み、む、め、もではじまるタイトルの映画

ミクロキッズ

かなり期待して観ちゃいました(笑)。
このテのモノ、好きなんだよね。

まあ、そんなに驚くような事は無かったけれど、むしろ手堅くて、こういうのはディズニー、安心感と安定感は流石なモノがある。
深刻に考えたら、あわや大惨事!で、けっこう怖い状況なんだけど。
ノホホン〜と「夢があるねぇ」と観ていられるのは、本当にありがたいし楽しい。
「小さくなる」とは聞いていたけど、こんなに小さい(6mm!)のかいっ!っていう驚きはあったな。
なにせ肉眼で見付けられない程という。
深刻な危険が無く、確実に元のサイズに戻れるなら、一度小さくなって世界を見てみたい気はする。

公開は1989年。
もうCGは出回っていたが、この映画は小さくなった子供達サイズに合わせた巨大セットと背景画を使用。
このアナログ感が、心地良さの一因である事は間違いない。
監督はスター・ウォーズの特撮、インディジョーンズの美術、ジュマンジの監督。なるほどー。
子供達は結局、自宅の庭から外には出ないのだが、その小さな空間で大冒険!
なにしろ小さいので、"レゴ"が寝床に、アリンコが馬代わりに。小さなクッキーだって巨大!齧れるかは不明だけど。

メガネっ子少年・ニックがとても可愛い。
犬も猫も、本当に懐いてる風で可愛かった。しかし小さくなった子供達には巨大怪獣だけど(笑)。
時々サイズが「うん?」ってなるけど、まあその辺は、面白さ優先で、全然いいと思う。
花粉とか楽しかった。
パパ役のリック・モラニスがまた面白くて、いっぱい笑わせてもらった。
いつも個性的な人だけど、こういう役ピッタリ!発明家というのも何だか似合う、ちょっとヘッポコなとこも。

しかしアリンコ、助けて欲しかったな…。
多分こういう、罪の無い健気な生き物の死というのは、子供達にとって必要な情操教育なのかな。
大好きだった手塚アニメでも、これだけが辛くて嫌だった、でも思い切り思い入れして泣いていた、幼い私。
でもねー私はもう大人になって長いので、そんな悲しい思いしたくないんですってば。
考えてみたら蟻なんだけどね。
日頃ウッカリ踏み付けたりとか、それどころか家に行列作られたひには殺虫剤で大量殺戮、なんて経験も、あるんだが。
あ、ちょっと涙出て来た。
アリンコと(小型化したからとはいえ)人間の子供が、心通わす事なんて無いって。無いから!
って、自分に言い聞かせたくなる程に、このアリンコは愛おしかった。

ミザリー  

「ミザリー」って、キャシー・ベイツの役名じゃないんだよね(笑)。
しかしこの名を聞くと、もうあの顔しか出て来ない。
それくらいインパクト大、でしたね、彼女。

原作はスティーブン・キング。
被害者の主人公が小説家、という設定にはニヤリとさせられるが、同時に怖さもひとしお。
発表と同時に、作品は作家の手を離れ一人歩きを始める。
その怖さを、キング氏は繰り返し作品に登場させている。
考えてみれば、フィクションとは言え人の人生や生命を好き勝手にいじくり回す「作家」という商売、罪深いわな。

ベイツ演じる『猟奇的な彼女』・アニーは、元看護婦のサエない孤独な女。(そう、猟奇的ってのはこういう事よね)
実人生はつまらないから、小説のヒロイン「ミザリー」に自分を重ね合わせて夢中になってる。
生き甲斐であるミザリーの今後がお気に召さず怒り狂うアニーの気持ちも良く分かる。
最初は人畜無害のダサいおばさんという印象だったアニーが、だんだんとアブない顔を見せていく課程は怖くて面白い。アンタどこまで行っちゃうの!?ってね。
吹雪の中で事故って救い出され、助かったと思いきや……の作家・ポールも、よく頑張った。
土地鑑も無く、不自由な身体で、あんな怖いモン見たら戦意喪失しちゃいそうだけど、脚折られても小説をダサダサの陳腐なストーリーに書き直しさせられても、くじけず良く戦った。さすが人気作家。
ストーカーという言葉もまだ耳にしなかった時代に、このストーリーは鮮烈にしてリアルだった。
やる方にも、やられる方にも転がりかねない怖さがある。
その上まだまだきれい事の多かった映画の世界で、主演女優のあの容姿が、現実世界では案外平凡の範疇である事も、怖さに拍車をかけた、気がする。

何が怖いって、当時通ってた歯医者の助手がキャシー・ベイツにそっくりだったのよ!
どうよ、あの顔が、身動きできずに大口開けてる自分の上に逆光で覆い被さる図。ギャ〜。

見知らぬ乗客

公開は1951年。大昔!
私が生まれるずっと前の作品だが、さすがのヒッチコックと言うか、終盤近くまではかなり面白かった。

って言うか、警察行けや!(笑)。
交換殺人に(冗談でも)同意した証拠でもあるなら別だが、特にそんな事も無く。
まあ、主人公は有名人、恋人も父親が名士とあって、つい世間体を気にしすぎてしまったのかもしれないが。
それに、性悪の妻が身に覚えの無い妊娠を盾に離婚を拒むのだが、今ならDNA鑑定で一発解決。
それを思うと、冤罪も今よりずっと恐ろしかったのかもしれない。

主人公・ガイがテニスプレイヤーというのもどう使うのかと思ったら、終盤でハラハラ要素にガッツリ使われていたのだが。
その辺りから気持ちが離れてしまって、残念ながら少し退屈してしまった。
時代的な事もあるのか、テニスの試合で「引っ張りすぎ」。飽きてしまった。
あと、恋人である令嬢が、美人なんだけどケバくて、特にテニスコートが似合わない(笑)。
メガネを掛けた妹の使い方にも悪意を感じてちょっと不快だったが、そういう配慮の無さもまあ、時代かな。
あの娘いい子だよね。賢いし。姉よりずっと。
と、思ったら、あの女優さんヒチコックの娘だった(笑)あの父にしては上出来の美人!

交換殺人を一方的に敢行するブルーノと、彼の異常性を重々承知しながら向き合おうとしない母親の異常性が気持ち悪くて最高だった。
ブルーノが始末したがった義理の父(母の再婚相手?)の負担はいかばかりか。
息子を叱るより先に妻を病院へ連れて行くべきだったかも(笑)。
あの息子が事故死した上殺人罪で起訴されて、あの母親はどうなってしまうのだろう。
破滅一直線なのは間違いないが)
結果タナボタのテニス選手と令嬢の先行きなんかより、そちらの方が気に掛かる。

殺人を疑われつつ泳がされる主人公に付けられた監視役の描き方も良かった。
最初の証人になりそこなった学者先生も、イイ味出してた。首絞められる貴婦人も可愛い。
モノクロ映像が残念に思える、豪華な室内装飾と、華麗な衣装の数々。
猛スピードで暴走する回転木馬の上で、ギリギリまで上機嫌で大人の殴り合いにまで加勢する少年も可笑しかった。
「交換殺人」というモチーフも、今では驚かないが、当時は斬新だったのかも。

途中まで…ガイとブルーノが決定的に決裂する辺りまでは、本当に緻密で面白かったんだけど。
長々と引っ張るテニス試合(と、ライターを置きに行くブルーノのカットバック)と、どう決着付けるかと思えばコントみたいな回転木馬。
終盤がとにかく残念な映画だった。
あと主人公に全然、共感も同情もできなかったのも大きいかな。

Mr.&Mrs.スミス 

ははは。
この映画、本気出して観た人っているのかしら。
くだらないです。

でも、つまらなくはない、かなり見せ場はいっぱい。
私はアンジョリの女王様→窓から脱出、のくだりが大好き。
「おおーっ♪」と思ったけど、かなり始めの頃のシーンで、それ以上のシーンが無かったのは残念。
小ネタのギャグはけっこう笑えたし(お隣さんとか…)殺し屋の仕事ぶりとかも「そこまでやるかい?」のバカバカしさで中盤までは楽しく見てしまった。
夫婦喧嘩のうちは笑って見てたが、「組織」と戦う後半はダレたな。
って言うか、「火薬余ったから消化しちゃおー」みたいな感じでどっかんどっかんやってたけど、なんたって話がくだらな過ぎ
いくらコメディでも、もうちょっと工夫とか考えて欲しいの、ワタシ。

腕利きの殺し屋なのに、妻にはやられっ放しでお間抜けなブラピ(素?)はとてもチャーミング。喜々として妻を蹴る姿も新鮮だし(笑)。アンジョリはやっぱりこの手の現代版がシックリ来る。完璧に筋肉質な脚線美も大放出、タンクトップ姿に大型銃器もキマッてる。(『アレキサンダー』『ポワゾン』のコスプレは…イマイチ…)(あ、でもこれって『トゥームレイダー』と同じ衣装じゃん!?)
ビッグカップル主演のアイドル映画、という点では、確かに二人ともカッコ良くて可愛くて、大活躍、ではある。

実生活でもカップルの二人が主演のラブコメ、と言えば出来に期待はしない(『潮風のいたずら』のような例外もあるが)が、この撮影がご縁という話だったような…。こんなすっとこ企画、二人がカップルでなくても客は…………入るのか、人気者だから。
外観はとてもゴージャスでサービス精神も旺盛だけど、イマイチ知性を感じない、あまり品が無い、ってとこで、主演の二人にぴったりの内容だったかも。

Mr.&Mrs.スミス(byココアちゃん)

