ディアボロス/悪魔の扉
えーと、あまり好きじゃないの、キアヌ。
でも、これは設定と言うか扱うモノが私好みだし、脚本も良くて、なかなか楽しめた。
むしろアレだよ、アル・パチーノ。邪魔っけ。
パターンではあるけれど、私はラストがお気に入り。
「あっ!」と思った途端にもう足元をすくわれてる、あの感じ。まさに"悪魔"って感じで。
しかしキリスト教って分かり易い悪役がいていいなぁ。話作り放題だ(笑)。
でもやっぱり、パチーノ爺さんが邪魔。なにあの長広舌→歌い踊る流れ。いらないよ…(歌も踊りも巧くもないし…ついでに芝居ももはやどーなの?だけど)笑かしてどーする。そもそも芝居も一本調子で目をギョロつかせるたびに興醒めした。
"悪魔"は大切な要素だけど、主体はあくまで"人間"であって欲しい、こういうタイプの話。そういう意味では、相変わらずマネキン人形みたいなキアヌの方にも問題はあるとは思うけど…なんか色々大変な目に遭ってるのに、あまりそれを感じさせないと言うか、「分かってんのかこの人?」みたいな。敏腕弁護士と言われても、頭悪そうでピンと来ないし(笑)。
若かりしシャーリーズ・セロンが野暮ったい奥さんを演じていて、とてもいい。救われたわ。ちょっと田舎くさいけど美人で可愛い、考えの浅い善良な彼女が、追い詰められて壊れて行く過程が傷ましくも迫力。欲を言えばパチーノの演説を短くして、奥さんの追い込まれる過程をもうちょっと丁寧に描いて欲しかったけど。脇に避けられているせい(と、共演者Aのクドさ&Bの薄さ)で、あまりにも脆い印象ではあった。
そしてパチーノ爺の連れ歩く美女達の物凄い事!野暮ったく作っているとはいえ、あのセロン様が貧相に見えるとは…恐るべし、米映画界の美女ストック(笑)。
それでも、似た様なテーマ性、世界観の『コンスタンティン』と共に、キアヌ主演の中ではかなり楽しめたのは、キアヌという人の非現実感と言うか、薄っぺらさにマッチしているのかも、この手のファンタジー?
でも本当は、もっといい役者で見たかったけどね、悪魔役もね。 |
ディープ・インパクト
公開当時、そんなにディープなインパクトは感じなかった、というのが本音なんだけれど、面白いけどえーかげんな『アルマゲドン』やら、ましてや最低の軽薄映画『2012』なんぞを観てしまうと、何と言うか、品の良い良心的な「終末パニック映画」だな、と思う。
あ、『日本沈没』なんてのもあったな…(笑←もはや乾いた笑い)。
私の個人的好みかもしれないが、"パニック映画"というモノは、群像劇が好ましい。
人間ドラマを掘り下げるのは、無論良い事なんだけど、緊急非常時にあまりに個人に焦点を当て過ぎると、なんだかエゴ丸出しに見えてしまって不快。それにせっかく世界が終わるのに(終わらない場合も多いんだけど)狭い範囲しか見られないのはもったいない。
古くは『タワーリング・インフェルノ』なぞという名作があるワケだが、あれなぞはビル一つ燃えるのに、あれだけの大人数(しかも演ずるのは大スター揃い!)の人生を見事切り取って見せてくれた。
流石にそこまでの精度は無いが、この『ディープ・インパクト』には、それを目指す志が、多少なりとも感じられる。
登場人物の多くが、自分や自分の家族の事ばかりを考えず、イヤな言葉ではあるが自己犠牲を体現して見せてくれる。
キリスト教ではこの"自己犠牲"は、とても重要なアイテムなようで、なかなかできる事ではないが、普遍的に人が感動するスイッチである事には東西違いは無いとも思う。
そして、落ち着いて考えてみれば、世界が終わるかどうかの瀬戸際で、どの道自分は助かる位置にいないと悟ったら、やっちゃう人もいると思うのよ、自己犠牲。
まあ私などはそんな局面でも、「もーアタシが死ぬならみんな死んじゃえ〜!」とかって思っちゃいそうだけど(笑)それ以前に役に立たないってか(笑)。そういうクズばかりではないはず、世の中は。
ロバート・デュヴァルが、恐ろしくオトコマエ。
この人見られただけでもこの映画観て良かった。
好きなのよこういうジジイ、『白鯨』が愛読書とか、泣かせるわ。
色々失敗して、もう"特攻"しか無いな、という場面での乗組員達のやり取りが、とても素敵だった。
悲壮感でもなく、英雄志向というでもなく、「まあ、行くか」みたいな態度が粋で泣かせるのよ。
いたずらな特攻賛美は褒められたモノではないし、そういう安っぽい作品も多く世に出てはいるが、正直ココを上手く見せてくれたら、パニック映画は成功じゃないかと思う。 |
テイカーズ
マット・ディロンに加え、ポール・ウォーカー、ヘイデン・クリステンセンとイケメンを揃えての泥棒vs.警察ストーリー。
なんか楽しいかも、と思ったけど、冒頭から意外に渋い造りでなかなか話に入って行けず、気持ちが盛り上がらないまま過ぎて行く時間。
スタイリッシュと言うんでしょうか、画面は見にくいし、誰にも感情移入できないままやたらとドンパチのアクションシーンが続いても、ごめん、ハラハラドキドキできないよ。
後味も悪いし、特に訴えかけるモノも無く、イケメン揃えてもかっこいい活躍シーンも思い出せない。
ファッショナブルな強盗団とか、子連れで頑張る刑事とか、普通に撮ればソコソコ面白いハズなんだけど、さにあらず。凝り過ぎ、詰め込み過ぎ?にしては薄い印象。
群像劇は大好きだが、出来の良いモノは背骨が1本キチンと見えるもの。
これはね…最後までただ、暴れてみせてるだけで。
すっかり退屈してしまいました。 |
テイキング・ライブス
うわぁ〜なんかテキトー。
あちこち良く分からない点があったんだけど、もはや見直して確認する気もしない程、いい加減感が漂ってる。
最近観た『白と黒のナイフ』で、この手の「イイ仲になったセクシーな異性が××だったらコワイよね〜、という、そういうジャンル」は「需要はアリ」だと書いたばかりだったんだけど。
それは当の異性が、とびきりセクシーで抗し難い魅力の持ち主だった場合限定だよね。
イーサン・ホークはブ男では決してないが、全体に薄味でサッパリ系で、とてもじゃないがその範疇ではないと思う。
途中、ちょっと欲を出して、これアンジーの方がアレだったら面白いな…なんて思ったけど、無論そんなヒネリもナシ。
(同じアンジェリーナ・ジョリー主演の『ポワゾン』も「この手」の映画だったな…面白かった)
特に正体が露見してからのホーク君が、何とも頼りなく影が薄くて、なんだか可哀想みたいでした。
この手の物は"セクシー"さえ押さえとけば何となく格好が付いてしまう、というのに、それも押さえられない上にこの運びは酷い。
映画ではボロクソに描かれる事の多いFBIとはいえ、いくら何でもラストの電話、アレはないでしょ。
「うまくいったか、心配したぞ」ってアナタ…応援要員くらい用意するでしょ、普通。
もはやファンタジー。いっそ夢オチかもと思ったけど。
米映画界はFBIとプロファイリングに恨みでもあるのか?ってくらい、毎度プロファイルも役に立たず、って言うか途中で忘れ去られてたよね。
ところでアンジーさんの乳、いくらなんでもデカ過ぎませんか???
薄手のTシャツで走り回る姿が多かったからかな、とても邪魔そうだったわ。
あんなにいらない。いえ負け惜しみじゃなくて!(笑) |
ディテクティヴ
ヴァン・ダム、あら、けっこう渋いじゃありませんの。
『ボディ・ターゲット』ではイマイチだった演技が、今回はシックリ来て見えた。
歳を取って顔もカラダも少し萎れて、人間っぽくなったのかな?ほぼ無いと思った表情も、本作ではちゃんとあったし。
悪徳刑事→麻薬王という悪党の名が"キャラハン"というのは狙ったのか?
キャラハン刑事と言えばハリー、しかしこいつはダーティ過ぎる(笑)。あまり強そうじゃないのが不満だったけど。
全体にやたら人が死ぬんだが、情報屋の少年が殺されたのは地味にショックだった。
ヴァン・ダムって元々格闘系で、殴ったり蹴ったりのアクションが売りだったようなんだけど、今回そういうのはほぼ無し。
代わりに銃撃シーンが長々と生々しく続くんだが(けっこうエグい)従来のファン的にはどうなんでしょね。
私はそんなに肉弾戦に期待が無いので、むしろ普通に観てしまったけれど。
ストーリーも、多少無理っぽさがあるものの、死線を彷徨う体験から人が変わったように改心するストゥ刑事の姿は、人間ドラマとしても面白い。ナメていたヴァン・ダムの芝居もナカナカだった。
人間、成長はできるんだよ。ストゥ刑事も、ヴァン・ダムも。
成長の結果は悲しくて、後味は悪いけどね…。 |
デストラップ 死の罠
大好きなマイケル・ケインおじさまと、クリストファー・"スーパーマン"・リーブ(涙)のガチ対決競演!かなり評判も良いみたい、と期待して見たが、なかなか見応えがあった。
『スーパーマン』シリーズ以降かと思ったら、『2』と『3』の間だったのね。それでこの役を受けるリーヴさん、素敵。
舞台劇の映画版というのは、けっこう難しいと思うんだけど。
『時計じかけのオレンジ』は別格、キューブリックは天才だから…と書こうと思ったら、シドニー・ルメット監督、『一二人の怒れる男』の人だったのね。失礼しました。
舞台らしさがシッカリ残ってて、しかも映画として面白い。そしてやっぱり、舞台を観たような後味が残るのは、サスガだ。
全く予備知識ナシで観たので、二転三転するサスペンスも面白かったし、予想できず期待を裏切らない結末も秀逸。途中ちょっとダレるかな?という部分もあるにはあったけど、主演二人が(容姿・演技とも)好みなので退屈はしなかった。
舞台劇らしい緊迫した台詞のやり取りと、大胆かつ緻密な展開。映画制作年(1982年)より古臭い印象なのは、やはり舞台劇的だからかな?それもまた良し。
ほぼ密室劇だし、動きも少なくて会話のやり取りが命なだけに、役者の力量が試されると思うのだけど、ケイン様はモチロンだがクリストファー・リーブも本当に『役者』なんだな〜と思わされた。『スーパーマン』で終わる人ではなかったなと。
もっと色々な元気な姿を残して欲しかったな。
合掌。 |
デスノート(1、2)
原作、珍しくも読破してます。
まずは、うまい事まとめたなと。
原作漫画は確かに面白かったけど、中盤以降はアカラサマに引き延ばしててグダグダだったし、少なくとも"L"が代替わりしてからは殆ど惰性だったから。
なんかね。
藤原竜也君、どーにも苦手。
14、5歳なら、あの芝居、あの容姿で「すごいなー」と思えなくもないが(まあ基本的に好みの顔じゃないんだけど)30過ぎてアレはキツイ。
同じ意味で、本作の主人公・夜神月は、原作スタート時点で小学生だったから良かったのであって、いい大人がいきなりあの思考では「こいつアホかいな」としか思えない。
映画では子供時代をすっ飛ばしてしまったのが残念ではあったが、同じタイプの残念な俳優を配役したのはある種説得力があって笑えるかも。
対する"L"のマツケン君は、原作漫画から抜け出たようで驚愕した。元の彼と全然イメージが違った事もあって、凄い演技力!と感嘆したものだったが、その後の彼のお仕事(某大河とか)を見るにつけ、単にハマリ役だったんじゃないかと思うようになった…けどまあ、"L"に関しては、私は文句無いです。
あとはアレだな、ミサミサは地味だしお父さんは歳寄り過ぎだ。FBI勢は皆ぽくて良かった。
でも根本的に、死に神さん達がフルCGというのがもうね…個人的には、がっかりMAX。
私としては、『デスノート』が映画化されても、アニメ映画だったら見なかった。実写版だと言うから見てみたのに(その割にちゃんと2本とも見てるけど)半分はアニメでした、という事ですよ、だったら最初から全部アニメにしてくれればスルーしたのに〜、って話ですよ。
CG技術については良く知らないから無責任な事を言うけど、ちゃんとした俳優に特殊メイクを施した上で補い切れない部分をCG加工する、というのが見たかった。翼とか、ウエストとかね。
ちなみにリュークはエンケンさん、レムは研ナオコ希望(笑)。 |
デスペラード 4/15
いやぁ、もう。
とにもかくにも、バンデラスがかっこよくてだな。
思えばこの頃のハリウッドは元気一杯だった。
暴力的で漫画っぽくて、いい加減だけどカッコいい、極めて無責任に面白い映画が溢れ出て来た時代。
監督はロドリゲス、お友達のタランティーノもチョイ役で出演してる。
本作は続編『レジェンド・オブ・メキシコ』と共に(前作の『エル・マリアッチ』は観る機会に恵まれぬまま今に至ってしまってるが)ラテンの香り濃厚で、暑苦しい男達がひしめき合ってやたらめったら闘っては殺し合う、正直まあ、それだけの話なのだが。
その、「それだけ」が激濃で、勢いに溢れてて、ゴキゲンなんですよ。
むしろ兄弟問題とか、仇討ち設定とかは取っ掛かり(スパイス?)に過ぎなくて、あまり掘り下げても意味無いと言うか、その辺の薄さも好みだった、と言うよりバランスが良かったか。
とにかく主人公"マリアッチ"が、強い!かっこいい!セクシー!
この当時のアントニオ・バンデラスは世界一セクシーな男性と言って過言ではない(あくまで当社比)。
なんですかあの、えーかげんな銃の構え方!ほぼ意味の無い射撃ポーズ。負傷しても苦しみ方がミョーに悩ましい(笑)。いいんです、それで。
ギターケースにマシンガン、それ実践だと邪魔じゃね?とか、いやいや弾当たるだろ、とか。こんなに殺しちゃってどうすんの!?とか。いいんです、それで。
そして連れ添うヒロインがまた、サルマ・ハエック。
元々ラテン系美女に弱いんだが、この映画で初めて彼女を知って(実はその前に『フォー・ルームス』で見てた)「こんなに綺麗な人がいたのか!」と感動したわ。
この美人さんが数年後には眉毛繋がらせてフリーダ・カーロを演じるとは、夢にも思わなかったわな。
そんな文句無しのイイ女を味方に付けて、文句無しのセクシーガイが大暴れ!
今思えばブシェミやらダニー・トレホやら、得難い個性の人達も瞬殺で使い捨て、いざ決戦と二人の仲間を呼ぶ(どうやって?)が、これまたアッサリご退場(前作見ると関係性が分かるらしいが)。なんて贅沢な。
そして無駄弾も有効弾も雨あられ飛び交う中、一人無傷のセクシーマリアッチ!
