え、おで始まるタイトルの映画
 

A.I

悪い予感はあったのよね。
「鬼才」キュ−ブリックの遺したプロットを、「商売上手」スピルバーグが完成させたって。
しかも主人公は少年の姿のロボットで、心があるときたもんだ。
スピルバーグの映画の楽しさは評価する私だけど、感動や人生はてんでダメ。『カラーパープル』も『太陽の帝国』も、私は大嫌いなんだからっ。

でもやっぱり、気になって観ちゃうワケですわ。
キューブリックだからなあ。でも遺作の『アイズ・ワイド・シャット』は、なんじゃこりゃあ、だったんだけど。
で、予想通り、と言うか、予想以上のヘタレッぷりでした(笑)が、そこはスピルバーグ、全然見どころが無いわけじゃない。
むしろ前半は、かなりイケてました。
なにしろジュード・ロウの絶倫ロボット!!

子供を欲しがる夫婦に子供ロボットを販売する、という発想自体がとってもキュ−ブリック的不健全なのだけれど、そのキモチワルさに気付いているのか!?と疑わしいスピルバーグが、キモチワルイ。
考えてみたら、「養子をもらったら実子が生まれちゃってもらいっ子が邪魔になる」って昔からのパターンだしな。
まあ、その子に半永久的な意識と、親に放棄する権利を与えてみました、ってトコかしら。それって面白い?
我々日本人は、当たり前に『鉄腕アトム』を観て育ってるから、衝撃が薄いのかも知れないけれど。
ロボットの見せ物とか、(『アトム』の描かれた頃ならまだしも)そうかあ!?って思ったし。

それから、いくらメカだから人間の食ベ物を食べたら壊れちゃう、と言ったって、あんな風に顔が溶けたりしないでしょ。いくら子供向けでも視覚刺激ばかり追い過ぎだよ。
不真面目な態度(に私には見えた、大真面目ならもっとビックリだが)にゲンナリしてたら、どんどんおかしな展開になって来て、最後はもう、は〜。

そうそう、あの「ママ」の顔が最初から恐くて、絶対A.Iは今にめちゃくちゃ虐待されて足蹴にされるんだと思い込んで観ていたら、意外と善意の人だったので肩透かしでした。
どうにも「母性」を讃えたいのだな。
ピ−タ−パン野郎めが。

永遠のマリア・カラス 

その名はファニー・アルダン。
近頃私を虜にしている女優。
どうしてこんなに色っぽいのだろう。
どうしてこんなにエレガントなのだろう。
どうしてこんなに、グラマラスなんだろう。

そんなアルダン様が、「世紀の歌姫」マリア・カラスに扮するこの映画。
正直私は、オペラもカラスも殆ど興味も知識も無かったんで、まあアルダンだから観てみるか、くらいの気持ちで観たんだけれど。
いやいや、なかなか、圧巻でした。
作中のアルダンはカラス本人にソックリ、なんだそうだ。写真で見る限り、(カラスもたいそうな美人ではあるが)顔も体つきも全然違うタイプだというのに。
仕草や表情を徹底的に真似た、という話(監督はカラスと親しかったそうだ)だけれど、その結果現れたアルダン=カラスは、とてつもなく優雅で魅力的な女。マジ、惚れ惚れ!

劇中描かれるカラスの性格はヒステリックでワガママで、どうにも傍に置きたくないタイプ。でも、ドレスアップしたアルダンが婉然と微笑めば、絶対に逆らえない(笑)。
そういう意味で、とっても説得力があって、ストーリーの甘さ(と言うか、軽さ、かな?)なんか全然問題ナシに思えてしまった。
あまり人生とか考えずに、絢爛たる画面とオシャレな会話を楽しむのが正解だな。

なんと言っても凄いのは、実際に残っているカラス全盛期の歌声。
その声に、晩年のカラス自身が口パクで出演してビデオを撮影する(むろん劇中で演じるのはアルダン)、という企画。
何も知らない私は、本当にそういうビデオが作られたのかと思ってしまったんだが、そのビデオ版『カルメン』の、そりゃあもう素晴らしいこと!豪華絢爛ドラマティック。本当に通しで観たくなってしまった。(残念ながら、全くのフィクション、と言うかファンタジーなんだけれど。)
視覚的にはアルダンの容姿と演技力で、聴覚的にはカラスの圧倒的歌声でもって、力業で説得されてしまう、そんな感じが心地良い。

私が大好きなシーンの一つは、恋人に会わせるからおめかしして、とプロデューサーに言われ、振り向いたカラスが「シャネル!」と答えるところ。
なんと、まあ。安っぽい女がやったら失笑モノなのに、このウキウキしたアルダンは最高にチャーミングだ。そして実際シャネルが、異様な程に似合う
脇役にも、どこか最初からあきらめたような顔をしたゲイのプロデューサー、その恋人の才能ある画家青年、タフな女記者と、魅力的な人物を取り揃えて、楽しい。『カルメン』の相手役の青年も、本業はスーパーモデルというだけあって、素晴らしい美形。楽しいったらありゃしない(笑)。

人生は、儚い夢のよう。どうせ夢なら、思い切り華やかな楽しい夢を見たいものだ。
ラストシーンで立ち去るカラス=アルダンの後ろ姿を見送りながら、やっぱり私はつぶやいてしまう。
どうしてこんなに、ゴージャスなんだろう!?

