都市の活性化

東京の一局集中が進みました。
地方の過疎化が進む事は、既に早くから問題が指摘されています。
過疎の問題は別にしても、都市でも問題は多いです。

同様の・・・あるいは類似の・・・あるいは単に経済不況の影響だけかも知れませんが、政令指定都市を含む大都市でも起きている事は、想定外とも言えるでしょう。
人口の多い都市だけが良いと言えませんが、生活・経済の各種サービスの殆どは、利用者の数に比例して拡がります。
単純に、採算を考えると利用最低数が必要であり、人口に対する比率がほぼ一定とすると、サービスの採算は一定以上の人口集中が必要になります。
どうしても、採算が取れないが生活に必須のものは、公的機関が対応する事になります。

一方で、住民人口以外に観光や経済活動などでの集客があります。
昼間人口とか、休日人口とか呼ばれるものです。
しかし、これは非常に重要であり、種類に違いはあってもこれらに見合ったサービスが生じます。
そして、サービスが増えるとその地域は、次第に活性化します。

逆の場合は利用人数が不足しますので、サービスは生まれない、または減少します。
これは結果で有り、当事者にとっては破産・廃業・赤字等を意味します。
それが多くのサービス業で起きると、その地域では多くのサービスが減少または無くなります。
そして、経験的には悪循環というものが生じて、負のサイクルになると加速度的に経済不況になりやすいです。
これを防ぐために、その地域では各種の活性化のための活動を行うのです。

交通機関の充実・停車駅や種々の交通手段(空港・道路・港湾等)の接続の比重は大きいです。
製造工場や大型店舗の誘致があります。色々と副作用もありますが・・。
文化や観光という方向もあります。
定期的なイベントの開催で、集客を狙う事も行われます。
民間主導で進むのは好ましいのですが、通常は地方自治体の誘致・計画があって始めてきっかけが生まれるものです。

都市の活性化を目的にすれば、最低でも足し算の効果があることが期待されますが、実はこれが難しいのです。
時間の経過と、周囲の環境の変化は絶えず生じています。
計画立案・準備・実施・継続・効果の波及というシナリオには、多くの時間と推測が含まれます。
そして、その通り計画を達成出来る事は少ないのです。
その理由は、詳しく調べないと次の計画は作成出来ません。
しかし、長く結果の検証さえ不十分としかいえない時期が続きました。
多額の費用で作った、建物・設備がまともに使用されずに、メンテナンス費用さえも維持出来ずに破綻する状況が続いています。

しかし、止める事は出来ず、新しい計画が生まれて都市は生き物のように変わって行きます。
何かをつぶして、新しく作るか、場所を変えて作るか。
何かが生まれますが、同時に何かが消えて行きます。
何事も、維持する事が最低の条件で、現実はそれだけではいつかは自然消滅です。
従って、必ずプラスの波及効果が生まれないと、活性化の目標は達成出来ません。

マイナスは中止せざるを得ません。
しかし、その判断・方法・費用・マイナス波及効果を見定める事も難しいです。
でも、マイナスが多く残っている限り、いくらプラスを目指しても成功しません。

今、各地で色々な試みが行われています。
しかし、独自性・継続性・プラスの波及性を満たすものは、少ないというかそもそも難しい課題としか言えません。
そして、継続を目指す考えと、根本のシステムから見直す考え方がせめぎあう事も起きます。
既に、無理のない綺麗事で解決する問題ではなくなっていると言えそうです。(2011/07/05)

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