将棋棋士・羽生善治が入試問題に登場する日

将棋人口が減少していると言われているが、まだまだ多くの人に知られています。

学校の部活動にはかかせませんし、授業に取り入れる動きもあります。

昔、どこかの入試問題に「『腰掛銀』の意味を書け」という問題があってという話もあります。

『腰掛銀』は将棋用語で、「歩の上に銀が出ると『歩越銀』と呼ばれます。

その中で中央の5筋の場合のみ『腰掛銀』と呼ばれます。

「銀で作られた腰掛け」という解答があったとか・・・。

梅田望夫著「ウエブ進化論」はベストセラーです。

その帯文及び第6章に羽生善治三冠(2007/02/14現在)が登場します。

話は、インターネット普及による知識の広まりとその結果としての将棋の上達の「高速道路論」そして同じ知識でたどりついた先で生じる「大渋滞の時代」が話題です。

それならば「大渋滞を抜けるために何が必要か」に進みます。

羽生は、それを言葉に出来ない感覚的な技術だとします。

梅田氏はこれがネットの本質であらゆる世界で起きているとしています。

そして数学・物理の世界では書物で過去に作られているとも書いています。

そして、ネット時代では多くの分野が一気に高速道路で駆け抜ける事が可能だがそこにたどり着いた次にどのように生きてゆくのかが重要と話は進みます。

現在、コンピュータ将棋の進歩や情報の進歩が将棋界を変えていますが、それがあらゆる世界の出来事と同じであり、その世界の人間が具体的に認識しており具体例として取り上げる事が適切だったと著者は判断したと思います。

最近の入試問題には、最近のメデイアや著書(ベストセラー)から出題される事が増えており、今回同志社大の入試問題に梅田氏の著書が引用され、引用部分が羽生善治の「高速道路論」と「その後の大渋滞論」だった訳です。

受験者に要求されるのは、ネット時代の急激な変化の結果生じている事とその後の対応についての著者の見解についての個人の考え方だった訳です。

「ウエブ進化論」  梅田望夫  2006/2

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