ファインディング・ニモ
Pixr*のCGアニメ、とは言え、なんだかあまり期待できないな、と思いつつ、やっぱり観てみました。
海の中好きだし、クマノミも可愛いし(実物ね)、一応。
まず、なんで期待できないと思ったかと言うと、キャラクターが可愛くないから。
魚って、いえね、海の中で実物見ると、そりゃあキレイでカワイイのよ。
でも、例えばヌイグルミとかになってても、欲しいと思う事はまれ。
ファンシ−向けじゃない、って言うか。
でもって、父と子の愛の物語、というのは漏れ聞いていたから、ちょっとなあ、サカナだよ?なんて思ったりして。
で、観てみて、やっぱり可愛くなかった(けっこう致命的)。
主要キャラが、私的にはほぼ全滅。
その他大勢のカモメ(「エサ?エサ?」って奴ね)とか、水槽の中のヒトデとかは、かなりツボに来たんだけど。
特にニモの、おっさんくさいくせにやたら表情豊かな顔、かわいくねー。
さらに、ストーリーが凡庸。
小さなお子さんにはいいのかも、とは思ったけど、残念ながら私、童心忘れてますから。
キャラクターの魅力(外見だけでなく、性格付けも)も、イマイチ。
口うるさい父親、大ボケで面倒臭いカノジョ、特に性格らしきものの見当たらない(あーあ…)ニモ。
この映画のヒットのおかげでクマノミの売り上げが急上昇、という話を聞いて、「それは違うだろ、バカな客だな」と思ったが、そういう客にウケる映画とも、その程度のメッセ−ジ性だったのだとも言える。でもバカ過ぎだよね。
それから、ここが肝心(私的に)の海のシーン。
綺麗だし、凄いんだけど、気が遠くなるくらいの技術なんだろうけど。
だって本物の方が、ずっとキレイなんだもん。
ヘタに好きだと、ダメなのかも知れないな。
クラゲのシーンは好きだ。あの中に入るのは、ご免こうむりたいけど。
…と、さんざこきおろしつつ、色々確認したくて公式HPを覗いて見た。
「あっ、このカット、壁紙に欲しいー!」「わあ、こっちのイメージイラストもキレイ!」
すっかりはしゃいでしまいました。
おそるべし、Pixr。
*PixrのCGアニメ作品『トイ ストーリーズ1、2』『Mr.インクレディブル』『モンスターズ
インク』『レミーのおいしいレストラン』 |
フィールド・オブ・ドリームス(by Macha)
最近映画を見ていませんが、よく見ていた時期の映画のなかで私はフィールド・オブ・ドリームが好きです。ケビン・コスナーはだんだんおじさんになってしまいましたが当時は素敵に思えた!野球好きの私はストーリーが大好き!子役の女の子のかわいい!今はDVDが主流ですが当時発売されてすぐにLDを買い、その後もたまに見ています。
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| フィールド・オブ・ドリームス
ロマンティックでファンタジックな、美しい映画。
野球には興味の無い私でも、作り手の野球に対する愛が心地良く伝わって来た。
ベーブ・ルースの名くらいは聞いた事があるけれど、シューレス・ジョーについては知らなかった、知ってたらもっと楽しめたのに、ちょっと残念。
トウモロコシ畑の中から現われるのは、最初は単純な幽霊なのかと思ったが、そうじゃなかった。
今は老人の医者が、そのフィールドに入ると野球青年に戻ってしまう、というミラクル。
死んだ人間が戻って来るのではなく、残した思いが形になる、と言ったらいいのかな。
シューレス・ジョーは、八百長疑惑で大リーグを追われた名選手、だそうだ。
主人公は平凡な農夫。野球を愛し、家族を愛しているが、ある日「声」を聞いてしまう。
「それを作れば、彼はやって来る」。
その「彼」がシューレス・ジョーであり、「それ」はトウモロコシを切り倒して作った野球場。
きっと原作者は、シューレス・ジョーの失脚を悲しみ、どうしても諦めがつかなかったんだろう。
その思いは切なくて、愛おしい。
ケビン・コスナーも、まだこの頃は好きだった。
ハンサムだけど、平凡な農夫っぽくて、でもヘンな事しちゃいそうな感じもあって、役にはまってた。
『ストリート・オブ・ファイヤー』の女戦士、エイミー・マディガンも、現実的だけど懐の深い妻を元気に好演、子役の歯が無いのもベリグー。
トウモロコシ畑の景色が、とても美しくて印象的。
身の丈を超えて生い茂るトウモロコシをかき分けて、「彼ら」はやって来る。
ログハウスっぽい主人公の家も、田舎の景色も、のどかで素敵な光景だ。
そして、野球を捨て医者になった老人が、子供を救うために野球場を踏み出すシーン。(このへんのシステムがいまいち分り辛く、事後承諾になってしまったのは残念だが)
悲しいけれど、夢も美しいが現実もまた大切、って事かしら。こういうスタンスは嫌いじゃないな。
そして、どうやってまとめるんだろう、と思いながら観ていたら、別にまとまらないんであった。
ファンタジーを畳んで仕舞う必要はないのかな、と、ミョーに納得。 |
フィッシャーキング
『未来世紀ブラジル』という、物凄くイカシた(イカレた?)映画を撮ったテリー・ギリアム(多分天才)。それに比べると、こちらはいささか常識的な印象だ。
