙しさも手伝って、また誰もが見ることの
   できるインターネット上の情報として、千秋針灸院の統計症例報告は様々な制約の少ないホームページ上に掲載しています。
   開業鍼灸師がもう少し気軽(いい加減な内容ではいけませんが)に、「鍼灸だからできること」を多くの方に伝えていくには、
   これまでの業界団体や学会のスタイルに留まらず、インターネット等の新しい媒体も上手に使い、鍼灸をより丁寧に説明していく
   必要があるのではないでしょうか。

   千秋針灸院は眼科領域を専門とするため、ホームページの内容も眼科分野に特化しているのですが、患者さんから「眼科領域の
   鍼治療を、ここまで詳しく書かれた内容は他には無かった」とよく言われます。本当は鍼灸を牽引する業界団体や学会が、様々な
   分野で報告をまとめて、「鍼灸だからできること」を多くの方へ力強く伝えていくことが必要なはずです。当院に来院される患者さん
   からの、「この病気に効果があることを初めて知った」という多くの声が、業界団体や学会に求められることを表していると思います。
   今回の意見交換会では、このことに少し触れさせていただきましたが、大きな組織だけに小回りは利きにくいのかもしれませんね。   

6.5 管総理誕生

   私は特に民主党支持ではありませんが、ここ20年位の首相の顔ぶれや、今後の首相が予想される方の中で、最も期待できるのが
   今回の管総理と思っています。私は長らく医療関係の仕事をしていますが、薬害エイズ問題での管氏の活躍は、他の方では決して
   できなかったであろうと思われるからです。60年以上の戦後政治のツケが回った状況は、容易に変えられるものではありませんが、
   日本が目指す将来の姿を少しでも照らすことができれば、私たちは後に続いて頑張ることができると思うのです。

   今回の鳩山首相退陣でも感じたことですが、マスコミがニュースにするために揚げ足を取り過ぎているように思います。鳩山首相が
   最後に側近につぶやいた「これで自由だ」という言葉が象徴的ですが、小泉首相以降は疲れて辞める方が続出しているように感じ
   ます。揚げ足を取ったり足の引っ張り合いは止めて、「どうしたら進んでいけるのか」という観点で議論をしていただきたいものです。

   そういえば、政治とカネではありませんが、最近患者さんから「紹介料はかからないのですか」という問い合わせがありました。
   千秋針灸院は眼科領域の専門治療院として、患者さんがお近くの治療院で確かな治療が受けられるよう、全国各地の治療院へ
   ご紹介していますが、当然ながら紹介料やリベートは一切受け取ることはありません。そんなことをすれば治療の客観性が失われ
   正しい効果判定や必要な治療の判断ができなくなってしまいます。表記している料金以上にいただくことはありませんし、必要とする
   患者さんが安心してかかれるよう、これからも日本国内の実費治療費としては、安価な料金設定を続けていくつもりです。 

   「目の健康に影響を与える可能性のある医薬品」のページを、新たに「眼科関連情報」として更新しました。眼科関連情報では、
   今後は眼科領域における医薬品からや手術、病院選びまで、様々な情報を載せていく予定です。  

5.30 今年は受難の年

   今年は五月になっても涼しく、朝晩が寒い位に感じられるのですが、こういう年は私を含めたクローン病等(他の腸疾患を含む)の
   患者さんにとっては受難の年です。いつもなら順調に体重が増えていく時期ですが、想定外の冷えによる下痢や消化不良を起こし
   やすく、例年に無く特にクローン病の患者さんでは苦戦しています。潰瘍性大腸炎の患者さんは概ね良好なのですが・・・。私は
   いつも壁に突き当たると、どうしたら超えられるのかという点から研究して、治療のレベルアップをしてきたのですが、今年はその
   年なのかもしれません。

   眼科領域でも同じですが、結果を出すほど難しい症例が増えていく傾向があり、気がつくと以前なら改善が難しかった様な症例も、
   いつの間にか結果が出せるようになります。治療者も悩みながら前向きに取り組むことで、レベルアップしていくものですね。
   他の疾患の患者さんでも、今年は寒暖の変化が大きく、体調を崩しやすい傾向がありますので、ご注意下さい。

   クローン病のページを更新しました。

5.26 統計症例報告集

   当院の報告している統計症例報告を、新たに統計症例報告集として、まとめて掲載しました。今後も追加していく予定ですので、
   様々な疾患への鍼灸治療の統計的な効果を、まとめて見ていただける場所になります。毎年一つのテーマで報告していくことを
   目標としていますが、当院に来院していただいた患者さんと、私たち治療者で作り上げた作品のような思いです。少しでも多くの
   患者さんに役立てていただけるよう、今年も緑内障をテーマとして年内の報告を目指しています。

   統計症例報告集のページを作成しました。 

5.21 リニューアルは大変

   このところ各ページを更新する時に、新しいデザインに変えているのですが、なかなか調整が大変です。リンクのやり直しやアップ
   ロード後の画面を確認しながら、文字やリンクの配置を微調整したり・・・。針灸院のページを苦戦しながら更新しました。

   一方でパソコンの方もリニューアルできました。結局NECのLavieで、OS Windows7 Professional、CPU Intel Corei7-620、SSD62MB
   +HDD500MB、ブルーレイディスクドライブ、16インチフルハイビジョン(1920*1080)という構成です。NECの直販で購入しました。
   SSD(フラッシュメモリ)の起動は、とにかくOSの立ち上がりが早く、とても快適に使えています。ポイントの一つであった縦解像度も
   1080ドットあり、テンキーあり、ディスプレイの画質も合格点です。初心者向けと言われることの多いNECですが、キーボードも
   最近流行のアイソレーションタイプ(キーが飛び石状)ではなく、普通に使いやすかったり、各端子の位置等もよく練られています。
   現時点で最高クラスの性能の上、新しい規格のUSB3.0まで装備していますので、当分メイン機として使えそうな感じです。

5.18 提携治療院の先生が見学に来られました。

   先月に続いて、今月も提携先の治療院から先生が見学に来られました。今回は朝の9時から夜8時過ぎまで、一日たっぷりと
   見学され、当院の治療をとても熱心に見ていかれました。千秋針灸院はマッサージや整体等を行わない純粋な針灸専門院の上、
   現在は眼科領域に特化しているので、非常に特色があります。私としては、眼科領域の治療法やテクニックといった小手先の話
   ではなく、専門領域に特化すると「ここまでできる」ということを一番伝えたかったのですが、少しでも伝わったのであれば幸いです。

