若年性黄斑変性(近視性黄斑変性など)   1.005   17.7.1 本文へジャンプ

滲出性中心性網脈絡膜症、特発性黄斑下脈絡膜新生血管、強度近視性脈絡膜新生血管、新生血管黄斑症、近視性黄斑変性等

「黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について」 WEB公開版
千秋針灸院の統計症例報告 2016.3.13 第33回「眼科と東洋医学」研究会 台東区民会館にて報告

・千秋針灸院では黄斑変性と診断され、当院にて針治療を3ヶ月~24ヶ月以上受けられた81名107眼について、眼科専門医による「眼科と東洋医学」研究会の場で、針治療の症例統計として報告させていただきました。上記リンクから詳細な解説付で読んでいただけます。千秋針灸院での針治療は、眼科医療の現状に比較して優れる部分も多く、黄斑変性の治療の選択肢として検討可能なことがお分かりいただけると思います。

・視力の改善率は他の現代医学的な治療法と比較しても高く(当院での測定や、眼科医療機関の検査結果)、薬物や外科的手術のような副作用や合併症も無く、眼底周囲の健康状態を改善するという根本治療のため、病変部の状態にも左右されない優れた特徴があります。千秋針灸院では現代医学とは異なる角度からのアプローチとして、抗VEGF製剤との併用も含め、治療の選択肢として検討可能なことを統計的に証明しました。


中医学による脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)への鍼灸治療(全3部) WEB公開版
(第1部) 問診から得られた脈絡膜新生血管(CNV)の新たな概要と課題
 
2009.10.1
(第2部) 鍼治療の脈絡膜新生血管(CNV)への短期成績と抗VEGF療法 
2009.11.1
(第3部) 脈絡膜新生血管(CNV)への鍼治療による長期成績、変視症の変化、千秋針灸院の取り組み
 2009.12.1

・千秋針灸院では2009年、50名を超える症例を基に、針治療による脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)の、統計的な症例報告を行いました。2007年に当院が報告した中医学による加齢性黄斑変性症への鍼灸治療に続き、若年性の黄斑変性に対する日本初の針治療の統計報告になります。針治療の効果や再現性の高さが証明された報告であり、全国から来院いただいた患者の皆様や、ご協力いただいた治療院の先生方、支えてくれた当院のスタッフや家族に感謝し、微力ながら黄斑変性に苦しむ患者さんの助けとなることを願っています。

○現代医学での概要と当院の針治療
○千秋針灸院で行う測定法
○千秋針灸院で行う治療法について
○千秋針灸院での針灸治療の特色と現状
○患者さんからよくある質問 
○院長からひとこと
○患者さんに気をつけていただくこと(若年性黄斑変性サポート情報)  
○関連リンク・参考文献 

現代医学での概要と当院の針治療


特発性黄斑下脈絡膜新生血管(CNV)
・50歳未満で網膜黄斑部に発症する脈絡膜新生血管で、発症の原因が特定できない場合の診断名です。女性に比較的多く片眼性ですが、両眼に発症する場合もあります。新生血管は小型で網膜下出血は少なく、漿液性網膜剥離(網膜浮腫)も小さい傾向です。無治療の場合には再発を繰り返して瘢痕が拡大し悪化します。一般に50歳以上で発症した場合には、加齢黄斑変性の診断名になる疾患です。

近視性脈絡膜新生血管(mCNV)
・強度近視眼(-6D以上)に発症する脈絡膜新生血管で、強度近視者の5~10%に発症するとされています。強度近視眼では眼軸長の延長に伴い網膜が引き延ばされるため、mCNV以外にも特徴的な網脈絡膜萎縮、黄斑出血、裂孔原性網膜剥離、黄斑円孔、緑内障、白内障、硝子体混濁等が生じやすくなります。視力予後は眼科での経過観察から、10年後には96.3%でmCNV発症後の脈絡膜萎縮により、矯正視力は0.1以下まで低下するとされます。

・近年では新生血管消退を目的に抗VEGF製剤(ルセンティス、アイリーア等)が用いられますが、数年程度の短・中期までの経過は比較的良好なものの、5年以上の長期経過例では評価が定まっていません。また光線力学療法(PDT)については最新の研究により黄斑萎縮への移行を加速させ視力低下を生じ易いことが分かっています。現在の眼科医療では黄斑萎縮に進行した場合、治療手段はなく矯正視力0.1以下が永続することになります。

現在、眼科で行われている主な治療法について

・新生血管の活動期に使える薬としては、選択枝が増えてきましたので、内容をまとめてみました。各治療法の状況は眼科専門書の記載や、千秋針灸院の臨床から得られた結果より評価しています。

  ステロイド  PDT   アバスチン※1 マクジェン  ルセンティス アイリーア  鍼治療
新生血管消退  ○ 
視力の改善量 △  △  ○  ○  ◎ 
視機能改善の速さ  △  ○  ○  ○  ◎  ○ 
網膜浮腫軽減 ○  △  ○  ○  ○ 
効果持続期間 3ヶ月  不明  2ヶ月 1.5ヶ月  1ヶ月  2ヶ月  ※2 
副作用・合併症  △  △  ○  △  △  ◎ 
長期連用可否  不明 ※3  ○  ※3  ※3  ◎ 
瘢痕期への適用 ※4 適応外 ※4  適応外  ※4  ※4  ○ 

16.3.13付 統計症例報告「黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について」を基に改訂しました

※1 アバスチンについては未認可薬のため、今後使用されなくなる可能性があります。
※2 活動期に対しての鍼治療は、週2~1回ペースで行い、状況により他の治療との併用も可能。
※3 以前は長期連用可とされましたが、脳梗塞や緑内障のリスクが高まると報告され、長期は行わない傾向。
※4 瘢痕期に至った黄斑変性に対しては適応外ですが、網膜浮腫の軽減を目的に行われる場合があります。


・Aflibercept(アイリーア)は、ranibizumab(ルセンティス)などと同じく、VEGFに対しては広域ターゲットタイプのVEGF阻害剤であり、ルセンティスと同程度の効果が見込める反面、副作用も同程度です。49.1%で副作用の報告があり、眼障害(眼内炎、硝子体出血など)や脳卒中等の重大な副作用も報告されています。メリットは薬効の持続期間が2倍程度(2ヶ月)であり、やや重症で新生血管の活動期間が長くなる場合に有効と考えられます。またVEGF阻害剤は遺伝子組み換え融合蛋白のため、長期連用により抗体を生じ易く、効果の減弱が目立ってきますが、薬剤を換えることで抗体産生が遅れることは期待できます。治療の選択肢が広がったと言えます。

※Aflibercept(アイリーア)について、報告されている重大な副作用と特徴。
・眼内炎0.3%,眼圧上昇4.4%,硝子体剥離1.5%,外傷性白内障0.7%,網膜出血0.7%,網膜色素上皮裂孔0.6%,硝子体出血0.3%,網膜剥離0.06%,網膜裂孔0.1%,網膜色素上皮剥離0.04%,脳卒中0.3%,動脈血栓塞栓関連事象の発現率は0.6~3.3% ( 国内外における第3相臨床試験)

