か行  かきくけこで始まるタイトルの映画

ガープの世界 

あれれ?
公開当時、とても印象的な映画だったのに、見返してみたら、そんなでもなかったな。ふーん?
まあ、20年以上前の映画になってしまったのだから、無理もないけれど。
確かに当時は、*ロビン・ウィリアムズも*グレン・クローズもまだ新鮮だったし、確信犯的シングルマザーも、過激なフェミニスト団体(含むレズ)も、女装で生活する男性も、目新しく感じられた。実写映画にアニメーションが組み込まれるのも斬新に見えた。

アーヴィングと言えば、『ホテル ニューハンプシャー』や『サイダー ハウス ルール』の原作者でもある。
起こっている出来事は、けっこう悲惨で乱暴なのに、何となくユーモラスで淡々とした展開、神ならぬ身である不完全な人間に対する大様で暖かな視線、という点で共通部分は多い。
後はどこまでそれぞれのシチュエーションや登場人物に近寄れるか、という事なんだけど。
主人公のガープ、強烈な過激思想家のママ、ガープの妻、と、主要人物のありようが、いずれもあまり好きになれない。
むしろわき役に愛すべき人々は多く見られて(女になった元フットボール選手とか、ガープ出生の秘密に怒っちゃう牧師とか)、それが独特の暖かいムードを維持しているようでもあるが。
それと全く個人的に、いわゆるブスな女の子に対する扱いが辛くて、スルーしたくなったな。

あまりにも普通に見えてしまうあたり、実は時代の先を読んでいたのかな、という気もする、そういう意味では価値ある映画だったのかも知れない。

 

*参照:『フィッシャー・キング』『ステップフォード・ワイフ』『クッキー・フォーチューン

風と共に去りぬ 


総天然色の大画面にこれでもかと繰り広げられるゴージャスな時代絵巻。情熱的な美男美女、優雅な南部農園生活から南北戦争、火事に殺人に3度の結婚にお産に乗馬事故。ああ、なんてドラマティック。
3時間52分の上映時間が、「えっ、そんなモンなの!?」と感じられる程、この映画は濃厚でギッシリ詰まってて、でも決して飽きさせない、退屈しない。文句無しの大作であり、傑作だろう。
長篇小説である原作を読んでしまうと、各所の説明不足や心理の薄さは目に付いてしまうものの、原作を手引書にしてより深く味わうという楽しみ方もアリである。逆にスカーレットの美しさや数々の豪華な衣装、調度品等は、とても想像力で補えるシロモノではなく、映像というものの迫力は偉大だと痛感させられる。基本的に映画は原作に忠実であり、映画も小説も出来が良いのだから。

最初に観たのは、まだ思春期に差し掛かった頃。
ヴィヴィアン・リーの美しさにひたすら心惹かれ、波瀾の人生に手に汗握った。気の強い女をヒロインにしたがる傾向は、ここで養われたに違い無い。
以来何度もくり返し観ては、そのたび面白く、また新しい発見もあって、まさに私のスタンダードの1本になっている。
そして、最近、つまり中年になって、また久しぶりに観返して、つくづく思った事がある。
なんとまあ、幼稚な二人だろう。

子供の頃には、「なんでスカーレットはあんな軟弱者のアシュレなんか好きなんだろう、レットの方がかっこいいし、お金持ちなのに」と思っていたが。
生きる力はあっても、精神的には子供のままのスカーレット。その魅力と生活能力のおかげで、心の成長無しに何とかやって来れちゃったからだろう。幼い頃に刷り込まれた「王子様」アシュレへの想いを消化不良のまま抱え込んでしまっている。
片や、大人らしく一見クールにスカーレットを支えるレットも、本人も言うように「似た物同志」なのだから、あんなにスカーレットに愛されているのに嫉妬してスネて、娘なんぞを愛情の対象に摺り替えてしまう。
そう。大人になって見返すと、あんなに愛し合っているのに、お互い愛されてる自信が持てない、寂しい子供のような二人、なのであった。
そして幼心にはサエないお坊っちゃまとばかり思っていたアシュレは、どうしてナカナカ、妻子持ちの不倫男の常套手段を駆使してスカーレットを繋ぎ止めてる。時代が厳しかったから、肉体的不倫は無理だったに過ぎない。
さらに、アシュレの天使のような妻、メラニー。
聖女であるという点では今も異論は無い。恋敵があんな清らかな女だったら、さぞや辛い事だろう。
でも、子供の頃は「本当に人がいいんだから、大丈夫か、この人」と思っていたところが、今見ると「きっとみんな分かってたんだろうなあ」に変わっていた。
スカーレットの想いにも、アシュレのだらしなさにも気付いていても、レットとスカーレットが愛し合っているのを知っていたから、メラニーは心安らかでいられたんじゃないだろうか。

ヴィヴィアン・リーの美しさは言うに及ばず(私の中の「美人」の原形かも知れない)、おヒゲのクラーク・ゲイブルおじさまも本当に魅力的。
階段下からスカーレットを(なめ回すように!)見つめる初登場シーンは、目が合ったら妊娠しそう(笑)。
原作者のM・ミッチェルのお名指しというのも頷けるセクシーぶりだ。でも私はレットはもっとゴツイ感じがいいけどな。
戦争前と戦争後で、スカーレットのドレスのニュアンスが違うのも、楽しい見どころのひとつ。でも、終戦直後の泥だらけで髪振り乱した姿もまた、なおさら美貌が際立ってしまうのだから、本物の美人ってスゴイわね。

ハッピ−エンド好きの私としては、あのラストはうーん…、なんだが。
でもスカーレットは、どうせ強く生きて行くんでしょうね、レットが戻ろうが消えようが。

カリートの道 

うーん、サスガ、なのかな。
正直、ヤクザ映画(和洋問わず)ってあまり好きじゃないし、観るたび思うけど、アル・パチーノとか個人的にはもういいし。
でも、いきなり結末を見せてしまう冒頭から、ずるずると底無し沼に引き込まれるように逃げ場を無くして行く主人公、手に汗握るラストまで、かなり引き込まれてしまった。
重苦しくもスタイリッシュな画面展開、ミョ〜にリアリティを感じてしまうマフィア達のやり取り。鮮やか過ぎる残酷描写。
主役食いの常習犯・ショーン・ペンを早めに始末した後は、アルおじさんの独壇場(だからさー、『リクルート』とかさ、『ディアボロス』とかさー)で、本来なら鼻白むとこなんだけど。主演男優が好きじゃなくても、結果が分かってても、こんなに盛り上がれるんだー、と、むしろ新鮮に感じてしまう程。
ラスト前の追跡〜銃撃シーンは、白眉だ。

とは言え、ショーン・ペン。凄いです。
あの髪型は殆どギャグなんだけど……笑えないキャラクターを迫力タップリに演じてる。この方向に怖い人って本当にイヤだ、っていうヤツ。
ただ、あまりに怪し過ぎて、いくら恩義があっても、あんな男を信用するカリートって本当はアホなのか?と疑いたくはなるが。
まあ、その律儀さが魅力と言うか、思い入れできる部分なんだろうけれど。

ヒロイン役のペネロープ・アン・ミラー、『レナードの朝』では可愛らしかったのに、たった3年であんなに老けるか!?ちょっと驚いてしまった。
しかしデ・パルマ監督は、得意の映り込みを駆使して印象的なシーンを撮っている。ちょっと笑っちゃったけどね。

