デジタル音源・映像の寿命
昔、テレビの部品は真空管からトランジスタ等に変わった時に、営業は「真空管レス」を掲げましたが技術よりあまり強調すぎない様にと止めがはいりました。
なぜならばブラウン管が真空管ですから。
今はそのブラウン管もなくなりつつあります。
アナログ時代からデジタル時代に変わってきています。
そこでは、デジタルの優位さを色々な表現で表しています。
音がきれい画像がきれいという感覚的なものから、デジタルの方が機能的に優れているという事まであります。
ここで取り上げるのは後者です。
一見して似たような表現がありますが、正しいものと誤解を招きやすいものと、間違った事があるからです。
アナログとデジタルの記録方法の違いがあります。
電子記録ではデジタルは、0-0.5ボルトを「0」、2.5-5ボルトを「1」とします(逆でもかまわない)。
両者の間は不定です。物理的な記録はアナログで行い、その解釈はデジタルになります。
デジタルのCD等では、読み出した信号を直ぐに再生するのでなく1単位の信号ブロック全部を読み出してから再生します。
さて機能で見たデジタルの特徴は何でしょうか?。
音を忠実に再現する・・・サンプリング方式の評価の問題です。
コピーしても劣化しない・・・著作権で問題になっていますが、かなり高い確率で正しいでしょう。
デジタルは永久に劣化しないまたは寿命が長い・・・机上の思想上はある程度正しいですが、現実は誤りです。
ただ対策方法で寿命を延ばせます。
デジタルはランダムアクセスが出来る。
デジタルは摩耗しない。・・・これは記録媒体の変化の問題で根本的な問題ではありません。
録音テープやレコードのような接触式媒体とCD・DVDのような非接触式の媒体の差です。
サンプリングとは、記憶媒体や録音・再生の制約から人間の視聴可能な範囲に音声・映像を制限して、かつ必要最小限の量にまびく(サンプリング)事です。
ここで、情報のある程度は失われます。
デジタル記憶の寿命ですが、記録媒体がデータを再生可能な状態で保持する期間になります。
記憶媒体の破損・劣化(媒体そのものの)で再生が出来なくなれば寿命となります。
例として、CDを取り上げるとアクリル板に機械的に信号を刻み、貴金属の蒸着膜で光り的に反射性をあげています。
その材質からはとても無限大の寿命などはありえません。
寿命を延ばす手段としてコピーがあります。
コピーの前後の媒体や読み書き機能が正常に動作すれば、デジタル記録的には全く同じ複製ができる事になります。
この機能を利用すれば、データの寿命は原理的には寿命の制限がなくなるに等しくなります。
ただ現実に販売されている機器では著作権の問題で、子への1代コピーのみ可能で、孫世代へのコピーは禁止された機器になっています。
なおコピー・録再機能のある機器も、当然寿命がありますからコピー機能にも寿命はあります。