あ、ギターケースはマシンガンでは飽き足らずロケットランチャーまで仕込んであったっけ。
なんだかもう、勢いに飲まれて見守るしかない、むしろケチを付ける方が野暮(笑)。
私の映画歴は'80年前後に始まっていて、当時はスピルバーグ、ルーカスが台頭して「映画が変わった」と印象付けたように思う。そして'90年代、また映画が変わった、と感じさせた、この流れ。
良く言えば「バカ映画」、悪く言っても「バカ映画」。
過剰に「かっこよさ」を追求してしまうと、笑えてくる、という実証例でもある。
なんにせよ、バンデラスは完璧。 |
手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく
「おまえはなぜ身分を偽った?」「奴隷が貴族になりたいと願ってはいけませんか?」
どっひゃあ〜。
手塚治虫先生は、物心付いた頃にはファンだった。
言わずと知れた「漫画の神様」であり、文句ナシの天才であり、私は今も心から尊敬している。
しかし…なんだか揺らいでしまった、コレ見てるうちに。
原作は一通り読んでいて、まあ手塚作品の中で特に好き、というのではなかったが、それなりに読んだ。
残念ながら手元に原作本が無いから比べようもないが、この映画の中には上記のようなモゾモゾするセンスが溢れかえっていて、もうなんだかすっかりイヤんなっちゃうんである。
恐ろしいのは、うろ覚えの原作が、そう大きくは外れてない、と感じてしまうところ。
確かに仏陀の人生を描くのであれば、生老病死に悩む件は避けて通れないだろうし、階級差別や戦争は重要なファクターに違いない。奴隷だって当然登場するし、そう幸福ではあり得ないでしょう。
でもなんだろう…あああああ、イヤ。
大筋は同じようでも、やっぱり細部の変更が印象を激変させてしまってるんだと思いたい。
最初のやり取りはまだ続き、「当たり前だ!」「そんなの誰が決めたんですか?」
……揚げ足取りの小学生みたい………orz
映画館で予告見た瞬間から、「うわー、つまんなそう!」と思ったんだよな。
堺雅人の声は聞き取りやすくて良かった。小百合さんは声はいただけないと思うけど、彼女だというだけでありがたがる層は確実にいるんでしょう。嫌いじゃないけど。
そして信じ難いような棒読みのブッダ父。これは凄いぞ。唯一、一見の価値アリかも。もちろん悪い意味で。
不世出の天才は、あまりに群を抜いた存在であったが故に後継者を望むべくも無かったという事か。
本作に限らず、手塚先生が亡くなってからの手塚関連作品は、ほぼ全てこんな感じでキモチワルイんである。
悲しいことだ。 |
鉄コン筋クリート
原作は何と無く知っている程度だったけど、こうして見ると、うん。
線だけの漫画では気にならなかったけど、アニメにするとキャラクターが気持ち悪い…。
まあ、好みの問題でしょうが。
背景やカット割りはスケール感があって面白かった。
ちょっと"飛び"過ぎで「どんな特殊能力?」と思ってしまったけど、本来何か理由なり設定があるんだろうか?全体的に原作をかなり端折ってるのかな、という印象はあった。
昭和の商店街にタイガーバームガーデンを混ぜたみたいな街の景色はキッチュで面白かった。
ここはカラーで魅力倍増だったかも。
子供、特にシロが身に纏う珍妙なキグルミ的衣装も可愛くてちょっと不気味で、後頭部に顔のあるのとかドキッとする場面が(おそらく狙って)あって刺激的。
そういう緻密な小さなトリックが全編に散りばめられていて、見る側に良い緊張を促す画面造りはなかなか見事だ。
でもストーリーは、まあ殺し合ってるだけでね。
ヤクザ映画に空飛ぶ子供が参入、ラストに急に老賢者みたいなのが出て来て、シロが共鳴してなんか深いみたいになってて、どうも何だかね。
海のシーンは綺麗だったし、後味の悪い終わり方じゃなくて良かったけど。
吹き替えはほぼ職業声優がいなくて、むしろ手垢の付いたアニメ芝居でないところが良かった。
所々聞き取りにくい場面はあって、いつもより音量を上げて見てしまったけど、私は声優という職業を全く尊敬していないので(笑)うまくやってくれるなら"本職"じゃなくて全然OKだわ。
特に蒼井優は素晴らしかった。
女性が少年の声を当てるのも、仕方ないとは言えわざとらしく感じる事が多いのだけど、シロはアホッぽさもミステリアスな底知れない部分も含め、本当にピッタリで違和感が無かった。
シロに比べると棒読み気味だけど、クロのニノもまあまあ違和感は無かった。
強いて言えば伊勢谷友介…私の中での「いい映画なのにコイツで台無し」説が更新された(笑)そこまでいい映画でもなかったけど。 |
テッド
何となく先入観があって、あまり気が進まなかったんだが。
昔、ヌイグルミのクマが動いて喋る柔軟剤だかのCMがあって、それがとても気持ち悪かったのよ。
でも実際観てみたら、意外とそんなに悪くなかった、前半は。
テディ・ベアと呼ぶには、ちょっと平たいじゃないの?という、"テッド"のデザインは微妙に可愛くないんだけど、まあ子供はフワフワしてれば好きなのかなぁ。喋るし。
少年の願いが叶ってヌイグルミに命が宿り、大騒ぎの後忘れ去られ…という辺りのテンポの良さや、特に『フラッシュゴードン』にまつわるエピソードは面白くて笑えた。
主人公が35歳になってもアホな小学生のようにテッドとやり取りし続けるのも微笑ましく楽しい。
別にいいじゃん、と思うんだけれど。
マーク・ウォールバーグは子供っぽさも含め好演。一人芝居が多くて撮影大変だっただろうな…格闘場面とか。
ヒロインのミラ・クルスは、『ブラック・スワン』でも魅力的だったが、今回もとても美人。そして相変わらず、生き生きしてる。
けど、ローリーという女性にはあまり思い入れできなくて、むしろ偏狭な邪魔女に思えた。
まあ新婚生活にあんなのがいたら困るけどね…ソレも含めて彼氏なんだからさ。と、つい男子目線で見てしまうんだけど。私がオタク気質なせいかしら?
ローリーにちょっかい出す上司の勘違いぶりも面白かったし、テッドの"彼女"の(オツムが軽すぎて)話の通じない感じも、意外にリアルで笑えた。いるのよ、ああいう女…。
吹き替え版で観たけど、有吉は全く違和感が無くて驚いた。
おげれつ台詞は吹き替えではかなり消されたという話だけど、別にそんなん聞きたくもないしな。
続編が観たいとは別に思わないが、まあ笑えるし、テッドとジョンの友情は微笑ましく楽しかった。
でも私は、テッドよりヨギ&ブーブーの方がずっといいな。ヌイグルミじゃないけど。 |
デッドフォール
えーと、スタローンはどうも好きになれない。カート・ラッセルは好き。
二人が成り行き上コンビを組んでの「NY版あぶない刑事」みたいな映画。
なにせ「あぶ刑事」だから、内容は無いも同然。
最初こそインテリでクールという役回りを担ったスタローンが、サッサといつもの低脳マッチョに戻ってしまい、最初「大丈夫かコイツの頭は?」と危ぶまれたラッセルの沸点低いキャラも早々に常識的な奴になってしまうし。
悪役は揃いも揃ってアホっぽく、実際やる事もしまらない。
刑事二人も無実の罪で投獄されて、そそのかされて脱獄しちゃうとか!
警官続ける気あるのか?
…まあ、あのままあそこに留まったら殺されてた、という設定なのでしょうが。
色々と無茶が過ぎる。
それでもまあ、気楽に観る分にはそう悪くはなかった。
スタローンのいつもの臭みが薄かったし、ラッセルはとてもチャーミング。
そしてアレだよ、カート・ラッセルの、女装。
それもなんかセクシー系(笑)。
いえ、ラッセルさんノリノリで、なかなか色っぽかったし可愛かった。
…おそらくこの映画一番の見所はココだ。 |
デビル
ハリソン・フォードにブラッド・ピット。
世代の異なる色男二人を揃えて、なんかこう、もったいない映画だったなと。
ハリソンはともかく、この頃のブラピのビジュアルは最高値だと思うのよ。
それなのにまあ、魅力の無いキャラクター。と言うか設定だけがあって人格が見えない…。
IRAの闘志とアメリカの刑事の交流と攻防、と聞くと、すごいドラマティックなものを想像してワクワクする。
でも映画は終始陰鬱で地味な造り。
それでもいいんだけど、ストーリーは結局、アイルランド独立問題に食い込む事はできず、周辺のチンピラとのゴタゴタで終わってしまう。
8歳で父を目の前で殺された、というのは強烈な体験で、実際そのシーンも印象的ではあった。
長じた結果のローリー?フランキー?の性格と言うか人となりは、その事件だけで造られたみたいな、素人でも「こうなりそう」みたいな人。
でも可愛いんだよなぁ、ブラピ。
最後はもう、彼はほぼ諦めているよね。
だから自分を救うために逮捕に来たトムを殺さず弾を外した。そして自分は撃たれて、終わらない憎しみに終止符を打った…。
切ないんだけど、地味。全体に盛り上がりに欠ける。
悪いが、ハリソンもブラピも私のアイドルだったけど、演技派かと言うと怪しいと私は思っている。(基本、私は演技の上手い下手で俳優を評価しない。演技力より容貌の方がずっと大事な事もある。)
そんな二人が雁首並べて、なにもこんな地味な映画に出なくても。
と、期待ハズレだった分、つまらなく感じてしまうのかも。
丁寧に作られた、良作ではあると思うんだけど、面白くはない。
アイリッシュの女性メーガンを演じるナターシャ・マケルホーンが、とっても美人。 |
デビルクエスト
ニコラス・ケイジ、働くねぇ。
この人の映画は面白いのが多いし、それには彼が一役買ってる場合が殆どで、そういう意味では信頼しているんだけど。
今回は…うーん、普通。
そもそもケイジ、騎士顔じゃないし。残念。
冒頭は一気に引き込まれた。
引き出される三人の"魔女"、泣き叫び哀願する若い美女、クドクド言い訳を試みる中年女、開き直って毒を吐く隻眼(魔女には多いと言う)の老婆。コントラストも鮮やかに、しかし瞬時に三人とも吊されてしまう。
魔女裁判なんてインチキで、彼女らは無実だと思うでしょ?ところが………と、いう、迫力のプロローグ。
で、コレが1番見応えがあった(笑)。
ベイメン(ケイジ)と相棒フェルソン(ロン・パールマン)は、なかなかの名コンビ。
男の同僚というのは十字軍の時代から、こんなんだったかな、と微笑ましく見た。
ケイジは中世衣装が似合うとは言い難いが、パールマンは別の意味で似合い過ぎ(『薔薇の名前』ですからね…アレは凄かった)。
登場シーンの「最後に見るのがその顔か」みたいな軽口も効いている。
フェルソンは終始冷静で公平、勇敢で情に厚いイイ男。騎馬姿も剣劇もサマになって、あんな顔(笑)なのに大好きになった。
ケイジのベイメンがどこか現代に片足残してる感が拭えないのに対し、本当に中世の騎士(ただし低級)の香りがした。
旅の終盤「終わったら故郷の村に帰る」なんて言い出したから、それフラグじゃんやめて〜!と思ったわ(笑)。
物語は、歴戦の十字軍兵士二人(ベイメン&フェルソン)が戦いに嫌気が差して脱退したのを捕らえられ、黒死病を流行らせた廉(かど)で囚われた"魔女"とされる女を修道院に送り正当な裁判にかけるため護送をする事で放免にする、と約束される。
純真無垢な少女のような"魔女"は、魔女狩りの哀れな被害者なのか、それとも…???
と、まあ彼女が白では話は進まないワケですが。
この女の子がその時々の表情で全然印象の違う顔に見えて、なかなか魅惑的だった。
加えて、神父、騎士エッカート、途中から押しかけ参加の若者カイと、道案内に詐欺師を迎え、"魔女"の檻を馬車に積んで一行は困難な道を行く。
全体に暗い画面が多く、明るくても吊り橋の場面とか、何が行われているか分からない(けどなんかピンチ!)事が多く、ちょっとストレス。
"魔女"が冤罪でない事はわりと初期に分かってしまうので、さてこれをどう片付けるのか?と、思って見ていたんだが。
結末はちょっとショボいと言うか、残念な出来だった。
まず少女に取り付いていた"悪魔"が、ショボい。
等身大のコウモリ男。単にコウモリ男。
飛んだり燃やしたりはするけど、基本生身の人間と取っ組み合って、それなりにダメージ受けるようなコウモリ男。
そして殴り合いの中、聖なる「ソロモンの書」の悪魔祓いの呪文が唱えられて効力を発揮するんだが。
旅の途中の人心を操り弱みに付け込む手口がなかなか面白かったのに、肝心のクライマックスがショボい戦隊モノみたいになっちゃってて…とはいえどうしたらいいのか、と聞かれても答えられないんだけど。
でもラストシーンの印象は悪くなかった。
憑き物が落ちた少女と生き残った若い騎士が、穏やかに微笑みあって未来へ旅立つ。
タイトル(邦題)やストーリー展開から、ゲームか何かの映画化あと思ったが、そうでもないらしい。
各々キャラは立っているしあちこちに味な台詞もあり、ストーリーもそんなに破堤は無いと思うんだが、この印象の軽さはなんだろう?
とりあえず主役の騎士ベイメンは、もっと渋いオトコマエが良かったな。
いやケイジ嫌いじゃないんだけど。騎士は似合わないわ。
十字軍で戦闘中の「神様は敵が多過ぎないか?」という台詞が印象的だった。 |
デビルマン
あああぁああ。ああぁああ〜〜あぁあ。
すごい。すごいです。
さんざん悪評を聞かされて、期待マンマンで見たのに、全然期待を裏切られなかった(爆)!
もはや語り尽くされているので、これ以上言う事はありましぇん。
ただ、皆さんがちゃんと反応してくれたのでちょっと安心した、かな。
ハッピーバースデー、デビルマン♪ |
テルマエ・ロマエ
原作未読。
まあ、キャスト全員日本人とは聞いていたし、こういうモンだと覚悟して見たので、そこそこ面白くはあったけど。
でも劇場へ観に行くか〜?と、いうのが率直な印象。
平たく言うと、スケール小さっ!!
タイムワープ物の是非はともかく(基本あまり好きじゃない)、異文化交流と言うかミスマッチな展開は大好きなんだけど、"キャスト全員日本人"が開き直り過ぎてるせいか、せっかく面白くなりそうな絵ズラが全然楽しくない。
阿部ちゃんは最高にかっこいいし面白いし、他のローマ人役者の皆さんも、よくまあこんだけ濃い顔揃えたな…と、キャスト表見た時は笑ってしまったんだが。
『のだめカンタービレ』の竹中直人とまでは言わないが、もう少し白人色を出して欲しかった。付け鼻は無くても髪の色を薄くする程度でも。できたら目玉も。
ローマ部分では「そういうモノ」で気にならないけど、せっかくの銭湯や温泉地のシーン、選りすぐり(?)の"平たい顔"の人々(上戸彩ちゃん含む・笑)との対比が、もう少し欲しい。阿部ちゃんは濃いけど彫りの深い白人顔ではないし、服も着てないとタダのハンサムさんだもの…。
とは言え、50歳目前にしてさらけ出せる、あの肉体美は素晴らしい。
サルを追いかけて弓を射るシーンは大笑いさせてもらった。阿部ちゃんの目力が凄かった。
ああいうの、もっと見たかったなぁ。
後半はどんどん普通になって、ローマのシーンは本当に「まとめに入ったね」って感じ。
恋愛要素も、映画興行には必須なのかもしれないけど、取って付けた感が否めず、何となくぼやけた印象の映画になってしまった。
もっともっとくだらなくていいのに。 |
テルマエ・ロマエ2
阿部ちゃんは面白いなぁ。
「モデル上がりの大根役者」という昔の認識が嘘のよう。
特にこのシリーズでは、あの独特の目力が生真面目なルシウスの性格にピッタリで。
前作の猿追跡に続き、今回はウォータースライダーで大笑いさせてもらった。相撲のシーンも面白い。
草津温泉の風景が、とても良かった。あの板でお湯をかき回すのとか、灯籠の浮かぶ露天風呂とか、外国人でなくても見とれてしまう、ディスカバー・ジャパン♪
一方、いかにもウソ臭いローマの風景は………前作のヒットで予算が出たのね(笑)。
しかしモブに白人使っちゃあ、台無し、と思うのは私だけ?