そして毎度の事ながら、暴力シーンや殺害方法は手を変え品を替えアイディア満載だし、生々しく、妙に美的でもある。
大興奮だった『アンタッチャブル』と違い、端正なケビン・コスナーも、キュートなアンディ・ガルシアも、スーパーセクシーなショーン・コネリーもいない。でも、アイドル不在でもやっぱりエキサイティングだった。ショーン・ペンの怪演はデ・ニーロのカポネに対抗できるけど(笑)。
ラスト直前は、分かっちゃいたけど…と、やっぱりショッキングで、ドッキリさせられた。
駅のホームで待つ恋人を見付けて笑いかけるカリートの顔が(そう言えばあまり笑わなかった、今まで)悲しくて。
ああ、逃げ切れなかったんだね、運命から。
切ないです。

監督・ばんざい! 5/1

うー。
色々とね。
考え過ぎてしまうんでしょうかね、世界の北野監督。

と、言うか、考えてみたら私、タケちゃんの漫才時代って殆ど知らなかったりする。『ひょうきん族』とかは笑って見てたけど。
もしかしたらユーモアセンス、合わないのかも……と、思う程、笑えなかった。
各々のギャグ自体もそうだし、監督がアレもダメ、コレもダメと試行錯誤?していくという設定自体も、同人誌的と言うか潔くない感じがして、ダメだ。そんなネタでお金取りますか、って思っちゃう。
笑いというよりは所々シュールな絵があって、それはちょっと面白かったけど、内容の面白さに繋がらないと言うか。ちょっと辛くなってしまった。

一応ファンなんだけどなぁ。
お笑い路線じゃない『アウトレイジ』とかの方が、ずっと笑えたのは私だけ???

キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン


あらまあ。
面白いじゃないの。

ディカプリオ苦手、スピルバーグももういいや、って感じで、あまり期待してなかったんだけど。
さすが、腐ってもスピルバーグ、なんちゃって、腐ってないか。

詐欺師って、とっても興味深い。
そもそも物書きなんぞという者は、「どうやって人をだまくらかすか」に血道をあげてるヤカラなのだから、フィクションでだますか、実生活でだますかの違いだけ、かも。
残念ながら行動力も度胸も無く、頭脳の点でもかなり不足を感じるので、もし実行したら即オリの中だろうけど。
それではと、せめてマンガで描こうにも、法律面とか、 例えば小切手発行のシステムやら、パイロットの制服支給方法等の知識が無いと、こんな話は作れない、多分アイディアも出て来ない。
主人公のフランクは、体当たりで乗り切って行っちゃったんだけどね。
で、たまげた事には、これって実話、しかもフランクのモデルになった本人、つまり元詐欺師が、映画の監修に当たっているのよ(本名らしい!)。
すごい男がいたもんだ。

嫌いなレオ様主演でもノレたのは、話の面白さはモチロンだけど、恋愛のウェイトが低い事、子供役(高校生!)な事、そしてワキがしっかりしてる事。
タイタニック』なんて見ちゃいられなかったもんなあ。
恋愛中心のドラマで、主演男優が好みじゃないのって、キツイでしょ、感情移入できない。
それにレオって、良く見ればわりと背も高いんだけど、全然出来上がったオトナって感じがしなくって。
だから今回の「実は高校生」って役は、私的にはピタリとハマッたみたい。
そして、FBI捜査官トム・ハンクス、父親役のクリストファー・ウォーケン!
ハンクスは、まあいつも達者なので、今回の役なんか軽くこなしちゃってる感が無きにしもあらずだけど。
追う側と追われる側が惹かれ合うあたりの説得力は彼にかかっている。「子供だからだ」には、泣けた。
そしてパパ、詐欺師の素質はコイツ譲り、でも本人は事業に失敗して負け犬状態…、なんとまあ、負け犬の似合う男だろう、ウォーケン、健在。薄い水色の瞳が、いつ見ても、コワイんですけど。
こういうパパがいて、こんなママがいて、そして息子はこんなんで、という、とても分りやすい構図。
大感動はしないまでも、単純に楽しめる点でスピルバーグはサスガだ。

でもやっぱり、一番の主役は、数々の大胆不敵な詐欺の手口だろう。
パイロット、医者、弁護士と、一つでもなりすます事ができたら、どんなに面白い事か。
特に偽スチュワーデスを引き連れての空港のシーンは楽しい。
スッチーに弱いのは、日本の男性だけじゃないのね、なんて、私も空港でパイロットを眺めるのは大好きなので、あまり言えないんすけどね。

キューティーブロンド/ハッピーMAX

「君はブロンドすぎる」とは、なかなかセンスの良い三くだり半(なんて言っても当人達には分からないだろうけど)。
で、フラれたブロンドのエルちゃんは奮起して名門大学に入学、絶対メゲない前向き思考と明るい笑顔で主席卒業を果たした上、顔と家柄は良くても頭の軽い元カレから、顔も頭も性格もステキな男性に乗り換えてのチョーハッピーエンド。
テンポが良く、エルことリース・ウェザースプーンの色とりどりのファッションも楽しくて、男を選ぶ目をも含めてヒロインの成長物語り&サクセスストーリーである。スカッとする、カワイイ映画。
…ところで、リースってどうなの!?
バービー人形を名乗るからには、もうちょっと整った美人でグラマーでなくちゃー。
なんて思った第一作。

そして続編、『ハッピーMAX』。
な、泣いちゃいました、ワタクシ。

卒業後弁護士になり、大学教授の彼との結婚も間近、幸せ絶頂のエル。
でも、愛犬(流行りのチワワ、こいつのファッションも取っ換え引っ換えで楽しめる)ブルーザーのママを結婚式に招待しようとしたら、ママ犬は化粧品会社の実験動物にされていた!
立ち上がるエル。間違った法律なら、変えればいいんだわ!
…私、犬ネタにはめっぽう弱いのよ。
南極物語で泣いたもんなあ。
だから、犬の出て来る映画で私が泣いても、いい映画とは限らないんだけどさあ。

泣けるかはともかく、社会人になったエルは前作よりパワーアップした感じ。
あの前向きさ、あの明るさには元気づけられる。
前回よりあか抜けて、ちょっとキレイになったみたい?だし。ファッションもますます楽しいし。
前作で射止めたダーリンは、今回あまり活躍しないけど、エルのボスになる議員のサリー・フィールドや、ライバルのグレース、同僚達、謎のドアマンと、脇にいい味の人々がいっぱい。
それぞれの事情にそれなりの説得力があって、楽しめる。
ライフル協会のコワモテのおじさんの「カミングアウト!」には、笑い&泣かされました。

話が大きくなった分、あまりにもハッピーエンド…ではあるけれど、いいよね、みんなでハッピーなんだから。

CASSHERN(キャシャーン)

うーーーーーー。
気持ちは、分かる、のよね。
描き手ってのは、常にこういう欲求との闘いだ、と思うんだけど。

凝り凝りに凝りまくった画面。
意味深な台詞の数々に、いちいち真っ直ぐいかない手の込んだ演出。
反面ダイレクトに垂れ流される、作家の声らしきテーマ性の主張と。
マンガで言うと、時間無制限で描かれた同人誌なんかに載ってたりして、ものすご〜く全コマみっちり背景とか入っててトーンが重ね貼りしてあって、長い台詞が小さいフキダシにみっちりぎっしり入ってて人物にも影とかいちいち付けてあって、結果すごく画面が見辛くなってて、そして苦労して読破(なにしろ見辛いから)してみれば、どっかで聞いたような陳腐な事をキャラクターにただ喋らせてる。