   千秋針灸院の治療見学については、治療院が狭いことや患者さんへの集中を欠くことに繋がるため、提携治療院の先生への
   サポートを目的とした場合に限らせていただいており、通常は申し訳ありませんがお断りしています。どこの治療院でも質の高い
   治療が行えることが理想ですが、まずは当院と提携治療院の間で、優れた治療が行えることを目標にしています。

5.10 眼科領域に続いて、クローン病等の針灸治療相談を開始します。

   昨年から開始した眼科針灸相談ですが、有料(初診料相当の料金をいただき、治療を開始される場合は初診料に充当可)にも
   関わらず予想以上の相談件数がありました。眼科の先生に聞きたくても充分な説明が聞けなかったような、たとえば病気のこと、
   今後のこと、日常生活での注意点や針治療を行った場合の見通し等、実に様々な悩みや質問をいただき、私がこれまで勉強して
   きた眼科医学や中医学の知識、千秋針灸院での治療実績なども、かなりお伝えできてきたものと感じています。眼科領域の難病
   治療は、例えばギックリ腰のように一回の治療で済む(重症は除く)ものではなく、あまり一般的ではない針治療を納得した上で
   受けられることは、時間をかけて治療を続け、目標を達成しようとする上で、とても大切になると思います。

   眼科針灸相談を始めてから、特にクローン病関係についての問い合わせが増えており、私自身のクローン病が治癒(完全寛解)
   していることもあり、何件もの「話を聞いてみたい」という問い合わせがあります。私もクローン病の患者さんの力になれることは、
   最も願っている内容ですので、これまでも電話等では可能な限り丁寧に説明させていただきました。しかし数年前等に比較しても
   かなり忙しくなっており、来院されている患者さんの治療で手一杯な状況です。そこで、クローン病関連も眼科針灸相談と同じく、
   有料(初診料相当の料金をいただき、治療を開始される場合は初診料に充当可)の治療相談を設定することにしました。

   眼科針灸相談では、私自身が眼科領域を専門と宣言していることから、眼科学の知識から検査画像の理解、薬から手術の知識、
   針治療の適応や治療効果の見込みまで、かなり幅広く理解できるよう努力しており、患者さんの質問には概ね答えられます。
   クローン病等の消化器内科は正直なところ専門外ですので、眼科領域ほどには現代医学の内容を説明することはできませんが、
   私自身がクローン病との闘いを通して学んだことや、どうして針灸治療を考慮すべきなのか、どのように回復への道筋を見つけて
   いくのかを、患者さんと向かい合いながらお話していけたらと思っています。

   クローン病等への針灸治療は、正直なところ苦戦している部分があります。当院では軽症の方では治癒(完全寛解)の患者さんも
   あり、投薬や針治療からも卒業できた症例をはじめ概ね良好なのですが、やや重い症状の方の中には順調とは言えない方も
   あります。また、眼科領域では良好な結果が出ている全国の提携治療院でも、クローン病関係では苦戦しているのが現状で、
   先生や患者さんからのメールや相談も度々あります。最近はクローン病(潰瘍性大腸炎等も含む)は、針灸治療の技術だけでなく、
   心理面のサポートが必要であり、特に順調に回復しない場面で、私のような回復経験者からの適切なアドバイスの必要性に、
   思い当っています。

   クローン病の回復には、実際に病気を経験した者にしか分からない部分が確かにあります。、更に数十名以上のクローン病への
   針灸治療を行ってきた経験がありますので、私の話を必要とされる患者さんがありましたら、治療相談をお申し込みください。
   なお専門としている眼科領域と、私の持病であるクローン病(潰瘍性大腸炎等も含む)以外の疾患については、申し訳ありませんが
   充分なお話ができませんので、当院では治療相談としては設定できないことをご理解下さい。    

   眼科領域・クローン病等への針灸治療相談のページを更新しました。またクローン病のページの、よくある質問に追記しました。

5.7 150.000アクセス

   気がつけば、150.000アクセスになりました。日本国内はもちろん、時には海外からもアクセスや問い合わせがあり、インターネットは
   世界と繋がっていることを実感しています。針灸治療の確かな情報源として、どこで誰に見ていただいても、恥ずかしくない内容を
   目指していきたいと思います。

5.3 伊藤メディカルさんへ買出しに行きました。

   恒例の買出しですが、今回気がつけばディスポ(使い捨て針)を中心に購入量が約25.000本にもなりました。千秋針灸院では8割の
   患者さんは個人専用針ですので、ここまでの本数は必要ありませんでしたが、今回は予備として残している針もほぼ使い切り、あと
   一週間で主要な針が底をつくという状態でした。針だけで14万円近くです。もし全てが使い捨て針だったとしたら、年間で今回の5倍
   以上は必要になりますので、とんでもない金額になる計算ですね。伊藤メディカルさんの在庫を空にしてしまいました。

   トップページに続いて、クローン病のページをリニューアル更新しました。また、これまでは潰瘍性大腸炎や過敏性腸症候群と共に
   紹介していましたが、クローン病の患者さんが数十名まで増えていることもあり、内容も独立させることにしました。しばらくの間、
   クローン病単独のページと、クローン病・潰瘍性大腸炎・過敏性腸症候群のページの二種類が並立しています。遠からず整理
   しますので、ご了承ください。

4.30 トップページをリニューアルしました。

   2000年の開業以来、大きな変更はしていなかったトップページをリニューアルしてみました。2000年頃はパソコンからのアクセスに
   限られていましたが、最近では携帯電話からパソコン、テレビまで、解像度も480dpiから1920dpiまで、インターネットは非常に様々な
   機器から見ていただくメディアになりました。千秋針灸院のページも、これまではパソコンからの1024dpiもしくは1280dpiに対応する
   形で作成してきましたが、より様々なタイプの機器から見やすいように、ホームページデザインを変えていくことにしました。

   これまでは歴代のホームページビルダーというソフトだけで作ってきましたが、AdobeのDreamWeaverをはじめ、プロ向けのソフトを
   補助的に使い始めています。全部を使いこなすのは私ではとても無理ですが、企業のページでもよく使われるFlash等、様々な
   表現ができる可能性は確保できましたので、これから少しずつ試していこうと思っています。とりあえず現在の横幅1280dpiから、
   まずはネットブックやipadの800dpi〜1024dpiといった解像度で見やすく作り直していきます。

