エアフォース・ワン
これねぇ…。
大好きなハリソン・フォードが闘う大統領役で大活躍だし、敵役はいつもおもろいゲイリー・オールドマンだし、お金も手間暇も掛かってる真面目な映画だと思うんだけど…。
あんま、面白くない。
と、言うか、娯楽映画としては「頑張り過ぎ」なのかな。
私は『ダイ・ハード』以来、こういった"孤軍奮闘"モノはどうしても比べて見てしまうワケだが、それは理不尽だと自分でも分かっている。
でもやっぱり、人質が殺されるのを黙って見ている主人公はイタダケナイと思うの。
その辺りで(この手の映画に)リアリティなんて私は求めないし、ソコを何とかするのが腕の見せ所だと思うんだけどな。たとえバカバカしくても救うか、さもなくば最初からそんな局面は扱わないか(その点でも『ダイ・ハード』は大変優れた選択をしている)。
あの、大勢の中から引き出されて、自分の良さを語らせられて、隠れてる"英雄"に「出て来ないならこの女殺すよ」と宣言されてカウントダウンされてズドン!って。
もうアレ見せられたら、私はそれ以降何が出て来ても、映画を楽しむ気分になれない。
これは好みの問題で、そういうの好きな人もいるんでしょうけど。
しかもさ、次に自分の娘が危ない時は、全然違う対応するもんね、大統領。そんな男は好きになれない。
そもそも米国大統領という時点で盛り過ぎなんだが、その上にこのヒーローの人物造形は、平板で可愛気が無い。
ハリソン・フォードは当時私のアイドルだったし、かっこいいのは間違い無いんだが、少しは弱点とか間抜けな所とか、何かしらクセがあった方がチャーミングだと思う。
強くたくましく、決断力と実行力があり、驚くべき身体能力も持ち、家族を愛し悪に立ち向かう(でも秘書は見殺しにする)。
フォードのかっこよさというのは、どこか野暮ったい、少しドンくさい所も含めて、だったと思う。
彼の困った顔が可愛いと何度思った事か。『ワーキング・ガール』で気の強い女二人に挟まれたり、『ブレードランナー』で美しいルトガー・ハウアーにボコられてベソかくフォードは、最高にキュートだった。
アメリカ人はとにかく"強い父親"が大好きだから、大スターになり歳を重ねた彼が、その理想像に寄り添って行くのは致し方無いのかもしれないが、個人的にはとても残念だ。
反対に、ゲイリー・オールドマンの悪役は面白過ぎて残念だった。
やってる事は酷いんだけど、なんか芝居がコント過ぎて。その辺りの重さの配分が、私の性に合わなかったという事か。
グレン・クローズの女政治家はカッコ良かった。この人は何をやってもそれなりにキメて来るから凄いね。
当時としては、副大統領が女性、という設定だけでも目を奪われたが、その身分設定に負けない貫禄が備わって見えた。
飛行機の外の、政治向きの人々の論争とかは面白く見た。ここはちょっと、新鮮。
ファーストレディは顔が怖いだけで存在感が無いし、娘もただ"娘"なだけで特に魅力ナシ。
もしかしたら、もうちょっとでかなり面白くなったんじゃないか、と思わなくもないんだが、序盤でアレルギーを起こしてしまったせいか、全然楽しめないまま終わってしまった。
頑張って作ってるとは思うし豪華キャストだけど、娯楽映画としては楽しい気分を削がれるし、娯楽意外に特に意味も無いという、そんな映画。
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エアポート'05
よくある航空パニックものではあるし、全体的にB級感は漂うものの、期待が無かったせいか、サービス精神旺盛で楽しく観てしまった。
冒頭、地上で次々と殺される美女達に「?」となる。エアポートじゃなかったんかい???
でも、その殺され方がなかなかに緊迫感があって、すでに引き込まれた。
殺された美女達に成り代わって、もうちょっと乱暴な美女達が向かうのは、金持ちお嬢様のチャーター便。
正直このお嬢様と友人達の脳天気な我が儘セレブっぷりは不愉快で、こんな奴らサッサとやられてしまえ、というレベル(笑)。
でも事件が進むうち、それぞれに個性が見えて来たり、色々と揺れてみたり、意外に頼もしい子がいたりと、これまた楽しめた。
ヒーローの"お嬢様の見張り役"ジョンも、いかにもB級的暑苦しさはあるものの、けっこうハンサムで目に楽しい。
生意気なお嬢様もB級レベルではあるがナカナカ美人、それに登場時と終盤の表情が全然違ってて、演技も頑張ってるようだ。
二人の反発→共闘→恋心、というパターン踏襲の関係も自然で、なんだかサワヤカ。
しかし弓矢で人殺した直後に平気でステーキディナーに行っちゃう辺り、サスガお嬢様は違うわ(笑)。
脇役の女の子二人も良かった。頑張ったりヘコたれたり、励ましたり諫めたりがいいコンビで。
勇敢な機長も良かったし、男の子達も頑張った。
それに着陸先の基地の通信係ね。『ダイ・ハード』以来、こういうのも定番になってるけど、それでも二人の会話は味があって良かった。そして基地の大尉殿が無駄にハンサム(笑)。
悪役では、コクピットに乱入する女性が良かったな。ちょっと簡単にやられすぎで残念。
残念と言えば、悪役のボスがね。最後どんな暴れ方してくれるかと(これまたパターンだが)期待して待ったけど、さしたる活躍は無くて残念だった。
って言うか、あんな油っぽいオヤジにサーヴされたら、ワガママセレブでなくてもシャンパンが不味くなるわな…。
航空機での人質事件のみならず下準備から後片付けまで、色んなアイディアを駆使して飽きさせず見せてくれて、でしゃばり過ぎない恋愛要素がスンナリと色を添え、どうかと思った若者達が終盤にはすっかり可愛く見えて来て、良心的な娯楽映画になってると思う。
飛行機内であんなにマシンガン撃ちまくったら燃料漏れ以前に空気漏れちゃいまんがな、等というツッコミはもはや、野暮というモノだろう。
追記:無駄にハンサムな大尉、かのマイケル・パレでした!そりゃハンサムなワケだわ。全然気付かなかったけど、端役でも素敵でした。 |
エアポート'80
何と言うか………最近のCG満載のパニック映画を散々けなして来たワケですが。
別に今に始まった事じゃなくて、つまらないパニック映画は昔からあったんだと再認識(笑)。
『タワーリング・インフェルノ』や『ポセイドン・アドベンチャー』の方が特別なんだって、当然。
まずコンコルドに時代を感じて懐かしかった。
美しい機体だよね。絵になる。
アラン・ドロンとジョージ・ケネディのパイロットコンビってどーなの?
時任&田辺もたいがいと思ったけど、もはや反則。
大方の女子の例に漏れず、私も制服は大好きだが、中でもパイロットは…という話は『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』でも書いたっけか。
それなのに、なんだか内容が残念過ぎて、ああ、もったいない。
タイトルが'80ってくらいで、まだまだハリウッド映画は「ソ連極悪!」で何でも済まされた時代。
さらに、『エマニエル夫人』シリーズもそろそろ下火のシルヴィア・クリステルを引っ張って来て話題作りにしたのかな?本作では殆ど魅力を感じなくて、可哀想な程だったが。
『タワーリング〜』で、あんなにかっこ良かったロバート・ワグナーが、超絶ゲス男で登場。
目に付いたのは、それ位でしょうか。
ミサイルに戦闘機の攻撃とかコンコルドの宙返りとか盛り上げ設定が適当だし、せっかくのパイロットコンビが殆どコクピットに座りっぱなし(当たり前だけど…)だし、いくらなんでもワグナーさん無茶過ぎだし。
あまり臨場感も無く、人物に魅力も無く、淡々と観てしまった。
アラン・ドロンはこの頃でも充分美しく制服姿が似合って素敵だが、こういう凡作だと二枚目が祟ってか大根に見えてしまう。役にハマればそんな事全然無いのに。
かろうじてジョージ・ケネディの「3度の戦争に行った」パイロットぶりは魅力的だった。飛行機を美女に例えて欲情丸出し(笑)なのもチャーミング。
当時としては特撮も頑張ってただろうし、それなりに豪華キャストだし、なにせ時代の寵児コンコルドだし。
しかしそのコンコルドが全機退役となって久しい今観るに、「こういう時代だったのね」程度の感慨があるばかり、であった。 |
A.I
悪い予感はあったのよね。
「鬼才」キュ−ブリックの遺したプロットを、「商売上手」スピルバーグが完成させたって。
しかも主人公は少年の姿のロボットで、心があるときたもんだ。
スピルバーグの映画の楽しさは評価する私だけど、感動や人生はてんでダメ。『カラーパープル』も『太陽の帝国』も、私は大嫌いなんだからっ。
でもやっぱり、気になって観ちゃうワケですわ。
キューブリックだからなあ。でも遺作の『アイズ・ワイド・シャット』は、なんじゃこりゃあ、だったんだけど。
で、予想通り、と言うか、予想以上のヘタレッぷりでした(笑)が、そこはスピルバーグ、全然見どころが無いわけじゃない。
むしろ前半は、かなりイケてました。
なにしろジュード・ロウの絶倫ロボット!!
子供を欲しがる夫婦に子供ロボットを販売する、という発想自体がとってもキュ−ブリック的不健全なのだけれど、そのキモチワルさに気付いているのか!?と疑わしいスピルバーグが、キモチワルイ。
考えてみたら、「養子をもらったら実子が生まれちゃってもらいっ子が邪魔になる」って昔からのパターンだしな。
まあ、その子に半永久的な意識と、親に放棄する権利を与えてみました、ってトコかしら。それって面白い?
我々日本人は、当たり前に『鉄腕アトム』を観て育ってるから、衝撃が薄いのかも知れないけれど。
ロボットの見せ物とか、(『アトム』の描かれた頃ならまだしも)そうかあ!?って思ったし。
それから、いくらメカだから人間の食ベ物を食べたら壊れちゃう、と言ったって、あんな風に顔が溶けたりしないでしょ。いくら子供向けでも視覚刺激ばかり追い過ぎだよ。
不真面目な態度(に私には見えた、大真面目ならもっとビックリだが)にゲンナリしてたら、どんどんおかしな展開になって来て、最後はもう、は〜。
そうそう、あの「ママ」の顔が最初から恐くて、絶対A.Iは今にめちゃくちゃ虐待されて足蹴にされるんだと思い込んで観ていたら、意外と善意の人だったので肩透かしでした。
どうにも「母性」を讃えたいのだな。
ピ−タ−パン野郎めが。
追記
スピルバーグ、『シンドラーのリスト』も嫌い。『ミュンヘン』も『プライベート・ライアン』もイマイチだったな…うーん。 |
永遠のアフリカ
「西のキム・ベイシンガーか、東の沢口靖子か」ってくらい、顔面に魂を感じない女優なんだが、この映画のベイシンガーは、なんだか良い。
美人でスタイルもいいんだけど、どんな役をやっても感情が伝わって来ないと思っていたけど。
私個人的には、この人の容姿は赤い口紅にピンヒールよりも、こういったコットンのダボシャツにパンツ姿で、金色の巻き毛を後ろで束ねて…という方が引き立つ気がする。
ストーリーは、シングルマザーのヒロインが交通事故をキッカケに恋をした男性とアフリカに移り住み農場を営む、というもので、どうやら実話がベースらしい。
ヒロイン目線のせいか、どうにもこうにも男共がバカ過ぎて悲しくなる。
(あ、私は常々「バカ男ウォッチャー」を自称していますが、そういうバカじゃないのよ、あしからず)
頼りになると思ったダンナは農場から逃げるように狩猟三昧の上、妊娠中の妻を残して疑惑の急死。
心の支えだった一人息子は大学へ行く歳になっても毒蛇好きが治まらず、噛まれて死亡。
夫素敵だと思ったのにねぇ。現実と向き合わない男って多いよね。
そして、密猟は青筋立てて怒り狂うのに、狩猟は大好きというね。
別に密猟者を庇う気は無いけど、その"悪"はいわば便宜的な物で、その種の数が少ないから禁止されているに過ぎないものを、まるで絶対正義、神の摂理みたいに憤るのは嘘っぽい、と思うの、私。
自業自得とまでは言わないが、「子供達を空腹から救う事の方が重要だ」という酋長の言葉を、彼は聞くべきだったよね。そういうとこ妻に丸投げしてるから。
息子に至っては、何故そんなに蛇に執着するのか…「刺されやしないって!」って、何を根拠に(笑)。
あまりにバカで、こちらは本当に自業自得だが、あれだけ叱ってもそのまま飼わせていた母も甘かったね。そしてヒロインには気の毒だが、被害に遭ったのが当の本人で良かった。
アフリカの生活ぶりや、衣装、赤い土の風景、農場の屋敷等の絵は素晴らしかった。
息子の死後、蛇達と赤い花を川に流す光景も、シュールで美しかった。
ストーリーには実話にありがちな喰い足り無さはあるものの(卵のメッセージはどうなった???)アフリカという土地への彼女の愛憎が伝わって来るようで、見応えはシッカリあったと思う。
ベイシンガーを少し好きになった。
そう言えば沢口さんも、歳取ってからの天然役は悪くないかも。 |
永遠の0
先に原作を読んでいたせいもあって、物語にはスルリと入って行けた。
三浦一馬も岡田准一も、とっても美男子で目には楽しい。
原作からそう外れる事もなく、筋は通って分かり易い。
それだけ、というのが正直な感想だった。
原作のアクの強さと言うか、物議をかもしそうな部分だけを綺麗に更地にしたような(それでも騒ぐ輩はいるでしょうけど)無難な仕上がり。
現代を生きる三浦目線が強すぎて、岡田パートが最後まで「語りぐさ」で終わってしまったので、ヘビーな感動も悲しみも無く、遠くの出来事、対岸の火事で終わってしまった。
よくぞここまで、無味乾燥な仕上がりにしたものだと、逆に感心してしまったわ。
まあ、こんな内容でも、特攻隊や戦争について考えるキッカケになれば、それはそれで意義はあるな、とは思う。
"お祖母ちゃん役"の井上真央が、とっても昔の人っぽくて良かった。
しかし何をどう歳取ったら、染谷翔太が夏八木勳になるんじゃい(笑)。『ゴーストライダー』ばりの変形ぶりだわ。
岡田君は出番は意外に少ないが、熱演。髪も切ったら良かったのにね。 |
永遠のマリア・カラス
その名はファニー・アルダン。
近頃私を虜にしている女優。
どうしてこんなに色っぽいのだろう。
どうしてこんなにエレガントなのだろう。
どうしてこんなに、グラマラスなんだろう。
そんなアルダン様が、「世紀の歌姫」マリア・カラスに扮するこの映画。
正直私は、オペラもカラスも殆ど興味も知識も無かったんで、まあアルダンだから観てみるか、くらいの気持ちで観たんだけれど。
いやいや、なかなか、圧巻でした。
作中のアルダンはカラス本人にソックリ、なんだそうだ。写真で見る限り、(カラスもたいそうな美人ではあるが)顔も体つきも全然違うタイプだというのに。
仕草や表情を徹底的に真似た、という話(監督はカラスと親しかったそうだ)だけれど、その結果現れたアルダン=カラスは、とてつもなく優雅で魅力的な女。マジ、惚れ惚れ!