と、いうような、印象でしたー。


11/29 追記
初回、TV放映を見て、あまりの退屈さに何度もウトウトしながらの鑑賞だったが、なんだか引っかかるモノはあったので、レンタルで再度観てみた。やはり眠くなるので、辛くなったらお休みして何度かに分けて、とにかく全部見た。

ごめんなさい。けっこう面白かった。
やはり内容は全然絞ってないタレ流し状態だし、観る側の根性も集中力も体力も慮って無いのは歴然としているが、CMを間に挟んで見て良いタイプの映画でなかった事は確かで、申し訳無く思った。
何度も中休みを経てやっと辿り着いたラストの回想シーンでは、図らずも涙ぐんでしまった。
寺島もいいパパだったのね…なんて思って、やっぱり戦争はイヤだなぁ、と、素直に思った。

映像も情報量が多過ぎてウンザリするが、樋口可南子の座る緑溢れる庭の美しさ等を見ると、映像センスは良いのだろうなと思う。
安っぽいCGはやっぱり好みじゃないけど、飛行艇で去るミッチーと下から睨む唐沢のシーン等は、恐ろしい程キマッていた。それが全然ストーリーに生かされて来ないあたりがまた、凡作たる所以だったりするんだが。
キャストは概ね美しく、むしろ真面目に内容を追わずボンヤリ美男美女を眺めるのが正解かも、とも思った。

クソ映画である事に変わりは無いが、それでもある種の"熱"がある、伝わって来る事は否めない。
そしてそれは、とても大切で尊い事だと思う。

CUBE(キューブ)

んー、つまんない
だからなんだよ、ってのは置いといても、退屈したなあ。
たったの90分、命がけで脱出を図っている皆様には申し訳ないけど、眠かった。

面白かった『SOW-ソウ-』のコピーが、「『CUBE』meets 『セブン』」だとかで、良い評判を聞いてたし、期待し過ぎたかな。
ゲ−ム好きには楽しいんだろうか。
それ以外の何ものでもない気がする。
殆ど唯一の舞台である「キューブ」の中も、要するに四角だね、っていう、あと何だか意味不明の汚らしい装飾が施してあって、ただ不快な空間だから、ずっと見てるのイヤになっちゃうし。
脱出の手段が素数計算ってのも、面白いのか!?
盛り上がらないと思うけどなあ。
(恥ずかしながら私は、数字とキューブの移動がどう関係してるのか分からなかったんだけど、あれって常識範囲!?)
そして人物も、「極限状態で意外な本性が明らかに」を狙ってるんでしょうけど。
「意外」を狙うばかりで面白くもない上、誰にも思い入れできない、というか人間に見えない
どこまでもゲームの中、将棋の駒いやオセロかな(豹変するから・オヤジギャグでごめん)。

昔むかし、『トロン』っていうつまんな〜い映画(と私は思った)があって、ある種(どの種!?)の人々に大好評で不思議だったのを思い出した。

凶気の桜 

血気さかんな若者が大人の汚い手練手管に絡め取られる、というのはヤクザ映画のパターンだし、元々『不良』『ヤクザ』モノって好きじゃない。全然思い入れできないし、理不尽だし残酷だし。
この映画も例に漏れず、理不尽だし残酷。バカな主人公達に思い入れもできない。
それでも、最後まで緊張感が持続できたのは驚くべき事だ。
主演の窪塚&悪役の江口の“両洋介"のファンだから、というのももちろんあるが。

絵が美しいのが、まず良い。
気恥ずかしくなる程の「正義」を振りかざす“ネオ・トージョー"の若者三人組も、真っ白な特攻服姿はなかなか美的で、見苦しいファッションのヤンキー映画とは一線を画している。
結局なんで出て来たの?と、思わなくもないヒロインも、ビジュアルはとっても美人。
渋谷という舞台、雑踏、『アメぽん』と称するところの雑多さ。咲き誇る桜。日本刀。枯山水に血だまり。クライマックスシーンの窪塚の白と江口の黒に降りかかる、桜。
徹底して美的な、どこかナルシスティックなまでのこだわり画面は、そうそう、あの『キャシャーン』を彷彿とさせなくも、ない(笑)。
しかし決定的に違うところは、こちらはストーリーが分かり易く、中心がブレないところ。そして役者の演技が良いところ。脚本がちゃんとしてるし、人物もキッチリ色分けされている。なにより台詞がちゃんと聞き取れる(笑)。

「いつもイライラしてる」と言われる“武闘派右翼青年"の山口を、窪塚はまさしくイライラとカリカリと演じていて、いつもながら若さゆえの痛々しさがとても良い。TVではいい人役のイメージの強い江口洋介も、いつもの調子を逆手に取った底冷えのするようなワルぶりを見せてくれた。
この「いつも通り」な感じが、皆クセモノだ。

惜しむらくは、せっかくの桜がピンク過ぎた事。
まあ、好みと言ってしまえばそれまでだが、もっと清冽な、青味の入った桜色が良かったな。
それと、エンドロール後のシーンは全くの蛇足
なんであんな余計な物を付け足してしまったのか、真剣に意味不明だわ。
それこそ狂気のごとく降り注ぐ桜で終われば、それで充分だったのに。
面白かっただけに、最後は本当に残念だ。

キル・ビル

ユマ・サーマン、本当は運動神経ニブイだろ。

タランティーノは日本のヤクザ映画のドマニアだって噂だから、あれは本気じゃなくてギャグなのかも知れん。あまり笑えんかった。
ルーシー・リューの姐さんは、悪くなかったけど。でも日本人としては、なんで中国人!?っていうのがどうしても残ってしまう訳で。日本には女優がいないんかい、コラッ、スピルバーグ!って、これは別の話か(笑)。
それにあの殺し屋達、今時あんな海賊みたいな目パッチして歩いてる奴いないって、しかも女。しかもTVシリーズで話題になった『ツインピークス』にもそういうキャラ出てたし。
それよかゴーゴーちゃんてネーミングはどーなのさ。気になってしょーがなかったわ。
あと、ユマ・サーマン、外反母子。治した方がいいって。
ヴァン・ヘルシング』のお姉ちゃんもそうだけど、いくら撮影技術が進んだって、アクションをやるにはある程度の資質がいると思うの。ドン臭い女がドタドタ走る映画はキライ。

あ、音楽はカッコ良かった。
大階段の下は血の海、って舞台設定も面白くはあった。
出演者達のつたない日本語に膝カックンを食わされるのも、たまたま日本人に生まれてしまってツイてなかっただけで、日本語分からなかったら緊迫して見えたのかも…うーん。