先日たまたまCSでやっていたブラピとアンジェの「ミスター&ミセスなんとか」って映画を観たいのよ。
二人が夫婦で、内緒で二人とも殺し屋、ってくだらない設定でね。
タダだから観てやるか、って観たらやっぱりくだらなかった。

金かけてるから豪華だしアクションは派手だし。
でもシラケる設定でさ。冒頭二人が出会ってすぐ恋に落ちて結婚して、それぞれ内緒で本業(殺し屋)にいそしんで、内緒だもんだから(無理な設定?)その内お互い「アナタ秘密あるでしょ?!」って倦怠期に落ちるわけ。
そして、悪の帝王(?)みたいなのが二人にお互いを殺すようにミッションを与えて、二人は殺し合うの。爆笑。金かけてるからアクションは派手でマシンガンぶっぱなすんだけどもちろんケガもしない。プロレスみたいなアクションになったり、ドキドキヒヤヒヤするはずが全然しない。
だってどっちも死なないのわかってるし。
その内気が付いたら「やっぱり愛してる」だかなんだかヤリ始めちゃうの。
その後はどうやら悪の帝王を協力してやっつけるんだろうけどあまりにくだらないのでその後は観てない。多分めでたしめでたしでキスして終わるんじゃないかな。

ああ、やっぱりスーパースターが出てる映画はくだらない、って再確認した。
ま、タダだからいっか。気分直しに市原悦子の家政婦は見たシリーズ(なんとイッキ観!!特集)でも見ようかと思う。笑。
しかしアンジェってミドリガメみたいな顔してるね。眼がぎょろぎょろしてて唇は笑うセールスマン。

Mr.インクレディブル

カンペキでしょ!」
劇場のエンドロールを見ながら、私が発した第一声はコレ。
いやぁ。Pixarだからなあ、思い切り期待して行って、裏切られなかった!
面白い。笑える、引き込まれる、ハラハラする、ホロリとさせられる。そして、笑顔で幕が降りるのを見られる。正当さ、手堅さは、ピカイチ!だ。

なんたって私は『トイ・ストーリーズ』の大ファンだ。
『トイ〜』に対しては個人的理由で思い入れが強いんだが、出来の良さではトントン、CG技術の差でこちらの勝ち、かも知れない、と、その私が思ってしまった程、ストーリーも映像も素晴らしい。
『トイ〜』の頃は、人間が出て来ると、正直チョット気持ち悪い…と引いてしまったもんだが、いやはや、もうちゃんと人間のキャラクターになってる。
私のお気に入りは長男のダッシュ。金髪をなびかせて疾走する姿のカワイイ事ったら!
パパ(Mr.インクレディブル)の顔は、ちょっと日本人にはキツイ…かな?と思うし、ママ(Mrs.インクレディブル)のお尻が大き過ぎるのは私好みじゃないけど、アメリカあたりではわりと平凡で思い入れしやすいタイプなのかも。
途中からストーリーに引き込まれて、どーでも良くなって来ちゃうんだけどね。

物語りは、スーパーヒーローが引退に追い込まれ、一般人として家庭を持ち第二の人生を歩み出すものの…、という、冒険活劇なんだが所帯臭い設定で、こういうミスマッチがもはやツボ。
引退してすっかり太ってしまったパパと、所帯やつれしたママ。超能力を発揮できずに鬱屈する子供達。
人物描写、特にコメディセンスは抜群で、ずっと大笑いしていた。
中でも秀逸なのが、デザイナーのエドナというオバサンで、「絶対実在する!」と確信が持てる程のソレッポさ。
上質なコメディは常にそうだが、気が付くと登場人物にすっかり捕まえられて、思い入れしてしまっている。
私思うんだけど、泣くより笑う方が、ずっと相手を好きになるよね。
泣くのは、最終段階だけでいい。
その点でも、この映画は見事だ。

勧善懲悪のハッピーエンディングは爽快で、一見いかにもオールアメリカン、といった感じだが、さにあらず。
クライマックスでパパが発する一言は、胸にどすんと重い。
本当に勇敢な人は、己の弱さも知っているんだね。
安直な家族愛ドラマは大嫌いな私だけれど、もうそういう段階じゃないのよ。
力強く勇敢で、デリケイトなパパ。全てを理解して(文字通り)皆を包み込むママ。自分にできる事を、ひたすらやりとげる子供達。応援せずにいらりょーか?
山程笑って、ストンと泣ける。この匙加減が、たまらなく私好みだ。

それだけじゃ終わらないかな、Pixarだから、と思ったら、案の定楽しいオマケが付いて来た。
エンドロールにかぶさるイラストが、すごーくハイセンスなの!
あの絵柄のTシャツが欲しい!Mr.インクレディブルのコスチュームもいいんだけどさ(笑)。

映画は字幕で、が心情の私だけど、今回は諸事情あって、劇場で吹き替え版で観ました。
良かったよー、三浦友和は予想通り良かったし、黒木瞳、顔が出ない方がいいくらい(いやキレイな人なんですが、ウマイと思ったのは初めてなので…)、雨上がり宮迫も、全然違和感無くハマッてた。
ただねぇ、吹き替え版のアニメって、どうしても子供が多いでしょ、幼児ならまだしも赤子が多くてさ、うるさいったらなかったわ、こんな面白い映画、ガキに分かるかってーのっ!
と、思ったけど、子供達けっこうウケてたみたい。

ミスト 

劇場で観て、ちょっと怒っちゃったのよね、私。
あまりのグダグダな展開の上、どうしようもないエンディングで。
終わった第一声は「愛犬を安楽死させる奴らだもんな!ケッ」でした、ハイ。
でもTV放映で見直してみて、意外に面白くて驚いてしまった。

でもねぇ。
基本的にこういう姿勢がキライなのよね私。
原作者のスティーブン・キングは、大幅に変えられたラストを見て「原作よりいい!僕もこうすれば良かった」と言ったとか言わないとか。マジッすか。もぉ〜キングさん商売上手!
パニック時におけるグダグダの展開も、「一般人なんてそんなモノ」と言ってしまえばその通りなんだけど、そんなリアリティ追求してどうする。って言うかつまんない。
CGもどんどんつまらなくなって行くのも残念至極。最初のタコ足はけっこうイケてたんだけどなぁ。
閉鎖空間がアッという間にカルト化して行く過程も、ありそうに見えて強引で、いくら何でもあんなオバハンに皆が同調するのか?するのか?アメリカでは。その辺は分からんが。
そしてやっぱりラストね。でもラストが違ってても、経過だけでも私はあまり好きにはなれなかったと思うけど。

それでも、胸クソ悪い展開を承知の上で見直した二度目には、意外と真面目に作ってるな、というのが見えて(真面目でアレ作るかい、というのは置いといて)それなりに楽しめた。
キング原作らしく、シチュエーションは面白いよね。ガラス張りのスーパー、でも外は霧で見えない。そしてこちらは丸見え、侵入者を防ぐにはあまりに脆い外壁。
しかし何ともダサい展開、かっこ悪いクリーチャー、頭悪い人々。そこまで人間ってダメなのかな。ん〜そうかも知れないけどさ。
ダサっぷりを笑って見るには人が死に過ぎる。人死にを笑うタイプのB級ホラーと思ってしまえばいいんでしょうが、それにしては真面目な造りだし、そもそもそういう映画が好みじゃないし。

小さいおじさんは唯一、勇敢で有能な人だったので、あの人は生き残って欲しかったな。残念。

ミスト (byココアちゃん)

観ちゃいましたか・・・。
世界一短いヘミングウェイの手紙みたいね。
「?」   見た?
「・・・」  うん、見た・・・。
ダブルで、はい!
「何だよあれーーー!!!!」
てな感じですかね。
観た後、思わず他人にしゃべりたくなる一品、いいですねえ・・・
ってよくないよ全然!
でもアメリカ人だからあんなもんかな。
でもあのカルト女、キャシー・ベイツにやってほしい感じ。

>

<管理人からお返事>
おお♪
キャシー・ベイツだったら力業でねじ伏せられそう(私が)。
まあ脚本読んだ段階で断られると思うぞ。

ミッション:インポッシブル

面白くないんだよね…。
シリーズで5本も出ているのだからウケているのでしょうが。
ビックリする程つまらない、と言うか、もう話が頭に入って来ないレベルで興味が持てず、途中飽きてしまって眠ったり気が散ったりの繰り返しで、結局何度も巻き戻してやっとラストまで見終わった、という始末。

そんなに特別感もないのに、なんでだろう?
話がちょっと複雑過ぎるとか、ラスボスはすぐ分かっちゃってどんでん返しになってないとか、TVシリーズの名曲が全然画面に似合わないとか。まあ色々欠点はありますが。
ちなみに、TVシリーズは殆ど未見。流行ってた事だけは知ってるけど、しかしTVの主役をあんなにしちゃってまあ(笑)。
視聴意欲を著しく削いだのは、まず主演のトム・クルーズが、全然敏腕スパイに見えない、という事かな(トム君は嫌いじゃない)。
そう言えば彼の出世作『トップガン』も、私は彼が全然エリートパイロットに見えないという理由で全く乗れなかった。
ジョン・ヴォイトも緩みきった顔で全然魅力を感じないし、やはり敏腕スパイ(しかも極悪)には見えない。天才ハッカーは頭脳派と言うより元プロボクサーと言われたら信じちゃいそうなご面相。
エマニュエル・ベアールは、かろうじてまだ美しい頃で良かった。とても色っぽいし色んな服装が見られて楽しい。
私の一押しは真っ赤なスーツに夜会巻きでメガネの秘書スタイル。巻き髪を垂らす髪型も可愛いけど。
でもたいして活躍しないし、役柄としては面白くないんだよね…。
悪役のヴァネッサ・レッドグレーヴ(ジュリアだ!)が貫禄たっぷりで、かろうじて彼女の登場シーンだけは目が覚めた。