劇中描かれるカラスの性格はヒステリックでワガママで、どうにも傍に置きたくないタイプ。でも、ドレスアップしたアルダンが艶然と微笑めば、絶対に逆らえない(笑)。
そういう意味で、とっても説得力があって、ストーリーの甘さ(と言うか、軽さ、かな?)なんか全然問題ナシに思えてしまった。
あまり人生とか考えずに、絢爛たる画面とオシャレな会話を楽しむのが正解だな。
なんと言っても凄いのは、実際に残っているカラス全盛期の歌声。
その声に、晩年のカラス自身が口パクで出演してビデオを撮影する(むろん劇中で演じるのはアルダン)、という企画。
何も知らない私は、本当にそういうビデオが作られたのかと思ってしまったんだが、そのビデオ版『カルメン』の、そりゃあもう素晴らしいこと!豪華絢爛ドラマティック。本当に通しで観たくなってしまった。(残念ながら、全くのフィクション、と言うかファンタジーなんだけれど。)
視覚的にはアルダンの容姿と演技力で、聴覚的にはカラスの圧倒的歌声でもって、力業で説得されてしまう、そんな感じが心地良い。
私が大好きなシーンの一つは、恋人に会わせるからおめかしして、とプロデューサーに言われ、振り向いたカラスが「シャネル!」と答えるところ。
なんと、まあ。安っぽい女がやったら失笑モノなのに、このウキウキしたアルダンは最高にチャーミングだ。そして実際シャネルが、異様な程に似合う。
脇役にも、どこか最初からあきらめたような顔をしたゲイのプロデューサー、その恋人の才能ある画家青年、タフな女記者と、魅力的な人物を取り揃えて、楽しい。『カルメン』の相手役の青年も、本業はスーパーモデルというだけあって、素晴らしい美形。楽しいったらありゃしない(笑)。
人生は、儚い夢のよう。どうせ夢なら、思い切り華やかな楽しい夢を見たいものだ。
ラストシーンで立ち去るカラス=アルダンの後ろ姿を見送りながら、やっぱり私はつぶやいてしまう。
どうしてこんなに、ゴージャスなんだろう!? |
栄光のル・マン 12/3
ヒロイン?の、エルガ・アンデルセンという人が美人でビビった。
フランス映画で活躍した人で、あまり日本には入ってないのかな、残念。
特にカーレースに興味も無いので、正直さしたる熱意も無しに観たのだが。
クラッシュシーンの迫力は凄い。
本当にペーパークラフトのようにクシャクシャになっちゃうのを、延々とスローモーションで。
もちろんCGなんか無い時代に、これだけでも見る価値はあったのかも。
マックイーンのハマリっぷりも凄い。
本物のレーサーかと思える凄味、って言うかこの人半分レーサーなんだっけ(笑)。
この時40歳くらいか…渋いねぇ。
この頃の俳優って、今の3倍増しくらいで"男"要素がプンプンする。
『大脱走』でのオートバイシーンは有名だが、あの役やりつつナチの親衛隊の中にも混じってたんだって、呆れたバイク馬鹿(笑)。
しかし、なぜこんな、命を紙に乗せて飛ばすような事をやろうと思うのかしらね…。
「走る棺桶」なんて呼ばれていたとか。
レーサー(バイクも含む)と飛び込み選手だけは、なぜまずやってみようと思ったのかが分からん。
でも、その分車やスピードが好きな人にはたまらん物があるんだろうね。
レースはある種の"極限状態"だもの。
私はその方面の知識も感性も無く、ただボーッと眺めるしかなかったのだが、それでもこの映画の"本気"っぷりは、なんと無く分かる気がする。
そしてその多くの部分を、マックイーンが担っているだろう事も。 |
HK/変態仮面
アルファベット表記すれば許されるってモンじゃない(笑)
いや〜見事なバカ映画!
主人公の名前が色丞狂介ですよ。お母さんがSM女王様ですよ。
しかし正直、ここまで真面目に「変態」と向き合っているとは思わなんだ。
甘く見ておりました、すみません。
ポスターで見た鈴木亮平の「尻」が、あまりに素晴らしかったので、中身は全く期待せず観てみたが、この勢いには素直に敬服する。
池田成志に安田顕では見逃せない、というのもあったんだが、こちら両者も期待以上の大活躍で頭ぐるぐるした。
ヤスケンは身体が貧相(鈴木と比べたら気の毒だけど)ながら変態っぷりがガチ過ぎて、他のキャストはもう考えも付かない。
ナルシさんもヤスケンも容姿は男前なのにな…力一杯残念なところがもはや尊いな。
それにしても現場を想像すると戦慄するわ。
あの衣装で大立ち回りとか…絶対色々こぼれ出してたよね…。
ヒロインのあの子は間近で見せられて、トラウマから神にすがってしまったかと(笑)可愛いし吹っ切れた活躍ぶりで、こちらは本気で残念なんだけど。
日常生活の狂介君は、もっとキモオタ感が欲しいところだったけど、鈴木君のサワヤカ体育会系が隠し切れてないのはまあ仕方ない。
変身後の彼は、それはもう見事な肉体美!で、変態とか以前に感心してしまう。筋肉量もバランスも素晴らしいです。
高校生と言うにはトウが立ち過ぎてる嫌いはあるけど、いいのもう、そんなのは(笑)。
主人公がヒーローになるに至る過程からして酷いモンだし、敵陣営もゲテモノ大集合状態だし、ヒロインも結局理解を示しちゃうしで、もう本当におバカなんだけど。
基本理念は崩壊していても筋立てはシッカリ王道を踏襲していて、親子の関係性、主人公の成長、アイデンティティーの確立、"本物"を賭けた闘いと、ウッカリ感動してしまいそうになるのがまた凄い。
…いえ、白状しますと感動しました(爆笑)弱いのよ私、こういうベタなヤツ。
私が男性なら躊躇したかもしれないが、こういう時女って便利。「じゃあアナタも変態ね」とは、なかなか言われない。
(影で言われてるかも知れないが聞こえない)
原作は未読だし、この先も読む予定は無いのだが、この設定をここまで真正面から映像化してはばからないメンタリティは評価したい。
しかし、こんなおバカ映画に2本も主演した俳優が、そう時を置かずに公共放送局の大河ドラマの主役を演ずるのだから、日本は平和で良い国だと思うわ。 |
HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス
まさかと思ったのにまた観てしまいました。
ガラスぶち破る金◯って…(汗)。
「この大学でパンティーが必要なのは…」うーんシュール。
「ガードルは前が見えない」シュールだよ〜。
体が歩いて来るとか。それ以前に三つ編みなんなん!?
女教師のパンティーの趣味が(笑)。
そしてパンティー受け渡しでここまで盛り上げるとは!
まさかのヤスケンさん再登場、シレッと別役。
まあ、正直嬉しかったです(好き)。
ヘンタイ仙人のブラ装着姿(目が見えない)…ちょっと"遮光器土偶"みたいでカッコ良く見えてしまったんですけど…病んでるかな私。
そう言えば"パンティー"って何の躊躇も無く書きまくってる時点で少しヤラレてるかも。
うんもう、好きにやってください、と思うわ。
鈴木亮平の完璧な肉体美、清水富美加の可愛らしさ(惜しい!本当に惜しい)、柳楽優弥、ムロツヨシ、片瀬那奈、池田成志らの手抜きナシの大熱演で、もう金◯とかパンティーとか目くじら立ててもしょうがないよ、という気分。
ポスターとかなにこれ、うっかりカッコイイと思ってしまったよ(笑)。 |
88ミニッツ
ちょっと面白そうだと思ったんだけどなぁ。
基本ワタクシ、猟奇殺人とか好きみたいで、ついつい見てしまう、この手の映画。
でもハズレでした、キッパリ。
アル・パチーノがね、どうも好きになれないんだけど、今回はいつにも増して、最低。
顔の表情がもはや判断できないよ、私。
なんかボーッとしてる事多くない?一応名優だよね?
でもまあ、あのお歳で走る姿はナカナカでした。そこはお見事。
ストーリーもかなり無理矢理感が強く(強引でも面白ければいいんだけど)その割に盛り上がらず。
真犯人、と言うか実行犯が判明しても、だから何?って印象だったし。
過去の妹話も、結局どういう役割なのか良く分からない…。
「おまえの命はあと88分」という脅迫は"引き"としては面白いが、その数字の意味もショボかったしナゼ使う?だったし言われた主人公の反応もハッキリしないし、なんかボンヤリした印象。
しかしたくさん出て来る女優さん達がやたら美女揃いで、そこは見てて楽しかった。
その美女が殆どアル爺さんに秋波を送ってるのは、どうにも納得いかないんだが。
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エイリアン
SFというよりは、ホラー、パニック映画として秀逸な、傑作、やっぱリドリー・スコット好きかも。
公開当時、物凄く話題をさらったんだけど、エイリアンの形が気持ち悪いとか、まあそんな内容だった、確かに気持ち悪い(でも美しさもあるんだが…)し、イヤ〜な恐さがあるよね。
寄生された人間が、しばらくケロリンと生きてるってのが、ツボその1。
そういう伝染病とかもあるから、結構身近な恐さでもあるし、意識のあるままお腹がボコボコッて出っ張ってピョギェエ〜(エイリアンの鳴き声を、なるべくリアルに表現してみました)って飛び出して来ちゃうってのは、全然身近じゃないけど充分イヤなのはたやすく想像が付く。
ツボその2は、育ってからのあのお姿。
は虫類と昆虫の、コワイとことエグイとこを足してデカくしたみたい、絶対素手で掴みたくない。(その前に死んでるけど)
しかも舞台は宇宙船、いわば特殊事情の密室。
単にSF流行りだったというレベルでなく、ちゃんとこの特殊な密室を生かした作りだし、それが無くてもエイリアンのデザインだけでもSF的価値はOKな気がしちゃう。
でも、ドラマもちゃんと面白い。
『2』ではすっかりケンカ慣れしちゃった闘うヒロイン、シガニー・ウィバー演ずるリプリーも、この頃はいわば一般企業のOLで、新米宇宙飛行士。初々しくて、ショックを受けたり追い詰められたり、ヤケクソになったりと、感情移入し易いキャラクターでありながら、長い手脚に意志の強そうな知的な表情は、「やってくれそう」な頼もしさもあってとっても魅力的だった。
面白いのは、この宇宙船、企業の物っていう設定な事。
だから、儲け主義の上層部やら、密かに送り込まれた命令に忠実なロボットやらが、話の展開を盛り上げる。
少なくとも『1』においては、戦闘にも素人のか弱いヒロインが、たった一人で闘う孤独と不安、みたいな物がかなりポイントを上げていた気がする。
ラストは本当に、ホッと胸をなで下ろしたものだった。
SF理論には詳しくないので、どんなもんかは知らないけど、宇宙船の中で、わりと普通っぽく生活してるのも、見ていてなんだか楽しかった。
あの猫、あれは良かったわ、そう言えば昔の船乗りは猫を航海のお守りに飼ったと言うしね。
コールドスリープに入る時のタンクトップにパンツ姿(結果的にはその姿で駆けずり回るはめになるんだが)のリプリーさんが、全然グラマーじゃないのに色っぽくてステキだったなあ。 |
エイリアン2
『2』が許せる映画って、とても少ないんだけど。
これは、その数少ない、納得の『2』のうちの1本だ。
あとは『ターミネーター』と『スターウォーズ』くらいかな?
キャラクター人気でとにかく引っぱってしまった『スターウォーズ』は置いといて、『T2』も、この『エイリアン2』も、ポイントは「『1』とはタイプの違う映画を狙っている」点、「制作費がおそらくハネ上がっている」点が共通だ。
『1』では初々しく、怯えたりうろたえたりが魅力的だったリプリーは、すっかりキモの座った女戦士として再登場する。あんな恐怖体験をくぐり抜けて来たのだから、太々しくもなろうというもの。
コールドスリープで時間が止まっていたはずが、シワが増えちゃってるシガニー・ウィバーが、ちょっと泣かせる(かぁ?)けど、前作から7年も経っているのでは、いた仕方ない。
むしろ精悍さが増して、より逞しくなったリプリーにポーッとなってしまいました。
あ、『2』成功のヒケツがもう一つ、「女がパワーアップしてる事」かも。
今回の監督は、ジェイムズ・キャメロン。
前作のリドリー・スコットの重厚さ、鋭さは無いものの、派手なアクションと分り易くテンポの良い展開は、サービス満点のエンタテインメントぶりで、大満足だった。
追い詰められたリプリーの背後に小型艇がせり上がって来るシーン、ガンダム(じゃないけどさ)に乗り込んで登場し、「その子に触るんじゃないよ!」とタンカを切るシーン、子供を小脇に抱え、空いた片手に銃を持って走り回るシーン、拍手喝采モノで、本当にワクワクした。
それが『タイタニック』だもんなあ。
はじめ、リプリーには地球に残して来た子供がいて、コールドスリープの間に死んでしまっている、という設定があったとか。
確かに、ヒーロー物の娯楽大作になったとはいえ、なんであんなに子供に執着するのか?と、不思議に思った私。でも『2』はともかく、『1』のリプリーは、母というよりまだお嬢さんってイメージだったけどね。
で、シブイ恐さの『1』とは全然違うド派手な死闘を繰り広げつつ、ここでのドラマもまた、なかなか面白い。
乗り組み員は、命知らずの海兵隊。なかでもバスケスって女の子が、最高にイカシていた。
お決まりながらエリートの上官は無能で臆病だが、最後はキッチリいいとこ見せて泣かせるし、すっかりロボット嫌いになっていたリプリーも、ある意味救われて(これが『3』までなだれ込むんだけど…それはもう忘れたい)閉ざした心を開く。
マイケル・ビーンは、『ターミネーター』に引き続き、強い女に引きずり回されていたなあ。
と、いう訳で、『1』も『2』も大好きな『エイリアン』だけど、さすがに『3』は疲れが出て、『4』に至ってはもう、悲しい…やっぱり引き際って大切だよね。 |
エイリアンvs.プレデター
こんなん『ルパンvs.コナン』みたいなモンじゃん。
こういう企画ってだいたい駄作と思って間違い無いんだけど、そう覚悟して見るとナカナカでした。
プレデターの通過儀礼、って事は、このプレデター君、元服前の少年なんだな。
そう考えるとちょい萌え(笑)あんな顔だけど。
高度な文明を持つ種族と、通常「餌」として使用される人類との、共闘、そして相互リスペクト。
いいじゃない、人間だって馬とかにリスペクト感じる事あるもん。東洋人よりイルカを尊重する人達だっているし。
闘うヒロインは『エイリアン』のお約束だけど、この黒人系の子もとても良かった。
身のこなしが綺麗でアクションも難なくこなしてて、と思ったら、やっぱりダンス得意なのね。
理知的でクールな表情も良いし、腰のクビレも素晴らしい。
探検チームの人達、なかなか粒揃いと言うか、イケメンに家族思いに余命を賭けた主催者に…と、良くあるウザい困ったちゃんがいなくて、あ〜この人達やられちゃうんだな、と、ちょっと悲しくなった。
社長、どっかで見たと思ったら『エイリアン2』のアンドロイドだった!これは嬉しい。(『3』にも出てたっけ?)
プラチナブロンドの"アデル"も素敵。アニメから飛び出したみたいな容姿!もうちょっと活躍してほしかったな。
闘いに関しては、いささかエイリアンが弱過ぎる気もしたけど、『プレデター』に花を持たせた造りは楽しめた。
エイリアンの事を「サソリ」と称するのも、なんかいい感じ。飛び出して顔に吸い付く場面のストップモーションは印象的だった。
ラスト、姿を顕すプレデター達(審判員なのかな?)を見て、「あ、プレデターって"見えない"が売りだっけ!」と驚く程度には、のめり込んで見てしまった。
いやいや、侮れない、ぶっちゃけ『エイリアン3』『4』なんかより、ずっと楽しめました。
実は『エイリアンVSヴァネッサ・パラディ』なんてのも、意外に楽しかった記憶があるんだが。 |
エイリアンvs.プレデター2
こんな企画、と思いつつ見た『1』が、思いの外良作だったのだが、やはりこうなってしまいますか、という出来だった。
極地を舞台とした『1』から一転、エイリアンとプレデターが降りたって、小さな町は壊滅状態…というシチュエーションは悪くないのだが、ただただ虐殺が続くばかりで、薄暗い中でアップが多くてエイリアンだかプレデターだかも分からなかったり、すっかり退屈してしまった。
そもそもエイリアンもプレデターも人を殺すのに忙しくて、もはや『vs.』でもなんでもない。
そして『1』に見られたような、神話も美意識も、もはや無い。
人間パートが魅力的なら、それはそれで見られたと思うのだが、いかんせん殺されすぎ。
一応中心付近にいたと思われるのが、ピザ屋のいじめられっ子兄ちゃんとそのマドンナ、兵隊のママと娘、駐在さん?あたりだろうか。正直誰もあまり、思い入れも共感もできなかった。
リプリーやシュワちゃんのような圧倒的ヒーローは望めないにしても、せめて共感できる程度のキャラクターはいてくれないと。
もう一つ決定的なのは、エイリアンが"孵化"するまでの時間が短縮されてないかい?
エイリアンにしても『物体X』にしても、あのタイムラグが怖いしドラマになる最大要素だと思うんだが、どんどんサクサク腹を破って来ちゃう。
冒頭の父子は、せっかく(通常タブー扱いの)少年まで担ぎ出しておいて、誰にも見られないまま"誕生"させてしまうなんて、もったいないにも程がある。
あの、意識がシッカリある人間が、他の人間と会話したり触れあったりしてるうちに「ピギョエェ〜!!!」ってのがいいのに!