エイリアン

SFというよりは、ホラー、パニック映画として秀逸な、傑作、やっぱリドリー・スコット好きかも。

公開当時、物凄く話題をさらったんだけど、エイリアンの形が気持ち悪いとか、まあそんな内容だった、確かに気持ち悪い(でも美しさもあるんだが…)し、イヤ〜な恐さがあるよね。
寄生された人間が、しばらくケロリンと生きてるってのが、ツボその1。
そういう伝染病とかもあるから、結構身近な恐さでもあるし、意識のあるままお腹がボコボコッて出っ張ってピョギェエ〜(エイリアンの鳴き声を、なるべくリアルに表現してみました)って飛び出して来ちゃうってのは、全然身近じゃないけど充分イヤなのはたやすく想像が付く。
ツボその2は、育ってからのあのお姿。
は虫類と昆虫の、コワイとことエグイとこを足してデカくしたみたい、絶対素手で掴みたくない。(その前に死んでるけど)
しかも舞台は宇宙船、いわば特殊事情の密室。
単にSF流行りだったというレベルでなく、ちゃんとこの特殊な密室を生かした作りだし、それが無くてもエイリアンのデザインだけでもSF的価値はOKな気がしちゃう。

でも、ドラマもちゃんと面白い。
』ではすっかりケンカ慣れしちゃった闘うヒロイン、シガニー・ウィバー演ずるリプリーも、この頃はいわば一般企業のOLで、新米宇宙飛行士。初々しくて、ショックを受けたり追い詰められたり、ヤケクソになったりと、感情移入し易いキャラクターでありながら、長い手脚に意志の強そうな知的な表情は、「やってくれそう」な頼もしさもあってとっても魅力的だった。
面白いのは、この宇宙船、企業の物っていう設定な事。
だから、儲け主義の上層部やら、密かに送り込まれた命令に忠実なロボットやらが、話の展開を盛り上げる。
少なくとも『1』においては、戦闘にも素人のか弱いヒロインが、たった一人で闘う孤独と不安、みたいな物がかなりポイントを上げていた気がする。
ラストは本当に、ホッと胸をなで下ろしたものだった。

SF理論には詳しくないので、どんなもんかは知らないけど、宇宙船の中で、わりと普通っぽく生活してるのも、見ていてなんだか楽しかった。
あの猫、あれは良かったわ、そう言えば昔の船乗りは猫を航海のお守りに飼ったと言うしね。
コールドスリープに入る時のタンクトップにパンツ姿(結果的にはその姿で駆けずり回るはめになるんだが)のリプリーさんが、全然グラマーじゃないのに色っぽくてステキだったなあ。

エイリアン2

『2』が許せる映画って、とても少ないんだけど。
これは、その数少ない、納得の『2』のうちの1本だ。
あとは『ターミネーター』と『スターウォーズ』くらいかな?
キャラクター人気でとにかく引っぱってしまった『スターウォーズ』は置いといて、『T2』も、この『エイリアン2』も、ポイントは「『1』とはタイプの違う映画を狙っている」点、「制作費がおそらくハネ上がっている」点が共通だ。

』では初々しく、怯えたりうろたえたりが魅力的だったリプリーは、すっかりキモの座った女戦士として再登場する。あんな恐怖体験をくぐり抜けて来たのだから、太々しくもなろうというもの。
コールドスリープで時間が止まっていたはずが、シワが増えちゃってるシガニー・ウィバーが、ちょっと泣かせる(かぁ?)けど、前作から7年も経っているのでは、いた仕方ない。
むしろ精悍さが増して、より逞しくなったリプリーにポーッとなってしまいました。
あ、『2』成功のヒケツがもう一つ、「女がパワーアップしてる事」かも。

今回の監督は、ジェイムズ・キャメロン。
前作のリドリー・スコットの重厚さ、鋭さは無いものの、派手なアクションと分り易くテンポの良い展開は、サービス満点のエンタテインメントぶりで、大満足だった。
追い詰められたリプリーの背後に小型艇がせり上がって来るシーン、ガンダム(じゃないけどさ)に乗り込んで登場し、「その子に触るんじゃないよ!」とタンカを切るシーン、子供を小脇に抱え、空いた片手に銃を持って走り回るシーン、拍手喝采モノで、本当にワクワクした。
それが『タイタニック』だもんなあ。

はじめ、リプリーには地球に残して来た子供がいて、コールドスリープの間に死んでしまっている、という設定があったとか。
確かに、ヒーロー物の娯楽大作になったとはいえ、なんであんなに子供に執着するのか?と、不思議に思った私。でも『2』はともかく、『1』のリプリーは、母というよりまだお嬢さんってイメージだったけどね。
で、シブイ恐さの『1』とは全然違うド派手な死闘を繰り広げつつ、ここでのドラマもまた、なかなか面白い。
乗り組み員は、命知らずの海兵隊。なかでもバスケスって女の子が、最高にイカシていた。
お決まりながらエリートの上官は無能で臆病だが、最後はキッチリいいとこ見せて泣かせるし、すっかりロボット嫌いになっていたリプリーも、ある意味救われて(これが『3』までなだれ込むんだけど…それはもう忘れたい)閉ざした心を開く。
マイケル・ビーンは、『ターミネーター』に引き続き、強い女に引きずり回されていたなあ。

