り、るで始まるタイトルの映画

リクルート

最初からちょっと、イヤ〜な予感はあったんだけど。
もういいから、アル・パチーノとか。元々あまり好きじゃないけど。

ストーリーは、何度もひっくり返ってでんぐり返って、努力は買うがちょい盛り込みすぎで落ち着きが無い、という事は、趣が無い、という印象。
主演のコリン・ファレルは、そんなに頭良さそうじゃないのが逆に意外性があって良かったが(笑)。おネーちゃんは美人でスタイルいいけど存在感がイマイチで、そんなに大それた事ができるようには見えないんで意外性ナシ。アルおじさんは、これで引っ込む訳ぁ無いよな、と思ったら案の定、しかもやり過ぎ
最後の演説はマジ、早送りにしたろーかと思ったわ(そんな失礼な事はしませんが)。

ジェイムズ(コリン)は何度も「テスト」されて、その都度緊急の決断を強いられるんだけど、咄嗟の判断の理由が分からない。もちろん現場に立たされたら本人はそんな事を解説してる暇は無いんだけど、客としては納得したいと思う。
なんで彼女を信じる方を選ぶのか?美人でスタイルいいから(笑)?たまたま、とか何となく、コインの裏表、ばかりではちょっとねぇ。どうせなら実際にコイン投げて決めるようなキャラクターなら、それはそれで面白いかも知れないが。
全編ジェイムズ目線なんで、翻弄される感覚は味わえるものの、ただ激流に流されるみたいで、もう少し「心の事情」とか見えたらのめり込めたかも。

でもって、いいかげんこのペースも飽きたなー、と思っていると、アルが出て来て演説ブッちゃうでしょ。
最初から、アンタ疑ってなかったのはコリン一人だっての。しかも途中かなりこじつけっぽいし。
いいかげん「味のある脇役」ってのも見せて欲しいわ。最後に大活躍じゃなくて、たいした事してないのに存在感あるよねー、とか、いるだけで映画に深みが出るよねー、とか、そういうの。
大人気ないです。

リプリー

世紀の二枚目と言われたアラン・ドロン主演の『太陽がいっぱい』のリメイク、と聞いて、大丈夫?マット・ディモン君、なんて思ってしまった。
ディモン君は私の大のお気に入りだけど、それだけに、正当派美男子とはちょっとズレる彼が心配になったんであった。

ストーリーは昔とほぼ変わり無く、有能で野心家だが後ろ楯を持たない青年が犯罪に手を染める物語。
でも、美貌のドロンは野心を演じた(ような印象、子供だったからなあ、私)のに対し、ディモンのリプリーは憧れや嫉妬に比重が置かれ、かなり趣きの違った映画になっている。

ディモン君のリプリーは、頭はいいがちょっと野暮ったい風情で登場。シャイな笑顔と不敵な目。おダサいメガネ君から、パリッと自信満々の魅力的なエリート青年へ。
二枚目過ぎない彼だからこそ、コロコロ変わる印象にもすんなりフィットして、しかもどれもウソ臭くてよろしい。
リメイクものにありがちな、「ちょっとそれは、今時…」という部分も無くはないけど、時代設定が古いままなのでそんなに違和感も無い。
それにしても、イタリアの警察ってアテにならないってのが定評なんでしょうかね?
ヘヴン』『ミニミニ大作戦』そしてこの『リプリー』と、本当にボロクソだわ。なんか分かる気もするが。

相手役?リプリーが憧れる放蕩息子を演じるのはジュード・ロウ。
こちらは過剰な程のハンサム顔。
なんの努力もせず、人生にちっとも真面目に取り組まない、恵まれて愛される、いいかげんで薄情な男。
ポッカリ開いた美しい瞳が、イタリアの青空に似合い過ぎる。
おダサいデイモン君と、ハンサムのマンガみたいなロウ君のコラボレーションが楽しくてたまらない。

ちょっと残念だったのが女優陣で、グィネス・パルトロウ、ケイト・ブランシェットと今を時めく実力派を揃えながら、両者の印象が近過ぎて相殺してしまった感がアリ。
50年代ファッションはとっても楽しめるし、二人ともキレイなだけに、もう一歩…と、欲が出てしまうのかも。
ところで私、パルトロウがリプリーを疑うシーンは、ちょっとビックリしちゃった。
お利口そうな彼女が、(しかもアーティストだし)ハンサムのマンガのバカ男ロウを、「本気で愛していたんだ!」という驚き。
それは私の甘さなんだけど、知的で自立した一人前の女が、スネかじりの放蕩息子を「魂で」愛する理由が分からない。もとより愛に理由なんて無いのだろうけれど。
だから、リプリーに泣きながら「あなたが殺したのよ」と迫るパルトロウは迫力満点、であると同時に、今まで余裕があって親切だったのが、追い詰められてリプリーを見下していた傲慢さが見えてしまうあたり、深いなあ、と感じ入った。
対するブランシェットは、どこまでも萱の外、お気楽で幸せなだけのお嬢様。その存在が眩しくて、ますますリプリ−を追い詰めてしまう、という役所なんだけど、もう少し頭悪そうな女優の方が良かった気がする。

