網膜色素変性症    更新日   14.9.21     1.019 本文へジャンプ


網膜色素変性、錐体杆体変性、錐体ジストロフィ

●統計症例報告(Web公開・電子書籍版) 網膜色素変性への鍼治療 2012.12.24 
・来院された140名以上の患者さんのデータより、眼科医学に基づく測定・評価から科学的に統計化した報告です。全体を通して、網膜色素変性や鍼治療の実際を理解していただける内容を目指しました。

●統計症例報告(Web公開版)
 中医学による網膜色素変性症への鍼灸治療  2008.10.1

○現代医学での概要と当院の針灸治療 
○中医学での捉え方と中国国内で行われている治療法
○千秋針灸院で行う治療法について 
○当院での治療効果の実際 
当院での症例報告
○患者さんの声から
○患者さんからよくある質問 
○院長からひとこと 
○医薬品による副作用情報 
○関連製品のご紹介、関連リンク 

現代医学での概要と当院の針灸治療


・網膜視細胞の中でも特に杆体が進行性に変性する疾患の総称で、視細胞関連蛋白の突然変異が原因です。一般に網膜色素変性(RP)は、多くが20歳代までに夜盲、求心性視野狭窄等が発症し、視力低下も徐々に進行します。眼科では遺伝が関連する網膜変性のため効果的な治療方法はなく、経過観察のみとされるケースも多くなります。白内障、緑内障、黄斑浮腫等の合併が多く、網膜への色素沈着、視神経の萎縮、網膜動脈の狭窄もみられます。無色素性色素変性も存在し、色素変性の初期の状態と考えられています。

・非定型の網膜色素変性(RP)症として、白点状網膜炎、片眼性RP、区画性RP、中心型RP、傍中心型RP、色素性静脈周囲網脈絡膜萎縮、Leber先天盲、青錐体増幅症候群等があります。以前は小児期には多くが夜盲として診断されていたものが、最近の検査機器等の進歩により、10歳未満から診断が付く場合もあります。また進行の程度には大きな個人差があり、中年以降に急激に進むケースも多くあります。

・最近開発された網膜の断面を診ることのできるOCT(光干渉断層計)によって、網膜色素変性の新しい病態が明らかになっています。特に従来の眼底写真では分からなかった小型の嚢胞様黄斑浮腫(CME)は十代から発症がみられ、加齢と共に大型化して変視(視界の歪み)を生じ視力を低下させるケースが少なくありません。眼科で処方されることのあるレスキュラ点眼薬や、今後期待されている網膜色素変性治療薬のオキュセバ点眼薬は、共にプロスタグランジン関連薬でありCMEを発症・悪化させる副作用を持ちますので、使用する場合には少なくともOCT検査でCMEが生じていないことを確認することをお勧めします。

・網膜色素変性症は視神経の萎縮や網膜上の血管が徐々に細くなり閉塞していくこと等から、変性の進行に伴い徐々に網膜が機能不全となり、最終的には網膜の細胞が死滅して視機能が失われていくものです。しかしながら網膜の細胞が死に至るまでには、これまで考えられているよりも長い時間がかかり、視野検査で失われていると思われた視野欠損部の細胞は機能不全を起こしているに過ぎない場合も多く、適切な治療により網膜の血流を確保することで、ある程度まで回復できる可能性があるようです。

・網膜変性が完了し完全に死に至った部分の細胞は再生することはありませんが、進行する前にできるだけ早く治療を行うことで、機能不全部の回復と共に進行を大幅に遅らせることが可能になると考えられます。当院の針治療では、特に局所(眼底を含んだ目周囲)の血流改善を目的に治療に取り組んでおり、実際の臨床結果から以下のように推測を立てています。また最近の中国での医療機関の臨床からも当院の推測を裏付ける結果が出ており、ほぼ確実な内容です。
(特定経穴への鍼刺激による眼底血流量の改善は、全日本鍼灸学会で報告されています。)

・網膜色素変性症については疾患の進行により、網膜部位で
@既に大部分の変性が完了した部分(変性完了部位) ←完全な変性で回復の可能性は無い部分です。
A変性が現在進行している部分(機能不全部位) ←針治療により回復する可能性があると考えます。
B変性を起こしていない部分(健全部位) ←健全になることで、視力・視野の改善に役立つと考えます。

が、症状の個人差に合わせて、同時に連続的に存在していると考えられます。

・適切な針治療により頭頚部や眼周囲の血流を改善し、眼底の血流にも影響を及ぼすことで、視細胞(杆体細胞)や視神経が活性化して、視力や視野に関しては主にA、Bの部位の状態が改善しているものと考えられます。実際の臨床例として治療を始めると
視力については向上し、視野に関しては一定度までの改善後、足踏み状態となる症例が多く、当院ではこの時期からは針治療の目的を状態の維持へと切り替えていきます。

・千秋針灸院に来院された患者の皆様の治療結果などについて、
「網膜色素変性への鍼治療」を、Web公開版・無償の電子書籍として出版しています。
PDFファイル形式ですので、どなたでもダウンロードして読んでいただけます。