完結してなくて、『2』も出てるんだけど、観るのめんどくさいなあ。

キング・アーサー

う〜ん。地味
真面目に作った壮大な英雄冒険物語なんだけど、どうもパッとしない印象。

タイトルから知れる通り、かの有名なア−サ−王の伝説をベースに「新説・ア−サ−王」とでもいうあたりを狙ったんだろうけど、あまり的を射ているとは思えないんだよね。
まず時代が、通常語られる伝説よりずっと前、という設定(根拠はあるらしいが)なんで、衣装も小道具も、とっても原始的で、地味。
そして、『トロイ』もそうだったけど、神秘的要素を排除してリアルな解釈に終止していて、エクスカリバーのエピソードとか、せこいせこい。マーリンも妖術使いの噂こそあれ、普通のただのおじさんで、存在感は薄く、敵から味方に換わる動機もイマイチパッとしない。
おまけに円卓の騎士が、7人しかいない!
加えて致命的なのは、アーサーとランスロットの印象が似ていて、せっかくのストーリーに集中できなかった事。
他の騎士達も誰が誰やら、3種類位にしか分類できないうちにバタバタと倒されてしまった。

アーサーの王妃になるグウィネヴィアは、なかなか良かった。
このところお気に入りの美人、キーラ・ライトウェイ。
パイレーツ・オブ・カリビアン』をパワーアップしたみたいな「お転婆姫」。
でも一人だけ、寒そうだったんですけど(笑)。

戦闘シーンは、とても迫力があって、特に氷の上のシーンは圧巻。
だからこそ、誰が誰やら把握できないままにあそこへ突入してしまったのは惜しい。
ウィネヴィアと共に教会から救われた少年や、救出された偉いさんの坊っちゃん、子だくさんの騎士と妻、等など、面白くなりそうな関係がいっぱいあって、どれもイマイチ平易で残念。そもそもアーサーとウィネヴィアの関係が、何だか薄くて唐突なんだもの。
伝説では最も有名だろう、ウィネヴィアとランスロットの恋のエピソードも出て来ないわりに、ランスロットが倒れた時のウィネヴィアの様子は妙に思わせぶりで、ひょっとして編集上の理由?などと勘ぐりたくなる中途半端ぶりだ。
元々鎧姿の騎士が馬にまたがってるだけで大興奮のはずの私が、けっこう引いて観てしまったのだから。

お金もかけ、手間暇も惜しまず、魅力的な題材を扱って、なんとも惜しい出来上がり、というのが、正直な感想でした。

キング・コング 

「美女が野獣を殺したんだ」
ちがう。
殺したのは誰が見たってオマエだろーが。
美女が野獣を殺したんじゃない、ブタが サルを殺したんだ

なんだかなぁ。
こんなにお金使っちゃって、まあ。
ロード・オブ・ザ・リング』が全っ然ダメだった私なんで、ノレないかな、とは思っていたんだが。サルも嫌いだしさ。
本当に、この監督は汚い物、醜い物、グロい物が好きなんだね。
長い長い上映時間中、殆どそういう不快な物を見せられ続けて、唯一とも言える綺麗所がナオミ・ワッツじゃ地味過ぎてパワー不足。可愛いけどさ。全然ゴ〜ジャスじゃないんだもん。
純愛とか言うなよー気持ちが悪い。
ナオミちゃんはヘンタイかい。
長くて辛い退屈極まりない3時間余だったわ。

不快極まりない事に変わりは無いんだが、唯一興味をそそられたのは、あの映画監督。しかし見苦しい男だったな。
登場人物中唯一マトモな人間だが全く役に立たない(狂気の世界なのだから無理もない)エイドリアン・ブロディの「彼は周囲を破壊しつくす」ってセリフで、一瞬目が覚めた気分になった。いや、寝てませんけど。
観客の多くが、あのアホなサルに思い入れをして観てるらしい事を知ってビックリしてしまった。「カワイイ」とか言ってやんの……(脱力)。あるいはヒーローとかね。
基本的に、「サルが暴れて何が楽しいか」と思っているんで、私が楽しめないのは映画の出来の問題以前かもしれないな。『ロード…』は「コビトが旅して何が…(以下同文)」と思ってたし。

なんかナオミワッツ、手乗り文鳥みたいだったな……そう考えれば、文鳥の気持ちをいちいち量りかねて困っていた私のトンチンカンぶりが見えて来る。
上映中ずっと、「ナニ考えてんだこの女」とか、「こんなイカレたブ男に人が同調するのはナゼだ」とか、「道を歩いてただけで巨大サルに掴まれて投げ捨てられた金髪の皆さんのその後は」なんて考えちゃいけないんだ、と自分に言い聞かせるのに疲れてしまった。ああ、くだらない


キングダム・オブ・ヘブン  

オーランド・ブルーム。
綺麗だけどちょっと線が細くて、薄い感じでイマイチ…と、思っていたけど、かっこよくなって来ました。
いやいや、希代の男惚れ監督リドリー・スコットだからかも。
取りあえず、映画はシブくスケールは大きく、男優陣は素敵でした。
特に、騎士姿が異常に似合うリーアム・ニーソン父ちゃんと、サラディン役のハッサン・マスード(シリアの俳優!)はむっちゃかっこいい。
キャスト表を見てたらエドワード・ノートン…?おー!良かった。分からなかったけど、良かった。さすがだ。

絵が美しくて、例えば砂漠に一人ポツンとオーランドが立つシーンとか、森の中での騎馬シーンとか、何気無いシーンでも鮮やかに目に焼き付いた。
もちろん、合戦シーンは物凄いんだけど、これってもう、あちこちで観てしまってるしな………、まあ、重厚さで一歩リード、かな。
城壁の燃えるシーンも見応えタップリ。砂漠での騎馬軍団にも、胸が高鳴る。
オーランド演ずるバリアンは、(なんであんなに強いの!?という疑問は残るものの)父の手ほどきで会得した剣術で、ひらりと振りかぶる姿が美しく印象的。ごつい兵士達の中で細身の彼に良く似合う。

でもって、またまた「王女と恋」である。
この「恋」が、なんか良く分からなくて、あの王女がなぜバリアンに恋したのか、妻の自殺からバリアンがいつの間に立ち直ったのか、とか、けちを付ければきりがないんだが。
まあいいでしょ、この映画の本題は、やっぱり「意気に感じる」「侠気(おとこぎ)に惚れる」って世界、女の出る幕は少ないのね。
しかし王女の衣装は素晴らしく美しかった。それだけでも登場の価値はアリ。
そんな事より、死病に冒されながらも威厳を失わぬ王、敵ながらあっぱれの貫禄と風格のサラディン、そしてどこまでも勇敢で誠実、真摯なバリアンの、「男惚れキャラ」を堪能しよう。

クッキー・フォーチュン 

孤独な老女のピストル自殺、という、この上も無く暗いシチュエーションで始まるドタバタ喜劇。
名(迷?)女優2人、グレン・クローズのキレッぷりとジュリアン・ムーアのボケッぷりが最高だ。

ストーリーに関しては、正直、クッキー婆さんが自殺するまでが長いし、ラスト前のバタバタの種明かし?出生の秘密、みたいなのは何の意味があるのか分からないし、結局婆さんの自殺もあまり理由が無くなってしまうし、いくら田舎のヘボ警察でも、あのままって事はないだろ…と、色々あるんだけれど。
笑えるし、面白かったから、まあいいか。
アメリカの閉鎖的な田舎町の雰囲気とか(行った事無いけど)伝わって来る気がするし、そういう小さい集団には、かならずいるいる、こんな人、という人物が揃っているし。細かい会話のやり取りも、どこかトボケてて面白い。
警察で拘留中の容疑者と警官がなれ合ってる所とか、教会の出し物を取り仕切って我が物顔のおばさんとか。ナマズのシチューって食べてみたいっすね。