有名?な宙吊りシーンも、あれ頭下にして行く意味ある???
あんなに長時間逆さ吊りになってたら死ぬよね。それでも逆さでなければならない理由付けがちゃんとしてれば見逃すが。
なんか「トムが逆さ吊りになってる!」ってだけの意味しか無いような。
ラストシーンも陳腐の一言で、もしずっと楽しく見てたら気持ち良く受け入れられたんでしょうが。
おまけに監督、デ・パルマですってよ!
びっくり。

2015年になってもこの役で新作に挑戦するトム君(53歳!)は尊敬に価するが、私はもう、このシリーズは観なくていいかな。

ミッシングID

何の予備知識も無く見始めて、なんじゃこのB級青春映画は…と、呆れかけた頃。
突然の急展開。ママ、強い強い!!!
意表を突かれ、思わず前のめりになって見入ってしまった。
でもパパが過激に息子を鍛える理由が分かってみると、ママが呆れて傍観する冒頭はちょっと辻褄が合わないね。

シチュエーションは最高にキャッチーで、先が気になってたまらない。
アメリカでは行方不明の子供の数は本当に多く、探すサイトも現実に賑わっているそうだから、なおの事興味深い。
もちろん結末は、そんなにヒネッたモノではなかったが、それでいいのよ。あまり複雑過ぎると説明が多くて面倒臭くなってしまう。
だから内容的には、分かり易く面白くて良かったと思う。

まずいのは、何と言っても主人公の顔ね(笑)。
劇中マット・ディモンの名が出て来て、なるほど顔のタイプが似ているのは分かるのだが、ディモンは顔の造りこそ(ハリウッドレベルでは)最高にハンサムとは言い難いけど、補って余りある愛嬌と知性がにじみ出てるもんね。
この主人公は…目付き、鋭いと言うより悪すぎ。性格悪そうに見えてしまう。
その時点でNG認定してしまって、最初はアイドル映画的青春モノと思ったのでドン引きしたが、サスペンスが面白くても、やっぱりヒーローがキュートじゃないのは何とも残念だ。
ヒロインがまたね。せっかくの美少女なのに、眉毛がイモトってどういうつもりなんだか…。
パパ、ママ、悪役陣はそこそこ良かったし、なぜかシガニー・ウィバーが登場(出番は多くないけど重要な役回り)で、相変わらず頼もしくて嬉しかったんだが。
そうそう、CIAのおっさんは現総理A氏に似てる(笑)。この人の存在も面白かった。

アクションは全体に頑張ってて、最初の家襲撃とか列車のシーンなんか見応えがあったんだけど、終盤に行くに従ってショボくなったような…。
実の父親との関係性も、不完全燃焼で残念だった。
あとやっぱり顔だよな。けっこう人気物らしいけど、彼。

ミニオンズ

けっこう楽しかった『怪盗グルーの月泥棒』で、一番楽しませてくれた"ミニオン"達を主役に据えたスピンオフ。
えーと、あんまり面白くなかったな。
まあ、スピンオフってそういうモンだとは思うけど。「かわいいー」と言って楽しめばいいのよね。
不快に感じる程の内容も無いので、何となく見てしまったという感じ。
"ミニオン"も可愛いと言えばまあそうだけど、メインを張る程の面白みは無い。

吹き替えの天海祐希さんの悪女?は流石。
この人はシリアスだと舞台芝居過ぎて笑ってしまうんだけど、こういうマンガっぽい役は本当にイイと思う。

「強い指導者に尽くす事が生きる喜びの種族」って…。
白人圏でないと出て来ないでしょうね、こういう発想。
むろん、その種族が自分達であるという可能性はゼロで。
それはともかく、冒頭のミニオン達の「主人探し」の歴史は面白くないし笑えなかった。

ロンドンの街並みやバッキンガム宮殿の絵はとても綺麗。
…でもちょっと、エリザベス女王って実在の人物だよね?しかも現在時点でご存命。
すごいなぁ。ちょっと似てるところがまたね、すごいわ。

ミニミニ大作戦 

んー、地味だったな。
地味だけど味があるとかでなくって、食い足りないと言うか、薄味と言うか、いやダシが利いて無い、かな。
基本的に、こういう真面目な作りのエンタテインメント物は応援したいんだけど、だからこそちょいと残念。
ミニが走り出すまでが、長過ぎです。

そりゃあ街中のカーチェイスや地下鉄のシーンは凄かった。
あの調子で全編走り回ってたら、人死にが出るわ。
それは分かるし、ヘンにCGでお茶濁されたら台無しなんだけど、それにしても前半タルイのよ。
やってる事はドロボーなのに正義の闘いみたいに言い訳しちゃってるのが、私好みじゃないなあ。
パパがどーの、裏切り者がこーの、という人間ドラマ?は、いーじゃん、このさい。そこらへんの状況説明をチャチャッと端折って、仕事を進める快楽に的を絞った方が楽しめた気がする、せっかく色々戦略を工夫して、キャラクターを集めて、もったいない。
それと、やっぱりミニは、もっと早くに活躍させとかないと、ダメでしょ。

登場人物も、色々役割分担させてるけど、どうも踏み込みが浅いと言うか、印象が弱い。
一番印象的だったのは韓国人のデブ(笑)。
特に仇役は、なんじゃアイツは(エドワード・ノートン…人気者だよね…)!?ちょっとキモいフツーのおっさん。地味だし、憎らしさにも欠けるし、全然恐くないんだもん。強引に正義を気取るなら、せめて巨悪に立ち向かわなきゃ。
主役のチャーリーも、ちょっとカワイイんだけど、役の重要さから思うと、もう一工夫欲しいな。
シャーリーズ・セロンは、頑張ってカラダ張って大活躍で良かったんだけど、ちょっと優等生すぎるかな?
でもこの人、本当に美人でスタイルいいよね(黒の下着姿でも水着みたいな印象なんすけど)。元モデルと聞けば納得。笑顔は可愛いし、緊張した顔はクールでかっこいい。いや、かっこ良すぎたのかな。
チャーリーとの恋愛にストーリーが流れ過ぎなかったのは良かった。

そんなこんなで前半退屈しちゃったけど、車に興味の無い私でも、赤、青、白のキレイで可愛いミニクーパーが走り出すと、すっかりワクワクしちゃいました。
水の都ベニスでは、パトカーならぬパトボートが見られて、ちょっとトクした気分だったな。ヘリのシーンもすごかった!
 そうそう、シャーリーズ、モデルの前はバレリーナだったんだって!踊って踊って!見たーい!!

身代金 

すごいねぇ。
何ともアメリカらしいと言うか、メル・ギブソンらしいと言うか。
ギブソン、いつレネ・ロッソ(妻)に後ろから撃ち殺されるかと思ったわ、レネ・ロッソたださえ顔怖いし(笑)。

ニューヨークの恋人』で好演だったリーブ・シュレイダーがチョイ役で出てたな。すぐ分かったという事は私、かなりお気に入り。

内容的には「そんなぁー!」とは思うものの、充分にハラハラドキドキできる作りだし、予備知識ナシで見ていると、実は子供は中盤で殺されちゃって過激な父親の復讐劇に進展してもおかしくない雰囲気だったので、けっこう前のめりになって見た。
ゲイリー・シニーズ、悪い奴っちゃ!あまり「勇敢な警察官」に見えないとこが残念と言えば残念だが、観客には最初から顔バレしちゃってるからね。
カンジンの、父ちゃんがナゼ彼を疑ったかが良く分からなかったんだけど…何か見落とした???

しかし本当に、この「誘拐された子供が喘息(or糖尿orアレルギー)ネタ、飽きもせず繰り返されるよね。私はもう飽きてるけど。
そんな設定付けなくても、誘拐されただけで子供の命は普通危ないし、ハラハラドキドキは充分だと思うんだけどダメなのかしら。
特に今回、見せ場はパパの乱暴ぶりいや行動力と活劇なんだし。
それに、衝動的犯罪でない限り、そんな面倒な子をわざわざ狙うかな、犯人。

発想は面白いし、ヒーローはかっこいいし、悪役は憎たらしいし、アクションもちゃんとやってるし、二転三転もキチンとしてるし。
でも見終わって残るのは、ゲイリー・シニーズばかり、かも。

ミリオンダラーベイビー 

ひ、ひどい
こんな映画だったなんて。
何作かイーストウッド監督の作品を観てるから、一筋縄ではいかない、と覚悟は決めたつもりだったけど。

主演でアカデミー取ったヒラリー・スワンク。最初に観たのが『ボーイズ・ドント・クライ』だったせいかな、「なんか〜 イタイ女優…」って最初から思って観てた。
私はタフで強情な女が大好きだし、マギーの闘いっぷりの爽快感や家族との事情を見るにつけ、すっかり肩入れしてしまったから、もう終盤、イタイのなんの、激痛

前作『ミスティックリバー』も辛かったが、いくぶん散漫さがあって救われた。
今回はもう、コーナーに追い詰められて喉元かっ切られた気分。
話の方向が見えて来ると、あちこちに撒き散らされた暗示的・象徴的言葉が浮かび上がって見える。全てがその方向に矢印を向けている、逃げ場は無い。
スワンク、イーストウッド、加えてモーガン・フリーマンと揃えた達者な演技と共に、きちんと組まれた脚本と渋くて美しい画面演出。
出来が良いだけに、なお辛い。痛い。