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中医学での捉え方と、中国国内で行われている治療法


・網膜色素変性症は高風雀目に相当する。進行すると青盲に変わり、失明に至る。
先天の禀賦不足、肝腎の不足、肝鬱気滞、脾の運化失調等から目が栄養されないために起こる。補益肝腎、健脾舒肝、活血通絡の治療を主とする


・中国での中薬(漢方薬)・針灸を併用した治療 (参考)
2〜3ヶ月での視力改善(2ポイント以上)は54.5%、視野改善(5度以上)は46.2%。(後期RP患者100例の経過)
  『中医臨床・2005年9月号』

・中薬(漢方薬)のみで治療した場合は、患者さんごとの「証」(体質)に合ったものを選べているという前提であれば血流改善薬以上の効果が期待できます。しかし全身に穏やかな効果(血流改善等)を期待はできるもの、針治療のような目周囲に限定した強い効果は期待できません。中国の患者さんは通院時に病院内で針治療を行い、体質に合った中薬を処方されて服用する治療となっています。当院の針治療の例では場合によって、初回の治療終了時に患者さん自身で自覚できる程の効果が得られることもあり、針治療が有力な治療法であることを示唆しています。

・中国の眼科医療機関では網膜での血流改善を目標に、針灸・中薬・薬物・手術等、様々な取り組みが積極的に行われています。網膜に十分な血流を確保して健全性を可能な限り保つという考え方は、当院の針治療とも共通する部分があります。
網膜色素変性は中国では緑内障や黄斑変性などのように、病院で普通に治療が行われている病気です。中国の眼科医療を正しく検討するためには眼科学の知識に加え、針灸や中薬の理解に必要な中医学、更に医学中国語を理解する必要があります。私は眼科領域を専門的に学んでいる上、上海への留学経験があるため、ある程度理解することが可能でした。

・中国各地で取り組まれている網膜色素変性症の治療を批判されている個人、団体がありますが、中国にも約35万人もの患者さんがあり、積極的に進行を抑制するための治療が行われている事実は、治療を半ば放棄している日本の現状に比較し、前向きなことは確かです。日本の眼科医学会や患者団体は中国を含めた海外の状況を正しく分析・評価して、良好なものは日本の眼科医療へ取り入れる努力をする必要があります。しかしながら問い合わせは多いのですが、中国における手術法については、中国での眼科学の専門書などの記述からも確実な治療方法ではなく、安全性の面からもお勧めできません。

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千秋針灸院で行う治療法について


○当初は週2回(3ヶ月間)の治療を行った後、良好な状態維持への治療間隔(週1回以下)へ移行します。
(視力低下や視野狭窄が軽度な場合は、当初から週1回の治療で十分な効果が得られる症例もあります。)

○従来の針治療を見直し、眼窩内(深部)への刺針を行わない安全な独自の治療法に改良しました。
(網膜色素変性に対応する安全な治療法を開発し、治療開始初期から効果が得られ易い治療です。)

(女性や子どもさんの目の周囲は特に細い針を使用しますので、痛みや内出血もほぼありません)

・患者さんごとの証(体質)や症状の重さにより若干変わりますが、後頚部、背部、下腿、目周囲の経穴に針をします。治療開始当初は、視力や視野が向上し、状態が安定するまでは週に2回(3ヶ月程度)、その後は視力や視野が維持できる治療間隔として、週1回〜隔週1回程度へ治療間隔を切り替えていきます。

・時々問い合わせがあるのですが、従来治療効果が高いとされた眼窩内(深部)刺針は出血の恐れが高いため、当院では通常用いることはありません。眼窩内へ刺針を行わなくても後述のように充分な効果が得られています。上海では実際に眼窩内刺針により効果を上げているのですが、効果が早く現れることと引き替えに内出血により目周囲が腫れてしまう確率も高く、眼圧が上昇する等の問題が起こりますのでお薦めできません。2006年から採用している当院の改良された治療法は、眼窩内刺針と比較しても効果は十分にあり、目周囲が腫れたり眼圧が上昇する可能性が無いため安全です。

・遠方から来院される患者さんが増えていますので、一部の地域から提携先治療院と当院が連携した治療方式を始めています。当院への来院回数は数ヶ月に一回と少なく済みますので、当院へ通院するのに比べ経済的・時間的な労力を少なく針治療を受けることができます。   眼科領域の難病治療を提携治療院で

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○当院での治療効果の実際


○多くの場合に治療開始から1ヶ月程度で、視力や視野の改善の始まりが確認できます。
(週2回の治療を行い、当院の視力表・鈴木式アイチェックチャートの測定結果によります。)
(治療開始から概ね1ヶ月以内で、半数の方で視野拡大の始まりが確認できます。)


○視力や視野の向上・拡大は測定可能な場合(測定不能例を除く)の半数以上の方で確認。
(当院の統計症例報告 
中医学による網膜色素変性症への鍼灸治療 を参考にして下さい。)
(最新の報告である「網膜色素変性への鍼治療」でも、詳しく解説しています。)

○眼がチカチカする、光が眩しい、といった諸症状は数回程度の治療で緩和するケースが多いです。
(このような症状は色素変性の進行期に発生し易いようです。針治療の開始をお勧めします。)
(服用されている医薬品が関与している場合がありますので、来院時にお問い合わせ下さい)