エイリアンが皆人間サイズなのも残念。
プレデターに至っては、もうプレデターでも他のモンスターでも問題無いような扱いで、取りあえず「プレデター目線」のシーンがちょこっと入った程度。
ただ一つ、回し蹴りとかする時のプレデターが、クルンと廻るとドレッドヘアがヒラリと広がって、けっこうカワイイ事になるのを発見したのだけが収穫だったな。 |
エージェント・マロリー
ヒロイン役のジーナ・カラーノという人は、ホンマモンの格闘家なんだそうな。
ビックリ。
なるほどカラダを張ったアクションシーンはいっぱいだし、やたらキレの良い動きだとは思った、思ったけどさ。
だって美人だし。体付きだってそんなゴツくない。なにより演技が自然で全然違和感が無い…すごい。
この手の女性ってアクション場面では良くても、必ず入る盛装場面では「ああ、やっぱり…」となりがちなんだけど、ドレッシーな姿も本当に美しくキマッていた。
こりゃソダーバーグ監督が全力で売り出したくなるハズだわ。
とは言うものの、実は私はソダーバーグ監督が苦手。正直面白いと思った事無いもん…と、思ったらありました、『エリン・ブロコビッチ』は面白かった。
でもこの映画は、ストーリーとかミステリー部分は別にどーでもいいや、という印象。陰謀系が元々好きじゃないんで、あしからず。
単純に"美女"マロリーの肉体派アクションと、やられまくる色男達を眺めるのが楽しければ良い映画、だと思うし、そういう意味で込み入ったストーリーは邪魔なだけであった。
ストーリー的な新味と言えば、父親が登場した所くらいかな。スパイのお父さんって、ちょっと新鮮。
マイケル・ファスベンダーとのしつこい対決は良かった。ユアン・マクレガーは弱そう過ぎ(笑)だけど、ウザい悪党感はとても良かった。
そしてご贔屓バンデラス、出番は少ないけど、似合う、似合うよ…こういうの。私は嬉しい。
脇役は豪華で持ち味出してるし、主演女優は気に入った。でもやっぱり、ミョーにオシャレを狙ってるのか、考え過ぎなのか、なんだか歯痒い出来上がり。
もっとこうさ、せっかくの主演女優の素材を生かした単純明快な味付けの、もっとくだらなくてカブいた感じのが観たいよね。
…と、思ったら、カラーノさんの新作『ブライド・ウエポン』の予告が公開になってた。
こうして見るとやっぱりゴツいけど、うん。こっちのがいいよ、多分。 |
エクスペンダブル・ミッション
意外に豪華キャストなんだが、と言っても微妙な豪華さではあるが。
主演のゲイリー・ダニエルズという人は、キックボクサー出身だそうで、いや〜キレッキレの動きは流石だし、お顔もなかなか渋くて素敵。愁いのある良い表情をしますわ。身体はあまり見せてくれなくて残念(笑)。
ミッキー・ロークが本気で分からなかった(笑)。
いやいやいや、なかなか凄いモンがありました、この人若い頃のイケメン売りはどうにも納得いかなかったけど、このクセの強さはクセになる。なんたって『レスラー』だしね。ボクサーじゃなくてね(笑)。
ダリル・ハンナも素敵!この人は顔とスタイルが素晴らしい。『ブレードランナー』のかわい子ちゃんレプリカントが、随分とゴツくなっちゃった(素養はあったが)けど、イカレたイヤな女役、最高でした
マイケル・マドセンもイイ味出してたし、エリック・ロバーツはつい最近『暴走機関車』観直したばかりだったので、なんか感無量と言うかね。
…ちょっと同窓会気分?も楽しめた。
タイトルはアカラサマに本気の同窓会映画をパクッているし、ストーリーの中心が売春組織という気分の悪いモノなんで、まあ楽しめなかった部分も多いのだが。
何となく娼婦に肩入れして巻き込まれて行く主人公が、割とリアルに感じてスンナリと見る事ができた。
もちろん彼の強さがあってこそ、の説得力なんだが。
そんなにエロシーンが出るワケではないが、ズラリ並んだ年端も行かない少女達が厚化粧を施され一人前の娼婦ファッションで"出勤"を促されるシーンは胸が痛んだ。
そんな女でも女は殺さないんだよなぁ…マッチョって(笑)。
しかし、世の中には強そうな人がいっぱいいるんだね。
と言うか本当に強い人が、けっこう映画に進出してるのね。
その中でもこのゲイリーさんは、容姿は地味目ながら芝居もソコソコ行けそうなイイ感じな気がする。
…って、本家『エクスペンタブルズ』にも出てるんだ。そしてハリウッド版『北斗の拳』のケンシロウ!?(爆笑)
ちょっと観てみたくなったぞ、北斗の拳。 |
エクスペンダブル・レディズ
いえね、申し訳ないがすっかりバカにして観てみたんだけどね。
見事なバカ映画でしたね(笑)。
うん私バカ映画は嫌いじゃない。むしろ好き。とても楽しかった。
ところどころ残酷過ぎて「ひーっ」って所はあったけど。
だからこそ最後の「プードルのお返しよ♪」は最高だったし。
メンバーに一人、物凄い美女がいると思ったらT-Xたんではありませんか!?
いやぁ。
あの頃も綺麗だったけどここまで華やかな美女になろうとは。
ドレスアップも何もしなくても本当にゴージャス、アクションもなかなか頑張ってて、「可愛い顔してるけど学は無いのね」なんて言われちゃう辺りもいい、百発百中の狙撃手というのももはやセクシーの域!
悪役のブリジット・ニールセンは流石にお歳を召されたが、相変わらずのスタイルの良さと存在感。
そしてとっても、憎たらしい。これは良い悪役。
さらにもう一人、物凄く強い女が!
いいカラダしててかっこいいな、と思ってボーッと見ていたら、アクションシーンが始まったらビックリ、目が釘付けになった。
顔見ても思い出さなかったけど、これはアレだ、『グラインドハウス』で車のバンパーにしがみ付いてた彼女だ!
確か大物スタントマンだった、そりゃそうだこの動きタダモンじゃない。
この人も当時は地味顔と言われたけど随分華やかになって、女優オーラ出てたわ、素敵。
中国の爆弾女も、黒人の裏切り者もキャラ濃くていい感じ。(無理矢理入れた感は無きにしも非ずだが)
CIAの司令官まで女性(おばさん)でなくても良かったのに、とは思ったけど。
話の内容に全然触れてないですが(笑)まあそういう事です。
あのアメリカに憧れる少女は可哀想だったな…ちょっと小回りが利くばっかりに。
いいのにバカ映画なんだから連れて帰ってあげたらさ。
人質の大統領令嬢が銃突きつけられて、「弱い女性を虐げる奴に貴女は何ができる?」との問いに「なんでも!」と答えるシーンは、不覚にもジーンと来てしまった。バカ映画のクセに〜(泣いてる)。
あれはどちらも女、戦う相手も女だから成り立ったインパクトだった気がする。
一つでもこういう印象的なシーンがあると、観て良かった、映画っていいなぁと思うよね。
ラストも綺麗にキマッて後味も悪くない。
地元女性を虐げる悪役の描写とか、その女性達に最後まで配慮がなかった点が、私にはちょっとキツ過ぎたが。
「いじめっ子超大国のアメリカ」とか、正論吐いてるじゃん、という部分もあったけど、いかんせんやり口が酷過ぎてスッキリした気分で終われなかったのは残念。
心から壊滅を願ったから作り手の思う壺だったけどな。 |
エクソシスト<ディレクターズカット版>
言わずと知れた、ホラー映画の名作。
公開当時、あまりにも話題騒然だったんで、同級生と一緒に封切り日に早起きして映画館前に並んだのよ、私。
ああ、若かった、って言うか子供だったんだけど。
で、本当に子供だったんで、何かパッと見の汚さ(緑ゲロとか)やキモチワルサ(首がグルリンとか)ばかりが目に付いて、そんなに楽しめなかった、というのが正直な感想だった。怖いよりも汚い、という印象で。
でも時々思い返しては、「あれはもしや傑作だったのでは」と、うっすらと感じてはいたのよ。
で、「ディレクターズカット版」鑑賞。やっぱり。
かなり、面白かった。
緻密な構成。驚かし方の巧さ。緊張と弛緩(次の緊張のための)。
子供の目には汚い、と映ったが、各ポイントの汚い物(緑ゲロとか…)以外の絵は、とても上品で、重厚。有名なテーマ曲も、効果的に風格を添える。
女優であるママの服装がダサいのには驚いたが、時代のせい?いや、あれは違うと思う、他の人はおかしくないもの。なぜ!?
そんなに難しい話ではないが、最低限のキリスト教の知識があった方が楽しめるかな。
物語は、悪魔に憑かれた少女リーガンと、その悪魔を払う「エクソシスト」神父と、双方向で描かれる(と、子供の時は気付かなかった)。
無邪気な少女リーガンが、どんどん豹変して行く部分は見応えがあるし(普通に戻ったりして)、ママや医者の当惑ぶりも具体的かつリアルだ。
リーガンの検査のシーンも、痛そうで別の意味で怖かった。
そして、カラス神父と、母親とのわだかまり、葛藤。ここが実際のテーマに直結するあたりが、とっても私好みだった。
悪魔はリーガンの口を借りて母の言葉を喋る。カラス神父と共に、あそこが最もショッキング。人の弱さに、悪魔はつけ込む。
と、いう事は、その悪魔に打ち勝つという事は、己の弱さを克服する、という事で………ああ、なんて陳腐な文章。………まあ、そんな訳で、この映画の見所は、数々のショッキングな悪魔憑きのシーンではあるが、根底に流れるストイックな人生観が見えて来ると、邪教徒(笑)の自分でも深く感動できてしまうんであった。
でも、やっぱりリーガンは不細工だったけどね。 |
エグゼクティブ・デシジョン
世界で一番スティーヴン・セガールを正しく使用した映画(笑)。
まず導入部で、思う存分炸裂するセガールぶり。強い!かっこいい!頼もしい!!!
カート・ラッセルも余所では相当にタフガイだが、セガールと並べば大人と子供。
そんなセガールが、本題に入った途端に「中尉ぃ〜〜〜っっっ!」ってなコトになって、メンバー同様観客も呆然。この頼りなさ、心細さよ。
おまけにカンジンの爆弾処理係は重症で寝たきり、かろうじて使えそうなのはデブのプログラマー一人。どうやら軍隊嫌いらしいラッセル演じるグラントも、実戦経験はゼロ。おまけに外部連絡も通じない…と、絶体絶命の大ピンチ。
スーパーヒーローがいない事で、こんなにワクワクドキドキできるとは!
それもこれも、スーパーでない“普通の”人々が、それぞれにナカナカ魅力的だからなんだが。
絶対に足を引っ張ると思ったオタクデブは、最初こそ取り乱したものの(当然の反応だ)なかなかに頑張って勇敢に「闘った」し、インテリ役にクスリとしてしまうラッセルも、程良い強さと明晰さで大活躍、とても良かった。兵隊さん達も頑張った。
ハル・ベリーも可愛かったけど、好みとしてはもう少し華やかで大人っぽい美女が良かったかなぁ。
でもあのアテンダントさんは勇敢で冷静で、出しゃばり過ぎず、とても良かった。着陸シーンではグラントをピシッと励まして、ああこういう時こういうの大事よね、と、ちょっと感動。
ずっとハラハラドキドキだったのに、意外とドンパチは少なくて、そこがまた良かった。
その分終盤は思い切りはっちゃけてたけど、そこへ行くまでが全然長く感じなかったのはサスガ。
コンピュータ全盛の世の中になって、なんかアクション映画もセコくなっちゃうな…と、思ってたんだけど。だってクライマックスにキーボードカチャカチャやってても、絵的に地味だし。
でも本作のように、いかにも戦闘向きでないオタクが活躍するのって、悪くない。
"魔法の杖"やら"スリーパーのタブロイド"それに"ホッケーは好き?"等々、伏線のバラ撒きと回収が秀逸で、何度もニヤニヤさせてもらった。
映画公開は911テロの5年前だけど、今観るとペンタゴンの撃墜命令なんかもリアリティがいや増して見える。そう言えばハイジャック犯がコクピットで「誤魔化してもムダだ、俺はパイロットだ」と機長に釘を刺すシーンもあったっけ。
逆に今となっては、あの事件抜きに純粋娯楽作としてこの主題は扱えないでしょうね。
なにしろ公開当時、「セガール!(爆笑)」が観た人の合言葉のようだった、この映画。
そこだけでも凄いけど、内容もちゃんと面白い、良心的で良く出来たエンタテイメント映画。
タイトルがね。なんか良い邦題はなかったのかな…ちょっと残念なんだけど。 |
エグゼクティブ・デシジョン byココアちゃん
これは昔レンタルビデオで見た。
セガールね・・・・そうだったんですかぁーーー・・・・・ですね。笑。
これでいくらギャラ払ったのかな。
カート・ラッセルか・・・ゴールディー・ホーンの旦那・・・それしか記憶がない。
映画の感想は・・・何一つ覚えていないという・・・。
セガールのアレ、だけかな。ふうう。
セガールって言えば以前日本の配給会社で「セガールの次回作、沈黙の○○!の〇○募集!」
ってやってた。この作品だったら「セガール・沈黙の残り70分!」でしょうかね。
(何分くらいだったっけ、アレ) |
エス(es)
ドイツの映画って、あまり観る機会が無くて、思い出すのは『ラン ローラ ラン』くらいかな。
『es(超自我)』なんてタイトルは、いかにもドイツ人好み、って感じで興味をそそられました。
両者を観終わってのドイツ映画のイメージは、「実験好きの理屈屋さん」かしらね(笑)。
嫌いじゃないです。
与えられた環境や身分設定で、人がどれ程転がり落ちて(増長して)行くか。
正直、結末は予想通りだったが、思ったよりずっと短時間の急展開で、それにはビックリした。
それから、思いもよらなかったけれど見て納得したのは、実験する側の教授のいい加減さね。
実験放り出して学会に行くなよ!
…でも、ありそうだなぁ、こういうバカ学者。
なんて思って観ていたら、実話だったのね。しかも現場はアメリカで。
お調子乗りのタレント教授は、いかにも現実にいそうで面白かった。
看守役のリーダーになる「臭い」と言われて逆上する男も、なんかリアル。
主役に当たる記者の若者は、うーん、いるだろうな、やりすぎだけど。
殆ど唯一外界とのパイプ役になる記者のガールフレンドが、結局何の役割も果たして無いのが残念かな。
ここらへんでキチンと組んでくれたら面白いのに。
実話の限界かしらね?
と、まあ、展開は充分面白かったんだけど、完結の仕方が食い足りない気がして、少なくとも『es』なんてタイトルは大袈裟だったかな、と。
どの辺までが事実なのか不明だけど、ルポとしてはかなり興味深い(やり過ぎだけど)、でもドラマと呼ぶにはサッパリし過ぎ、というところでしょうか。
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エスター
なんともはや、後味の悪い…けど、見応えがあった。
パターンと言えばそうなんだけど、「狂気の侵入者」系ね。『ゆりかごを揺らす手』とか『ルームメイト』とか。でもこの設定は、ひとひねりあって面白かった。
まず主演の女の子が凄いです。
撮影当時11歳。スゴスギル。
なんかもう、この撮影自体が児童虐待に当たらないかと思うくらい、怖いし不気味だし、大人の顔だし。この子精神大丈夫だったんだろうか。
でも良く考えると、可哀想なんだけどね、エスターさん。
普通の身体だったら、ここまで凶悪にならずに生きて来られたかもしれない。だからと言って、こういう境遇の人が皆こうなるワケではないけれど。
正直、日本人の(庶民の?)感覚では、「実子がすでに二人いるけど三人目を亡くして傷心を癒すために養子を迎えよう」という、その感覚がすでに分からない。それも赤子ならまだしも、今いる実子よりも年長の子とは。
おまけに、話が進むにつれて妻はアル中経験者、夫は浮気の前科アリと、相当に荒んだ時期を通り越して来たらしい。
いいじゃん、もう子供二人いるんだし、気分変えたいなら猫でも飼ったらよろし。
…と、そもそもこの夫婦に、あまり思い入れができない。いい家に住んじゃってさ。
そんなささやかな不満は、エスターの存在感が全て吹っ飛ばしてくれるんだが。
この手の「侵入者」モノ、どうしてもラストは侵入者を「被害者」がブチ殺さないと収まらないものなのか、時々「乱暴だなぁ…」と思ってしまう。
エスターの境遇に少しばかりの同情もあり、夫婦に好感が持てず(子供達は全力で守らなければならないが)、何よりこの手の映画のあまりに常套的結末でもあるせいで、正直最後の"決戦"に差し掛かった辺りから視聴意欲がダダ下がりしてしまった。
お母さん頑張るな…とは思ったけど、なんだか殺すためにこの設定なのか、なんて勘ぐりたくもなっちゃって。見た目のままの年齢だったら、あのラストはマズイでしょうから。
DVDには「もうひとつのラストシーン」というのが収録されていて、本来そういうのはケシカランと思う方なんだが(『バタフライ・エフェクト』とか、せっかくの感動的な本編に水を差すようだった)この映画に限っては、こちらの方が面白そうだと思ってしまった。
ところで、『タイタニック』でも思ったんだけど、人間の身体って、あんな風に水に沈むモノなのかな???
エスターは湖だからまだしも、海では無いと思うんだけど……ダイビングで潜行、あんなに苦労したのに(笑)。 |
X-MEN:ファイナル ディシジョン
長いシリーズだし、人気あったって事だよね?
