ち、つで始まるタイトルの映画

チーム☆アメリカ/ワールドポリス 

こ、これはねぇー…(困惑)。
なんと今時、マペット映画
CGどころか、コマ撮りですらない、つまり往年の『サンダーバード』を思わせる、本当の操り人形劇。
しかし内容は、ものすごーく、強烈に、おげれつ

タイトルが全てを表すように、主人公達の所属するチーム・アメリカは、「世界の警察」を名乗ってはばからない強力武装集団。
のっけからパリの中心部に飛来して、花の都を火の海に。ここですでに、ノックダウンになったらしめたもの、引いてしまったらご愁傷様。全編この勢いでとどまる所無し、なのだから。

安っぽいクサーイ三角関係やら、良く確かめもせず殺しまくり壊しまくる派手派手アクションとか、ゲロネタにエロネタ、実名付きでの有名人非難、ブラックなギャグに下品な言葉(なんて段階じゃないな)のオンパレード。
R-18指定になった理由が「人形のSEXシーン」と聞いて「そういう問題!?」と吹き出してしまう程、子供に見せたくない内容だ。
この手がダメな人は、本当にウンザリしてしまうだろう。
私は………、そうでもない、不思議と。

内容がこんななのに、物凄く真面目に作ってあるのが凄い。
3頭身で釣り糸丸見えのマペットのくせに、皆なかなかの名演技。(ライティングで表情が全然違って見えたりして、感動モノだった)
爆発シーンとか、飛行シーンとか、本当に大迫力。
バックに流れるは、ノリノリのロックンロール、でも歌詞がヘン(笑)。
かの『パールハーバー』を観てみたくなる、怖い物見たさで。
ラストはこの企画の真骨頂とも言うべき「○○○」と「○○○」と「○○○」(自主規制…と言うより単にイヤ)でもって世界情勢を語ってしまう、という傍若無人ぶりだけど、ミョ〜に説得力があったりして………脱力。

ハリウッドの豪華スター陣(しかも顔が似てないぞ…笑)から北の将軍様(こちらは似てる…)まで、徹底的なおちょくりぶり。反体制・アメリカ批判を気取るかと思いきや、マイケル・ムーアまでやられてしまってビックリだ。要するに、誰彼かまわず毒づきまくってる。
ここまでやってくれると、これはこれでまあいいか、という気になってしまう。ある意味皆に平等に失礼だし。
唯一、ラストの北の将軍様の正体は、変に真面目さが見えてかえってつまらなくしてしまったな、と残念だったけど。

こんなおバカなモノを、大真面目に汗水垂らして造っている人達がいる、という事実に、取りあえず感動する。
それにしても、お気に入りのマット・デイモンをあんなにされて笑ってる私は、本当に世話は無いわ。

チェンジリング 8/10

こ、怖〜い!アンジョリのが(笑)。

苦手な、と言うか私的には『ミリオンダラーベイビー』が軽くトラウマになっちゃってるイーストウッド監督だけど、今回は(やっぱり暗いものの)そんなにシンドイ思いはしなくて済んだ、ホッとしたけど、その分印象は薄い、いや顔は怖かったけど。
いつも憎たらしい程綿密な構成を見せつける監督だけど、そういう意味でも今回は比較的単純な造りで見易かったし、"衝撃の事実"も、単に「あ、そっち行っちゃいますか」的な素直さで、いつもの「ヤラレタ!」感が無く物足りない気も…あれれ、これではまるでファンみたい、私。

まず、警察が凄い。たしかに"腐敗警察"というのはある時期アメリカ映画の常識みたいに出て来ていたけど、「正義のためではない、悪事のライバルを消すために」活動する、って台詞は凄いわ。
実話がベースという事で、まずその事に戦慄してしまった。
逆らうと精神病院に放り込む…頭に穴空けられるかとハラハラしたけど、ロボトミー手術が実用化されたのはもう少し後の時代だったようで、命拾いしましたね、奥さん(笑)。

アンジェリーナ・ジョリーはとても真面目に真摯に役に取り組んでいる印象で、ちょっと見直してしまった。泣き叫ぶのもいいが、オドオドと言いよどむ所とか、弱々しい作り笑いとか、ちょっと新鮮。そしてやっぱり、精神病院に乗り込んだ時の微妙な"ドヤ顔"がキマッていてサスガだ。
犯人役のお兄ちゃんのニヤニヤ笑いも気持ち悪くて最高。
一見ハンサムなナイスガイの警部の嫌味っぷり、傲慢さも見応えがあった。
そして、マルコヴィッチの神父…怪しい(笑)。良い芝居してるんだけど、なんだか怪しい、存在感が。しかし、不屈の精神で警察と戦い続ける人なのだから、これくらいアクが強くないとダメなのかも。
なにくれと気にかけてくれる職場の上司や、怖い顔の割にマトモな内容の刑事さんも、威勢の良い売春婦も、とても人間ぽくて、脇役好きの私としては嬉しい限り。