コロセウムの残虐シーンは、全く心構えが無かったのでビックリしてしまったが、あまりの下手クソさに笑って終わった。なんじゃあのミョーな継ぎ接ぎカットは…???
けど、曙のグラディエーターは凄かった!本当に強そう(当たり前)だし、後半の悲哀の表情とかもシッカリ伝わって来て、こんなおポンチ映画にゃもったいない(笑)。最後に相撲取り集団に混じってるのも微笑ましかった。
そして北村一輝、ふふふふ(淫笑)ありがとう。どちらの役も「とんでもなくスキモノ」なんだね。天職いや天役ですね。ありがとう。
やってる事は『1』をほぼなぞってるだけなので、まあそれでも小ネタが面白ければいいんだけど、後半で妙にマトメに入って失速しちゃうのまで一緒。
いつも思うんだけど、本当に映画に恋愛パートって入らないとダメなんだろうか?
ことこの映画においては、ただ邪魔なだけだと思うのよ、平たい顔のヒロイン含め。
あ、取りあえず古代ローマ語の通訳ができる人は必要だけど、恋愛に発展しなくても、あんなキャラじゃなくても、なんなら女でなくても…って言うかウエトアヤが嫌いだ(笑)。
元の世界に戻るシステムが分かってしまったし、『1』ではそれなりにキレイに決まった別れのシーンも、今回は本当にどうでもいいわ。
全体の感想もほぼ、前回と同様、ただし阿部ちゃんと北村さんにありがとう。 |
天国から来たチャンピオン
「とにかく泣ける映画を一本」と言われたら、未だにこれを上げてしまうかも。
なななんと、1978年だって!古いとは思っていたけど。
ウォーレン・ビーティ、けっこう好き。
あまり颯爽としているよりも、ちょっとドンくさい所があった方が、セクシーだなと。
物語は、おとぎ話ですな。
あの世に行きかけてすったもんだ、とか、期間限定でこの世に舞い戻れるとか、まあよくある設定だけど、やっぱり私も描いてみたいなあ。色々想像すると楽しい。
で、この映画は、あまたあるその手の話の中でも、いいんである。
元々は舞台で、設定もボクサーだったのを、ビーティがリメイク(監督脚本主演だ!)して、ここでは主人公はアメフト選手。日本ではイマイチ馴染みの薄いスポーツだけど、ああ死んじゃうかも、とかはなんとなく思うし、まあいいか。アメリカでは最高にかっこいい男はアメフトやってるらしいしね。
そして、やっぱり縦軸はラブロマンスなんだけど、そしてまたお約束の展開として、先行きの運命を匂わせて幕が降ろされるワケなんだけど、そこが腕の見せ所。
きれいに素直にキマッていて、腕の良さもさる事ながら、本当に心から、「良かったー」って思えるのは、キャラクターに対して愛があるからだと思うのよね。
でも、(最初に)観ていたこちらが若くてウブだったせいもあるのかなあ。
追記:つい最近、TV放映してるのを途中から観て、やっぱり泣いちゃった。前は恋人とのラストシーンに気を取られていたけど、今回はトレーナーのおじさんに泣かされた。
「ドンくさい」なんて書いちゃったけど、この頃のビーティはホントに甘いハンサムボーイだったのね。歳取ってからの顔の印象だったみたい。 |
天使のくれた時間
いい話だ、いい映画なんだけど…けど…。
取りあえずニコラスケイジ、黒ブリーフは勘弁してください……。
なんか卑怯。
ハッピーエンドを約束するラストだけど、あの可愛い娘は帰って来ない。
子供(自分の)なら同じように愛せるという事なら、それは否定はしないが、だからと言ってあの子は帰って来ないのよ…と、つまり私は自分の子でもなければ現実にもいないあの子が大好きになってしまったと。
「金か愛か」良くあるテーマだけど、その二択ってそもそもおかしいと思うの。
なにか貧乏人から搾取する金持ちの陰謀を感じる(笑)
「金も愛も」でしか、幸福はあり得ない。程度問題はあるけれど。
「お帰り、パパ」のシーンが泣けてもう。本当に泣けた。
ヒロインが美人。ナチュラルで素敵。
頭も性格も良くて愛情に溢れ、とてつもなくチャーミング。
まあそれは「逃した魚は大きい」式の主人公の未練がそう見せてる部分もありそうだけど、彼にとっては本当にそうなのでしょう。
田舎の生活もリアリティがあって、困った事も良い事も、説得力がある。
貧乏暇無しで人間関係も濃い。就寝前に「酒でもなきゃやってらんない…」と呟くくだりがとってもリアルだ。
確かにピカピカの都会暮らしは魅力的だけど…と、ウッカリ乗せられそうになる(笑)。
でも結局この映画の落とし所は、「愛も金も」なんだよね。
どうやらジャックは都会暮らしを捨てずに済むようだし、ケイトも田舎を出てそれなりにキャリアを積んでいる模様。
まあ、田舎暮らし体験をする前の、最初のヤッピー全開のジャックでは、こうしてケイトと再会できたとしても心を通わすには至らなかったのでしょうが。
しかし再会したケイトはもう、あの田舎暮らしの時空にいたケイトとは違う。違う人生を生きて来たから。
それはジャック自身が、あの短い体験で変化し学んだ事でもあるはずなのでは?
そして当然、違う体験をして来た彼女がたとえ女の子を産んだとしても、あの子とは別の子に生まれるし、ましてや別の育ちをするワケで。
そうかこれはパレレルワールドで、今もあの子はどこか別の次元で別のパパと幸せに生きているんだ。
と、思う事にした。 |
デンデラ
う〜〜公開当時に紹介記事を読んで、見てみたいと思っていたんだが…。
期待外れなんだけど、なんと言うか期待以上みたいな(笑)予想外で、ちょっとポカーンとしてしまったわ。
要約すると「ババアと熊の死闘」だな。
姥捨て山ネタは数あれど、この映画の冒頭は、かなりワクワク感のあるモノだった。
捨てられる婆さんが浅丘ルリ子様ですよ!
設定では70歳になると姥捨てされるそうだが、ルリ子様演じる"カユ"は白髪1本も無い美人。声だって少女のように愛らしい。もちろん目張りもバッチリだ。
雪山に薄物一枚で置き去りにされ、覚悟の死を迎えて極楽浄土へ旅立つ…と、思いきや、先達の老婆に遭遇。
実は捨てられた老婆達は生き延びて山中に集落を作っていた。その数なんと50人!
最年長の草笛光子様は齢100歳、捨てられて30年も生き延びておられると。そして彼女の回想として、後から捨てられた男性は無慈悲に見捨てられるというシーンが挿入される。
更に、老婆達は己を捨てた村への復讐心を募らせており、人数も手頃に集まった事だし、そろそろ殴り込みを掛けるという計画が明かされる!息子一家とか普通に暮らしてる村によ。目指すは皆殺しよ!凄い凄い!
と、かなりワクワクな設定だったんだが、婆軍団が意見の相違で内輪もめやらモダモダするうちに、飢えた熊に再三襲われて、闘いの対象はいつの間にやら熊にすり替わり、熊にバサバサ殺されるうちに雪崩が来て…、もうもう、ドコに怒りの矛先を向けて良いのやら(爆笑)な全滅で終演。
何と言うか、どうにも消化不良感がたまらない。今までの事は何だったんだ。
村人vs.婆軍団の血で血を洗う死闘、どうせなら見たかったな。どっちが勝ちでも別にいいから。
それにしたって、若々しく元気とはいえそれなりのお歳を召されたそうそうたる大女優陣を集めて、雪山でガチロケってスゴスギル。この監督はタダモノではない(と、思ったら巨匠の二世でした…)。
いっそ楽屋裏のドキュメンタリーが見たいという(笑)。きっと皆で火を囲んで可愛らしく差し入れ食べたりしてるんだろうな。
なんかそれだけでも、見る価値があったと言うかそんな事でいいのかと言うか、思いは複雑なのであった。 |
でんでら byココアちゃん
ババァの闘いね・・・いくらなんでも美人女優さんのその後は見ていてキツいものが。
いくらババァの役でも本物のババァがやらなくても、ババァに「見えれば」いいのでは?
(もっともそれが売り、らしいけど)
それにトシ食ったから、と言って老け役ができるわけではないのね、とも思いました。
美人女優さん、意外というか当然というか結構「大根」が多い、と。
その中で浅岡ルリ子はさすがの存在感でしたが。一番若い、という設定だし。
いっそ宮崎アニメでやれば傑作になったかも。アクションとか映えそう。
駿、ババァ好きだしね。笑。 |
トイ ストーリーズ1、2
好きだあー、このシリーズ。
CG嫌いとか言っておいて、なんなのよ、って感じですが。
『オモチャのチャチャチャ』は永遠のロマン。…なんて言っても、バズもウッディも「???」でしょうけど。
私の幼少時の「友達」は動物、それも樹脂系のクマやカエル、ゾウ。ミッキーマウス。
それらを床の上に全員集合させて、お芝居をさせるのが好きだった。セリフを作り、動作をさせて。
あの頃確かに、「彼ら」は生きて、心と痛みを持っていた。
三つ子の魂、今はその延長線上で仕事してるもんなあ。
そんな私だから、このシチュエーションは、とても入り易く、楽しい。
主役の二人、ウッディとバズのキャラクターが良いのは無論の事。
表情も豊かで、可愛過ぎない(サン○オとかジ○リみたいに・笑)ところが親しみ易く、なにしろ性格が、とても人間らしくて(笑)いい。
カタブツで正義漢だけど、融通の利かないバズ。陽気で行動力があるけど、ちょっとセコいとこもあるウッディ。単独で立っているとバズの方が大男かな?という印象なんだけど、並ぶとウッディの方が大きい、そのバランスも、オモチャらしくていい。
そしてワキを固める個性派の面々が、またサイコー。
ジャガイモおじさんも、ダックスフントも、ペンギンも、ブタちゃんも、みんな大好き!
でも一番のお気に入りは、『2』の宇宙人?三人組かな。ものすごくカワイイ!!
動物系オモチャは、幼少期の遊びにダイレクトに繋がっているから、まさしく私の妄想が形になって現れた感じ。モチロン、それぞれが生き生きと魅力的だからこそ、郷愁もひとしお、なんだけど。
『ジュラシック・パーク』の恐竜同様、「CGってありがたいなあ」と思わされる、しかも恐竜と違って、オモチャ達は泣いて笑ってケンカしてくれるんだから、もうたまらんっす。
ストーリーも1、2とも、良く出来ていて面白い。ギャグあり冒険ありパロディあり、友情ありで、最後はもう大泣き(マジで…)の大満足。
私的に贅沢を言わせていただければ、「人間」は実写で撮って欲しかったんだけど、そのへんは技術的知識も無いから良く分からない。難しいのか、それがこだわりだったのか?
でもそんなの、観終わってしまえばささいな事、なんだけどね。 |
ドゥーマ
『野生のエルザ』チータ版、プラス少年の成長物語、といったところでしょうか。
しかし名作『エルザ』の完成度には足元にも及ばず、成長物語としては無理矢理感が強過ぎて入り込めなかった。
しかし絵は素晴らしい。
"チータ"という、走るに特化した世にも美しい生き物と、アフリカの大自然。
砂漠も渓流も、ラストの金色の草原も素晴らしかった。
そしてチータの可愛らしいこと!
子供時代についてはもう、何も言うまい。悪魔のように可愛いとだけ。
走る姿の完璧さと、猫のように甘える仕草の愛らしさのギャップに目が釘付け。
鳴き声も、今までドキュメンタリー等で見てはいたけど、あんなに可愛らしい声だとは。と、言うかあんな声しか出せないの?チータ可愛い。
ゴロゴロ喉を鳴らすところもまるっきり猫。
ただ、意外に表情は薄いと言うか、もっと色々撮れるんじゃないの?とは思ったけどな。
何度も出て来る、焚き火に照らされた顔が、なんだか残念。
とはいえ美しい流線型の身体、小さい頭部(流行りの小顔!)、主人公にじゃれつく可愛い仕草と、すっかり"ドゥーマ"にノックアウトされましたよ。
子供向け、なんでしょうが。
問題に感じたのは人間サイドの色々が、いちいち適当過ぎて頭悪過ぎ。甘いんだよおまえらっ!!!ってイライラ。
ずっと飼い続けられないよと最初から言いながら、解き放つ準備も訓練もせず「狩りはチータの本能だ」とか言っちゃう父親は、死病に侵されて余裕が無かったのかもしれないと、まだ許容した。
しかし続いて夫を亡くした母親は、いい加減デカくなった"猛獣"を、全然慣れない人に預けて「無害だから」と放し飼い状態で放置!ひどい!これは最低、考えられない。
さらに、このまま一緒にはいられないとザン少年が悟るまではいいが、それで取った行動は母にも告げず「バイクのサイドカーにチータを乗せて生まれ故郷へ向かう」という無謀さ。
この子何歳設定?見たところ小学校高学年くらいかな。
一応地図とコンパス(とお金)を持って行く知恵はあっても、砂漠を延々走ると分かっていながらガソリンを切らす。
水の準備もろくにしてないし。
流石にこれでは旅を全うできないと、謎の黒人"リップ"が相棒になるが、この先も「ないわー」「無理だわー」の連続。
冒険させたい気持ちは分かるし、助からなければいけないのも分かるんだけど、あまりにも「ないわー」で、見てて疲れてしまった。
子供向け、子供向け、と呪文のように唱えながら耐えたが、むしろ子供には見せたくないような無謀さ、適当さ。
大雨の中お札を焼いて火種にする等の説教臭さも鼻に付く。
それでも、後から原作者がペットのチータを亡くした子供のために書いたフンタジーと聞いて、全てを許す気になった。
チータは可愛いし少年も美少年で大熱演、リップもなかなかハンサムで目に楽しかったし。
「ロケ大変だっただろうな…」と思うにつけ、その労力の割に浅くて薄い脚本が、とても残念ではある。 |
トゥームレイダー
うわー…ご免。
全く内容に集中できなかった。
ゲームでしかないと言うか。
時間いじったり死者が甦ったりというネタは、元々好きじゃないんだけど。
それ以前に、あまりに薄い、安い表現。
アンジョリさんが露出の多い服装で闘いまくるのを、ただ楽しめばいいのでしょうが。
そこまで彼女好きでもないんで、私。
男性陣もなかなか二枚目を揃えて来てるけど、こういうの見るとオトコって容姿だけじゃないのね、とつくづく思うわ。全然魅力感じない、と言うより人間に見えない。
惑星大直列って、つい先日も物凄い安い映画『グランド・クロス ドゥームズディ・プロフェシー』を観て呆れ返ったばかりだけど、それと内容的には大差無かった。いや、アチラの方がまだ内容が頭に入って来た。
特大おっぱいが大好きか、分厚い唇フェチの人なら楽しめるのかも。 |
12ラウンド
ウォーリーだかウィリーだか、あのおデブちゃんがもらい事故すぎて…(泣)。
相棒兼親友も気の毒だった。ほぼお約束とはいえ、殺さんでいいのになぁ。
正直、こうも罪無き人をいっぱい巻き込んで殺して、街を破壊しまくり、人々を恐慌に陥れて、必死なのは分かるけれど彼女が死んだ方がずっと被害は少なかったよね、と思ってしまうのよ。
うん、彼女があまり美しくなくて、性格も可愛げが全く見当たらず、犯人を無駄に挑発するようないらん事口走るしで、あまり応援する気になれなかったのもある。
冒頭はけっこう引き込まれた。
恋人(ヒロインよりずーっと美人!もうちょっと見たかった)に死なれ逮捕された犯人が警官の名を執拗に聞き名札を見て「覚えたぞ!」。怖い怖い。
ゴリラ系の主人公に対して悪役はインテリ系スマートなのもよろしい。
どんな復讐劇が始まるのか…と、ちょっとワクワクしたんだが。
脱走した犯人はタイトルの"12ラウンド"の通り、悪どいゲームを仕掛けて来て、恋人は拉致されるしゲームはいちいち一般市民の命を危険にさらすし。
アクションも爆発も頑張ってたし、手を変え品を変え色々やってくれるんだけど、ごめん、なんか飽きちゃった。
全て終わってしまえば、回りくど過ぎだよなーと思うし。
これ9ラウンドくらいで良かったんじゃないだろうか?