と、いう訳で、『1』も『2』も大好きな『エイリアン』だけど、さすがに『3』は疲れが出て、『4』に至ってはもう、悲しい…やっぱり引き際って大切だよね。

エクソシスト<ディレクターズカット版>

言わずと知れた、ホラー映画の名作。
公開当時、あまりにも話題騒然だったんで、同級生と一緒に封切り日に早起きして映画館前に並んだのよ、私。
ああ、若かった、って言うか子供だったんだけど。
で、本当に子供だったんで、何かパッと見の汚さ(緑ゲロとか)やキモチワルサ(首がグルリンとか)ばかりが目に付いて、そんなに楽しめなかった、というのが正直な感想だった。怖いよりも汚い、という印象で。
でも時々思い返しては、「あれはもしや傑作だったのでは」と、うっすらと感じてはいたのよ。

で、「ディレクターズカット版」鑑賞。やっぱり。
かなり、面白かった。
緻密な構成。驚かし方の巧さ。緊張と弛緩(次の緊張のための)。
子供の目には汚い、と映ったが、各ポイントの汚い物(緑ゲロとか…)以外の絵は、とても上品で、重厚。有名なテーマ曲も、効果的に風格を添える。
女優であるママの服装がダサいのには驚いたが、時代のせい?いや、あれは違うと思う、他の人はおかしくないもの。なぜ!?
そんなに難しい話ではないが、最低限のキリスト教の知識があった方が楽しめるかな。

物語は、悪魔に憑かれた少女リーガンと、その悪魔を払う「エクソシスト」神父と、双方向で描かれる(と、子供の時は気付かなかった)。
無邪気な少女リーガンが、どんどん豹変して行く部分は見応えがあるし(普通に戻ったりして)、ママや医者の当惑ぶりも具体的かつリアルだ。
リーガンの検査のシーンも、痛そうで別の意味で怖かった。
そして、カラス神父と、母親とのわだかまり、葛藤。ここが実際のテーマに直結するあたりが、とっても私好みだった。
悪魔はリーガンの口を借りて母の言葉を喋る。カラス神父と共に、あそこが最もショッキング。人の弱さに、悪魔はつけ込む。
と、いう事は、その悪魔に打ち勝つという事は、己の弱さを克服する、という事で………ああ、なんて陳腐な文章。………まあ、そんな訳で、この映画の見所は、数々のショッキングな悪魔憑きのシーンではあるが、根底に流れるストイックな人生観が見えて来ると、邪教徒(笑)の自分でも深く感動できてしまうんであった。

でも、やっぱりリーガンは不細工だったけどね。

エス(es)

ドイツの映画って、あまり観る機会が無くて、思い出すのは『ラン ローラ ラン』くらいかな。
『es(超自我)』なんてタイトルは、いかにもドイツ人好み、って感じで興味をそそられました。
両者を観終わってのドイツ映画のイメージは、「実験好きの理屈屋さん」かしらね(笑)。
嫌いじゃないです。

与えられた環境や身分設定で、人がどれ程転がり落ちて(増長して)行くか。
正直、結末は予想通りだったが、思ったよりずっと短時間の急展開で、それにはビックリした。
それから、思いもよらなかったけれど見て納得したのは、実験する側の教授のいい加減さね。
実験放り出して学会に行くなよ!
…でも、ありそうだなぁ、こういうバカ学者。
なんて思って観ていたら、実話だったのね。しかも現場はアメリカで。

お調子乗りのタレント教授は、いかにも現実にいそうで面白かった。
看守役のリーダーになる「臭い」と言われて逆上する男も、なんかリアル。
主役に当たる記者の若者は、うーん、いるだろうな、やりすぎだけど。
殆ど唯一外界とのパイプ役になる記者のガールフレンドが、結局何の役割も果たして無いのが残念かな。
ここらへんでキチンと組んでくれたら面白いのに。
実話の限界かしらね?

と、まあ、展開は充分面白かったんだけど、完結の仕方が食い足りない気がして、少なくとも『es』なんてタイトルは大袈裟だったかな、と。
どの辺までが事実なのか不明だけど、ルポとしてはかなり興味深い(やり過ぎだけど)、でもドラマと呼ぶにはサッパリし過ぎ、というところでしょうか。
  

エバーアフター

とっても話題になった、21世紀版『シンデレラ』。
主演がお気に入りのドリュー・バリモアだったので、すごく楽しみにして観た。
バリモア、相変わらず可愛くて、地に足がついてる感じがいい。適度にオバサンぽいとこもマル。

ストーリーは…、まあ、ほぼ予想通り、思ったよりもっとシンデレラが逞しかったカシラ。
急に「私は父から剣を仕込まれたわ」って始まっちゃうのはいただけないが、馬も乗るし、舞踏会では妖精みたいにキレイだし。強くてチャーミングな女性を見るのは小気味良い。
スペイン王女の結婚式も、楽しく笑えた。

…しかし、何もかも片付いてからノコノコやって来るだけの王子、あれでいいんかい!?
悲鳴を上げて泣いてるだけのお姫様を見飽きているのは確かだけれど、自分でなんでも出来るようになってしまった女にとって、それでも必要な男ってのを見せて欲しいのよ。
(現実問題として、彼は王子なのだから、それだけで価値はあるとはいうものの、それではあまりにも夢が無い。)
アメリカの女は大変だ。知的で喧嘩も強くて、しかもまだ美しくなきゃいけなくて、男もゲットしなくちゃならない。