   素人の私が作っているページですので、一気にリニューアルとはいきませんし、リンクなどでは不備もあるとは思いますが、当面は
   ご容赦下さい。病名毎の内容などでは、これまでの深く探しにくい階層から、トップページから直ぐに見られるよう工夫しています。
   10年も同じフォームから増ページを続けてきましたので整理が大変ですが、これからも10年、20年と長く続けていけるホームページを
   目指して、千秋針灸院の歩みと共に、少しコアで充実した内容を書き続けていくつもりです。     

4.22 電話は復旧しました。ご迷惑をおかけしました。

   午前にNTTから点検に来ていただき、見ていただいたところ、当院の電話機とNTTのCTU(加入者網終端装置)との間に問題が
   あり、具体的にはCTU(加入者網終端装置)のアナログ変換信号を、当院の電話機が受け取れないためということが分かりました。
   アナログ回線での純粋なアナログ信号とは、デジタルからアナログへと変換した信号は若干の違いがあり、当院の電話機の信号
   受信能力の個体差ではないかということでした。実際他の電話機や10年前の電話機でも着信が可能なのに、当院の数年使用した
   電話機だけが着信できないことがわかりました。非常に珍しいケースという話です。アナログ回線では普通に使えるのですが、
   不思議な現象です。

   インターネットやメールの不具合は、無線ルーターが弱っている可能性が高いそうです。まだ3年程ですが・・・。光回線はいろいろと
   シビアなんでしょうね。お灸の煙も電子機器に悪さをしているのかもしれません。そういえばパソコンやCDコンポ等も毎回数年で
   故障しています。やはり業務用途ですので、家庭用とは異なると考える必要があるかもしれません。

   早速電話機を新しく購入し、夕方頃には無事復旧できました。インターネットやメールは後日セッティングをし直すつもりです。
   とりあえず電話が使えない事態は解決できたようです。一週間に渡って電話の不通等が続き、ご迷惑、ご心配をおかけしました。

4.21 光電話に換えたら、電話が繋がらなくなりました。

   今月15日から千秋針灸院のインターネット接続をNTTのフレッツ光に、電話は光電話へと換えたのですが、その後不思議と電話が
   減ったなと思っていました。ところが数人の患者さんから電話が繋がらないという話があり、調子が悪いことが分かりました。更に
   今日になって、完全に不通になってしまい、昼過ぎ頃からホームページ上でも「緊急のお知らせ」として、掲載させていただきました。

   当院に電話いただいても、いつまでも呼び出し音が続く場合、光電話が不通になっています。当院からは普通にかけられるため、
   気が付くのが遅れてしまいました。またメールやインターネットも不安定ですので、とても使えたものではありません。

   店舗で電話が使えないのは、全く致命的な問題で、とても仕事になりませんね。今回ばかりは光にしなければ良かったと後悔です。
   明日にはNTTから点検に来ていただけることになりましたが、患者さんには大変なご迷惑がかかり、申し訳ありません。
   一応明日には復旧予定ですが、万一復旧できない場合には、携帯電話の番号をホームページ上でお知らせしますので、予約や
   問い合わせ、変更等の連絡はそちらでお願いいたします。

4.18 いちご狩りに行ってきました

   急に思い立って、家族3人でいちご狩りに行くことにしました。いちご狩りは要予約の所が多く時間制限もあり、なかなか思い付きで
   行ける農園はありません。インターネットで探したところ、岐阜県海津町の「サンベリー高木」という農園が、随時入園可でした。
   自宅から1時間弱で到着。制限時間は一応60分ということですが、日曜日でも特に時間制限はなく、ゆっくりといちご狩りを楽しむ
   ことができました。品種も章姫という優良品種で美味しかったです。今シーズンは間もなく終了ですが、また行きたいと思いました。

4.16 現在、当院で継続した治療を希望される患者さんは、ご迷惑をおかけしますが、しばらくの間お待ちいただいています。

   おかげさまで、千秋針灸院は全国から多くの患者さんにお越しいただいていますが、現在通院されている患者さんの予約枠を
   確保することが難しくなってきましたので、大変申し訳ありませんが、当院で継続した治療を希望される新規の患者さんについては、
   お待ちいただくことになりました。

   現在当院に通院されている患者さんの治療の進行具合により、概ね予約枠に空きができる時期は予測できますので、その時期に
   合わせて当院での継続した治療を希望される患者さんを受け入れていきます。今日現在で、5月17日以降ですが、新規患者さんの
   予約が入り次第、後日に延長とさせていただきます。最新の受け入れ可能時期は、ホームページ上に掲載します。

   なお、現在通院されている患者さん、以前に通院されていた患者さんの治療再開については、これまでどうり受付いたします。
   また提携治療院で継続した治療を希望される患者さんの初診や再診、当院で初回治療を受けた後、しばらくお待ちいただける方に
   ついては受け入れ可能ですので、ご相談ください。

   新規患者さんの受け入れ休止については、スタッフの増員や予約枠の拡大、測定結果の電子カルテ化等で、最近1年半程は大丈夫
   だったのですが、おかげさまで来院される患者さんは更に増加しているため、当面の間お待ちいただくことになり、申し訳ありません。
   現在通院していただいている患者さんへの治療の質を落とさず、最善の結果が得られるよう、今後も努力を続けていくつもりです。 

4.12 目の健康に影響し易い医薬品

   先日当院での視野の測定で、それまで順調に視野が回復していた網膜色素変性症の患者さんで、急に視野が狭くなっていることが
   分かりました。僅か2ヶ月位の間に30〜50%も狭くなっています。こうしたケースは当院では初めてでしたので、患者さんからよく話を
   聞いてみました。すると、花粉症の薬を飲み始めたところ、ご自身で自覚できる程視野が狭まり、見辛くなってしまったということです。
   内服している薬について、医学書院の『今日の診療』で調べてみたところ、この薬の副作用による可能性が高いことが分かりました。
   その後、他の患者さんへの聞き取りから、黄斑変性症や色素変性症の患者さんで、この薬を服用してから発症、悪化した可能性の
   ある方が何人もあることが分かりました。