○現在まで当院で治療中に進行例は少なく、適切な間隔で治療した方では概ね維持できています。
(概ね5年以上は良好ですが、10年以上の長期間の効果は未確認です。効果には個人差があります。)

(適切な治療間隔で治療できない、問題となる医薬品の服用、特殊な生活環境等では例外があります)

○特に20代までの方や発症・進行からの時間が短い場合は、非常に有力な治療法と思われます。
(10才未満の方で診断された場合には強くお勧めします。週1回の治療で大きな効果が見られます。)


・網膜色素変性については、10才未満〜70才代の方まで幅広い年代の症例を治療する機会をいただきました。これまで来院された150名の患者さんは針治療の結果、10才未満の方では針治療の効果は極めて高く、週1回の治療を続けることで視力や視野の向上はもちろん、薄暗い環境等で怖がらなくなる等の複数の症例があります。

・20才代までの方の回復も良好で、1ヶ月程で視力・視野の向上が確認でき、早期に大きな効果が得られています。30才代以降では視力・視野の向上が確認できるまでの期間は年齢に応じてやや延び、改善する幅もやや少なくなりますが、諸症状や日常生活の不便さ等は改善されています。

・また発症からの経過時間が短く、視力低下や視野狭窄がさほど進んでいない場合には、年齢に関係なく大きく改善する傾向があります。当院の視野測定で1ヶ月以内に治療開始当初に比較して、直径で50%以上、視野面積比で倍以上になり、実際に非常に見やすくなったという症例も出ています。効果に個人差はありますが、早期の治療開始が重要になるようです。

・当院の結果から、特に進行の進みやすい20才代までに適切な針治療に取り組むことで、かなり効果が上がるものと思われます。30代以降の方でも当院通院期間中(5年以上)に進行(悪化)を確認した例はほとんどなく、当院測定では視力・視野の向上・維持を認めます。年齢に関わらず「治療開始前に比べて見やすい」と自覚できる方が多く、少なくとも進行を遅らせたり止めたりして、改善の量に幅はあるものの視力・視野を向上させる効果はあるようです。

・当院は網膜色素変性症について、鍼治療としても、また治療や進行の予防に有効な治療法としても、国内初となる当院症例報告(Web公開版) 中医学による網膜色素変性症への鍼灸治療 を公開しています。また千秋針灸院に来院された患者の皆様の治療結果などについて、「網膜色素変性への鍼治療」を、Web公開版・無償の電子書籍として出版しています。PDFファイル形式ですので、どなたでもダウンロードして読んでいただけます。

・今後も引き続き、より多くの症例数や長期に渡る経過等の症例報告をまとめながら、網膜色素変性への鍼治療の有効性を確認していきます。これまで来院していただき、勉強させていただいた多くの患者の皆様に感謝いたします。

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○当院での症例報告


・網膜色素変性症は特定疾患(難病)のため、通常眼科医は疾病の改善に否定的であり、客観的な診断をいただけない場合があり、同時に治療の道も閉ざされてきました。千秋針灸院では可能な限り正確で再現性の高い、客観的に測定できる方法を積極的に取り入れた治療を行っています。当院で針治療を行った、前期、中期、後期の患者さんの症例を、特に優れた結果ではなく、標準的な症例の測定結果からご紹介します。

・千秋針灸院での測定・評価法について、詳しくは眼科針灸の測定・評価法をご覧下さい。

症例@ 40代 前期・網膜色素変性症

鈴木式アイチェックチャートを使用し、平面視野計法での4点法(上・下・左・右)による視野測定。
青線は初診時、赤線は6ヶ月経過時の明瞭に見える4点(上・下・左・右)を結んだもの。



青線は初診時、赤線は3年経過時の明瞭に見える4点(上・下・左・右)を結んだもの。


初診時・視力 右0.4、左0.7 平均視野 右11.0度、左10.5度  上方向を除く3点の平均視野
6ヶ月後・視力 右0.9、左0.7 平均視野 右15.0度、左15.0度 上方向を除く3点の平均視野
約3年後・視力 右0.9、左0.8 平均視野 右15.5度、左14.5度 上方向を除く3点の平均視野

・約5年前に網膜色素変性の確定診断となりましたが、20才頃から夜盲症に気が付いており、発症は30年以上前と考えられる症例です。視力はやや低下していましたが視野は10度以上残っており、網膜色素変性の進行は比較的緩やかといえます。針治療を開始したところ視力・視野共に大きく改善し、約3年経過した現在も維持できています。網膜色素変性症の針治療は視力低下や視野狭窄が進行していない症例ほど、大きな改善が得られやすい傾向がはっきりしています。

症例A 50代 中期・網膜色素変性症

鈴木式アイチェックチャートを使用し、平面視野計法での4点法(上・下・左・右)による視野測定。
青線は初診時、赤線は6ヶ月経過時の明瞭に見える4点(上・下・左・右)を結んだもの



青線は初診時、赤線は2年経過時の明瞭に見える4点(上・下・左・右)を結んだもの。


初診時・視力 右0.5、左1.0 平均視野 右7.5度、左7.5度 
6ヶ月後・視力 右0.7、左1.0 平均視野 右12.0度、左10.9度
約2年後・視力 右0.6、左0.9 平均視野 右12.8度、左13.5度