エビータ

実在したアルゼンチンの大統領婦人、美貌と派手なパフォーマンスで民衆に愛され、若くして亡くなった‘エビータ’ことエヴァ・ペロン。
野心家でパワフルなところがイメージにピッタリなマドンナだが、意外な程のハマリ役。
普段とは全然違う声でミュージカルナンバーを歌い、クラシックな衣装の数々をエレガントに着こなして、正直かなり見直しました、私。
本当にマドンナって、頑張り屋さんだわ。

このところ私のアイドルNo.1のアントニオ・バンデラス。
ビックリする程キマッていた。
ラテンの人は皆歌がうまい、と言うけれど、気持ち良く声が抜けてホント〜にウマイ!
‘スパニッシュ・セクシー’は、歌いっぷりも最高にセクシーだ。
マドンナからのラブコールが実現しただけあって、二人の踊るシーンは泣けてくる程かっこいい。
実際には一度も出会う事がなかった男と女の、イメージだけのからみ合い。お互いの思いの複雑さ、激しさを見事な絵で見せてくれる。

大ヒットしたミュージカルの映画化だけあって、さすがに音楽も素晴らしい。
次から次と名曲が、美しいアレンジで流れて来るが、華麗でどこかファンタジックな画面のせいか、ミュ−ジカル映画にありがちな歌い出しの気恥ずかしさを感じずにすんだ。
そして、繰り返しになるが、名曲の数々を歌いこなすマドンナとバンデラスにはホレボレだ。
ストーリーはわりと平易で分かりやすく、特にこれといった物語上の見せ場も無いんだが、迫力ある画面展開と音と光の洪水に、飽きさせられる事無く漂ってしまった。

…なんだろう、この気持ち良さ。
と、思ったら、アラン・パーカー。
エンゼル ハ−ト』だぁ!
納得、であった。

えびボクサー

ひええぇ〜〜〜、く、くだらねー!!
と、誰もがまず思う、はず。
原因不明で巨大化したエビ(だいたい身長2m位かな?)に、ボクシングの試合をさせて一山当てよう、という、いかにもええかげんな話がストーリーの中核で、しかもその巨大エビがまた…、痛ましい程ハリボテ君なのだ。
CG嫌いの私としては、応援したいのはやまやまなんだが、それにしたってまあ。
でも、でもね。
いい映画だったのよ、これが。マジで。

実はこの映画、TVドラマに出て来てたんだよね。あ、実在するんだー、と思って観てみたんだけど、もしドラマ知らなかったら、目に止まったか、どうか。分からない。
サエない元ボクサーのおっさんと、全然勝てないサエないボクサ−青年と、そこそこ若くてカワイイけどそれなりにサエないボクサーの恋人。パッとしない人生を一発逆転すべく、巨大エビをワゴン車に積んで街に出る。お金は無く、コネも、計画性も、知恵も、無い。エビのボクシングにしたって、本能をアテにした行き当たりばったり。アブナイッて、アンタ達。エビはホテルのベッドに持ち込むは、困窮して強盗までやらかすわ。
あまりの彼らのドン臭さ、おバカさ加減に、呆れながらもだんだん肩入れしたくなって来る。
特におっさんは、エビの世話を甲斐甲斐しくするうちに、父性愛?に目覚めるのか?明らかに変わっていく、そして愛の対象であるミスターCことエビ君が、おっさんの心の動きと共に、なんだか可愛く見えて来る!
さんざんドタバタの末に、ついにエビボクサーはTV出演に漕ぎ着ける。今まで殆ど拘禁されて目と手しか動かなかったエビ君が、走り出す…その動きがまた…キグルミじゃん!
なのに、その先の展開も「ありえねーっ」なのに、感動してしまう。エビにそんな脳みそは無い、とか、明らかに低予算とか、そんな事は、こみ上げる涙のストッパーにはならない。
共感し、共に泣いて、それぞれの行く末に心からエールを送りたくなった。

これはとても上質なグローイングアップコメディであると同時に、とても優しい愛の物語だ。
イギリスで作られたこの映画、実は日本以外では殆ど上映されず、理由は「動物愛護の観点から不適切」なんだと。
バカじゃねー!?
観終わって、こんなに心に愛が溢れる映画は珍しいのに。
だからって、「明日からエビは食べないぞ!」とは思わなかったけどさ。

えびボクサー

(by しるこ)

ツタヤ半額だし、痛い目にあっても傷は浅いとばかりに
借りてみました『えびボクサー』
そのまんまエビがボクサーを目指すサクセース☆ストーリー。アルバトロスの映画はこんなんばっかり(-_-;)
結構よかった…(ぼーぜん)泣けました
でも二度は観たくないです(笑)お薦めもしません(キッパリ)
次回作はいかボクサー…観ようかな…

 

(by スギモト)

私は『えびボクサー』大好き。
また観たいです。
確かに他人様にお薦めするのは勇気がいるけど(笑)。
でも好き。愛があるから…。
p.s いかはレスラーです。

 

(by コーキ)

着ぐるみ?のチープさや形状がエビではなくてシャコなんだけどそんな物はどうでもよくってヒューマンドラマとバカバカしさが渾然一体になってて楽しめた映画でした。
ですが、こんな怪しい映画を喜んで見る方がコーキ以外にも居るのがわかってショッピシ安心しました。
実際のシャコはパンチで貝を割って食べたりするすごい生物です。