また抗Aflibercept(アイリーア)抗体の発現が確認されており、投与を繰り返すことで効力が減弱します。

・光線力学療法(PDT)、抗VEGF抗体硝子体内注射(ルセンティスやアイリーアなど)の合併症として、網膜色素上皮裂孔があります。網膜色素上皮に裂け目が入ることで、網膜剥離や硝子体出血などの重篤な結果を招きます。小型の網膜上皮裂孔(microrips)を含む発生は、17%(アバスチンの例)に生じたと報告されています。当院に来院されている患者さんにも時々みられ、PDTや注射後に大幅な視力低下を生じています。十分な効果を見込める状況ではない場合に、PDTや抗VEGF療法などを選択することは、大きなリスクのみを伴うと言わざるをえません。頻回投与時の緑内障や脳梗塞などの発症リスクと合わせて、慎重に検討されることをお勧めします。

光線力学療法(PDT) 一年後の視力改善は5.6%(海外の143名による臨床試験) 09.5.15付 中日新聞
・光線力学療法(PDT)は日本人に多いポリープ状脈絡膜血管症(PCV)に対して効果が高いとされ、実績のある治療法である。加齢黄斑変性を除いては適応外となり、治療後の経過は良好でも、数年以上の長期経過後は再発例や視力低下も多い。PDT施行後、合併症として3割に網膜下出血がみられたとする報告もあり、多くは自然吸収されるものの拡大して硝子体手術が必要となる症例もある。最近ではVEGF阻害薬が治療の中心となり、PDTは病巣が小型のポリープ状脈絡膜血管症(PCV)やトリアムシノロン(ステロイド)との併用療法として施行されているが、出血等の合併症のリスクから避けられる傾向がある。

・抗VEGF硝子体内注射に比較し、PDTを行った患者さんで網脈絡膜毛細血管の閉塞による網脈絡膜萎縮が加速し、数年後に黄斑萎縮による視力低下(0.1未満)を生じる可能性が高いと報告されています。抗VEGF硝子体内注射が一定の効果を期待できる現在では、PDTは治療法としての役割を終えたと言えます。長期的な視機能維持の観点から黄斑萎縮を避ける必要があるため、今後PDTによる治療は行わない事をお勧めします。

抗VEGF硝子体内投与 一年後の視力改善は40.3%(海外の139名による臨床試験) 09.5.15付 中日新聞
・Bevacizumab(アバスチン)、ranibizumab(ルセンティス)は臨床試験が終了し、ルセンティスは2009年3月に認可・発売された。Bevacizumabは硝子体内注射の際に網膜内への移行性が悪く、移行性を高めたranibizumabが開発された経緯がある。硝子体内注射を1ヶ月毎に行う必要はあるが、治療により視力改善を期待できる初めての治療薬であり、欧米では第一選択の治療法となる。ただし日本に多いポリープ状脈絡膜血管症(PCV)に対しての効果は劣るとされる。合併症について短期的に重篤な症例は報告されていないが、反復施行や長期的な変化は今後の報告を待つ必要がある。

・Pegaptanib(マクジェン)は2008年10月に認可・発売となったVEGF阻害薬で、副作用は少なく生体に対する安全性は高いと推測されている。欧米での治療効果はPDTより優れるものの、Pegaptanib治療前に比較して平均視力は低下した結果が出ている。治療の目標としては、視力低下のリスクを下げるという程度と考えられる。


・最新の治療法である抗VEGF製剤(ルセンティス、アイリーア等)も、活動期の新生血管の一時的な消退や抑制効果は高いのですが、PDTと同じく新生血管を発生させている根本原因(眼底周囲の健康状態)が改善する訳ではありません。このため数ヶ月毎に繰り返し眼内注射を受ける必要が出てきます。数ヶ月毎に繰り返し眼内注射を続け、新生血管の発生を押さえながら、活動期が自然に終息するのを待つというのが、抗VEGF製剤による治療の実際ということになります。

ルセンティスなどで、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)を、むやみに抑え込むことはリスクがあります

・脈絡膜新生血管に対して、VEGFは病的血管(新生血管)を生じる原因となることから、抗VEGF硝子体内注射(ルセンティス、アイリーアなど)が、眼科での治療の第一選択となっています。しかしVEGFは網膜などの正常血管の発達や修復にも関わっており、神経保護因子としての働きもあることから、網膜の健全性が損なわれやすく、必要最小限の投与とすべきです。最近の報告では10回以上の抗VEGF硝子体内注射を行なった患者さんの経過観察で、視神経乳頭の陥凹が有意にみられ、眼圧も上昇し易い傾向があることが分かっています。抗VEGF硝子体内注射を頻回に行う事は、緑内障進行のリスクが高まります。

・また 2011年に、海外で行われた加齢黄斑変性に対するベバシズマブ(アバスチン)の臨床試験で、合併症により、全身合併症として一年以内の死亡率2.6%、内訳は動脈血栓1.2%、非致死性心筋梗塞0.5%、非致死性脳梗塞0.7%などを生じていたことが、報告されました。なおルセンティスについても同様に、脳梗塞についての副作用が報告されています。この報告は平均年齢が80歳と高齢者での結果であり、複数回投与が行われた結果ですが、死亡率2.6%は無視できない内容であり、また先に書いた頻回投与による緑内障の発症リスクも考えると、漫然と硝子体内注射を繰り返さないことが、重大な合併症から身を守ることに繋がります。手術時の出血防止など、眼科医療の様々な場面で役立つ薬ですが、効果の大きな薬ほど、大きな合併症を併せ持つことを思い知らされます。

・千秋針灸院では、最新の眼科医学の知見と当院での針治療の実績・結果から、抗VEGF硝子体内注射(ルセンティスなど)について、多くても最初の3回程度に止めるべきであり、適切な針治療を行なっており、病変部の障害の程度が比較的軽度であれば、硝子体内注射は行なう必要はないという結論に達しています。ただしマクジェンについては、選択的に病的な新生血管に関わるVEGFを抑える効果がありますので、この限りではありません。しかし実際の眼科での治療では多くがルセンティス、アイリーアですので、10回、15回などと漫然と使い続けない注意が必要です。

・なお当院に来院された患者さんからの問診や状況から、1回でも硝子体内注射を行った場合には白内障や眼圧上昇、網膜色素上皮裂孔、硝子体出血。5回以上で緑内障を発症しているケースが複数例あり、脳出血を生じた症例もありました。重篤な副作用は一度生じれば永続する視力低下の恐れがあり、硝子体内注射を漫然と続けることは、回数を重ねるほど大きなリスクを伴いますので、発症初期から重篤な状況を除けば可能な限り行わないことをお勧めします。

網膜黄斑部は、本来、自然の治癒力を持っています (外傷性黄斑円孔の症例から)