ハンサムな顔があんなにシワクチャになっちゃう程長く生きて来て、イーストウッドにとっての『人生』ってどういう形をしているんだろう。
嫌いだ、こんな映画。

ミルク

アメリカ初のゲイの議員、ハーヴェイ・ミルク氏の暗殺までの実話。
舞台は70年代のサンフランシスコ。差別と迫害を受けるゲイ達が集まって自衛する中で、ミルクは政治の世界に乗り出す。
何度も出て来るデモのシーンを見ながら、この頃私は何をしていたのかと考えた。
『ゲイ・ムーブメント』なんて言葉は耳にしたし、時折TVで映像を見た記憶はあるけれど、こんなにも命がけの闘いだったんだね。私がボンヤリしてる間に。
サンフランシスコには、91年に行った。ゲイの地区があるよ、というような説明を簡単に受けた。その頃はもう、かなり定着して落ち着いてる雰囲気だったが。

毎度の事ながら、ミルク役のショーン・ペンが凄い。
記録映像を見ると、ミルク氏の風貌は全然違うタイプなんだが、仕草や表情の"っぽい"こと!本当に憑依型の天才役者だ。
ハンサムな恋人スコットは、『スパイダーマン』のハリー君ことジェームズ・フランコ。正直、ビジュアル的には全く期待しないで見た映画だったので、嬉しいボーナスでした(笑)。微妙な役所をスッキリ演じていて、とても素敵。
他のゲイ仲間達もそれぞれにキュートで個性的で、一緒に選挙活動やりたくなった。

"犯人"のホワイト議員を演じるジョシュ・ブローリンも、あの髪型といいスーツといい、何とも鬱陶しくてウザさ全開、いかにも逆恨みで人を殺しそうな人物になり切っていて、目が離せない。
そして美人タレント議員アニタ・ブライアントの、まあ憎たらしい事!「同性愛者は子供を作れないから私達の子を誘拐します」とか公の場で凄い事を言ってる。美人なだけに憎らしさもひとしお。

この映画を見ると、どうしたってゲイ陣営側を応援したくなるけれど、だからと言ってゲイを過剰に美化している印象は無く、ミルク氏本人も魅力的ではあるが、欠点も失敗も多い人間として描かれている。
それにしても、ミルクの50年弱の人生で、5人の恋人のうち4人は自殺を図った事になる。なんと過酷な状況か。一人、賢いスコット君はミルクと距離を置く事を選ぶが、ラストの後日談でエイズで亡くなったと知らされる。
オシャレで陽気で、自由に見えるゲイの人達の、厳しい現実を垣間見た気がした。
"最後の恋人"は、可哀相だったな。薄情けは罪、ってところだよね。

いつも思い入れタップリのガス・ヴァン・サント監督、自身がゲイであると公表している彼の、これは渾身の一本だろう。
いつものムラッ気やチープさは影をひそめて、ストレートにテーマを語る一般向けの良作になっている。(そのテーマ自体が一般向けかどうかは別として…)

MW-ムウ-

あらら。
ケチョンケチョンに言ってやろうと息巻いていたせいか(笑)、意外にちゃんとした映画でガッカリ(←コラ)。
マトモな分地味になってしまったのと、ラストが続編狙いなのか?盛り上がらなくて残念だったけど、同性愛設定を切り棄ててもそんなに違和感無かった(楽しみは減ったが…笑)。
玉木&山田好演だし。アクションも殺戮シーンも結構真面目に撮ってるし。

しかし玉木さん痩せすぎ!
目が輪郭からはみ出しそう…貴方の健康が心配だ、と思ったら、役作りのために頑張って痩せたんだそうで、ちょっと安心した。確かにあの役には怖さや非情さが出て良かったかも。
たださえ大きなあの目をむいて見下ろす顔とか、危なそうで良かった。細長いスーツ姿は街中でも見栄えが良いし、潜水シーンも達者な泳ぎでキマッてた(そう言えば『ウォーターボーイズ』のメンバーだったっけ…)。
ただ、手塚的色気はあまり感じられなくて残念。って言うか手塚先生の美青年の色気は異常だから仕方無いか。
ホモ設定はともかく、タダの残虐な乱暴者ではなくて、もう少し色仕掛け攻撃とかあったら幅も広がったのに、どこまでも生真面目で、ますますもって地味な印象になってしまった。

山田君は元々派手な人ではないが、原作ではゴツイおっさんの役だったから色気はともかくとして、ひたすら辛気臭かった。
玉木演ずる結城が、教会で子供達に接する時に素晴らしく優しい笑顔を見せるのが印象的だったが、そういうカットが山田の賀来神父にも欲しかった。
全体に余裕が無さ過ぎて、一面的な印象だった。
翻弄される役なんだから仕方無いんだけど、苦悩する顔ばかりではむしろ苦しみは見えにくくなってしまう。山田孝之がもったいない。
でも、同性愛設定を外し、ハッキリと言葉には出さなくても、賀来と結城のただならぬ癒着ぶりは二人の演技から匂い立って来たし、まあ頑張ってくれたな、と。

人がけっこうバサバサ殺される思い切りの良さが好印象だった。
まさかゆり子さんが地面に血みどろで横たわるとは…。
あと私、石橋凌がキライだ。いつも渋い役もらってるけど、どうにもこうにも安っぽくて。
それ以外の役者はだいたい好演だったんだけど。

でもやっぱり原作を思うとなぁ……残念、ではあるな。
そもそもあれだよ、手塚作品原作にしといて重要な設定変えるって何様!?って感じですけどね。
そこらの映画屋ごときがやっていい事じゃないでしょって。
ホモ設定無くても、もっと華やかにしようはあったと思うんだけど、玉木さんは華があるんだし。
期待した程トンデモでもないし、なんかもったいない映画だったわ。

MUSA−武士−

韓流嫌い気味の私。『シュリ』も『猟奇的な彼女』も全然楽しめなかった。
初めて「あら、面白いじゃない」って韓国映画に当たりました。

元々こういう娯楽大作って大好きだし、時代物のコスプレも好き。
加えて二枚目の男優が複数登場。恋愛模様もあるものの、基本は闘いだから、心情的にイマイチ乗れない点があっても、あまり気にせず観る亊ができたかな。

時代設定は、なにしろ蒙古と明と高麗がモメてて、蒙古軍に捕まった明の姫を高麗の使節団が助けちゃったからさあ大変。(高麗の使節団が行方不明になった、というのは史実らしい)
という設定で、まー人はバタバタ死ぬわ、中国大陸横断!とスケールは壮大だわ、蒙古と高麗それぞれの衣装も楽しめて、なにしろ退屈しない。
蒙古軍の兵士達が、もう本当に、「モウコ〜!!」っていう顔立ちで、嬉しかったなあ。
対する高麗の若き将軍は、若かりし真田広之にキムタクを振り掛けたような(うわっ)色男。
最初、将軍役には線が細過ぎ…と、思ったけど、この役はこれでベストなんだと後から納得した。
勇猛果敢で残酷とも見える蒙古兵に対し、高麗側はいささかかひ弱く、そこがこの話のツボ。個人的にもこの将軍は、結構悩んじゃうタイプだし、その揺れがドラマを生んだりするのよ。
そしてもう一人の二枚目は、槍の名手の元奴隷。ロングヘアのザンバラ髪に白い衣装は、なんだか『ルパン三世』の五ェ門みたい。でも顔はいいし、槍一本での殺陣は見ごたえタップリで楽しませてくれる。
蒙古の将軍も、鎧姿がキマッてて、悪役ながらカッコイイ。むしろこの人だけが、本物の兵士なのかもな。
ほぼ紅一点の明国の姫。人気者のチャン・ツィイーだから、まあ仕方無いんだが、登場シーンとかは薄物を効果的に使って「美人」の演出も手抜かりナシ。
…命賭けるに値する女、という風格は、残念ながら私は感じられなかったが。

で、いっぱいいっぱい人が死に、殆ど共倒れ状態になって蒙古の将軍の言うセリフが「小娘一人に地獄を見た」ってアンタ、気付くの遅いって(笑)。
深窓の姫君が、なぜ敵軍の手に落ちたのかもずっと気になっていたんだが、話も煮詰まって来たところで姫はペロッと「宮廷の外の世界を見てみたかったの」。オイオイー!戦時下に『ローマの休日』ですかいっ!?
それまでも、心の片隅で「姫渡しちゃえば?」と思っていた私。
必死で闘って死んで行く皆さんが、特に二枚目のお二人、将軍と奴隷、がおバカに見えて悲しかった。…それが武士というものよ、と言われてしまえば、そうかもね。
最終的には斉藤洋介似の弓使いのおじさんが、一番かっこよく見えた。
男ってやっぱ、知性かしらね。

と、基本はおバカなストーリーなんだけど、戦闘シーンは手を換え品を換え迫力満点だし、エキゾチックでスケ−ル感タップリの舞台&時代設定は大いに楽しめるし、ワキの兵士や庶民達の闘いぶりは涙を誘い、ラストもキレイに落ち着いて、見ごたえは充分だ。
黒澤映画苦手だったけど、見直してみようかな。
 

ムッシュ・カステラの恋

最近ちょっと、おフランス映画に心が揺れている。
ずーっと苦手、と言うか、好きじゃなかったんだけど。
この映画は、なんの前評判も聞かず、レンタル屋で「オイシソーな名前だ」と思って借りてみたの。