 

(by しるこ)

いかはレスラーなのか!  み、見なくちゃ…
コーキ様、杉本様、私こそ安心しました
この映画って  感動するよね(;_;) 愛。

エンゼルハート

うーん、これ、賛否両論、けっこう割れてたよねえー。
私は、大好き。最高。

そもそもミッキー・ロークって、気持ち悪いのよ。
気持ち悪くって目が離せないとか、そこがクセになっちゃって、とか、じゃないの、素直ーに普通ーに、ダメなの。
それなのに。
この映画は、良かった。いやミッキーがステキとかじゃなくて、いい映画でした。

話の展開がありきたりだとか、オチは簡単に予想できたとか、言う人達がいた。そう言われれば、プロット自体はそう珍しいものじゃない。(珍しいってどんなの?)
劇場公開で観た時、私には全く余裕が無かった。
画面の鋭さ、美しさにひたすら見とれて(ミッキー気持ち悪いのに)溺れているうちに、アレヨアレヨと話は進み、終わってしまった後には恍惚感だけが残った…、そんな状況。
私はかなりスレた観客だし、もの書きの(はしくれですが)サガで、つい色々先読みしたり、ツッコミ入れたりしてしまうのが常。不遜にも、「私ならこうする」なんて考えたりもする。
でも今回は、ただ画面を追うのに必死で、気が散る隙がなかったのよ。 で、とーっても心地良く、なされるままに揺さぶられて、
そしてオチにしても、嫌いなミッキー・ロークがやっぱりインチキ野郎だったので、ものすごく素直に納得してしまったの。
初めてスペースマウンテンに乗った時に似てたかも。

で、後から思い出すに。
ロバート・デニーロ、またまた大活躍だったよねえ、あれは確かに、ギャグかも知れない、そう言われてみれば。

エントラップメント

ふふふ、私のだーい好きな「怪盗」モノ、しかも主演がショーン・コネリーときたひにゃあアナタ、楽しいったらありゃあしない。
コネリーに対する美人スパイが、これまた注目のキャサリン・ゼタ・ジョーンズ。美人だよね。
マスク・オブ・ゾロ』の頃はまだ、可愛らしいお嬢さんって感じもあったけど、アッと言う間にコワイお姐ちゃんになっちゃって、『シカゴ』もド迫力だったなあ。

日本のCMで、早速パクリが出た程、あの黒タイツ姿で赤外線を潜り抜ける姿は印象的でした。スタイルいいしねー、クネクネしちゃってるし。
…しかし、昔むかーし『スパイのライセンス』でロバート・ワグナーが、同じ事やってたような…、って、思い出したのは私だけ!?

そして、物語はコネリーとゼタジョーンズの恋を交えて、2転3転する訳なんだけど、この二人、おそらく祖父さんと孫娘くらい年齢差があると思うの。
にもかかわらず、二人が引かれ合うのに全く無理を感じない。
ラストのドンデン返し(なのかな?)には、きっと誰もが内心快哉を叫ぶはず。
呆れたセクシーじいさんなのであった。

お熱いのがお好き

ワーイ、だぁ〜い好きなマリリン・モンローの、すごい楽しいコメディ、しかも歌あり踊りあり、ギャングあり女装あり。なんともニギヤカなお祭り騒ぎだ。

マリリンの役名は「シュガー」。このセンスだけで、もはや及第点だ。
シュガーは豪華客船で歌手をやっている、とにかく純真で、かわいい女。
船の丸窓にお尻が引っ掛かってジタバタ、なんてシーンも、グラマーだけど愛らしいマリリンだから素直に笑える気がする。

その豪華客船に、ギャングの目を逃れるため女装して乗り込むのがトニー・カーチスとジャック・レモン、二人とも有名所で、事実上主役はこの二人なんだけど、どちらがどうだか、私の記憶は定かじゃない。スンマセン。
しかし、二人の女装が結構キレイだったのは良心的と言うか、この時代、あるいはビリー・ワイルダーの品の良さか。
よくコメディで女装のシーンが出ると、やたらにみっともないメイクをさせたり、わざわざひどいセンスの服を着せたり、「ここで笑いイタダキ!」みたいな卑し〜い根性がミエミエで、しらけるのよ。
良く顔を知られた男性が女装したら、それだけで笑いの要素は充分だって。
ましてや化けるのに、わざわざ悪目立ちする格好させて、どーいうつもり!?
この映画は1959年作、まだゲイ解放運動なんて無かった時代に、今よりずっと進歩的だ。(無かったからなのかな?)

ラストシーンがまたふるっている。
女装コンビの一人は、めでたくシュガーとハッピーエンド。
残る一人は、大富豪の爺さんに見初められ、苦悩(!)する。
「あいつがあんまりいいヤツなんで、(女装して)だましているのが辛いよ」。
とうとう耐え切れず、カツラをかなぐり捨てて「俺は男なんだよー!」すると大富豪、「誰しも欠点はあるさ」。
いいの!?それでいいの!?