   この薬はセレスタミンというアレルギー性鼻炎等に一般に用いられる内服薬で、ステロイド系の薬剤です。薬の添付文書には連用で
   眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障、また中心性漿液網脈絡膜症等による網膜障害、眼球突出等と記載があります。網膜色素変性は
   遺伝要因も関与しますが、様々な加齢性の合併症を伴うことから、目の局所的な加齢性疾患ともされており、目への影響が大きい
   ステロイド系薬剤の使用は、健康な方に比較して副作用の発現リスクが大幅に高くなると考えられます。同様の副作用はステロイド
   系の薬剤に共通するもので、特にステロイド系の内服薬や坐薬は要注意です。
   
   現代医学は専門分野に細分化され、内容が深くなる一方で、他科のことは分からなくなっています。私でも眼科領域ばかり学んで
   いるので、正直他の分野は疎かになっています。同じように、例えば内科医は眼科の専門分野に詳しいはずがなく、その逆も同様
   です。しかし当然のことですが、医薬品の副作用は眼科・内科を問わず生じてしまいます。このことは病気の治療が、新たな病気を
   生み出してしまう結果となります。日本の医薬品の使用量は先進国平均の3倍という話ですが、薬により発症させられた病気も、
   少なくはないはずです。

   そのことはさておき、私としては目の健康を損なうかもしれない医薬品の副作用を放置してはおけないので、今後は目への副作用の
   可能性のある医薬品をリストアップして、眼科領域の患者さんに情報提供をしていきたいと思います。医師や医薬品業界の関係者で
   ない私は、医薬品との利害関係がありませんので、事実を隠すことなくお伝えすることが出来ます。コンタクトレンズの話などと同じく、
   私たちは耳に入れたくない話には耳を塞ぎがちですが、情報の一つとして受け取り、ご自身で判断していただけたら幸いです。

   新たに「目の健康に影響を与える可能性のある医薬品」のページを作成しました。花粉症等に広く使用されているセレスタミンは、
   緊急性が高いと判断したため、急遽掲載しています。新しい情報がわかり次第、追加・作成していく予定です。

4.11 首藤傳明先生

   鍼灸マッサージ師会一宮支部の講習会へ、経絡治療の大家である首藤傳明先生に来ていただけました。先生は現在78歳、開業
   されてから50年ということですが、講演での話しぶりや実技での鍼さばきは、とても年齢を感じさせないものです。先生は中国での
   老中医といったところですが、とても気さくに話していただけ、今日の印象は「鍼灸が好きでたまらない大先生」といったところでした。

   私が首藤先生の話で最も印象深かったのは、「はりはこころである」、「忘己利他の精神」でした。患者さんの状態を東洋医学的に
   掴んで(証を立てる)、針をするツボの位置を体表上から正確に選び(選穴)、適切な方法で刺針を行う(手技)を行うという点では、
   中医学と経絡治療とで流派は違っても変わりありません。しかし治療者の中に心の乱れが無く、患者さんの為だけを考えて治療を
   行うという強い気持ちがなければ、決して良い治療はできません。まず金儲けを考えるようでは論外です。日々の臨床から、私が
   感じていたことですが、先生は50年の臨床から簡潔に言い切られました。

   私などは、まだまだ足元にも及びませんが、治療家は「こうでありたい」と思います。中医学と経絡治療ということで、治療法は異なり
   ますが、目指すところは同じはずです。更に言えば漢方から現代医学までもを含めて、「医療はこころである」「忘己利他の精神」が
   必要と思います。とても抽象的ですが、いつか針を置く日まで私も「針は気持ちで打つ」を突き詰めていきたいものです。この仕事を
   していると、時々「鍼灸が好きでたまらない」先生に出会うのですが、私はとても嬉しくなります。首藤先生には末永く健やかでいて
   いただきたいと願っています。あと、もうひとつ印象に残った話がありました。「あっという間に50年が過ぎた。昨日のようです。」と、
   そのようなものなのでしょうね。

4.6 マンセル D-15

   タイトルだけでは眼科関係の医療従事者しか分からないと思いますが、世界中で色覚異常の判定に使われているカラーキットです。
   患者さん自身にカラーキャップを並べていただくことで、容易に判定ができるもので、日本で普及している石原式(数字を読み取る)の
   ようにパターンを覚えてしまう心配がありません。眼科領域の病気の一部には、色覚異常を伴うものがあり、比較的軽度な症例では
   遺伝的な色弱等も含めて、針治療による改善が得られる可能性があることも分かってきました。また特定の資格(パイロット等)では
   D-15を使った適正検査があります。こうした要望も踏まえて、また針治療により色覚異常の一部が改善することを、医学的にも証明
   できることから、当院でも取り入れることになりました。

   特に遺伝も関与する網膜色素変性症では、針治療を開始してから色覚異常が改善しているという話を、何人もの患者さんから
   伺っています。針治療と共にD-15テストを行うことにより、どの程度改善しているかということを医学的に明らかにできれば、多くの
   患者さんに役立てることが出来ます。また私自身の視機能への理解も深まり、視力や変視(様々な異常な見え方)症状に加えて、
   色覚までをもサポートできることになり、「患者さんの実際の見え方の改善」という眼科針灸の目標に、より近づいていけるものと
   思います。

   鈴木式アイチェックチャート等もそうでしたが、ひとつの測定法を身に付けるにも、多くの専門的な勉強や症例が必要になります。
   多くの眼科領域の患者さんに来院していただける当院でも、半年から一年程度の時間が必要ですので、眼科疾患に伴う色覚異常
   ではない、通常の色弱の改善を目指す患者さんは、少し待っていただけるとありがたいです。今年で開業から10年になりますが、
   まだまだ勉強です。

3.28-31 また境港に行って来ました。

   久しぶりに連休をいただいて、鳥取県境港市へ行きました。もちろん『ゲゲゲの鬼太郎』で有名な、水木しげる先生の故郷の町で、
   町中が妖怪だらけになっているという、大変面白い名所です。毎年子どもにせがまれて、もう3年連続3回目になります。3回目にも
   なると、車で走っていても地図無しで大体の場所が分かってしまうから不思議ですね。水木しげる記念館も3回目になり、昨年も
   書いた覚えがありますが、私は水木先生が何歳頃、何をされたかという年表をいつもじっくり見てきます。水木先生も大変な苦労を
   重ね、実を結んだのは40歳以降という晩成ですが、私も針灸と出会ったのは25歳、開業は31歳、現在41歳ですので、水木先生と
   つい重ね合わせてしまいます。私にはクローン病という持病があり体力も乏しく、また水木先生のような大きな仕事はできませんが、
   正面から医学と針灸治療の可能性に取り組むことで、少しでも誰かの役に立つことができたら、それ以上の喜びはありません。