・確定診断は約12年前ですが、小児の頃から球技等でボールが飛んでくるのが分からなかったということで、小児期から発症していたと考えられる症例です。視野狭窄は中程度まで進行していますが、視力は白内障を合併しているものの比較的良好に保たれていました。針治療を開始してから視野は確実に向上し、約2年が経過しても十分維持しています。当初からの白内障の合併により、視力こそ大きな変化がありませんが、確実に視野の改善は得られた結果となりました。

症例B 60代 後期・網膜色素変性症

初診時・視力 右0.02、左0.04 視野は中心及び周辺に僅かに残る程度、当院では測定不能。
6ヶ月後・視力 右0.1、左0.08 当院での視野測定はできないが、様々な日常の困難さは軽減。
約2年後・視力 右0.15、左0.08 視野測定はできないが、視力は維持しており、当初より見える。


・小児の頃から夜盲があり、約35年前に網膜色素変性の確定診断が付いている症例です。既に視野の大部分にまで狭窄が進んでおり、当院の鈴木式アイチェックチャートでは測定不能(中心視野0度)、視力も眼科検査で両眼共に0.02という状況で当院へ来院されました。2週間ほど経った頃から若干見易くなり始め、3ヶ月後には右眼は0.1まで回復しました。その後も治療を継続され、治療開始から2年後経過した現在、向上した視力を維持できています。かなり進行した網膜色素変性の為、視野の明確な改善は確認できないものの、当面失明の心配は無くなり、日常生活上での困難さは軽減しています。

・様々な年齢層や進行度合いの異なる症例をご紹介してきましたが、網膜色素変性症については、適切な治療間隔で治療ができていれば、どのような状況の患者さんでも基本的に針治療は有効です。千秋針灸院では希望される全ての患者さんに、治療方針を記載したカルテの写しや測定結果をお渡しできますので、提携治療院をはじめとした全国各地の治療院で、針治療を始めることができます。
(強い紫外線や体力の消耗する環境などでは、改善が得られない場合もあります。)
(治療者の実力や治療法が異なれば、針治療の結果も異なることはご了承下さい。)

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○患者さんの声から


○薄暗がりでの不安が無くなった、動きやすい(多くの方)
○視野が広くなっていることを感じる(多くの方)
○眩しさやチカチカする感じが和らいだ(多くの方)
○ぼんやりとしていた視界が、はっきり見える(多くの方)
○運転はしていないが、免許の更新ができた(多くの方)

○色の判別がつくようになった(後期RPの方)
○目の開閉で明るさの違いが分かる(後期RPの方)
○大きく改善したわけではないが、進行は止まった感じがする(後期RPの方)
○初めて孫の顔が見えた(後期RPの方)

○星が見えるようになった(初期RPの方)
○映画や舞台が楽しめるようになった(初期RPの方)
○夜間でも外出の不安が無くなった(初期RPの方)

○視力が出るようになった(初期RPの子どもさん)


・現在では患者さんの人数、改善した幅も大きくなったことから、様々な話をいただけるようになりました。視力や視野といった測定結果だけではなく、目の疲労感や見辛さの軽減といった症状の、「見え方の質」として自覚できる改善が得られることも針治療の特徴です。ただし全く健全な状態に戻る訳ではなく、患者さんの声からは「大きく悪化する前に戻った」、「数年前位の状態」という感じです。

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○患者さんからよくある質問


Q 針治療により色素変性が治るのですか? もしくは進行を遅らすことはできますか? 

A 現在までのところ、色素変性症はどのような治療方法でも完全に治せる(治癒する)わけではありません。
・当院の考察では針治療でも完全に変性が完了している部分は回復できないと結論づけています。しかし失われている視野の全てが=完全に変性が完了している部分、では無いことから、多くの方で一定度まで実際に視野が拡大する現象を確認しています。他にも視力が向上するケースや眩しさ、チカチカする等の諸症状は軽減されます。また多くの場合に、視力・視野などで一定度の改善が得られることは、その分進行が遅れることを意味し、進行にブレーキがかかることから、5年、10年といった長期間の治療継続は大きな意味を持ってくると考えられます。当院の臨床からは、適切な鍼治療は進行速度を1/3程度に抑えることが分かっています。詳しくは以下の統計症例報告をご覧下さい。


・千秋針灸院に来院された患者の皆様の治療結果などについて、
「網膜色素変性への鍼治療」を、Web公開版・無償の電子書籍として出版しています。
PDFファイル形式ですので、どなたでもダウンロードして読んでいただけます。


Q 千秋針灸院で視力や視野の測定で効果が出ている場合に、病院等の診察でも同じ結果が得られますか? 