それで、最初ちょっと、ゲンナリした。
よくある薄汚い不倫モノかい、そんなモンに「恋」なんてくっ付けるんじゃないよ、なんてね。
そんな不倫嫌いの私なのに、どんどん引き込まれてしまった。
カステラ氏の気持ちは、なるほど「恋」以外になんとも呼びようがない、純情な恋だったんであった。

カステラ氏はお金持ちだが、どちらかと言えば下品な成金タイプ。ハゲで小デブでチョビヒゲだ。
オトメチックな妻が、思う存分飾り立てたデコレーションケーキみたいな家に住み、ウェイトを心配しながらも食後のデザートが我慢できず、芸術も文学も全くの無知。
そんなオッサンが恋したのは、パッとしない独身の中年舞台女優、クララだった。
彼女はカステラ氏にバイトで英語を教えに来る。仕事に必要だからと部下に強要されたが、最初は英語なんてやる気ゼロだったカステラ氏、クララの舞台姿に一目惚れして、がぜん熱心な生徒に変る。
野暮で俗物なカステラ氏を、芸術家のクララは最初、見下している感じ。とことん冷たいんだけれど、カステラ氏は本当に健気に、彼女の気に入られようと 頑張る。その姿の微笑ましくもいじらしい事。
物語はカステラ氏の妻と妹の関係や、運転手、ボディガードとその両者と付き合うウェイトレス、エリート丸出しの部下やら、クララの友人のホモのカップル等、多彩な人物がそれぞれに恋や喧嘩や駆け引きやらをくり返す。
…そして気が付けば、私は心から、カステラ氏の恋の成就を願っているではないか!

フランス映画が気になりだした理由の一つは、「オトナ」という事。
登場人物がそれぞれに、自分の立ち位置でしっかり背筋を伸ばしてる感じが、とても心地良い。
そして、おそらく日本だったら「悪気の無い人」で済まされそうな、子供っぽいカステラ婦人などは、容赦無く蹴り落とされてしまう。むろん、蹴られた後のフォローは用意されているけれど。
純情である事と、大人である事は、本当はちっとも矛盾しない。
そんな気がして、年を重ねる勇気が沸いて来る。

カステラ氏がクララの友人の絵を買い取った事で、クララが「彼の無知に付け込んで」と友人を責めるシーンは感動的だ。友人は「知識は無くても、彼は本当に絵が好きだ」と言う。カステラ氏の無知を笑い者にしていた一人だったのに。それでも思い込みを捨て切れないクララは、カステラ氏にも「あなたは利用されている」と忠告?する。「君の気を引くために絵を買ったと?この絵が気に入ったんだ」と答えるカステラ氏が切なくて、泣けてくる。そしてここへ来て、ハゲで小デブの(ヒゲは途中で剃った、クララが嫌うから)カステラ氏が、「かっこいい男」になっている事に気付かされるのだ。
クララの気持ちも良く分かる(売れない舞台女優も売れないマンガ家も、共に独身で中年だしね)。孤独感、将来への不安、好きな仕事への愛情。自分を理解してくれそうにない人に対して、過剰防衛気味になってしまう気持ち、すごく分かる気がするんだよね。
クララの誤解に傷付いて恋をあきらめようとするカステラ氏もまた、思い込みで他人を傷付けている。エリートの部下が、自分を見下しているとばかり思っていたけれど、彼は尊大な態度を取るよう育てられて来てしまって、どうしても直せずにいたのだった。社長に嫌われていると思い、彼もまた苦しんでいた。
思い込みの氷が溶けた後の暖かい涙。今までどれほどの人を、失って来たのだろうと、ふと後ろを振り返りたくなった。

カステラ氏の恋は、まさかのハッピーエンドで幕を閉じる。
こんなに嬉しい、心から祝福したいハッピーエンドは、なかなかお目にかかれないよ。
「男は顔じゃない」という手垢まみれの言葉が、こんなに素直にうなずける事も、なかなか無い。
ああ、いいモン観ちゃった。

ところで。
監督は、なんと恋多きウェイトレス役をやったオネエチャンなんだって!
脚本は、カステラ氏役のおじさんと監督の共同執筆。
なんとも、才能のある人っているもんだ。

メアリと魔女の花

とっても面白くなりそうな設定で、特に手落ちも無くツッコミどころも見当たらないんだが、なんだかどうにも、退屈してしまった。
主人公のメアリが"赤毛"というくらいしか特徴が無く、元気なようで終始受け身の性格なのが一因かな?
ピーター君も無色透明な普通の男の子で、薄味の二人が「一緒に帰ろう!」とか言ってもどうにも盛り上がらない。

塩沢ときさん(としか思えない)は天海祐希の声も加味して面白かった。
いわゆる専業声優ではない人達が声を当てているが、概ねいい感じ。小日向文世、佐藤二朗も好き放題という感じ(笑)。
唯一「誰このシロウト」と思ったら演技派の誉れ高い満島ひかりだった…声優の仕事って、本当に分からないもので、上手いと思った事の無かった黒木瞳が最高だったり。

緑溢れる背景や、魔法による奇妙な生き物達等は綺麗でチャーミングだった。
可愛くない猫が可愛かった(笑)。
まあ絵は綺麗なんだけど、ジブリ風、好きじゃないのよ。特に表情のデフォルメの仕方を見ると「ああ、またか」と思ってしまう。
ストーリーに関しては、特に不快要素も無かった反面、だいたい予想通りの展開で、一度もハッとさせられる場面が無かった。
なんか画面もストーリーも、「手垢の付いた」という言葉がピッタリな気がした。

メイド・イン・アメリカ 

絵に描いたような御都合主義のポリコレ推奨映画、ではあるが、公開されたのが1993年という点では前衛的だったのかしれず、わざとらしい設定の割にはエンタメ的サービスも多めで楽しめなくはなかった。

車屋さんの金髪女性社員が凄く美人で魅力的だったんだけど、当然彼女のような属性はお呼びで無い
なんで一緒に暮らす事になったのか知らないが、オツム空っぽ(と、決め付けられてる)同棲中の彼女も同様で、(制作側は)全く気持ちに寄り添う気が無い
動物、クマや像が暴れ出したら笑い事ではないんだけど、長々とカメラを回すその神経を、誰一人批判しない。

昨今ではオシャレ過ぎが鼻に付くウィル・スミスにも、こんなダサい時期があったのかと、微笑ましく思った。
ウーピーさんはもう、言うまでもない存在感で、アフリカ風の衣装もアメリカンな服も素晴らしく着こなしてる。
娘役の可愛らしいニア・ロングと共に、ファッションを見るだけでもかなり楽しめた。
…でも正直、こんな女が突然登場して「アンタの子供を産んだんだけど」って言われたら…私ならイヤだけど(笑)。

ウーピー様だからか、黒人女性だから許されるのか知らないけど、このサラという女性の傍若無人さには呆れ&引いてしまった。
動物ネタといい、何か笑えないのよ、この映画のセンス。
あまりにも図々しいし、客に対する態度は酷いし、顔は怖いし(笑)。
娘のゾーラも流石の娘で、いきなり精子バンクに侵入して非公開データをPCから盗む、って。犯罪です
残念ながら精子提供の顛末は予想が付いてしまったし、この子の強引さのせいで共感も同情もできなかった。
しかし、人工授精、ましてや精子ビジネスって、こういうトラブルは後を立たないと思うんだけど、その辺りは全くスルーなのも好感が持てないな。
別れた彼女の気持ちといい、面倒な事は見ないでOK、みたいなのが目にいや鼻に付く。
ウーピーが白人大嫌いで寒気がするのはOKでも、テッドが黒人をくさするシーンは許されないみたいだし。
この二人が惹かれ合う課程も無理くりっぽいし(そうなるだろうとは思ったけど)ゾーラがいきなり父と慕っちゃうのも簡単過ぎるし。

で、タイトル(原題通り)はなぜコレなんだろう???
シングル女性の人工授精出産、黒人白人間の恋愛と家族問題。アメリカらしくはあるけれど。
車屋さんの太った秘書や結婚祝いを買いに来たお婆さん達は可愛かった。
最後はウーピーさんが躍り出て歌ってくれると思ったんだけどなぁ。

メガ・シャークvs.ジャイアント・オクトパス 巨大生物頂上決戦

うわ〜(笑)。
ついにこんなモンまで観てしまった私。
いえね、近頃生物パニック物が意外に好きなんじゃ、と思い始めたもので、ついつい。

何と言うか、タイトルから予想できる通りのショボい内容、地味な巨大生物、具体的な絵柄が少なすぎて盛り上がらない決戦…。
しかし、この映画には、日本人科学者・シマダがいた!