   話は変わって、今年初めて体験したものに、3Dシアターという映画があります。もちろん『ゲゲゲの鬼太郎』のアニメなのですが、
   3Dメガネをかけると確かに画面を飛び出してくるから不思議です。今年の秋頃から販売されるという、3Dテレビも同じようなもの
   なのでしょうね。とても迫力がありましたが、目が疲れ易いのが課題かもしれません。私の場合は素早い動きに目が付いて行かず、
   途中の画像が見えなくなった部分もありました。素早く遠近感を調節できる若い人向きのように思います。

   また帰りには鳥取の砂丘に行きました。私にとって砂丘は上海留学中に行った敦煌以来になります。真夏の敦煌は気温40度以上、
   大変苦しい体験でしたので、あまり良い印象が無いのですが、子どもがどんどん砂丘を登って行ってしまうため、結局私も登る事に
   なり、再び敦煌が頭をよぎりましたが、幸い気温も低く、砂丘を登りきると向こうは日本海の絶景。鳥取砂丘は良いところですね。
   帰りは二日前に開通したばかりの鳥取道を通って高砂の実家で一泊、四日間ゆっくりさせていただきました。合計1.000キロを超える
   運転は初めてで、疲れもありますがリフレッシュでき、明後日からは新年度の初日にもなりますので、針灸治療を頑張っていきます。

3.25 正しい点眼薬の使い方

   3月22日付けの毎日新聞ニュースで、『「目パチパチはダメ 正しい点眼5%』という記事がありました。医薬品メーカーのファイザーが
   インターネットを通して調査したもので、病院で複数の目薬を処方された経験がある40〜60代の男女1200人を対象した結果という
   話です。適切な点眼は、点眼後は暫く目を閉じて、薬が鼻やのどに流れないよう、目頭を軽く押さえるというものですが、9割以上の
   人が点眼後に目をパチパチさせる等、間違っていたそうです。また二種類以上の点眼は、5分以上の間隔が必要とされていますが、
   37.2%の人は5分以上の間隔を空けていないことや、33.5%の人が必要以上の点眼量(2滴以上)をさしているそうです。

   緑内障の治療で来院されている何人かの患者さんに聞いてみたところ、ほとんどの方が病院で指導された方法で、正しく点眼を
   行っているという話でした。当院での針治療を選択されている患者さんは、治療への意識が高いのかもしれませんね。ただし点眼の
   問題点として、「つい忘れてしまう」や「目の周囲への着色や違和感がある」という話もありました。眼圧を下げるための点眼薬は、
   正しく使用していても、直ぐに視野が大きく改善する訳ではないので、前向きには取り組み難い治療法といえるかもしれません。

   近年、緑内障等への点眼薬は、眼圧降下作用の点で進歩していますが、一方で副作用についても問題が出てきています。人間の
   目は構造的に外部からの異物の侵入(もちろん点眼薬も)を防ぐ仕組みがあり、点眼薬は概ね90%が角膜でブロックされて眼球内に
   届かず、体内に入って処理されます。(つまり10%程度しか眼球へは入らない) この結果、特に腎臓など内科的な病気のある方は
   副作用として問題が生じてくることがあります。体調が思わしくないというような場合には、内服薬だけでなく、点眼薬の副作用も
   調べてみる必要があります。

   点眼薬についてはもう一つ、防腐剤という問題点もあります。一回毎に使い切る(個別のパック)製品を除けば、全ての点眼薬に
   防腐剤が含まれています。防腐剤は僅かずつですが、角膜の健康状態に悪影響を与えますので、必要の無い点眼薬は使わない
   方が良いです。特に白内障予防の点眼薬などは、白内障への有効性が証明されていないという指摘が、眼科の専門書にも記載が
   あったりします。目の疲れへの市販の点眼薬も、一回毎に使い切るタイプのものを選ばれた方が良いでしょう。

   当院での緑内障への針治療ですが、もちろん失われた視神経は回復しないものの、血流をはじめとした循環が改善し、弱っている
   視神経が本来の機能を取り戻すため、網膜の感度低下は速やかに回復します。治療前と治療後での鈴木式アイチェックチャートを
   使ったblue on yellowテストでは、初期から前期緑内障の患者さんの半数以上で、初回治療時から網膜感度の改善がみられます。
   もちろん初回だけの治療では、数日経つと戻ってしまいますが、繰り返し治療を行うことで徐々に視野の改善が進んでいく傾向です。
   緑内障への針治療は、治療の方法や治療者の力量で差が付きやすいことが分かっていますので、実績のある治療院で受けられる
   ことをお勧めします。(当院では視力や視野など、様々な測定から提携治療院等の他院での治療結果のデータまでが集まっています)

3.18 最近の気になるパソコン事情(2)

   タイトルとなぜか離れてしまいましたが、いろいろ調べている内に気になった話がありました。最近かなり安く販売されているWindows
   Vistaを搭載したPCの話です。マイクロソフト社は昨年10月にWindows 7 を発売しましたが、その際Vistaについてはbusinessを除き、
   2012年4月10日でサポートが終了するということで、なんとXP(2014年4月8日)より二年も早く、サポートが無くなってしまうようです。
   サポートが無くなるということは、セキュリティ面での不安やソフトウェアの対応が無くなるということですので、インターネットの接続や
   新しいソフトは使えなくなる可能性が高いです。ちなみに私の最も多用している私用のPCは未だに Windows 2000 だったりしますが、
   数ヵ月後の2010年7月13日で、サポートが終了するそうです。今後はCD/DVD焼き専用機や、古いゲーム用として残ってもらう予定。

   次期ホームページ作成用PCを選ぶために、いろいろと情報を集めているところですが、一応OSは Windows 7かXP ダウングレードと
   して、前回書いた条件に合うものを考えています。また経費処理の都合上予算は20万円まで、画像を加工するためのPhotoshopが
   そこそこ使える性能があることが条件です。なんとか現行の6930pも時々止まりながらも動いていますので、しっかりと研究して
   夏頃までには選んでいきたいと思っています。私の主義として、突然の良い出会いとか、偶然の安売りみたいな機会は逃したくない
   ので、意外な製品に突然決まるかもしれません。いつも情報を沢山集めて研究するのに、一昨年の車(レガシー・アウトバック)選びの
   ように、結局意外なモノに決まるのが、私の買い物パターンだったりします。研究の過程と意外性のギャップが楽しいのでしょうね。