A 視力は眼科と同等の測定ですので、病院での診断でも同様な結果が得られることを確認しています。

・当院の視力測定はランドルト環(C)の白黒を反転可能な、弱視や色素変性症の方に最適な測定器を使用していますので、眼科での通常の測定(5M離れて行う検査)が難しい方でも、普通に測定することができます。当院の測定器は公式に0.03から測定可能なため、0.1未満の視力の場合には当院の測定結果が正確な場合もあります。


・当院の視野測定については、方眼紙様のチャートから患者さん自身に見える部分を申告していただく方法です。実際に見えている部分を申告していただくため、視力の比較的高い部分については、実際の視野感覚に合った測定・評価が可能です。ただし病医院で行われることが多いゴールドマン視野計(光を見つける検査)とは異なりますので、必ずしも同一の結果を示すものではありません。また特定疾患に指定されている難病のため、たとえ患者さんが視野の拡がりを自覚できていたとしても、通常医師には良くなったという診断はいただき難いです。

・千秋針灸院や提携治療院での治療については、自覚できるご自身の状態と、当院の測定法 眼科針灸の測定・評価法 での測定結果から効果の有無は容易に判断できるものです。しかし測定・評価を行っていない一般の治療院では効果の根拠自体が乏しく、効果があるとWeb上に書かれていても、本当に良くなっているかどうかは自覚のみに頼ることになります。針治療は一定度の改善や進行の抑制に効果的ですが、確かな結果が得られる治療院を選んで下さい。

Q 鍼治療は網膜色素変性症に効果がありそうですが、どこの治療院でも同じ治療は受けられますか?

A これまで眼科領域に力を入れた治療院は一部の大都市圏に限られ、遠方の患者さんは実質的に治療の継続が困難でした。当院が提案する眼科鍼灸ネットワークは、継続した治療をサポート可能です。

・当院でも遠方から来院されている患者さんを、どのように治療していくかは最も大きな課題です。そこで当院では治療法や測定方法を公開して、全国で実力があり眼科領域の鍼治療に協力していただける治療院さんと眼科鍼灸ネットワークを作り、遠方の患者さんへ距離の壁を越えた可能な限りの治療ができる体制を目指しています。提携先治療院での治療方法は当院と完全に同一ではありませんが、当院の治療法や治療方針を参考にしていただき、また医学的な根拠に基づいた測定により鍼治療での「結果」が得られるよう努力しています。

・また提携治療院が無い地域についても、当院の治療方針を記載したカルテの写しや測定結果をお渡ししていますので、全国の鍼灸治療院で治療を受けることは可能です。ただし針治療で得られる結果は、患者さんの状態や通院状況、治療者の実力や治療方法によって異なってきますので、必ずしも当院で報告している結果が得られるかどうかは分かりかねます。通院が可能であれば、当院もしくは提携治療院への通院をご検討下さい。

Q 針治療はルテインや漢方薬、星状神経ブロック、アダプチノール、レスキュラ等との併用は可能ですか?

A 他の治療法との併用は特に問題はありませんが、一部の医薬品には注意が必要です。

・針治療は薬物ではなく、患者さんごとの体質や症状に合わせて、最適なツボに必要な刺激を与えることで、誰もが本来持っている自然治癒力を引き出す治療法です。このため基本的に他の治療法と併用されても通常は問題ありません。針治療を併用することで薬物は通常効き目が増すようです。(緑内障やバセドウ病等、他の疾患でも同様です) サプリメントや漢方薬だけで効果が実感できなかった方も、当院の針治療を受けられる場合は続けてみて下さい。

・ただし、一部の医薬品については、視野狭窄を進行させたり、眩しさ等の症状を強めてしまう場合があります。詳しくは 医薬品による副作用情報 を参考にして下さい。例えばステロイドは視野狭窄や網膜浮腫、アダプチノールは眩しさを増強させて頭痛などの原因となる場合があります。特にステロイド系医薬品の内服は、長期に使用することで回復不可能な障害を網膜に与える可能性が高いので、花粉症等の治療で知らない内に服用しないよう気をつけてください。眼科医も含めて担当医師にもよりますが、副作用に関しては意識の低い先生が少なからずあります。


・最近では緑内障治療薬のレスキュラ点眼薬が処方されるケースが多くなっています。それほど高い確率ではありませんが、点眼後から視力や視野の低下、暗黒感(視界に影がかかるように暗くなる)などの症状が出ることがあります。また嚢胞様黄斑浮腫(CME)の発症・悪化の副作用があるため、視界が歪んで見える状況が生じている場合には使用すべきではありません。目の調子が悪いだけと自己判断で長期間続けてしまうと、レスキュラ点眼を中止しても悪化が回復しない場合がありますので注意が必要です。

中薬(漢方薬)、抗酸化サプリメント、遮光レンズのご紹介を参考にして下さい。

Q 針治療は視力低下や感染症等の副作用の危険はないのですか?

A 当院の針治療は、全ての眼科的な治療に比較して、副作用も無く安全です。
・鍼治療は薬物を全く使用しない治療法です。また当院の治療法では感染症のリスクや内出血を伴う眼窩内(深部)への鍼も行いません。また患者さん毎にディスポーザブル(使い捨て針)もしくは新品の鍼から専用鍼(日本製)を組み治療毎に滅菌処理していますので、副作用や感染についての心配は皆無です。眼科領域の全ての治療法(点眼、外科的手術)に比較して、最も安全な治療です。当院での眼科領域の疾患については10才未満の子どもさんから、安全で痛みの少ない鍼治療を行っています。
  

Q 網膜色素変性症が、針治療で確実に改善されている証拠となる資料はありますか?