一応、最初と最後だけ、書いておこうかなと思って。
なんかどんどん、「闘いのための戦い」みたいになって来てて、ふう。
なぜミュータント戦争みたいになっちゃってるのか…差別虐待されるなら闘う相手が違うでしょうに。
スタイルだけで、仲間や敵を悼んでみたり、称えてみたり、しているようで。
内容もだが、"ミュータント"達のデザインがね、好みじゃないと言うか。
イラストだったらもう少し美的に見えそうな気もするし、多分美的にこだわりが無いのかな?
戦隊モノとか、なんたらライダーに近いのかも…いや逆か、こちらがあちらを目指してるのか。
(と、言いつつ、最近ライダー大戦なる映画を観てすっかり魅了された。アレはもはや日本の伝統芸能。)
色使いとかがね、原色使いで何と言うか、スポーツ用品的と言うか。
ヒュー・ジャックマンの似合わなさと言ったらギャグレベルだと思うんだけど、アレかっこいいとか思う人いるんかな?
ハル・ベリーはチャーミングだったけど。
あと有翼の息子の「コレじゃ飛べない」感が凄かった。
あ、"ミスティーク"のデザインは好き。元々美人さんだけど、あの半漁人ぽい装飾、黄色い目玉、ほぼ全裸シルエットに青い肌で絵になるって凄い。(同じ青肌でも『アバター』とはえらい違いや…)(あ、『ウォッチメン』てのもあったな)
注射打たれて人間になっちゃうの、アレ美女で良かったよね…って、もちろん狙っての配役だろうけど。
あれオッサンとか、おデブとかだったら、別の意味で悲惨…。
てな、余計な事ばかり考えてしまう、つまらない映画だったなぁ。
なんかご免なさい、こんな感想で。 |
エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜
実話、と言うか、実在の人物を主役にした映画って、食い足りない物が多くて、本作はピアフさんの人生ってどんなかな、程度の興味で見たので、映画の出来には全然期待してなかったんだけど。
すみませんでした、傑作。
何とも見事にチンチクリンで根性悪のピアフを再現してる、この女優ダレ!?
…マリオン・コティヤール
えええええっっっ!
『インセプション』の妻役!あのモデルのような美人さん!?正直あの映画は彼女が美しくなかったら途中放棄してたかも。
素晴らしい…オスカーも当然過ぎる。同じオスカーでもナタリー・ポートマンなんか全然問題じゃないわ。
ピアフという人の波乱の人生を、これでもかと見せ付けられて、まさしく事実は小説より…と陳腐な事を思う。これが創作100%なら「ちとやり過ぎじゃない?(笑)」と言ってしまいそうだ。
舞台は匂い立つようなパリの街角、煌びやかなキャバレー、ピカピカのアメリカと移り、ピアフも貧しい少女時代から大スターの最晩年まで描かれる。羽の抜けた鳥みたいな年寄りメイクも素晴らしい。
売春宿がとても良い。母のようにエディットを可愛がる売春婦の姿が悲しいが、幼少期に彼女に出会えた事でピアフはどれ程救われた事か。
売春宿の店主?リーダー格の女優さんのツラダマシイが素晴らしく、見惚れてしまった。
おそらく伝説通りなのであろう、スター@ピアフはエキセントリックでワガママで下品、有名人でなかったら誰も相手にしないだろうイヤな奴だけど、ディートリッヒに声掛けられた時の少女のような表情は可愛い。無名時代からの"姉妹"にまで妬まれて、天才に孤独は付き物だね。
だからこそ最後のインタビューで、彼女は「愛しなさい」と繰り返したのだろう。
前半の見所は、大道芸人の父のお伴で初めて街角で歌うフランス国歌。ありがちなエピソードだが国歌というとこが泣かせるし、終生パリに拘り続けたピアフの第一歩としてふさわしい。
後半のハイライトはもちろん、事故の知らせを聞いて絶望に泣き叫びながら歩く廊下の先が、ステージへと続くシーン。
もうポカーンとしながら、感動に胸が潰れそうになった。
そして響き渡る、圧倒的なピアフの歌声。
ところでこのピアフのちんちくりんぶり、どっかで見たような…と、思い出してみたら、『アリス・イン・ワンダーランド』のヘレナ・ボナム=カーターだ!(笑)
いや、妻の頭をCGでデカくしてしまうセンスにも驚いたが、こちらはCGナシであのテイストを出してるとは!凄い。
同じ実在の歌姫を扱った『永遠のマリア・カラス』とは正反対のアプローチで、見比べてみると面白いんだけど、主演女優の圧倒的存在感(ひいては歌姫の偉大さ)という一点においては双子のような二作品でもある。 |
エバーアフター
とっても話題になった、21世紀版『シンデレラ』。
主演がお気に入りのドリュー・バリモアだったので、すごく楽しみにして観た。
バリモア、相変わらず可愛くて、地に足がついてる感じがいい。適度にオバサンぽいとこもマル。
ストーリーは…、まあ、ほぼ予想通り、思ったよりもっとシンデレラが逞しかったカシラ。
急に「私は父から剣を仕込まれたわ」って始まっちゃうのはいただけないが、馬も乗るし、舞踏会では妖精みたいにキレイだし。強くてチャーミングな女性を見るのは小気味良い。
スペイン王女の結婚式も、楽しく笑えた。
…しかし、何もかも片付いてからノコノコやって来るだけの王子、あれでいいんかい!?
悲鳴を上げて泣いてるだけのお姫様を見飽きているのは確かだけれど、自分でなんでも出来るようになってしまった女にとって、それでも必要な男ってのを見せて欲しいのよ。
(現実問題として、彼は王子なのだから、それだけで価値はあるとはいうものの、それではあまりにも夢が無い。)
アメリカの女は大変だ。知的で喧嘩も強くて、しかもまだ美しくなきゃいけなくて、男もゲットしなくちゃならない。 |
エビータ
実在したアルゼンチンの大統領婦人、美貌と派手なパフォーマンスで民衆に愛され、若くして亡くなった‘エビータ’ことエヴァ・ペロン。
野心家でパワフルなところがイメージにピッタリなマドンナだが、意外な程のハマリ役。
普段とは全然違う声でミュージカルナンバーを歌い、クラシックな衣装の数々をエレガントに着こなして、正直かなり見直しました、私。
本当にマドンナって、頑張り屋さんだわ。
このところ私のアイドルNo.1のアントニオ・バンデラス。
ビックリする程キマッていた。
ラテンの人は皆歌がうまい、と言うけれど、気持ち良く声が抜けてホント〜にウマイ!
‘スパニッシュ・セクシー’は、歌いっぷりも最高にセクシーだ。
マドンナからのラブコールが実現しただけあって、二人の踊るシーンは泣けてくる程かっこいい。
実際には一度も出会う事がなかった男と女の、イメージだけのからみ合い。お互いの思いの複雑さ、激しさを見事な絵で見せてくれる。
大ヒットしたミュージカルの映画化だけあって、さすがに音楽も素晴らしい。
次から次と名曲が、美しいアレンジで流れて来るが、華麗でどこかファンタジックな画面のせいか、ミュ−ジカル映画にありがちな歌い出しの気恥ずかしさを感じずにすんだ。
そして、繰り返しになるが、名曲の数々を歌いこなすマドンナとバンデラスにはホレボレだ。
ストーリーはわりと平易で分かりやすく、特にこれといった物語上の見せ場も無いんだが、迫力ある画面展開と音と光の洪水に、飽きさせられる事無く漂ってしまった。
…なんだろう、この気持ち良さ。
と、思ったら、アラン・パーカー。
『エンゼル ハ−ト』だぁ!
納得、であった。 |
えびボクサー
ひええぇ〜〜〜、く、くだらねー!!
と、誰もがまず思う、はず。
原因不明で巨大化したエビ(だいたい身長2m位かな?)に、ボクシングの試合をさせて一山当てよう、という、いかにもええかげんな話がストーリーの中核で、しかもその巨大エビがまた…、痛ましい程ハリボテ君なのだ。
CG嫌いの私としては、応援したいのはやまやまなんだが、それにしたってまあ。
でも、でもね。
いい映画だったのよ、これが。マジで。
実はこの映画、TVドラマに出て来てたんだよね。あ、実在するんだー、と思って観てみたんだけど、もしドラマ知らなかったら、目に止まったか、どうか。分からない。
サエない元ボクサーのおっさんと、全然勝てないサエないボクサ−青年と、そこそこ若くてカワイイけどそれなりにサエないボクサーの恋人。パッとしない人生を一発逆転すべく、巨大エビをワゴン車に積んで街に出る。お金は無く、コネも、計画性も、知恵も、無い。エビのボクシングにしたって、本能をアテにした行き当たりばったり。アブナイッて、アンタ達。エビはホテルのベッドに持ち込むは、困窮して強盗までやらかすわ。
あまりの彼らのドン臭さ、おバカさ加減に、呆れながらもだんだん肩入れしたくなって来る。
特におっさんは、エビの世話を甲斐甲斐しくするうちに、父性愛?に目覚めるのか?明らかに変わっていく、そして愛の対象であるミスターCことエビ君が、おっさんの心の動きと共に、なんだか可愛く見えて来る!
さんざんドタバタの末に、ついにエビボクサーはTV出演に漕ぎ着ける。今まで殆ど拘禁されて目と手しか動かなかったエビ君が、走り出す…その動きがまた…キグルミじゃん!
なのに、その先の展開も「ありえねーっ」なのに、感動してしまう。エビにそんな脳みそは無い、とか、明らかに低予算とか、そんな事は、こみ上げる涙のストッパーにはならない。
共感し、共に泣いて、それぞれの行く末に心からエールを送りたくなった。
これはとても上質なグローイングアップコメディであると同時に、とても優しい愛の物語だ。
イギリスで作られたこの映画、実は日本以外では殆ど上映されず、理由は「動物愛護の観点から不適切」なんだと。
バカじゃねー!?
観終わって、こんなに心に愛が溢れる映画は珍しいのに。
だからって、「明日からエビは食べないぞ!」とは思わなかったけどさ。
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えびボクサー
(by しるこ)
ツタヤ半額だし、痛い目にあっても傷は浅いとばかりに
借りてみました『えびボクサー』
そのまんまエビがボクサーを目指すサクセース☆ストーリー。アルバトロスの映画はこんなんばっかり(-_-;)
結構よかった…(ぼーぜん)泣けました
でも二度は観たくないです(笑)お薦めもしません(キッパリ)
次回作はいかボクサー…観ようかな…
(by スギモト)
私は『えびボクサー』大好き。
また観たいです。
確かに他人様にお薦めするのは勇気がいるけど(笑)。
でも好き。愛があるから…。
p.s いかはレスラーです。
(by コーキ)
着ぐるみ?のチープさや形状がエビではなくてシャコなんだけどそんな物はどうでもよくってヒューマンドラマとバカバカしさが渾然一体になってて楽しめた映画でした。
ですが、こんな怪しい映画を喜んで見る方がコーキ以外にも居るのがわかってショッピシ安心しました。
実際のシャコはパンチで貝を割って食べたりするすごい生物です。
(by しるこ)
いかはレスラーなのか! み、見なくちゃ…
コーキ様、杉本様、私こそ安心しました
この映画って 感動するよね(;_;) 愛。 |
F.R.A.T./戦慄の武装警察
安定のモーガン・フリーマン。
この人が言うと内容いかんにかかわらず何となく説得力があるので、事の次第を飲み込むのに時間が掛かった(笑)。
本当にこの人は、いい人も悪い奴も同じ芝居で堂々押し切るからなぁ。
でもそれは、ジャスティン・ティンバーレイク演ずるポラック君にとっても同様だったはず。
上記の二人に加え、ジョン・ハードにケヴィン・スペイシーですよ!
この豪華キャストにもかかわらず劇場公開されなかったと言う事は、相当アレなのか…けっこう面白かったんだけど私。
…まあティンバーレイク君のアイドル映画的な位置付けだったのかしらね?
上記の理由でアシュフォード編集長が悪辣だと納得するまで長かったので、いささかスロースタート気味にはなってしまったが、どう転ぶか分からなくて見入ってしまった。
…解決はドンパチで期待はずれではありましたが。
語り部と言うかナレーションは無いのだが、冒頭は新米"フラット"隊員のディードの目線で、中盤はポラック君目線、ラストは銃撃戦でまたディードが主役と、一人称が移動するせいもあって思い入れし辛い部分もあった。
最初の先輩警官ラザロフとのやり取りからの強盗シーン、だんだん見えてくるフラットの内情とか、面白かったのになぁ。
このラザロフというのがなかなかいいキャラで、嬉しそうに人殺すんだわ。
例えばディード君がラザロフ先輩を乗り越えて行くとか、そういうの期待したんだけどアッサリ始末されちゃって残念。
政治絡みと言うか黒い霧的にしたかったんでしょうけど、その割にラストは銃撃戦で、「え、フラット弱いやん!?」という(笑)暴力的解決。
ポラックと編集長といい、人間関係がアッサリしちゃってて食い足りない。
ラザロフが魅力的だったのと、冒頭とラストの人質への対応(撃つ、屈ませる)の違いがちょっと面白かった。
けどまあ、あっちもこっちも端の始末をしてない編み物みたいな未消化ぶりで、豪華キャストがもったいない、と世間が評価したとしても、間違っていないと思う。 |
エラゴン/遺志を継ぐ者
つい最近観た『ドラゴンハート』が1996年、こちらは10年後の2006年公開という事で、色々技術も進歩を見たのか、ドラゴンの動き、特に飛翔シーンがとてもエレガントで素敵。
でも姿は…うーん。ちと不細工な人面犬???みたいな顔に、鳥のような翼も違和感。
茶色はつまらないと思ったけど、ブルーも人工的過ぎてちょっと、なぁ。
公開当時、ドラゴンの声が女性なのに驚いた記憶がある。
少年とドラゴンのコンビという事で、恋人のような、母と息子のような匂いを放ちつつ、共に成長する姿が微笑ましくはあった。
喧嘩をしても闘いに明け暮れても、何となく片方が女声だと柔らかな印象が残っていいかも、とも思う。
でも両者の"会話"は、少なくとも面と向かってる時は声に出して喋って欲しかったな。私の好みとしては。
英雄ファンタジーのお手本のようなストーリー。
平凡に生まれた少年の、選ばれたる印。圧政に泣く民衆。賢者の助力。囚われの美女。
あまりに王道で工夫も無く、肝腎の圧制者は手つかずのまま終了してしまった。
それでも、飛翔シーンの爽快さや景色の美しさが心に残る。意外にCG臭くないモブシーンなんかも多くて目に優しい作りだったのは好印象。
ハッピーエンド好きなのでラストもホッとしたものの、ちょっと色々ご都合過ぎの感は否めない。
ジェレミー・アイアンズかっこよす!もっと活躍すると思ったのに〜。でもカッコ良かった。
そしてジェレミー退場に合わせて登場するギャレット・ヘドランド。イケメンを絶やさない心遣いが嬉しい(笑)。
囚われの姫後女戦士がやたらクールな美貌で、シエンナ・ギロリーって誰やねん?と思ったら『タイムマシン』の彼女でしたか。あの映画でも美しさに驚いた記憶が…『バイオハザード』(未見)もか。ふむ。
こういう硬質な美貌の少年が主人公のファンタジーが観たい。ははは。
てなワケで主人公エラゴンのエド・スペリーアス君、なかなかチャーミングではあるんだけど、うーん、食い足りない。顔の表情が少ないし、基本構造が庶民的過ぎる(笑)。
悪役の萩原流行(違)も良かったな。いい感じに気持ち悪くて。悪徳王のマルコヴィッチはオニギヤカシ程度の出演で、次作に期待という流れだったのだろうに、そこ思うと続編コケたのが残念だ。 |
エリン・ブロコビッチ
ソダーバーグって全然面白くないじゃん。
と、思っていたら、コレがありました!大好き。
ジュリア・ロバーツも、あまり好きになれない女優なんだが、この役の彼女はまさに水を得た魚。
彼女の下品さ、エネルギーの強さ、そして当時は文句ナシだったスタイルの良さも、いかんなく発揮され功を奏している、まさにハマリ役だと思う。
で、主人公がクッキリして魅力的なのはモチロンだが、相棒のマスリー弁護士役のアルバート・フィニーがまた、とてもいい。
食えないオヤジで、最初は単なる高飛車な一弁護士でチョイ役かと思って見ていたら、思いもよらぬ大活躍。どうしてどうして味がある。知恵もガッツもある。どんどん可愛く見えて来る。
この魅力的な彼がいるから、型破りなヒロインが生かされるし、実話がベースという事では、彼がいたからエリンが活躍できたのだ、という重要な役どころ。
エリンが一枚岩のエネルギッシュ女なのに対し、マスリーは社会的地位もあり、気取り屋だし常識家だが、根はオチャメという対照的な性格。だから良いコンビだというのが、見てるとドンドン伝わって来る。
「お礼を言わないの?」等の会話も楽しくテンポ良く、頭の回転の速い人同士のやり取りは見ていて心地良い。
扱う事案は、胸が痛くなる悲惨なもの。
エリートではないエレンだからこそ、その被害者達に寄り添い、共に怒り共に泣く事ができたのだろう、と各所で納得させられる。無論それだけでなく、ちゃんと闘うパワーと図抜けた頭脳という実力があっての事だけど。
後から参加するプロの弁護士、特に女性の扱いがあまりに戯画的で、ちょっと可哀想な気もしたが、エリンを引き立たせるためには仕方無いのかな。この辺りの下品さもまた、ジュリアさんにピッタリだ。
父親の違う子供を三人抱えて失業中で、交通事故にまで遭って、崖っぷちのエリンさんに、仕事と恋はほぼ同時に舞い込む…いや、その強い握力で掴み取るんだが。
恋愛パートがあまり濃くなくて、良い箸休めになってる所も好印象。相手の男が完全に主導権を握られてる様子も良く伝わって来て面白かった。
子供達もそんなに酷い目に遭わず、でも赤ん坊を片手であやしながらコピーを取るシーンとか、なかなか効果的で、エリンを応援したくなる。
…しかし半年間も、恋人がプレゼント一つ渡す暇が無いって、どんだけ忙しかったんだエリン?