オープンウォーター 

怖いんだけど、ひたすらに不快で、何の工夫も無くカタルシスも無い…。
サメが本物ってとこだけがアッパレなんだけど、それにしても、まあ。
実話だそうで、酷い話だね。
って言う感想以外、何も出て来ない、で実話と言うには「死人に口無し」なんで信憑性も無いし、途中は想像でしかないわけで。

実は私、旅行中ツアーバスに置いて行かれた経験がある。
とろくさい女添乗員が、集合時間前に人数確認を間違えて出発してしまったため。
あるのよ、本当に、こういう事。
幸い私が置き去りにされたのは那覇のメインストリートで、さしたる危機感は無かったけれど、本当にムカついたと同時に、ツアーなんて信用しちゃイカン、と思ったさ。忘れられたくなかったら、最後の一組にならない事ね。
で、そんな経験もあったし、海も船もお魚見物も大好きだったりで、他人事とは思えず本当に怖かったわ。
主役のカップルが浮き上がって来たあたりから、「観なければ良かった…」と泣きたくなった。

実際にはサメは、そんなに人間を襲わない(美味しくないらしいぞ)そうで、たまにある「事故」は亀やアザラシに間違えられる(装備や道具で…サメは目が悪い)から、なんだそうだが。
逆に、そんなに熱心に襲って来ない感じが、正に生殺しっぽくって怖かったりして。
それに、海で怖いのはサメだけじゃない、クラゲに刺されてショック死する人だっているんだ。
「太陽が出ていたら…」と悔しがるシーンがあって、気持ちは分かるんだけど、日が照っていたらもっと消耗したかも知れないし、喉の渇きも深刻な問題。
本当、人間手ぶらで放り出されたら、自然の前には手も足も出やしないのよね。
怖いです、マジ。

一応ストーリーらしき物はあって、仕事ですれ違いがちな二人が遭難して、庇い合い、助け合い、途中互いのせいにし合ったり、いわば極限状態の様子を描くんだけど、んー、それに関しては、普通。おもろくないわ。
実話だからと言われてしまえばそれまで。
ラストは地味だし、なにしろ後味悪くて、はー。
パニック物とか災害物って、「それでどうやって救うか」が要だったりしませんか?

オールドボーイ 

おお。さんざ韓流の悪口言って来たけど、今度はイケるかもっ!
と、あやうく言いそうになってしまった。
設定がなにしろ面白いし、始め頃の廊下でのアクションシーンなんかは迫力だったし、かなりのめり込んで観てしまった。
…で、種明かしがされるたび、「あーあ」「なーんだ」…でもまあ、それはいいの、いいのよ。
あのーーーーーーー…………………………………………………………………ヒロインの素性、皆知ってて観てるものと思い込んでたんだけど。
だって分かるようにつくってあるじゃない?
分かって観てると、あの持って行き方は、どうなの!?違うでしょ!
と、思ったら、なんか「衝撃の事情」とか言われてたみたいで????
おかしい、殆ど最初で見えるはず、そして見えてると、とっても、あの開き方はつまらない。

主人公と悪役の俳優、どちらも熱演で、良かった。
暑苦しいワイルド系オヤジ(時々かっこよく見えるからスゴイ、顔立ちとか全然好みじゃないのに。やっぱ演技力?それとも演出力?韓国の男優は皆シッカリ鍛えてて、いいよね)と、クールで端然としたエリート(時々美しく見えるから……以下同文)。特に鍛えっぷりは日本の男優は見習っていただきたい、『NANA』の某二世俳優とかさ、中島美嘉さんに謝れ!
悪役の登場の仕方なんかも、「おおっ」と思った。
しかし残念、同級生に見えない(笑)。

かの国においては、こちら(日本)で思うよりずっと深いタブーなのでしょう。
自殺云々はまあ、そういう事を配慮するとして(しかし自分の命、確かめもせずに棄てるかなぁ?)、許せないのはラストシーン。
「こんなケダモノ以下の私にも生きる権利くらいあるでしょう」という言葉が繰り返し使われるが、どうなんでしょうか。
おおむねエゲツなく、ダークな映画だが、一カ所だけ美しいシーンがある。
最終決着を付けるべく、主人公が悪役の元へ向かう前、恋人であるヒロインに「どう祈ったらいいの」と泣かれて、おじさんは答える。「今度はもっと若い男に出会えますように」。もちろん彼女がその通り祈らない事を知っての甘えでもあるが、もう会えない可能性も見据えての覚悟の言葉として感動的だった。
んが。あのラスト。
って事は、あの若くて可愛い何の罪も無い彼女は、ヘタをすれば一生○○○と○○○し続けなきゃならないワケじゃないか、しかも合意があるならいざ知らず、真実を隠蔽されたまま。
臭い物に蓋とはこの事。最後の決断をした時点でこそ、主人公は地獄に堕ちた。
あれを指して「せめてもの救い」「ハッピーエンド」等と言うのなら、無神経さに卒倒しそうだわ。それとも、確信犯?
エレベーターで悪役は、こういう形での勝利を確信していたのだろうか。あまりにもギャンブル性が強すぎると思うのだが。

エグい暴力シーンも、禁断の素材の取り扱いも、別にいいんだけどさ。
どうせそうしたテーマを扱うのなら、2組の濡れ場はもっとエロエロにしなきゃダメじゃん。可愛い女優(その点は文句無いが)を確保するためには仕方無かったのかなぁ、そこがヌルいと破壊力無いでしょうに。
んなモン見たくもないけどさ。