なんと眼鏡に七三ワケの青年科学者シマダは、序盤でヒロインの金髪美女と「お散歩♪」してしまう。
でかしたぞシマダ。
残念ながらキャストは日本人俳優ではないようだが、日本人男性の描き方も変わったものだ、と笑った。
シマダは頭が良く、オタクで、でもスマートな紳士。勇敢で潔さもある。
ヒロインは普通に美人と言うには怖い顔だが、この戦闘的な科学者の役にはピッタリだった。

いつカミカゼだのトッコウだのと言い出すかと、シマダの動向だけが気になって最後まで観てしまったが、ハッピーエンドでなにより。『日本沈没』じゃなくて良かった。
突如現れた巨大生物のサメとタコを、アメリカと日本で海中にフェロモンをバラ撒いて誘導するという、大真面目だが笑える作戦を思い付くのが、ベッドの中でお互いの匂いを嗅ぎ合って…というのもまた笑えるが一理ある。
しかし巨大生物部分は全然盛り上がらなかったし、人も大勢死んだらしいが実感が無いままだったな。
取りあえずシマダが無事で良かった、という事で。

めぐりあう時間たち

うわぁー、なんだこの、神経質な女達のオンパレード…。
時間と人物が交錯して分かりづらく、途中ポカーンとなってしまった。
特に冒頭の入水シーンがドコに繋がるのかを見落としていたため、すっかり混乱したんであった。

女優陣の演技は見応えがある、と思う。
メリル・ストリープにジュリアン・ムーアですよ。
って言うか全員神経質どころか神経症だったわ(笑)。
演技派が大熱演なだけに、こちらも神経ヤラレそうな気分に追い込まれる。
エド・ハリスの病人っぷりも凄い。
あの美少年とエドが全く繋がらなくて、これも終盤「あ〜…」と、むしろ脱力した。
今まであまり好きでなかったクレア・デインズが、神経質なベテラン女優に囲まれると妙に可愛く健やかに見えて、ちょっとした癒しになっていた。

各時代の衣装や家具調度が素晴らしく美しく撮られていて、それだけでも充分楽しめるのだが、そうやって見過ごすには内容が重苦し過ぎてな。

ヴァージニアの本を愛読するムーアママがヴァージニアの書く小説中の人物だとか、じゃあムーアは作中人物なのか…あ、21世紀部分も含めてヴァージニアの作品なのかな?
大きく分けて3つの舞台(鬱病に苦しむ小説家、不安定な妊婦、エイズの友人を世話するレズビアン)が細かいスパンで移り変わって、しかしどの女も気難しくて不満タラタラ。
かなり息苦しい思いを強いられる。
そして女達は何故唇にキスするのか???いや何故ってのもヘンだけど。

女達の誰一人好ましく思えず、共感という程のモノも持てなくて、関係性も掴みにくく、それでもたいして退屈もせずに見てしまったのは、画面の美しさと女優陣の熱演の賜物だろう。
ヴァージニアの姉の、ベージュのコートにエメラルドグリーンのマフラーが素敵だった。
駅でのヴァージニアの"演説"は、「いい加減に黙れバカ女」と言いたくなる程イライラさせられたが、シーン終わりの「問題に向き合わない人生は不幸」という台詞には深く頷いてしまったし、そういう説得力が各所に散りばめられている、質の高い脚本だったとは思う。
終盤に登場するムーアの姿にも息を飲んだ。ああ、ヤラレタ!と思った。

多分上記の名台詞のような事が、映画のテーマなんでしょうが。
ちょっと掴み所が無かったな。
あとそうそう、子宮を病んでるお友達の胸がでかくてビックリした。でも花柄のドレスにマーガレットタイプのカーディガンは、とても素敵。
やはり衣装がとても良かったな。

メジャーリーグ

『2』以降の事は書きません、語る事無し。

『1』に限って言えば、青春映画の傑作だと思う。
(好みじゃないけど)チャーリー・シン、あのチンピラぶりは秀逸だったなあ。
(けっこう好みな)トム・ベレンジャー、いい味出してた。
この二人、実は『プラトーン』でも一緒で、並べて観てみると、なかなか面白いのよ。

剛速球だけどノーコンって、昔あったよね、『侍ジャイアンツ』ってアニメ。面白かったなあ。
もの凄く優れている(剛速球)のに、役に立たない(ノーコン)って、笑えるよね。
おまけにノーコンの原因が「目が悪い」だったとは。(特訓で克服するとかじゃないとこがまた楽しい。)
そして、その目を矯正するために眼鏡を掛ける事になったチャーリー・シンの、ヘンテコな眼鏡!
濃い〜顔立ちに、これでもかのデザイン、笑ったなあ。

暴れん坊チャーリーとコンビを組むのは、しょぼくれ中年のトム・ベレンジャー。
『プラトーン』のエリート上官も良かったけど、こちらの負け犬っぷりもナカナカ。
もちろん、(中年とは言え)青春映画なので、後半盛り返して活躍するんだが、その転身ぶりも暑苦しくなくグッド。叱られた犬みたいな顔がいいのよ。
これ以降、あまりいい役に恵まれなかったのかな?ちょっと惜しい気がする…。

若くて傲慢で、無茶な新入りと、くたびれて凹んじゃってるけど実力派の先輩。
いわばお決まりのパターンだけど、パターン化される物にはそれなりの訳があるんだよね。
ダメダメチームの他のメンバー達も、女オーナーのキャラクター、それに対するメンバーの扱いも、面白かった。アナウンスも(これ観るまで知らなかったんだけど応援チームがそれぞれあるのね)、だんだんやる気が出て来る様子、面白い。
ロッカールームや移動バス(アメリカは広いので、過酷らしい)、スタジアム等の雰囲気も、すごく伝わって来る気がした。実際には見た事無くて残念だけど。

私、実は野球って全然興味無い、と言うか、むしろ鬱陶しいくらい。
シーズン中はTV中継で見たい番組が潰れたり遅れたり、シーズンオフでもスポーツニュースで延々時間を取っている(オフなのに!)。
で、実際の野球中継なんて、「いーじゃんもお、どっちが勝とうが、くっだらねー!」みたいな気分になってしまうのが常なんだけど。
この映画の、ラストの試合は、本当に応援してしまった。
映画の進行上、勝たなきゃ終われない、お話にならないって、分かっているのにね。
スタジアムで踊っている若い女の子の気分。
「野球」と「ベースボール」は、別のスポーツなのかも知れない。って思ったら、本当にそう言い残して日本を去ったアメリカ人選手がいたそうな。

メッセージ

うわぁ…激眠
2016年にもなって、無いわー。これは無いわ。
つまらなかった鬱憤で、盛大にネタバレしちゃってます。

エイミー・アダムスって可愛いと思ってたんだけど、中年になったらイヤな顔になったねぇ。
魔法にかけられて 』とか『ナイト ミュージアム2』生き生きしてて可愛かった。
でも考えたら、あまり深刻な顔を見せない役柄ばかり見てたのかも。
今回はド・シリアスで気難しくて陰鬱です。ちょっと病んでるのかと思ったら宇宙人の小細工のせいだったけど。

『殻』が屹立する景色や、中空に浮かぶ様はシュールでちょっと面白かった。
でも正直、いかにも"通ぶったSFファン"が「こういうのが未来的なんだよ♪」と言って出して来そうな(笑)。
更に中の人達と来たら、タコ型火星人を踏襲した、全く新味の無い造形の上に、ほぼシルエットしか映さない。
しかも彼らの"言語"(本作ではとても重要アイテム)というのが、手からスミを出す!!!
これタコ星人がマイノリティだったらポリコレに抵触するレベル(笑)。黒人の唇を分厚く描くな!みたいな。
宇宙船への出入りとか、内部の様子とか、「肝心な」ところを一切映さないから(逆にリアリティを狙ったのは分かるが)動作が繋がらず状況が分かりにくくてイライラした。

物語は現在と未来(最初過去かと思った)が錯綜し、終盤その理由が明かされるが、なんだよソレ…というね。
"異星人"のやり口も、いたずらに地球人の不安を煽るばかりで物凄くヘタクソで、コヤツら本当に頭いいの?と疑いたくなる。
彼らの言語を知れば未来が見える、と言うのも「え、未来って言語と何の関係が!?」という素朴な疑問の答えは提示されない。
そして、彼らの来訪の目的は、地球人にその「未来の見える」言語を習得させる事。
なぜなら未来の見える彼らが見た未来の危機を、地球人に救ってもらうため。
って、君たちねぇ………。
そんな日本にリュック背負って来て英語でベラベラ話し掛けて来るアメリカ人みたいな真似を!
宇宙空間すっ飛ばして他星に来られるくらい頭いいなら、交渉先の言語くらい学んで来い、もしくは来てからでもまずは学べ。
君らが英語なり中国語が操れたら、世界中の民衆は不安に駆られる事も無く、暴動も起きなかったし戦争する気にもならなかった。
まあ言語学者のヒロインの出番もなくなるけど(笑)。

かくしてあまりにも非合理的・非効率的な方法でヒロインは世界を救い、自分の悲しい未来を知る。
この辺りがもう、世界なんか本当はどうでも良くて、彼女の個人的欲望のために世界がダシに使われた感アリアリでまた不快。
病気で苦しんで死ぬと分かってる子供を産んで、知れば去ると分かってる夫に打ち明ける?
ナニソレー。
一見愛情深いようで、物凄いエゴイスティックだよね。

この監督はこの後『ブレードランナー 2049』を撮る事になるのだが、なーるほど。
全編通じて思わせぶりなボォ〜んブオォ〜ンという音が耳障りだったが、全く同じ手口を使って、お見事アカデミー音響賞だかを受賞しちゃったらしい。
あの音が不快に感じない人にとっては、雰囲気作りに良い効果を上げているのかもしれない。
派手なドンパチばかりを期待している訳ではないが、あまりに内省的で、誰一人活躍しない、ヒロインの自己満足だけを追求した物語だった。

めめめのくらげ

冒頭からわけわかめ…。
村上隆の"作品"は、正直全く好きになれなくて、最初からあまり好意的でない状態で観てしまったのは認めざるを得ない。
でも観てみたら全くの子供向けで、ちょっと拍子抜けしたな。