とは言っても、ヤバイ要素はタップリ含んでいるし、痛烈な皮肉も、せちがらい世の中も、人間の残酷さも、しっかり作中に盛り込まれている。
それでも、最後には「赦し」がある、あったかい気持ちで幕が降りるのを眺められる。
ジェフ・ブリッジス(かっこ良かったなあ、この頃…)演じるジャックは、毒舌でならした人気DJ。
ラジオ番組中の不用意な発言のせいで、殺人事件が起きてしまう。
映画公開当時よりも、インターネットが普及した現代の方が、その恐さは皆が他人事でなく感じられるかも知れない。恐いよ、「発信する」のって。
失脚して無為の時を過ごす中で、その同じ事件で愛妻を殺されたバリー(ロビン・ウィリアムズ、この頃はまだイヤミもなくて、良かった)に出会うが、彼は事件のショックで頭のネジがゆるんでしまい、ホームレス生活。
深く傷付いた二人の恋と再生。
甘過ぎず、けれどファンタジックに、そしてユーモアもたっぷりに、でもやっぱり絶対に恐さも忘れさせずに、物語は進む。ラストシーンでちょっと脱力して、今までずっと緊張状態だった自分に気付かされる。
そして思う、ああ、まあいいか。
星空の下の公園の芝生に全裸で寝ころがる、なんて無茶な真似は、おそらく一生実行するチャンスはなさそうだけど、その心地良さは想像するにかたくない。
二人の男がそれぞれに恋をする、二人の女性がまた、すごくいい。
殆どヒステリーかと思う程怒ってばかりのジャックの恋人。あんな男が相手では怒るのも当然だが、同時に愛もヒシヒシ、伝わって来る。はすっぱで乱暴だけど、優しい、懐の深い女。
バリーが恋する「姫」は、世間的にはサエない、内気で地味なオタク系。恋にはとても不器用だが、自分の世界をきっちり持って大切にしている人。おどおどした彼女を見ると、幸せを願わずにはいられなくなる。
そしてバリーは、たとえネジがゆるんでも、本来の知的で上品な人間性だけは失わない。
人の「芯」みたいな物を見せてくれると、私はすっかり嬉しくなってしまうのよ。
正直、「ええんかいな」という点は多々あれど、人物の魅力と、現実的なんだか幻想的なんだか良く分からない(この点でも『ブラジル』をシッカリ踏襲しているが)世界観に引っ張られて、気持ちはかろうじて付いて行く、そのハラハラ感がまた心地良く、ラストシーンが見えて来て「あ、良かったんだ」と思うと、本当に嬉しい、幸せ。
不思議な幸福感と、素敵な不安感。 『フィッシャーキング』は、楽をしたい人には向かない映画かも知れない。
追記:久々に見直してみたら、やっぱり駅でのワルツシーンとか、凄い。遊びは少なめと言ってもアレですもの。やっぱりイカレてます。 |
フィフス・エレメント
なんだかんだ言っても一応泣かせてくれた『レオン』の後、リュック・おフランス・ベッソン監督が何やるかと思ったら、こんなんやらかしてくれちゃったのね。
あのさぁ。下品。
近未来SFという事で、「空飛ぶイエローキャブ」と「無敵のタクシー運転手」って中途半端(笑)な設定は結構好みなんだけどな。
何となく古臭いビル群の隙間を縫って空飛ぶ自動車(そうとしか呼びようがない)が行き交う景色は、『ブレードランナー』とはまたひと味違って楽しいものがあった。
オペラのシーンとかはそれなりにゴージャスだったけど、話題になったゴルチェの衣装も案外地味で面白味に欠けたし、ひたすらバカ騒ぎが続くんで単調になっちゃってるし。ギャグ(なんだよね…?)の連打は殆ど寒いし……なんか、最近観ては辟易する韓国映画みたい、笑えない。
何よりも、肝心のSF部分の設定&装置が、お粗末な気がするし。
「至高の存在」ミラジョボはオレンジ頭のカッパ星人(監督が乱暴で痩せっぽちのロリータがお好きなのは、よーく分かったから、もお…)で、いや意外と可愛かったんだけど、やっぱ品が無さ過ぎだし。でも急に笑ったりするとこは、本当可愛かったな。
元々ブルース・ウィリスは好きだし、まあ今回も大活躍ではあったけど、なあ。
「ママに弱い」とかって設定も、あまり功を奏してるとは思えないし。くどくてな…。
CMがとってもカッコ良くて、ちょっと期待し過ぎた部分もあったと思うけど。
でも絵は確かに凄い所がいっぱいあるのよ。ミラちゃんが飛ぶところとかさ。でも内容がアレで、繋ぐ会話やギャグがアレじゃあ、だいなし。
あの半分ハゲはゲイリー・オールドマンだったんだ。それだけ取り出せば、けっこう面白い、かも。それにしてもあの悪役、タツノコアニメみたい…タツノコは好きだけど。
やっぱり「フィフス・エレメント」の謎解きが、お粗末と言うか、悪の黒幕も「何だったの?」な終わりだし、せっかくの恋愛エピソードも、とってもアニメ的感動装置のはずなんだがハズしていると言うか食い足りない印象だし。
クリス・タッカーとか、耐えられないんですけど………。
…しかし『ポリスアカデミー』やら『チーム☆アメリカ』で大笑いしちゃう私が、「おげれつだからイヤ」ってのも我ながら理不尽とは思うんだけどさ。 |
フィリップ、きみを愛してる!