難を言うなら、先にも触れたように実話のせいか、ミステリーと呼ぶには謎解きらしき物も無く、事実を順番に並べた印象。終わり方も、盛り上がってからが長い気がして、ちょっと間抜けな感じがあった。
事実自体がショッキングで、ヒロインの立場はどうしたって同情しないワケにいかない上に、皆が好演で、飽きずにコリンズ夫人を応援してしまったし、精神病院や裁判のシーンでは溜飲を下げたけれど。
終わってしまうとちょっと、物足りない気がした。

それにしてもあの偽物のガキめ。
思い切り虐待してやれば本当の事を白状したんじゃ、なんて思ってしまう私は、やっぱり鬼畜かも…(笑)。
個人的には20~30年代のファッションが好きなので、そういう点でも楽しめた。
薄物のブラウスや、今時はお婆ちゃんしか被らないようなお花の付いた帽子、ファー付きのAラインのコートと、アンジーさんは程良いフェミニン具合で素敵だった。けど、真っ赤な口紅にはあの唇は厚すぎる、残念!

チャーリーズ・エンジェル

ヤッター!だーい好きだったチャーリーズエンジェルの映画化、おまけにお気に入りのドリュー・バリモア、キュートなキャメロン・ディアス、そして『アリー』で大注目だったルーシー・リュー。
…でも、なーんか違うんだよね。

実際に弾丸が飛んで来るのが形になって見えて、ササッとそれを避けられたら、そりゃ楽しいかもしれないけどさ。あの表現に、なんの意味があるのか分からないよ。
せっかくチャーミングな三人組を揃えたのに、なんか色気無いし、キャラクターの印象も似たり寄ったりで、食い足りない。

プロデュースは ドリュー・バリモア。あらまあ。
バリモアは銃の所持反対の立場から、エンジェル達には銃を持たせず、カンフーの達人という設定で通したとか。ゴリッパ、ゴリッパ。気持ちは分かるよ。

まず、「銃がダメならカンフーで」。
暴力である事に変わりは無い、などと言う、おカタイ話は置いとくとしても(本当は重要だけど)。
スタイルのいい3人が、身体の線にピッタリのジャンプスーツ(って言うの?)で長〜い脚を振り回すのは、それはそれで良い眺めではあるんだけど、通算5分もあれば私はもういいや。
思えばかつてのTVシリーズ『チャーリズエンジェル』は、華やかなワンピース姿で、美女がアクションシーンを演じる、というのが「売り」だった。
カンフーのみが武器となってしまったら、ヒラヒラのドレスではちとマズイ。堂々とパンチラやられても不愉快だし、ねえ。でも見せ場が全てあの服装じゃなあ。

そして、それでもカンフーで通すなら、せめてホンモノが見たい。
ジャッキー・チェンのファンではないけど、あそこまでやってくれたら文句は無いさ。『小林寺』も可。
そこまでは無理でも、スタントでもいいから、CGでお茶にごしてるみたいなのはいただけまへん。

女性の美しさは累計的なフェミニン路線だけじゃないのよ、と言いたいのだろうけど、そしてすぐに『2』ができたくらいだから、評判良かったのでしょうが(信じられん…)。
ドリュー・バリモア、『エバーアフター』でもちょっとそう思ったんだけど、頭でっかちかも!?

でも考えてみれば、TVで『エンジェル』が流されていた頃は、女性がアクションをやる事自体が珍しかった時代。ヒーローのサポートではなく、ボスのチャーリーは姿を見せず、女の子3人だけで活躍する、という設定だけでも夢があった。
今じゃあもう、拳で男の顔を殴る女なんて珍しくもないもんな、映画の世界では。

チャーリーズ・エンジェル フルスロットル 

ははははは。
見事に吹っ切れてしまいましたねー。
ここまでやってくれちゃうと、むしろ好きかも。

前作『チャーリーズ・エンジェル』では、「CGでお茶を濁すな」だの「服装が地味だがパンチラされても不愉快」だの、真面目な事を考えていましたが。
もはやそういう段階ではないな、これは。
パンツもあそこまで堂々と出されると、水着やレオタードと同じだし。
衣装の幅が広がって(もう無理矢理着替えてたし・笑)楽しかった。
緊張感のカケラも無いCGだらけのアクションシーンも、安心して笑えるから、それなりの価値はある。
ますますハイテンション3人娘、怪しいキノコでも食ったんか!?っていうノリノリぶりだけど、そういう人達なんだと一旦納得してしまえば、可愛くて楽しいので文句は無い。
そして何より、出てくる男が全員バカっぽいのがgood!
バカ男ウォッチャーの私としては、とっても楽しめてしまったんであった。