彼氏との最初の出会いでの数字の羅列といい、被害者のデータ記憶といい、ちょっとサヴァン入ってるのかしらねこの人、なんても思ってしまったが。
いずれにしろ、恐ろしく優秀な頭脳と、並外れた行動力に溢れた彼女。(そんな女がなぜあそこまで落ちぶれたのか、という問いの答えは、「ミスなんとか」でしょうね。ウッカリ美人に生まれたためにボンヤリ生きてても男が幸せにしてくれると思ってしまって、子供3人産むまで間違いに気付かなかった、と。)
こんな女ばかりでは世の中やり切れないが、たまにいて世のために働いてくれるなら、それはそれでありがたい。
辛い現実は色々あっても、それを吹き飛ばす爽快感がラストまで持続する、映画自体もとてもパワフルで魅力的だった。 |
L.A.大捜査線/狼たちの街
えっナニこれ映画なの?
ものっすごVシネ臭いんだけど…って、私Vシネってちゃんと観た事無かった(笑)。
しかしどうしましょ、気を付けて見ればソコソコお金も掛かってそうなのに、何とも言えないダサさ、安さ、空回り感…特にラストシーンは腰が砕けた。
聞けば名監督ウィリアム・フリードキンだし、後に『アウトレイジ』に影響を与えたとの噂も聞いた。
なるほど、あの期待を裏切る展開は、近いモノがあるかも。
けど、意外な展開を見たリアクションが、「おおー!」になるか、「あー…」になるか、「えぇ〜?」っとなるかで、作品の評価は大きく変わる訳で、『アウトレイジ』は2番目だったけど、コレは3番目。
徹底した乾いた空気感が、好きな人はたまらないのかな?
私的には「狙い過ぎ」。よく言われる「予想は裏切っても期待は裏切るな」の例題になりそうな結末だった。途中経過も別にに面白くはなかったんで期待も少なかったんだが。
カーチェイスのシーンなんかは力が入ってるのは分かるし、暴力シーンも独特の吸引力はある。
でも残念ながら、私はそのどちらにも、そんなに興味は無いみたい。
後は主人公、あまりのイカレっぷりに付いて行けず。何度か書いてるけど、イカレてしまった人にはあまり興味が持てないの、イカレそうな人を見るのは大好きなんだけど。
そういう意味で、つくづく好みじゃないんだなぁと。
『アウトレイジ』はまあ、許せたんだけどな。北野ブランド?うーん…。
『プラトーン』以前の、若く美しいデフォー(あの顔にこの形容は何だが、でも本当なのよ)がいい感じで悪役をやってなかったら、途中で放り出してたと思うわ。
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遠距離恋愛 彼女の決断
ドリュー・バリモアは大好きな女優さんだし、今でも十分チャーミングな存在だとは思うんだけど。
だからこそ、なんでこんな映画に出てるの!?
という驚きと失望を禁じ得ない。
逆にジャスティン・ロングは、ほぼ何の魅力も感じないので、もしかしたら同じ脚本でも相手役が違えば印象は違っていたのかも、とも思う。
出始めの頃のオタクだけど意外と使える奴、とかなら合ってたんだけど、なに普通に恋愛ドラマの主役張ってんの、ってか「顔も髪型も合格!」とか言われる役って…出会ってすぐに恋に落ちるとか…私は乗れないな。
この手のラブコメ?笑えないけどラブコメ、特に最近のアメリカのって、あまりに男女が性的に解放され過ぎててついて行けなくなってるのもある。
ジャスティン・ロングじゃなくっても、出会ってその日にセックスし過ぎ。
あと女性が"女らしい"事を罪悪視し過ぎという気がする。
セックスには貪欲、アケスケな会話にガハハ笑い、空港の椅子に靴のまま足乗せた時は目を疑ったわ。
多分"コメ"の部分を狙っているんだろう描写の数々も、どうにも肌に合わない。
なんで映画観に行って、トイレでドア開けてウ○コしてるとこ見せられなくちゃならないの?しかも同時にビール飲むとか必要?あのシーン何か必要性ある???
姉夫婦と同居の家でダイニングで始めちゃうのもあり得ないけど、そのテーブルを掃除してグチグチ言い続ける姉も不気味。妹に拭かせろや。
ディナーの席でキレる既婚者も意味不明で気持ち悪かった。
小さい娘に「銅像!」とか、夫婦の「着衣プレイ」とかも何やってんの、と思ったら、それがオチですかい!?と崩れ落ちたわ。
あれ劇場で笑いが起こったりしたんだろうか………。
せっかくテーマ(遠距離恋愛からの仕事を取るか恋を取るか?)は興味深い物だし、日本と違って広大な国土のアメリカでは時差もあるんだーとか、ヒロインは記者になりたいんだとか、男は音楽関係だけど"売れ線"が好みじゃないとか、面白く膨らませられそうなモチーフは揃ってるのに。
その問題も、ドリューが恋を取ろうとするのをロングが止めて、というのがもう、今時の課題みたいな窮屈さを感じるし。
結果ハッピーエンドも全然意外性も無く、しかも売れないバンドのマネージャーって生活の目処は立つの???
と、なんかもう、なんだかもう。
で、オチがあれだもの。
ドリュー好きなのになぁ。 |
エンゼル・ハート
うーん、これ、賛否両論、けっこう割れてたよねえー。
私は、大好き。最高。
そもそもミッキー・ロークって、気持ち悪いのよ。
気持ち悪くって目が離せないとか、そこがクセになっちゃって、とか、じゃないの、素直ーに普通ーに、ダメなの。
それなのに。
この映画は、良かった。いやミッキーがステキとかじゃなくて、いい映画でした。
話の展開がありきたりだとか、オチは簡単に予想できたとか、言う人達がいた。そう言われれば、プロット自体はそう珍しいものじゃない。(珍しいってどんなの?)
劇場公開で観た時、私には全く余裕が無かった。
画面の鋭さ、美しさにひたすら見とれて(ミッキー気持ち悪いのに)溺れているうちに、アレヨアレヨと話は進み、終わってしまった後には恍惚感だけが残った…、そんな状況。
私はかなりスレた観客だし、もの書きの(はしくれですが)サガで、つい色々先読みしたり、ツッコミ入れたりしてしまうのが常。不遜にも、「私ならこうする」なんて考えたりもする。
でも今回は、ただ画面を追うのに必死で、気が散る隙がなかったのよ。 で、とーっても心地良く、なされるままに揺さぶられて、
そしてオチにしても、嫌いなミッキー・ロークがやっぱりインチキ野郎だったので、ものすごく素直に納得してしまったの。
初めてスペースマウンテンに乗った時に似てたかも。
で、後から思い出すに。
ロバート・デニーロ、またまた大活躍だったよねえ、あれは確かに、ギャグかも知れない、そう言われてみれば。 |
エンド・オブ・デイズ
まあね、この手の話(『ディアボロス』『エンゼル・ハート』『コンスタンティン』)基本好きなんだわ、多分私。
おばちゃんにボコられるシュワとか、強姦未遂のシュワとか、かなり絵的に面白かった(笑)。
まさしくミレニアムに当てて作られた映画だから、1999年。過ぎてしまえばそれなりに、世紀末らしく世間はザワついていた。
…けど、考えたら西暦なんて、所詮はキリストの誕生から数えただけの数字。コンピュータの誤作動は深刻だったが(大事無かったようで何より)他に意味なんて無い、邪教徒の我らにとっては。
だからまあ、「世界の終わり」とか言われても、根本的に危機感が無いワケで、そこは乗り遅れた感が残念。
それと終盤の悪魔のCGは、ちょっとベタだったかなぁ…『エクソシスト』とまでは言わないが、もうちょっとなんか、こう。
公開当時から思ってたんだが、ヒロインが、「エー、この娘ぉ!?」っていう。
悪魔ってメンクイじゃなかったんだ…これ、ダメでしょ。
悪魔が(キリスト教的)世界征服目指して選ぶなら、相手の女性はフレスコ画から抜け出したような、色白金髪碧眼の美女でなくては。せめてショートカットはやめて、それもパンチパーマ寸前みたいな。
そもそも悪魔は天使の堕ちたモノなのだから、繁殖には同類を選ぶべき。
こんなサエない娘のために神父に警察にシュワが総動員で右往左往、って、なんか覚えがあるなと思ったら『バーティカルリミット』のあの子じゃん。アレも全然応援する気にならなかったなぁ。
しかも、設定二十歳にしては初々しさが無いな、と思ったら、公開当時27歳だと!いえ30歳だろうと二十歳に見えればいいのよ、別に。
でもこの"二十歳"は重要。なんなら"18歳"とか、時代によっては"16歳"でもいい。けど26歳はダメだ。下手すると実年齢より老けて見えたし、彼女。ダメだって!
なぜこんな女優を使ったんだろう、一応シュワちゃん映画と言えばソコソコのハズなのに。
ガブリエル・バーンのサタンは良かった。なかなか色っぽい。『ディアボロス』の100倍良い。
(『コンスタンティン』の白スーツのお茶目なルシファーは、けっこう好み。それ以上に美しいガブリエルがいいけど。)
小娘追い回す以外にも、もうちょっと活躍して欲しかったな。 |
エンド・オブ・バイオレンス
たるいなーと思ったらヴェンダースでしたか。
いえ、好きだったんだけどね、『ベルリン・天使の詩』とか『パリ、テキサス』とかね………うーん。
もはや「ヴェンダースだから許される」になっちゃってる感、アリ。
女優役のトレイシー・リンドが超美人。
冒頭の真っ赤なドレス姿の彼女が吹っ飛ぶシーンは引きつけられた。
けどその後が、なんだかな〜、ダラダラ続く、いろんな人のいろんな事情。それがけっこう、ボンヤリしちゃってて。
プロデューサーの誘拐から殺し屋との交渉辺りは面白かったんだけど、なにせ分かりにくい。
そもそも私、国家的陰謀とか、あまり燃えないんだよね…残念ながら。
主演のビル・プルマンに魅力を感じないのも大きいかも。
いわゆるカッコイイ役回りでなくても、もう少しなんとかならんかったのかと…『キャスパー』のパパは良かったのにな、この人。
もう一人の美人、アンディ・マクダウェル、曖昧な陰気な表情がとても役に合ってて良い。けっこう腹黒、合理主義の女。
夫に無視される寂しい妻からバイオレンスな女に豹変、まんまと財産をせしめる所は面白かった。
後はガブリエル・バーン、個人的に好きなので、たいして活躍しないけど存在感はあった。ほぼ座ってるだけで残念。
相変わらず絵が恐ろしく綺麗で、この人の映画ってピタリとハマると本当にカッコイイんだけど、ズレるとご免、退屈で疲れるのよ。
今回は後者でした。部分部分は時々面白いんだけど。
終わり方もモヤモヤモヤ…だったし、美人の女優パートは楽しかったのに、結局映画は御破算で終了だし、ガッカリ。
モヤモヤと観終えて、ボンヤリと思ったのは、映画を撮るのと狙撃とが、同列になっているのかな?と。遠くから命を奪うのと、カメラで姿を捉えるのとが、彼(ヴェンダース)の中では近いのかも。
と言うか、それくらいの思いで映画撮ってそうな気配はあるんだけど、残念ながら面白いかと言うとそうでもない…。
てな事を、とりとめもなく考えてしまいました。
そしてバイオレンスは一向に終わらないんですけど。
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エントラップメント
ふふふ、私のだーい好きな「怪盗」モノ、しかも主演がショーン・コネリーときたひにゃあアナタ、楽しいったらありゃあしない。
コネリーに対する美人スパイが、これまた注目のキャサリン・ゼタ・ジョーンズ。美人だよね。
『マスク・オブ・ゾロ』の頃はまだ、可愛らしいお嬢さんって感じもあったけど、アッと言う間にコワイお姐ちゃんになっちゃって、『シカゴ』もド迫力だったなあ。
日本のCMで、早速パクリが出た程、あの黒タイツ姿で赤外線を潜り抜ける姿は印象的でした。スタイルいいしねー、クネクネしちゃってるし。
…しかし、昔むかーし『スパイのライセンス』でロバート・ワグナーが、同じ事やってたような…、って、思い出したのは私だけ!?
そして、物語はコネリーとゼタジョーンズの恋を交えて、2転3転する訳なんだけど、この二人、おそらく祖父さんと孫娘くらい年齢差があると思うの。
にもかかわらず、二人が引かれ合うのに全く無理を感じない。
ラストのドンデン返し(なのかな?)には、きっと誰もが内心快哉を叫ぶはず。
呆れたセクシーじいさんなのであった。 |
お熱いのがお好き
ワーイ、だぁ〜い好きなマリリン・モンローの、すごい楽しいコメディ、しかも歌あり踊りあり、ギャングあり女装あり。なんともニギヤカなお祭り騒ぎだ。
マリリンの役名は「シュガー」。このセンスだけで、もはや及第点だ。
シュガーは豪華客船で歌手をやっている、とにかく純真で、かわいい女。
船の丸窓にお尻が引っ掛かってジタバタ、なんてシーンも、グラマーだけど愛らしいマリリンだから素直に笑える気がする。
その豪華客船に、ギャングの目を逃れるため女装して乗り込むのがトニー・カーチスとジャック・レモン、二人とも有名所で、事実上主役はこの二人なんだけど、どちらがどうだか、私の記憶は定かじゃない。スンマセン。
しかし、二人の女装が結構キレイだったのは良心的と言うか、この時代、あるいはビリー・ワイルダーの品の良さか。
よくコメディで女装のシーンが出ると、やたらにみっともないメイクをさせたり、わざわざひどいセンスの服を着せたり、「ここで笑いイタダキ!」みたいな卑し〜い根性がミエミエで、しらけるのよ。
良く顔を知られた男性が女装したら、それだけで笑いの要素は充分だって。
ましてや化けるのに、わざわざ悪目立ちする格好させて、どーいうつもり!?
この映画は1959年作、まだゲイ解放運動なんて無かった時代に、今よりずっと進歩的だ。(無かったからなのかな?)
ラストシーンがまたふるっている。
女装コンビの一人は、めでたくシュガーとハッピーエンド。
残る一人は、大富豪の爺さんに見初められ、苦悩(!)する。
「あいつがあんまりいいヤツなんで、(女装して)だましているのが辛いよ」。
とうとう耐え切れず、カツラをかなぐり捨てて「俺は男なんだよー!」すると大富豪、「誰しも欠点はあるさ」。
いいの!?それでいいの!? |
おいしい生活
ウディ・アレン好きじゃないけど、観てしまう。
でも実際見るとやっぱりあまり、なんだコイツらっていう。
銀行強盗も本気とも思えなかったが、イミテーションと本物のネックレスの見分けが付かなくなるとか(見分けられない自信あるけど)笑えないって。
メイはバカ過ぎてイライラしたが、デビットを全く悪く言わない(思わない)ところはバカ正直で可愛い。
デビット役のヒュー・グラントはこういうロクデナシが本当にハマリ役。
だけど経営にも口出ししそうだし、破産してコソ泥に戻るのは無理矢理過ぎる。
妻が夫にウンザリして行く過程はリアル、と言うより、別に富豪じゃなくてもこういう夫婦、いっぱいいそうだよね。
知性を磨こうとしない夫とカルチャー好きの妻。
ましてや豊かになった理由が妻の働きでは、夫は哀訴尽かされて当然。
そうならないからドラマになるんでしょうけど、妻目線から見る夫の魅力が欲しかった…そんな目線は存在しないのがアレン映画なんだけど(僕目線オンリーだからね)。
要はあの、独特の冷めたと言うか人を小馬鹿にしたようなノリが好きかどうか、という事だと思うんだけど、私は好きにはなれないけど一目置かざるを得ない、というところかな。
だって観ちゃうんだから。
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王になろうとした男
ったく男ってヤツはしょーもない……
と、いう常日頃の思いがMAXに高まる、壮大なスケールと膨大な予算と豪華キャスティングによる、バカ男達の自業自得物語。
なんかフリーメイソンの宣伝映画か?って気もしたけど。
何はともあれ、ショーン・コネリーとマイケル・ケインの伊達男コンビが素晴らしく胡散臭い!素敵。
正直もう、コレだけで映画は及第点間違いナシなんだけどさ。
加えて"語り部"である作家役のおじさんはクリストファー・プラマー、トラップ大佐だ!!