・『眼科プラクティス2 黄斑疾患の病態理解と治療』 文光堂 という眼科専門医向けの書籍があります。杏林大学、樋田哲夫教授が報告しているP14-図18では、外傷性黄斑円孔の自然閉鎖過程を示す光干渉断層計(OCT)像が5枚の画像で紹介されており、発症から四ヶ月で黄斑部が自然に修復された症例が掲載されています。また同じくP248でも同様な症例が紹介されており、OCTの画像と共に、視力も0.3→0.6へと回復したと報告されています。黄斑円孔とは、網膜の黄斑部が硝子体に引っ張られ穴が開いたものです。大切なことは黄斑部の物理的な損傷が自然に閉鎖して、元どうりの黄斑部を形成していく姿こそが自然治癒力そのものであるという事実です。外傷性で病気では無いことから、自然治癒力が十分に発揮されたものと考えられています。

・病気は外傷などの突発的なものでなければ必ず原因があり、ゆっくりと時間をかけて発症してくるものです。眼の病気も例外ではなく、当院では眼科医学や中医学に加え、多くの患者さんからの問診などから、病気によって異なるものの、目への過大な負荷(OA作業、コンタクトレンズ、スマートフォン等)、食生活(甘いお菓子、アルコール、大食等)、睡眠不足、喫煙、日光や紫外線曝露(屋外作業、スキー等)、出産(体への過負荷)、医薬品等の副作用、手術歴、遺伝・・・が分かっています。多くの方に何かは当てはまるとは思いますが、眼の病気の多くは上に挙げた複数の原因が関与しているはずです。

・針治療を含めた中医学では、これらを含めた患者さんごとの体質を捉えて、治療を進めていきます。重要なことは患者さん自身も発病の原因と考えられるものを取り除いたり、何か別の方法で解決していただくことが必要です。煙草を止めたり、甘いお菓子は控えたり、コンタクトレンズは眼鏡に替える等、OA作業は仕事なら止められませんが、ディスプレイの調整や、遮光レンズの活用などの対策は立てられます。針治療に加えて病気が発症した環境が変われば、自然治癒力は発揮され易くなり、多くの眼の病気は回復に向かいます。逆にどんなに優れた治療をしても、病気が発症した環境が変わらなければ、悪化する可能性が無くなることはありません。

本物の治癒に大切なことは、病気が生じた環境要因を変え、あなた自身の治癒力を発揮させること

・最新の優れた治療法や様々なサプリメントを摂取していても、何度も再発を繰り返してしまうのは、病気が発症した環境が変わらず、十分な自然治癒力が発揮されないことが原因かもしれません。私は針治療が良好な結果を残す理由に、治療者と患者さんが向き合う時間が長く、患者さん自身が原因を自覚して、環境を変える努力をされることが大変大きいと感じています。患者さん自身が環境を変える努力を始められたら、眼の治療の半分は成功です。眼科医学も中医学も関係なく、残り半分は医師や治療者の技量でもあります。高度に発達した眼科医学と、伝統的な中医学による針治療。私はアプローチ方法は異なっても目指すものは同じと思います。

・黄斑変性には様々な状況があり、何度も再発を繰り返した場合には網膜の損傷が激しい場合もあります。しかしそのような場合でも、自然治癒力は働いており、少しでも回復しようと体は努力しています。当院では針治療と共に、中医学、眼科医学両面でのサポートや豊富な症例数を基に、様々な状態の患者さんが「どうすれば自然治癒力が発揮され、最大限の回復が得られるか」を第一に、黄斑変性の治療に取り組んでいます。


・当院の針治療は特に眼底を含めた局所(目周囲)の血流を改善することにより網膜虚血を改善し、眼底部位の炎症や出血を効果的に吸収させる治療法で、眼底周囲の血流は改善され良好な状態が維持されるため、悪化や再発の危険性を大きく減らすことができます。針治療の継続症例では再発や視力低下は5年以上の経過例でも非常に少なく、専門医療機関で抗VEGF製剤(ルセンティス等)治療等を薦められていた患者さんの多くは視力が上昇、状態が好転した結果、「当面の治療は必要無し」と診断されています。最近ではOCT(光干渉断層計)や眼底写真上でも、針治療の前後で明瞭な変化がある場合もあることが確認できています
※当院の針治療で用いる経穴(ツボ)は、(社)全日本鍼灸学会で眼底血流量の改善等が報告されています。


・適切な針治療による視力改善は他の現代医学的な治療法にも劣らず(当院での測定や、眼科検査結果)、薬物や手術法のような副作用や後遺症も無く、眼底の健康状態が改善させる優れた特徴があります。また当院では針治療における様々な症例が蓄積され、治療のプログラムが完成しています。必要があれば最新の治療法である抗VEGF製剤との併用も可能です。瘢痕化し視力低下や変視症が顕著な症例等でも鍼治療により好転するケースが数多くあります。過去に抗VEGF製剤の投与では効果が乏しかったり悪化した場合、硝子体内注射を避けたい場合にも適切な鍼治療を検討されることをお勧めします。

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千秋針灸院で行う測定法


・当院では黄斑変性に対して、視力、変視部位・大きさの特定、変視の度合いを数値化する評価法を用いています。全て眼科医学に基づいた医学的根拠のある評価法であり、眼科医療機関でも用いられています。

○リンク・・・眼科針灸の測定・評価法について

・黄斑変性では視力低下に加えて、視界内の歪みに代表される変視症が最も代表的な症状であり、患者さんにとって日常生活上でも最大の問題なのですが、通常眼科では自覚症状については十分な検査が行われていません。黄斑変性に限らず眼科分野では、眼底所見等から見た医師の診断と患者さんの自覚症状が、必ずしも一致しないことはよくあることです。当院では特に患者さんの自覚症状を的確に捉えるために様々な測定法を導入し、鍼治療の確実な効果や適応の可能性を捉える作業を続けています。

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千秋針灸院で行う治療法について


・脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)、近視性黄斑変性等、眼科疾患に関してはほぼ共通した治療法です。患者さんの証(体質)や状況により若干変わりますが、後頚部、背部、下腿、目の周囲の経穴に針をします。

・特に
脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)では、新生血管等の活動期かどうかも関係しますが、活動期では最初に眼底での出血や浸出液を抑えることが大切であり、この時期は週に2回程度の治療が必要です。主に低下した視力が回復しはじめ、眼科医から「出血が落ち着いてきた」「眼底が乾いてきた」等と診断されるまでが目安で、概ね3ヶ月程が平均です。ルセンティスやアイリーア等を併用する場合には、抗VEGF製剤の効果が完全に無くなる2ヶ月後から更に数ヶ月はペースを落とさず様子を見ます。その後は眼底での出血や浸出液の吸収を促し、可能な限り良好な視力の確保や変視症の改善を目標として週1回の治療に(3~12ヶ月程度が目安)、その後は視力等の維持や再発を防止するために、隔週1回から月に1回程度へ徐々に治療間隔を延長します。週1回以上の治療が必要な治療期間は平均1年程度です。