グレン・クローズはスゴイなぁ。たまには※他の役も見てみたいけど(笑)、本当にミエっぱりで自己中で、ヤな女。しかも浅知恵。
映画のラストはブラックで、いくらなんでも笑えなかったけど。
逆に「出生の秘密」云々も無駄になってしまうし、どっちかで良かった気がするな。後味悪過ぎは、どうもね。
しかしクローズさんの演技は完璧、他の女優は考えられないくらいのハマリっぷり。
方やジュリアン・ムーア、こちらはちょっと意外な役どころ。
頑張るキャリアウーマンとか、知的なイメージが強くって(『ハンニバル』とか)、ちょっとカタイ印象があまりイケてない女優、と思っていたんだけど。
今回は頭弱くてママの言いなり。ボーッとした表情が、ミョーに可愛く見えたり。
少女っぽい服装も野暮ったいが意外に似合ってたし、劇中のサロメの扮装は本当に綺麗で驚いた。そのままウロウロしてるし…(笑)。
もう一人の女優、リブ・タイラーも、(二人のアクの強さには遠く及ばないが)なかなか好演。シュートカットにジーパン姿がキュートで、意外とガタイがいいのもご愛敬。
美人ってやっぱ、ショートカットがキマるわね。

正義感や道徳心を気にせずに(不謹慎だからな…)コメディと割り切って観る分には、楽しい映画でした。

※『ステップフォード・ワイフ』『101』『危険な情事』『ガープの世界

グッバイガール

だーい好きなラブコメディの傑作だ。
男に「グッバイ」されてばかりのダメダメな子持ち女と、パッとしないアングラ役者だけど味のある中年男。そしてしっかり者だけど本当は寂しい幼い娘。
ありがちなパターンと言うなかれ。
誰が何回繰り返そうとも、手堅い物は素晴らしい。

この母娘と、ひょんな事から同居する事になった中年男(ああ、書けば書く程パターンだ)が、何度も口にする言葉がある。
それは「鼻が上向き」。彼の好みなんだそうだ。
日本だと、整形手術でも鼻は高くとか、細くするもの。しかしアメリカでは、男女共に「鼻の先を上向きにする」のが一番人気だとか。映画を観た後から仕入れた知識ですが。
この新鮮な言葉が、最期に二人が結ばれる時、最高の愛の言葉になるのよ。美しい瞳とかじゃないの、鼻が上向き。

原作はニール・サイモンだったのね、そしてヒロイン役、すごいいい女優さんなのに知らない…と、思ったら、ニール・サイモンの当時の妻で舞台女優だって。ナルホド。
サイモンが彼女、マーシャ・メイスンのために造ったお話らしい。ナルホド。
こんなエピソードを知らなくても、込められた「愛」がビンビンに画面から放出されている、本当にいい映画。

グラディエーター

こういうバカ正直な感じのスケールの大きな映画って、久しぶりに観た気がする。
もちろんCGも駆使しての、まぎれもない現代の作なんだけど、映像に独特の重さがあって、なんか香り高いのよ。
と、思ったら、お久しぶり、リドリー・スコット監督だったのね、かなり話題になった映画みたいだけど、公開当時私は色々大変で、全然予備知識が無いままにビデオで観ちゃった。
劇場で観たかったな、と思わせる映画も、久しぶりかも。

ローマのコロッセウムの剣闘士の話、という事で、戦闘シーンは迫力満点。一部「ありえねーっ」って所もあるけど、私にはそれもまた楽し。
スペインの闘牛だって信じられないのに、あんな物に本当に大衆は熱狂していたのね。私は観に行かなかったと思うけど、スポーツ観戦キライだもん。
なんて言いながら、コロシアムでの戦いのシーンには、手に汗握ってしまう私であった。
虎が出たりもスゴイけど、なんと言っても戦車のシーンが圧巻。
いくらカリスマ将軍でも、ああはいかんでしょ、とは思いつつ、「ダイヤモンド陣型につけ」と叫ぶラッセル・クロウは鳥肌モノ。

主役を張るラッセル・クロウは、正直今まで注目していなかった。2、3本観てはいたはずなんだが。
今回も、最初登場した時の印象は「モッサリしたおっさん」であった。容姿は地味だよね。
それが、冒頭の騎馬で森を駆ける戦争のシーンで、あっと言う間に引き込まれ、気が付けばすっかり彼に夢中(赤面)。
なんと言うか、男は黙って高倉健的な魅力。女性はともかく、男性はオトコボレ間違いナシ!
戦う時にはただ戦い、戦いの合間には情けないような、困ったような顔で、必要な事だけを低い声で話す。
そう、この声がとても良い。

ヒロインの王女(しかも主人公の元恋人)は、コニー・ニールセンという、若かりしリズ・テイラーを薄めたような美女。
登場シーンの輿で寝そべるポーズに続き、父皇帝との会話等、「おっ、悪女登場?」とワクワクしたんだが、蓋を開けてみれば、単なる子供が可愛いだけのおっかさんで、独り息子と自分の保身しか考えない、つまらん役でした、それでいっぱい人に迷惑かけるので、やっぱり必要な役ではあるんだが。
ローマ式のドレスはどれも美しく、見た目にはとても楽しかった、やっぱり美人は良い。

そして、まーなんて憎たらしい、敵役の皇帝コモドゥス。
この人色々可哀想なんだけど、とにかくセコくて可愛気が無くて、それにキモイ
よくぞこんなチンケな(演技の上手い)役者を探して来たもんだ、と思ったら、フォアキン・フェニックス………リバーの弟!?
似てねー!!!
ドラマ自体は結構単純(それでいい、と思う)なんだが、この皇帝の憎たらしさが、2時間以上の長い時間をちっとも飽きさせなかったポイントかも知れない、ホント、やな奴なのよー、うぴぴー。

物語りは、勧善懲悪の復讐劇で、無敵の英雄が権力だけのセコい男をやっつける、って話(ああ、ミもフタもない…)なんだけど、ひっくり返して皇帝サイドから見てみると、けっこう現代的なテーマだったりする。
気紛れで残酷な大衆を支配するつもりが、いつか御機嫌取りに追われるようになり、逆に大衆に踊らされ、追い込まれて行く。
って、なんか『シカゴ』にも通じちゃったりして!?
愚かで欲深い大衆、というのは、民主主義の宿命みたいな物な訳で、そしてコロセウムという物の存在は、その象徴として、とても分り易い。
こういう題材で、例えば安手の邦画なんかだと、仲間の剣闘士と対決させられて、みたいな展開にすぐなっちゃって、そういうのイヤだな〜と思ったら無かったのでホッとした。
せっかく楽しみに来てるのに、そこまでイヤなもの観たくないんだよね、どんないい話でも、ラストまでヤな気分を引きずってしまいそう。あの黒人の狩人は生き残ってマル。

画面はどのシーンもとても美しいけれど、特に主人公マキシマスの故郷、心の拠り所にふさわしく、優しく懐かしくて涙を誘う。妻と子の、(出番こそ少ないが)一点の曇りも無い笑顔の明るさも、この映画の出来の良さに貢献している…。

グラディエーター(byてけぽん)

こんにちは、杉本氏の漫画友達のてけぽんです。
久々に覗いたら、映画コーナーに『グラディエーター』がでてた。わーい。
このタイトル聞くだけでコーフンしますだ。私は暴力的な趣味はないはずなのですが、ごつい男性が重たい剣を振り回す映画はとても好きです。ローマ時代のお話もとても好きです。それらの中でも、この作品はぴかいちです。まさか本物のコロッセオが見れる日が来るとは思ってなかった。現代に生きてて良かった。
確か今年のお正月に、『ハリウッドの真実』という番組をBSで見まして、「グラディエーターのすったもんだ」が暴露されてました。なんと撮影しながら脚本を治していったそうな!?脚本家も挿げ替えられたそうな。うそ?!漫画をかいてる私には信じられない。作画しながら話を差し替えるなんて。映画界では良くあることなのでしょうか。
で、その際に「復讐物」に決まったそうで、じゃそれまではどんな話だったのか、私は興味津々だす。そっちも見たい。ローマのお家騒動でも書いてたのかな、政治物だったのか?
何気なく見てしまい、もう一度見たくてしかたない。私はその回しか見なかったのですが何回かのシリーズだったと思います。誰か教えてー!!!