ええっとー。
あなた、ジェダイの騎士でしたよね?
と、折り入って確認したくなってしまった、ユアン・マクレガーの名演技にビックリ。
なんと実話がベースという、ゲイの純愛物語。老けっぷり著しいジム・キャリーが、やたらに可愛いマクレガーを死ぬ程愛しまくる。
中年過ぎてゲイを自覚した詐欺師のスティーヴンは、刑務所で素敵な金髪のフィリップに一目惚れ。彼と一緒にいたいがために、あの手この手で脱獄、詐欺を繰り返す……。
口八丁手八丁、IQ169の天才的頭脳を、どうしても真っ当に使えないスティーヴン。すっかり老けてしまっても、CG並みの百面相は健在で、全くもってハマリ役。あまりのしつこさ、小ずるさに、「そこまでか?」と何度もツッコミたくなるが、この鬱陶しさも持ち味だから。
そして「金髪に青い眼のゲイが運動場に出たら狙われるでしょ」なんて言ってる、心優しい『乙女』のフィリップを、かの勇者オビ=ワンを演じた(よね?)ユアン・マクレガーが、もう信じられない迫真の演技で演じきる。
カワイイんですよ、なにしろ。上目遣いに見つめる目、恋人を追って走る腰つき、拗ねたり怒ったり、そんな姿もいちいち可愛い。スティーヴンが無茶する気持ちも分かる気がする。
スティーヴンには妻子がいる。騙してたワケじゃなく、自分を偽ってた頃に作った家族だ。
離婚はしたし、ゲイである事も、最愛の恋人がいる事も知ってなお、あれこれ心配して手助けをしてくれる、元妻がとてもいい。「あなたはいい人なんだから」なんて、言ってくれるのよ。
刑務所の中でも、それなりにスジを通せば恋する二人が一緒の房で暮らせたりして、アメリカって凄い国だな〜と感心してしまった。
そして、本当に当たり前の事で、言うも恥ずかしいんだけど、愛する気持ちにゲイもストレートも無いんだね。
愛するフィリップのためにひたすら稼ぎ、会えないとなればたまらず脱走し、尽くしまくるスティーヴン。手段は違法でも、その思いは純粋だ。彼の回想の中のフィリップは光り輝いて、さながら愛の女神のよう。最初はオッサン二人のラブシーンに腰が引けて見てたのに、中盤からスティーヴンの気持ちに思いが重なって、胸がキューンとなってしまった。
けど、スティーヴンは頭が切れ過ぎたのか、やり過ぎたと言うか。(実際、思い切り命掛けてます!本当か〜?)通常は詐欺程度ではあり得ない終身刑を食らってしまい、今に至る、らしい。
映画はそれでも、あくまで明るく前向きに、懲りない彼の姿で幕を降ろしているけれど、心配なのはむしろフィリップの方。
一人でやっていけるのか?お嬢さん…。 |
フィリップ、きみを愛してる!(byココアちゃん)5/1
ばかばかしくておもしろかったね。ユアン・マクレガーが乙女で。
これレンタルで観たので2度目、吹き替えで聞きながら英語の字幕を見たのよ。「ホモ野郎」って「ファゴット」って言うのね、とか「上が好き?下が好き?」って「トップ」と「ボトム」って言うのね・・なんて事を楽しんだのでした。
これも実話なのね。「ボーイズ・ドント・クライ」も実話だけど実話、と聞いて「そうか、すごい」と相乗効果で感動するのもあれば「どっちでもいいや」っていうのもあるし、最悪なのは「実話でなけりゃ企画も通らなかっただろうな」ッて映画。
どのみち映画の出来次第でしょうかね。 |
| フェイス /オフ
うわーん。面白いよお。
年々オランウータン化が進むジョン・トラボルタ。年々前髪前線後退のニコラス・ケイジ。二人とも、(大きな声では言えないが!?)私大好き。
二人がそれぞれ、ワルと善人を両方演じるという、お楽しみ満載映画だ。
整形手術で入れ代わって、妻も気付かない、なんて設定のムリさ加減は、全然OK。すでにSF的だけどね。
そんな事より、二人の入れ代わり立ち代わりの面白さ、それぞれの人間関係、シャープなアクション。
マヌケな善人トラボルタが、ワルになるやヘビのように冷たい目になる。危ないキレまくりケイジは、なさけな〜い正義の味方に。合わせて4通りの「いい人・悪い人」を見るだけでも楽しい。
そして、善人のパパに不満タラタラだった娘が、ワルになったパパにほのかに心酔してしまうあたり、でも結局娘は善を選択するんだけど、そこらへんのやり取りも、とっても面白かった。妻にしても、ワルの夫にちょっと惚れ直した感じだったしな。
現実性の無いおとぎ話なのに、色々考えたりしてしまいました。でも、とにかく娯楽作品として、OK!なんだけどね。 |
フォーガットン
うっひゃ〜〜〜!