なんという素敵キャスト。
冒頭でボロボロになって一人だけ帰って来る事が明かされているし、そうでなくてもあまりに無茶な行動続きなので、いずれは破滅、と思いながら見ていたものの、まさか女に噛まれて発覚とは…(笑)やられたね。
昔の映画だから多目に見ようと思うものの、本当に白人って「"未開の"民を先導して闘う」っていうの、大好きだよね。平和にちんまり生きていた人々を襲って、脅してそそのかして殺し合いをさせて自分が英雄にのし上がる。歴史上散々やって来た事だし、多分本当には反省してないから、この手の映画(『アバター』とか)が延々と作られ続けるんだろうと思うと本当にムカつくわ。
ともあれ、それは映画の出来とは別問題。本作では相応の報いを受けるワケだし。
最初ノリノリで嘘を利用するようけしかけたピーチ(ケイン)と、渋々乗ったダニエル(コネリー)のモチベーションが途中で逆転する辺りが面白くもリアル。全然タイプは違うが、たけしの『教祖誕生』を思い出した。行動と心情って、なかなか割り切れるモノじゃないんでしょうね。
まあ大筋は、なるようになって行く常識的な結末へ向かうんだが、そこに至る二人のやり取りの面白さや、エキゾチックな現地の様子も面白く、膨大なエキストラによる広大なスケール感は、今ではとても望めない贅沢さだ。
白人に限らず、"オトコノコ"ならあるいは、憧れる事なのかもしれない。
ダニエル最期のシーンでの妙にサワヤカに結論付ける二人や、ボロボロで戻ったピーチがまだ「活動」を臭わせて去るところ等、やはりフリーメイソンの宣伝映画!?と、思ってしまったのだけれど。
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王妃マルゴ
濃厚で重厚で、見応えはタップリ、むしろ胃もたれするくらいなんだが。
歴史にうといもので、前半は人間関係が分かり辛く役者の顔の見分けも難しくて苦労した。
で、ふと気付いたら死屍累々で「どうした!?」って(笑)。
しかしまあ何とも、イザベル・アジャーニの美しさたるや!
この人は現代版でも無論美人だが、こういった時代衣装が本当に似合って美しい。殆ど凶悪な程に。
劇中の「本人悪気は無いのに不幸を撒き散らす魔性の女」という設定に、これ以上ふさわしい容姿を私は想像できない。
恋人役もイケメンで、別に特に何があったワケでもないのに「真実の愛」に突入してしまうのも何となく納得させられてしまう。
それにしてもあの婚礼の夜の死屍累々っぷりの凄まじさ!
500人と聞いて耳を疑う程大量に積み上がっていたが、大量殺戮兵器も無い時代としては法外な数字だったのでしょう。
東京大空襲なんて一夜で10万人だもんな…どんな地獄絵図か。
その後も続く、血みどろ描写はすさまじい。
王の死に方………!あの弟はヤバいわ。
あんな遅効性の薬ってナニ!?
血の汗で全身真っ赤っかとか、とか!怖すぎる。
おめかしして恋人の嘆願をするマルゴの真っ白なドレスも真っ赤に染まる。
血みどろでグログロなのに、美しい事、まあ。
カトリーヌ・ド・メディチの捕まった宇宙人みたいな容貌も、暗殺上等!な言動も、怖い怖い。
なんと言うか、さすが肉食系の頂点に立った人々は凄いわ。
あと人の距離が近い!
男も女も近い近い!それがなんだか怖い。
血を分けた兄弟達に寄ってたかって陵辱される扱いを受け、夜には男を漁りに街へ繰り出すマルゴの年齢設定は19歳だが、アジャーニの撮影時の実年齢は…39歳!さ、さんじゅうきゅう………!!!
何と言うか、妖艶でアダっぽいのだが、どこか無垢なんですよ、このフェロモン王妃。
恐るべし、アジャーニ。
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大奥(男女逆転版)
"黒"という色は染料を多く食う不経済な色で、贅沢禁止令の際には真っ先に取り締まりの対象になったはずなんだけどね…と、知ったかぶりをしてみる(笑)。
それはともかく、頭からナメ切って観たせいか、意外に楽しめてしまった。
冒頭、二宮君が"絶世の美青年"との設定にウーンと引いてしまったものの(いやニノは可愛い、カワイイよ、でもさ…)大奥入りしてからのトウの立ったギムナジウム的生活描写は面白く、チョンマゲホスト集団は気色悪くも楽しくて、心配だった将軍&側近役女優も出番が少なくてホッとした。
いや、なかなか凛々しくて良い吉宗様でした、一本調子でも短時間だから良し。
安定のアベサダも、玉木&佐々木の色悪党ぶりも楽しかったし、若手男子の女子高生っぽいキャーキャーぶりも可愛かった。あと、菊川怜が美しくて驚いた。
原作未読。
そのせいか申し訳無いが、設定を聞いただけでキワモノとかイロモノとしか思えなくて、その程度にしか評価できない。実際映画に限っては、その域を出ていないし。
でも殺陣はもう少し、もうちょっとでいいから、何とか…若いんだからさぁー頑張ってよぉ。だいたいニノはJニーズじゃん…と、思ったら、相手役の子もじゃん。踊るんでしょ、君たち!情けない。
(だからJニーズなんかじゃなくてライダー系とか使ったらいいのに…と、いう正論は通らないワケだな、分かってるよ)
他はもういいわ、思ったよりはずっと良かった。
…ところで、確認のため見たキャスト表にビックリ。
水野の父親役…「見ない顔だな???」と思っていたら、竹脇無我だった!!!
なんとまあ。
時の流れは速い、早過ぎる。
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おおかみこどもの雨と雪
うわー、まーたコイツかよ…と、『サマーウォーズ』や『時をかける少女』が大嫌いな私は腰が引けていたんだが。
そうでもなかったです。
雨と雪って子供の名前だったのね。
雨っておかしいでしょ。まあいいけど。
お母さん、苦労したねぇ。そして苦労、報われたんだろうか…???
相変わらずキャラクター造形は気持ち悪い(特に母親の笑顔、重要ポイントなんだけどキモチワルイ)んだが、自然の描写、畑や森や、雨や滝。美しい。
花子さんが夫と死に別れたのは可哀想だし、幼い子供二人を残してオオカミ姿で死んだバカ夫に憤りを感じたが、その後田舎へ移り住んでからの畑を作る辺りは面白く見た。
ハーフである子供達の、ヒトとオオカミを行ったり来たりする様子もアニメならでは(今はCGで実写でもやっちゃうだろうけど、絵的に違和感は大きいと思う)で楽しかった。
不思議なのは、せっかくアニメなのに、本格的に変身する所は映さないのね。
なんだろう、イメージの問題なのか、作画が困難なのか、美意識なのか…???
ぶっちゃけ私は見たかったですが。
あまり露骨にモンスター感を出すよりも、メルヘンチックにボンヤリと処理したかった気持ちも分からなくはないが。
オオカミは絵本等では凶悪で性格の悪いキャラクターを当てられる事が大多数だし、悪い男の事をオオカミと称したりするので、まあ確かにあまり良いイメージではないのだろう。
しかし実際、絶滅したとされるニホンオオカミがヒトを襲ったという記録は無いとどこかで聞いた。
肉食獣の悲しいところではあるが、オオカミ男がヒトを襲わない、というのも案外説得力はあるかも。
しかし、国際結婚の国籍取得じゃあるまいし(笑)、ヒトとして生まれ育ってオオカミになっちゃう選択をするって、どうなんでしょ。
二人いる子のうち一方をアチラへやる事で、何となく亡夫への義理立てになった、という感覚だろうか。
正直、何が言いたいのかは分からないが、ボンヤリ見られてあまり残るモノの無い、不快感も少ないアニメだった。
あ、雪が秘密を打ち明けた時の転校生の反応、「前から知ってた、誰にも言わない。」という、アレは良かったな。ちょっとジンと来た。あの場でベストの解答だよね。
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オーシャンズ
海と聞いては観ないワケにいかない私なんですが(いや誰も責めないと思うけど)。
まあ、撮るのは大変だったとは思う。
海は美しいしイグアナは可愛い、タコもクラゲも綺麗だしマンタもジンベイザメもデカい…けど。
あまりに直接的は主張は感動を削ぐ。
ってか陳腐。
むしろ広大な海を前にしたら、もっと人間は謙虚で無心であるべきだ、などと真面目に考えてしまったわ。
日本語版のナレーションは宮沢りえで、大好きな美人さんなんだが、語りはカタくて上手いとは言い難いな。
基本、この手のネイチャードキュメンタリーは好きなんだけど。
撮影の苦労とか考えると、編集や企画のマズさのせいで全然元取れてない感じの残念さが残った。
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オープンウォーター
怖いんだけど、ひたすらに不快で、何の工夫も無くカタルシスも無い…。
サメが本物ってとこだけがアッパレなんだけど、それにしても、まあ。
実話だそうで、酷い話だね。
って言う感想以外、何も出て来ない、で実話と言うには「死人に口無し」なんで信憑性も無いし、途中は想像でしかないわけで。
実は私、旅行中ツアーバスに置いて行かれた経験がある。
とろくさい女添乗員が、集合時間前に人数確認を間違えて出発してしまったため。
あるのよ、本当に、こういう事。
幸い私が置き去りにされたのは那覇のメインストリートで、さしたる危機感は無かったけれど、本当にムカついたと同時に、ツアーなんて信用しちゃイカン、と思ったさ。忘れられたくなかったら、最後の一組にならない事ね。
で、そんな経験もあったし、海も船もお魚見物も大好きだったりで、他人事とは思えず本当に怖かったわ。
主役のカップルが浮き上がって来たあたりから、「観なければ良かった…」と泣きたくなった。
実際にはサメは、そんなに人間を襲わない(美味しくないらしいぞ)そうで、たまにある「事故」は亀やアザラシに間違えられる(装備や道具で…サメは目が悪い)から、なんだそうだが。
逆に、そんなに熱心に襲って来ない感じが、正に生殺しっぽくって怖かったりして。
それに、海で怖いのはサメだけじゃない、クラゲに刺されてショック死する人だっているんだ。
「太陽が出ていたら…」と悔しがるシーンがあって、気持ちは分かるんだけど、日が照っていたらもっと消耗したかも知れないし、喉の渇きも深刻な問題。
本当、人間手ぶらで放り出されたら、自然の前には手も足も出やしないのよね。
怖いです、マジ。
一応ストーリーらしき物はあって、仕事ですれ違いがちな二人が遭難して、庇い合い、助け合い、途中互いのせいにし合ったり、いわば極限状態の様子を描くんだけど、んー、それに関しては、普通。おもろくないわ。
実話だからと言われてしまえばそれまで。
ラストは地味だし、なにしろ後味悪くて、はー。
パニック物とか災害物って、「それでどうやって救うか」が要だったりしませんか? |
オール・アバウト・マイ・マザー
私的アルモドバル監督初体験作品。
この人演出やテンポが独特で、初見ではポカ〜ン…だったんだが、慣れると何が分かりにくかったか分からなくなる(笑)。今では大好き。
だから、久しぶりに見返してみて、ああこういう話だったんか、と納得し、改めて感動し、大いに楽しんだ。
主演の女優さん。
アメリカ映画に出て来ないせいか知らない顔だったけど、素敵。
美しいし表情が何とも、ナンとも。
おそらく「母が息子を亡くす」というのは、あらゆる人生で最大の不幸、だと思う。
その哀しみ、やるせなさを、ひしひしと感じて、しかも嫌味が無い。素晴らしかった。
初見当時は知らなかった、ペネロペ・クルス。
こちらは今では押しも押されぬ世界的女優だが、若かりしペネロペは可憐で儚くて、妖精のようだった。後のセクシーダイナマイトぶりが嘘のような、なんか分かるような…、綺麗でした。
大女優役のマリサ・パレデスも、気品と貫禄と危うさが絶妙のバランスで素敵。
そして整形オカマのアグラードちゃん………女優さんだったんだ!!!(爆笑)
普段なら、女装の男性(絶世の美少年とかでも)を女性が演じるのって大嫌いなんだけど、ここまでちゃんと演じてくれたらもう、本来の性別なんてどうでもいいわ。陽気なたくましさ、傷付く事も多いからこその優しさ、気の良さ、それからやっぱり、哀しさや心細さ。素晴らしい!
アルモドバル監督は公認のゲイだそうだけど、女性を描くのが本当に上手。女性を美しく撮るのも本当に上手い。タダの男性より女が分かってると言う事なんだろうか。
男性目線で見るとまた、全然違うのかもしれないけれど。
とにかくこの映画の中の女性(と、ゲイ)達は、本当に生き生きと愛らしくナチュラルだ。
殆ど冒頭で息子が死んでしまって、『〜マイ・マザー』というタイトルは誰目線???と、思いながら観ていたんだが。
ゲイであるという事は、おそらく必ず母を泣かせてるよね。いずれ理解は得られたにせよ。
映画の最後に「母に捧げる」という言葉があったので、このタイトルは作中ではなく監督自身の母への想いなのかな、などと思ったり。
ところで"一人目の"エステバン、女装(かなり美人)のゲイのクセして息子欲しさに?女性と交渉、病気うつして友達の金持って逃走。という酷すぎるクズなんだけど、もしも最初の息子(二人目のエステバン)の存在を知っていたら…母であるマヌエラが黙って彼(女?)の元を去らずにいたら。
清純なシスター・ロサは妊娠も発病もしないで済んでいたかも、なんてふと思って悲しくなった。
そうしたら三人目のエステバンも生まれなかったワケですが。
そして多分、息子を失ったマヌエラは救われぬまま彷徨ったかも…うーん。「if」なんて無意味なんだけれど。
ロサちゃんが道端で愛犬と遭遇するシーンは悲しかったな。
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オール・ザ・キングズメン
胡散臭い男を演じさせたら右に出る者無しの、ショーン・ペン。ますます貫禄付いて来ました。
狂気とも見える率直過ぎる行動力と、裏腹に他人を陥れても生き残ろうとする腹黒さ。
ペンの政治家と言えば『ミルク』が印象的だが、それとはまた違う強烈なカリスマ政治家像を、相変わらず軽々と演じている。
新聞記者から知事の側近になる、語り部はジュード・ロウ。
なんかこの人の顔が出てくるたび「あらハンサム」と思ってしまって、気が散るんですけど(笑)。
この役においては彼の美貌は無駄かもしれない。しかし美しい造形だわ。
リメイク作品なのね。オリジナルは未見。
最初は、無名の田舎者の政治家としての成功物語かと思って見ていたが、だんだん不吉な影が迫って来る。この主人公は恐ろしく魅力的だが、見事に破滅型である。
英雄色を好むではないが、女癖も悪い。それが破滅の引き金になろうとは、スケートショーのお姉さんを見て笑ってる頃には思いもしなかった…彼女に見とれるペンの顔に爆笑。
あんな腹の出た、終始酔っぱらてるみたいなオッサンが、まあ良くモテる事。最初の奥さんも美人だが、パトリシア・クラークソンにケイト・ウィンスレット。その他もろもろ。凄いです。
そして顔の割に振られっ放しのジュード・ロウ(笑)。
美女も見所だが、やはり見応えがあるのは演説シーン。
特に選挙戦に利用されたと知ってキレた時のはすごい迫力。デブのスキニーを吊し上げるのも含めて、これは衆目を集め心を掴むわ、と感動した。
…でも、貧乏人に都合の良い公約で当選しても、後が続かないというのはよくある事。
そこで黒さを露呈してしまうのが何とも自然で、恐ろしい。
貧乏人や田舎者の扱いに憤る彼と、判事を生け贄の山羊にと執拗に狙う彼が、見事に同じ地平にいる。
そして何となく逃げそびれて、大切な人を傷付けてしまい、とんだ藪蛇をくらうジュードロウ(笑)。
そうそう、判事を演じるアンソニー・ホプキンスが、とても魅力的。
いつも名優なのは分かり切っているが、素敵な時ばかりではないんだけど、今回は本当に良かった。
人格者として尊敬を集める土地の名士、という風格を漂わせつつ、投石機を愛するオチャメさも愛おしい。
その紳士の、隠された闇を突き付けられる場面の対応と、その後の展開、更に過去の秘密…と、畳み掛けられて息を飲んだ。
最後はなるべくしてなった、という納得の結末ではあるが、それなりに衝撃はあった。
そっから来ましたか!と、いうのと、下手人にチクッたのってひょっとして…というのと。
まあ彼がやらなくても誰かがやっていたのでしょうが、出る杭は打たれるという事で。
終始可哀想なジュード・ロウのジョーが、最終的にどうまとめるかと思ったらプツリと終わってしまって。
ずっと独特の存在感を放っていた忠義者の"シュガー"が、最後に持ち上げられてて笑ってしまった。
後味は決して良くないし、結局いったい何だったんだ、という思いが残りはするが、見応えは充分であった。
何となくモヤモヤは残るが、なにしろ凄い演技のショーン・ペンと、とにかく凄い美貌のジュード・ロウを堪能するには最適の映画。
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オール・ザット・ジャズ
♪バイバイバイマイライフ♪
耳に残りますわ…。
この映画、なぜかロードショー公開時に観に行ってる。
なんで行ったんだったかな…まだ映画慣れしてない頃で(私の映画遍歴は80年代から始まるが、コレは1979年公開)現実と妄想、加えて劇中劇までが交錯するとかに付いて行けなくて、ちょっとキョトンとしてしまった。
だいぶスレた客になった今見返してみると、ストーリーは単純で、むしろ分かり易い。
当時ロイ・シャイダーは『ジョーズ』の渋いおじさん、という認識だったから(さすがに『ジョーズ』くらいは知ってた)、「凄いなぁアメリカの俳優さんて、あんなに歌って踊って」と感動した覚えがあるんだが、今観ると歌ったのはほんのちょっと、踊りも床滑ってるだけ(笑)。
どうやら周囲の勢いに当てられて、すごい歌って踊ってると勘違いしてたみたい(笑)。
つまりそれくらい、勢いがあって賑やかな印象だったという事で、その点に関しては今も同じ感想だ。
ついでにロイ・シャイダーは、やっぱり渋いおじさんだった。
その筋にうとい私でも、ボブ・フォッシーの名くらいは聞いた覚えがある。
その有名振り付け師の"自伝的映画"と称されるコレは、何とも破天荒で自己中な、でもその才能で人を惹きつけずにはおかない男・ジョーの死に際を描く。
豪勢に挿し込まれるミュージカルシーンは見応えがあった。
中でも元妻役の女優さんは舞台の人なんでしょう、凄かった!ド素人でも目を奪われる、凄い身体能力。
…けど、ジョーの"自信作"にして元妻に"最高傑作"と言わしめたアレは…暗黒舞踏みたいなアレは、当時としては革新的だったんだろうか???笑ってしまったんですけど私。
まあ振り付けの内容はともかく、作り手と売り手の見解がズレるというのはよくある事で、そこはスンナリと理解できるが。
それからあの"天使"…いやいや、アレは死神だよね?の、ジェシカ・ラングがまた、素ん晴らしく美しい!
