な行 なにぬねので始まるタイトルの映画
ナイト・オン・ザ・プラネット

オムニバスって、わりと好きで、自分でも描いたりする。嫌いな人もけっこういるみたいね。
この映画は、5つの都市でそれぞれに夜のタクシーに乗る客と、運転手とのやり取りを見せる。
こうしてまとめると、地味な設定だなあ。実際、派手なアクションとか、ないけど。
しかし各話それぞれ、随所に印象的な名セリフが散らばっていて、思い出すとニヤニヤしてしまったり、うっかり目頭熱くなっちゃったり。
なんかオシャレだなーと思ったら、ジム・ジャームッシュだったのね。

第1話、 L.A。あらら、あの可愛らしい&クールな女性ドライバーは、ウィノナ・ライダーだったのね!?ちょっと見直した。19歳であれはいいけど、30歳であれはカンベン、ってとこでしょうか。

第2話、N.Y。私はこの話がイチオシ。「私は道化だ、金は必要だが重要じゃない」って、いいでしょ?

第3話、パリ。これも良かったなあ、盲目の女性客の辛辣さ。
いつでも毅然としていたいけど、それには態度に見合うだけの実力がいるんだね、っていう話?

第4話、ローマ。これ、けっこう批判も聞いた。やはり不謹慎だからだしょうか。確かに「笑ってていいのか?」的スリル感はアリ。不信心なせいか、私的には、それもまた楽し、の範疇だけど。
そして、ええっ!ロベルト・ベリーニだったんだ、そう言えばあの、カンにさわるヤバーイ感じ…(笑)。

第5話、ヘルシンキ。残念ながら、これが一番印象が薄かった。
キレイにまとまったな、という印象があったので、そう悪くなかったとは思うんだけど。

辛辣だったり、しょーもないヨッパライだったり、生活きびしかったり、色々あっても、なべて世は事も無し。なんて、しっとりいい気持ちになって終われる秀作でした。

ナイトメア・ビフォア・クリスマス 

ティム・バートン監督渾身の、ストップアニメーションミュージカルの秀作。
ダークでちょっと悪趣味なムードは実写バートン映画のまま、ストーリーは単純だし上映時間も短い(そりゃ作り手の事情…笑)けど、画面の完成度は素晴らしく、見応えは充分。
クセのあるキャラクター達も新鮮でチャーミング。
まず、この画面の完成度の高さとセンスの一貫性、気の遠くなるような手間暇に、力一杯拍手を送りたい

ストーリーは正直、あまり好みとは言えなかった。
キャラの動きや台詞の面白さで楽しく観てしまったんだけれど、なーんだ結局「身の程を知れ」的な結末か、と思ったり、それ以前にサンタクロースになりたがったクセに子供の怖がるプレゼントをバラまく、というのが笑えるけどくだらな過ぎだし。
でも、やはりそれを補って余りある、美術全般の素晴らしさ、キャラクターの魅力、音楽の力。
ジャックの歌声は最高にセクシーだったなぁ、ガイコツのクセして(笑)。
そして何より、この作品を作り上げた心意気に、やっぱり敬意を表さずにはいられない。
まだ観てない、という人に会ったら、誰が相手でもオススメしてしまうと思う。

骸骨ジャックもキュートなサリーも魅力的だけど、個人的には辛気くさい顔して妙に可愛い子鬼達と、ジャックの愛犬ゼロがお気に入り。
バートン監督って本当に犬が好きだよね。

眺めのいい部屋

ひたすら美しい映画である。
景色も、家具調度も、衣装も、登場人物達の姿も、その心根も。ああ、それから音楽も。

平たく要約すれば、男女の三角関係の果てに、頂点の女性が一方を選ぶ話、なんだけれど、そして選ばれる男は旅先で知り合った怪しい外国人で、捨てられる男の方が万事都合のよろしい許嫁(だったと思ったけど…)、という、けっこう怒濤の展開なんだけど。
主人公の身分がイギリス貴族のせいか、イギリス映画がそうなのか(概して激しい表現は好まれないかも)、ありがちな修羅場とか、ドロドロ感がまるで無し。
全て終わって、「あ、やっぱこっち(の男)にしたんかい」って、こちらも淡々と納得してしまう。

