「サーカス」・ダイアローグ・コンサート「ダイアリー」
歌手・演奏のコンサートにも色々あります。
完全に演奏のみのもの・合間に話しをしながら進めてゆくものなど個性があります。
演奏時間の長い音楽では、コンサート全体がひとつのストーリーになったものも多くあります。
音楽ではクラシックの大曲、オペラやミュージカルも作品によればこの様に見ることも可能でしょう。
小説などに登場するのは、「モノローグ」です。
その意味は「一方通行」で相手に伝わる形で表現されていないものが元の意味です。
もちろん、小説では登場人物に伝える目的で書かれていないだけで読者にまで伝わらなければ意味はありません。
コンサートも演奏者の伝えたい内容が、観衆=聞く人・見る人に伝わる必要があります。
音楽は本来、そのように作られています。
すくなくてもコンサートは、間違いなく観衆の存在を意識しています。
そこにもっと積極的に、演奏側から観衆側にメッセージを送る事で両者の意志疎通をはかり、よりコミュニケーションを作る目的で作られたのが「ダイアローグ形式」です。
音楽と言う言葉ではない部分での対話・メッセージに言葉・ストーリーでのメッセージを加えたものです。
「サーカス」は男女2人ずつの4人構成のコーラスですが、個人からハーモニー・アカペラまで幅広いレパートリーを持ちます。
このグループが行った「ダイアリー」(日記)は日記を読みながら進めるようなイメージのノンフィクション性の強いダイアローグ形式のコンサートです。
ともすれば演奏者自身は表面に出てこない(出る必要もない)コンサートも普通にあります。
ましてコーラス・グループならば、構成メンバー個人個人はその傾向は強いといえます。
これを「ダイアローグ」形式で行う事で、個々の存在を強く表面に押しだしながら、本来の演奏を全く弱める事もなく進める事に成功しています。
ここで演奏以外のものを観衆に伝える事に成功し、「ダイアローグ」となっていると言えます。
観衆の演奏者の関心が強くなれば、演奏自体もより強く観衆に伝わる事が期待出来ますので、全体として見ても成功していると思います。