ヘンな映画。
なんとも、スットコドッコイな映画だった。
ストーリー展開は緻密で面白いし、主演女優ジュリアン・ムーアの演技はド・シリアスで迫力だし、お相手役の男優もなかなかセクシーで、二人が心を通わせる課程もキメ細かで見応えがある。不安をあおるサスペンス的演出も丁寧で上手い。なにより「事故死した息子を思って嘆いていると、実は子供は最初から存在しないと皆が言い出す」という設定は、最高に魅力的、冒頭一気に引き込まれる。
なのに、なのに、あの展開。
あのスットコな「真相」「真犯人」。
このバランスの悪さは、どうした事だろう?
ネタバラシはしたくない。
何も知らずに観て、私と一緒に腰砕けな気分を味わって欲しい。
(そういう意味で、オススメ映画ではある。できれば楽しいお友達と複数で鑑賞したい)
人間が「どっぴゅーん!」ってのは絵的に面白かったけどな。 |
フォーガットン(byココアちゃん)5/1
ははは、確かにあの「ドピューン」では「何だ?!こういう映画でしたか?!」ってびっくりしましたね。私もあの手の心理サスペンスみたいなのって好きだから借りたんだけれど・・・。
前半はその感じでおもしろかったのにね。
私の推測ですが、多分製作側とかが、「それじゃ地味だ!お客入んねえだろ!アクションで盛り上げろ!CGとか使えよ!ドピューン!とか!!派手にしろーーー」なんてやってたんじゃねえか・・・と。
でもジュリアン・ムーアって「ブギーナイツ」の印象しかなかったんだけど「苦しい母親」役はまるね。女優さん達も40才を境に母親役を上手くやらないと仕事こないらしいよ、あまり。
でも私米テレビ番組好きなんで精神科医役のゲーリー・シニーズや異星人役のライナス・ローチとかで楽しんだのでした。 |
フォーン・ブース
もの書きのハシクレとしましては(笑)、こういうのって燃えるのよ。
なにしろ最初と最後の数分以外、主人公はずーっと電話ボックスに「いなければならない」という設定。
モノが電話なので、残念ながら電話相手のシーンが挟まるという逃げ場はあるものの、限られた条件下でどこまでやれるか、というのは、興味シンシン。
有名所ではヒチコックの『裏窓』とかね。
そしてこの『フォーンブース』は、かなり頑張ってる出来のいい映画だった。
主人公は日本でもよく見かける、鼻持ちならない「ギョーカイ野郎」。
高級スーツに身を包み、携帯電話を片時も放さない。口先三寸で人を手玉に取る、けれど、どー見てもチンピラなので人は本気で相手にしない、というタイプ。
演じるコリン・ファレルは、ちょっと注目してたんだけど、やっぱりなかなかイケてます。
この主人公が、不純な動機で使った ビルの谷間の電話BOXに拘束されて、どこからかライフルで狙われる。巻き添えで人が撃たれ、警察が駆け付けても、電話を切る事ができない。
謎の犯人とのやり取りのサスペンスに、妻や恋人(殆ど片思いなんだけど)を巻き込んでの人間関係と、セラピーマニアの刑事とのやり取り、それぞれがいいタイミングで進行して(こういう企画は間合いが命)、飽きさせない。
なかには「それは通らないでしょー」ってアイデアもあったけど、あのドサクサではそれもアリかな、という勢いがあって、充分楽しめた。
だんだんボロボロになっていく主人公が、実は自信の無い田舎者だと自覚していく過程も説得力があり、端的で分かりやすい人間ドラマにもなっている。
そしてお決まりながら、ちゃんとラストにもうひとひねり、サービス精神も及第点だ。
お金も時間も、あまりかかってなさそうだけど、ち密な脚本と演出、それに役者の演技でもって、とても楽しめる80分(短い!けど物足りなさは無い)でした。
最後に、ネットで見つけたこの映画の感想、人様の言葉だけど、気に入ったので引用させてもらいます。
「早い安いうまい」。
あんたもうまいよ。 |
フォレスト・ガンプ/一期一会
「人生はチョコレートの箱のようなもの、食べてみるまで中身は分からない」。
この言葉が、良くも悪くもこの映画を象徴している。
私の感想はと言うと、
「チョコレートの箱に入ってるのは全部チョコレートだ」。
トム・ハンクスは嫌いじゃないし、達者だとは思うけど。『ビック』を観てしまうと、こちらは完全に二番煎じな印象だ。
ストーリーも、チョコレートのセリフが象徴するように、意味がありそうで底が浅く、そんなに面白くなかった。
登場人物、特にフォレストが恋するジェニーも(田舎では)美人だというだけで魅力を感じない。性格悪いし。あの人生酷すぎで楽しめないし。
頑張ったのに報われない人生(ジェニー)と、狙いもしないのにタナボタばかりの人生(ガンプ)。どっちもつまらない。
ゲイリー・シニーズの上官は、説得力があったな。あのエピソードは、引き込まれた。それも結局ホラ話的に終わるんだけど。まあいいや。
「知的障害者=純粋な善人」、という無邪気な前提を、まず受け入れなくてはならない。『アイ・アム・サム』なら「障害者でもいい奴はいるさ」程度の認識でOKなんだけどな。
