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コラム第9回

映画の中のアリゾナ 〜西部劇だけがアリゾナじゃない! (5)


フェニックス・ダウンタウン アリゾナで撮影された映画を紹介するこのシリーズ。

 5回目の今回は、映画の中の多くのシーンがアリゾナで撮影されていたり、クライマックスシーンがアリゾナで撮影されたりしているという、アリゾナ好きにはたまらない映画3本を選びました。

 まずは、ロバート・デ・ニーロ主演の「ミッドナイト・ラン」。次に、異星人との愛を描いた「スターマン」。最後に、クリント・イーストウッド監督・主演の「ガントレット」です。


ミッドナイト・ラン
MIDNIGHT RUN (1988)

 監督:マーティン・ブレスト
 出演:ロバート・デ・ニーロ、チャールズ・グローディン、ヤフェット・コットー

 「ミッドナイト・ラン」は、ロバート・デ・ニーロがバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)を演じる、文句なしにおもしろい大陸横断コメディ映画です。

セドナの街 この映画は、よくあるアメリカン・コメディのような単なるドタバタ映画ではありません。どの場面もよく練られており、日本人であっても文化の壁を越えて笑いに引き込まれます。それだけでなく、所々に出てくるちょっとしんみりさせるシーンが、この映画をより奥深いものにしています。もちろんロバート・デ・ニーロとチャールズ・グローディンの名演も見物です。ロバート・デ・ニーロ自身、別の映画のプロモーションで来日時、出演作の中で一番好きな作品は?と問われて「ミッドナイト・ラン」と答えたというエピソードまであります。ともかく、この映画は娯楽映画のお手本と言っても過言ではないでしょう。

 さて、この大陸横断映画ですが、映画上はアリゾナ州以外の場所という設定であっても、実はアリゾナ州内で撮影されたシーンというのがいくつかあります。

  • 所持金が足りない朝食のシーンはグローブ(Globe)で撮影。
  • ヘリコプターの追跡のシーンはスーペリアー(Superior)とグローブ(Globe)の間のUS−60で撮影。なお、この道路は景色が変化に富み、ドライブしていて楽しい場所です。
  • 橋のシーンはグローブからUS−60を北上したところにあるソルトリバーキャニオン橋(Salt River Canyon Bridge)で撮影。
  • 飛行機を盗もうとするシーンは、フラッグスタッフからUS−89を北上し、ナバホ居留区に入ったところにあるキャメロン(Cameron)で撮影。
  • バーで偽札確認のシーンは、フラッグスタッフからI−40を西に行ったウィリアムズ(Williams)で撮影。

 そして舞台はアリゾナ州へ移り、映画上の設定も実際の撮影もアリゾナ、というシーンが出てきます。

 まずはフラッグスタッフのシーンで、実際にフラッグスタッフ駅周辺で撮影がされています。

 それから、セドナという設定で、実際にもセドナで撮影されたシーンが出てきます。ここではなんと、アメリカのアクション映画には欠かせないあるシーンが撮影されています。よく知っているセドナの街でこれが撮影されている…それだけで、もうセドナの好きな人にはたまらないでしょう。

(写真:セドナの街)


スターマン
STARMAN (1984)

 監督:ジョン・カーペンター
 出演:ジェフ・ブリッジス、カレン・アレン、チャールズ・マーティン・スミス

 ジョン・カーペンター監督の「スターマン」は、地球にやってきた異星人と、地球人女性との間に芽生えた愛情を描くSFドラマです。

アリゾナ大隕石孔 異星人と地球人の出会い、そして異星人を捕縛しようとするアメリカ政府……こう書くと、この映画は「E.T.」を思い起こさせるかもしれません。しかし、この映画は、日本での劇場公開時に「愛・宇宙はるかに」というサブタイトルが付されていたことからも明らかなように、その主題は異星人と地球人の種族を超えた「愛」です。

 1984年のSF映画ということもあり、「SF」の部分については時代を感じさせるところもありますが、「愛」という普遍的なテーマは色あせることがありません。なお、異星人を演じたジェフ・ブリッジスは、難しい役柄の演技が認められ、本作でアカデミー主演男優賞にノミネートされています。

 ところで、ジェフ・ブリッジス演じる異星人は、カレン・アレン演じる地球人とともに母船とのランデブー地点へ向かいますが、その地点というのが、何と「アリゾナ州ウィンスロー付近にあるクレーター」、すなわちアリゾナ大隕石孔(メテオ・クレーター)です。…そう、この映画のクライマックスシーンは、アリゾナ大隕石孔が舞台なのです。

 映画の最高のシーンで登場する巨大クレーター。アリゾナ大隕石孔を訪れたことのある人は感動間違いなしです。

(写真:アリゾナ大隕石孔(メテオクレーター))


ガントレット
THE GAUNTLET (1977)

 監督:クリント・イーストウッド
 出演:クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック

 クリント・イーストウッド監督・主演の「ガントレット」は、ラスベガスからフェニックスまで証人を護送する警察官の「闘い」を描いたアクション映画です。

シンフォニー・ホール この映画を特徴づけているのは、何度も繰り返される銃撃シーンであり、そしてそのたびに撃ち込まれる無数の銃弾でしょう。とにかく銃弾の雨、雨、雨…です。これだけ多くの銃弾が撃たれながら、その中でクリント・イーストウッド演じる主人公が撃ったのはわずかに2発だけであり、しかもどちらも人を撃ったものではないという点は、とても興味深いところです。いずれにしても、リアリティの追求というよりはむしろ劇的効果をねらい、かつメッセージ色の強い作品であると見ることもできる作品です。

 さて、この映画の多くの舞台はアリゾナであり、中でもフェニックスが重要な舞台として登場します。

 まず、主人公はフェニックス市警察の警察官ということもあって、この映画はフェニックス・ダウンタウンのシーンから始まります。30年近くも前の映画であり、現在と比べるとビルの数がやや少ないですが、最上階の展望レストランの形が特徴的なハイアット・リージェンシー・フェニックスホテル(Hyatt Regency Phoenix Hotel, 122 North 2nd Street, Phoenix)などがシルエットだけでも確認できます。

 そして、主人公がフェニックス市警察に出勤してくるのですが、ここではシンフォニー・ホール(Symphony Hall, 225 E. Adams, Phoenix)がフェニックス市庁舎(フェニックス市警察はフェニックス市の一部門なので、市庁舎に警察のオフィスがあることになります。)として撮影されています。主人公が自動車を止める場所は、シンフォニー・ホールの正面入り口から東側へ階段を下りたところです。

 なお、ラスベガスからフェニックスまでの道中のほとんど(ネバダ州とアリゾナ州の州境を超えてから)は、当然アリゾナ州という設定ですが、実際にどこで撮影されたものかは画面からはよく分かりません…。

 そして、この映画のクライマックスシーンですが……ここから先は、ストーリーを知りたくない方に配慮して、別ページで解説します。

 【クライマックスシーンの詳細ページへ】

(写真:シンフォニー・ホール)

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