・非活動期では、低下している視力の向上や変視症の改善を目標として、週に2回(通常3ヶ月)、週1回(3~12ヶ月程度まで)の治療としており、その後は患者さんの都合や視力をはじめとした測定結果等から、無理なく続けられる治療間隔を設定しています。また当初から視力が十分に保たれている場合等、治療上の課題が少ない場合は、より少ない治療回数で良い状態を保つことができます。

・当院の指示通りの間隔で治療を行えた多くの症例で良好な結果を得ていますが、概ね指示通りの間隔で治療できない場合には十分な効果が得られ難くかったり、効果が判然とせず治療が続かないケースもあります。当院では眼科医学に基づいた評価法により、必要最小限の通院で済むように治療計画を立てます。指示通りの間隔で治療を行えても回復の難しい場合はありますが、ご自身で回復の可能性を潰してしまわないで下さい。

・時々問い合わせがあるのですが、治療効果が高いとされる眼窩内刺針は内出血の恐れが高いため、当院では一切用いることはありません。当院の治療は眼窩内へ刺針を行わなくても充分な効果が得られています。上海では実際に眼窩内刺針により効果を上げているのですが、目周囲が強く腫れてしまう確率も高いため、私はお薦めしません。当院では目周囲が腫れる可能性の無い安全な治療方法を確立しています。


・脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)では、治療を開始してから数ヶ月以内に視力が上昇し、視野中心部の曇りや暗点が消えたり薄くなる、部位が縮小することを多くの症例で確認しています。なお脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)では発症後早い段階での治療が効果的で、視力が短期間に大幅に上昇したり、歪みなどの変視症が改善・治癒する確率も高くなります。針治療は眼底での血流を改善し治癒力を促すため、網膜の受けたダメージが少ない程、回復する可能性が高まるものと推測されます。

・初期の視力上昇の仕方は個人差はあるものの加齢黄斑変性より早く、数回で視力が上昇を始めるケースもみられます。また視力の上昇に伴って、歪みなどの変視症が一時的に目立っても、軽症例では3ヶ月~半年程で歪みが消失したり、軽減する症例もあります。重症例では視力は向上しても、暗点や歪みなどの変視は若干の軽減に留まる場合が多くなります。「中心に光の穴ができて拡がっていった」「曇りが薄くなり明るくなった」「歪みが少なくなった」等と患者さんは表現されています。眼科医院での検査でも変化が確認できることも多く、視力の向上はもちろん、黄斑部浮腫や眼底出血等の病変部の改善が確認できる症例が多くあります。


症例報告 黄斑変性の典型的な症例(強度近視由来の新生血管症の長期、短期症例)

(当院での病名毎の典型例の紹介になりますので、全ての方に良好な結果を保証するものではありません)

①強度近視性脈絡膜新生血管症の症例 30代 発症後1年半程 発症は左眼

開始時直近の視力 右0.7 左0.4 (矯正視力・眼科検査) 視野中央及び周囲にリング状の暗点
3ヶ月後の視力 右1.0 左0.7 (矯正視力・眼科検査) 視野中央及び周囲のリング状の暗点が薄くなる
6ヶ月後の視力 右1.0 左0.9 (矯正視力・眼科検査) 眼底出血等の病変の改善が眼科医で確認される
1年後の視力 右1.0 左1.0 (矯正視力・眼科検査) 眼底に問題なく、視野内の暗点のみ薄く残る状態
3年後の視力 右1.0 左1.0 (矯正視力・眼科検査) 1年後同様に良好な状態が維持されている。

・現在も状態の維持を目的に治療間隔を空けつつ治療を継続されています。視力は充分確保できていますが、物が歪んで見える変視症は残っています。薄くなった視野内の暗点は徐々に移動しており、更に縮小しています。治療開始半年経過時の眼科検査で一部の視野欠損や病変部位も改善という診断です。針治療では患側だけでなく、健側の視力も上昇する場合が多いのが特徴です。現在13年以上が経過しましたが良好です。

②特発性脈絡膜新生血管(強度近視)の症例 30代 発症後5週間(違和感は約半年) 発症は左眼

開始時の視力 右1.0 左0.6 (矯正視力・当院測定) 視野内中心部に白濁色の暗点および歪みがある。
1ヶ月後 右1.5 左0.8 (矯正視力・当院測定) 自覚症状は不変、眼科では出血が続き活動期との診断。
3ヶ月後 右1.5 左1.0 (矯正視力・当院測定) 白濁色の暗点は小さく薄くなる。眼底出血は収束と診断。
6ヶ月後 右1.5 左1.2 (矯正視力・当院測定) 暗点はほぼ無く歪みも若干程度。活動期の終息と診断。
1年後  右1.5 左1.5 (矯正視力・当院測定) 視力が完全に回復し、2週に1度の寬解期治療へ移行。


・発症当初は急速に視力が低下する過程でしたが、アバスチン等の手術療法に頼ることなく、順調に回復した症例です。現在は4週間に1回の寬解期治療へと移行していて、万一の再発や健側への発症予防を目的に通院されています。最近では初回は抗VEGF療法を行い、後から針治療で根本的な改善を目指す症例も増えています。早期治療例では歪みや暗点の回復も期待でき、良好な経過を辿る症例が多くあります。現在は10年以上が経過していますが、良好な状態を維持されています。

・当院では長期間視力を維持することが難しい近視性黄斑変性でも、10年以上を経過しても良好な視力を保つ症例が多く、適切な鍼治療が黄斑萎縮への進行を防いでいるものと考えられます。
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千秋針灸院での針灸治療の特色と現状


○治療開始より1ヶ月程(週2回治療)で多くの場合に視力向上の始まりが認められます。
・治療開始半年時点の当院での視力向上の目標は、LogMAR0.3以上(2倍値・例えば0.3→0.6)です。但し矯正視力で1.0前後が確保されている方は、上昇の余地が少ないため2倍にはなりません。
当初抗VEGF製剤(ルセンティス、アイリーア等)やレーザー治療等が必要と診断された患者さんは、当院の推奨する治療間隔で続けられたほとんどの方で、視力が改善するなどの結果、当面は必要無し(要経過観察)と診断されています。 

○視界内の変視症(暗点や歪み)についても良好な変化が見られる症例が多いです。
・視野内の暗点(黒点もしくは白点)は部位が縮小したり薄くなったりと、治療開始3ヶ月程度で多くの方に変化が見られます。鈴木式アイチェックチャート等で変化を確認できますが、患者さん自身で自覚できることが多く、眼底検査等でも良好な診断をいただける場合もあります。視野内の歪みは視力の向上よりも遅れますが、少しずつ回復が進む症例が多いです。また初回発症や比較的軽度な症例では、歪みが消えることもあります。一方暗点が薄くなったり視力の向上により、分かり難かった歪みが相対的に目立つ場合もあります。視野内の歪みの軽減や解消については、視力よりも時間がかかりますが良好な結果も多いです。
 