   ノートパソコン選びで参考になるページを見つけました。Projectsmall なかなか本音で書いてあって面白いです。

3.11 最近の気になるパソコン事情(1)

   最近このホームページを作っているノートPCが、無線LANが頻繁に切れてしまったり、不規則にエラーが出て動作が止まる等という
   現象が出て、ホームページの更新に差し障りが出ています。もちろんウイルスチェックやドライバの更新は、欠かさないのですが・・・。
   完全に動かないわけではないので、なんとか動く内に次のPCを用意して、Windowsのクリーンインストールや故障箇所のチェックを
   したいところです。いままで使ってきたノートPCは、ヒューレットパッカード社の6930pという、とにかく手に馴染み、使用感の良いお気に
   入りのPCなのですが、ホームページ作成向きのノートパソコン選びや最近のパソコン事情で気になったことを書き留めてみました。

   ホームページの作成は、そもそもデスクトップPCが向きます。単体の液晶ディスプレイの方が画質の優れた製品を選べ、その場合は
   長時間の入力作業でも眼が疲れにくく、また写真をはじめ色調の正確さもノートPCとは比較にならない位です。それでもノートPCを
   使いたい理由はただ一つ、冬はコタツで作業とか・・・実はそんな理由だったりします。あっ!!針灸院に持ち込む理由もありました(笑)
   
   私の考えるホームページ作成用のノートPCの条件とは、
   ●長時間使用しても眼が疲れにくい・・・非光沢(ノングレア)パネルか、低反射コーティングが施された光沢パネル。
   ●作業エリアが広いこと・・・最低でもWXGA(1280×800ドット)以上、できればWXGA+(1440×900ドット)以上。縦の解像度重視。
   ●色調がある程度正確なこと・・・ホームページを別のPC環境で見たら、色が変だった等ということが無いように。
   この位の漠然とした基準から、6930pの後釜になるノートPCを選んでいくことにしました。
  
   先の条件に加えて、現行の6930pを使っていて、これは良かったという点や欲しい機能について、
   ●拡張バッテリーを付けると、少なくとも5時間以上は連続で入力が出来る。・・・バッテリーが長く持つのは結構ありがたい。
   ●キーボードの質が良く、使い心地が良いこと・・・キーを押し込むとたわみが出たりするのはパス。気に入った製品は長く使える。
   ●テンキーがあると便利・・・実はカナ入力しかできない私は、テンキーが無いと大変不便になってしまいます。(6930pは無し)
   ●ある程度の高性能と信頼性・・・長く快適に使うためには中級機以上で、国内メーカーもしくは世界的な規模のメーカー品。
   このあたりも考慮しながら、もう少しあれこれと書いてみることにします。
   

3.8 眼科での手術(眼内注射も含む)は本当に必要か

   千秋針灸院は眼科領域の患者さんが7割にもなるのですが、黄斑変性をはじめとした網膜疾患では眼内注射やレーザー等の手術を
   回避したいという相談が多くあります。多くの患者さんからお話を伺うと、患者さんの主治医や病院のスタンスが、とてもよく分かって
   しまいます。適切に針治療を行えた場合は、例えば黄斑変性等では眼内注射やレーザー治療は、余程状況が悪くない限りは必要
   ありません。しかし針治療は一般的では無いとしても、状況がそれほど悪くないのに、眼内注射等を勧められるケースが少なくない
   ようです。

   特に1.0近い矯正視力があったり、発症から数年以上経って新生血管は既に瘢痕化しているにも関わらず眼内注射(ルセンティス)を
   勧められたりするケースが最近目立っています。こうした場合には、例え眼内注射を行ったとしても、思うような効果は得られ難い
   ばかりか、必要とは思えない手術を医師に勧められるまま行った後、以前よりも大幅に悪化したケースもありました。ルセンティスを
   はじめとした新しい薬や手術法は高額な費用がかかることも無関係ではないと思いますが、副作用や合併症のリスクが高い新薬や
   手術は、慎重に適否を見極めた上で行うべきものです。

   関節リウマチや私の持病でもあるクローン病でも、レミケード等の遺伝子組み換えによる高価な薬剤(注射)が、ほとんど無症状にも
   関わらず勧められる場合もあり、他に有効な治療手段の無い場合に限られるという本来の適応から外れ、安易に選択され過ぎて
   いる現実もあります。ルセンティスやレミケードを医療機関の収益と考える医師がいる一方で、セカンドオピニオンとして別の医師に
   診察していただくと、「私ならこの状況で手術はしない」「行うべきではない」とはっきり明言される医師もあり、正しい医学情報を基に
   患者さんの立場から診断していただけ、必要の無い手術を回避して結果的に良好な回復を得られたこともありました。

   副作用や合併症のリスクが高い新薬や手術を勧められた場合、緊急(例えば網膜動脈閉塞や急性緑内障など)を除いては、別の
   医師に意見を求めるべきです。できれば収益にあまり関係の無い大学病院や公立の医療機関が良いと思います。特に必要とは
   思えない新薬や手術を勧めるのは、ほとんどが個人の医院や私立の専門病院だからです。ただし個人の医院や私立の専門病院
   には優れた医師も多いので、本当に病院選びは難しいところです。

   どんな治療もリスクはありますが、複数の医師の意見を聞き、内容をよく調べた上で、最終的に治療法を選ぶのは患者さんです。
   私は医師ではありませんので診断はできませんが、権威や医薬品、コンタクトレンズといった医療業界の利害には関係なく、
   眼科領域を専門として針治療を行っている立場から、良いアドバイスができたらと思っています。

3.1 医学書にも載っていない事実

   私の持病であるクローン病に類似した、潰瘍性大腸炎というという病気があります。この病気は主に大腸の病気なのですが、全身の
   様々な合併症が知られています。眼科領域においても角膜や虹彩の炎症といった、前眼部の合併症が報告されています。ところが
   当院の患者さんと、その親族の方を含めると5名以上で、網膜の病気である黄斑変性症が合併しているという事実が分かりました。

   当院へ来院された潰瘍性大腸炎の患者さんは、これまで十数名ですが、そのうち3分の1程の方で黄斑変性症が合併している事は
   異常な話です。当院での類似したクローン病の患者さんは、潰瘍性大腸炎の倍以上ありますが、黄斑変性症の合併は見られない
   からです。患者さんが服用されている薬も、ペンタサやサラゾピリンという同様の薬ですので、薬の副作用とは考えられ難いのです。