多くの欧米人にとって、イタリア、特に南でのバカンスはパラダイスらしい。そしてイタリア男は楽しくてセクシー、アバンチュールの相手としては理想的、と言うのも常識みたい。
このまま帰りたくなーい、ずーっとこうしていたい…という、旅先での妄想を、この映画は実現して見せたのかも知れない。極東在住の我々にはピンと来ない所もあるかも。

分かり易いのは、取りあえずイタリア男役のジュリアン・サンズが美しいという事か。風光明美な自然に溶け込んで、サワヤカだ。
先にも触れたように、画面はどことなくホンワリと霧がかかって、ラテンにありがちな「情熱の太陽」的濃さは感じられない、つまり、「こわくない」。全ては白日夢のように、優しくやわらかだ。
対するイギリスの許嫁は、例の(ってなに?)ダニエル・デイ・ルイス。
上流階級の子息だから、 キチンとした身なりと立ち居振る舞いだけど、メガネなんか掛けて、どことな〜くわざとらしい。D・ルイスの演技上の演出なのか、単なる演技過剰なのか、不明。いつもの放送禁止ギリギリのエッチな目つきも、眼鏡の奥に鳴りを潜めていて、ふられ役にふさわしい。
正直言って、色んな障害を乗り越えて恋に走るには決め手が無い気がするんだが、「どっち?」と問われれば、やっぱり「こっちかな?」という程度の説得力はあるかなあ。
ハリウッド的明解さは無いものの、嘘っぽくはなく、美しい、良い映画ではありました。

ナショナル トレジャー 

ニコラス・ケイジ版『インディー・ジョーンズ』企画(と、言うだけで私的には爆笑)。趣向は最高だし造りも良心的なんだが、いかんせん少々退屈してしまいました。

いわゆるトレジャー・ハンターの大冒険活劇なんだけど、小道具がアメリカ建国宣言書だったり、謎解きが建国の功労者の知識に関わったり(あの顔で学者である、ケイジ)と、残念ながらアメリカ人でないとイマイチ、ピンと来ない設定なんじゃないかな。
途中ちょっと、睡魔に襲われてしまった。

それと、この手の冒険活劇には付き物の「巻き込まれ美女」が、これまた今ひとつ。学者(=オタク)って設定なんで一応分からなくはないんだが、トコトン付き合うかぁ?と、ちょっと冷めた目で見てしまった。
…これが若かりしハリソン・フォードだったら何の疑問も抱かなかったかも知れないんだけど、ケイジ、好きだけど、ごめん(笑)。
ヒロイン役のダイアン・クルーガーは、『トロイ』でヘレンを演じた美人女優だが、あれれ?意外と地味、普通のおネーちゃんだった。いや美人だけどね。
ショーン・ビーンの悪役が良かった。ヒーローより全然オトコマエやんか(笑)。
一応殺人もいとわず、という所は見せるものの、結局誰も殺さずライバルにハメられてしまう可哀想な人。ああ、平和だ。

冒険活劇なのに残虐シーンが少ない、というのは心意気は買いたいが、どうしても盛り上げるのは難しいかも。
それに、せっかくの地下エレベーターでの活劇も、繋がりが悪くて何がどうなってるか分からない…と、思ったら、DVDの特典映像観たら大幅カットしてあった。もったいないような、そんなに長くても仕方無いような。
全体に楽しいトーンでいいんだけど、謎解きそのものが退屈なのとキャラクターがちょっとありきたりな印象で、せっかくのニコラス・ケイジもちょっと普通っぽかったのが残念。
でも、脳天気なラストシーンに集約される明るく健全なムードは、これはこれでいいモンではあった。

