壮大な岩山の立ち並ぶモニュメントバレー、化石になった木が大地に横たわる化石の森、穏やかなキャニオンのキャニオン・デ・シェイ。『ナバホの国』の内外には、このような大自然の見どころがいくつかあります。

　このページでは、そのような州北東部の見どころを紹介いたします。

モニュメントバレー
Monument Valley Navajo Tribe Park

アメリカの壮大な『原風景』

　モニュメントバレーは、荒野の中にある広大な自然公園です。ここにはビュートと呼ばれる巨大な丘をはじめ、様々な種類の岩を見ることができます。

　まずはビジターセンターの横からこの壮大な風景を見下ろしてみましょう。写真や映像で見るよりもはるかに大きく、はるかに迫力ある風景に誰しもが驚かされることでしょう。

　そして、その後はぜひ、公園内にある１周約１７マイルの道路へと下りていきましょう。この道路を自家用車で回ることも不可能ではありませんが、未舗装であり、かなりの悪路です。できればナバホ族のジープツアーに参加し、ガイドの説明を聞きながら公園内を巡った方がより楽しめるのではないでしょうか。スリーシスターズなどの岩が見られる「フォード・ポイント」、細長い岩のトーテムポールが砂漠の向こうに見える「サンド・スプリングス」、美しい風景の「アーティスト・ポイント」、岩の額縁で切り取った絵画のような「ノース・ウインドウ」など、ビューポイントの列挙にいとまがありません。

　フラッグスタッフからでも自動車で３時間はかかる場所ですが、アメリカの「原風景」とも称される壮大な景観は、それだけ時間をかけてでも見るだけの価値が十二分にある場所です。

〔行き方〕　フラッグスタッフからＵＳ−８９を北上し、ＵＳ−１６０を右折し、ケイエンタでＵＳ−１６３を左折して北上します。やがて地平線の彼方から見覚えのある赤い丘が近づいてきます。ユタ州に入ったところで右折し、アリゾナ州に戻るように直進するとビジター・センターがあります。手前のゴールディングスには博物館やロッジもあります。なお、この公園はナバホ族の居留地内にあるため、サマータイムが適用されます。

　（写真：上から「ウエスト・ミッテン・ビュート」、「トーテムポール」、「ノースウインドウ」）

〔更新履歴〕公式サイトへのリンクを追加しました。（2009.6.25）

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化石の森国立公園
Petrified Forest National Park

化石になった大木の公園

　化石の森国立公園は、化石になった大木を数多く見ることのできる国立公園です。今から約２億２５００万年もの前、倒れた大木が川底の泥の中に沈み、そこで泥に含まれていた火山灰と反応し、石英の結晶となって、この「木の化石」はできあがりました。遠くから見ると普通の丸太のようですが、近づくとその断面は輝いており、まるで宝石のような美しさをもっています。

　この公園にはまた、色鮮やかな砂漠である「ペインテッド・デザート」や、青白い岩山の「ブルー・メサ」など、化石以外の見どころも多くあります。あちこちにビューポイントやトレイルがあり、様々な場所を巡っている間に時間の経つのも忘れてしまうほどです。

〔行き方〕　南北に延びた公園であり、中を道路が縦断しているため、北から南、あるいは南から北へと通り抜けるのが便利でしょう。北側のゲートはＩ−４０をマイルポスト＃３１１付近にあり、南側のゲートは Holbrook からＵＳ−１８０を進んだところにあります。また、北側のゲート手前にはペインテッド・デザート・ビジターセンター等があります。

• ペインテッド・デザート（Painted Desert）

  　化石の森国立公園へ北側のゲートから入った場合、最初に目に飛び込んでくるのがペインテッド・デザートの鮮やかな色です。不思議な砂漠の大パノラマは、ずっと眺めていても飽きないくらいでしょう。

  　このペインテッド・デザートを眺めることができるビューポイントはいくつかありますが、中でもカチーナ・ポイント（Kachina Point）やチンデ・ポイント（Chinde Point）、ピンタド・ポイント（Pintado Point）などは砂漠に突き出したような場所のため、ぐるりと見渡すことが可能です。また、カチーナ・ポイントには、昔のホテル「ペインテッド・デザート・イン」の建物が残されています。

• プエルコ遺跡（Puerco Pueblo）

  　ペインテッド・デザートを過ぎ、Ｉ−４０を越えてしばらく進むと、プエルコ遺跡に到着します。ここは古代ネイティブアメリカンの建物跡であり、６００年以上も前に人が住まなくなったものです。

  　このプエルコ遺跡には、建物跡以外にも、岩に描かれた絵文字（ペトログリフ）を見ることができます。日差しによっては見えにくいこともありますが、それでもトレイルの一番奥からはいくつかの絵文字がはっきりと見て取れるでしょう。