ガンプ自身が、子供の頭の心配をしたりして(するだろうけど…)、お利口で良かったね、みたいな結論になっちゃってるのも、ちょっとね。
わずかに、ジョン・F・ケネディやビートルズとのCG合成画面等の、ホラ吹き加減が楽しめた。
壮大なスケール感のBGMと共に、深く考えずに気持ちを大きくするには最適。
ホラ吹き映画と割り切って、あの時代の空気を楽しむにはいいかも知れない。 |
ふたりにクギづけ
ええ?いいの!?そんなん。
と、いうのが正直な第一印象。
結合性双生児、というモチーフを使って、しかもコメディ。(しかもこのタイトル……)
でも、観てみればきっと、なんとなく、納得するんじゃないかな。
ファレリー兄弟と言えば、『メリーに首ったけ』でも『愛しのローズマリー』でも、ただモンじゃない方向性が垣間見られた。
こう言っては何だが、こういう映画に天下のメリル・ストリープやシェールが出演、それも自分役で!という事実が、彼女らの賛同の意志の表明に他ならない、と思うしね。
ストリープも笑えるが、シェールに至っては実名で「落ち目で焦ってるヤな女優」を演じてくれている。(すごく楽しそうだ…)単なる「お仕事」で、ここまでやらないでしょう。
兄・ウォルト(グレッグ・キニア)と弟・ボブ(マット・デイモン)は、とにかくくっ付いている。
双子と言っても全然似てなくて(見た目はモチロン)ウォルトは陽気でボブは内気。
くっ付いているので、兄がスターになりたいと言えば弟もハリウッドまで付き合わざるを得ない。
正直笑うのは、最初はおっかなびっくりだったが、だんだん気が大きく、というか大らかになって来て、楽しく笑い、気持ち良く泣けた。
グレッグ・キニアとマット・デイモンの元気な演技、良くぞ思い付いた楽しいアイディアの洪水、確かな人物描写。
説得力があるので、ブラックにも走らず、偽善的な臭いもせず、むしろ自然な気持ちに導いてくれる。
離れてしまった二人が最終的に選ぶ結末は、(人生についての好みはともかくとして)限りなくハートウォーミングなハッピーエンドだ。
元々大好きなマット・デイモン(出てなかったら観なかったかも…)だが、今回の役も素晴らしい。
『ボーン・アイデンティティ』の精悍さは何処に。『リプリー』のダークさも微塵も無い。
陽気で前向きな兄に文字通り引きずり回されて、青い顔でグッタリしているボブの様子には、本当に爆笑。そして愛さずにいられない。
兄グレッグ・キニアの方は、「誰?」と思ったが『恋愛小説家』のゲイの画家だった。あーあーあー、なるほど。
達者な人。あり得ない程明るくて強引な行動派のウォルトの、ナイーヴな面をチラチラと見せられると、泣き所だ。
もちろん、現実は厳しいし、酷い奴らだっていっぱいいる。
辛い事、苦しい事はいっぱいあって、避けては通れないけれど、それもちゃんと受け止めて付き合うだけの作り手の覚悟が見えて、肩入れしたくなってしまう。
いいじゃない、この場は笑っても。
ちゃんと見て、考えて、笑って、泣こう。
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フライ,ダディ,フライ
邦画はあまり…なんだけど、岡田准一、堤真一主演の上、TVで観て面白かった『GO』と同じ金城一紀の原作・脚本と聞いて、結構期待して観た。
期待を裏切らず、明るく元気で爽快な青春映画でした。
そもそも、堤さんが「運動不足の平凡な中年サラリーマン」てのはムリがあると思うんだけど(背は高いし、どう見てもゼイ肉付いてないし…動きはかなり頑張って演技してたけど)、ね。
これがハリウッドだったら撮影開始前に10kg位太って最後にちゃんと戻す、とか、やっちゃうんだろうけど。
岡田君の方は格闘技の達人の役だけど、本人がすごくやりたがったとかで、シッカリ鍛えたキレイな二の腕してました。ああ楽しい(笑)。
TVのバラエティだと地味な印象だけど、好きなのよこの人、TVドラマで前からいいなと思ってたけど、銀幕を飾るにふさわしい、美しい顔。
物語は、中年サラリーマンの鈴木さんが、達人スンシンとその仲間の高校生達の助力を得て一夏を鍛えまくる、というもの。
鈴木さんが挑戦する相手がボクシングの高校生チャンピオンとは大きく出過ぎで、たいした戦略も無いまま終わってしまうのは不満だけれど(そしてこういう所のツメの甘いのってダメだと思うんだけど)、死に物狂いで鍛えまくる鈴木さんの姿はユーモラスにして感動的だし、カリスマ師匠・スンシンはとにかく格好良く描かれていて、高校生達の若々しさも、真夏の景色同様目に眩しい。
バスを追って走る鈴木さんと乗客達とのくだりは、ベタだけれどまっすぐで泣けた。
(本当は、あのバスの乗客達のような本物の「おじさん」に鈴木さんを演じていただきたかったが。)
そして、パーフェクトに見えたスンシンも泣き所を見せて、鈴木さんとの絆は深まって行く。