その分もう少し、主人公や、特に彼女の人となりなりチャーミングな表情なり、見せておいてくれないと思い入れできない。
最後もちょっと苦し紛れ過ぎたかなぁ…。
ヘリで逃げる!おい人質運転しろ!え!?それアナタ無謀、その計画?
あんなに周到な計画を練って(ズルもして)実行して来た人が、ここへ来て。
最後のプールへドボンも、あの高さを落ちたら水面でも死ねそう(笑)。
揺れるヘリから飛んで命中するのも至難の技だと思うし。
ヘリの残骸(とお札)がワラワラ降り注ぐ中いちゃつき出すのもなんだか…ここで破片に当たったら大笑い、とか思ってしまったわ。
FBIのハゲの白人捜査官が、なかなかいい味出してたな。
犯人役もラスト以外は良かったし、その彼女は本当に美人だった。
主人公(ジョン・シナ)レスラーですって。納得のマッチョぶり、お顔はイマイチ地味だけど身のこなしはリアリティがあった、腕とか強そー。
『ネバー・サレンダー 肉弾凶器』の人か…記憶に無い(笑)。 |
塔の上のラプンツェル
私、一応ディズニーアニメのファン、なのだけど……。
ぶっちゃけ、『美女と野獣』以上が出てない気がするんですがどうでしょう。
(Pixar作品は別枠ね、アレはあくまでPixarなので)
とは言え、やはりディズニーはディズニー、一定の水準は軽々とクリアしている。
残念ながら3Dは見損ねたんだが、ラプンツェルの髪とかもう凄い凄い。
キャラクターの顔は、相変わらず日本人にはとっつきにくいな…とは思うものの、ストーリーに引き込まれるにつけ、気にならなくなって来る。
世間知らずだが芯の強い女の子はアメリカ映画の定番だが、可愛らしく嫌味が無くて好感が持てる。
相手役の男性も、従来の王子様ではなく、口八丁の詐欺師、コソ泥。でも気が良くて、調子の良さも含めて魅力的だ。
でも、この映画のキモは、何と言っても"ママ"。
かつて『キャリー』という凄い映画があった。最近では『ブラック・スワン』とか。『スノーホワイト』なんてのもあったか。
本作では王女を誘拐した継母、と言う設定になっているが、アレはお伽噺の方便であって、実際は実母と娘の関係だよね。
あの、貴女を思ってるのよと言いながら自分の都合を押し付けるところ、気持ちを尊重するふりをして娘の話を全然聞かないところ。理屈で負けそうになると泣いて愛情の問題にすり替えるところ。なんて母親らしいんでしょ!
その描写がかなり秀逸で、見入ってしまった。
エンタメ映画らしく、悪い魔女は酷い形で滅ぼされるが、普通の事してるだけなんですけどね(笑)。
実は、TV放送で吹き替えで観てしまったので、特にミュージカル部分は残念な事になってしまっていた。
本当は字幕版見ずに感想書くべきじゃなかったかも。字幕版観たら、追記書きます。
追記:すいません、また吹き替えで見ちゃったけど、1度目より全然面白く感じた。
大ブームとなった『アナ雪』よりも、完成度は高いかも。ヒロインも可愛い。
馬とカメレオンも表情が豊かで可愛かった。ディズニーで『ワンダー3』作ってくれないかな?
吹き替え、ショコタンは歌はちょっと声が不安定な箇所があったけど、台詞回しはとてもナチュラルでチャーミングだった。
髪の表現は素晴らしいと思ったが、負けず劣らず森や草原とか、塔の中の壁画(ラプンツェル作)とか、全体に質感が素晴らしい。飛ばす灯も美しかった。 |
逃亡者(ハリソン・フォード/1993)
リメイク物をいくつか見て、やはりネタというのも賞味期限があるのかな、と思うようになった。
無論、料理次第でどうにでもなるんだが、あまりに設定変更し過ぎてしまえば最早リメイクではないワケで。
かつての人気TVシリーズだったという本作も、多分そういった類のモノなんじゃないだろうか。
とにかくまあ、逃げる逃げる。
H・フォード演ずるキンブリー医師は、死刑が掛かってるんだから死に物狂いで逃げるにしても、追う方のジェラード捜査官(T・L・ジョーンズ)のしつこさたるや、もはやコント。
それなりにアクションも頑張ってるし、一応のミステリー要素やドンデン返しも用意されてはいるんだが、いやむしろ頑張る程に、なんだか置いてきぼり感。
旧作のままらしき"義手の男"という存在がもう、なんだか古臭くてな。(でもココ変えてしまうと別作品になっちゃうんでしょうけど…)
"真犯人"に行き当たる過程も、途中で視聴意欲が薄くなってしまったせいか、「え?なんだっけ?」だったし。
とはいえ、フォードは安定のかっこよさだし、なんたってジョーンズさんが凄いしで、ソコソコ楽しめる内容ではありました。
逃亡中にも重症患者を放っておけないキンブリーさんとか、逃走犯が突然現れてもハグしてくれる同僚のおばさんとか、なかなか良かった。
ラストの真犯人とのやり取りはさすがに、盛り上がったしね。
あと、被害者である奥さんの、顔が怖かった。 |
トゥルー・クライム
イーストウッドの映画、あまり好きじゃないんだが。
これは素直に面白かった。
けっこうハラハラもしたし、差別に怒りも感じたし、タップリ思い入れして観る事ができた。
しかし主人公の敏腕記者・スティーヴは、いい加減爺さんの癖に浮気しまくりの最低野郎。
幼い娘は人並みに可愛いらしいが、あの娘がもう少し大きくなったら蛇蝎のごとく嫌われるだろうね(笑)。
冒頭のバーで若い美人記者を口説きまくるのを見てドン引きした。ジジイなにやってくれんねん!!!しかも素面だと!キモッ!!!
しかも大学出たての美人記者に振られたと思えば、同僚の妻とチャッカリW不倫。うわー。
酒さえ飲まなきゃと繰り返し言うけれど、その人間性はどうなのさ。
と、そういう最低の所から出発するのが、ある種イーストウッド流の美学(照れ?)なんだろうなと、近頃思うようにはなって来た。
冤罪で死刑が確定している黒人のフランクと、その周辺の描き方が秀逸。
信心深い妻と幼い娘との別れのシーンも泣けたが、一番印象に残ったのは妙な正義感を振りかざす牧師に看守が怒って追い出すところだな。
こういうの見ると、死刑制度は本当に続けるべきなんだろうか、と思ったりもするが、それにしてもこの捜査は杜撰過ぎて心が寒くなる。
そしてその杜撰さに説得力を持たせてしまう、黒人差別の問題。
映画公開は20世紀末。現在はもう少しマシになっていると信じたい。
あの美人記者の事故死は「さては消されたか!?」と考え過ぎてしまったが、そういう陰謀論的展開ではなく、本当に市井の人々が罪を犯し、誤解から無実の人を陥れ、間違って死刑に処されそうになる、という、その方が怖いし好みの展開ではあった。
仕事中毒のスティーヴの、妻や娘に対する態度もリアルで、遊びに連れて行った先で仕事の電話を掛ける間中父に話し掛ける娘のウザさとか、娘の楽しみにしていた動物園をとにかく駆け抜ける(ジジイなのに…)事でお茶を濁そうとするスティーヴとか。
罪を黙したまま亡くなった孫に「あの子は本当はいい子なのよ」と言いながら、無実のフランクを救うためスティーヴと共に駆けつける祖母が泣かせる。
美人記者が亡くなった"魔のカーブ"が、スリリングな演出に華を添える。
「もう手遅れだ!」と言いながら注射を止める看守達の震える手は、私の心に見事にシンクロした。
本当にギリギリまで引っ張って、危機一髪!でシーンカット。
いくら何でもあのまま殺しはしないだろうと思ってはいたが、それでもあのラストシーンは胸が熱くなった。
ああ、良かった。本当にそう思えた。
そして、ちゃんとエロじじいのスティーヴは妻に愛想を尽かされ、娘とも引き離されて悪行の報いを受けていてスッキリした(笑)。 |
トゥルーナイト 2/1
なんか安っぽいんだよね…。
せっかくのコネリー、せっかくの中世モノだというのに、この薄さと軽さは何とも残念。
ロケーションや大小道具、衣装等はむしろ、大変良く出来ていると思う。
まだ原始の臭いの抜けない中世の、泥臭さや埃っぽさも感じさせる、良い美術だった。
"国"だの"王"だの言っても、この時代のソレって大きめの村と村長さんくらいの雰囲気だよね。
理由の一つは、私がどうにもリチャード・ギアが好きになれない事なんだけど。
(ハチ公の映画やってくれたり、いい人そうなんだけどね…)
好みはともかく、この人絶対に"騎士顔"じゃないよね。
あのウザい悪役の人(ベン・クロス…『炎のランナー』かい!)の方が、全然騎士っぽい。
加えてグィネヴィア。姫で王妃でコネリーとギアから愛される女性。
うーん美人?美人なんだけど、なんかこう。
ちょいちょいカバっぽいんですけど(笑)肩幅広いしおデコに横ジワクッキリだし。
こういう役回りならもっと、初々しくて汚れない雰囲気の、いるだけで空気がフワンと明るくなるような美女でないと。
時々顔だけピンクで開いた胸元が茶色かったりして、色々と可哀想でもありましたが。
やっぱりねー、北欧騎士物語の姫君は、色白金髪碧眼が良いのよ、黄色い猿の憧れ的には。
これがね、例えばランスロットが目の覚めるような美青年だったというならまだ理解できなくはない。
でもコネリーですよ奥さん!?あなたコネリーが愛してくれてるのにリチャードギアによろめきます???
色々言ってもまず、ここがこの映画の致命的な部分。
それにしてもまあコネリーの騎士姿のセクシーな事よ!
あの年齢で、成熟し切ってるのは当然の事ながら、好きな女性を前にして少年のような初々しさを見せる。もはや怖い。
だいたい弱小国とはいえ、王女として生まれて育って来た女性が、チンピラに言い寄られて何故なびくのか。
それもやるなら細心の注意を払うべきところを、衝動に任せたばかりにすぐ夫に目撃されちゃうというお粗末さ。
ちょっとは我慢できないの!?
見た目も村娘みたいだけど頭の中身もそのレベル、呆れましたわ。
アーサーはコネリーだからかっこいいんだけど、やはり内容はお粗末で悲しい。
妻の不倫の裁判中にいつもの皆さんに攻め込まれ、大見得切って即射たれて退場、今際の際に間男に国と愛妻を託すアーサー王(泣)。さっきまで処刑前提だったのに、ドコで気が変わった?
愛国心に燃えて丸腰で大軍を撃退した民衆の皆さんは、不倫裁判の被告の二人が国を治める事に納得するのか?
王の人柄を慕って尽くして来た11人の円卓の騎士達は、穴埋めに駆け込み参加した新参者がリーダーで文句は無いのか?
ヌケヌケと王の葬儀に参列するグィネヴィア、あんたは尼寺へ行け。
ラストシーン。夕焼けの海、沖へ向かうアーサー王の亡骸を乗せた船に炎が上がる、葬儀のシーンは美しかった。
コネリーのセクシーな騎士姿と、このシーンを拝めただけでもまあ、良しとしますか。
追記:グィネヴィアのジュリア・オーモンドという女優。
『サブリナ』でしたか。
あれもなー、天下のオードリーのリメイクで、H・フォードにグレッグ・キニアまで動員して、この女優!?と思った記憶。
加えて『マリリン 7日間の恋』では天下の美女・ヴィヴィアン・リー役ですと!!!
コネリーのアーサー王でグィネヴィア役だって相当な大抜擢なんだけど、これはいったいどうした事か。 |
トゥルーライズ
シュワちゃんのファンだったし、奥さん役のジェイミー・リー・カーティスも大好きなんだけど。
サービス過剰と言うか、何とも微妙な歯痒さがあるな。
家庭内ラブコメ+豪快アクション=なんだかユルユル、みたいな。
エンタテイメントは大好きだけど、と言うより大好きだからこそ。はき違えてないかい?と、言いたくなってしまう。
ドラマ性を無視してまで暴力と破壊を繰り返す、お金を湯水のごとく垂れ流しながら。
作中唯一の"美人"は悪女ではあるけど、アラブ人に殴られたり、歴史遺産を壊されるのを辛そうに見たり、ましてや主人公とカラんだりしてるのに、ただ奥さんと殴る蹴るして(その絵は面白かったけど)殺しちゃうなんてもったいない。
まあ、そういうドラマ性は面倒臭い、頭カラッポにしてドンパチが見たい、という層向けなんでしょうし、私もあまり湿っぽいのは苦手なので、分からなくはないのだが、程度の問題ね。
テロは悪だというのは全く否定しないけど、中東問題に関してはアメリカもたいがいだよな〜というのが根底にあるので、全面的に応援できない、ってのもあるわな。
この映画に限らず、つくづくソ連崩壊はハリウッドに打撃だったと思う。
同じ流れでも、悪役が爬虫類系のロシア人だったら、全然迫力が違ったよね。目は薄水色で髪はプラチナとか。
こちらがカラードのせいか、黒髪で黒目がちな中東勢は、暑苦しいけど非人間的な印象は薄くて、虐げられてキレちゃったかな、みたいな。
単純に、中東系の良い悪役俳優が少ない、というのもあるのかな?敵国がソ連のうちは普通に白人系俳優で賄えたワケで。悪役が小粒だと、活劇モノはつまらない。
ラストの娘の救出のくだりは、お金の掛け所ではあったが蛇足と言って問題無いと思う。
まあ好きな人は戦闘機が登場して嬉しいのかな?