○針治療はほとんどの場合に、再発や健側への発症を防ぐことができています。
・当院での治療を継続中に、再出血等が起こり症状が悪化する例は、新生血管の活動が特に活発な一部の方を除けばありません。患者さん全体の数%程度です。針治療は両眼に効果が期待できる治療法のため、再発や健側での発症も防止できていると考えられます。治療を一定間隔で行ったほぼ全ての例で、視力は良好な状態で維持されています。最も長い方で治療開始から15年程の実績があります。

・現在、最新の治療法である抗VEGF療法(ルセンティス、アイリーア等)を受けられた患者さんが多く来院されています。鍼治療を開始したところ、悪化する度に繰り返し抗VEGF療法を続けていた方が、眼内注射を続ける必要がなくなる症例が続いています。特に初期の脈絡膜新生血管(近視性黄斑変性など)の場合に、抗VEGF療法を用いることで新生血管を一旦消退させ、その上で鍼治療を加え、新生血管発生の根本原因(眼底周囲の健康状態)を時間をかけて改善していく方法は、検討される価値があります。当院の統計症例報告から鍼治療を併用することで、必要以上に抗VEGF製剤を用いることなく、健側への発症や再発リスクも軽減されることが分かっています。(2006年までの当院症例報告から、針治療単独でも十分な効果は見込めます。)

・脈絡膜新生血管(近視性黄斑変性)の患者さんは、近年来院される方が増えている疾患です。患者さんは、全国各地の大学病院など、高度な専門医療機関に通われている方が多く、これまで以上に確実な診断結果をいただけるようになりました。特に視力向上と手術の回避については確信を持てる診断結果が得られています。当院での脈絡膜新生血管(近視性黄斑変性など)の針治療は、現代医学を含めた様々な治療法の中でも最も効果的な治療方法の一つです。両眼への発症や遷延化した難治症例についても、時間はかかるものの良好な治療結果が得られる可能性があることが分かってきました。

中医学による脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)への鍼灸治療(全3部) WEB公開版 
・若年性黄斑変性への針治療としては、50症例を超える日本で初めての統計的な意味合いを持つ症例報告になります。単なる症例報告に止まらず、世界的にも問題となっている黄斑変性に対して、針治療を中心に「どうしたら眼の健康を取り戻すことができるのか」を、テーマとした内容です。多くの方に見ていただきたいため、鍼灸の学術大会や学会には出さず、WEB上での公開とさせていただくことにしました。

『黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について』 WEB公開版
千秋針灸院の統計症例報告 2016.3.13 第33回「眼科と東洋医学」研究会 台東区民会館にて報告

・千秋針灸院では黄斑変性と診断され、当院にて針治療を3ヶ月~24ヶ月以上受けられた81名107眼について、眼科専門医による「眼科と東洋医学」研究会で、針治療の症例統計を公式に報告させていただきました。

・当院は今後も引き続き針治療を研鑽し、臨床を蓄積して、脈絡膜新生血管への取り組みを続けていきます。これまで来院していただき、勉強させていただいた多くの患者の皆様に感謝いたします。


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患者さんからよくある質問


Q 針治療により、脈絡膜新生血管(近視性黄斑変性症)が治るのですか?

A 初回発症など、病歴が短く症状が軽い程、完全に治癒する可能性が高くなります。

・黄斑変性には様々な病態がありますが、脈絡膜新生血管(特発性または近視性)については、視力の向上や変視症の改善等で、手術法を中心とした現代医学での治療法に比較して良好な結果が得られています。特に軽症例では視力が健側並に向上し、歪み等の変視が消失する等、治癒として差し支えない程の著効を示す症例に度々出会います。抗VEGF製剤(アイリーア、ルセンティス等)との併用については問題はなく、長期経過後の針単独治療に対して差異は認めません。(抗VEGF製剤投与の直後効果は、1ヶ月程度までは針治療を上回りますので、重症例など状況により併用は効果的とも考えられます)

・強度近視(病的近視)に由来する黄斑変性では網膜自体の脆弱性から程度により、一定期間治療した後でも状態がやや安定し辛い傾向が一部の方で見られます。また過去にPDT(光線力学療法)、レーザー(光凝固術)、抗VEGF硝子体内注射(アイリーア、ルセンティスなど)やステロイド注射(テノン嚢下注射、硝子体内注射)等を繰り返した症例では、黄斑萎縮や網膜が様々な後遺症などの障害を受けるため、治療効果として一定期間治療した後でも視力の状態が安定し辛かったり、やや劣る傾向が見られています。

  
・鍼治療の効果は黄斑変性の状況や程度により様々ですが、少なくとも現代医学でのアプローチのみに比べ、視力の向上や変視症の改善などの点で好結果が得られます。また10年以上鍼治療を続けられた症例から長期的に多くの場合で悪化を回避し、健側への発症も防ぐと考えられます。現代医学での治療で完全な治癒が見込めないことも多い疾患ですが、鍼治療を加えることで病状は改善、安定し、長期に渡り黄斑萎縮への移行や失明の危険から眼を守ることができる可能性が高くなります。千秋針灸院では統計症例報告として、継続的に黄斑変性の報告を行っています。黄斑変性への鍼治療を科学的に明らかにしていきますので、ご期待下さい。

Q 医師から手術療法(アイリーア、ルセンティス注射等)を勧められましたが、どうしたら良いでしょう?

A 患者さん自身の眼の状況を正確に掴み、手術が本当に必要かどうか慎重に判断する必要があります。

・眼科医学は検査機器が急速に進歩し、最新の知見により常識も変化している分野です。例えば10年程前は画期的とされた光線力学療法(PDT)は、近視性黄斑変性について黄斑萎縮への移行を早め、重篤な視力低下を招くとして推奨されなくなっています。現在の最新治療も長期的な経過観察により、将来は真逆の評価になることもありますので、急激に視力が下がるなど緊急を要する場合でない限りは慎重に行うのが賢明です。医師に手術療法を勧められた時は、可能な限り別の医療機関でも意見を聞いた方が良いと思います。但し同一地域や出身医科大学の系列が関係して、折角のセカンドオピニオンが意味をなさない場合もあります。眼科医の立場上、当たり障りのない説明に終始されてしまうことも少なくありません。

・現在なら抗VEGF製剤(ルセンティスやアイリーア等)の硝子体内注射は、活動期の新生血管の消退に関して最も効果があります。しかし硝子体内注射後に更に視力が落ちてしまった症例もあり、副作用も少なからず生じています。また硝子体内注射を行ってもほとんど改善しない場合もあり、こうした場合には漫然と注射を繰り返すことで、副作用や合併症のリスクを高めてしまいます。