• ブルー・メサ（Blue Mesa）

  　プエルコ遺跡を越えて南下すると、ついに化石になった丸太がいくつも出てきます。その中にあって、ここブルー・メサは、青白い岩山に囲まれた幻想的な場所です。

  　まずは最初の方にあるビューポイントからブルー・メサを眺めてみましょう。丘の上にちょこんと乗っかった丸太が見えると思います。その後は一番奥にあるビューポイントまで行き、そこにあるトレイルを歩いてみましょう。１周約１マイルのこのトレイルからは、ここが地球上であることが信じられないくらい、不思議な光景が続きます。

• クリスタル・フォレスト（Cristal Forest）

  　ブルー・メサから南下すると、木の化石が見られる場所がいくつかあります。その中で、トレイルを歩きながら様々な丸太を見ることができるのが、ここクリスタル・フォレストです。

  　ここには数多くの丸太の化石が無造作に転がっており、その数はいくつになるのか見当も付かないくらいです。約０．８マイルのトレイルは舗装されており、とても歩きやすくなっています。

• レインボー・フォレスト（Rainbow Forest）

  　化石の森国立公園の一番南側にあるのが、レインボー・フォレストです。ここには化石の森について簡単な展示がされているレインボー・フォレスト博物館があり、ここからロングログス・トレイルやその先のアガテハウス・トレイル、さらに博物館裏手のジャイアントログス・トレイルへ行くことができます。

  　中でもジャイアントログス・トレイルはとても歩きやすい上、巨大な丸太があちこちに転がっています。公園の中で最も大きな丸太の化石である「オールド・フェイスフル」もこのジャイアントログス・トレイルで見ることができます。

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キャニオン・デ・シェイ国立モニュメント
Canyon de Chelly National Monument

緑美しい穏やかなキャニオン

　このキャニオンは、大きく分けると南側のキャニオン・デ・シェイと、北側のキャニオン・デ・ムエルトとに分かれており、サウスリム・ドライブからは前者を、ノースリム・ドライブからは後者をよく眺めることのできるビューポイントがそれぞれ何か所か設けられています。いずれのキャニオンも谷底は色鮮やかな緑の木々におおわれたり、ネイティブアメリカンのナバホ族が耕す畑や牧草地があったりし、その上空をワシが悠然と舞う様子がよく見られます。

　ここのもう１つの特徴として、古代ネイティブアメリカンの遺跡が多く残されていることが挙げられます。中には保存状態よい遺跡や、近くに絵文字の描かれた遺跡もあり、それらを１つ１つ見て回っても飽きることがありません。

　キャニオンの谷底へは、「ホワイトハウス遺跡」を除けば、ナバホ族のツアーに参加しなければ下りることができませんが、上から見たときとはまた違ったキャニオンの表情をうかがうことができるでしょう。

〔行き方〕　Ｉ−４０を Chambers で下り、そこからＵＳ−１９１を北上します。Chinle に入ると標識が出ていますので、標識に従って進んでいくとビジターセンターに着きます。Chambers から約１時間程度です。入場は無料です。

• スパイダー・ロック（Spider Rock）

  　サウスリム・ドライブの終点にあるのが、このスパイダー・ロックです。これは、キャニオンの底から伸び上がるようにそびえ立つ岩山で、ネイティブアメリカンからは「聖なる岩」としてあがめられているものです。キャニオン・デ・シェイの１つの象徴的な岩山でもあり、その美しさ、荘厳さは、見る者すべてを魅了することでしょう。

  〔行き方〕　サウスリム・ドライブを一番東側まで行き、標識に従って進みます。パーキングエリアからはトレイルを若干歩くと、やがて見えてきます。

• ホワイトハウス遺跡（White House Ruin）

  　キャニオン・デ・シェイにある遺跡の中で最も有名なものが、このホワイトハウス遺跡です。キャニオンの底に建てられた建物と、そのすぐ上の岩壁に建てられた建物とは、周囲の岩壁の美しさとも相まって、とてもきれいな風景となっています。

  〔行き方〕　サウスリム・ドライブ沿いのホワイトハウス・オーバールックから眺めおろすことができます。そこからは谷底まで下りていくトレイルがあり、遺跡まで歩いて行くことも可能です（ただしトレイルにはかなり高低差があります）。一方、キャニオンの底を行くツアーに参加すれば、この美しい遺跡を簡単に間近で見ることができます。

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ハッベルトレーディングポスト国立史跡
Hubbell Trading Post National Historic Site

歴史的な交易所

　敷地に入ってすぐ右側の建物はビジターセンターになっており、書籍等を購入することもできます。また、ハッベル家の邸宅へはガイドによるツアーに参加して訪れることも可能です。

〔行き方〕　Ganado の町にあり、Ｉ−４０を Chambers で下りてＵＳ−１９１を北上することになります。キャニオン・デ・シェイへ行く途中にちょっと立ち寄ってみるとよいでしょう。主な祝日以外の午前８時から午後５時まで（５月から９月までは午後６時まで）開館しており、入場は無料です。

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