こちらもまた当時は『キング・コング』のキャーキャーうるさいお姉ちゃん、程度の認識だったんで、あの白い人とコングの姉ちゃんが全然結び付いてなかった。
己の死を予感して、賑やかな生活のふとした隙間に死神と対峙する。人生を振り返り、反省はするが改めはしない。そんな男を慈愛の眼差しで見つめ微笑む美しい死神…。
元妻と愛人に見守られながら「謝るよ。もし死ぬなら今までの事を、生き延びるならこれからの事を」とぬかす、いい気なモンである。
多少早死にしたとしても、ここまでワガママを通せたら幸福な人生ではないか。
ロイ・シャイダーの渋くて哀愁溢れる表情も良し、舞台俳優さん達の美しい身体と踊りを眺めるも良し。
終盤の光と音とダンスの洪水は、それだけでも一見の価値はある、あの時代らしいゴージャスさだ。
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オールドボーイ
おお。さんざ韓流の悪口言って来たけど、今度はイケるかもっ!
と、あやうく言いそうになってしまった。
設定がなにしろ面白いし、始め頃の廊下でのアクションシーンなんかは迫力だったし、かなりのめり込んで観てしまった。
…で、種明かしがされるたび、「あーあ」「なーんだ」…でもまあ、それはいいの、いいのよ。
あのーーーーーーー…………………………………………………………………ヒロインの素性、皆知ってて観てるものと思い込んでたんだけど。
だって分かるようにつくってあるじゃない?
分かって観てると、あの持って行き方は、どうなの!?違うでしょ!
と、思ったら、なんか「衝撃の事情」とか言われてたみたいで????
おかしい、殆ど最初で見えるはず、そして見えてると、とっても、あの開き方はつまらない。
主人公と悪役の俳優、どちらも熱演で、良かった。
暑苦しいワイルド系オヤジ(時々かっこよく見えるからスゴイ、顔立ちとか全然好みじゃないのに。やっぱ演技力?それとも演出力?韓国の男優は皆シッカリ鍛えてて、いいよね)と、クールで端然としたエリート(時々美しく見えるから……以下同文)。特に鍛えっぷりは日本の男優は見習っていただきたい、『NANA』の某二世俳優とかさ、中島美嘉さんに謝れ!
悪役の登場の仕方なんかも、「おおっ」と思った。
しかし残念、同級生に見えない(笑)。
かの国においては、こちら(日本)で思うよりずっと深いタブーなのでしょう。
自殺云々はまあ、そういう事を配慮するとして(しかし自分の命、確かめもせずに棄てるかなぁ?)、許せないのはラストシーン。
「こんなケダモノ以下の私にも生きる権利くらいあるでしょう」という言葉が繰り返し使われるが、どうなんでしょうか。
おおむねエゲツなく、ダークな映画だが、一カ所だけ美しいシーンがある。
最終決着を付けるべく、主人公が悪役の元へ向かう前、恋人であるヒロインに「どう祈ったらいいの」と泣かれて、おじさんは答える。「今度はもっと若い男に出会えますように」。もちろん彼女がその通り祈らない事を知っての甘えでもあるが、もう会えない可能性も見据えての覚悟の言葉として感動的だった。
んが。あのラスト。
って事は、あの若くて可愛い何の罪も無い彼女は、ヘタをすれば一生○○○と○○○○し続けなきゃならないワケじゃないか、しかも合意があるならいざ知らず、真実を隠蔽されたまま。
臭い物に蓋とはこの事。最後の決断をした時点でこそ、主人公は地獄に堕ちた。
あれを指して「せめてもの救い」「ハッピーエンド」等と言うのなら、無神経さに卒倒しそうだわ。それとも、確信犯?
エレベーターで悪役は、こういう形での勝利を確信していたのだろうか。あまりにもギャンブル性が強すぎると思うのだが。
エグい暴力シーンも、禁断の素材の取り扱いも、別にいいんだけどさ。
どうせそうしたテーマを扱うのなら、2組の濡れ場はもっとエロエロにしなきゃダメじゃん。可愛い女優(その点は文句無いが)を確保するためには仕方無かったのかなぁ、そこがヌルいと破壊力無いでしょうに。
んなモン見たくもないけどさ。
追記:原作のマンガ、読んでみました。面白かった。
私が嫌悪した殆どの部分が無かった。難しいと思って変更したんだろうか?
原作のファンはどう思っているんだろう、『NANA』なんか観て怒ってる場合じゃないと思うけど…(上記男優の件は別)あ、読者層が大人なのかな。
原作の歪曲という点では『トスカーナの休日』にも匹敵するぞ。 |
オール・ユー・ニード・イズ・キル
ごめん、「なんだトムか」とか思いながら観始めてしまった。甘く見てました。
なんか久々にトムクルーズの面白い映画を見た。
通常、タイムリープ物って割と苦手だし、ましてや"生き返りネタ"はどうにも好きになれない。いかにもTVゲーム的な設定も、全くもって好みじゃないのだが。
ここまで精度が高いと、もうそういう事はどーでもいいのだな、と、手に汗握りつつしみじみ実感した。
あまり湿っぽい演出は無いし、大筋である戦いのループのテンポを止めるような描写も無いのだが、繰り返し見るうちに小出しにされるそれぞれのキャラクターの描写が巧みで、知らず識らず思い入れが生まれてしまっていた。
ラストシーンで元気な皆がランニングする姿にあんなにも感動するとは、自分でも驚いた。
トム君はついつい甘く見がちだが実はかなり凄い役者さんだと思っていて、今回は久々にそれを思い出した。
中盤の「でも君と出会ってしまった」に、ハートを撃ち抜かれた(笑)。リタも同じだったはず。
それなのに二人の関係は何の進展も無いまま、延々と戦い〜死〜再生を繰り返す辺りがとても私好み。世界の終わりを前にソレどころじゃないよ、っていうね。
だからこそ、いよいよ後が無いと悟った終盤のキスシーンにジーンと来るワケで。
ヒロイン・リタ役の女優、最初は「もーちょっと美人でもいいのよ…」なんて思ったけど、アクション含む身のこなしがサラ・コナーばりにカッコ良く、表情に透明感があって美しい。
何度も繰り返される、腕立て伏せから起き上がる動作のかっこいい事。
なんか聞いた名だな…と思ったら、『プラダを着た悪魔』の、あのダイエット魔の秘書の娘!!!わぁお♪
エミリー・ブラント、素敵な女優です。こんな形で再会するとは、幸せ。
アクションもCGも相当にお金掛けて頑張ってるが、それよりトム君の頑張りっぷりにビックリ。
この人もいよいよ老けて来たな…と思いながら見始めただけに、身体張ったアクションには感動するし、繰り返されるシーンでの顔つきの変化には感嘆させられる。
やっぱタダモンじゃないよトム…。
中盤、リタとの接触を止める選択をしたあたりの展開は泣かされたしドキドキした。
敵方のエイリアン…"ギタイ"は、いかにもCG丸出しで重量感が無く、本来なら白けるところなんだけど、今回はキャストの熱演とアクションの編集の凄さに十分楽しませてもらった。
そうかダグ・リーマン監督、やるな…『ボーン〜』同様、動きが速すぎて時々置いてきぼりになるけど。
タイトルが残念。
アメリカ公開のタイトルは『Edge of Tomorrow』こっちのがいいやん?なぜ?
と、調べたらびっくり、日本の漫画が原作なのね。
クソ邦画の実写化で数々の名作が陵辱され続ける中、なんという幸運な原作!
ハリウッドにしてはバカっぽくないし、何と言っても大スター・トムが主演ですよ!すごい。
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オーロラの彼方へ
うわわー、すごい欲張りな映画、普通の映画3本分くらいは詰め込んでありそう。
最初、友達に勧められた時は、犬が雪ゾリ引っぱって走る話かと思った。
オーロラは確かに重要なアイテムなんだけど、このタイトルはいかがなものか。内容の出来の良さがもったいない気がするなあ。
実際には、物語の舞台はニューヨーク。
現代と60年代がオーロラの奇跡によって無線で繋がるというSF設定だけど、そこで会話を交わすのが死んだ父と成長した息子、という家族愛モノでもあり、猟奇殺人事件がからんで来るミステリーでもあって、ホラね、3本分でしょ?
よくぞここまで、という欲張った作りでありながら、そのそれぞれが、ちゃんとしっかりできていて、しかも全体を見渡しても出来が良い、とっても贅沢した気分になれる。
正直言って私、タイムパラドクス物って言うの?あんまり好きじゃーないの。
だって、どうやったってウソッぽい。
もちろん、『ターミネーター』みたいに、それでも楽しい映画はあるけれど、かなりデキは良いと思われる『バックトゥーザフューチャー』ですら、クライマックスにはノレなかったのよ。
あまりにも実感が無い、と言うか、想像力が及ばない、ハラハラドキドキできない。
でも、この『オーロラの彼方へ』は、扱う物が父の命、母の寿命。かなり入り易い。
よく、過去をいじってはいけない、とか、道徳観念的な話は出るけど、家族(に限らないかも知れないけど、愛する人)の命が救えるとしたら?大方の人は、他の迷惑を考える余裕も無く救いの手を差し伸べてしまうはず。そしてもし、実際にその人を救う事ができたら、どんなに嬉しい事か。その気持ちは、とても良く分かる。
ところが。 ここがスゴイんだけど、父の危機を救ったがために、今度は巡り巡って母がアブナイ!
どう繋がるの?誰が?どこで接触した!?
いや、かーなーり、ムリヤリな感じもしないでもないんだが、おもしろい!
そして、机に浮かび上がる文字、隠した証拠品、入れ代わる家族写真と、小道具もいかしている。
かなり入り組んだ作りになっているのに、分かり易く面白い手際の良さは心地良い。もっとも、「愛する人を救いたい」という、おそらく万人に共通の願い、という設定が、根幹にあるからこそ、なのかも知れないが。
最初、犬が雪原を走る話ではないと分かって、それでは早死にした父と大人になった息子が時空の歪みを通じて心を通わせるハートウォーミングドラマかな、と思った。いつまで二人は話し合えるの?切ない別れをどう料理するのか、と待っていたら、あの展開!いやはや、そこまでやりますか。
と、思ったけど、それもちゃんと下地ができていて、ああそうなのねと納得しなくもない(笑)。
ここまで欲張っても、脚本がねちねち練り上げてあると、OKなんだなー、と、感服でした。
父親役のデニス・クエイド、ヒーローな消防士で、超えられない父親で、スイートな夫。こんなにカッコ良かったっけ?男っぽくて、ステキでした。 |
奥さまは魔女
大好きだった、そして未だに再放送で笑い転げてしまうTVシリーズ『奥様は魔女』。本当に、今、たった今観ても、面白いのよ(現在地方局で再放送中)。
サマンサもダーリンも、ママもクララおばさんも、大好き。
それで、その大人気ドラマのリメイクと聞いて「どーせ往年のファン狙いの内輪ウケでしょ」なんて思って敬遠気味だったんだけど。
しまった。
私も往年のファンだった。
見事に楽屋ウケの内容だけど、そこがまた、楽しいんであった。
とは言え、もちろん懐かしさだけでは映画一本持たないんで、他の事も。
ヒロインの魔女イザベラを演じるニコール・キッドマンが………あれれ?カワイイ。いくつになるんだっけ、この人?
2年前公開のはずの『白いカラス』の方が、はるかに老けて見えるぞ。演技力?