往年のTVシリーズのファンには、本物のOB登場の嬉しいオマケもあり、貫禄デミ・ムーアのチョー下品な悪女ぶりも楽しく(毛皮に黒ビキニでっせ、奥さん!)、良く分からないパロディの数々も、なんだかおかしい。
アクション映画でも、コメディでもなく、バラエティコントと思えば良かったのね。
ルーシー・リューのパパが泣かせ(笑わせ)る。

チャーリーとチョコレート工場 

かなりブラック、と言うか悪趣味なんで、人を選ぶのかもな。
何がなんでも子供は可愛がらなきゃいかん!て人にはダメなのかも。
私は大ウケだったけど。(劇場では殆ど笑いが無かった…)

ジョニデ。
おばさんやんか(爆)。
ウォンカさんて、原作ではもっと年寄りらしいんだけど、この映画では最後に蛇足なエピソード(まーた家族かよ…大物俳優登場は、ちょっとウレシイけど)が追加されたんで、若くないといけなかったのね。でもおばさん。
神経質で、引きこもりで、子供なんか本当は大嫌い、っていうウォンカさん。いちいちガラスに激突し(おいおい、ガラスになんか付いてるぞ、液体が…!)子供達の災難を冷たく見つめ、カンペを見ないと喋れない。
性格悪くても、見た目がおばさんでも、何となく可愛く見えて来ちゃうから、凄いよね、ジョニデ。

ティム・バートンの色彩感覚とか造り物のデザインって、すごく私好み(悪趣味スレスレ…すでに踏み込んでるかも・笑)。
シザーハンズ』の町並みも、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』の絵も大好き。
チョコレート工場の中の色合いが、ウチの洗濯物と似てるのよ(私のセンスって…)。
子供紫色になっちゃうし。独り爆笑でしたが観客は引いてたかも。
リスのシーンはビックリだったけど、実際にリスを仕込んで特撮ナシで撮ったと聞いて2度ビックリ。好きだなぁ、そういうの。
変な小人のミュージカルも見所だが、こちらも何と、CGではなく一人一人重ね撮り(俳優は一人だけど)だそうだ、ブラボー!
チャーリー少年の「貧しいけれども愛情一杯の家庭」が、またスゴイ。家のデザインも凄いし人の詰め込み方も凄い、だけどなんかメルヘンチックで悲壮感は無いんだけど、そして家族各々のキャラも面白くて、まあネコババくらい許される、よね?

映画はウォンカさん寄りのストーリーになってるけど、本来の主人公・チャーリーを演じる子役もいい。
あまり美少年じゃなくて、ちょっと栄養悪そうで(設定にピッタシ)、とても達者だけど、こまっしゃくれてなくて。
なんかイタリア貧乏映画に出て来そうな少年だ。
ジイさん達もいい。出番少ないが両親も、すごくいい。
他の憎たらしい子供達も、そのバカ親達も、見事なカリカチュアで笑える。

先に「蛇足」と書いたが、おそらくティム・バートン監督は、その追加部分にテーマを語らせたかったんだろう。
変人で冷酷だけどナイーヴで、自信無さ気なジョニデ=ウォンカさんの姿は、その狙いにピッタリはまっている。
私としては、言葉にするなら「大人になるのは案外時間がかかるんだよ」って所かな、と思う。
ウォンカさんとパパのエピソードはもちろん。加えて、チャーリー以外の子供達が工場を出る時も全く懲りてなくて(あんな目に合ったのに!)、親達はちょっと反省の色を見せているのも、そういう事なのかなと。
チョコレート、小人のダンス、色取り取りの別世界と、お子様向け要素満載の映画だが、意外と狙いは大人達、かな?

月の輝く夜に

なにがどう、って特定するのがむずかしい、でもすごーく面白い映画。大好き。
ポスター?写真が印象的で、手足の長ーいヒロイン役のシェールが、満月をバックに両手を開いて伸び上がってる。
映画のイメージを、すごく語ってる写真。

なにしろ騒がしい、やかましい。
登場人物はみんないい人、でもみんな一癖あって、へん。
理屈も道理も通らない、あるのはひたすらラテンの勢いと濃い〜愛。も、濃い濃い。
そんなにたいしたストーリーでもないんだけど、ただ勢いに身を任せていると、ステキな(笑)ハッピーエンドに流れ着く。設定やあらすじを聞いて予想するよりも、はるかに楽しめる。
そして映画はハッピーエンドがいいけれど、心からハッピーエンドを祝福したくなる映画って、実はそんなに多く無い、その貴重な一本でした。

ニコラス・ケイジ、この映画で初めて見たんだっけ。当時はもっぱら「コッポラの甥」と宣伝されてて、今それを言う人っていなくなった。良かったねー、ケイジ(タメグチ)。

「て、と」へ