あのケシカラン核爆発から夫婦のスパイ生活に飛んじゃった方がずっとスッキリするよ。
いかにも不器用そうなシュワがササッとハリアーに乗り込む所は面白い絵ズラではあったけど。でも戦闘機の機能はほぼ生かされてないし(笑)。
あ、ミサイルの使い方は笑った…しかしなんとも、はた迷惑な話ではある。
シュワとカーティスは意外とお似合い(こういう夫婦いそう)だし、前半の"スパイ詐欺"のくだりや、馬で追跡とかの軽い感じは楽しく見られたので、後半の「とにかく金はあるんや!壊すでぇ!」みたいなノリが本当に残念だ。
公開当時、そろそろ私的シュワちゃんブームは終焉かな…と、寂しく思ったものだったが、『タイタニック』果ては『アバター』の前兆として、キャメロン監督も終焉だったんだろうな、と、今になって思う。
…で、あれ、全員普通に被爆してるよね? |
トーク・トゥー・ハー
同じペドロ・アルモドバル監督の『オール・アバウト・マイ・マザー』というのが、結構気難しい感じの映画だったので、覚悟して観たんだけど。
思いの他、分かり易い内容でした。
単純で、純情で、悲しい映画。
ラテン系って、よく「明るい」って言われるけど、映画を観ると「そうかな!?」って思う。
光の強い所には影も濃い色を落とす、と言う事なのかもな。
イタリア映画はとっても哀愁があるし、こちらスペイン映画は、もう少し重厚で、いつも少しコワイ。(浮ついたアメリカ文化に慣れてる身としては、厳しさにびびってしまう事がたびたび。)
それでも、愛に対してマッスグで、掛け値無いものとして扱うあたり、やはりラテン系は恋に生きる人々なのだろう。あ、だからキビシイのか。
と、言う訳で、この『トーク・トゥー・ハー』は、強くて悲しい愛の物語だ。
純情って恐い、純粋って悲しい。
そしてまた、純情でばかりはいられない現実的な大人もまた、切ないのよ。
一見突飛に見える設定だが、バーチャルが横行する今の世の中を思えば、見過ごせない要素ではある。ましてや私はマンガなぞという不思議な仕事に携わる身。「一方通行の愛」は、他人事では全然ない。
不幸な事故で植物状態の女性を、愛し続け、献身的に世話を焼く男。
最初、友人からこの映画を薦められ、あらすじを説明された時は、「なんちゅー鬼畜な!」と呆れたものだったが。いや実際、事象としては酷い話なんだけど。
悲惨な結末の果てに見えるひとすじの光に、なんだか心暖まってしまう、これはこれで仕方無かったんだよなあ、と受け入れ体制になってしまう、愛があまりにもマッサラで、泣けてしまう。
作品の説得力の前には、既製の道徳心など色褪せて見える、こうでなくっちゃ、と思う。(だからって、良い子は真似をしないでね!)
劇中に派手な動きは殆ど無く、いわゆる「見せ場」になりそうなドラマティックなシーンはだいたい事後説明で済まされる。カメラが追うのは事件ではなく、それを受ける人の心。いい度胸だ。
物語の大半は会話でもって進められるから、脚本は丁寧できめ細かく、例えばラジオドラマでもそのままイケそうな造りだ。
でもこれは、映画。
植物状態の「眠り姫」アリシア(レオノール・ワトリング)の、圧倒的肉体!
女の私でも、と言うよりは、同性だからこそ、かも知れない、こんなにも美しい身体が、この世にあるのか。
起きている時の彼女は、まだ初々しく少女のような印象で、これはまた物凄く可愛らしく、さながら天使のよう。しかし寝ている(植物状態の)彼女は、グッと大人びて、女神のよう。
この寝姿を見るだけでも、映画1本観る価値はある、と思うくらいの迫力だ。
そして映画の、一番の説得力とは、こういう所にあるのだと思う。
地味な造りの映画だが、ゆるゆると手を引かれて、気が付けばとても深い所へ連れて行ってくれる。
そしてその深みから眺める景色は、意外にも広く暖かいのだ。 |
トータル・リコール(2012)
まあ、予想以上でも以下でもなかった(ただしその予想値はかなり低い)、なんのための企画だか良く分からないリメイク映画。
平たく言えば、『アンダーワールド』ごときが『ロボコップ』に対抗できるか、って話よね。監督的な意味で。
コリン・ファレルはお気に入りだけど、当時のシュワちゃんの「圧搾機使ってるだけで笑える」圧倒的存在感には比ぶべくもない。
当時ほぼ無名だったシャロン・ストーンと、B級手垢付きまくりのケイト・ベッキンセールも同様。
何より、どう考えてもCG技術は格段に進歩しているはずの22年間、確かにソツ無くCGを使ってはいるが、イマジネーションの部分が全然普通なので、ちっとも面白くない。
"スタイリッシュ"と、言うのだろうか。
どうしても旧作の異様な世界観を期待してしまって、あまりの平板さに辟易した。
ストーリーも妙に複雑なのか、なかなか頭に入って来ない…いや、退屈で気が散ってしまったせいかも。なんでなんとかフォールが支配の象徴なのか???分からず終い。
白い奴等の行進は『スター・ウォーズ』だし、空飛ぶ車は『フィフス・エレメント』、東洋的な街並みは『ブレードランナー』…どっかで見た景色を洗って薄めて切り貼りしたような画面が続く。
ガラスの通信システムとか、地球のコアを通過すると重力反転する"ホール"とか、顔が変わる首輪とか。SFらしい装置はあったんだけど…もしかしたら、いわゆる「SFファン」には楽しいのかも、とは思った。
昔胸ときめかせて読んだSF小説を、夢のCGで完全映像化、みたいな…あれ?これ他でも書いた表現だけど、どの映画だったか思い出せない。
そういう意味では、真面目で丁寧な造りではある、とは思う。
真面目と言えば、旧作のエッセンスをアチコチに登場させて(空港の太ったおばさんとか、乳3つとか)リスペクトを表しているのか、しかしこちらとしては旧作の匂いをそのたび思い出しては比べて「あーつまらん」と引き戻されてしまう。
印象的だった旧作のモチーフが、いちいち地味に補正されていてな。
これも好みの問題で、ヴァーホーベンのエグ味が苦手な人には見やすくなって良いのかもしれないが。
女性二人はどちらも申し分無く美人なんだが、印象が似すぎていて、旧作を見てなかったら混乱しそう。夢っぽさを狙ってわざとだろうか?監督の好みのタイプなのは分かるけど(笑)。
さらに、政府側のコーヘイゲンとレジスタンスのマサイアス(大好きなビル・ナイおじさまなのに!)もイメージが似通っていて、しかもマサイアス瞬殺だし。
処置前と後でコリン・ファレルの髪型が違うのは良かったな。
夢が現か、とか脳をいじる、とか、自分が誰だか分からない、とか。基本好きなんだけど。
なんだかスリルも混乱(←ココ大切だと思うの)も無く、印象的なシーンもこじゃれた台詞も魅力的なキャラクターも無く。
それもこれも旧作と比べてしまうから、と言う事は、旧作相当好きなんだな、私。 |
時をかける少女(原田知世版)
この映画に何らかの価値を認めるとすれば、エンディングで踊る岸部一徳さんのみだと断言しよう。
公開当時観た時は、タダのつまらない映画だと思ったが、30年経って見返してみると、なんとまあ。
主演二人の絶望的な大根演技と、わざとらしい台詞回し、臭い演出、やり過ぎで意味不明の画像いじり等々が相まって、世にも無残なモノに仕上がっている。
恐るべし、昭和のアイドル映画。
…これが1年前に『転校生』を撮り、2年後に『さびしんぼう』を撮った、同じ監督である。
上記のエンディングと、舞台設定を無理矢理情感溢れる尾道に持ち込んだ辺りが、大林監督のせめてもの良心、いや意地だろうか。
取りあえずラベンダーが欲しいなら夏の北海道へ行け!と言いたい。
なぜわざわざ、過去の人々の人生に入り込む、いや踏みにじる、と言っても過言では無いと思う。
本来ならキュンと来るはずの、消された記憶が匂い立つラストシーンも、吾郎ちゃんが可哀想で胸クソ悪い事この上ない。下手すぎて感情の全く伝わらない深町だから、尚のこと。
部分的に色を抜いた画像演出も、あまり功を奏しているとは言えず、むしろ煩いだけ。日本は映像後進国だったな、としみじみ思う。
原田知世って美しくないよね。
特に、繰り返される「はっ!夢?」と飛び起きるカットが恐ろしく不細工で悲しくなる。
しいて言えば"清純そう"なんだろうが、監督もカメラも寄ってたかって彼女を可愛く撮る事だけに血道を上げてる様が伝わって来て、ある意味切ない。
とは言え、30余年を経てもなお、その清純イメージを維持し続ける彼女はもはやアッパレ、ではあるのだが。
尾美としのりはサスガで、他の学芸会演技とは完全に一線を画している。
そして若かりし一徳様のハンサムっぷりが、予想以上で(笑)素敵。
内容はほぼ酷いが、「土曜日の、実験室ぅー」からムックリと起き上がるエンディングはぜひ、通しで観た上で堪能して欲しい。 |
時をかける少女(アニメ版)
そもそも私、少女が時をかける事に何のロマンも感じませんので(笑)。
80年代カドカワ映画も相当だったが、こちらのアニメ版もなんだかなぁ。
ほぼ「時をかける少女」と言われてたいがいの人がウッスラ想像するだろう事をちんまりまとめた印象。
ただ、主人公の"少女"が、おそらく一般が想像するのと若干違うかも。
一言で言ってしまえば、下品。そして、可愛くない。
いくら高校生とはいえ、あまりに軽率にタイムワープを繰り返すのには呆れた。怖くないの?普通じゃない、おかしいよ、この子。見ていて気分が悪くなった。
未来から来た「顔も悪くない」少年も、あまりの棒読みに耳を疑う事数回。
でも終盤、ミョーに貧乏臭い商店街の風景は、「こんな日常が愛おしい」と思わせるに充分だ、とは思った。
せっかくの特殊能力も、使う人間の品格によって使い道は変わる。
主人公がやった事と言えば、色恋沙汰だのその場その場のせこい利益だの、スケールの小ささがそのまま主人公の小ささだし、作品の小ささだと思う。
『バタフライ・エフェクト』でも観て、少し考え直してほしいわ。
スカートも短すぎるし、脚も細すぎて、オーバーアクトな動きも相まって気持ち悪かった。 |
ドク・ハリウッド
マイケル・J・フォックス、代表作がまごうかたなき傑作『バック・トゥー・ザ・フューチャー』だったせいか、チビだし顔立ちもそう整ってるワケじゃなし、なんてつい甘く見てしまいがちなんですが。
この人の、登場した瞬間に場を明るくする力と言うか存在感、凄いモノがあるよね。
冒頭、主人公のベンは、かなり感じの悪いヤツとして登場する。
周囲の冷ややかな対応にも無頓着、しかも救急医療という高邁な職場を棄てて、美容整形なぞに転職して金持ち相手にガッポリ稼ぐ、なんて口走ってる。
…でも大丈夫。マイケル・J・フォックスだから。このままヤな奴でいるはずがない、この安心感。
そしてストーリーは、皆が思った通りに人情と使命感と恋に向かって迷う事無く進んで行く。
正直、田舎町とはいえ正式な裁判で無茶な判決が下されたり、ヒロインがいきなりオールヌードで湖からズカズカ上がって来たり、二人で野ションしまくるとか(眩暈…)、かなり無理矢理な展開も多く意味不明だし、なるようになると思ったら本当にあまり工夫も無くそうなってしまうしで、忘れられない映画にはなりそうにないんだが。
大筋はともかく、田舎の人々はそれぞれ個性的で、その人々と触れあう様がユーモラスで飽きさせない。見くびっていた田舎医者に1本取られるシーンは爽快だった。
看護師の態度の変化や、お婆さん達の世間話、文盲の夫婦に読んであげる手紙から娯楽小説、等々が、楽しく心地良くベンを(=私達を)田舎町の一員に導いてくれる。
そういう意味では実は、恋愛パートはいらないくらい、どうでも良かったな。
ブリジット・フォンダが脇役で驚いたが、やはり存在感があった。そして重要な役回りでもあった。
ヒロイン役の女優さんは美人なんだが、いかんせん役柄に魅力が無くて(個性的にしようという努力は見えるが)残念。あまりハッピーエンドを祈る気持ちになれなかった。危機感が無かったせいもあるけど(笑)。
だってしょっぱな全裸で中盤オシッコだよ。しかもたまに真面目になれば「あなたはエリート、こんな所に留まる人じゃない」ですって。なんだよ普通の子じゃん。
ヒロインは好きになれなかったし、大筋はありきたりではあったけど、ディテールが上手いのとマイケル君の明るさで充分楽しめる映画ではあった。 |
時計じかけのオレンジ
すみません。
「キューブリック天才!」なぞと日頃ほざいておきながら、この代表作を観てませんでした、今まで。
噂には聞いてたし、そこかしこのシーンは目に入って来てはいたんだけど。
そして、これに影響されたであろう作品も、多分いっぱい見てるし。
でも、新鮮でした。
内容はさて置くとして(ひとまずね)まずは、画面のスタイリッシュぶりには参った。本当にかっこいい。
終始バカ騒ぎを演じる人々を捉えた画面が、宗教絵画みたいに静寂で清浄。加えて60年代的サイケデリックと古典的クラシカルなファッションやインテリアのぶつかり合い。
そしてそして、音楽!
主人公の悪ガキが「ルードヴィッヒ」に心酔している、という設定もイカシていて、ベートーベンの畳み掛けるような旋律がストーリーの重要な小道具にもなり、何よりシュールな画面とのコントラストに酔っぱらってしまう。
酔うと言えば、悪ガキ共は寄り集まってミルクを飲んでいるんだよね。
内容については、反発した人々にさんざイヤがらせを受けたりして、イギリスでは長い事公開できなかったとか(公開中止は1974年、正式公開は2000年)
…まあ、この映画自体が、イヤがらせみたいなモンですから(笑)お互い様って言えばそうかもな。
公開されてしまったら、残念ながら観客を選ぶ事はできないから、テーマやメッセージに関係無く刺激的な場面に悪影響を被るおバカちゃんもいるでしょう。
そりゃあ刺激的だもの、クレイジーだもの。
でも、枝葉末節にとらわれず最後まで観れば、この映画が暴力賛歌ではない事くらい分かりますね。ちゃんと因果応報もあり、さらにその先の悪も見える。
そういう点、クレイジーだけど理不尽ではない。
野放図に見えて物凄く緻密だし。好きだー。
あの不良グループの制服?は「バカボンのパパ」みたいで笑ったけどな。 |
閉ざされた森
序盤は一気に引き込まれる。
いわゆる『藪の中』状態で進む、味方同士の撃ち合いと消えた兵士達の行方。
相変わらず一見して怪しいトラボルタはハマり役で、正体不明の男を熱演。
審問官役のコニー・ニールセンもとても美人で良かった。と、思ったら『グラディエーター』の美人か。あの時はリズ・テイラー似と思ったけど今回はシャーリーズ・セロンに近かった…いずれにせよ恐ろしく美人ね。
残念だったのは、真犯人と言うかラスボスと言うか、彼が最初から怪しげに見えてしまった事かな。
もっとイイ奴そうに出て来た方が盛り上がったのでは???