このあたり岡田ファンにはたまらないだろうな。
ずっとスカシていたスンシンが、最後は満面の笑みを見せて鈴木さんに駆け寄る。
ああ、中年だけど、青春。
やっぱ人間、走らないとダメだよね。 |
ブラザース・グリム
大好きなテリー・ギリアム、久々の監督作品。
一般受けはどうか知らないが、個人的には期待大で臨んだ。
比較的毒が薄く、小粒な印象は残るものの、美しい悪夢のような画面造りは健在で、好きな私には充分に楽しめた。
主演のグリム兄役がこれまた、お気に入りのマット・デイモンだし(意外にこういう扮装が似合う…)、オタク系の弟役はヒース・レジャーで、クセが無いから(デイモンよりずっと美形なんだけど…)こんな役でも嫌味無くスンナリ見られる。
元々物書きなんて物は、詐欺師と似た性格に違いないと思っている私としては、我が意を得たり!な設定だし、冒頭の魔女の仕掛けなんかも楽しかった。
兄弟の子供時代の子役が、これまた良く感じを掴んでて、微笑ましかった。……でも妹、可哀想過ぎる……………(泣)。
ユーモラスな脇役達も楽しい。
ハゲの拷問係が良かったな。愉快な仲間達も救って欲しかった。
フランス軍の嫌味な将軍も、いかにもで笑えた。
おどろおどろしくもファンタジックな世界の中で、少女達がさらわれる。
森の木が動き、入り口の無い塔にはカラスが集まる。虫だってウジャウジャ。
狼男が人間の姿を現す時の手順が………ああ、ミもフタもない(爆笑)、しかしグロでも、お笑いでも、美の基準値は決して下がらない。
逃げる赤ずきんちゃんも、グレーテルの一反木綿も秀逸。井戸から出て来る泥人形もインパクト大だったし、少女の顔がノッペラボウに…ってのも、なかなか見せてはもらえない絵だ。馬の口に吸い込まれるのも印象的だった。
この夢はいつ覚めるのだろう、と、半ば覚醒しながらまどろむ、あの感覚。不条理感に疲れて抜け出したいような、もっと漂っていたいような。
ちょっと残念だったのは、ヒロインのアンジェリカが、意外と活躍しなかった事。
せっかく美人でかっこいい女優(しかも既製イメージがあまり付いてない)を使ってるのに、なんだかもったいない。
恋愛も、テレずにちゃんとやっても良かったと思うんだけれど、どうでしょう。
鏡の女王役のモニカ・ベルッチが、出番こそ少ないものの、相変わらず異常な美しさ。
この人本当に妖怪なんじゃなかろうか。 |
| プラトーン
社会派オリバー・ストーン監督は、自らのベトナム戦争体験を元に、三部作からなるベトナム戦争映画を制作し、生々しい戦争の悲惨さ、残酷さを世に問うた…、らしい。
私はオヤジのグチが聞きたくて映画館に行くんじゃないのよ。
三部作のあとの二本も、多分観ているはずだけど、もはやタイトルも思い出せない。調べればすぐ分かる事だけど、その気も無い、「もういいよ、オリバー」って感じ。
とは言え、『プラトーン』は悪くない。
どう悪くないかと言うと、単純な勧善懲悪の娯楽作品だと思えば、なかなか面白い、という意味。
私は前評判を何も知らず、ただ観に行って、そう思って帰って来た。
まずキャストがいいです。
だ〜い好きなウィレム・デフォーと、トム・ベレンジャーの二本立て。と、言っても、二人ともこの映画でファンになったのだから、やっぱりいい映画なのよね、うん。
個人的には主人公の新兵役のチャーリー・シーンがおっさんくさかった(当時いくつだ!?若かったんだろうけど…)のが残念。娯楽作としても、これは彼の成長物語なのだから、もうちょっと初々しい青年だったら感動もひとしおだったのに、例えば『ウォーターボーイズ』の妻夫木君みたいな。日本人だけどさ。
エリアス軍曹が新兵でおぼっちゃんのクリスに麻薬(マリファナ?)を勧めるシーン、魚眼レンズでミック・ジャガーみたいな顔になった(ミックの魚眼は自前だけど)デフォーはものすごくセクシー。
対するベレンジャーも、シャキッとしていて一見まともそうなんだけど、野性的で、どす黒いものを隠し持ってる風情がピッタリ。なんかダークサイドを感じさせる人だよね、そういう役がハマるし、『背信の時』とか『硝子の塔』とかね。
単に戦争に行ってベトコン相手にドンパチやる映画だと思って観に行ったから、エリアスが撃たれたのはびっくりだった。そ、そこまでだったんかい!?って。
もはやすっかりミーハーオバサン感覚で観ていた私は、思わず「エリアス、死なないでぇっ!」と、心で叫んでしまったわ。
後から(三部作観てウンザリした後ね)思えば、狩りの獲物みたいにして殺されるエリアスの姿に悲し〜いBGMが重なっちゃって、それを空から見ながら何もできない…って、オリバー・ストーン的センチメンタリズムの極みなんだけど、泣いたわ。
これ一本にしといて、あれこれ語らなきゃ良かったのに、残念。
似たような時期に同じベトナム戦争映画の『フルメタルジャケット』が公開されていて、言いたかないけど比べちゃったところもあるかも知れない。
