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<2004年>
最新号

18 トヨタ/ポルテ
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17 スバル/レガシー
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<2002年>
05 トヨタ/スパシオ
04 ダイハツ/MAX
03 ホンダ/S2000
02 スズキ/エリオ
01 スバル/インプレッサSTit
今回の試乗車は「ダイハツ・コペン」。気になる方なら相当、気になっているクルマではなかろうか。軽自動車でありながら、2シーター・オープン。それもフル電動で屋根が開くというシステム。皮シートやディスチャージもオプションで装備することもでき、軽自動車もここまできたか、という印象を受けたのでは?2シーターオープンの登場で「試乗コラムよ、またか。」とは思わないように。

軽自動車のオープンカーというと、ホンダ・ビート、スズキ・カプチーノ、マツダ・AZ−1と、かつては軽カーも面白いクルマがたくさんあった。オープンになるもの、ガルウィングドアを持つものなど個性も、今では考えられないほど個性的かつ魅力的なクルマたちだった。それらが生産中止にされたというのも記憶に久しい。そこでこのコペンである。いまでは軽自動車のスタンダードは背の高いワゴンタイプのもの。全く逆の視点で開発されたコペンとは必要あるのだろうか?レポートしてみる。

全体的なスタイル。丸っこくてなかなかイイ。ドアの形も独特。それに前も後ろも同じようなデザイン。フロントとリアにあるランプ類も前後で対称になるよう配置されていてなかなか面白い。大きなタイヤハウスには純正の15インチアルミを装着し、小さいながらも迫力がある。
また個性をアピールするかのように、リアエンド中央にはマフラーが出ている。センター出しのデュアルタイプで排気音もスポーティ。こんな国産車は他にあるだろうか?全体的に見ての印象は、かつてあった日産・フィガロに似ているか?

インテリア。シフトゲートまわりと、エアコンパネルのメッキがイイ雰囲気。 球状シフトノブもかっこいい。AT車でもスポーツ走行ができるようにか、例の+と−で任意にシフトできるタイプ。電子制御の4AT。またパッと目を引く赤の皮シートは高級感というより走りをイメージした感が強い。

メーターも半独立の3連タイプでなかなかよい。ただタコメーターは中央の方が良かったか。指針も真下にくるようなタイプの方が個性を主張できたと思うが。オーディオは2DINタイプでもOKだから現代のニーズにはぴったり。かつてのビートは1DINどころか専用ステレオのみ、カプチーノはやっと1DINが入るのみと個性あるクルマと引き換えに、オーディオに関しては不自由するところがあった。コペンの場合そこは評価できるが、インパネのセンターはほぼ直角なデザイン、それも結構、高さもあってスポーティ感は若干少ない。 エアコン吹き出し口とハザードスイッチの配置とデザインはNBロードスターそっくりである。

エンジンルームは大きなエンジンカバーがあり、最新の高級ユニットという感じがする。コペンは全てのグレードがターボ車のため、インタークーラーはどこに付いているのかと言うと・・・グリルのウラにちょこんと付いていた。小さい!

さて実際に走ってみてはどうか。これはターボ車か?というくらい加速がスムーズ。一気にトルクが盛り上がる軽ターボを想像していたのなら期待はずれではある。
かつてのスパルタンな軽スポーツに比べると、良く言えばマイルド。ハンドリングも鈍であるし、FR車でないからテールを流して・・・みたいなことを考える事が出来ないくらい乗ればフツーの軽自動車。運転席のシートポジションは高く、助手席の方が低い。しかし軽カーでスパルタンなクルマを今ごろ出して受けるかというと、やはりダメだろう。スポーツ重視の実用度外視、せまいコクピットでスポーツ走行を楽しむというのは、もはやマニアックなのである(悲しいが・・・)。
たまにクルマで言う「非日常」を味わいたいけど、そんなに肩の力を入れて乗るクルマではなく、セカンドカーとして休日のドライブを楽しむという方にコペンはピッタリと言える。2人で乗るのには狭くなく、皮シートで適度な高級感もあって、オープンにするのもスイッチ1つでOKという、いたれりつくせりなクルマ。そういうあなたにはコペンはオススメ。スポーツしたい人には向かないと言えるのではないだろうか。

FF車というだけあってか、足元はこのように広々している。写真ではお見せできないがシート後ろのスペースは無いに等しい。リアガラスは当然熱線入りのガラスで視界はよく、メッキのロールバーとエアロボードも装備されている。
ロールバーはオープン時に後ろから見た感じがひきしまって見えるし、信号待ちなどで後ろからトラックのおじさんに後頭部を見つめられるプレッシャーを軽減する役目もある。エアロボードはオープン時の車内への風の巻き込み防止になる。また驚きなのはサンバイザーの形が妙だと思っていたら、サンバイザーを車外へ出すように立てれば、これまた風の巻き込み防止になるような形状らしい。

このダイハツ・コペンというクルマ、結構見所たくさんのクルマといえる。話題性もあり販売台数も順調らしい。納車には数ヶ月待つ場合もあるという。しかし、今回コペンを用意していただいたダイハツの営業マンさんに聞いたのだが、圧倒的にAT車が多いという。実に意外かつ悲しい事実である。こういう車こそマニュアルでキビキビと走るべきだろう!

今回の試乗でかつての軽スポーツブームの再来を夢見ていた私は、味付けが全然ちがうコペンと、時代のニーズの変わりようを痛感し「もう、そんな時代は来ないだろうな」と思った。



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