医者の嫌味さとか、上官の乱暴さも良かった。
…でも、終わってしまえば「なにこの茶番…」という、そういう話だったんだけど。
前半が良かった分、結末はちょっと肩すかしをくらった感もあるが、それでも展開は面白かった。
サミュエルジャクソンのクレイジーな教官ぶりが凄い。
コレも、終わってしまえばドコまでがどうなのか、という話ではあるが、独特の顔と相まって迫力があった。
殆ど茶番だった事を思うとガッカリではあるが、尋問のやり取りも面白く、野球やドーナツ、「恫喝と共感」の件とか、かなり一所懸命見てしまった。
ゲイの将軍子息は、結局自業自得だったとはいえ、ちょっと気の毒でした。なんか色々と屈折した、辛い人生だったよねぇ。
憎たらしくイヤらしい芝居がとても良かった。吐血シーンもショッキング。
でもなぁ。
やっぱり、こねくり過ぎたプロットで興醒めと言うか、あまりに猿芝居が過ぎて、今までの事は何だったの…と、いう感が拭えない。
藪の中で始まって、ああやっぱりアメリカ映画、で終わってしまった。
思わせぶりな『8』なんても、終わってみれば「だからどうした」のヒネリの無さで。
原作があるみたいなので、あるいは小説だったらもう少し受け容れやすかったかもしれない。
中盤までがとても面白かったし、ヒロインが本当に美人で熱演だったので、あのヌルいラストが残念だ。 |
トスカーナの休日
ダイアン・レインと言えば、ちょっとしたアイドルだった。久々に見たら、すっかりしっかり「フツーのオバサン」になっていた。
フツーと言うにはちょっと綺麗だし、ちょっとケンがある目元は『ストリート・オブ・ファイヤー』を思い出させるけれど、青春は遠くなりにけり。
でも、このおばさんぶりは悪くない。ナチュラルだし、まだまだ「オンナ」ではあるし。ちょっとカリカリした表情や、相変わらずドタドタした動きも、この役には合っていて親近感が持てた。おまけに笑うと、けっこう可愛かったりしてね。
一応クライマックス?に当たる白いドレス姿は、サスガ!だった。
他の出演者、特にイタリア勢も、とてもいい。あ、ポーランドの出稼ぎさん達も。
不動産屋の女性が素晴らしい美人で、こりゃあアメリカじゃあお目にかかれない(だろう)タイプだな、と思うし、イタリア男は口がうまくて陽気でハンサム…というパターンを絵に描いたようなのが2人も登場するかと思えば、シャイで誠実な男性(ちょっとサエないけど・笑)も一応出て来たりして。娘に激ラブな親父とか、情熱的な小娘、飄々と壁のマリア像に花を供え続ける爺さん。出稼ぎ3人組もそれぞれで、最後には皆仲良くなって、そこそこ感動的。
アメリカ勢は、ちょっとなあ、でした。
レズのカップルのエピソードとか、酷評を恨んで夫の浮気をバラす小説家とか(一応複線?しょーもない複線)、ちょっと鬱陶しかった。
まあ、そんなアメリカだからイヤ気がさして、イタリアに家を買った、って話なのかも知れないが、蛇足に思えました。
でも、正直言って、キャストは風景の一部、といった内容だったと思う。
イタリア、それも南イタリアって、本当に欧米人の憧れのパラダイスなんだね。
私もとても心惹かれる物があって、楽しめた。
笑っちゃうくらいアタリマエに美しい景色。ボロボロだけど趣豊かな家。美味しそうで、見るからに元気が出る料理の数々。生き生きした人々、おびただしい植物、市場や町並みの、ウキウキした気分。
いながらにして楽しめる、南イタリア小旅行、っていう意味では、『火曜サスペンス温泉編』に近い物があるかも。
で、もっといい気持ちになりたくて、原作を読んでみた。
おー、なーるほど。良く分かった。
原作は殆どストーリーの無い日常的なエッセイで、イタリア生活の魅力がてんこ盛り。それを、多分「映画にするには盛り上がりが必要」とか言って、無理矢理しょーもない(いかにもアメリカ的な)ストーリーをこじつけて、原作のエピソードを解体して組み込んだ、という結果だったのね。
そんな姑息な事をしなくても…と、思うのだけれど。 |
ドックヴィル
不思議な画面に、まず「おや?」と思う。
物語りの舞台は小さな村なんだが、実際の映画のセットは床にチョークで区切り線が引いてあるだけ。
舞台中継ですかい?なんて、最初は思ったが、なかなか雰囲気があって、良かった。
ニコール・キッドマン、初めてキレイだと思ったな(何本も観てるんだけど…)。
この美しい謎の女・グレースが、突然田舎町に現われて、物語りは始まる。
『ダンサー イン ザ ダーク』の監督と聞いて、ちょっと構えて観ていたんだけど、分かり易くて面白かった。
あまり大きな声では言いたくないが(笑)、一応カタルシスのよーなモノもあったし(やばいかも)。
『ダンサー…』は、可哀想な女がひたすらイジメ抜かれて終わりだったからなあ。
こちらも、いい人かと思ったら悪い所がドンドン出て来て、そういう意味ではイヤな話なんだけど。
細かい事を言えばきりがないけれど、おおむねこんなカンジかもなあ、という気が、私はする。
善良に見える人も、機会さえ与えられれば暴君になる、少なくとも多くの人は、その可能性を抱えながら、機会を(幸運にも)与えられる事無く善良の範疇にとどまったまま人生を終えて行くのかな、というような。
村人達は、それぞれはそんなに悪党では決して無く、ただ平凡で、貧しく、弱く、志が低いだけ。そして、とても閉鎖的で不自由な生活に甘んじている。
それだけなら通常、罪に問われはしないが、悪い物が育つ土壌としては最適だ。
グレースという格好の存在の登場は、溜ったまま朽ち果てるはずだったそういう汚い物が吹き出す穴を開けてしまった。
最初親切だった人々が掌を返しながらする偽善的な言い訳は、本当にムカつくけれどありがちで、貧しく不自由な人間が、どうやって自分を誤魔化して生きて行くかが分かり易く表現されていて面白い。
ストーリーの大筋は、なんとなく予想がついてしまったが、この予想は裏切られる事無く実行されて良かった、と私は思った。
いやな話だが、グレースの最終決断にはついつい拍手を送りたくなる。特に子供の扱いについては、そう来なくっちゃ!である。
彼女にひどい事を、しかもアカラサマにしたのは子供も変わり無いし、あの母親もサイテーだからね。
あ、赤ん坊もいたか、まあ、細かい事はいいやね。
グレースが神でないのはもちろんで、そういう意味で彼女もまた正義ではないのは無論だが。
だってスッキリしちゃったんだもん、あの場はね。 |
トップガン
監督した間抜けは誰かと思ったら大好きなトニー・スコットだったでござる(笑)。
トム・クルーズは嫌いじゃないんだが、夢中になる程の引力は感じない。
この映画って基本、キムタク主演ドラマと同じで「トムが世界最強にかっこいい」という概念を受け入れられないと成り立たないんだと思う。
そして私はどうしても、そうは思えない。
特にこの映画は、他の"トップガン"メンバーが揃って長身マッチョな男前で、トム君一人が小さくて軟弱に見えて哀れを誘ったわ。
公開当時も思ったが、とにかくストーリーが安っぽく平板でつまらない。
特に恋愛パートは情けなく、あんな大人のイイ女でキャリアもあるケリー・マクギリスが、どうしてあの軽薄で傲慢なチビの若造と恋に落ちるのか。
『刑事ジョン・ブック』を観た後なので、ハリソン・フォードを袖にしてアレクサンダー・ゴドノフと結ばれた彼女が、何故!?てな理不尽さに憤ったものでした。
メグ・ライアンがチョイ役で出てて、あら可愛らしい。
可愛かったよねぇ、やっぱり。脇役だけどちゃんと見せ場ももらってて、とても良かった。可愛かった。
あとティム・ロビンスも出てたのね。
後の出世を知るからかもしれないが、台頭して来る人はやはり魅力的。
この映画、流行ったよね…単純なヒット作ではなくて、流行になった。
まあそういうモンにはたいがい乗れない私なので驚きはしないが、本当に良さが分からなくて不思議。
ダサいアダ名で呼び合って、目を覆いたくなるナンパで美人教官のハートを射止め、戦争でもないのに敵機落として英雄に。なお本格開戦の引き金にはならなかった模様。
1986年、見知った顔が皆若く可愛くて、当時の撮影技術としては戦闘機の飛行をあそこまで見せてくれた事は注目に値するのかもしれないが、そもそもメカ好きでもないしなぁ。 |
となりのトトロ
ジブリにしては珍しく、と言うか、私規準では奇跡的に、不快感の少ない希有な作品。
嫌味が無い分、内容も薄いんだが。
「トットロ〜トト〜ロ〜♪」のテーマ曲もキャッチーで(後のポニョ程しつこくないし)クセになるし、緑溢れる田舎の景色や古い日本家屋も目に優しい。
声の吹き替えも、いつもジブリは「どうなの?」というのが多いが、糸井重里のお父さんは良かった。
素人らしく棒読み気味だが、聞き取りやすい良い声で、現実にいそうな存在感があり、私のジブリ声優ランキングでは一位。
メイ(英語)とサツキ(陰暦)なんだよね、この姉妹。5月に何か意味があるのか…???
まあ、両方とも可愛い名前だからいいけど。
この姉妹の事情はもっと重いけど、夏休みに田舎へ行った時の感覚が甦る人も多いんじゃないだろうか。
私はメイくらいの頃、一年間だけ田舎暮らしをした事があり、田んぼのレンゲを摘んだ楽しさや、屋根裏部屋や物置小屋を「探検」したワクワク感とかを思い出した。
実はその転居の理由が、この姉妹とちょっと似てて、つい真剣に見てしまう部分もあるのかも。
そういう"心の原風景"みたいなのを突いて来るあたり、狡いという気もするけれど、今回はまんまと乗せられても悔しくない、それくらい、内容が薄い(笑)。
いつも鼻に付く偏った思想性だとか、歪んだ女性観とかが気にならず(子供と病人と婆さんだからな…)、わざとらしい過剰なクライマックスも無く…盛り上がりもせず。
メイはともかく、サツキはもう小学生も高学年のようなのに、ネコバスに乗るか???トトロだってデカくて得体が知れなくて、もうちょっと警戒しないもの?普段はシッカリ者なのに。
三鷹の森のジブリ美術館では、大人はネコバスに乗せてもらえない事をまことに残念に思った私だが、夜の田舎道であんなモノに遭遇したら、脱兎のごとく逃げ出すか、もしくは腰を抜かしてへたり込むか…小学生だったら、とりあえず泣く、かな。
まあファンタジーだからと言われれば、そうなんだけど。サツキはそういう話には、大人っぽすぎる。
それでも、夜の道を疾走するネコバスの躍動感とか、まっくろくろすけの存在とか、木がドンドン伸びるシーンなんかは、アニメらしい楽しさがあるのは分かる。
昔の田舎の、昼間の眩しさと、夜の暗さの対比も秀逸。日本家屋のそこかしこに"闇"がある、という部分もいいな。
かのPixreの傑作にもゲスト出演したトトロは…特に大トトロは…不気味、だよね?
まあ、そんな可愛くないモノを愛でる、という感覚は、嫌いじゃないけど。なんなんだアイツらは。
最初に見た時、お母さんは死んでしまうんじゃないか、その不幸を薄めると言うか紛らわすために、色々と(もしかすると姉妹の脳内に)出て来てくれたのか、なんて深読みしたんだけど、あまり悲しいえげつない展開にならず良かったです。
宮崎駿のストーリー造りがどうにも好きになれない私にとって、あまり話を(ドラマチックに)作ろうとしてない感じの本作は見やすいし、不快感無く観られるのもそのせいだと思う。
それでも、幼い時期に母親と別れての生活って、辛いよね。シッカリ者のお姉ちゃんのサツキは、本当に気を張っていたのだろうし、まだ本当に小さいメイに至っては、チックが出てもおかしくないストレス状態だったはず。(だから泣き喚く声がうるさすぎるとか、ダダこねる時間が長過ぎる、なんて事で嫌う気にはなれない…うるさかったけど)
てな事を考えると、ちょいといじらしくもなり、トトロやネコバスも、そういうのを嗅ぎ付けて姿を現したのかも、などと、やっぱり理屈っぽく考えてしまう私なのであった。 |
隣のヒットマン
面白くない事は無いんだが…狙い過ぎ?捻り過ぎ?
トボケたキャラクター達、軽妙洒脱な台詞のやり取り、敵か味方か二転三転のストーリ−。
そこそこに笑いを散りばめて、色んなアイディアが詰まってる。
その上ブルース・ウィリスはホンモノのヒットマンっぽいし、マイケル・クラーク・ダンカンは怖いし、いいと思うんだけど。
なんか最終的に、笑えないでしょ、コレ。
と、思ってしまった。
一応コメディの体裁だと思うし、主演のマシュー・ペリーやロザンナ・アークエットの芝居はどう見てもお笑い狙い。でも気楽に笑って見るにはちょっと、私は引っかかってしまう。
そんなに悪くない人まで殺して見せられちゃうからかなぁ。後味がイマイチ。
特に最後の舟のシーンはね、予想できるだけに、もう一工夫欲しかった。
でも、殺し屋さん達の、人当たりが良く人情も矜持もそれなりにあってイイ奴なんだけど、人の命に関してどうにも感覚がズレてる、って感じの描写は面白くて、案外リアルなんじゃないかと思った。いや殺し屋の知り合いなんていないから分からないんだけどさ(笑)。
「大切なのは、生きてる人間とどう付き合うかだ」なんてカッコイイ台詞も出る事だし。
殆ど冒頭で、歯科助手のジルが「殺しを頼むなら目の前に適任者が」とサラリと言ったりしてて、そういう作りはとても好みなんだけどね。
ジミーがチューリップを手渡そうとする所とか、投げた缶ビールを完全スルーとかも、好き。
いえ、全体的に、けっこう好みのタイプの映画なだけに、あちこち残念で。
と、思ったら、『いとこのビニー』の監督!あれは面白かった。…それを思えば確かに、色々とこだわりのある造りになってるのは分かる、けど、今回は空振りも多い気がする。
マシューさんがイマイチ好みじゃないせいかもしれん。
悪妻のアークエット、ヒットマンマニアのアマンダ・ピート、恋のお相手のナターシャ・ヘンストリッジと、女性陣はそれぞれ華やかでキャラ立っててとても良かったし、ブルースもダンカンも安定の怖かっこ良さだったし。
難しいと言えば難しい役ではある、ド素人の一般人がプロと渡り合う決意を固める所とか、一目惚れから危険な恋へ踏み出す、共犯を買って出る、怯える、突っ張る、頭抱える、燃える、頑張る。
すごいイイ奴だしかっこいいはずなんだけどなぁ。印象としては、そうでもなかった。
続編もあるようだけど、うーん。どうなんでしょ。 |
ドミノ
つ、疲れた…。
全編渡ってストップモーション、スローモーション、早送り、チラチラ画像、カメラブレブレ。
まさかトニースコット?と思ったら本当にそうだった。
"トニースコット"という概念を最悪にパロディ化したような仕上がりで頭を抱えてしまったわ。
けっこう好きなのにトニー。これは受け付けないわ。公開当時のポスターの、ショートカットに鋭い瞳のキーラ・ナイトレイがチャーミングで目を奪われたんだが、劇場に行かなくて正解でした。
あのチラチラ画像を大画面で120分見せられたら確実に吐いてた(笑)。
キーラ・ナイトレイ、ミッキー・ローク、ルーシー・リュー、クリストファー・ウォーケンにジャクリーン・ビセットまで!
豪華キャストだし、それぞれがなかなか好演なのに、何とももったいない。
"チョコ"エドガー・ラミレスもイケメンで魅力的だったのに。
『ビバリーヒルズ高校白書』が出た時だけちょっとテンション上がった(スティーブじゃん!)けど、そうか実話だったのね一応。
実話(という建前)だから余計そうなのか、この"ドミノ"っていう娘の気持ちが全く分からない。
チームは皆魅力的な容姿・設定なのに、誰一人として思い入れできない…これを平たく言うと、「つまらない」と、なる。
"現実"には理由や原因の分からない事なんていっぱいあって(むしろその方が多い)分からない、分析できないからと言ってその人が存在しない事にはならないけど、ドラマの中では(例えフィクションでもノンフィクションであっても)「なんで?」と思ったまま終わってしまったのではキャラクターとは言えないと思う。
ドミノがなぜあんな仕事に就いたか、なぜいつも不貞腐れているのか、全く心を寄せる術が無い。
…って言うかもう、本当、目が疲れて耐えられなかった。
それに尽きるのかも。
それと、個人的には残虐シーンとか、特別苦手ではないと思う(好きでもないけど)が、腕切り落として云々という辺りは本当に不快感で一杯だった。しかもあの腕の落とし方…せめてスッパリ切り落としてやれや…あんな状態で転がして放置されて、生きてるモンなのか???意識もシッカリして喋ってるし。
ホントああいうのダメ。
見晴らし抜群の荒野でおっぱじめるSEXシーンもげんなり。ただただキモかった。
普通に撮る、という事がどういう事なのかよく分からないけど、こうじゃない事だけは確か。
頼むからもっと押さえて。普通でいいじゃん。
才能に自信が無かったのかな…普通にしてても才能は光るものだったのに(泣)。 |
ドメスティック・フィアー 2/1
えーと…てっきり古い映画のリメイク版だと思ったんだけど、そういうワケでもないのかな?