・注意すべき副作用として、網膜色素上皮裂孔のリスクが問題視されています。光線力学療法(PDT)や坑VEGF抗体硝子体内注射(アバスチン、ルセンティス、アイリーアなど)を行った後に、新生血管の消退や萎縮した網膜色素上皮などから牽引が起こり、網膜色素上皮が裂けたり小型の傷ができるもので、黄斑部を含めて裂孔が生じると大幅な視力低下に繋がります。特にアバスチンでの発生率は、ルセンティス等の4倍と報告されています。近視性黄斑変性の患者さんの網膜は元々脆弱であり、網膜色素上皮剝離(網膜浮腫)などを伴うことが多く、網膜が薬剤による急速な変化に耐えられないことを意味しています。たとえ時間が掛かっても適切な鍼治療などにより、網膜を健全にする方向が長期的な観点からも無理がありません。他にも繰り返し投与では緑内障や脳出血などのリスクがあり、当院の患者さんでも発症して来院された方があります。

・非常に活発な活動期で、短期間に大幅な視力低下を伴う緊急の場合を除き、数ヶ月の針治療を行えば、良好な状態に変化する可能性が十分にありますので、早めに針治療を試してみることをお勧めします。多くの方で視力の向上や眼底病変の改善等により、ほとんどの場合に針治療開始後の硝子体内注射は不要となっている事実があります。黄斑変性をはじめ、多くの病気で結局は自分自身の治癒力を高めていかなければ再発や悪化を繰り返してしまいます。この観点からも硝子体内注射などの手術療法は必要最低限にすべきです。

Q 針灸院で視力や変視症の測定で効果が出ている場合に、病院等の診察でも同じ結果が得られますか? 

A 視力は眼科と同等(遠見視力)の測定法ですので、病院等での診断も同様に変化の結果が得られます。

・当院の視力測定は公式に0.03から測定可能ですので、通常の医療機関では手動弁(カード等)となる0.1未満の視力でも正確に測定可能です。手動弁(カード等)や近距離(スペースセービングチャート)での視力検査に比較して、液晶視力表を使用する当院での測定結果が正確な場合があります。ただしお使いの眼鏡やコンタクトレンズによる測定ですので、眼科で行われるトライアルレンズによる完全な矯正視力検査ではありません。

・当院の変視症測定については鈴木式アイチェックチャート、M-CHARTS共に、眼科医学に基づいた根拠のある評価法として認知されています。しかし現在の眼科は患者さんが自覚できる視力や変視症等の変化よりも、眼底の状態を画像として捉える他覚検査に重点が置かれており、患者さんの自覚による評価法は重視されない傾向です。このため当院での測定結果は眼科医学として通用しますが、評価いただけないケースがあります。

・当院は患者さんに自覚できる視力の向上や変視症の改善も重視すべきと考えており、一般の眼科医療とは別の角度から脈絡膜新生血管(近視性黄斑変性など)に対しての鍼治療を行ってきました。また鍼治療の効果を客観的に判定するために各種の評価法を取り入れ、脈絡膜新生血管への確実な治療を目標としています。

Q 脈絡膜新生血管への鍼治療は、どこの鍼灸院で受けても大丈夫ですか?

A 鍼灸院の治療水準には少なからず違いが有りますので、適切に対応できる治療院を選んで下さい。

・これまで眼科領域を専門とする治療院は限られ、遠方の患者さんは実質的に治療の継続が困難でした。そこで当院では治療法や測定方法を公開して、全国で実力があり眼科領域の鍼治療に協力していただける治療院さんと眼科鍼灸ネットワークを作り、遠方の患者さんへ距離の壁を越えた可能な限りの治療ができる体制を目指しています。提携先治療院での治療方法は当院と同一ではありませんが、当院の治療法や治療方針を参考にしていただき、医学的な根拠に基づいた測定により鍼治療での「結果」が得られるよう努力をしています。

・当院では視力や変視症に対しての医学的な根拠に基づいた評価法を重要と考え、積極的に導入してきましたが、眼科領域を専門と掲げる一般の治療院では、適切な評価法は行われていないようです。医学的根拠に基づく評価法が行われなければ、その治療院の鍼治療自体に根拠が乏しいと言われても仕方がありません。また眼科医療機関では通常眼底検査(造影・OCT等)が重視され、眼科医療の基礎である視力や自覚検査は、あまり丁寧ではない場合があります。患者さんにとっては自覚検査も他覚検査(眼底等)も共に大切ですので、眼科鍼灸ネットワークでの治療では、当院での視力や変視症の測定・評価を大切にしています。

眼科領域の難病治療を提携治療院で(当院ページ)から、お近くの治療院をお探し下さい。

Q 針治療はサプリメント(ルテインなど)や漢方薬、医薬品(点眼薬、内服薬等)との併用は可能ですか?

A 針治療は病院から処方される医薬品や、一般のサプリメントなどとの併用に問題はありません。

・針治療は患者さんごとの体質や症状に合わせて最適なツボに必要な刺激を与えることで、誰もが本来持っている自然治癒力を引き出す治療法です。このため基本的に他の治療法と併用されても通常は問題ありません。針治療を併用することで薬物は効き目が増すことも多いようです。(緑内障やバセドウ病等、多くの実例があります) ルテインや漢方薬で効果が実感できなかった方も、当院の針治療を受けられる場合は続けてみて下さい。以下、各療法の併用での注意点を挙げます。

サプリメント(ルテイン等)...過剰摂取にならないよう用量を守って下さい。あまりに多種の摂取は控えましょう。
漢方薬...体質に合うかが最も大切です。漢方治療に精通した眼科医による処方をお勧めします。
医薬品...当院から薬物療法への指示はできません。医師の説明から納得のいくものは服用して下さい。


Q 針治療は視力低下や感染症等の副作用の危険はないのですか? 医師には分からないと言われます。


A 適切に行われる鍼治療では眼球を傷つける危険もなく、病気の悪化や感染症のリスクはありません。
・鍼治療は薬物を全く使用しない治療法です。当院の治療法は感染症のリスクや強い内出血を伴う眼窩内への鍼も行いません。また使い捨て(ディスポーザブル)の鍼を使用していますので、副作用や感染症の心配は皆無です。眼科領域の全ての外科的な治療(レーザー、PDT、眼内注射など)に比較して、最も安全な治療法です。当院の眼科疾患では10才未満の子どもさんから、安全で痛みの少ない鍼治療を行っています。 

・日本では医師の教育や医療制度に鍼灸が組み込まれていないため、鍼治療の実際については多くの医師は理解されてはいません。しかし眼科領域は検査機器が進歩している分野です。医師には理解していただけない部分もありますが、一人一人の患者さんを丁寧に治療し、眼科医療として結果を積み重ねることが病気の克服に繋がるものと思います。現代医学以外は一切信用しない方もありますが、私自身が難病のクローン病(特定疾患)を患い克服した経験から、結果を出せる治療が患者さんにとって意味があり、結果の出せない治療法は現代医学でも鍼治療でも意味が無いと考えています。患者さんの見え易さに繋がる結果が全てです。

・千秋針灸院は2016年3月13日 第33回「眼科と東洋医学」研究会での一般口演で、「黄斑変性への鍼施術が、視力に及ぼす影響について」を統計症例報告として発表しています。公の場での眼科専門医に向けての報告ですので、今後は医師に眼科領域の鍼治療の存在も少しずつ理解していただける可能性があります。