そんなこんな、いささか地味になってしまった感はあるが、ディモンの「持てない者の悲哀」は切なくて、ドラマティックだ。観終わると、むしろ美男子でない男の話だ、と思ってしまう。
オペラにヨットに海辺の別荘と、当時の上流階級の生活ぶりも、ベネツィアの風景も美しく、楽しめる。
…で、結局君は誰が好きだったの?とリプリ−君に聞いてみたい気もしたが。
自分が誰を愛してるかも分からない程、彼の孤独は深かったんだろうな。

リリー

珠玉の名作、という言葉があって、わりと簡単に宣伝文句に使われてしまっているけれど、この映画こそまさしくそれだと思う。
スケールが大きい物語でもなく、驚かされる急展開もナシ。1953年の作だから、みんなが大好きな(ごめん…)CGなんてむろん無い。ミュージカルに分類される事が多いけど、歌は1曲、ダンスが2曲、と至って地味だ。でもね。
だからこそ、そっと掌に乗せて、感触を楽しみたいような、そんな大切さが、この映画にはある。

主人公リリーを演じるのは、レスリー・キャロン。
美人と言うと違うかも、でも明るい可愛らしい顔で、元バレリーナだけあってダンスは素晴らしい、実際わりと庶民的な印象の彼女がひとたび踊り出すと、物凄くエレガントなのだ。
ミュージカル映画全盛期に、MGMの看板女優だった彼女の、中では小品だが、傑作だ。

物語は、孤独な少女リリーがサーカス団に拾われ、ハンサムで優しいマジシャンに恋をするが玉砕、今まで身近で支えてくれた人形使いの存在に気付く。
と、こう書いてしまうとありきたりに見えるでしょ?甘い。
いや、むしろプロットの普通さが普遍的な感動に繋がるのかも。
リリーは可哀想な生い立ちだけれど、ひねくれもせず心の素直な少女で(多分妄想癖が彼女の性格を歪みから守ったのだろう)、人形劇の人形に恋の悩みを相談までするとっぱずれぶり。
で、その人形達に命を吹き込んでいるのが、メル・ファーラー演じる「怒り屋さん」の人形使い。
脚の怪我で挫折して、こちらはかなり屈折しており、正面切って優しくできないものだから、リリーに怒ってばかりいて、人形の口を借りてしかまともに話せない、小学生のような純情さ。
メル・ファーラーはこの役でオードリー・ヘプバーンのハートを射止めた、というだけあって、ヒョロリと細長い体型に黒の衣装がとてもステキ。最大の見せ場であるリリーとのダンスシーンも美しい。
もう一つのダンスシーンも秀逸で、リリーが妄想の中で、片思いのマジシャンにセクシーに迫る、恋敵の美人とのダンス対決。赤いウェイトレス風の衣装は、とてもキュートで印象的だった。
失恋したリリーは妄想の中で本当の愛に気付き、自ら妄想を否定するセリフで幕が降りる。

映画紹介等で(たまに)見かけると、「子供向けだがいい映画」なんて書いてあったりする。
名画座の客席で、私はボロボロに泣いて、殆どしゃくり上げてしまったのに。
幕が降り、明りがつくと、周囲の女性客は、殆ど私と同じ状態だったのに。
一度でも少女だった記憶のある人なら、きっと引き込まれ、本気で感動するはず。
映画評は男が書いたのかな。

ルパン三世カリオストロの城

最初に謝ってしまおう。
実は私、宮崎巨匠はあまり好きじゃない。
それを前提に、話を進めます。
とは言え、『カリオストロの城』は、中では一番楽しめた映画だ。出来だって、未だにとても良いと思っている。
ワクワクドキドキの冒険活劇で、明るく楽しいコメディで、百戦錬磨の大人達とスレてない美少女とのマヌケなやり取りも魅力的。絵も、後のようなち密さは無いものの、丁寧で綺麗だし、なにしろ健康的でよろしい。
でもね。
公開当時、つまりまだ巨匠が世界の宮崎では無かった頃、そして私も、映画を見始めて日が浅かった頃だったけど、「エエ〜!?」って思った事が、一つだけ。
ルパンじゃないの、この映画。
戦い済んで日が暮れて、結局儲け話しは水の泡、追っ手も来るので逃げ出すルパンの後ろ姿を見ながら、銭型が言うセリフ。
「奴はたいへんな物を盗んで行きました、あなたの心です」
っかーっ!!
銭型のとっつぁんが、そんなシャレた事言うかっての!
と、ここで振り返ってみれば、美少女クラリスが「私を連れてって、泥棒の修行をします」と健気にすがった時。
抱き締めようとする両手を必死で押さえて、サワヤカ〜に断るルパン。
オイオイー。
そんな常識的な奴だっけ、ルパン三世って?
クラリスの可愛らしさに目くらましを食らわされて、危うく見過ごすところであった。
バカ言ってんじゃないよ。
ルパンの行動も、銭型のくさいセリフも、おそらく大半のお客と、そして何より作者の気持ちを代弁したものだろう。
だから受けるし、作品としての出来も良い、のは分かる。
でもね。
こういう並列的な甘ったるさが、イヤなのよ、とは、後に宮崎作品を何作か観てから気付いた事。
当時はただ、「私はルパンを観に来たのになー」と思っただけ。
ちなみに、私が一番好きなシーンは、五エ門が「(クラリスが)可憐だ」と頬を染める所です。


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