追記:原作のマンガ、読んでみました。面白かった。
私が嫌悪した殆どの部分が無かった。難しいと思って変更したんだろうか?
原作のファンはどう思っているんだろう、『NANA』なんか観て怒ってる場合じゃないと思うけど…(上記男優の件は別)あ、読者層が大人なのかな。
原作の歪曲という点では『トスカーナの休日』にも匹敵するぞ。

オーロラの彼方へ  

うわわー、すごい欲張りな映画、普通の映画3本分くらいは詰め込んでありそう。

最初、友達に勧められた時は、犬が雪ゾリ引っぱって走る話かと思った。
オーロラは確かに重要なアイテムなんだけど、このタイトルはいかがなものか。内容の出来の良さがもったいない気がするなあ。
実際には、物語の舞台はニューヨーク。
現代と60年代がオーロラの奇跡によって無線で繋がるというSF設定だけど、そこで会話を交わすのが死んだ父と成長した息子、という家族愛モノでもあり、猟奇殺人事件がからんで来るミステリーでもあって、ホラね、3本分でしょ?
よくぞここまで、という欲張った作りでありながら、そのそれぞれが、ちゃんとしっかりできていて、しかも全体を見渡しても出来が良い、とっても贅沢した気分になれる。

正直言って私、タイムパラドクス物って言うの?あんまり好きじゃーないの。
だって、どうやったってウソッぽい。
もちろん、『ターミネーター』みたいに、それでも楽しい映画はあるけれど、かなりデキは良いと思われる『バックトゥーザフューチャー』ですら、クライマックスにはノレなかったのよ。
あまりにも実感が無い、と言うか、想像力が及ばない、ハラハラドキドキできない。
でも、この『オーロラの彼方へ』は、扱う物が父の命、母の寿命。かなり入り易い。
よく、過去をいじってはいけない、とか、道徳観念的な話は出るけど、家族(に限らないかも知れないけど、愛する人)の命が救えるとしたら?大方の人は、他の迷惑を考える余裕も無く救いの手を差し伸べてしまうはず。そしてもし、実際にその人を救う事ができたら、どんなに嬉しい事か。その気持ちは、とても良く分かる。
ところが。 ここがスゴイんだけど、父の危機を救ったがために、今度は巡り巡って母がアブナイ!
どう繋がるの?誰が?どこで接触した!?
いや、かーなーり、ムリヤリな感じもしないでもないんだが、おもしろい!
そして、机に浮かび上がる文字、隠した証拠品、入れ代わる家族写真と、小道具もいかしている。
かなり入り組んだ作りになっているのに、分かり易く面白い手際の良さは心地良い。もっとも、「愛する人を救いたい」という、おそらく万人に共通の願い、という設定が、根幹にあるからこそ、なのかも知れないが。

最初、犬が雪原を走る話ではないと分かって、それでは早死にした父と大人になった息子が時空の歪みを通じて心を通わせるハートウォーミングドラマかな、と思った。いつまで二人は話し合えるの?切ない別れをどう料理するのか、と待っていたら、あの展開!いやはや、そこまでやりますか。
と、思ったけど、それもちゃんと下地ができていて、ああそうなのねと納得しなくもない(笑)。
ここまで欲張っても、脚本がねちねち練り上げてあると、OKなんだなー、と、感服でした。
父親役のデニス・クエイド、ヒーローな消防士で、超えられない父親で、スイートな夫。こんなにカッコ良かったっけ?男っぽくて、ステキでした。

奥さまは魔女 

大好きだった、そして未だに再放送で笑い転げてしまうTVシリーズ『奥様は魔女』。本当に、今、たった今観ても、面白いのよ(現在地方局で再放送中)。
サマンサもダーリンも、ママもクララおばさんも、大好き。
それで、その大人気ドラマのリメイクと聞いて「どーせ往年のファン狙いの内輪ウケでしょ」なんて思って敬遠気味だったんだけど。
しまった。
私も往年のファンだった。
見事に楽屋ウケの内容だけど、そこがまた、楽しいんであった。

とは言え、もちろん懐かしさだけでは映画一本持たないんで、他の事も。
ヒロインの魔女イザベラを演じるニコール・キッドマンが………あれれ?カワイイ。いくつになるんだっけ、この人?
2年前公開のはずの『白いカラス』の方が、はるかに老けて見えるぞ。演技力?
前髪下ろした50年代風のセミロングヘアが、若々しい印象なのかな。
ゴツイ印象があったけど、なんか骨格まで華奢に見える(相手役がデカいせいかも)。
ピンクのセーターも、クリーム色の刺繍入りカーディガンも、とってもキュート。
世間知らずで純情な魔女、という役柄にも違和感無く安心して笑える。
そして、美女イザベラと恋に落ちる落ち目の俳優ジャックに扮するウィル・フェレルという人。顔は悪いけど(笑)けっこう笑かしてくれた。
TVで活躍のコメディアンだそうで、「大根役者」が演技なのか素なのかは不明だが今回はオーバーアクションと暑苦しい表情が功を奏してイケていた。
そして、イザベラのパパ(って事は魔法使い)役のマイケル・ケインは、相変わらず優雅で最高、グリーンジャイアント姿まで披露してくれて楽しい。