A 統計症例報告はWeb上で、その他公開を許可されている画像は院内限定で見ていただけます。
・当院では視力・視野など、いくつかの項目について、全員(150名以上)に測定させていただいていますので、針治療による一定の改善は確実といえるものです。統計的な針治療の結果は当院から中医学による網膜色素変性症への鍼灸治療また、「網膜色素変性への鍼治療」を電子書籍として、Web上で公開していますまた外部の医療機関での検査結果として、患者さんから許可をいただいている資料があり、ゴールドマン視野計で年一回、4年間(計5回)に渡り、視野を継続して測定した症例を当院内限定ですが、見ていただくことができます。

・この症例の患者さんは、比較的軽度な視野狭窄と視力低下が見られる状況でしたが、視力は完全に正常となり、視野は年々改善している状況がゴールドマン視野計によって証明されています。この症例では誰に見ていただいても確実な改善が得られていることが明確ですので、当院に来院された際には見ていただけたらと思います。当院ではなく眼科医療機関の検査結果であり、また患者さんの許可を得て院内のみで見ていただける資料のため、当院HPを含め一般への公開はできないことをご了承下さい。

Q.できるだけ毎日治療した方が、良くなるのではありませんか? 適切な治療間隔は?

A.毎日治療したからといって、その分良くなるものではありません。むしろ結果は良くない場合も多いです。

・当院では少なくとも1日以上の間隔を空けての針治療をお勧めしています。その理由は針治療自体が網膜色素変性を改善させる訳ではなく、針治療の適切な刺激が血流を改善するなどして体の回復力を高め、結果として視力や視野を良い状態に変えていく治療だからです。当院での測定結果を見ていくと、針治療による適切な刺激だけでなく、患者さん自身の体が自分で回復する時間が必要なことも分かっており、1日以上の治療間隔を空けた週2〜3回の治療が、初期では最も好結果が得られるます。

・眼科領域全般に言えることですが、他の治療院でほとんど毎日治療をして、あまり効果の上がらなかった患者さんが、当院で適切な治療間隔として週に2回程の治療を行うと、大きく改善していくケースは少なくありません。治療方法や治療間隔は重要になりますので、例えば毎日のような治療は避けた方が良いと思われます。また一定度まで改善した後には、更なる改善は難しくなりますので、良好な状態の維持を目標とすべきですが、この場合には週に1回程の治療で充分です。毎日あるいは日に数回もの治療を行う治療院もあるようですが、進行性の疾患では長く続けることが大切になりますので、過剰な治療で疲れてしまわないよう気をつけましょう。

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院長からひとこと


○30歳未満、発症・進行後の病歴が短い、視野狭窄が軽度の状況等では、非常に有力な治療法です。
(年齢や状況に関わらず無効例はほぼありませんが、早期に良好な結果が得られる条件となるようです。)

○10歳未満で診断された場合は遠方でもご相談下さい。
(週1回の治療を数ヶ月行った後、隔週1回の治療で良好な状態を維持できる可能性が高いようです。)
(網膜色素変性に伴う弱視も含めて解消された症例が複数有り、現在も良好な状態を維持しています。)

○屋外の作業で紫外線を受け過ぎないことや、疲れを溜めない事が病気を進ませないことに繋がります。
(遮光眼鏡でも完全な防御は難しいため、屋外の仕事やスポーツでの紫外線には気をつけて下さい。)
(中医学の理論や多くの患者さんからの問診でも、疲労の蓄積が症状悪化に結びつくことが明らかです。)
(中・高・大学生のスポーツも状況により進行原因になり得ます。十分な休養を取りながら行って下さい。)


○遠方の方の治療を目的に、各地の提携治療院に協力いただいた眼科鍼灸ネットワークを試みています。
(初診は当院で行い、診療情報を参考に継続した治療は、お近くの提携治療院で行える仕組みです。)

(最寄りの提携先治療院の情報等、詳しくは「眼科領域の難病治療を提携治療院でを参照して下さい。)

・当院で治療を続けられた140名を超える患者さんの治療結果は「網膜色素変性への鍼治療」Web公開版・電子書籍の通りで無効例は少なく、年齢や条件によっては治療者の私自身が信じられない程の著効を見る場合もありました。眼科医学の常識では「あり得ない」はずなのですが、患者さん自身の自覚に加えて、客観的な検査でも裏付けるデータが出ています。2004年に初めてこの病気の治療を始めた頃は手探りでしたが、患者さんから様々な助言やヒントをいただき、測定結果等も分析して、2006年初めには現在の治療法となり、効果の検証と治療の改良を続けています。

・網膜色素変性症は視力や視野がある程度残存している場合、病気の進行を抑えることができれば、実際の日常生活で困ることは限られています。多くの患者さんが最も苦慮されていることは、確実な治療法が無いことに加え、予想される病気の進行と思います。私自身も特定疾患のクローン病(消化管の自己免疫疾患)を患っていたため、以前は同じ思いで苦しんできました。当院が積み重ねてきた針治療は、少なくとも網膜色素変性の進行を抑え、半数以上の方で明らかな改善さえ得られている治療法です。手術法ではなく薬物も使用しないため、副作用や合併症の可能性も皆無であり、最も安全な治療法といえるものです。

