い、うで始まるタイトルの映画
 

イーオン フラックス 

天下の美人女優シャーリーズ・セロン様が、生来の美貌+バレエで鍛えた麗しい身体と類い希な柔軟性をフルに駆使しての大活躍。
淡い金髪をキリリとしたブルネットに染め、バッサリとショートストレートに切って臨んだ新しい「顔」は、これまたとても美しい。白い肌・青い瞳と黒髪・黒いボディスーツとのコントラストがスッキリとエキゾチックで、とてもSFチックだ。

正直、管理社会の無気味さとか、それに対するレジスタントが主人公とかいうSF的設定は古臭く見えて、あまりソソられないし、CG等の道具立てもそんなに派手じゃなく、予算もそう高くはなさそう。
でも、ミョ〜に原始的なセキュリティシステムが出るかと思えば、通信手段は物凄く進んでたり、街中の生活はごくごく現代っぽい普通の暮らしなのに、足を手に整形した(説明が難しい…)レジスタント女性が登場したりと、バランスの悪さが逆にリアルっぽく見えて入り易かった。
『マトリックス』的ピカピカのプラスチック感が苦手な私には、こういうアナログ(アナクロ?)っぽさは好感度が高い。
あちこちにとてもこだわりのありそうな画面が散らばっていて、なかなか楽しめた。

物語も、これまた少々懐かし目のクローンがらみだが、このテーマは今だからシャレにならない、のかも知れない。
同じクローンネタで、数倍もしくは数十倍の予算を使ったと思われる『アイランド』と見比べるのも、一興。
悪に染まった独裁政権を美女が阻止する、という娯楽性を押し出しながら、作中で語られる「人生」や「命」に関する主張は明確で直接的だ。
シャーリーズ・セロンという女優のキャリアを思うと、ああなるほどな、と納得させられる。今更、と思わずに、耳を傾けてみよう。

原作のアニメを見ると、ヒロインの衣装はかなり露出度が高いが、セロンはちょっと抑え気味。綺麗なんだから脚くらい出してくれてもいいのに…などとオッサン入ってしまった(笑)が、黒や白の全身タイツ、モードな普段着、寝室でのナゾの衣装と、セロンの美しさは充分に堪能できる。
身体が柔らかいので、「これってアリ!?」な体勢も実写でOK。って『キューティーハニー』みたいだけど…かなり印象が違う(笑)。

データベースのデザインとか、所々あまりに懐かし過ぎて「60年代の映画か?」と思える(ありていに言うとダサい)場面もあり、正直クライマックスも、そんなに盛り上がりはしなかったんだけど。
それでも、正当派の真面目に作ったSF映画であり、メッセージ性もあり、文句無しの美女もあり。
私的には相手の企業の代表のおっさん(マートン・ソーカス)が、けっこう好みで楽しかった。
そしてラストシーン、繰り返し出て来るイーオンの、ぼんやりした記憶の実態が明らかにされる。
真面目に胸がキューンとなってしまいましたわ。

インタビュー ウィズ バンパイヤ

少女マンガ不朽の名作に良く似た設定のバンパイヤ物があって(そう、アレですよアレ)結構楽しみにして観た。
そうかなーと思ったけど、やっぱりで、なんか日本のアイドル映画みたい。
主演の二人のどちらかでも好みだったら、それなり楽しめたんでしょうけど、そうでもないしなあ。
ブラット・ピットは役によってはいいけど、これはペケ。トム・クルーズに至っては、原作者が猛反対したキャスティングだったそうで、原作者、くじけず反対して欲しかったよ。

アントニオ・バンデラスは、この映画で初めて見た。
学芸会に独り本物が紛れ込んだみたいな印象。

「エドガーの苦悩」って、わりと普遍的に好まれるみたいだけど、私はイマイチ乗れないのよ。ウザいわ。
バンパイヤって、それだけで魅力的な存在なのだけど、そう言えば「これだ!」って思える映画、思い浮かばない。
『フライトナイト』は楽しかったかな。

追記:『ヴァンヘルシング』も楽しめました。

ヴァンヘルシング


私こういう、お耽美系の異形の物って大好き。
ドラキュラ伯爵と花嫁達が、かなり好みにド真ん中。
お色気系美女の三人の花嫁が、キレイなままで翼だけ生やして飛び回るのも、余裕が無くなると本性を表してコワイ姿になったり戻ったり、くるくる変わるのも、すごい好み。
ドラキュラも、今まで映画でイマイチ好みのを見かけなかったので、今回はかなり、得点高し。
ドラキュラ伯って享年42歳、ってコトは、けっこうオヤジになってから不死身になった訳で、これ位の老け具合がよろしいかと。あまり見かけない顔だと思ったら、『ムーランルージュ』にも『MI:2』にも出てたんだって。そうだっけ?むしろ舞台で活躍してると聞いて、ナルホドー、と納得。
キザでセクシーなんだけど、ちょっと所帯臭い(笑)。そのへんの匙加減がいいのよ。