子供、かわいくねー!
もちろん子役が皆美男美女でなくても全然構わないんだけど、主演の子、もう少し何とかだったら方が楽しかった。
悪役?の子の方がいいな。

実写版ポケモンみたいなノリと思っていいのかな?
正直、"ふれんど"の造形は、あまりいただけない。これはやはり村上隆のセンスの賜物だろうか。
そういう意味ではポケモンって優秀だったんだなぁ、と再認識させられた。
いっぱい出て来るので、中にはいいデザインもあるとは思うんだけど、特に主人公の相棒になる"くらげ坊"が、気持ち悪くてな…。
カワイイを押し出したい気持ちは伝わって来るし、ああいった不思議な生き物があんな風に現れて、あんな風に懐いてくれたら素敵だな、と思うだけに、薄気味悪い外見と生き物っぽくない動きが残念。

そしてこのお子様空間に、忽然と現れるセクシーガイ斎藤工(笑)!
かっこいいだけに笑える。
窪田正孝もマジ顔で何やってんすか?
黒マントですよ研究者が。まあ悪役の定番衣装ではあるが。

結果的には人為的に造られたものとはいえ、いたいけな生き物を所有し機械で操って、あろう事か闘いに明け暮れさせるとは何というおぞましさ。
まあ小学生男子なんて野放しにすればそんなモノかも知れないが、大人が止めろや!(怒)

でもまあ、正気な子がいるのが救いで、大人っぽい女子(可愛い)は実は最強の"フレンド"を持ちながら闘い反対派。
後半になって来ると子供達のキャラが立って来て、意外と面白くなった。
勇敢で正義の美少女、孤独なオタク、お調子者、そして心優しい主人公。
私はサルの子が好きだな。
子供達が活躍するのっていいね。
そんなワケで、意外とハッピーエンドが嬉しかったんですが(笑)。

設定も展開もキャラクターもどっかで(ほぼ特定できそう)見たようなのばっかりだし、肝心のクリーチャーは好みじゃないしで、それでも子供達の頑張りで何とか形になってたような、そうでもないような。
村上隆の作品の中では好きな方ですが。
しかし日本の子役のレベルは本当に高くなったよね。

メリーに首ったけ 

下ネタ満載でオゲレツ全開なんだけどね。
なんだかいちいち笑ってしまう、自分が情けない(笑)。

若い頃とはいえ、17歳はキツかったであろうキャメロン・ディアスだけど、ピンクのジーンズ姿が恐ろしく可愛い!水色のプロムのドレス姿も初々しい。大人になってからのショートカットも良く似合う。
この映画のキャメロンは本当にキラキラしてて、最高にチャーミングだ。
しかもメリーは素直で真面目なとてもいい子。しかも天然。周囲の男共が皆"首ったけ"になるのも頷ける。
こういう、物凄くキュートな女の子をサエない主人公がゲットしちゃう話というのは本当に多くて、女性の私から見たら納得できない(「男向け限定ドラマだな」と感じる)事が多いんだが、この映画はなんだか許せてしまうユルさがある。
いっぱい笑わせてもらったから、まあいいや、という気持ちもあるし、主人公のテッドが色々あまりに不憫だったり、演ずるベン・スティラーが芸達者だったり、他の男達があんまり酷かったり…と、色々理由はありそうなんだけど。

マット・ディロンも頑張ってる。この人イケメンなのに、本当にチンピラとか嘘つきが似合う(笑)。
タッカー役のリー・エバンスも好演。真面目な気のいいエリートも似合うし、サエないピザ屋もシックリ来る。
自閉症の弟も、ミョーに熱い義理の父も、下宿のオバサン?も、ジンマシンの学友も、みんな一癖あって面白いし、存在感がリアルで見入ってしまう。
そして犬…大活躍で、大災難の、あの犬!爆笑。死んじゃったらどうしようとハラハラしたけど、薬盛られても着火しても全身包帯で車の屋根に乗せられても生き延びる、不死身の犬!無事で良かった。
加えて、この映画はなんと"生バンド付き"で、ラストには驚愕の(笑)オチも楽しめる。

ファレリー兄弟、『ふたりにクギづけ』もそうだったが、けっこうギリギリの危ういネタが多くて、下手を打てば差別的とも取られかねない、ある種目を背けていたい部分に踏み込んで来るんだが、背中の辺りがヒンヤリしながらも楽しく笑って見ていられるのは、本当に嫌らしい差別心や偽善性が無いせいだろう。
むしろ当然のようにそこにある、暖かく笑って見逃す気分にさせられてしまう。
「愛情の反対は無関心」という言葉を思い出し、そうでない態度を実践しているのだなと。

ストーリーも、気楽に見られるコメディでありながら、意外にキチンと作り込んであって、ちょっとした笑い所が後の伏線になっていたり、意外な展開がサラリと開示されたりと、なかなか見応えがあったりする。
なにしろメリーが魅力的で愛さずにいられないし、テッドの迷いつつも一途な心根や数々のアクシデントも、何と言うか「不憫カワイイ」とでも言おうか…応援したくなる。
下ネタにドン引きながらも、殆どイヤな思いや抵抗を感じないで最後まで見られる、明るく楽しいラブコメの良作だ。

猛獣大脱走

いやはや。
タイトルから、もっと陽気なお気楽映画を想像していたのでビックリ、衝撃でしたわ。
文字通り、猛獣が大脱走したらシリアスに怖いワケですが。しかも薬品のせいで凶暴化してるという。
パニック物と言うよりホラーに近い、それもかなりグロ目
と、思ったらイタリア映画(笑)試しに監督の名で検索したら作品タイトル群のインパクトに悶絶した。『世界残酷物語』『白昼の暴行魔』『食人族 VS 首刈族』いやぁ凄い。

ヒロインが美人。金髪を夜会巻き、とても好み。
しかし残念ながら、あまり活躍はしなかったな。
どうでもいい端役の人々が、ひたすら猛獣(その中にはネズミも含まれる)に殺戮されて行くんだが、そのえげつない事
80年代初頭の作品だからCGも無く、さぞや撮影は大変だったでしょう、と感心する事しきりだったが、面白いかと言うとそうでもない。
正直、残虐描写が露骨過ぎて気分が悪くなるレベルだし、これ動物ガチで殺してるよね…?という場面も多々あって、今の感覚ではドン引いてしまう。
でも、街中を疾走するチーターとか、車を蹴散らかして移動する牛の群れだとか、面白い絵はいっぱいあった。

真面目な話、動物に本気出されたら人間なんてひとたまりもないわな、と思う。
ネズミもイヤだが象に踏まれるのもイヤだなぁ。よりによって顔!なんつーかもう、センスが凄い。
トラやライオンが人を押し倒して噛み殺すシーンも、やってるうちにケダモノが興奮して本気になったりしないんかい、と、かなりビビッた。
いやぁ、もうこんな映画、絶対撮れないでしょうね。特に見たくもないけど。

仕事で忙しい母親(ヒロイン)と、そのため寂しい思いを抱えている娘。
この構図がラストの、まさかの展開にイイ感じで生かされてた。娘の持ってたピーピー鳴くヌイグルミも良かった。
そう言えばあの子だけ、水飲まなかったものね。なるほど、なるほど。
動物園の飼育員?(一応ヒーローかな)や、警部さんのキャラもなかなか良かったんだけど。
しかしあの飼育員、いつまで経っても事の重大さが理解できないと言うか、ドンドン動物に近付いて、怖い怖い。
シロクマに顔はたかれて死ぬかと思ったよ。

ラストはまあ、突然終わってしまうんだが。
もうやりたい事(=残酷描写)は一通りやり終わったし、もういっか、撤収!みたいな。
そういう意味では、とてもシッカリしたコンセプトの映画だったかも。
"残酷"は好みではないが、このガチさは凄くて、やはりCGは映画をつまらなくしたな、と、いつもの感想にまた至ってしまった。

モスキート コースト

大分オヤジになって来たとは言え、当時私のアイドルだったハリソン・フォードと、『スタンド・バイ・ミー』で大注目だったリバー・フェニックス。勇んでロードショウに駆け付けたのを覚えてます。

内容は、当時私が期待していた物とはかなり違っていた。
かっこいい正義の味方で、ちょっとオチャメなハリソン・フォードに、やんちゃで元気なリバーが仲良くからんで、ワクワクドキドキの冒険活劇…。
思えば、このあたりからハリソン様は「演技派」に傾いて行ったんだろうな。
そして、リバー・フェニックスという少年も、先行きの方向をかいま見せてくれたのかも。ストイックで、どこか不幸、そして不機嫌。
冒険も活劇もふんだんにあり、二人のアイドル(私の)も大活躍、でも。
違うんである。
そこには爽快感も、トキメキも、ウットリも、無い。

ハリソン・フォード演じるお父さんは、自然に憧れて、一家を引き連れジャングル生活を始める。
彼は学者かなんかで(記憶が不鮮明)、タフで行動力があり、息子リバーのヒーローでもある。実際、様々な困難にも臆する事無く立ち向かい、乗り切って行く…。
しかし事が進むにつれ、押し寄せて来る不吉な予感。
あきらめない、へこたれない、信念を貫く男は…、うっとうしくて端迷惑だ。
ヒーローである自分を決して譲れない彼は、次第に家族も自分も追い込んで行く。その先に待っているのは、やり切れない破局。
無邪気に父を尊敬していた息子のリバーも、だんだんイライラが高じて来る。
「父を乗り越えて行く息子」という定型であると共に、「かっこいい彼が通用しなくなる!」というハリソン・フォードファンの観客の気持ちをも代弁していく。
悲しみ、苛立ち、怒り、憎しみ。リバーには暗い表情が良く似合う。

この映画はハリソン・フォードの、カリスマ性無くしては成り立たない映画だ。
同時に、そのカリスマ性を残酷な形で否定して見せた映画でもある。
「いつまでもハン・ソロじゃないんだぜ」ってところかしら、ちょっと悲しいけどね。
そしてアメコミ的カリスマイメージを自ら壊して見せる事で、さらに新たなヒーローへと進化した、これはハリソン・フォードの大勝負だったのかも知れない。

何年後かにリバーは、インディ・ジョーンズの少年時代を演じている。
『モスキート コースト』を思い出せば笑えるジョークだったのかな?