NANA 

久々に話題の少女マンガという事で、事前に原作に目を通していて、キャラクターのイメージも出来上がっていたから、厳しいかな、と思って観たんだけど。
登場人物と出演者のマッチングは、相当に高得点。
原作の大きな魅力である、ファッションや小物、家具調度等も、かなり忠実に再現されている。
ストーリーも、やや急ぎすぎではあるが頑張ってイメージを伝えていて、映画として単独で観てもいい感じの青春映画になっている、ご立派。

主役の二人、ナナと奈々(ハチ)が、とっても良い。
ナナ役の中島美嘉は、本当に原画ソックリなスレンダーな体型で、クールビューティー。歌はモチロン言う事ナシにかっこいいし、いくぶん棒読み気味のセリフも、クールなナナだから及第点(ちょっと喋りにくいセリフが多くて脚本がマズかったような)。
化粧が暗黒舞踏しちゃってるけど、いいのかな、パンクだし。
そしてハチ役の宮崎あおい。すごいです、この子。すっかりファンになっちゃった。
演技は抜群だし、可愛らしい笑顔を見ると、原作ではあまり好きでなかった「ハチ」という女の子を、「ああ、こういう事だったんだ」と納得して受け入れてしまった。さりげにスタイルが良くて、可愛い服が本当に似合う。

主役の二人以外でも、秀逸だったのが、ハチの恋人・章司と、章司を略奪する幸子。
ちょっと線の細い青臭い章司も良かったが(「喋るとちょっとバカみたい」というハチのセリフがピッタリ・笑)幸子はもう、ビンゴ!原作のイメージにもド真ん中だし、いかにも泣きながら男横取りしそうな女、横から口出されるとビシッと突っぱねそうな女、本当に「幸子だ〜〜〜!」。
この二人の存在感に、ストーリーの説得力が半分かかっていると言っても過言ではないから、これは素晴らしい僥倖だ。
…しかしあんな女優、よく見付けたな。まさに暗黒大魔王の思し召しかも。

ひとつ、どうしても納得いかないのが、ヒロインでありカリスマでもあるナナの恋人役・レンを腹の出た男優が演じている事。
少女マンガの世界において、ヒロインの思い人、と言えば、完全無欠の美形王子様と決まっている。しかも役柄は、売り出し中のロックアーティスト。おまけに出番の殆どは腹出しスタイルもしくはヌードだというのに、顔がキモチワルイのは好みもあるから引くとしても、あの体型は、イカンでしょ。
原作の画面から抜け出したかのような中島美嘉さんに謝れ!原作通りの可愛い服を見事に着こなすあおいちゃんに謝れ!ついでに、亡きカリスマ親父にも、謝れ!!キー。

と、いう、殆ど致命的とも言える欠陥はあるものの、レンの出番が少ないのも幸いして、『NANA』は気持ちの良い青春群像に仕上がっている。
レンを見送る雪の中のナナ。駅の階段でコケる幸子。二人で暮らす事になる部屋での再会。バラの花のお風呂は、もう少し盛大にバラを使って欲しかったけど、感じは出てた。
原作にさほど思い入れが無いのが、幸いしたのかも知れない。

南極料理人 5/1

わりと良い評判を聞いてたし、設定も面白そうなんで見てみたんだけど、ん〜。
不快感は無いけど、特に時間を割く事も無かったな、という印象。

面白いキャスト揃えて、面白い舞台設定で、面白い切り口なんだけどなぁ。
あのような環境下では、食事はとても大きな意味を持つだろうというのは良く分かるのだけれど、それは映画を見るまでも無い事で、見て驚くとか気付かされるような事も無く。
執着するのは分かるけど、執着の仕方もイマイチ共感できなくて…強引なエビフライとか、ラーメンで鬱とか、うーん。「あー、分かる、分かる!」って気持ちになれなくて、残念。
淡々とした中で笑いを誘うタイプの映画だと思うんだけど、殆どクスリとも来なかった。

料理人の家族の態度(と、その種明かし)とか、電話交換手との顛末とかも、何と言うか、あざとくて。良くない意味でね。
脱力系と言うんだろうか?盛り上がらないにも程がある。退屈してたのにラストは「え、もう終わり?」と驚いてしまった。
キャストはほぼ全員好演なのに。

あ、ローストビーフは、めっちゃ美味しそうだった!