だって、あまりにも古臭い。
それとも舞台設定が60年代くらいとか…と思ったけど、特にそういう描写も無かったような。
つまらなくはないんだが、21世紀の新作でコレはないでしょ、っていう点がチラホラ。
もしかしたら、思い切り少年目線にしてしまったら見易かったのかも。
いくら素行に問題アリの12歳とは言っても、警察がここまでいい加減か?(時々そういう杜撰な捜査のニュースは聞くけど…)そこまで死体が跡形もなく燃えるか?(ターミネーターみたいに溶鉱炉とかならまだしも)そしてお金持ってるからというだけで、あの継父がそんなに急激に町中の信頼を集められるものか???
色々とユル過ぎて、せっかくのサスペンスもハラハラできずに終わってしまった。
しかも、2001年公開というのに、トラボルタもブシェミも普通。
だって『ブロークン・アロー』『フェイス/オフ』以後のトラボルタに、『コン・エアー』『ファーゴ』以後のブシェミだよ!?
無駄遣い感ハンパない。
要となる継父のヴィンス・ヴォーンにしても、妙にクラシカルな容貌で、分かりやすく嫌な奴で、本当に昔のTVシリーズの悪役みたいだった。
プロットはなかなか面白くなりそうだったし、トラボルタ演じるフランクがお金にならない木造のボートにこだわったり、お酒のせいで家族崩壊させたりと、せっかくの材料を用意しながら、例えば木製のボートを生かした謎解きとか、そういう事も全く無くて物足りなかった。
あの母親もねぇ…息子が嫌がってるのに結婚強行するし、ウカウカ妊娠しちゃうし、息子の深刻な目撃談を全く聞く耳持たないし。色ボケもたいがいにしなさいと言うね…しかも、おそらく最後の暴行で妊娠した子供は流産したようで、そのご都合ぶりってどうなのよ!?せめて十字架背負って生きろやボケ。
彼女は凄い美人のテリー・ポロだから見逃しそうになるが、あんな大きな反抗的な息子のいるコブ付き女と、あの悪党が結婚するか?というのも疑問。
まあ本気で愛していたようではあったけど、街の人気者で大金持ちで、そこ行く?とね。
こうなると、ボートハウスの火事のニュースの後に新しい夫が火傷を負ってるのを見て、全てを察して行動に出る素早さも、なんだか違和感。
そんな察しの良い女だっけ?
日本と違って戸籍制度も無いアメリカでは事情が違うし感覚も違うんだろうな、とは思うのだが。
しかし逆に、ネットで前科者の顔は閲覧できちゃったりもするんだよね。
アメリカ人って調べもせずに他所から来たばかりの相手と結婚しちゃうものなのかしらね…しかも、子連れの離婚経験者が。
子供も実父も母親も、絶対殺さないだろうと思って見てたし、本当にハラハラしない映画だったわ…。
そういえばあの子、ダニー少年。
『スパイキッズ』のイケメン君だったね! |
ドラキュラ(コッポラ版)
私のとっても相性の悪いコッポラさんだし、デクノボウのキアヌだし。
粗探しになりそうであまり気は進まないが、"ドラキュラ"となると見過ごせないと言うか。
マニアという程ではないけれど、何となく興味はあるのよ、吸血鬼がどのように描かれるか。
…結果。予想以上におポンチ映画でした(笑)。
まずドラキュラが、ちーともセクシーじゃない!!!
ゲイリー・オールドマンが良い役者なのは分かるけど、やはり吸血鬼はダンディでエレガントで美貌の男性を希望したい。
そういう女性一般が心惹かれるような男が化け物だったり凶暴だったりするから楽しいのに。
『インタビュー・ウィズ・バンパイア』はともかく、『ヴァンヘルシング』とか、『フライトナイト』も良かったなぁ。
冒頭の無駄に濃厚なキスシーンで、すでにドン引き。
キスシーンと言えば終盤の結婚式のキスも無駄に濃厚でな。しかも花嫁は他の男に心奪われているというのに。
吸血鬼の被害者になるルーシーお嬢様の"病状"も、アカラサマ過ぎて鼻白んだ。せっかくの美人さんだったのに。
吸血鬼モノに性的な匂いが立つのは当然なんだが、何と言うかコッポラさんて、性的な表現がとっても下品なんだね。あ、コレ親子揃ってだわ(笑)。
キアヌは意外と良かった。デクノボウっぷりが役に合ってたし、思ったより出番も少ないので良い役割配分になってた。この頃('92)の見た目はナカナカ麗しいし。
ウィノナ・ライダーは、すでにギスギスが目立ってて、"運命の女性"と言うにはちょっと…目が強過ぎるし顔が怖い。エキセントリックな役だと魅力的な女優さんだったけど、この手のヒロイン然とした女性はイマイチだ。
揺れ動き翻弄されるのが似合わないので、なに考えてんじゃこの女、って印象になってしまう。
そして意外な豪華キャスト、ヴァンヘルシング博士のホプキンス。正直生彩が無く、無駄遣いだったかなー。普通。
最初から最後まで引いた目線で見てしまったせいか、各所がギャグにしか見えなくて弱ってしまった。
(キアヌ)がベッドで女吸血鬼に襲われるトコも、ミナが伯爵に心惹かれるトコも、ジェーンの色狂いっぷりも、偉そうに出て来てモタモタしてばかりのヘルシングさん(夜行性の吸血鬼をわざわざ夜に襲いに行く博士vs.夜なのに棺桶で寝てるドラキュラ…)も、ドラキュラの死に顔も、全部いちいちアホっぽくて失笑してしまった。狙ってる?狙ってるの???
一つ褒めるなら、衣装が綺麗だった事くらいかな。
ところでルーシー役のサディ・フロストって、ゲイリー・ケンプとジュード・ロウの元妻ですって…美男キラー! |
ドラゴンハート
ドラゴン召喚して何するかと思いきや、百姓一揆………まあ、いいんですけどね。
なんかボンヤリ観てしまったけど、実は1996年公開。良く考えたらコレって凄くない!?
ドラゴン良かったよ。すっかりCG慣れした目には驚きも無くて残念だけど、当時としては凄い事。演出なのか技術なのか、重量感のある素敵なドラゴン。
むしろ、CGをドラゴンのみに絞り込んで、他はかなり古典的な造りにしてある分見易いしリアル感があって、しかも唯一のCGが浮いてない。
昨今のCGてんこ盛り映画なんかより、全然見応えある画面だった。
時代背景もいいのかな?夜は漆黒、森は薄暗く、建物内もそこここに闇が潜む、中世。
しかも声を当ててるのがショーン・コネリーと来たモンだ。
性格は思慮深く勇敢で、ユーモアのセンスもあり、神を畏れる知性派で、優しく友情に厚い。つまりオットコマエなドラゴンね。
姿形は、もう少し美的な方が私好みだけど、それにしてもこのドラゴンの造形とキャラクターだけでも、観る価値は充分あった。公開当時に観ておくんだった…!
で、ねぇ。
人間チームがね(笑)。
主人公(はドラゴンだけど)の騎士がデニス・クエイドですって。なんじゃこのジャガイモみたいな騎士は。
『オーロラの彼方へ』なんか素敵だったんだけどなぁ。騎士のイメージじゃないのよね。ココがとにかく残念。
そして仇役のアイノン王も、こういう役こそ美形を用意していただきたいところ。
まあセコくて神経質な感じは良く出ていたんだけど、うーん、やっぱりファンタジーは絵的に楽しくないと、ホラ。
ヒロインも美人でなくはないが地味だし、女王は綺麗だったけど、全体に地味だよね、人間パート。
あとドラゴン、『エルマーと竜』とは言わないが(笑)できればグリーンにして欲しかった。でなければ、もう少し赤味を強くするとか、うん、なんか地味。
ストーリーは単純だけど、王子があまりにゲスだったり、騎士が途中で日和っちゃったりと、色々楽しかった。なによりドラゴンの人格(竜格?)が素敵。ユーモアもソコソコ、格闘場面も豪華。
そして「ドラゴンの心臓を分け与える」=「命を分かち合う」という設定、さらにその心臓の持ち主が悪逆非道だったという展開は、いかにもファンタジックで胸躍るものがある。
…でもラストは、他に何とかならなかったの???と、ハッピーエンド好きの私は思ってしまうワケですが。
どこかに逃げ場を用意して、「今日もどこかでドラゴンが…」という希望を残して欲しかったな。 |
ドラゴン/ブルース・リー物語
何の予備知識も無く、「あ、ブルース・リーの映画?」と思って観たら、リーが出てるワケじゃなくて伝記映画だった…。
若くして亡くなった事、奥さんが金髪美人だった事、実際にカンフーの達人だったらしい事くらいしか知らなかったブルース・リーだけど、映画を観ても「ほほー!そうだったんだ!」というような驚きは全然無かったな。
しいて言えば、奥さんとの馴れ初めが学生時代だった、って事くらいか。今よりずっと差別は露骨だったろうし、大変だったでしょうね。
主演、つまりブルース・リー役のジェイソン・スコット・リーがね。
どうにもしまらない。
顔立ちも薄ボンヤリしてるし、体付きもリーとは全然タイプの違う、マシンで作りましたみたいなユルイ筋肉で。
好みとは言えないけど、ブルース・リーってやっぱりハンサムだったのね。再認識。
ストーリーも実話ベースとはいえ、なんとも冗長で退屈だった。
けっこう波乱の人生なのに、面白くなりそうな所をいちいちボカして撮ってる印象で。
特にラストは「謎の死」と言われているから仕方無いにしても、あまりにあっけなかった。「時間来たから撤収ね〜」みたいな。
息子のエピソードは可哀想だったけど、印象に残ったのはそれくらいかな。
「悪魔に見付かる」というのが冒頭から繋がるテーマになってると思うんだけど(その発想は悪くないと思う)それもなんだか消化不良。リーの人生の結末は、おそらくこの映画を観る人は皆知っているんだろうから、もっと大仰に盛り上げてくれたらいいのに。
遺族への配慮とか、映画会社の権利の問題とか、きっと色々あったんだとは思うけど、ブルース・リーという希有なスターの伝記物語としては、あまりに盛り上がらなかった。残念。 |
トランジット
劇場未公開という事で、期待も無く何気なくTV放映で観てみたが、おや、ナカナカ。
深いモノは何も無いし、終わって残るモノも無いけど、観ている間はハラハラドキドキできる、アイディアをいっぱい詰め込んで真面目に形にしている姿勢が清々しい。
主役の4人家族、悪役の4人組共に、地味な顔ぶれで、これで楽しくなるのかな〜と最初は思ったが、杞憂だった。
こう言っては元も子もないが、この手のエンタメ(B級)映画で小さな子供がいる家族が出て来れば、全員生還はほぼ確実だし、特に子供達に深刻な被害が及ぶ展開は、まず皆無と見て良い。その分ハラハラ感は削がれるが、反面安心して楽しめる、というのもアリではある。
家族の抱える「事情」も、一ひねりあって面白い。尊敬と信頼を(無理も無い理由で)失墜した父親と、夫を父を信用できずに苛立つ妻と兄、まだ幼くパパが恋しい弟。
悪役の方も、どうにもこうにも憎たらしいボスと意外に健気な愛人@ナイスボディ、口うるさく凶暴だが逃亡の手立てを握る黒人と、容姿のみならず内容も比較的マトモなイケメン、と、それぞれ色分けがクッキリしていて分かり易く、安心してアクションに集中できた。
これでもかと繰り出されるカーチェイス及び格闘シーンは、2012年とは思えない手作り感と臨場感。低予算が幸いしたとも言えるが(笑)私はこういう映画が好きだ。盛り込みすぎで時々ワケが分からなかったけど。
分かり易く迫力はあるがありきたりの展開と思いきや、終盤の愛人の扱いやイケメンの行動には目が覚める思いがした。
あんな場面でも息子に銃を触らせない母親も素敵、と言うかあんな銃器をいきなりガンガン操ってしまうとかアメリカって凄い(笑)いやむしろママ最強過ぎだから。
警官や警備員の無能さへのはがゆさや、次々降りかかる災難、合間に揺れては深まる家族の絆と、小振りではあるが冒険活劇のお手本のような秀作でありました。 |
トランスフォーマー
子供向け、と割り切ってしまえば、まあ腹も立つまい。
という程度かなー。
一応「ロボット萌え」を自称したりしているが(誰も知らない無駄情報)、違うの、こういうんじゃなくて。
この世界に詳しい友達かなんかと一緒にワイワイ言いながら見たら、きっと退屈しなかったのかも。
オモチャ(トランスフォームな人達ね)のデザインといい、主人公の少年のダサさといい、設定の嘘臭さといい……魅力を感じない。
アクションもあーCGだねーと言う以外何もコメントしようがないな。
話の大筋はまあ、王道の勧善懲悪ストーリーで、安心して見ていられたんだけど。
それでも、多分最大の"売り"であろう、車がロボに変形する辺りの映像は楽しく見させてもらった。
「ペットにしてやる」とかの台詞も所々面白かったし。
黒髪に青い瞳の実はメカオタクなヒロインは、美人で有能で良かった。
口うるさい両親の表現や、それを「殺しますか?」「ダメダメ−!」とかのやり取りも、子供向けに徹してそれなりに良かったと思う。
中古屋で買ったポンコツ車が実は…!というのも、ワクワクの設定だし、ダサいオタク少年が世界を救い美女のハートをゲット、というのはもう、少年(男性)の夢なんでしょう。
何となくノンビリした全体の印象と共に、嫌いじゃないのよ、別に。
ただ私が大人で、オタク少年には乗り切れない、という点がすでに、残念。
しかしシャイア・ラブーフって、本当にどこがいいんでしょうか。
魅力が全く分からないわ。 |
トランスフォーマー/リベンジ
えっなんか内容難しいんですけど…全然頭に入って来ない。
前作はまだまとまってたけど、こちらは話が大きくなった分わかりにくい、加えて前作もたいして印象に残らなかったので誰が何やら状態だし、そもそもメカ音痴なので個体識別ができず話に着いて行けない。
そして相変わらずシャイア・ラブーフに何の魅力も感じない(←ココ重要)。
せっかく魅惑的な美人さんが出て来たと思えばすぐ凄い事になって退場してそれっきりだし。
"彼女"ミカエラちゃんは相変わらず可愛くて勇敢で好きだけど、二人の恋愛模様には全くキュンキュンしない、どっちが先に「愛してる」言おうがどーでもよろし。
なぜ決戦の場に両親が揃って登場するのか?
しかも両親は追い払ったのに彼女は一緒に連れてくって何やねん?何か彼女役に立ったっけ???
サム君がやられてから駆け寄ったらいいのでは?
