箱根細工秘密箱

伝統芸術の中にも、からくり物・細工ものはいくつかあります。箱根細工の秘密箱もその一つです。

色々な模様の木を並べて、輪切りにすると言うイメージです。完成品の断面は色々な模様の木目が整然と並んで非常に綺麗です。

そしてその模様の境目は多数存在しますが美しく全く不自然ではありません。もしそこに切れ目があったとしてもです。

一見、普通の飾りものに見えますが、上記の切れ目で分かれた細長い側面と、それらを支える側面の底板全体とふたの部分に隠された細工を正しい順序で動かしてゆく事で最後に秘密の入れ物があらわれます。

大きさは箱根細工の美しさを強調する大きな物からさいころ程度の小さなものまであります。

木で作られたパズルは数多くありますが、そのパズルとしての巧妙さと形状の面白さが特徴です。

それらのなかで、箱根細工の秘密箱は形状は直方体ですので単純です。

しかし、廻りを取り囲む特有の模様はそれ自身が芸術ですので、飾っておくだけでも飽きる事はありません。

秘密箱というのは私を含めて、パズル好きの人間には興味の固まりです。

ましてやそれが美しい木工細工で出来ているのですから、たとえ一度解けても飾りにもなるし、結構忘れるので繰り返し楽しめます。

初心者向きには、1桁回数の物がよいでしょう。回数というのはどこかの部分を動かす回数です。

次は10-20回が解きたくなります。これくらいになると、二重の隠し部屋などの新しい細工が登場します。

20回を過ぎるとかなりのパズル好きが対象になります。細工も複雑になりますので小さな箱では無理になります。

そして解くのには、色々と発想の転換が必要になります。

100回を超えるものもあると聞いたことがありますが、私が保有している物の最高は56回です。

そして、まだ解けていません。きっと、毎日頭を悩ませていると思う人もおられると思いますが、保有している中で解けていないのが唯一これだけですので、解けないものを残しておきたいという気持ちもかなりあります。

きっと別の難しいものが入手できたらば、解くのに熱中するように思います。

はじめに簡単にかきましたが、箱根細工自体をご存じですか。木の模様が縦横に複数に組み合わさって模様になっています。

秘密箱では、一見して1枚に見える部分が模様の境で分かれていて動くのです。

もし、模様のない箱で同じものを作ったならば、かなり印象は異なるでしょう。

箱根細工の木の模様と秘密箱の細工との組み合わせが絶妙なのです。

材料が木ですので、ひとつひとつが異なります。湿度などで動き方が異なります。

軽く押して動く場合となかなか動かない場合があります。簡単に壊れるものでは有りませんが動くか、動かないかの判断は慣れるしかないです。しかもひとつひとつ異なります。従って手順を聞いても必ずしも成功するとは限りません。いかにも精巧な手作りの感があり、これも大きな愛好の理由でもあります。

このページの先頭へ