   ところで東洋医学においては、黄斑変性、潰瘍性大腸炎、クローン病には病名を超えて共通する「証」≒体質があります。これらの
   病気に共通する「脾胃虚弱」という体質を持つ方の中に、黄斑変性と潰瘍性大腸炎を合併している例が見られることは、不思議では
   ありません。病名ばかりでなく、「脾胃虚弱」という体質に目を向けると、合併を説明できる事に加えて、治療法も定まってきます。

   黄斑変性と潰瘍性大腸炎については、どちらが先に発症するかは分かりません。潰瘍性大腸炎との診断がつかなくても、過敏性
   腸症候群や何らかのストレスがかかると消化器系の症状が起こるのは、程度の違いはあれ同質のものです。黄斑変性を発症した
   方で、消火器系の症状を持つ方は半数以上(当院調べ)にもなります。東洋医学で説明する「脾胃虚弱」という体質が、全く別の
   病気の発症に関わっているということを示す例です。ただし発症された全ての方が「脾胃虚弱」ということではありません。

   また潰瘍性大腸炎は前眼部の炎症といった合併を伴い易いのですが、コンタクトレンズ(CL)の使用は前眼部の炎症を増幅し易い
   ので、最小限の使用時間とされることをお勧めします。また若年性黄斑変性の多く(当院の調べで9割近く)にも、CLの長期装用が
   関与する可能性が高い事が分かっています。現代医学と東洋医学の知識が結びつくと、思いがけない事実が見えてきますね。   

2.18 血圧の不思議と東洋医学

   なんとなく仕事中に手首で測れる血圧計で血圧を測ってみたら、なんと何回測っても上が155以上、下が120以上もあり、脈拍は
   80前後でした。手首で測る血圧計は必ずしも正確な数値ではありませんが、壊れているわけではなさそうです。もしかして結構重い
   高血圧かも・・・。このままでは血圧降下剤を飲まなくてはいけないかも・・・と一瞬思いましたが、朝方起床時に測ってみることにしま
   した。結果、起床時の血圧は、上が125程度、下は105程度、脈拍は55前後ということが分かりました。仕事の時間中は気合いが
   入っているということでしょうか。
   
   血圧は状況や時間帯によって大きく変わることが知られていますが、最高(収縮期)血圧で30、最低(拡張期)血圧で15、特に運動
   時でなくても脈拍で20以上変わることが分かりました。千秋針灸院の患者さんの中には、高血圧と診断されて、血圧降下剤を服用
   されている方もあるのですが、普段は高くないのに病院で測ると血圧が高くなる、いわゆる白衣高血圧と思われる方もあります。
   この場合、血圧降下剤を服用すると時々低血圧による「めまい、ふらつき」が生じてしまいます。低血圧が分かり次第、患者さんに
   指摘して、医師から薬を減らしたり無くしたりするようにしてもらいますが、不必要な薬を飲み続けている方が、かなりあるようです。

   私の起床時の125-105という血圧ですが、明らかに最低血圧は高すぎます。最低血圧とは心臓の拡張期の状態を意味しますが、
   最低血圧だけが高い場合、多くは太りすぎのため心臓が拡張し辛くなっていることが原因のようです。つまり痩せられれば血圧の
   降下剤は必要無いということです。針灸院の仕事から帰ってから食事を摂るのですが、毎晩10時過ぎという生活を続けてきたのが
   問題だったようなので、今後は夕食の量を大きく減らして無理せず痩せようと思いました。痩せることが悪化時のリスクに繋がる
   クローン病の持病のため、「太め維持」(笑)の方針でしたが、修正が必要になりそうです。

   さて、以前から少し気になっていたのですが、血圧、脈拍とも状況や時間帯でこれだけ大きく変わります。東洋医学(中医学)では
   脈の速さ(速い・遅い)や脈状(硬い・柔らかい・大きい・小さい等)を脈診として、鍼の流派にもよりますが重要と考えています。
   しかし同じ人でも血圧や脈拍が、これだけ大きく変わってしまうことは、当然ながら脈診の見方に対して配慮が必要になります。
   特に脈診のみに大きく頼るような診立てには、十分な注意が必要と思われます。様々な状況から起こる血圧・脈拍の変化に対し、
   東洋医学における脈状や診立てへの影響はほとんど研究されていないはずです。
   
   また、血圧降下剤をはじめ、現代人は多種多様な医薬品を服用する場合があり、こうしたことは東洋医学が大切にしてきた脈診や
   舌診、体表の様々な状態に少なからず影響を与えています。東洋医学のプロである私たち治療者も、現代医学や医薬品の影響を
   正しく理解しないと、良い治療は難しくなることでしょう。眼科領域だけでも深く学んでいくと、つくづく感じることですが、鍼灸院での
   治療の結構多くが、「治療者や患者さんの思い込み」の部分がある一方、現代医学の知識の無さから「過小評価」されている事も
   気づかされます。進歩し続ける現代医学に対して、別世界の感もある東洋医学界ですが、私も含めて「無知」であることを自覚して
   日々努力を続けていかなければなりませんね。

   小児眼科と針治療を更新しました。

2.10 アントシアニン(ビルベリーでなくても大丈夫)

   2.9付けの中日新聞に、「ビルベリー色素が効果」という見出しで、ブルーベリーの仲間であるビルベリーに豊富に含まれる色素の
   アントシアニンが、血糖値の上昇を抑える作用があるという話です。糖尿病や糖尿病性網膜症への応用が期待されるところです。
   ブルーベリーは昨年にも、岐阜大学から視神経保護の作用が報告され、緑内障等への治療に役立てられる可能性が伝えられて
   います。ブルーベリーは昔から目に良いとされていましたが、最近の研究では目に良いことを裏付ける結果が次々と出ていますね。

   ところで私の趣味の一つはブルーベリーの栽培だったりします。最近は本業の針灸が忙しく、気分転換程度しか触れていませんが
   庭の鉢植えと畑で約200本を栽培していて、毎年20〜30キロは収穫できています。何の因果か、ブルーベリー栽培にハマった頃
   から眼科領域の治療が大きく進歩したのですが、もしかしたらブルーベリーの神様が治療の後押しをしてくれたのかもしれません。
   偶然とは思いますが、不思議な縁を感じる話です。ブルーベリーは果樹なので、結構放ったらかしにしていますが、もう少し手を
   かけて大切に育てていきたいと思います。