ストーン監督が実際に戦争に行った、という事が強調されるあまり、天の邪鬼な気分になってる部分もあるかな。
ジャングルの雨のシーンとかは迫力だったし。
なんだかんだ言っても、エリアスが断末魔に両腕を天に向ける姿は、シッカリと私の心に焼き付いて、忘れられない映画のシーンの一つになってしまっているしね。
ところで。
まだ名画座が華やかだったあの時代、池袋の某名画座は、「500円映画祭」というありがた〜い企画をやっていた。500円玉一つで、豪華三本立てが観られちゃうんである。
『プラトーン』のポスターは、例のエリアスが天を仰ぐ姿を真正面から大写しにしたものだった。
「500円映画祭」の映画館は、そのポスターのエリアスの広げた両腕の間に、でっかい500円玉を貼付けたんである。
忘れられない名シーンは、それ以来、ついつい500円玉付きで私の脳裏に甦るようになってしまった。
あ、ごめんなさい。
『サルバドル』は社会派の傑作です。 |
ブラック・スワン 5/1
期待し過ぎた。
何と言っても、私を完膚無きまでにダダ泣きさせた、かの『レスラー』のダーレン・アロノフスキー監督作品、おまけに『レスラー』の姉妹作、みたいな触れ込みだったから。蓋を開けてみれば、姉妹作と言うより出涸らし、燃えカスみたいな映画だった。
つまらなくはないよ。
痛いシーンとか、驚かせ方とか、ヒロインの心理の追い詰められ方とか。ママの怖さとか。虚構と現実のせめぎ合いとか、基本的に好きだし。
だからホラーとしては楽しめたかもしれない。
でも、『レスラー』の名を出されてしまうと、どうしても私は人生とか、ドラマとか、愛とかさ。期待してしまうワケですよ。
何より決定的に、素材である"バレエ"に対するリスペクトがまるで無い。
溢れても溢れても尽きないプロレスへの愛に泣かされた私の目には、そのバレエへの冷めた視線が残念でならなかった。
主演でアカデミー受賞のナタリー・ポートマンは、どうもあまり好みの女優ではなくて(除『レオン』)、今回は前評判聞いて「化けたかな?」と、これまた期待したが、うーん。私的にはやっぱり、ナタリーはナタリーでしかなかった、頑張って痩せたのは分かるけど。
バレエに関しては、自腹でレッスンして云々と言われてもね、としか言えない。
そもそも監督にバレエを見せる意欲が無いのだから、顔が見えるシーンは上半身ばかり、踊りの見せ場はアカラサマにボディダブル、果てはカンジンの"黒鳥"はCGに特殊メイクに代役のてんこ盛りと来たモンだ。得意なはずの"白鳥"パートも、いかにニナが白鳥らしいかという見せ場、と言うか魅せ場が無い。
残念だが、いくら痩せても手脚も首も短く顔の四角い彼女に、一流どころのプリマ役は無理でしょう。
とは言えポートマンは熱演だし、ヴァンサン・カッセルのコーチはエロいし(笑)、ライバル?リリーを演じたミラ・クルスも生き生きしててとても良かった。まさかのウィノナ・ライダーも迫力だった。画面の緊張は途切れる事無く、ついつい身体に力が入った。
期待し過ぎなければ面白い映画だったと思う。
でもなぁ。やっぱりなぁ。
一番納得いかないのが、ニナが一瞬たりとも踊りが好きそうに見えない事、かな。
優等生ってそういうモンかもしれないけど、ほど遠い私の実感としては、「イヤならやめればいいのに」という感想が全てかも。
芸術家がどんなに追い詰められても続けるのは、他人の期待でも、圧力でも無く、自身の欲望とか、快楽とか、野心とか。だと思うし、であって欲しいとも思う。
ちっとも楽しくなくてプレッシャーだけなら、向いてないのよ、アナタ。
うん、結論はソレだ。 |
| プリティ・リーグ
『私を野球に連れてって』ののどかなメロディーに乗って、可愛いミニスカートのユニフォーム姿の美女が飛んで来たボールを開脚キャッチ。映画のタイトルは、『プリティリーグ』。
お気楽そうな予告フィルムにだまされて、全く無防備で観てしまった。
ヤラレタ。すっかり泣かされた。
考えてもごらんよ。
ミニスカートで野球をやる事の過酷さを。時代は大戦中、おまけに監督役はトム・ハンクスなんだから。マドンナだって、単なるおにぎやかしで出て来ないって。
のんびり笑ってくつろいで、帰してもらえるはずはなかった。
戦争で若い男が出払ってしまったために、苦肉の策として、「全米女子野球リーグ」なるものが企画される。
当然、考えるのも命令するのもオヤジ達。そして、チームの監督には、脚の負傷のために兵役をまぬかれた、すっかり世をすねた飲んだくれ男。
『ビック』で少年の無邪気を演じたトム・ハンクスが、今度はくたびれたふて腐れ男を、そして彼が次第に生き返っていく様を、同じ見事さで見せてくれる。
ヒロインの「ダイヤモンドの女王」(笑)は、ジーナ・デイビス。良かったなあ。
この人、なんかごつくて、「?」って思ってたんだけど、この役はピッタリはまってて、かえってすごい美人に見えた。
