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コラム第3回

アリゾナのサボテン


サボテン どこまでも続く広大な砂漠、そしてその砂漠に生えるサボテン……。「アリゾナの風景」というものをイメージした場合、真っ先に出てくるのはそのような風景という方は少なくないでしょう。

 実際、アリゾナの中・南部では、街の中のちょっとしたスペースや家の庭先、道路脇などで様々な種類のサボテンが栽培されています。さらには、少し自動車を走らせるだけで、砂漠や山地に自生する多くのサボテンを見ることができてしまいます。

 今回は、アリゾナの象徴ともいえる植物、サボテンの代表的な種類を取り上げてみました。


サワロ・カクタス

サワロ・カクタス サワロ・カクタス(Saguaro Cactus)は、地面から真上に成長する巨大なサボテンであり、ソノラン砂漠の象徴とも言える植物です。その形状は、中心となる1本の柱と、その柱から枝分かれした何本かの柱からなるもので、砂漠に立つその姿は、王者の風格すら漂います。

 このサワロ・カクタスは、毎年5〜6月にきれいな花を咲かせます。その後、7月には果実ができますが、この果実は砂漠に生息する様々な動物や鳥の貴重なえさになります。

 このサボテンは、日本では「ハシラサボテン」に分類され、「弁慶柱」等の鑑賞名が付されています。何はともあれ、最もサボテンらしいサボテンであり、また最もアリゾナらしいサボテンとも言えるでしょう。


プリックリー・ペア

プリックリー・ペア 日本で言う「ウチワサボテン」が、このプリックリー・ペア(Prickly Pear)です。このサボテンの枝は平たい形をしていますが、これが洋なしの形にも見えることから、「とげだらけの洋なし」、すなわちプリックリー・ペアと呼ばれています。

 このプリックリー・ペアに属するサボテンにはいくつもの種類があり、とげの長いものや、中にはとげのないものもあります。そして、多くのプリックリー・ペアが夏に黄色い花を咲かせます。

 なお、このプリックリー・ペアには食用になるものもあり、アリゾナ州内のスーパーマーケットでは普通に購入することができます。


バレル・カクタス

バレル・カクタス 日本の園芸でもおなじみの「タマサボテン」が、概ねこのバレル・カクタス(Barrel Cactus)に当たります。バレルとは「樽」の意味で、樽のようなずんぐりした形が多いことから名付けられたのでしょう。

 バレル・カクタスの種類も多く、日本でも様々な鑑賞名が付けられており、美しい花を咲かせるものや、とげ自体がきれいな色をしているものまで、実にさまざまです。

 もちろんアリゾナではあちこちの山や砂漠で見かけることができます。遠くから見ると、サワロ・カクタスもプリックリー・ペアもないただの岩山のように見える場所でも、近づいてみるとバレル・カクタスが多く自生している、なんてこともよくあります。


チョーヤ

チョーヤ チョーヤ(Cholla)は、ちょっと変わった形をしているサボテンです。

 このチョーヤには、枝が細く、とげがそれほど多くないバックホーン・チョーヤ、ペンシル・チョーヤ、ツリー・チョーヤといったものから、枝が太く、とげが多いため一見ふさふさしたような印象を受けるテディベア・チョーヤ、ジャンピング・チョーヤ(別名チェーン・フルーツ)まで、いくつもの種類があります。

 特におもしろい形をしているのがテディベア・チョーヤやその仲間ですが、これはコヨーテ等の動物の体ににとげの付いた枝をくっつけ、遠くへ運んでもらってそこで株を増やす、という習性があります。


オルガンパイプ・カクタス

オルガンパイプ・カクタス 最後にご紹介するのがオルガンパイプ・カクタス(Organ Pipe Cactus)です。これは多数の太い枝が地面のすぐ上から枝分かれしているもので、その枝の多さは確かにパイプオルガンのパイプを思わせます。

 このサボテンも非常に大きく生長し、高いものは26フィート(約8メートル)にまで達します。ソノラン砂漠の南の方では、中心の柱とそこから伸びる枝という、サワロ・カクタスのような形にもなります。

 なお、このサボテンはスペイン語では「甘い果物」という意味の名前になっています。これは、このサボテンの果実がソノラン砂漠のサボテンの中で、最も甘く、おいしい味がするからだそうです。


 今回はこの5種類のサボテンをご紹介しました。これら以外にも、アリゾナには実に様々な種類のサボテンが自生します。山や砂漠の自然公園に出かける際には、ぜひサボテンを観察してみてはいかがでしょうか。

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