クレイジー・ハート 8/10

ジェフ・ブリッジスは、この作品でアカデミー賞を取ったとか。元々好きな俳優だが、なるほど納得の存在感である。
素敵なお顔は残念ながら、ちょっと顎無し亀さんなので、こういうお髭の役は特にかっこいい。
歌も物凄く上手い、サスガは『ファビュラス・ベイカー・ボーイズ 』(笑)。
(と、思ったら、この映画がキッカケで歌手デビューが決まったそうだ!すごい。)

『レスラー』と、似たような内容で、どうも比べてしまうと印象が弱いんだけど、その分マトモで安心して見られると言うか、万人に後味が良いと言うか。
落ちぶれたフォークソング歌手、という役所ながら、ジェフ・ブリッジスの見た目は充分「イケてる」し、行く先々で女性にモテモテ。男性からも尊敬の念を露わにされて、才能があるのも分かっていて、いったいナニが不満じゃ、という気がしないでもない。でも、アル中。
そして、先へ進めない自分に苛立っている。
彼の再生のキッカケになる、巡業先で知り合った子持ちの女性記者。演じるマギー・ギレンホールが、とてもいい。タレ目のお多福ちゃんと思っていたのに、肌の白さや目の明るさが、妙になまめかしい。可愛らしく、でも芯の強い野心家のシングルマザーを魅力的に演じて、目が吸い寄せられる。

バッドの友人役で、名優ロバート・デュバルが出ていて、いい味出してる。
後輩の売れっ子歌手役で出ているコリン・ファレルも、歌がとても上手くて驚いた。出番は少ないが、落ちぶれたカリスマ先輩への複雑な思いが伝わって来る、良い演技だった。
個人的に残念に思ったのは、バッド達が歌うカントリーソングの数々、最後の一曲以外は字幕が付いていなくて、歌詞の内容が分からない。色々狙いはあるかも知れず、ストーリーに直接関係が無いかも知れないが、カントリーソング自体に詳しくない身としては、雰囲気を把握するよすがにしたかったのに、残念だ。

元スターのバッドが、どうしてこうもジーンに惹かれたのか。タイミングもあるだろうが、子持ちである事が大きいだろう。失ったものを補充しようとしたんだね。でも皮肉な事に、その子供を巡る出来事で、彼女は彼に見切りを付けてしまう。
と、言うよりも、逃げる理由を探していたような気もする。
ベッドで作曲する彼を見て「ずるい」と泣くような女だもの。
男は健気にも、二人を取り戻そうと頑張って立ち直るが、女の方はとっくに他の恋を見付けて幸せになっていた。
ちょっとラストは拍子抜けと言うか、ハッピーーエンド好きとしてはガッカリだったんだが、少し考えれば納得がいく。
歳を取ると月日の経つのが早くなるが、若い人には時はずっと緩慢で濃密だ。おまけに彼女の方は、相手の才能に嫉妬とも畏れとも言える思いを抱いて腰が引けている。スターの妻など荷が重いだろう。
何となく煮え切らない思いを抱えながらも、そう思い至って、これがベストな結末と思い直した。
金は受け取るか?と思うけど、ここは彼女ではなく彼の視点で満足いく方を取ったのだろう。結果的にバッドは再生し、孤独ながらも自分の人生を取り戻したのだから。
ラストシーンの広大な景色と、フォークカントリーの調べは、今ある物を受け入れる後押しをしてくれる。

刑事ジョン・ブック 目撃者

ニューヨークの刑事と、アーミッシュの未亡人、という異文化交流そして恋愛の物語、アクション付き。と、私は思う。

恥ずかしながら、アーミッシュというものの存在を、初めて知ったのはこの映画だった。
要するに、今、現在(映画公開当時と今とでも、おそらく同じだろう)現実に、『大草原の小さな家』をやっちゃってる人々が、存在するのだ、それも大真面目で。アメリカって、すごい。

現代最先端を体現するニューヨークの刑事役は、当時アイドルスター(?)のハリソン・フォード。多分この作品で、かなり評価を上げたんじゃないかな。
演技の善し悪しは置いといて、と言うか良く分からないんだけど、この役はかっこよく、渋くて、切なかった。
ミもフタも無い大都会でカサカサ生き抜いて来た男が、19世紀そのままの生活に放り込まれる。
暴力に慣れ切っていた日常から一転、アーミッシュは徹底した非暴力主義だ。食事の前には神に祈りを捧げ、着飾る事も罪悪、ラジオを聞いても責められる生活。
接点は皆無かと思いきや、大工仕事が巧かったりして、ミョーに馴染んでしまったり。
殺人事件の目撃者の少年の母親と、最初はお互いエイリアンを見る思いだったのが、ストンと恋に落ちてしまう。
そりゃあなた、H・フォードが降って湧いたら、そして命掛けで守ってくれたりしたひにゃあ、恋しちゃうわさ。
とは言え、アーミッシュの未亡人は、外の世界に憧れめいた感情があり、刑事もまた違う環境で自分の殺伐とした生活を考えたりと、思いは複雑だ。

殺人事件は解決し、母子に平和が戻って来て、刑事は都会へと帰って行く。
所詮は世界が違う、という事だろうか。
思いのたけをグッと飲み込んで去って行くH・フォードは、なんとも切なくセクシーだ。
見送って、また与えられた日常を受け入れる未亡人、ケリー・マクギリスの太い脚(失礼!)が、ナチュラルで印象的だった。

そして、受け入れた日常の先に、幼馴染みの青年がいる。
このアーミッシュ青年を演じたのは、ソ連の亡命バレエダンサー、アレキサンダー・ゴドノフ。しょぼくれたリアリティが魅力のH・フォードに対し、輝く金髪にダンサーらしい肉体美のゴドノフは、ナチュラリティの権化のようだった。
この後『ダイ・ハード』でもブチ切れた悪役を演じていたが、若くして亡くなってしまった。残念。

コープスブライド 

まずはCG全盛のこのご時世、実写で撮れるモノまでコンピュータに寄りかかる映画が多い中で、実物のクリーチャーをコマ撮りして映画を作ってしまう、ティム・バートン監督に乾杯。
デリケイトで湿り気のある柔らかな画面は、おそらくどんなに技術が進んでも、CGでは追い付けないだろう。CG作る人達は、そんな事気にもしないかも知れないけど。
ストップモーションアニメとしても、もちろん最高の技術とセンス。”花嫁”のヴェールのなびく美しさを見てやってよ。