モディリアーニ〜真実の愛〜

最初に言ってしまうと、私は画家としてのモディリアーニ("モジリアニ"の方がシックリ来るんだが、ここはタイトルに合わせて)をそんなに評価していない。
たいして面白い絵じゃないじゃん。ごめん、こんな感想で。
多分若くして劇的かつ不幸な事故で亡くなった事や、モンパルナスの美人モデルであった妻が後追い自殺をした事等が、映画向けと言うかメロドラマ好みなのだろう。写真に残る彼が、なかなか素敵な美男子なのもポイントだ。
そんなワケで、かの美男ジェラール・フィリップ主演の『モンパルナスの灯』もベタベタのメロドラマだったが、アンディ・ガルシア演ずる本作も、基本はメロドラマだ。
ガルシアさんはセクシーでなかなか良かったが、肺病にしてはお肉が付いて健康的(笑)。

でも、さすがに時代のせいか何なのか、単なる美男美女の悲恋に留まらず、モンパルナスの画家達との交流と葛藤に焦点を当ててくれたのは楽しかった。
…もっとも、先に書いたような理由で、モジごときがピカソの終生のライバル、という描き方にはかなり抵抗があり、"巨匠"ルノワールにしても、なんだかモジばかりを全面肯定な台詞を、それも晩年に吐かせるあたり、我田引水もたいがいにせい、という気はした。
まあ、それはいいか、主役なんだから少しは持ち上げても。絵の才能はともかく、モジは本当にピカソを悔しがらせる程モテたのかもしれないし(ピカソも相当だったそうだが…笑)。
妻・ジャンヌの扱いについても、『モンパルナスの灯』程には類型的ではなく、女優の顔立ちも含めてジャンヌという人の個性を尊重していそうな印象ではあったが、やはり恋情にウエイトが行き過ぎている気がして物足りない。
せっかくエコール・ド・パリなどという華やかで楽しい舞台設定にありながら、むざむざと恋愛映画にしてしまう残念さよ。

そういう点で、ヤク中ユトリロの苦悩のシーンとか、若き画家同士の酒場での小競り合い、モデルの取り合い、といったシーンは面白くて、もうこの調子で画家達の青春群像物語にしちゃえばいいのに、と思うんだが、それだと絵画に興味の無い客は呼べないか…(ガックリ)。
特に、サロン出展のために画家達がそれぞれに制作に勤しむ姿に『アヴェ・マリア』が被さるシーンは圧巻!苦悩から高揚、そしてエクスタシー。
人は画家や芸術家の破天荒な行動や破滅的人生にばかり注目するけれど、それもこれも、この高揚感あってこそ。
てな事もまた、描かない人には興味無いのかな…???

もののけ姫 

だからさぁ、もう私はジブリも宮崎も嫌いなんだってば。
いい加減諦めて、見なけりゃいいだけの話なのに。時間とお金の無駄なのに。
でもさ、あまりに評判の良いモノを全く理解できないのって、なんか悔しい。
いえ、手が掛かってるのは分かりますよ。
レベルもスケールも大違いだけど、絵を描く者のハシクレとして、その労力は他の人より分かるつもりだよ。
でも、それでもなおつまらない、心にちーとも響かない。
だいたい『ナウシカ』がすでにダメだったんだから、そのナウシカの「劣化コピー」呼ばわりされた本作が、私の心を打つはずが無いのだが。
でも近頃ますます、世間様との齟齬を感じているもので、実際見たら言うほどナウシカじゃないかも、とか、色々ウッスラ期待して。

それにしても、この世界観にスンナリ入って行ける人が多いというのがまず驚きだわ。
冒頭から長い事、何が行われているのか良く分からず、登場人物の関係性も見えて来なくて焦ってしまった。
突然「オマエとはたたかいたくないー!」とか言い出すし。なんじゃこりゃ。
あとアレだ。コダマ…木霊?こわいよー。
「ともに生きよう」とかの台詞も臭過ぎて、はあ。コレはストーリーにのめり込めなかったから当然なんだけど、上滑りな思想性、丸出しで。

もう一つ、どうもジブリが好きになれない理由の一つが、吹き替え。
御大のお好みで、プロの声優はあまり使わないらしいが、コレがまあことごとく私的にハズレなんだよ。
トトロ』の糸井重里パパは良かったな。それくらい。
驚くのが、名女優の名をほしいままの田中裕子が、物凄くヘタクソに聞こえること。
息子監督の『ゲド戦記』も酷かったけど、このエボシさんもそりゃあ酷い。ドコの素人かと思ったわ。石田ゆり子さんも大好きな女優さんなのに、酷かった。
比べたくもないけど、Pixarの吹き替えも専業声優起用は少ないけどたいてい大満足なので、声優じゃなきゃダメ、と言う気は毛頭無い。(ちなみに私的黒木瞳のベストアクトは『Mr.インクレディブル』です)明らかに演出上の好みの問題だと思う。
棒読みと自然は違うと思うの。私がそう思うだけですが。

モンスター

今を時めく美人女優シャーリーズ・セロンが13kg増量し、特殊メイクでブサイクに変身して主演。
ちょっとカチンと来ますね、ぶっちゃけ。
しかし観てしまうと、真面目に作ったちゃんとした映画でした。

実在の連続殺人犯の娼婦と、その恋人(ヒモとも言う)の少女。
大柄なセロンが太ると、そりゃあもう大女、しかも態度仕種も表情も、下品この上無い不快な女を見事に演じている。惨めな状況にイラつきながら、恋人にミエを張りたい「男らしい」アイリーン。
一方、甘ったれで身勝手なセルビーを演じるクリスティーナ・リッチも好演だ。
(こいつが「モンスター」かと思った…『アダムス ファミリー』だもんな。)
小柄で可愛いんだけどビミューにズレた印象の容姿は、このキャラクターのアンバランスぶりにピタリとハマって迫力だった。目が恐い。
その小悪魔に振り回されてボロボロに転がり落ちて行くアイリーンも、眉毛は無いしセルライトだらけのヌードまで出て来るし、生きるセンスの無さみたいな物がありありと見えて切ない。

とは言え、連続殺人犯の実話という事で、正直言って私の思いは複雑だ。
映画自体は極めて良心的な造りだし、DVD特典で解説をするシャーリーズ・セロンの声は知的で好感度も高い。
同じ女性として、という薄い言葉をあえて使わせてもらえば、主人公アイリーンの人生にはおおいに同情すべき点もあり、裁判での恋人の「指差し」に対する表情などは涙モノだ。
いやむしろ、いささか湿り気が多すぎる、かも知れない。
セロンのメイクは死刑執行前のアイリ−ン本人の写真に確かに良く似ているが、犯行当時の彼女は(当然ながら)ずっと若く、その上なかなか美しい。
それってひどくない!?少なくともフェアじゃない。
映画としては、登場人物に思い入れは大切だし、ドラマを盛り上げるためには多少のデフォルメはやむを得ないにしても、「実話」と銘打つにしてはあまりに主観的歪曲。
あくまで「実際の事件をモチーフにしたフィクション」とされていれば、こんな抵抗感は感じずに済んだ。
実話である事のコマーシャル効果を考えると、作品としての良心と商品としての良心は別物だ、という気がして、諸手を上げて同調する気になれない。
行き過ぎた同情は侮辱と同じだ、と思う。

モンパルナスの灯 

え〜〜〜〜〜〜〜と。
私的には、けっこう、“クソ映画"だったかも(笑)。
いわゆる、間違った芸術家のイメージの、デフォルメみたいな映画。
ジャンヌの人格なんてまるで無視。
それにしても、主演のジェラール・フィリップ&アネーク・エーメの美形ぶりは驚愕にあたいするけれど、全てがそれに終始する、気がしてしまった。
なぜ二人は恋に堕ちるの?だって美男美女だから。なぜ苦しいのに別れないの?だって美男美女だから。
あ、私はこういう、感傷的なメロドラマが、とっても苦手。
もしかしたら、出来は悪くないのかも知れない。知った事か
言っては何だが、昔の映画ってこういう、美男美女ありきの多い気がする。観客も素直だったんでしょうね。

実際にはモジリアニは生前けっこう売れていたし、妻ジャンヌは画家への野心を持ち続けていたようだし、ジャンヌの家族ともそこそこ馴れ合っていたようなんだけど、そういうのを全部すっ飛ばして「芸術に命を掛けた男、愛に命を掛けた女」というパターンに押し込めてしまう。
実話だからと言ってアレンジをしていけないワケではないけれど、ねぇ。
せっかくなんだから、二人の世界に引きこもらずに、モンパルナスの画家達も見せて欲しかったな。って言うかナシでは語れないハズ。
モノクロ画面の古いパリの街やジャンヌのパリジェンヌファッションは、なかなか楽しかったけれど。

けど、劇場に来ていた老夫婦らしきカップルや、オバサマの集団は、とっても素直に「あの画商ひどいね」なんて語り合っていた。(いや、ひどいんだけど)
私はモジリアニもゴッホもモーツァルトも、不幸だったなんて思えない。
そんな事言い張っているから、私のマンガは受けないのかも知れないけど(泣)。

参照:『モディリアーニ〜真実の愛〜