2012 

なるほど・ザ・ハリウッドな、一大スペクタクル映画。
終了。

と、まあ、バカバカしくてそれで終わりにしたいくらいなんだけど、興行収入は凄かったそうで。
確かにCGは凄い、かもしれない(どっかで見たよううなのばっかでも)。
でも正直、一番凄かったのは前半の大都市崩壊のシーンで、ラストに近付くにつれテンションは下がり気味。慣れちゃったせいもあるし、主要人物を応援する気になれなかったのも大きいけど、やはりこれではタダのアニメだから、だと思う。実際に見知った具体的な場所が舞台であれば、画面の薄さも気にならないが、不特定多数の山の中とか、見た事も無い"箱船"やらとなると、見る側のリアリティの拠り所が無くなって、画面と自分の距離がグッと開いてしまう。
そういう意味では、『ゴジラ』じゃないけれど、知ってる街をぶっ壊してくれたら楽しいだろうな、とは思った。

でも、まあCGはいいよ、凄いには違いないんだし。問題は、ストーリー。
中心になる『家族』を、応援する気になれない。お金でチケットを買えないどころか滅亡を知らせてももらえない庶民代表、という意味では、思い入れ出来るようになってるはずなんだが。
ウダツの上がらない小説家に、別れたた妻子と新しい恋人。ジョン・キューザックでは絵的に楽しくない上に、この『小説家』、人としても魅力ナシ
それだけでも引いてしまうのに、終盤の身勝手な行動には、本当にウンザリした。生き延びるために必死になるのは分かる、分かるけど、母親だからと泣き落としたら通ってしまうとか、これまで散々人々が死んでいくのを見せつけられた後では「君だけが母親か?」「じゃあ子供だけ乗せてもらえば?」とツッコミたくなる。そしてその結果、多くの人に多大な迷惑を掛けるに至っては、本当にもう、死んで詫びろ!みたいな。
私の気持ちがこうなのに、画面ではナゼか迷惑を被った箱船の人々がこのバカ族を応援し出す始末で、もう開いた口が塞がらない幼稚さだ。
何より許せなかったのは、あんなに頑張った新恋人が死んだ直後に、別れた夫婦が何事も無かったようにヨリを戻してめでたしめでたし、というあの態度。なんだあの女は

と、どこまで行っても悪口ばかりになりそうなので、あのバカ族から離れて。
ロシア勢はなぜか、なかなか魅力的。
悪い奴なんだろうけど、存在感のある富豪の親父、殆ど唯一人間らしい。愛人も可愛くていい子で殺さなくてもよかったのでは?と残念。愛人の愛人は勇敢で美形だったのに残念…。
ここまで人を殺したら、そして最後に来て自己中から人々に迷惑をかけたのだから、最低でも主人公か妻か、どちらか死なないと。
何が何でも自分達家族さえ助かれば、という下品さがイヤ。って言うかアメリカ一人勝ち万歳!だからね、本当にウンザリ。
箱船があんな事で機能しなくなるのはビックリだが、そこはそれ、かの大国の製造では無理もない(爆笑)。

娯楽作品だから思想性は問わない、というのは違う。不快なものは楽しめない。それ以上に、娯楽作品こそが人の心の隙に浸透するのだし。
これってアメリカ人以外の人に対する嫌がらせで作られたんだろうか。確信犯だとしたら、それはそれで立派かも。