ストーリーは単純で、他愛ない物だし、上映時間も短く(長くしろ、なんて酷な事は言いっこなし…)、ご都合主義的展開も無いではない。
でも、ファンタジックで精度の高い画面は、短時間でも充分堪能できるし、変にひねらないストーリーも、むしろ好感が持てた。
『ナイトメア・ビフォー・クリスマス』に比べると、内容は少し食い足りないような、逆に嫌味も薄くなって見易いような。
いつもながら、音楽も最高。
死者の世界の祝宴等、溢れる色彩とユーモラスな動きに負けないジャズが被さって、ワンシーンだけでも独立した傑作だ。

なにより主要キャラクターが愛らしく、とても魅力的。
成金の息子でちょっと気の弱い優しいビクターと、政略結婚の相手ながら純情で奥ゆかしく可憐なビクトリア、もう死んじゃってるけど素直で無邪気な美女(だった死体)のエミリー。三角関係の3点が、それぞれ個性的で「いい人」で、でも欠点もあって。
ビクターは情け無く優柔不断だし、エミリーなんて目に虫が住んでる
でも、その表情は透明で、とても愛らしい。ついでに、目の虫も可愛い(笑)。
バートンさんて本当に犬が好きだよね。ガイコツ犬の可愛さには、胸がキューンとなってしまった。

DVDの特典映像には、とても楽しいメイキングが入っている。
オタク野郎が大集結。頑張れ。

コールドマウンテン

時代はアメリカ南北戦争。舞台は南部の田舎町。
と、来たら、当然思い出すのは『風と共に去りぬ』そして美しきヴィヴィアン.リーでしょう。
比べてはナンだけど、実際ニコール・キッドマンて、美人かぁ!?(いくらなんでもデコ長過ぎるだろー、鼻の穴丸見えだし…)
と、思いながら観ていたら、中盤お待たせのレニ−・ゼルヴィガ−登場。
…やっぱニコール、美人かも(笑)。

ま、そんな事は置いといて、過酷な時代だったんでしょうねぇ。
いろんな時代の戦争映画があるけれど、この時代って武器の発達具合とかがちょうどいい具合に凄いと言うか、生々しく残虐だよね。無政府状態のリンチ行為も残虐。
そういう意味での印象は強かったし、なんか思わせぶりな格調高い雰囲気があって、良くなるのかなー、と思ったんだけど。

確かに「美人」をかなぐり捨てたレニーは、充分楽しめたし良かった。最初たまげたけど、だんだん可愛く見えて来るし。
野生児レニーと深窓育ちのニコールの対比が狙いなんだろうけど、あんなワンダーウーマンみたいな体格で「役に立つ事は何もできないように育てられたの」は、無理があるのでは。私は笑ったな。
恋人役のジュード・ロウは、相変わらずのハンサムぶりだけど、こちらもあまり迫力なかった。(『A.I』も『リプリー』も良かったのに…)
脱走兵って、凄い大変な事だと思うんだけど……、なんか追ってる方が一方的に悪いみたいな描き方だし。
やっと巡り合えた恋人達とは言え、令嬢と最初のベッドインがあんなんでええんか!?と言うのも違和感。
ベッドと言えば逃走中かくまわれた若い未亡人のエピソードも意味不明だし。
なんとなく全体的に、キレイな雰囲気で表面的に流しちゃってる印象。
ストーリーは単純で、戦争で引き裂かれた美男美女、待つ女と帰る男、と、これがけっこうつまらない。
「コールドマウンテン」という土地の名も曰く付きで、わざわざモノローグで説明される割に、終わってみると「だからなんだったの」って、全然役割果たしてないし。
なんかジグソーパズルのピースが一つ二つ足りないままエンドロールが流れちゃった感じだったな。

50回目のファーストキス 

やっぱり可愛い、ドリュー・バリモア。好き。
ハワイって、まだ行った事が無い。
いい所なんだろうなー、と、物凄く思った。
この映画の設定自体、常夏の島って事がとても重要なんだけど、それだけじゃなくて、明るい日差しと青い海、ビーチ・ボーイズの名曲に、可愛らしい動物達、ネイティブの人々、といった構成要素が、ただそれだけで心地良い。
そして、金髪に花を飾ったピンクのTシャツのドリューの、なんとも明るい、愛らしい笑顔。

ちょっと下品な笑いもあるし、ひどいんじゃない?という場面もあるんだけど、おおらかな気分になってるから笑って見逃せる。
主人公のヘンリーは、口八丁のプレイボーイだったけど、それは彼の天使・ルーシーに出会うための布石……などとロマンティックに考えてしまう、甘〜いストーリーでもある。
ルーシーを知って変わって行くヘンリーの姿は、微笑ましくも感動的だし、毎日ファーストキスをする新鮮さは、ちょっと羨ましくさえ感じてしまう。
二人が知り合った直後の駐車場でのダンスは最高で、そこでもうすっかり引き込まれた。
ひとつひとつのエピソードがみな、「二人は本当に気が合うんだ」と思わせてくれるから、どんなハンデも乗り越えて欲しいと心から願う気持ちになる。
記憶の保てないルーシーの、「歌」や「絵」という材料には説得力があって、厳しい事情と共に彼女の愛を再認識させられ、泣かされた。
脇役も一人一人が皆個性的で、皆人が好く憎めない。とても人間らしくて楽しい。

こういった深刻な問題を扱うにしては、あまりにも脳天気楽観的に過ぎるかも知れない。
でも、ハワイだから。
ビーチボーイズだから。
ドリュー・バリモアだから。
ラブコメ、と言うにはクセが強い気もするが、愛も笑いもいっぱい詰まってる事は確か。
そしてちょっぴり、涙も、だけど、このシチュエーションで退屈させずに涙がちょっぴり、というだけでも快挙かも。

この子の七つのお祝いに

すごいよ、この映画。
公開当時(1982年)の岩下志摩様の、セーラー服にお下げ髪姿の写真が出て来るのよ。
まだ邦画を観に行っていた頃なので、私は映画館で体験してしまった。
さざ波のように場内に広がる、観客の驚きの声。
後にも先にも、あんな反応を劇場で見たのは一度きりだわ。

コマンドー  

人気のタレントを主役に据えて作る映画を、「アイドル映画」なぞと呼ぶ。
『コマンドー』はアクションエンタテインメント映画であるよりも、アイドル映画だ。アイドルとは、誘拐される娘役の可憐な美少女アリッサ・ミラノちゃんでは無論なく、主演の筋肉パパ、アーノルド・シュワルツェネッガーだ。
そして公開当時の私は、まんまとその戦略に乗せられた一人だった。

ターミネーター』で注目を集めたものの、(一部のボディビルファンは別として)まだシュワルツェネッガーは得体の知れない筋肉男でしかなかった。
ましてやターミネーターは人間ではない。『1』では特に、ただただ人を殺すマシンだった。
『コマンドー』はつまり、シュワが単なる「ターミネーター役者」で終わるか「大スター」に躍進するかの瀬戸際に出され、見事結果を出した記念すべき映画であり、政治家になって事実上引退するまでの彼のキャリアを方向付けた作品でもある。…って言うか私、実はシュワ映画の中で、一番好きかも、このおバカ映画。