ストーリーは、もちろん他愛なくて、恋する二人がまるでバカみたいに描かれているんだけど、そういうモンじゃない?と思う私はスンナリ納得して観てしまった。
本音を言えば、あまりにラブコメに偏り過ぎて、もう少し魔法を楽しませて欲しかったな、というのはあるけれど。
そして一番の恋の魔法は、「本音で向き合う」事なのよ、なーんてね、アメリカの女流監督のやりそうな事ではあるわな。
…でも本当に一番スゴイ魔法は、ニコールの若返りだったりして……。

鬼教師ミセス・ティングル 

お昼のTVでやってたんでボンヤリ観てたら、意外に面白くって引き込まれました。
おバカなティーンエイジャー3人組(一人は優等生って設定だが、どー見てもバカっぽい・笑)がイヤミな女教師の家へ押し入り、ベッドに縛り付けて監禁してしまうという、ちょいキワモノ映画なんだけど、テンポはいいし会話は面白いし、男の子はハンサムだし。

何より、「鬼教師」役の女優、ヘレン・ミレンが、タダモンじゃーないオーラ出しまくりで秀逸。おばさんなんだけど美人で、怖くて凶暴で陰険で、風格があって。
「女王様」シーンが実際に見られなかったのが、心残りだわ(笑)。
この人を押さえた時点で、この企画は勝ったも同然、ってくらい。
ヒロイン?(本当の主役は鬼教師なんだけど、便宜上はこちら)の優等生の女の子。ミョーにタレ目のお多福顔で、パッとしない子だな、と思って見ていたら、今や有名人のケイティ・ホームズちゃんだった。んー、地味。
それより、もう一人、引き立て役?扱いの親友役の子が可愛くて面白かった。
女優志願で、ちょっと軽い印象の子。顔もスタイルも、ケイティよりずっとキレイなんだけどな、3枚目(引き立て役…)で頑張ってた。
縛り付けた先生を見張るのに飽きて、退屈しのぎに突然『エクソシスト』を始めちゃう。たまたま私、先月ディレクターズカット版を観たばかりで記憶も新しかったんで、いかに正確に演じてるか良く分かって、「この子本当に女優になりたいんだなぁ」と妙に感動してしまった……ティングル先生は「女優は無理ね」と言ってたけど。

ラストが物足りないものの、いやに面白いな、と思ったら、『スクリーム』や『ラストサマー』の脚本家の脚本・監督、なーるほど。
でも、2作に比べてイマイチ評判がパッとしないのは、前者ほどエグくなく、後者ほどヒロインが可愛くなかったから、だな。

オペラ座の怪人 

えーと。
な、なんだこれは。
クソ映画ではないのか!?

残念ながら、大好評超ロングランを誇るミュージカルも未見なせいか、映画が始まった直後に ドン引き、後は集中力の途切れとの必死の闘い。最後は腹が立って来た。
何と言っても、肝心(だと私は思うんだけど……違うのかな?)のオペラの怪人の、歌が下手
評判は漏れ聞いていたものの、ここまで素人臭いとは。
発声自体がまるで普通の人なので、繰り返し(しつこく!)流されるヒロインとのデュエットでは完全に負けて声がかき消されてしまっている。
歌だけに止まらず。
なんつーか、オーラの無い’ファントム’だなぁー。
黒マント大好きの私が、ピクリとも反応しなかったよ。
ファントム役の俳優 ジェラード・バトラーって、『タイムライン』では主役を食ってたかっこいい助教授だった。悪い役者ではないはずなんだけど、どうしてこの役?オーディションしたんでしょ?

ヒロイン役は美人で声も綺麗なんだけど、こちらは表情が2つか3つ位しか無くて、何とも食い足りない印象。
揺れ動き魅せられ…という複雑な感情が伝わって来ないので、ただのフラフラしたバカ女にしか見えず、イライラさせられた。
尤もこの点は、 ファントムを父とも天使とも慕う寂しい孤児、という彼女の人物表現が薄かった(脚本?)せいでもあり、ファントムが「音楽の師」という点も説得力が無い(歌があれでは…)せいでもあり。女優だけが悪いんじゃないけどさ。
CGばかりが「映画の魔法」じゃないんだから、こんな事(歌の下手なヒーロー、演技の駄目なヒロイン…)なら歌は吹き替えの方がマシなのでは?

ファントムの顔が、そんなに物凄い事になってない、ってのもヌルい印象の原因。元々かっこいいバトラー君だから、相当頑張って崩さないと、あの設定には無理がある。トム・クルーズを見習えって(『 マイノリティ リポート』『バニラ スカイ』)、そこだけは。
アノ程度ではサーカスで商品価値が付くのかも疑問で、生い立ちのエピソードその物が安っぽく見えてしまった。勿論、ファントムの孤独も悲哀も、伝わって来ない。けっこういい暮らししてるし(笑)。
音楽も繰り返しが多くて、それに舞台には映えるのかも知れないけどスクリーンではいささか大仰なファントムのテーマ曲なんか、ほとんどギャグみたい。
きっと舞台だと、劇中のオペラ場面と現実場面がもっと溶け合って、美しくも怖い夢のような世界になったのかも。映画は、違います。歌えば歌う程、現実に引き戻されて行く感じ。
華麗なセットと美々しい衣装の数々が、とっても惜しい、勿体ない。

監督は大ヒット舞台の演出家で作曲家。
あーなるほど、やっぱりダメだね、素人は