ニューヨークの恋人 

ははは、ある意味バカ映画かも、これって。
楽しめたけどね。

ちょっと痩せたのかな?スッキリ大人っぽくなったメグ・ライアン。
役どころも、コマーシャル制作会社のやり手女史、と大人っぽい。
でもやっぱり、心の中は夢見る少女なんであった。
そういうのが、ちっともイヤ味にならなくて、むしろリアリティを持って感じられる、ちゃんと知的なイメージも保っていられる(バカに見えない)、つくづくおトクなキャラクターだな、と思う。

物語りは、ファンタジー?時空モノかな、19世紀の公爵様が現代のニューヨークに現われて、キャリアウーマンと恋に堕ちる。
すっとんきょうな設定らしく笑えるし、それぞれのキャラクターに説得力があって(設定がアホな分、これは重要)、明るく楽しい気持ちになれる。それからちょっぴり、テレくさいのだ。
昔の人で、貴族様で、発明好き(なんとエレベーターの発明者!)のレオポルド公爵は、生真面目でまっすぐで、当然の事ながらお行儀が良く、エレガント。
今時の人々が忘れている美徳をいっぱい持って現代のNYへ飛んで来るが、彼なりに悩みもあり、家の存続のために金持ちの娘と結婚しなくてはならない、そんな身分や形式ばった生活にウンザリしている。
一方NYで働く独身女性のケイトは、つい最近も失恋したばかり、いささか男性不信気味。
二人は出会い、お互いの不足、すなわちレオはナチュラルで気取らず、自由なケイトの活き活きと頑張る姿に、ケイトは誠実で真正面から自分をとらえてくれるレオの堅苦しいまでの率直さに、惹かれていく。
レオを現代に連れて来たスチュアート(ケイトの男性不信の元凶でもある)の終盤のセリフは泣かせる。
「僕は恋人としては最低だった、でもちゃんと存在意義があったんだ、君と彼を結び付けるために、君と恋愛する必要があった」。
なんだか説得力があるじゃないか。
そこまで運命を信じられる、そういうのが恋と呼ぶにふさわしいのかも。

バラにレースにお目々キラキラの少女マンガで育った私には、「王子さま」は恥ずかしくも懐かしいアイテムだ。いくつになっても、何度あきらめても、やっぱり心のどこかに居座っていて、ひょっこり顔を出す。
レオのエレガントな物言いを見て、ポカ〜ンと口を開けてしまう(このメグは本当にカワイイ)ケイト、でもまっ先に出たのは「コマーシャルに出て!」。
咄嗟に仕事に持ってっちゃうあたり、ものすごーく共感してしまう、あるある、って。
そして、ひったくりに会ったケイトを、レオは白馬でさらって(ギャー)くれるのだ! ああ、恥ずかしいっ。

レオ役のヒュー・ジャックマン、上品でハンサムで、古めかしくて、ナカナカの王子様っぷりでした。
『ソードフィッシュ』『X−メン』『恋する遺伝子』、みんな観てるのに、殆ど反応しなかったんだけど、私。今回が一番ハマリ役だったと思う、どうかなあ?
それに、ろくでなしの元恋人役のリーブ・シュレイダー、私はこれが初見だけど、なかなか実力派と見た。
セクハラ上司も必要な役回りながら、あんまり酷い事にならなくて良かった。
ラストは安直?って感もなきにしもあらず、なんだけど、元々設定がこんななので、良しとしましょう。

そう言えば、コマーシャルという物に対して、アメリカ人って我々が思うよりずっと厳しいみたい。
『フェーム』って楽しいTVシリーズがあったけど、芸能学校の生徒達はCM出演してる芸人に対して、物凄く批判的だった、悪魔に魂売った、みたいな。最後は芸人が反省して終わり。
日本のCMで大金稼いでるハリウッドスターも、本国じゃオクビにも出さないらしいし。
そういう事情も考慮すると、あのラストはまあ、そうなのかもね。

