今回のこのコーナーでは私の個人的に欲しいクルマを紹介する。それは「ホンダ・S2000」である。
いわずとしれたホンダの傑作、気合はいりまくりの2シーター・オープンで久しぶりのFR駆動。エンジンはもちろんV-TECの2000Mでなんと250馬力。
こんなクルマがあれば面白くないわけがない。
まずスタイル。ホンダらしいデザインとも言いがたいが、シャープさがいかにも実力を表しているようでいい。ボンネットはいままでのクルマにないカタチで、車幅に対して異常に小さい。
リヤのスタイルはト○タのクルマに似ていなくもない。フロントにくらべて、おとなしめという印象を受ける。
今回の試乗にクルマをお貸しいただいたKATOTOMO氏はマフラーが交換してある。 |
内装もとても凝っている。KATOTOMO氏のは赤の皮シートと赤の内装になっている。ステアリングもエアバッグ付きだが小径でスタイリッシュ。
握ったかんしょくもイイ。 ホンダの特許だったか?
そしてメーターパネルはデジタル式でF1を思い出させる。キーをひねった時のメーターの動きも面白い。そしてなんといってもボタン式のエンジンスターターがいっそうレーシーさをひきたてる演出になる。
実際にシートに座り込んで思うのは、とにかく狭いということ。自分のひじとドアとの間隔は密着寸前であり、外から見たワイドなボディがうそのように「閉じ込められた」という感覚になる。ドアの内張りはとてつもなく高く、マドを開けても腕をだせないほどで、外から見るとドライバーの首しか見えない。
ダッシュボードも搭乗者にせまってくるように張り出していて、よけいに狭く感じる。室内には収納スペースがほとんどなく、グローブボックスすらない。このように書くと走ることしか考えてない、快適さや便利さなどないように思えるが、そのとおりである。
快適さや便利さなどを求めるひとは乗らなくていいよ、と割り切ったクルマにしあげたホンダの志しの高さがうかがえる。そしてS2000に乗っている人こそホンダの志しを理解した人だと思う。
エンジンは意外と小さいな、と思った。本当に250馬力もでるのかな?と思えるほどコンパクト。ヘッドカバーは赤でそれらしい雰囲気がある。
エンジンルーム自体、すごい縦長でエンジン本体からエンジンルームの先まではかなりのスペースが空いている。が、ごっついフレームが横に走っている。
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そしてなによりビックリなのがこのフェンダー。思いっきり張り出しているのがわかる。
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実際に走ってみての感想は、やっぱりすごいの一言。
気合入ったクルマというのは誰にでも分かるのではないか。エンジンもスムーズに、そして一気に回る。安定感もバッチリで、ボディ剛性がしっかりしているとわかる。
ハンドリングもクイックでシャープ。道路を走っている感覚がよく感じられて、普段通ってる道ですら楽しく、わくわくしてくる。
ストレスを感じないドライブというのはいつまで乗ってても飽きないし、疲れない。さらにオープンにすれば、クルマで感じる気持ちよさも思う存分に味わえる。はっきり言っていいなあと思う。
ここまでいいことばっかり書いてきたがS2000にもやっぱりマズイところはある。まず幌のリア・スクリーンがビニールということ。すぐ「くもり」などの劣化がすすむ。しかしこれはマイチェンでガラスになって解決した。
それとやはり値段。330万はらくに超える価格は、クルマの内容からしてけっして高くはない。
、が2シーターで、さらにオープンカー。荷物などすこしも積めない、いわば不便なクルマにそこまでの金額が出せるかというと・・・・・。
しかし、しかしそれらを理解してもなお、購入する(できる)人がとてもうらやましい。 そういうクルマ選びもいいし、そしてかっこいいと思ってしまう。
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