・患者さんに気をつけていただくこととして、喫煙(血管を収縮させて眼底の血流量が低下する)は止めることや、強い光や紫外線(網膜を刺激し変性を促す)を避ける、野菜を中心とした食事やルテインの摂取、パソコン等の目に負担をかける作業は極力避ける、遮光眼鏡を使用する、適度な運動、睡眠不足やストレスを避ける等の指導をしています。仕事等、止むを得ない場合もあるかと思いますが、ご自身でも努力していただきたいと思います。また、目の周囲や頚部のマッサージ等も疲労の蓄積を解消し、血流改善を促す一定の効果が期待できます。

・最近では特に、一部の医薬品の使用が網膜色素変性に伴う症状や視野狭窄の進行などに関わっていることが明らかになり、患者さんは特に気をつけていただく必要があります。眼科以外の他科で普通に処方される医薬品の中でも、特にステロイド系薬剤は可能な限り回避すべきで、多少効果が劣ったとしても非ステロイド系の薬へ変更していただけたらと思います。他にも様々な症状や進行に関わる医薬品は少なくありません。当院では眼科薬理学の専門的な資料や医療機関向けの医薬品データベースを完備していますので、服用されている医薬品に対して、目への影響の可能性を説明することができます。

・遺伝が関与するケースも多い網膜色素変性症ですが、中医学的には身体の消耗(主に肝腎両虚症)により、進行することが分かっています。逆に言えば身体の消耗が少なければ、あまり進行しないということになります。したがって疲労を蓄積しないこと、十分な休養やバランスの良い食事が大切になります。現代医学的な病因・病理ばかりにとらわれず、病気の本質を考えた日常生活が大切になるのではないでしょうか。

・千秋針灸院には眼科領域の様々な病気や症状の方が来院されますが、網膜色素変性症では既に150名を超える治療実績があります。このため網膜色素変性症に関しては臨床数が非常に多く、データや治療法、経験も豊富に蓄積されており、様々な進行状態にある患者さんの状況に合わせた治療方法を、提案することが可能です。また当院の眼科領域の治療は、唯一の専門領域として位置付けているため、全力を挙げて眼科疾患に集中した取り組みを行っており、 他の眼科領域の疾患も含め、高い専門性を皆様に役立てていけることを目指しています。


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医薬品・手術による副作用情報

・医薬品による副作用の情報については、

眼科関連情報
 および、目の健康に影響を与える医薬品情報 も参照して下さい。

・網膜色素変性症では、ステロイド系薬剤が網膜に影響を与え、視野狭窄を増幅させている実態が分かってきました。ステロイドの内服や坐薬は特に影響が大きいため、可能な限り避けることをお勧めします。ステロイドは花粉症をはじめ、抗炎症・抗アレルギー等を目的に、非常に広範に使用されています。ご注意下さい。
・ステロイド系薬剤の副作用...視野狭窄や黄斑浮腫といった網膜障害、眼圧上昇、白内障の進行

・網膜色素変性症で広く用いられているアダプチノール(バイエル)は、眩しさの増強や光視症の副作用を伴いやすく、症状として眩しさが気になる患者さんは、無理に使用しないことをお勧めします。その他にも下痢や軟便といった消化器症状、疲れやすい、頭部の圧迫感も副作用です。
・アダプチノールの副作用...眩しさの増強、光視症(光がチラつく、光るものが見える、光が眼内を走るなど)

・最近処方されることの多くなっているレスキュラ(アールテック)は、比較的副作用は少ないとされる点眼薬ですが、当院の患者さんで明らかな視力低下・視野狭窄・視界が暗く感じる等の副作用が出ています。病気自体の進行では無いことは、当院での継続した測定から確実な内容です。点眼の開始後から異常を感じる場合には、副作用の可能性がありますので、医師にご相談下さい。

・レスキュラを含めたプロスタグランジン関連薬の点眼薬は、嚢胞様黄斑浮腫(CME)を発症・悪化させる副作用があります。CMEが一定の大きさを超えると歪んで見える変視症となり、眼科での治療は難しくなります。従来の眼底写真では分からなかったのですが、最新のOCT(光干渉断層計)による検査結果では、若年者も含めて網膜色素変性の比較的多くの患者さんでCMEが存在していることが明らかになっています。現在、治験段階にあるオキュセバも同等の点眼薬になりますので、こうした点眼薬を使用する場合には少なくともCMEが発症していないことを確認されることをお勧めします。
・レスキュラの副作用...結膜充血、眼の痛みや異和感、視力低下、暗黒感、頭痛や圧迫感、動悸、悪心など
・嚢胞様黄斑浮腫(CME)の発症・悪化リスクがあるため、使用前にOCT(光干渉断層計)検査を行うべき

・抗コリン作用を持つ薬剤についても散瞳を伴うことから、アダプチノールと同様に眩しさなどの症状を増強させる副作用があり、注意が必要です。また隅角の狭い方では、急性の閉塞隅角緑内障や眼圧上昇を生じる可能性があります。デパス等の安定剤をはじめ、幅広く処方されていますので注意して下さい。
・抗コリン作用を持つ薬剤の副作用...眩しさの増強、眼圧上昇や閉塞隅角緑内障を発症させる恐れ