ネバーエンディングストーリー

以前原作を読んでいたせいもあって、楽しみにしていた映画だった。
原作は、ドイツ人エンデ作の童話。ドイツだけあって(?)説教臭いところが無くもないが、スケールの大きな冒険物語で、楽しく読ませていただいたのだった。

さて、映画は映画、とは思うものの、やはり原作イメージと比べてしまうのが人情で、その点少々食い足りない印象は否めない。
主人公は「チーズのような顔色の小太りの少年」で、学校でいじめられて.いるのが重要ポイントなんだけど、映画では美少年。
読み手の想像にビジュアルが委ねられる小説と違って、どうしても映像映えする方向に行ってしまうのは仕方がないんでしょう。『風と共に去りぬ』も『ハリーポッター』も、その点はご同様。
ファンタジーワールドのヒーローであるアトレイユ少年も、「オリーブ色の肌」ってどんなん!?と楽しみにしていたら、単なる色黒気味の、これまた美少年であった。確かにイメージではファンタジックでも、実際絵になるとブキミかも知れないけど、肝臓悪そうで。
それに、人物と同じくらい重要な、白い龍。友人が「空飛ぶダックスフント」と呼んでいた。西欧系のドラゴンではなく、どうやら中国式の胴長龍を狙ったらしいが、質感がぬいぐるみっぽくて、どうも龍って気がしない。

要するに、「可愛すぎる」んだよね、私的には。
それ以外には悪くないし、結構面白かったんだけど。
岩男とか、巨大亀、なんていう、可愛らしさを要求されないキャラクター(龍もそうだと思うけど…)は、良かったし。アトレイユの馬が沼に沈むシーンでは、泣いちゃったしね。
しかし、可愛い系で頑張った甲斐あって、ファンシー好き少女達の圧倒的支持を得たようだから、映画としては成功なのでしょう。
ファンタジー物のお客の中心は、多分その層だしね、造り手としても、ひねた大人より、素直な少女達に観て欲しいでしょうし。
出来が悪い訳ではないので、良しとしましょう。

アトレイユ役のノア・ハザウェイは、インディアン系の超美少年。と、言うよりも、大人の美人のような顔をしていた。
おかげで楽しかったです、って、言ってる事バラバラだよな〜。

ネバーランド 

すごい、ジョニー・デップったら、また違う顔してる。
ピーター・パンの物語のできるまでの話、という事もあって、けっこう楽しみにして観ました。
ちょっと、地味、かな。
悪くはないけど、普通。

あちこちにピーターパン好きにはクスリ、ニヤリと笑える材料があり、劇中劇の形でピーターパンが登場。
「ピーターパン」を好きかどうか、でも、かなり評価が分かれそうだな。
ちなみに私はかなり好き。
だから、それなりに楽しい空間ではあった。

「信じれば叶う」というのは、安手の邦画とかの大好きな手垢まみれのフレーズで、だいたい説得力無いんだけど、主人公バリ氏の言葉はちょっと、意味合いが違う。
と言うか愛する女性に死をもって否定されちゃうんだからね。
あれは祈りの言葉。切ないです。

緑の公園や山荘の風景は素晴らしいのに、せっかくのクライマックスの「ネバーランド」が、なんかケバくてイマイチな印象、残念だった。
中盤の海賊船なんかはとーっても楽しかった。
貧乏で病気の母親役のケイト・ウィンスレットが、ビシッと厚化粧でプリプリ太ってるのがなんですが(笑)、演技は品があってよろしいかと。
子供達もそれぞれに個性的で可愛らしく、不仲の妻も子供達のお祖母ちゃんも人らしい深みを持って描かれる。犬も愛らしい。
波瀾万丈のエンタメを期待すると肩すかしだが、心穏やかに鑑賞するには良い映画。