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院長からひとこと


・症例報告を行うにあたり、黄斑変性への当院の針治療の役割が明確になりましたので、まとめました。

抗VEGF硝子体内注射自体を回避し、視力や視界の状況を改善する目的
(副作用を伴う注射はできる限り避けましょう。本当に重篤で注射が必要な患者さんは5人に1人程です。)

長期に渡り、再発や悪化、健側への発症を予防する目的
(再発や黄斑萎縮による視力低下、健側への発症等に対して、針治療では長期に渡り予防できています。)


抗VEGF製剤(ルセンティス、アイリーア等)の再注射を回避する目的
(針治療により視力や眼底の状態などは改善することも多く、再注射等を回避することが期待できます。)


・当院の脈絡膜新生血管(近視性黄斑変性など)の治療は、特に視力(矯正視力)の向上や変視(歪み・中心暗点)等の症状軽減に特徴があり、眼科での診断でも良好な結果が得られています。特に発症してからの経過が短く比較的軽症な場合には治療効果も高く、短期間に改善する傾向があります。

・最近の眼科の傾向として黄斑変性としては初期の段階や発症の前段階から、予防的に硝子体内注射(アイリーア、ルセンティスなど)を行う傾向が強まっています。確かに注射を行えば眼底の状況は好転しますが、たった1回の注射でも白内障が早期に生じやすくなり、10回以上(当院調べでは概ね5回以上)で眼圧が上昇するなどして緑内障を発症される方が増えてきます。注射により脳出血や硝子体出血を起こした患者さんもありました。硝子体内注射は新生血管や視力低下、変視(歪みや暗点)の状況を好転させる効果がありますが、軽症の段階で安易に投与することを繰り返せば、長期的には副作用などにより目の健康は損なわれるリスクが高くなります。以前の主流であった光線力学療法(PDT)が、長期的には黄斑萎縮を生じ易くなり、結果的に失明を早めていた事実と危険性は、硝子体内注射にも当てはまる可能性があります。

・当院のホームページから発症後の早期に来院され、針治療を開始した患者さんも多いです。こうしたケースでは視野内の変視(歪みや暗点)や視力低下も少ないため、針治療のみで数ヶ月~半年程度で視野内の変視はほぼ消失し、視力も発症以前の状態に回復する可能性が高いです。こうした症例では後に眼科で「黄斑変性ではない」と診断されることもあります。当初は新生血管の存在が確認され、抗VEGF硝子体内注射等が検討されることから、間違い無く脈絡膜新生血管ですが、眼科では経過観察のみで未治療な為、「自然に治るはずが無い」という意味の裏返しの診断になります。針治療のみで医学的にも治癒した症例は少なくありません。

・患者さんに気をつけていただく事として、喫煙(血管を収縮させるため眼底の血流量が低下する)は止めることや、紫外線(黄斑部を刺激し変性を促す)を避ける、野菜中心の食事やルテインの摂取、パソコン等の目に負担をかける作業は極力避ける、コンタクトレンズ(目への負担を避けるため)の使用を最小限にする等の指導をしています。仕事等、止むを得ない場合もあるかと思いますが、ご自身でも努力していただきたいと思います。

・千秋針灸院では既に200名を超える黄斑変性の治療実績があります。この結果、一般の鍼灸院等に比較し脈絡膜新生血管に関しては臨床数が圧倒的に多く、データや治療法、経験も豊富に蓄積されているため、様々な状態にある患者さんに合った治療方法を提案することが可能です。当院では眼科領域を唯一の専門領域として位置付けているため、全力で眼科疾患に集中した取り組みを行っており、他の眼科領域の疾患も含め、高い専門性を皆様に役立てていけることを目指しています。遠方の方は提携治療院等、充分な治療水準の治療院がある場合は、通える範囲にある治療院を紹介していますが、眼科領域の疾患に対応できる治療院は非常に限られますので、通院可能な場合は出来る限り当院もしくは提携治療院での治療をお薦めします。

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患者さんに気をつけていただくこと若年性黄斑変性サポート情報)


・脈絡膜新生血管は外傷とは違い突然発症したものではなく、多くは日常の積み重ねから生じます。治療効果を確実なものにするには、発症した背景である患者さん自身の環境も可能な限り変えていく努力が必要です。当院では中医学や眼科学に基づき、また200名以上の患者さんの問診や傾向から脈絡膜新生血管を把握し、当院独自の生活指導を行っています。針治療を受けられていない方も参考にしていただけたらと思います。

中薬(漢方薬)、抗酸化サプリメント、遮光レンズのご紹介

●コンタクトレンズの使用は可能な限り避けましょう。

50歳未満で発症し、近視性もしくは特発性脈絡膜新生血管と診断され、当院に来院された患者さんへの問診から、この病気の発症に、コンタクトレンズの長期装用が強く関与する可能性が疑われる結果となりました。

・2009年4月末までに、特発性脈絡膜新生血管もしくは近視性黄斑変性と診断され、当院に来院された患者さん37名の問診では、37名中31名(83.8%)がコンタクトレンズ(CL)の長期装用者(10年以上)でした。内CL装用歴が明らかな25名について、発症までの平均年数は18.6年、全員がCL装用歴11年以上、最も若く発症した方は20代前半でした。また両眼へ発症した症例は37名中9名(24.3%)でした。近視等によりCL装用者は年々増えており、日本国内では1.503万人(2004年)、2010年には1.640万人と予想されています。また小学生以下への低年齢化も進んでおり、高校生では近視者の4人に1人はCLを使用しているとの報告もあります。しかし50歳未満に発症するとされる特発性脈絡膜新生血管や近視性黄斑変性の8割以上が、CL長期装用者であるという事実は、発症に強く関与している可能性が疑われるものです。当院でも引き続き調べていきます。

コンタクトレンズ(CL)については、医学的に角膜までの障害リスクを伴うものとされ、深部の網膜は無関係とされています。しかし当院へ来院された数十名への問診では、CLの長期使用歴を持つ方の割合が高く、無関係ではないと考えるのが自然です。CLの使用で脈絡膜新生血管を発症する訳ではありませんが、元々何らかのリスクを抱えている方は、CLの長期使用が眼に負担をかけ、間接的に関わるのではないかと考えます。

・コンタクトレンズの長期装用に関わる話として、装用歴が長く角膜が慢性的に酸素欠乏が続いた場合には、角膜周辺部から新生血管が角膜に入り込むことがあります。特に従来型のSCL装用を続けた場合には9割もの発症が報告されており、CLの種類や装用について再検討する必要があります。一度角膜内に新生血管を生じると消失しませんが、CLを中止するなどして酸素欠乏が改善すると血管としての機能を失い、萎縮して白色の形骸血管になります。角膜表層だけでなく深層にみられることもあり、酸素欠乏による角膜細胞からのVEGF(血管内皮細胞増殖因子)により、角膜内で新生血管を生じる事実は、私が仮説を立てているCLの長期装用が、若年性黄斑変性・脈絡膜新生血管の発症原因にも成り得ることを示唆していると考えています。