いやむしろ彼女に役立って欲しかったんですけどね。いるだけじゃね。
あの小さい偵察ロボみたいなのは可愛かったな。
ミカエラに捕まって犬みたいに懐いてしまうヤツ。
でもそこからあまり、話が膨らまないんだよね…。
メカ音痴の私でも、車や航空機がロボットに変形するCGは見応えがあり、メカ好きな人にはたまらんだろうな、くらいの想像は付くのだが(と言うかソレが売りなんでしょうが)。
ピラミッドが崩れて中から悪者が出て来るとかも絵的にはワクワクした。
途中からもう設定もストーリーも追うのは諦めて、そういう絵だけを見ていた。
正解だった気がする。 |
トランスポーター
ハゲでマッチョでオトコマエのジェイソン・ステイサム。
なんか、ものすごいイイ体してます。
殆ど見所はそれだけの映画だが(笑)。
いえね。アクションだって凄いのよ。
破裂したり燃えたり走ったり潜ったり、そりゃあもう。殴る蹴るのがあのイイ体だからダメージ大きそうだし。
終いにゃローションプロレス始まっちゃうし(笑)。
…でも全然、乗れなくて、(主演男優けっこう好みなのに…)不思議な程。
だってヘタレなんだもん、あの運び屋さん。
アレコレとご大層な「ルール」を並べて、かっこつけて登場して、すぐルール破るし。ドンドンなし崩しに破るし。口ばっかりですわ。かっこわるー。
男性にとっては、可愛い女の子の匂いがすればルールなんてどうでも良くなっちゃうのかも知れないが。
引き引き。
あの女の子もなんだかなぁ。
勝手に押し倒しておいて、恩着せがましいから凄い。
そもそもなんでトランクに詰められて運び屋に運ばれたのか、分かんないし。
ところで、パパの頭。あれ、ヅ○だよね?
見終わって何も残らない騒がしいだけの映画、と書こうと思ったけど、男性の頭髪については色々考えさせられる一本でした。 |
トレマーズ
全然予備知識ナシに、ビデオのパッケージが可愛かったのと、好きなケヴィン・ベーコンが出てるし、と思って見てみたら、おもしろい!!!
長髪カウボーイ姿のケヴィンも期待通りにチャーミングだったけど、とにかく内容が面白い。
「砂漠のエイリアン」なんて言われたようだけど、これは怪獣映画というくくりでよろしいかと。
この手のモノって、本体が出て来ると「あーあ」な事も多いんだけど、とにかく期待値上がるだけ上がって、なおかつ登場後もガッカリしないクオリティ。怖いし気持ち悪いし、なんか、いそう。あの怪物。
良く考えるとけっこう人が死んでるんだが、怪物が土の中から殆ど出ない、という設定が、過剰な悲惨さや残虐さを薄めて見せてくれていて、ノンキにハラハラできる点も、とても魅力だ。
怪物が早めに4匹と特定できてしまうのも、その一つ。この数も程良いし、それぞれやっつけ方にも工夫があり(怪物に学習能力があるというのもgood!)いちいち面白かった。
乾いた空の色、遠〜くまで見渡せる砂漠の平地、というロケーションも思う存分生かされてる。
キャラクターも、程良くパターンを踏襲しつつ、それぞれに魅力的、そしてすこぶるアメリカ的で楽しい。
冷静なおっさんと生意気な若者の"便利屋"コンビに、お転婆な学者の卵のヒロイン。ミリタリーマニアの"ランボー"夫妻、お調子者で役立たずの若造、母と幼い娘(何の役にも立たなくても属性だけで存在価値は最上位)、商売上手の中国人…。
繰り返されるジャンケンのくだりや、「プラン」についての会話等、怪物がいない間の見せ方も楽しい。やっぱりな、と思っても、フェイントで先走るケヴィンには快哉を叫びたくなるし、最初から誰が見てもけっこう可愛いじゃんと思うロンダちゃんに彼が惹かれて行く様も、ある意味爽快。
キスで締めるラストシーンも、いかにもだけど楽しくて気持ちがいい。
こういう、楽しい「だけの」映画って軽く見られがちだけど、ここまで完成度の高いモノを作るのは相当な手間暇と頭脳が必要だと思う。
続編には懐疑的な事の多い私でも、コレがシリーズ化になったのは納得。
残念ながら私の(笑)ケヴィンは一作目で退場したようだけど、『2』以降もメンバーが出てるようだし、なによりこの(怪物の)コンテンツは1本終了ではもったいない。
反対に、「せっかくの感動のラストシーンに余計な付け足しはやめてよ〜」といった方向の思い入れも、清々しいまでに無いんだが。
大好き。 |
トレマーズ2
『1』が大好きで、こういう企画なら続編もアリかな、と楽しみにして見たんだが。
ん〜。なぜこうなった???
まあ、いいんだけど。
普通に考えて、変態したら手強くなるよね?
なんかサイズも縮小、怖さも目減り。地上に出て来て小回りが利くようになったとはいえ、新型怪物は見た目の気持ち悪いタダの凶暴な野生動物みたいで。
いきなり全部変わらずに、何匹か元のまま残ってたら…なんてふと思ったけど、そしたら人間チームに勝ち目は無かったかな?
そして、いつも思うんだけど、CGの最大の欠点は、重力感だよね。地面に体重を預けて歩いてる感じにリアリティを出すのって、本当に難しいみたい。そこら辺がアカラサマに目立つシーンが多くあって、興醒めしてしまった。
思えば前作のデザインは、本当に良く出来てたんだなぁと。
ケヴィン・ベーコンが抜けてしまったのは本当に残念だが致し方無い。売れっ子さんだもの。
相棒だったおっさんが今回の主役か、地味だな…と思ってたけど、おっさんかっこよくなってる(笑)。えーと、フレッド・ウォード。砂漠にトラックにテンガロンハットが似合う、いかにもアメリカンなB級顔が、映画の雰囲気にピッタリなんだね。
前作でピンナップガールに憧れる年下の相棒を嗤っていた彼は、見事理想の"プレイメイト"を射止める(しかも中身は知的!)という脳天気な展開も、まあなんか、この世界観には合ってるからいいやね。
ヒロインはグラマー美人だけど、それ相応に歳行ってるから納得し易いと言うか。欲を言うならもう少し、ならではの活躍を見せて欲しかったけど。
"ランボー"バートも途中参戦、メキシコ軍の援助物資で水を得た魚のように大活躍だけど、奥さんがいない!
実はコレ、何よりも残念だった点。ランボー夫妻は夫婦だからいいのよ。どっちかって言うと夫人の方がマニア度高かったのに。私は最後の最後まで、そのうち奥さんが駆けつけてくれると待ってたのに。
正直、代役立ててでも、奥さんは出して欲しかった、も〜本当に分かってないなぁ!
あ、新加入の若いのね。
うーん、可哀想だがケヴィンっていいな、と再認識してしまったわ。
悪くはないんだけど、別に可愛くもない(笑)。騒がしくて鬱陶しく感じてしまった。まあ見せ場もあまり無く、結局チョイ役なんだけど。
と、あらあら、サラッと流そうと書き始めたら、意外に長くなっちゃったわ。それも『1』への思い入れ故。
シリーズはまだ続くようで、「次は空でも飛ぶか?」と思ったら本当に飛ばせるらしい(笑)。
それなりに楽しみだ。 |
トレマーズ3
と、いうワケで(笑)。
飛んじゃいましたねぇ。
もう好きにやってください、とも思うけど、意外に楽しめてしまうのがこのシリーズの凄いところ。
正直『1』が希有の出来だったので、期待しないで見た『2』はガッカリはしたものの、何となくこんなモンだろうな、と納得していたんだが。
ちょっと持ち直してるじゃないですか!ヒュー♪
ケヴィンに続き、今度はフレッド・ウォードも退場。リア充は怪物退治なんてしてる暇無いという(笑)。
そして舞台は『1』の街に戻り、10年後という設定で、ファンにはちょいと懐かしい。
「チャンの店」は続いてて、やっぱりがめつい中国人の、でも綺麗なお姉ちゃんが継いでるし、あの母娘もまだ住んでて娘はお年頃になってる。
主役はモチロン(そうか?)軍事マニアの"ランボー"ことバートだ!
新加入の若造も、ちょいブラピ似でナカナカ良い感じ。ほぼどーでもいい恋愛パートもそれなりに華を添えてはいる。
…と、思ったら、バートがあぁあぁぁ………!!!
殆ど『エグゼクティブ・デシジョン』ばりの急展開!
と、思いきや……で、いやはや、本当に何でもアリだわ、のどかだわ!好きだわ。
この辺りのアイディアの出し惜しみの無さも、本当に好き。
怪物の造形も『2』よりは良くなったし、飛ぶだけに少し手強くなって、絵的にも三次元展開できるし、まあ相変わらずノンビリとハラハラさせていただいた。
しつこいようだが今回もまだ、私はMrs.ガンマーの登場を待っていたんだが、うーん残念。
…ガスを発射して飛ぶ生き物って、手塚先生が描いてたよね……『三つ目がとおる』だったっけ?まあいいけど。 |
トレマーズ4
なんだかんだ言いながら楽しく見て来たこのシリーズも、4作目にしてとうとう西部開拓時代へシフトチェンジ。
と、聞いて、あ〜さすがにネタが尽きたかと、かの名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の末期のグダグダぷりを思い起こしてしまったが、意外とそうでもなかった。
私的には1>4>3>2って感じかも。まあ1と4の間はとっても開いてはいるけれど。
飽きられないよう設定を替えつつ、それなりに整合性を付けて、何より最初のファンを楽しませる努力をしてくれている、と思う。
今回の舞台は、『1』の町の前身に当たる。中国人が経営する店もある。主人公は荒事とは無縁の実業家…だが、演ずるはシリーズ通して"ランボー"ことバートを演って来た、マイケル・グロス。そして迂闊にも私は彼の姓を忘れていたんだが、彼の名は"ガンマー"で、バートのご先祖様だった、というサービスぶり。
単品としても、開拓時代の西部の一般人が皆銃を扱うとか、生え抜きのガンマンが求人を見てやって来るとか、当時の(良く分からないんだが)もどかしい通信手段だとか、色々と面白かった。
ストーリーも時代が遡っているから、登場人物達から見れば全くワケが分からない状態からの再出発だし、『3』のバート復活劇があったればこそ、ガンマンの退場は効いていた(『エグゼクティブ・デシジョン』笑)。
キャラクターも、ホテルの女主人は美人で勇敢だし、中国人一家は移民の悲哀あり、中国人少年は愛嬌があり、ガンマンは(退場はアッサリでも)含蓄ある名台詞を吐くしで、皆それぞれ魅力的。なによりガンマーの、馬や銃にビビる優男→愛と勇気の戦士→ガンマニアへと繋がる成長物語が、ちょいと強引な部分もありつつも(でも西部劇だと許せるから不思議)私好みで楽しい。
それにやはり"グラボイズ"は土の中から急に出て来てサッと引っ込む、あの初期タイプのデザインが秀逸だし盛り上がると思う。
ケヴィンに惹かれて観始めたこのシリーズ、なんだかんだとっても楽しませていただいた。
良い拾いモノでした。 |
トロイ
ブラピのサービスカット満載。
鍛えてますねー。
年々シュワちゃんみたいになって来てる。
顔もけっこうゴリラ顔だしね。えらい美形のゴリラ(笑)。
男のカワイイのって可哀想なのかも。
愛する従兄弟を殺されて、仇を討ってもまだ治まらず、死体を戦車に縛り付けて引きずり回すという、物凄いシーンだって、城壁を見上げる顔が…、「あー、ブラピがふくれてる、かーわいー(ハート)」なんだもん。
それはそれで楽しい人もいるんでしょうが、私はそこまでブラピに夢中じゃないからなあ。
一方、お騒がせの美青年・パリスを演じるオーランド・ブルームは、意外と地味。
髪も今回黒っぽくしてて、役もサエないしパッとしなかったな。
とは言え私は、こういう大味のコスプレ物って大好き。
(でもブラピは殆ど服着てなかったような…笑)
ストーリーは、おおむね神話に沿っているものの、神々の存在が切り捨てられているせいで、ちょっと無理矢理辻褄合わせみたいに感じる部分もあったけど。私的には神話のままでもいいじゃない、と思うんだけど、まあリアルな戦記モノにしたかったのね、と納得しなくもない。
人物も、パリスもヘレナも性格悪くない(若くてバカなだけ)ので、ちょっと地味な印象はあったけど。
ピーター・オトゥールの父王は、サスガ!で、品格も悲しみも、きわどい狂気も、秀逸。
アキレスと恋に落ちる王女(けっこうムリヤリよね)のキャラクターとか、ヘクトルの家族愛とか、へんに現代風に寄り過ぎのキライもあったけど、まあアキレスはアホそうだし、スパルタ王は憎たらしいし、ヘレナは完璧美人だし、戦闘シーンも大掛かりで、しっかり楽しめました。
この監督、『Uボート』の人なのね。
少し引いて眺めるような広い視野は、芸風なんでしょう。 |
永遠に美しく…
公開当時も面白いと思ったが、20年余が経った今観ると、ますます面白く感慨深かった。
だって私自身、"老い"に対する恐怖と嫌悪感、そして実感が、当時とは比べものにならない程深刻だもの。そりゃ悪魔に魂だって売りたいわさ。
実はどこがどう本物でどこからがCGやらツクリモノなのか分からなかったんだが、けっこう歳行ってて深刻な問題のハズの女優二人がガチで演じてるから、本当に凄い。
演技派オスカー女優のメリル・ストリープvs.永遠のラブコメ女王ゴールディ・ホーン。
二大女優が、年老いて行く女の焦りや嘆き、男や名声を巡っての嫉妬に陰謀まで、生々しくもコミカルに堂々渡り合っている、それだけでも楽しい。
特に私にとってはゴールディ・ホーンは世界で1番のチャーミング・ガール。
その彼女が、ダサい田舎娘からストレス太りのメンヘラ女、そして若返っての美女と、色んな姿で楽しませてくれる。
対するメリル・ストリープは、私はコメディエンヌとしての仕事が最高だと思っているんだが、今回も本当に生き生きとイヤな女を演じて目が離せない。
そんな濃い〜二人に挟まれて、ひたすらオロオロする男が、ブルース・ウィリスときたもんだ。
やたら丈夫な人を演じる彼だけど、こういう情けない男も良く似合って無理が無い。
いやむしろ、『ダイハード』ですらもその情けなさが持ち味だった気もするけど。
もう一人の女、魔法の薬を操る魔女を演じるイザベラ・ロッセリーニが、また凄い。
なんでしょうかあのヘンテコな露出っぷり(笑)。そして誇らしげに見せびらかす肉体の、日本人的にはちょいとボリュームあり過ぎなダルダルっぷり(笑)。
あの魔法の館の人々も凄い。上半身裸の若い(と見える)男達とか、意味不明(笑)。
ゴールディのおデブっぷりも凄いし、その彼女が参加するセラピーの模様も面白かった。
ストリープの"若返り"の、胸やお尻が見る見る上がって行く所も楽しかった(し、羨ましいぃ!!!)。
そして、"薬"で若返った後の、二人の美しさたるや!やっぱ凄いわ、ハリウッド女優。
最初から女二人の根性が悪いのは見えたし、あんなイレギュラーな手段では幸福にはなれないだろうとは思っていたが、壊れた身体をペンキ塗って修復するとは、ちょっと想像が及ばなかった。
お互い大嫌いな二人の女が、運命共同体にならざるを得なくなり、争ったはずの男にも逃げられて、メンテナンスも技術が無いので最後はそう美しくもない姿になっていて、「これでも幸せなの!?」と、多分誰でもが思う様子になってしまう。
そして二人が向かう、かつての恋人・夫であるメンヴィル博士の葬式。
式では不老不死を拒んだ彼の幸福であった後半生が語られ、結局その帰り道に女二人はいがみ合いつつ崩壊して行く………。
あまりにも直裁にテーマを語るラストシーンは、正直「ああ、面白かった!」と感じるには厳しすぎた。いえ、反対はしないし、そうだと思うんだけど。
でもさ、永遠に若く美しくありたいと思うのは、多分誰でもある思いではないかしら。そこまで全否定してくれなくても…と、ちょっと悲しく思ってしまったんだよね。
いがみ合いつつ去って行く二人、で充分だったのにな。
と、不満が無くはないけれど、面白く刺激的、演者は魅力的で、しっかり筋も通ってる。
楽しく出来の良い映画だと思います、ゴールディ割増しはあれど(笑)。 |