・また精神安定剤や喘息等への抗炎症薬として一般に処方されているフェノチアジン系抗精神病薬、一部の抗アレルギー薬について、網膜色素変性症を発症させる恐れがあることが分かりました。()内は代表的な商品名です。薬剤性RPは一般的な網膜色素変性とは進行の程度などタイプは違うようですが、注意が必要です。
・フェノチアジン系薬剤の副作用...長期または大量の使用により、網膜色素変性症の発症や進行の可能性

・クロルプロマジン(コントミン、ウインタミン)
・レボメプロマジン(ヒルナミン、レボトミン)
・チオリダジン(メレリル)
・フルフェナジン(フルメジン)
・プロペリシアジン(ニューレプチル)
・ペルフェナジン(ピーゼットシー、トリホラン)


・眼科薬理学ではフェノチアジン系抗精神病薬は長期又は大量の服用により、網膜色素変性(色素沈着)を生じる可能性が知られています。健常者では比較的軽度の障害とされていますが、発症リスクのある方の引き金を引いたり、既に発症している場合には進行させる恐れも考えられます。またフェノチアジン系以外の精神安定剤や他の医薬品についても、角膜や水晶体などに対して副作用を持つ薬があります。安定剤をはじめ、他の医薬品も含めて必ず薬理学に詳しい眼科医の意見を聞き、慎重に服用されるようにお勧めいたします。


・なお薬の副作用の考え方として、一般的には「副作用が出なければ服用しても良い」と解釈されていますが、既に副作用と同様の病気が発症している場合や、様々な理由で副作用の出現する確率が高いと考えられる場合には、できる限り「疑わしきは避ける」とした方が賢明と考えるべきです。(詳しくは医師や薬剤師にご相談下さい。当院でも医療機関で使用される医薬品のデータベースから、正確な情報を提供しています。)

・白内障手術は手術時に挿入する人工水晶体の光学特性が、網膜毒性のある400nm〜500nmの短波長光を十分にカットできず透過させてしまうことから、術後から網膜に負担を掛けるため、手術後当初は視力が上がっても半年程度すると手術前以下へと低下する場合が多いです。また術後は黄斑浮腫などの合併症のリスクも高くなりますので、積極的な白内障手術はお勧めできません(眼圧上昇など医学的にリスクがある場合を除く)。やむを得ず行う場合にはできるだけ両眼同時は避け、既に手術後の場合には遮光眼鏡の使用や日中はつばの広い帽子をかぶる等、強い日常光を避けるよう工夫が必要です。またルテインなどのサプリメントの服用も短波長光から網膜を保護する作用が期待できます。
・白内障手術は、手術後しばらく経過してから視力が低下する症例が多く、手術には慎重な判断が必要です。

関連製品のご紹介(中薬、抗酸化サプリメント、遮光レンズなど)


・当院の針治療は網膜色素変性に対して、視力・視野といった視機能の改善・維持を多くの場合に確認できていますが、合併症として多い白内障に対しては、確実に抑止効果があるかどうかという点で不明でした。視力・視野は改善していても、白内障は関係無く進行する症例が見られるからです。針治療が白内障の進行を抑制している可能性もあるのですが、医学的に証明ができませんので、当院では遮光レンズによる紫外線対策と共に、長期間に渡りビタミンCを安全な低用量(1.000mg/日)程で摂取を続けることをお勧めしています。
他に関係する栄養補助食品(サプリメント)も合わせて紹介します。


関連リンク・・・中薬(漢方薬)、抗酸化サプリメント、遮光レンズのご紹介


○当院の遮光レンズ(サングラスを含む)についての考え方


・網膜色素変性症の患者さんの多くの方は、医療向け遮光レンズ(CCP等)を使用されています。しかし使用されている遮光レンズの色は濃色が中心です。眩しさの軽減が目的ですが暗くなる為に瞳孔径は大きくなり、眼鏡と顔の隙間から入る光や紫外線の影響を受けやすくなります。また瞳孔径が大きくなると虹彩と水晶体の間隔が狭まり、眼房水の流れも悪くなる為、眼圧上昇の原因になることも考えられます。網膜色素変性では白内障や緑内障の合併も多いことが知られていますが、濃色レンズの日常的な使用も無関係では無いのかもしれません。(当院独自の考察です)


・当院では最新の高性能な遮光性能を持つ薄い色の遮光レンズをお勧めしています。眩しさが抑えられるという目的が達せられる遮光性能があれば、上記の理由から濃色レンズを使用する必要は無いのではないでしょうか。来院されている患者さんからも、薄い色の遮光レンズに変えたところ眼圧が下がった方や、以前を振り返えると濃いレンズにした頃から色素変性や白内障が進んだといわれる方がありました。なお、遮光レンズの性能は特に色の薄いレンズでは数年程度で低下する(色落ち)ようです。目の状態も変化しますので、5年程度で作り変えることをお勧めします。

○関連リンク

○当院症例報告(Web公開版) 中医学による網膜色素変性症への鍼灸治療
○当院症例報告(Web公開版・電子書籍) 「網膜色素変性への鍼治療」

眼科領域の難病治療を提携治療院で(当院ページ)

ナガレボシのココロ 網膜色素変性 Emuさんのブログ ページ作成について等、ご指導いただきました。

○参考文献

○参考文献・蔵書一覧

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   ・本ページの内容は現代の眼科医学及び中医学、抗加齢医学、千秋針灸院の治療実績に基づいています。
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