物語りはまあ、妖怪退治モノなんだけど、かなりキリスト教色が強い。
ヴァチカンの地下に秘密組織(爆笑)。
そして主役のヴァン・ヘルシングは、殆ど007。変な秘密兵器携帯させられてさ。
宣伝で「ジキルとハイド、ドラキュラ、狼男、フランケンシュタインが大集結」みたいな事を言ってて、節操の無いバカ映画と思って観たら、確かにそうでした(笑)が、思ったよりずっとリキ入ってて、多分お金もかかってる。くだらなくても、えーかげんじゃないから好き。
まず冒頭のジキルとハイドとの対決が、視覚的にすごく面白かった。薔薇のステンドグラス粉々だし(笑)。
お決まりではあるけど、狼男の苦悩とか、フランケンの怪人の愛らしさ、健気さも、良かった。
ちょっと可哀想なラストも、この設定ではいたしかたない。私は納得して観たよ。
これでもかと繰り返される(本当、節操がないのよ)変身シーンも、やり過ぎ多発の格闘シーンも、終わり頃の円谷映画的展開も、私はすごーく、楽しめました。大好きな飛翔シーンもいっぱい。

怪物大集合が予想以上に良かったのに対し、残念だったのは主役二人。
ヴァン・ヘルシング役のヒュー・ジャックマン。売れっ子だよねぇ。
正直、食い足りなさを感じます。ヒーローとしては貧相だし、顔も悪くはないけど印象薄いし。表情少ないしさ。特にこういう勧善懲悪モノでは、もっとハッキリした役者の方が楽しいのにな。
唯一『ニューヨークの恋人』はハマリ役で良かったけど、うーん、やっぱイマイチ。
そして、せっかくの楽しい映画を台無しにしたのが、ヒロイン、アナ。
まがりなりにも由緒ある血筋のお姫さまでしょ。なにあの品の無さは?
勇敢な女戦士でもあり、アクションシーンで大活躍なのに、どう見ても実用的でないボンデージ系の衣装(実用性はあっても『キル・ビル』の黄色いジャージもいただけないが)で、しかもドタドタした動き、運動神経ニブすぎっ!
化粧も厚くて下品なモード系。ケバイのはドラキュラの花嫁三人で充分(しかもこっちの方がずっと美形)だし、せっかくの赤いドレスのシーンも印象が全然変わらず(同じ厚化粧)つまんなーい。
いくらCGやワイヤーの技術が進んでも、やっぱりアクションやらせる役者は選んで欲しいな。

アナの兄ちゃんヴェルカン役のウィル・ケンプ、2枚目で嬉しい。出番少なくて残念。
顔もいいけど、やたらキレイな体つきだと思ったら、本業はダンサーだったのね。納得。
…それにしても、『狼男アメリカン』や『キャット・ピープル』の変身シーンに驚いてた頃は、遠く昔になりにけり、ですわね。

ウェルカム!ヘヴン (byコーキ)

天国のエージェントと地獄のエージェントがもうすぐ死ぬ運命のボクサーを救うか奈落に落とすかって話だす。
しっかし前半はテンポが悪くてみながら2回寝ちゃいました。 改めて早い時間に見てみたらこれがぁ、感動のラブストーリーなんよ、ライバルがあんなこんなで人の魂を救うう、、ほにゃららで、、、。

言語がスペイン語だからハリウッド映画じゃないと思うけど、後半は一気に天国に持っていかれましたぁ。

ウェルカム!ヘヴン 

わはははー、ヤラレタ!
基本的にはネタバレありでやってるんだけど、これはやめておこう。

スペインの映画だと思うんだけど、わりと面白いのがあるよね、スペイン映画。
この『ウェルカム!ヘヴン』も、意外なオチはともかく(いや、悪くはないんだけど)、世界観が面白い。
物語は天国と地獄の女エージェントが一人のボクサーの魂を巡って張り合う、という設定で、天国、地獄、現世と3つの世界が舞台になる。
現世は現代の都市マドリッド。当然人々はスペイン語で話す。
これが天国になると、なぜか画面はモノクロに変わり、50年代?的クラシックなムードに、交わす会話はフランス語。
そして地獄はカラー画面で、英語。ヒロインのカルメンは、業火に焼かれるでも針の山登りでもなくて、「ウェイトレス」をやらされている(笑)。
ついでに天国では「闘牛とボクシングは禁止」だそうで、さすがはスペイン。