・当院ではコンタクトレンズ(CL)を中止したり装用時間を限定するなどして、遮光レンズやルティーナ(東海光学)の眼鏡の使用をお勧めしています。CLは大変便利ですので使用が中止できない場合でも、本当に必要な時だけに限るなど、一日の装用時間をできる限り少なくする必要があります。
また当院の患者さんでCL装用を続けられている方は、使用を止められた方に比較して視力の向上等、治療結果も低下するようです。様々な理由からCL装用を続けられる方がありますが、可能な限り最小限の使用としていただきたいと思います。

●OA作業が多い方など、できる限りの対策を取りましょう。

仕事や日常生活で目にかかる負担が増えています。仕事は減らす訳にはいきませんが、日常生活での目の負担を減らすことやディスプレイの調整、また様々な場面で遮光レンズやブルーライトカット眼鏡も役立ちます。

・間近で使うPC用ディスプレイやスマートフォンの画面、大型液晶TV等は紫外線や目に負担をかける短波長光(青色光)を出します。特にLEDバックライトを使用した液晶画面は鮮明ですが、強い短波長光(青色光)を出しています。使用時間自体をできるだけ減らすと共に、周辺の明るさも関係しますが液晶ディスプレイでは特に輝度(明るさ)を調整することで目の疲れが軽減できます。また連続して見続けないよう気をつけることも大切です。

・また最近の遮光レンズやブルーライトカットの眼鏡は、周囲の方が気づかない程の薄い色で、一般のサングラスを上回る紫外線の遮断効果や短波長光を減少させ眩しさを軽減する特徴があります。目への負担を減らし、黄斑変性の進行や白内障の予防も期待できますので、黄斑変性の方に限らず広くお勧めしています。また瞳孔拡大による眼圧上昇(眼底血流が低下)や顔と眼鏡の隙間から入り込む紫外線を抑えるために、当院ではできるだけ薄い色のレンズをお勧めしています。なお遮光レンズの色素は経年劣化します。使い方にもよりますが、3年程度を目安に交換しましょう。


・最近の傾向ですが、LED照明を導入後から、目が疲れるようになったという声が聞かれるようになりました。LED照明は省エネには繋がりますが、現時点で目に優しいかという点では、いくつかの問題があります。具体的には安定器の品質(チラつき)と光の拡散処理(蛍光灯との原理の違い)にあり、改良が進んではいますが発展途上です。現時点では無理にLED照明にするのではなく、疲れを感じるようであれば元に戻して下さい。千秋針灸院では、患者さんやスタッフの目を保護するため、治療院内の全ての照明でLEDの使用を避けています。

●胃腸に負担をかける食生活を改めましょう。

中医学では胃腸や肝臓に負担をかけることで、出血傾向や自然治癒力の低下を招き眼病を招くとされています。また当院の200名以上の患者さんの問診や体質からも、同じような傾向を掴んでいます。

・特に女性の方ではチョコレート等の甘い物(砂糖)、男性では食べ過ぎや長年の飲酒が原因で、胃腸や肝臓の弱りを起こしている方が多いようです。食べ過ぎや甘い物の摂り過ぎは胃腸を弱らせ眼底部を含めた出血傾向を高めます。甘い物の摂り過ぎは案外ノーマークの方が多いようです。最近は何かと甘い物を口にする機会が増えていると思いますので、特に気をつけていただきたいものです。また毎日の飲酒も量にもよりますが自然治癒力の低下を招き、体の回復力を弱めてしまいます。実際、脈絡膜新生血管の患者さんに多くみられる網膜浮腫は、飲酒や水分摂取を控えめにすることで改善する傾向があります。

・適度な運動と十分な休養、適切な食事ができれば、大抵の病気は起こり難くなり、また治りやすいものです。脈絡膜新生血管(近視性黄斑変性)の患者さんには針治療だけではなく、自分でできることを実行することで、現状を変えるきっかけになります。当院でも可能な限りサポートをしますが、治療と共に努力してみましょう。

●眼科疾患への抗VEGF療法(ルセンティスなど)に対する重大な副作用が指摘されています。

最近の眼科専門書には、抗VEGF療法(アバスチン、ルセンティス、アイリーア)に対する限界や問題点が記載されるようになっています。手元の書籍では『眼科診療のコツと落とし穴 薬物療法』 中山書店 で 神戸大学の本田茂医師は、むやみな再投与に対する血行路形成への支障や、繰り返し投与の効果減弱を指摘しています。また海外では副作用として、脳梗塞や緑内障の発症リスクが高まることも報告されるようになりました。

・2009年に当院が公開した統計症例報告でも、抗VEGF療法の複数回投与は視力改善への効果が明らかに落ちることを指摘しており、期間を空けての再投与も効果が薄くなることを幾例もの症例で確認しています。複数回の抗VEGF療法が効かなくなる原因は組成がタンパク質であるため、繰り返し投与により抗VEGF薬物への抗体が出現することに加え、正常な血行路形成を阻害し、網膜の健康状態を悪化させてしまうからと考えられています。私も10年近く前から臨床の中で気づいていましたが、最近では徐々に抗VEGF療法は積極的には使わないとする眼科医も増えているようです。しかし一方で現在でも漫然と使い続ける眼科医もあることから、本当に必要な状況であるか、十分な効果が得られる可能性はあるかを慎重に検討する必要があると考えます。

・この話を簡潔に言えば、初回(連続3回程度まで)の抗VEGF療法については、良好な効果が期待できますが、一旦抗VEGF療法を行った後の再発症については、初回のような良好な効果はまず期待できません。また網膜浮腫に対して注射を行う向きもありますが、数ヶ月で薬の効果が切れてくると再発するケースが多く、この場合には10回・20回と注射を繰り返すことになります。1回の注射でも白内障、概ね10回以上の注射(当院調べでは5回以上)で緑内障の発症リスクが高まることが報告されています。脳出血や硝子体内出血を生じた患者さんもありました。十分な効果が得られない場合に繰り返し再投与を行う事は、患者さんがリスクだけを負うことになります。特に発症から数年後に多い黄斑萎縮を生じ始める状況では、眼科での有効な治療法がありませんので、視力低下が長期間固定しない内に適切な針治療の検討をお勧めします。


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関連リンク・参考文献


●関連リンク

眼科領域の針灸治療 (当院ページ)
眼科領域の難病治療を提携治療院で(当院ページ)

●症例報告

演題 『中医学による加齢性黄斑変性症への鍼灸治療』 (当院ページ) 2007
中医学による脈絡膜新生血管(若年性黄斑変性)への鍼灸治療(全3部) WEB公開版 2009

参考文献・蔵書一覧 (当院ページ)

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   ・本ページの内容は現代の眼科医学及び中医学、千秋針灸院の治療実績に基づいて書いているものです。
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