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コラム第8回

映画の中のアリゾナ 〜西部劇だけがアリゾナじゃない! (4)


交差点の夕景 アリゾナで撮影された映画を紹介するこのシリーズ。

 4回目の今回も、1980年代から1990年代に製作された映画を3本ご紹介します。

 まずは、アリゾナ・カーディナルズが実名で登場する、トム・クルーズ主演の「ザ・エージェント」。そして、シルヴェスター・スタローンがアリゾナをトラックで疾走する「オーバー・ザ・トップ」。最後に、フェニックスの各所で映画が撮影された「グリフターズ/詐欺師たち」です。


ザ・エージェント
JERRY MAGUIRE (1996)

 監督:キャメロン・クロウ
 出演:トム・クルーズ、キューバ・グッディング・Jr.、レニー・ゼルウィガー

 「ザ・エージェント」は、トム・クルーズが挫折しつつも理想に燃える若きスポーツ・エージェントを演じた、心温まるドラマです。

サン・デビル・スタジアム この映画は、ボブ(トム・クルーズ)とアメリカン・フットボール選手ロッド(キューバ・グッディングJr.)の「友情」、そしてボブの理想に共感するドロシー(レニー・ゼルウィガー)との「恋愛」を軸に、人間模様を描き出していきます。中でも、後に「ブリジット・ジョーンズの日記」や「シカゴ」、「コールドマウンテン」で大女優への階段を上っていくレニー・ゼルウィガーが、この作品では素朴で等身大の女性をさわやかに演じており、とても好感が持てます。もちろん本作品でゴールデン・グローブ賞を受賞し、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたトム・クルーズ、そして本作品でアカデミー賞助演男優賞に輝いたキューバ・グッディング・Jr.の名演も忘れてはいけません。

 さて、キューバ・グッディングJr.演じるアメリカン・フットボール選手がアリゾナ・カーディナルズに所属することから、この映画の一部はアリゾナで撮影されています。CM撮影のシーンはロストダッチマン州立公園です。そして、映画の終盤に、アリゾナ・カーディナルズがダラス・カウボーイズとプレーオフ進出をかけて戦うシーンは、テンピのアリゾナ州立大学にある「サン・デビル・スタジアム」(Sun Devil Stadium)という設定ですが、もちろん撮影もこのスタジアムで行われています。

(写真:サン・デビル・スタジアム)


オーバー・ザ・トップ
OVER THE TOP (1987)

 監督:メナハム・ゴーラン
 出演:シルヴェスター・スタローン、デヴィッド・メンデンホール、ロバート・ロジア

 シルヴェスター・スタローンが子どもたちのヒーローだった時代が、確かにありました。「ロッキー」の感動、「ランボー」の怒り…。「オーバー・ザ・トップ」は、そんなスタローン主演の映画です。

グランドキャニオン この映画でスタローンが挑むのは「アームレスリング」の世界ですが、もちろんこの映画のテーマはそれだけにとどまりません。アームレスリングを縦糸に、そして父親と息子の再会、反発、絆を横糸にして、ストーリーは進んでいきます。

 さて、この映画の前半、スタローンはコロラド州からカリフォルニア州までトラックを運転します。コロラド州からカリフォルニア州…ということで、トラックはアリゾナ州を横断することになります。実際、映画では、トラックはグランドキャニオンのサウスリムを疾走し、モニュメントバレーのビュートの前を通過し、セドナ周辺と思われる赤い岩山の前を走り抜けていきます。

 これらの場所が画面に映るのはいずれもほんの一瞬でしかありませんが、いずれもワンシーンだけでそれと分かるアリゾナの名所です。なお、ケニー・ロギンスの「心の夜明け(Meet Me Half Way)」をはじめ、劇中で用いられているBGMは素晴らしいものばかりです。

(写真:グランドキャニオン)


グリフターズ/詐欺師たち
THE GRIFTERS (1990)

 監督:スティーヴン・フリアーズ 
 出演:アンジェリカ・ヒューストン、ジョン・キューザック、アネット・ベニング

 「グリフターズ/詐欺師たち」は、母、息子、息子の恋人という、ややきわどい三角関係を軸に描かれる映画です。

旧市庁舎 タイトルにもあるとおり、この3人が身を置くのは、詐欺の世界だったり、競馬ののみ行為を行う組織だったりします。映画全体のトーンも暗めに抑えられており、どこか退廃的な雰囲気さえ漂います。3人の演技、特に母親役のアンジェリカ・ヒューストンの演技にはどこか鬼気迫るものすら感じさせます。アカデミー賞4部門(主演女優賞、助演女優賞、監督賞、脚色賞)にノミネートされただけの実力のある作品といえるでしょう。

 この映画の主な舞台はカリフォルニア州ですが、そこで何度か出てくる競馬場は、フェニックスにある「ターフ・パラダイス競馬場」(Turf Paradise, 1501 West Bell Rd.)であり、この競馬場の看板がそのまま写っているシーンまであります。また、映画の後半では、舞台が一時的にフェニックスに移ります。ジョン・キューザックが到着する空港は「フェニックス・スカイハーバー国際空港」(Phoenix Sky Harbor International Airport)ですし、警察官とともに入っていく建物は、ダウンタウンにある歴史的な建造物の「旧市庁舎」(Historic City Hall)です。

(写真:旧市庁舎)

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