地獄のエージェント、カルメン役はペネロペ・クルス。
CMとか、トム(クルーズ)のお供で来日、なんて時は、痩せて貧相な女、って印象なんだけど、役になるといつも、とても魅力的。今回の下品で乱暴な地獄の使者も、ハマッてました。
本人が「この役のために生まれた」みたいな事を言ったとか、ノリノリだったのね。
小柄な彼女が中指立ててスゴんでも、なんか可愛いし、ジーンズにタンクトップ姿も美しい。
天国のエージェント、ロラの方は、ビクオリア・アブリル。有名らしいんだけど、私は初見。そんな美人でもなく、むしろその辺のおばさんぽさが、この役にはいいのかな。(それにしても、天使がベッドであんなに大騒ぎするとは、さすがラテン系の作るモンは違うわ。)
天国のボスは、ファニー・アルダン。すごい色っぽいおばさんで、圧倒される。地獄のボスとなにやらイミシンだったりして、このへんの感じも面白い。
スペインあたりって、信心深い人が多いってイメージなんだけど、いいのかなあ。

物語は意外な展開で幕なんだけど、後から思い出すと、あちこちにいっぱい伏線が張ってあって、ナルホドと思わされる。アメリカ映画に慣れた目には、いささか地味な感は否めないけれど、丁寧に作ってあって好感度高し。良く分からないイミシンな会話もいっぱいで、奥行きを感じさせて楽しめる。欲を言えば、カルメンとロラの慣れ合って行くあたり、もう少しあると良かったかな。
カルメンの秘密も、わりとペロッと喋っちゃう感じだったし。
ラストも、まるで実話の映画化みたいな「人物達のその後報告」があって、楽しいんだけど、報告内容は、わりとけだるい。
大仰なようでさり気ない、激しいけど控え目、それがスペイン流、ってとこかしら。

ところで、黒い瞳に黒髪のペネロペ・クルス。
彼女を見ていると、黒髪はモチロンの事、黒い瞳って貴重な財産だな、って思う。
ま、形と大きさによるのかな、あと、輝きと。

ウォーターボーイズ

若いっていいなあ。
この一言に尽きる、楽しくておかしくて、あまりシンミリさせられないところがとっても気持ちイイ。

実在する男子高校生のシンクロナイズドスイミングのチームの話を元に作った、という話だが、おそらく実話にはほど遠いんじゃないかな。
そう思わされるくらい、この映画ははじけてて、割り切れ無さの微塵も残らない、出来上がった娯楽作品だ。

男子のシンクロ、と聞いただけで、私はけっこうツボ。
だから、いくぶん警戒しつつも、滅多に観ない邦画を迷わず観た。
内容も面白かったし、なんと言ってもシンクロ場面が見ごたえタップリで、本当に楽しめる。
シンクロチームのキャスト全員で1ヶ月だか一月半だったか、シンクロ合宿やっての撮影だったんだって。
実際シンクロチームに入って発表会にも出ていたウチの母(この存在がすでにスゴイ)も、大喜びだった。
私も趣味の水泳の練習中に、隣でシンクロチーム(女子、残念ながら)が練習している事もあったりして、ええかげんでお茶をにごして「男がシンクロなんてねー」、みたいな態度なら許すまじ!と思っていたが、期待以上のウツクシサ。良かった〜。
気持ちの良い笑いは、確かな技術に裏打ちされてこそ、なのよ。

と、いう訳で、笑った。
笑いあり、挫折あり、純愛あり、ホモまであり(これも純愛だ)の青春映画、邦画にありがちな湿りっ気が少なくて、私好みだ。
若い子らしい自意識で、好きな女の子には打ち込んでるシンクロでも知られたくないという主人公と、迷わず応援しちゃう女の子との、意識のギャップみたいな所も、なんかリアルで楽しい。
チームの男子高校生達も、服を着てればそれなりでも、水泳パンツ一枚になると、まるで子供っぽい。ガンバレ子供達!って気分にさせられる。
主演の妻夫木クンも、顔は濃い目だけど純情そうでサワヤカだ。

最後までグチもこぼさず、説教も垂れず、踊り抜いてくれた、感謝。


「え、お」へ