公開当時、映画館に馳せ参じた私の前の席には、大学生風の男子数名が並んで座っていた。
幕が上がり、丸太を担いだシュワの上腕二頭筋がアップになるや、彼らは爆笑し始めた。(もっともここは、会場全体がザワついたのだけれど)
そこから、シュワが物(娘も)を持ち上げたり、走ったり飛んだりするだびに大爆笑。水着姿でボートを漕ぐとこなんかもう息も絶え絶え。分かるよ、その気持ち。
なにしろこんな物凄い物、見たこと無かったもん、私達。

そんなんだから、ストーリーは単純明快、最初と最後にちょっと人間らしいやり取りがあるだけで、そしてそのちょっとの間に「笑うとマヌケな顔でカワイイじゃん」なんて抜け目なく思わせつつ、あとはもう、殺す殺す。あの体格でコマンドー大佐でフル重装備でどっかんどっかん。
その上ラストはお約束?の肉弾戦。そりゃそうでしょうとも。
悪役のフレディ・マーキュリーじゃなかったベネットは、「可愛さ余って憎さ百倍」って言うかもう、シュワ演じるメイトリックス大佐が大好きなんだな。(と、笑い続ける青年達を見て思った)だからその彼に「そんな銃なんか捨てて、俺と楽しもうぜ」なんて挑発されるとたまらんワケですわね。
哀れな奴……あの最期は、なかなか衝撃的だった。

とにかく、ツッコミ出したらキリが無い程強いシュワ。飛行機から飛び降りてもピンピンして走り出す。弾はもちろん当たらない。怪我してもすぐ元気回復。
街中でも平気で大暴れ、迷惑な人だなぁ。
でも、意外とシャレた会話のやり取りと相まって、表情や仕草の不器用そうなとこが何とも、愛嬌があってチャーミング。
かくして、まんまと「アイドル映画」の目的は果たされたのであった。
あんな口八丁の政治家になってしまうとは、いやはや(笑)。

好きだったなぁ。

コレクター

多感な少女時代に、このような怪しくも高レベルな物を観てしまった幸運!?
たまーにだけど、ミステリーの依頼が来ると、あーでもない、こーでもない、と、さんざ考えて、だいたい主人公が心を病んでる系の話になっちゃうのよ。
もちろん、この映画の病み様には、比ぶべくもないだすが。

なんか現実にイヤ〜な事件とかもあって、それは本当〜に、物凄くイヤなので、あまり迂闊な事は言いたくないんだけど、だからあくまでも、切り離して考えたいんだけど、ね。
この映画は恐い。とても丁寧に、巧みに、恐い。
同時に美しい。(だから切り離して考えてってば〜!)
隅から隅まで、物凄く高い美意識に支えられた、ヤバ〜イ世界。

ウィリアム・ワイラー監督と知ってビックリした。
なんか、壮大なスケール、膨大なエキストラ、大仰なBGM、ってイメージだったから。
もちろん、それはそれで凄い事だし、大好きなんだけど、「こんなん撮ってみました」って、これを出して来るって、物凄いよね。
最初と最後以外、場面転換は殆ど無い、狭い地下室。
登場人物も、ほぼ二人きり。
要するに、殆ど心理戦になって来る訳で、まあいくぶんアクションらしきものもあるんだけど、造りは地味な訳ですよ。でも、内容は、地味どころじゃない。
ち密で、丁寧で、そしてやっぱり圧倒的な美意識に、引きずられずにいられない。
捕らえられた女子大生の気持ちはもちろん、捕らえたテレンス・スタンプの気持ちも分かるような気分にされてしまう、チョーヤバイ。

余談を、3つ。
1:TV放映の時、沢田研二が吹き替えをやっていた。すごい良かった。
2:4コママンガでパロディがあった。女「私は自由が欲しいの、自由よ!」男「自由だったらなにするの」女「えーと、シャネルのバッグとエルメスのスカーフと…(ブランド名はテキトーです)」。
3:知人の紹介でデートした相手が「あの男の気持ちは分かる」と熱弁を振るったのには、引いた。

殺したい女

面白いよォー、この映画、ベッド・ミドラー最高!
本来歌手らしいこの人が、歌手役を演じた『フォーザボーイズ』も涙鼻水垂れ流しモンの名作だったけど、こちらも秀逸。
どう見ても押し出しの強い図々しいオバハンで、顔もケツもでかくって、でもなにか、とても「純」な印象があったりする、不思議な女優。おまけに、恐ろしい事に、色っぽかったりもする。

『殺したい女』は、そんなミドラーの類い稀な個性を、思いっ切り有効利用したコメディの傑作。
ふてぶてしく、憎たらしい金持ちの妻が、気が付けば可愛く魅力的な女性になっている、と、言ってしまえば私の大好きな変身モノなんだけど、全然無理も無く、笑っているうちに済んでしまうのよ。
誘拐犯のカップルも、「ありえねー!」って感はあるけれど、人が良くって、可愛くて。
ミドラーの夫、ごうつくばりの成金を、これまた個性的なダニー・デビートが演じていて、暑苦しいし見苦しい、俗物そのものなんだけど、なんかマヌケで可愛い。
ああ、要するに、みんなカワイイのね。
そして映画は(よほどの意義や主義主張が無い限り)、やっぱハッピーエンドがいいやね。

余談だけど、TV放映の時、ミドラーの吹き替えを中尾ミエがやっていた。
すごいハマッてて、これまた笑えた。
中尾ミエの声って、いいよね、深くって、柔らかくて。
日本の声優の大半は、声に厚みがなくって、演技も累計的で、吹き替えはなるべく観ないようにしているんだけど。ミエはいいぞ!
某カードのCMソングも、密かにファンだったりするのであった。

コンスタンティン 

それ程期待してなかったせいか、かなり楽しめました、この世界観。
なんか日本の少女マンガやアニメでもありそうな設定だけど、抑え目の演出と所々すごく綺麗な画面で、何となくランクが上がってる印象。

ガブリエルはかなりいいセン行ってます。人でないモノの匂いがする、綺麗な貌と細い身体。お茶目な性格も要注目。
ルシファーも、なかなか良かった。なぜマフィア?だけど。(スーツも白いんだよね、そう言えば天使の羽は黒っぽいし)そしてやっぱり、性格お茶目。
少なくとも『エンゼル ハート』のデニーロや『ディアボロス』のアル・パチーノの表現よりかはずっと私好み。
相変わらずデク人形みたいなキアヌ・リーブスも、この役は合ってたかな。
ネコちゃんも必見。

嫌煙家の私には、嬉しいメッセージかも。
喫煙習慣を「自殺」とする解釈、そしてカソリックでは自殺者は今でも葬儀を行ってもらえない、というのも(知らなかった…中世の話だと思ってた)、あまりに厳しいとは思うけど。
…でもこれって、例えるなら、絶対無理と言われていた大学受験に奇跡的に合格したと思ったら高校卒業できませんでした、みたいな(笑)話?
地獄のイメージもボッシュの絵みたいで面白かったな。

キアヌ主演作の中では一番好き。
『スピード1・2』『マイプライベートアイダホ』『リトルブッダ』『マトリックス1・2(3未見)』『ディアボロス』『ハートブルー』…1本も感想書いてない(笑)私の興味の無さが見えるでしょう。