   それからビルベリーですが、日本の気候では育てることができません。しかしアントシアニンの色素は、普通のブルーベリー等にも
   十分に含まれています。ビルベリーの名前に拘らなくても、ブルーベリーや他の果実にもアントシアニンは含まれていますから、
   サプリメント等で摂りたいと思う方は、ビルベリーの名を気にしなくても大丈夫です。手頃で入手し易い商品を選んで下さい。

2.4 納税に行ってきました。

   子どもを保育園に送った流れで、一宮税務署へ納税に行きました。2月16日からは確定申告が始まるため、納税の書類を作成する
   人で、駐車場も館内も満員でした。今回、税務署に出かけたのは、事業用に用地を取得したため、納税が必要になったからです。
   受付から書類作成まで30分程待たされた後、パソコンを使って15分ほどで書類を作成して納税できました。今は確定申告も
   パソコンで行えるそうなので、毎年手間のかかる申告も慣れれば楽になると思います。嫁さんが進めている千秋針灸院の青色
   申告の作成作業は今が山場、邪魔しないように応援しています。

1.31 難しい眼科領域の相談が増えています。

   今年で眼科針灸を唯一の専門とすることを宣言してから4年目ですが、非常に稀な病気や現代医学でも難易度の高かったり、治療
   方法の無い病気の相談が増えています。私は眼科領域に絞って現代医学や中医学を専門に学んでいるため、病気自体ある程度
   理解はできますし、類似する疾患の治療実績から針治療の効果を予測することもできますが、毎年眼科領域だけで延べ3.000名の
   患者さんを診せていただいていても、正直なところ現在の知識や経験で、ギリギリの対応という所です。針の治療方法は限られて
   いますので、元々難しい病気や症状の場合には、必ずしも良好な結果ばかりではありません。しかし針治療で難しい病気や症状が
   改善していく症例に接していると、私も大きな勇気をいただいています。

   眼科領域の治療だけでも、これだけ要望がありますので、私は「いったい日本の鍼灸は、何をして来たのか」と思ってしまいます。
   現代医学の専門分野を医師並みに学び、鍼灸治療の効果を現代医学から検証して、薬物・手術療法とは別のアプローチ法として
   生かしていけば、鍼灸治療はもっと多くの患者さんに役立てられるものになったはずです。中国ではある程度できていますので、
   日本の鍼灸が怠慢なのだと思ってしまいます。提携治療院の無い地域の患者さんが地元の治療院へ問い合わせても、断られて
   しまうことが多いそうですが、少なくとも中国並みに教育を受けて鍼灸の可能性を知っていればと思うと、私は残念でなりません。

   毎年5.000名が養成学校を卒業し、鍼灸師は過剰といわれていますが、医学の各分野の専門領域に対応できる鍼灸師は、まだ
   ほとんどいないと言ってもよい位です。日本では卒後の教育課程もなく、自分で専門分野を学んでいき、一から開拓していく他は
   ありませんが、薬の副作用や手術のリスクも無い効果的な治療法は、多くの患者さんが待ち望んでいるものです。私では眼科
   領域への対応がやっとですが、これからの若い鍼灸師の方はぜひ医学の様々な分野で、本物の専門性を発揮して貰えたらと
   思います。院内で私が直接指導できる鍼灸師の方は限られてしまいますが、専門領域の開拓者になって欲しいと願っています。   

1.17 今年は雪が多いですね。

   今年は正月から始まり雪が多く寒い日が続きますね。休日も寒く雪も多いならと気持ちを切り替えて、出かけてみることにしました。
   ちょうど1年前にスタッドレスタイヤを購入しましたし、車もレガシー・アウトバック(四駆)なので、東海北陸道を北に向かって走って
   みました。美並あたりから雪景色が始まり、郡上八幡を超えて目標の白鳥インターあたりは1メートルを超える銀世界です。白鳥の
   道の駅に寄って、積もった雪原で子どもと雪遊びを堪能してきました。半日で帰って来れる距離で、冬の遊び場を確保できました。
   不安だった雪道も、四駆車+スタッドレスなら安心感がありますね。

   昨年報告した若年性黄斑変性の統計症例報告もあり、黄斑変性の新規患者さんが増えています。若年性黄斑変性については、
   昨年の報告までの過程から、非常に多くのことが分かってきていますので、眼科領域の疾患の中でも特に的確な説明ができると
   思います。また鍼治療を続ける上でポイントになる治療の間隔も、矯正視力が比較的高く病状が安定しており、変視(歪み・暗点)
   領域が小さい場合には、最初から週1回というケースも多くなりました。これまで来院していただいた患者さんの良好な結果が、
   これから鍼治療を始められる患者さんに生かされ、治療家としての私自身も成長させていただいています。

1.6 明日から仕事はじめです。

   1日〜4日までは、名古屋と高砂(兵庫県)の親戚まわりでした。特に高砂は2年振りで、5才になった息子を連れていくことができ
   ました。いろいろとお世話になり、私も久しぶりにゆったりと楽しく過ごして、リフレッシュさせていただきました。

   昨年もいろいろな患者さんとの出会いがありました。今年もどんな患者さんとの出会いがあるか、とても楽しみです。眼科領域の
   治療を通して、時には悩んだり壁に突き当たったりしながらも、患者さんと共に進んでいけたらと思っています。   

   今年の当院のテーマは緑内障ということで、早速手持ちの専門書の読み返しをはじめています。今年上半期は専門書を中心とした
   情報収集で緑内障への理解を深め、下半期でカルテや測定データの読み取りや統計化、最終的に統計症例報告としてレポートを
   目指します。今年で少なくとも緑内障への針治療の効果と可能性を、数値としても明らかにしていくつもりです。

   緑内障の攻略開始に先立って、緑内障への針灸治療を更新しました。

1.1 あけまして、おめでとうございます。

   今年で針灸院日記も10才になりました。このホームページを始めた頃は、まだブログという名称は一般的ではありませんでした。
   10年前のインターネットは、ようやくISDNによる常時接続が一般化した時期で、個人の針灸院のホームページなどは、ほとんど
   無く、得られる情報も限られていました。現在は針灸についてだけでも、何が本当か分からなくなる程の情報を得ることができる
   時代です。今年も千秋針灸院は、眼科針灸専門治療院だからできる、本物の情報を発信していきます。

   インターネット上の数ある治療院のホームページの中から、千秋針灸院のページにお越しいただき、本当にありがとうございます。
   皆様にとって、今年が良い年でありますように。