前髪下ろした50年代風のセミロングヘアが、若々しい印象なのかな。
ゴツイ印象があったけど、なんか骨格まで華奢に見える(相手役がデカいせいかも)。
ピンクのセーターも、クリーム色の刺繍入りカーディガンも、とってもキュート。
世間知らずで純情な魔女、という役柄にも違和感無く安心して笑える。
そして、美女イザベラと恋に落ちる落ち目の俳優ジャックに扮するウィル・フェレルという人。顔は悪いけど(笑)けっこう笑かしてくれた。
TVで活躍のコメディアンだそうで、「大根役者」が演技なのか素なのかは不明だが今回はオーバーアクションと暑苦しい表情が功を奏してイケていた。
そして、イザベラのパパ(って事は魔法使い)役のマイケル・ケインは、相変わらず優雅で最高、グリーンジャイアント姿まで披露してくれて楽しい。
ストーリーは、もちろん他愛なくて、恋する二人がまるでバカみたいに描かれているんだけど、そういうモンじゃない?と思う私はスンナリ納得して観てしまった。
本音を言えば、あまりにラブコメに偏り過ぎて、もう少し魔法を楽しませて欲しかったな、というのはあるけれど。
そして一番の恋の魔法は、「本音で向き合う」事なのよ、なーんてね、アメリカの女流監督のやりそうな事ではあるわな。
…でも本当に一番スゴイ魔法は、ニコールの若返りだったりして……。 |
男達の大和 YAMATO
語り継がねばならない事、というのはあると思う。
そういう意味で、この手の映画は作り続けられる事に意義はあるのかなと、真面目に思う。
でも、面白いかと言えば全然そんな事は無く、しかし面白くなくてもある意味良いのかも、たまには我慢して観ろよ、って事もあるのかも、とも思う。
そういう意味では、この映画は観る価値はある、かも。
松山ケンイチ君はヒョロリと頭身の高い平成青年だが、顔だけ見ると見事に昭和初期顔。
日本軍のダサい軍服も似合えば(どっちかと言うと陸軍のイメージだが)あの時代の物言いも良く似合って、実際その時代を知らない私でも何となくリアリティがあるような気がした。
反町さんは二枚目過ぎるが、まあ"かっこいい上官"だから、いいのかな。
物々しく登場した渡哲也が「じゃ戦闘始まるから行くね」とサッサと艦を降りる姿が、分かっちゃいたけど笑ってしまった。それだけシリアスで迫真だったという事かな。
現代パートの鈴木京香様は大好きな女優なんだが、あまりいいとこ無くもったいない使い方。まあ、「死んでもこのひとを大和の眠る海に連れて行くんだ」と爺さんが思う、そういう力はありそうだが。
海戦シーンはかなり力が入っていたんだが。
海とお船が大好きな私だけど、全然ワクワクしないんだけど(笑)。
戦闘シーンというより虐殺シーンだからね。まさに、血の海。
撮影も大変だっただろうな…とてもクソ真面目に撮ってて。
正直、登場人物が多すぎて把握し切れなかったり、ましてや海戦に入ってからは誰が誰やら…ではあったんだが。
それと、蒼井優ちゃんくらいは生き残っても良かったんじゃ、と思ったが、仕方無いのかな…うーん。戦争はイヤだねぇ。
なぜ日本の戦争映画はつまらないのだろう。
ありていに言ってしまえば、負けたから、かな。
特に太平洋戦争に関しては、一定の解釈以外の主張は完全に封じ込められている、というのが大きいのかも。
でも、その繰り返されるお決まりの発言も、最初に聞く人はどの時代にも必ずいる。
そう考えて、こういった映画を何度も真面目に作り続ける努力を評価したい。
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鬼教師ミセス・ティングル
お昼のTVでやってたんでボンヤリ観てたら、意外に面白くって引き込まれました。
おバカなティーンエイジャー3人組(一人は優等生って設定だが、どー見てもバカっぽい・笑)がイヤミな女教師の家へ押し入り、ベッドに縛り付けて監禁してしまうという、ちょいキワモノ映画なんだけど、テンポはいいし会話は面白いし、男の子はハンサムだし。
何より、「鬼教師」役の女優、ヘレン・ミレンが、タダモンじゃーないオーラ出しまくりで秀逸。おばさんなんだけど美人で、怖くて凶暴で陰険で、風格があって。
「女王様」シーンが実際に見られなかったのが、心残りだわ(笑)。
この人を押さえた時点で、この企画は勝ったも同然、ってくらい。
ヒロイン?(本当の主役は鬼教師なんだけど、便宜上はこちら)の優等生の女の子。ミョーにタレ目のお多福顔で、パッとしない子だな、と思って見ていたら、今や有名人のケイティ・ホームズちゃんだった。んー、地味。
それより、もう一人、引き立て役?扱いの親友役の子が可愛くて面白かった。
女優志願で、ちょっと軽い印象の子。顔もスタイルも、ケイティよりずっとキレイなんだけどな、3枚目(引き立て役…)で頑張ってた。
縛り付けた先生を見張るのに飽きて、退屈しのぎに突然『エクソシスト』を始めちゃう。たまたま私、先月ディレクターズカット版を観たばかりで記憶も新しかったんで、いかに正確に演じてるか良く分かって、「この子本当に女優になりたいんだなぁ」と妙に感動してしまった……ティングル先生は「女優は無理ね」と言ってたけど。
ラストが物足りないものの、いやに面白いな、と思ったら、『スクリーム』や『ラストサマー』の脚本家の脚本・監督、なーるほど。
でも、2作に比べてイマイチ評判がパッとしないのは、前者ほどエグくなく、後者ほどヒロインが可愛くなかったから、だな。 |
オブザーブ・アンド・レポート
う〜〜〜‥‥‥‥コメディ、ねぇ。
まあ時々、クスッと笑えたし、面白くなりそうなシチュエーションだったんだけど。
なんかスッキリしない気分。
主人公が変わり者と言うよりはイヤな奴で、なかなか笑いにくかった。
レイ・リオッタも(期待したんだが)いつもの暑苦しさが不足、影が薄い。
美容部員のお姉さんが可哀想だったわ。
そしてハッピーエンドのためには、あの母親を殺さなくては。物凄く気持ち悪い。
露出狂のくだりは面白かった。
ワルの「親友」も楽しかった。
双子の中国人も、もう一人の部下も。
こう考えると楽しめなかったのは主人公周辺なワケだが。
セス・ローゲンて誰やねん。
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オブセッション 歪んだ愛の果て
幸せな家族の間に入り込む異常な侵入者。
パターンとは言え『ゆりかごを揺らす手』とか『ルームメイト』とか『エスター』とか、なかなか秀逸な映画が多い中、コレはそうでもなかった。
あ、『危険な情事』系でもあるな、いい感じになった魅力的な異性が実はイカレてた、ってヤツ。その系列としても、最初からコレはヌルい。
まずリサがほぼ最初から怪しくて、途中経過も色気の空振りばかりで一本調子。最後はブチ殺されるのはパターンだから仕方無いし、安易に銃を持ち出さなかったのは評価できるかな?とも思うけど、肝腎な時に全く役に立たないダンナって…orz
女性が孤軍奮闘するのもある種パターンなんだが、その場合男は先にやられてるか、元々蚊帳の外でないと。むしろ本作では夫が(彼がどう否定しようと)元凶なのに、役立たずもいいところ。
リサは最初から危なくて人好きのしない女だし(美人だけど)、ダンナはどこが魅力なのか全く分からないし(大きな家に住み、会社で良い位置にいるらしいが)、妻もずっとケンケンしていて全然可愛くない(美人だけど…むしろビヨンセだけど)。
ついでに息子…、ちょっと障害でもある?ってくらい無表情で無反応で怖かったんですけど、そういう話!?
息子をさらう時のベビーシッターとのやり取りは「電話くらい出るだろ?」と思った。
さらった息子を車に置いとくのもガッカリだし(持ってっても持て余すだろうけど)ゲイの秘書が終盤になってまでペラペラ夫婦の予定をバラすのも理由が分からない…妬み?夫に気があったとか???
そもそもあんな美人さんが、どうしてタダの上司にあんなに執着するのか。
あと、事が発覚してからの妻の態度が、あまりに偉そうでビックリしたわ。
大スターだけど、作中のビヨンセは全くイタダケない。傲慢で性格悪そうで、最初からずっと怒ってるみたい。『ドリーム・ガール』の彼女は素敵だったのにね。
釈然としない事が多く、どの人物にも全然思い入れも同情もできなくて、意外な展開も無く、そうショッキングな場面も無く。
パターン通りだから破堤は少ないものの、何がしたくて撮ったんだろう、という凡作でした。
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オペラ座の怪人
えーと。
な、なんだこれは。
クソ映画ではないのか!?
残念ながら、大好評超ロングランを誇るミュージカルも未見なせいか、映画が始まった直後に ドン引き、後は集中力の途切れとの必死の闘い。最後は腹が立って来た。
何と言っても、肝心(だと私は思うんだけど……違うのかな?)のオペラの怪人の、歌が下手。
評判は漏れ聞いていたものの、ここまで素人臭いとは。
発声自体がまるで普通の人なので、繰り返し(しつこく!)流されるヒロインとのデュエットでは完全に負けて声がかき消されてしまっている。
歌だけに止まらず。
なんつーか、オーラの無い’ファントム’だなぁー。
黒マント大好きの私が、ピクリとも反応しなかったよ。
ファントム役の俳優 ジェラード・バトラーって、『タイムライン』では主役を食ってたかっこいい助教授だった。悪い役者ではないはずなんだけど、どうしてこの役?オーディションしたんでしょ?
ヒロイン役は美人で声も綺麗なんだけど、こちらは表情が2つか3つ位しか無くて、何とも食い足りない印象。
揺れ動き魅せられ…という複雑な感情が伝わって来ないので、ただのフラフラしたバカ女にしか見えず、イライラさせられた。
尤もこの点は、 ファントムを父とも天使とも慕う寂しい孤児、という彼女の人物表現が薄かった(脚本?)せいでもあり、ファントムが「音楽の師」という点も説得力が無い(歌があれでは…)せいでもあり。女優だけが悪いんじゃないけどさ。
CGばかりが「映画の魔法」じゃないんだから、こんな事(歌の下手なヒーロー、演技の駄目なヒロイン…)なら歌は吹き替えの方がマシなのでは?
ファントムの顔が、そんなに物凄い事になってない、ってのもヌルい印象の原因。元々かっこいいバトラー君だから、相当頑張って崩さないと、あの設定には無理がある。トム・クルーズを見習えって(『 マイノリティ リポート』『バニラ スカイ』)、そこだけは。
アノ程度ではサーカスで商品価値が付くのかも疑問で、生い立ちのエピソードその物が安っぽく見えてしまった。勿論、ファントムの孤独も悲哀も、伝わって来ない。けっこういい暮らししてるし(笑)。
音楽も繰り返しが多くて、それに舞台には映えるのかも知れないけどスクリーンではいささか大仰なファントムのテーマ曲なんか、ほとんどギャグみたい。
きっと舞台だと、劇中のオペラ場面と現実場面がもっと溶け合って、美しくも怖い夢のような世界になったのかも。映画は、違います。歌えば歌う程、現実に引き戻されて行く感じ。
華麗なセットと美々しい衣装の数々が、とっても惜しい、勿体ない。
監督は大ヒット舞台の演出家で作曲家。
あーなるほど、やっぱりダメだね、素人は。 |
思い出のマーニー
またしても粗探しをしてしまうのかと思いつつも観てしまったジブリ映画、あらら?
なんだろう、いつも感じる不快感が無い…と、思ったら、宮崎監督じゃなかった。高畑でも。
やはり作品は監督のモノなのだろうか、としみじみ。
ストーリーは平坦でオチは見え見え(私は母と思ってたのが祖母だったけど)だし、盛り上がりに当たるシーンも見当たらないし、ヒロインは陰気でヒネクレ者だし。
しかし背景は相変わらずのジブリクオリティで、緑や水の表現が素晴らしい。少女達の表情もシンプルで可愛らしく見やすかった。
宮崎的説教臭さが無い分、残るモノも少なそうな気はするが、クセが薄い分環境ビデオ的に流すには向いているかも。
マーニーの声を当てた有村架純が、(イモ臭い娘と思ってたけど)意外に良い声で心地良かった。
ラストの歌も素敵。
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オリヲン座からの招待状
ああぁ……困るんだよ、こういうの。
なんかイイ映画っぽい空気はビンビンに伝わって来るし、実際けっこう良い評判を聞いて観たんだが。
いかんせん、面白くない。
時々自分の感受性が、ある方面ストンと欠落してるんじゃないか、と思う、こういう時。
宮沢りえは大好き。
さすがにだいぶお歳を召されて、でも変わらぬ透明感に、つい目で追ってしまいたくなる。
カーディガンにつっかけ履きとか、レトロな衣装も良く似合う。
加瀬亮も原田芳雄も好き、樋口可南子も。
ノスタルジックな時代背景も、映画館という舞台設定も素敵なんだけど。
そうそう、私の映画遍歴は、こういった古臭い、小さい劇場通いから始まったのよ。
ロードショーでは1500円の洋画が、2、3本で800円とかで観られる"名画座"という、有難い施設がいっぱいあった。
今でも映画の本質は、暗い劇場で一つの椅子に固定されて、周囲の人々と同じ空気を感じながら観なくては真価は語れない、と思ってもいる(すっかり足は遠のいてしまったが)。
さすがに『無法松の一生』には思い入れできないし、やたら昭和を懐かしむのもどうかと思うが。
それと、方言というのは雰囲気作りには威力を発揮するものの、ずっと通されると疲れてしまうし、感情にダイレクトに響きにくい。
まあ、皆さんお気付きの通り、『ニュー・シネマ・パラダイス』ですわな。
でも本家はかなり骨太のストーリーだったように記憶してるし、実際私はラストシーンで涙が止まらなかったんだが。
こちらは雰囲気だけに終わった感が残念だった。
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陰陽師
色々言いたい事は無いじゃないけど、野村萬斎がとても良いので良しとしてしまう映画。
萬斎さんはちょっと目が離れてるのもご愛敬、立ち居振る舞いが素晴らしく、声も良くて、何と言うか存在に凄味がある。素敵。
せっかくの時代モノなのだから、あまりに現代語的な台詞は控えようよ、とか、言葉も含めて全体的にヌルい演出で盛り上がりに欠けるとか、画面が明るすぎて薄いとか、まあ色々なんですが。
唯一どうにも納得いかないのが、スピードだな。
あれ、いい役なのに。いやいい役だからスピード使っちゃったんでしょうけど、勿体ない、役が。
あの姿勢の悪いドタドタした小娘が、蝶の化身に見えるか?
台詞の拙さは、あるいは"人ならぬモノ"らしく演出できなくもない要素だが(その工夫は見られないけど)、容姿がアレではね。
全体に軽い雰囲気ではあったが、それでもそれなりの空気感があったのに、彼女が出るとぶち壊し。
内容的には、原作(一部既読)をうっすらなぞるような、ちょっと散漫な印象が無くもないが、安倍晴明紹介篇としては良いのでは。
"人外"と言えば、キョンキョンも現実味の無い容姿で良かった。人魚の肉もペロッと喰いそうで(笑)。
真田広之がいい感じでキレてて素敵。この人は悪役だとグッと華やかになるね。
殺陣も見応えがあった。豪快な真田vs.華麗な萬斎。
横軸とも言える萬斎と博雅の友情物語は、ちょっとわざとらしくてムズ痒かった。「いい男だ」の応酬も、その後の「はっはっは」も、もうちょっと何とかならんかったか…。
以下余談。
これより先にN○Kで連続ドラマをやってて、主演が稲垣SMAP吾郎ちゃんだし、予算も少な気で、さらにずっと軽い印象だったけど、けっこう好きだったのよ。
蜜虫を本上まなみがやってたっけ。綺麗だし透明感があって、天然な感じも自然で、とても良かった。スピードとは天地の差。だいたいキーキー声の歌から嫌いだったんだ。
稲垣君は萬斎さんの凄味には到底及ばないが、人ならぬ匂いはシッカリあるし、綺麗な色合いのあの服装が良く似合ってた。
そして何と言っても、博雅役の杉本哲太が、原作漫画から抜け出たよう!!!いや本当にモデルだったんじゃないかってくらい。伊藤英明も頑張ってはいたし、可愛いからいいんだけど。
これ組み合わせ交換しても面白い気がする。萬斎×哲太、稲垣×伊藤。あ、スピードはどっち付いても却下ね。
なんか余談が長くなったな(笑)。
追記:ウッカリしてました、漫画版には小説の原作があったんだわ。そちらは未読です、あしからず。
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陰陽師 II
まあね。
元々1本目も、そんなに傑作とかでは無かったし、そもそも2本目が面白い映画って少ないんだけど。
に、してもまあ、何と言う安っぽさ、つまらなさ。
いささか散漫な印象のあった前作に比べ、ストーリー自体はむしろ一本筋が通っていて、うまく持って行けば楽しいエンタメ作品になったと思うんだけど(なってない)。
えーと、"アマテラス""スサノオ"とかの中途半端な使い方も、どうかと。
出雲側ってのが抵抗あるし、そうでなくてもなんか、神話ネタ出しときゃいいやみたいなヤッツケ感で。
せっかくの八岐大蛇も、やっすいCGで「深夜アニメか?」と思ったわ。
それはともかく、もうキャストが絶望的。
なんなんだ深キョンは?『下妻物語』の彼女はドコへ行ったの???
…いや、まずはポッチャリ可愛い子ちゃんの彼女に"男装の麗人"は無謀過ぎる。随所でムチムチしちゃってて(笑)気になって気になって…サービスカットと覚しきヌード?も、背中の広さが可笑しくって…萬斎さんより広いんちゃうか?
市原隼人君も…この人、いい役もらうけど、良く分からない。特に今回は所々『デビルマン』をすら彷彿とさせる熱の無い芝居。そもそも鬼になるならもっと、現実感の無い美形にやってもらいたいところだ。
(そういう意味でも、前作のキョンキョンは良かった。うん。)
上の二人でほぼこの映画は決まると思うんだが、他の人達も引きずられるように酷い。
貴一っちゃんは終始貧乏臭いし、古手川さんはナントカ行列の地元代表みたいだし、伊武さんも声がいいだけの普通のおっさんだった。
そして肝心要の萬斎さんも、なんだか軽くなってしまって…こちらが見慣れた、というのもあるかも知れないが。前回気にならなかった古典芸能臭さが浮いて見えたし。
最後の女装に至っては、『キューティーハニー』の篠井さんを思い出しちゃったから、もうダメ(爆)。殺陣も対貴一っちゃんだと、なんだかモッサリしてしまってイマイチ。せっかくの萬斎さんが、どうにも中途半端で本当〜に残念だ。
伊藤@博雅は前回よりも見せ場も多く、頑張ってはいたが…いや、可愛いけど。
清明との臭いやり取りは健在で、コレ好きな人もいるのかな???「良い男だ」「はっはっは」。
でもって、段落分けてまで書きたい、言いたい、叫びたい!!!
スピードやめぇよ。
前作の出来上がりを見れば、まさか続投はあり得ないと誰もが思うと信じて疑わなかった私が甘かった。
単体でも充分酷いんだが、今回は深キョンとダブルでブリ大根!本当にキツかった。
あら、こんな映画に、随分長々と語ってしまったわ。
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