骨太で、タフで、まっすぐで。
デイビスは夫が戦場に出ている人妻で、 ハンクス演じる監督と、ものすごーく心通わせて、強い絆が生まれるんだけど、色っぽい展開は全くナシ(この辺は実在の全米女子リーグに気を使ったのかも)。ひたすら戦場の夫を想い、夫が帰って来ると、あんなに打ち込んだ野球をアッサリと捨ててしまう。
その生真面目さが、またまたかっこいいから困ってしまう。
マドンナも、やっぱり頑張っていて、「あたしっておバカでセクシーなのー」と言いながら、誰より見せるド根性。
主演女優ではちょっと…と想うんだけど、こういう出方だといいよね。
感動して、応援して、泣かされて、色々考えさせられて、でも字幕がせり上がって来る頃には、やっぱり『私を野球に連れてって』が頭の中に流れているような。
古き良きアメリカってヤツですかい? |
プリシラ 5/1
壮年、中年、青年のドラァグクイーン3人が、ピンクのバスで砂漠を行くロードムービー。
派手派手な衣装に身を包んだゴツイ彼女らと、広大なキングス・キャニオンのコントラストが強烈だ。
ストーリーは極めて真面目でハートウォーミングなんだが、なにしろこのオカマちゃん達、元気が良すぎてやかましい。女三人寄れば…なんてレベルじゃない姦しさ(かしましさってこう書くんだ!)で、しかも会話の内容がおげれつ(笑)。
泣いて笑って喧嘩して、本音ぶつけ合って、着飾ってのし歩いて。
デカい上に派手な顔にあのメイクだから、場所取る事この上無い、あれは避けるわ、私も。
毎度思うけれど、ゲイを巡る環境の過酷さや、残酷な扱いには呆れるばかりだが、泣いても嘆いてもシッカリやり返す逞しさ、したたかさが心地良い。
むしろあえて挑発するような節も見えたりして、生きて行くの大変そうだなぁ、と思ったり。
中には"擁護派"もいるけど、言い出せなかったりする辺り、「普通」や「マトモ」の圧力ってあるよねぇ、嫌らしいよねぇ。なんてシミジミしたり。
ヒューゴ・ウィービング(スミス!?)も秀逸だったけど、最年長のバーナデットをエレガントに演じる、テレンス・スタンプ…うわっ、『コレクター』の彼だ!!
そうでしたか。これは嬉しい。バーナデットは(仲間といるとおげれつだけど)美しく、何とも言えない気品と哀愁があって、旅をするうち大好きになった。
だから彼女の恋の行方は、本当に祈るようにして見守った。
残念でならないのが、せっかくのショーのシーンが意外にショボい事。
もうちょっと踊りと言うか、パフォーマンスに力入れて欲しかったなぁ。特にスミスね。
衣装は最高(に悪趣味)だし、3人のゴツイ身体もいい感じで、ABBAとかいかにもな曲もノリノリなのに、素人芸に見えてしまっては台無しだよ。
歌は口パクなのだから、踊りだけならもうちょっと、何とかならなかったのかなぁ。配役はドラマ的には良かったから、むしろ撮り方とか、うーん。
それでも、青い空に映えるどピンクのバスとか、派手派手ギラギラの衣装の数々と、映像的にとても楽しく見応えがあった(銀色マントで箱乗りシーンは最高!)し、意外にも地味で淡々としたストーリーも味わい深くて良かった。下品な言葉が飛び交いまくるのに、なぜだか上品な印象で。
うん、3人の"ヒロイン"達が正直で、強くて、マッスグだから、気持ちがいいのかな。
頑張れ、荒野のオカマちゃん。 |
フルメタルジャケット
公開当時(1987年か…)劇場の大画面で観て、こりゃあクレイジーだ、と思ったっけ。罵倒と暴力とノリノリの音楽の洪水。砂を噛むような後味の悪さと裏腹に、「キューブリック天才!」と確信した、殆ど恋のようにドキドキした。
で、古い恋人に、会いに行ってみました、思い切って。
ドキドキ感は、相変わらず。
何回観ても、あの訓練所での教官のマシンガントークには蜂の巣にされるし(サスガ本職)、“ほほえみデブ”は衝撃だし、姿無きスナイパーの緊張感は格別だ。
でも、結末を知っているせいか?なんだか悲しかった。
途中いっぱい泣いてしまった。
ほほえみデブの間抜けな顔が、悲しい。
教官に根性見せたために、デブのお世話を任された“ジョーカー”の苛立ちと哀れみの当惑が、悲しい。
現場でいきなり指揮を取るハメになり、パニクる“カウボーイ”が悲しい。
正体の見えないスナイパーに、なす術無く、仲間がなぶられるのを手をこまねいて見るしかない状況が、悲しくも恐ろしい。
昔馴染みに対しては、どうもウェットになりがちだ。
しかし、映画自体はむしろドライな表現で、案内役であるジョーカーは、泣き言も恐怖も口にせず、淡々と変貌を遂げて行く。
訓練所で教官に徹底的に罵詈雑言を浴びせかけられ、仲間の死を目の当たりにし、ついには自ら生々しい形で殺人に手を染めて、兵士は別の生き物になって行く。
戦場は地獄であり、一度そこに行った魂は、二度と戻っては来られない。
言葉で多くを語らない監督の、残酷なメッセージが聞こえて来る。 |