1、債権回収は最初が肝心
債権回収する上で一番大切なことって何だと思いますか?
私は問題の発生を防ぐことこそが一番大切なことであると考えます。問題が発生してからどうしようではなく最初から売掛金回収が困難になる可能性が高いような相手とは取引しないようにするというわけです。
そうはいっても相手を選んでいたら売り上げが減ってしまうしなぁという方もいるかもしれませんね。でも代金回収できなければ売り上げ増やしても意味がありませんよ。取引しなかったほうがマシなんてことになりかねませんよ。というわけで私は取引先をしっかりと選ぶことをおすすめします。
いいじゃないですか多少売り上げが減ったって、もっといい相手をかわりに見つけてくればいいのですから。
ところで相手が優良かそうでないか判断するには当然信用調査が必要ですよね。
STEP1ではどこを見るのか、どうやって調べるのかについて書きましたので、売掛金回収がスムーズにいくようよく読んでください。又、信用調査をしっかりし、取引先を選んでいけば自然と優良客ばかり相手にすることになるというメリットもあります。つまり信用調査は攻めと守りを兼ねているというわけです。
取引先について調べたら、それを元に取引内容を決めるわけですが、その際は契約書をきちんと取り交わすようにしましょう。こちらの立場が弱いような場合は難しいでしょうが、契約書は可能な限り問題が生じてしまった際それをカバーできるような内容(遅延損害金、契約の解除用件、担保、保証人など)にしておきましょう。
取引開始後も、継続して調査を行う必要があります。相手に信用不安が生じたとき、取引の規模を考え直したり、迅速に回収にとりかかることができるようにするためです。
2、支払いが滞ったら
支払ってくれない理由を知る
相手が払ってくれないからといって、いきなり内容証明を送りつけたり、裁判による解決を図っていては、うまくいくものもうまくいきませんし、費用や時間もかかってしまいます(相手にもよりますが)。まずは不払いの理由を知ることから始めましょう。
あなたの相手は次のどれに当てはまりますか?
支払能力がない−現金がないため支払えない、入金が遅れているため支払えないなど→1へ
支払う意思がない−ほかの債権者への支払いを優先している、債務を認めていないなど→2へ
こちらに問題がある場合→3へ
両方とも無い−無資力かつ開き直ってしまっている→4へ
1、支払能力が無い相手に払え、払えといったところでいつまでたっても問題は解決しません。払いたくても払えないのですから。
こんなときは、支払いの期限を延ばしたり、分割払いにするなどして相手が支払うことができるように協力してあげましょう(助成金や業績アップのためのアドバイスをしてあげるという方法も考えられますね。ついでに自分も勉強できて一石二鳥?)。
ただし、相手に協力するだけで終わってはいけません。担保を取る、保証人をつける、手形を振り出させる、公正証書にするなどして、ここぞとばかりに債権を強化し、回収できる可能性を上げるようにしましょう。相手の弱みに付け込むようで卑怯な感じもしますが、銀行が担保を取らずにお金を貸してくれますか?自分の生活を守るために心を鬼にしなければならないときもあります。
どう見ても将来支払える見込みが無いという場合は取れるものがあるならさっさと法的手続きをとりましょう。
2、普通に催促し、払ってくれるようなら問題ないのですが、ある意味なめられているわけですから、電話をまめにかけたり、内容証明を送るなどし、プレッシャーをかける必要があるかもしれません(やりすぎて警察の世話にならないように注意しましょうね)。
3、納めた商品の品質が悪いなどこちらに問題があり相手が支払ってくれないような場合はさっさと問題を解消してしまいましょう。
4、最強(凶)の相手とつきあうことになってしまいましたね。取れるものがあれば法的手続きを取りましょう。何も無いならさっさと縁を切り(債権放棄し)嫌なやつのことは忘れましょう。
もちろん、すでに発生している債権の回収にだけ、一生懸命になるのではなく、納品量を少なくし、これ以上、焦げ付く恐れのある債権を増やさないようにするのも大事です。
3、裁判所を利用して債権回収する
でも訴訟を起こすと弁護士に頼まなくちゃいけないから金かかるし、面倒だなぁという方、裁判所は訴訟を起こすためだけに存在しているわけではありません。
支払督促、即決和解・調停、少額訴訟など弁護士に頼まなくても一人で十分実行可能な方法は存在します。又、その気になれば訴訟だって自分だけでやれないわけではありません。金額が大きいような場合は弁護士に依頼したほうがよいでしょうが、小額で弁護士に頼むと費用倒れになるようなときは自分でやってみませんか?