強制執行による回収
何度請求しても、裁判で勝っても相手が支払ってくれない。だからといって無理やり自分で金品を奪ったりしたら強盗です。もとはといえば払わないほうが悪いのに・・・ これじゃ債権者は泣き寝入り? いえいえ、そんな時は国の力を借りて回収(強制執行)しましょう。
注)強制執行しても債務者の財産から回収できるだけです。強制執行しても無資力者からは何も取れません。債務者の資力を調べてから強制執行を実行するかどうかを決めてください。
強制執行するための準備
強制執行は相手の財産から強制的に回収するわけですから、何の準備もしないで強制執行をしてくれといってもしてもらえません。まずは準備を整えてからです。
1、債務名義を手に入れる
債務名義とはある請求権(債権)について強制執行できると国が認めたことを証明する文書のことです。
主な債務名義
確定判決
仮執行宣言付判決(債務者が控訴しまだ確定していないけど債権者のためにとりあえず執行できるようにしたのが仮執行宣言付判決です)
和解調書
調停調書
仮執行宣言付支払督促
公正証書(請求内容が金銭、代替物、有価証券で執行認諾文言がある公正証書に限る)
2、執行文の付与を受ける
債務名義の執行力が今でも有効であると認めてもらう必要があります。
判決、和解・調停調書はそれぞれの記録がある裁判所の書記官に執行文付与申請書を提出してください。
公正証書は作成した公証人役場に口頭で申立てます。
支払督促、少額訴訟の判決には執行文は必要ありません。
3、債務名義を送達し、送達証明書を入手
強制執行をする前又は同時に相手に債務名義を送達しないと強制執行できません。送達したら送達証明書を手に入れてください。
判決と支払督促は裁判所が職権で送達してくれますので送達申請をする必要はありません。送達した裁判所の書記官に送達証明申請書を提出してください。
和解・調停調書は記録のある裁判所の書記官に送達申請書を提出後、送達証明申請書を提出してください。
公正証書は作成した公証人役場で謄本を入手したら執行官に送達申請します。その後送達証明申請書を提出してください。
動産に強制執行をかけるときだけ事前の送達と送達証明書が不要になります。
準備ができたらいよいよ強制執行を申立てます。
1、債務名義を手に入れる
債務名義とはある請求権(債権)について強制執行できると国が認めたことを証明する文書のことです。
主な債務名義
確定判決
仮執行宣言付判決(債務者が控訴しまだ確定していないけど債権者のためにとりあえず執行できるようにしたのが仮執行宣言付判決です)
和解調書
調停調書
仮執行宣言付支払督促
公正証書(請求内容が金銭、代替物、有価証券で執行認諾文言がある公正証書に限る)
2、執行文の付与を受ける
債務名義の執行力が今でも有効であると認めてもらう必要があります。
判決、和解・調停調書はそれぞれの記録がある裁判所の書記官に執行文付与申請書を提出してください。
公正証書は作成した公証人役場に口頭で申立てます。
支払督促、少額訴訟の判決には執行文は必要ありません。
3、債務名義を送達し、送達証明書を入手
強制執行をする前又は同時に相手に債務名義を送達しないと強制執行できません。送達したら送達証明書を手に入れてください。
判決と支払督促は裁判所が職権で送達してくれますので送達申請をする必要はありません。送達した裁判所の書記官に送達証明申請書を提出してください。
和解・調停調書は記録のある裁判所の書記官に送達申請書を提出後、送達証明申請書を提出してください。
公正証書は作成した公証人役場で謄本を入手したら執行官に送達申請します。その後送達証明申請書を提出してください。
動産に強制執行をかけるときだけ事前の送達と送達証明書が不要になります。
準備ができたらいよいよ強制執行を申立てます。
動産(現金、商品、家財道具、有価証券など)を強制執行したいとき
申立場所 動産の所在地を管轄する地方裁判所の執行官
申立書は執行官室にありますので、必要事項を記入し、必要書類と一緒に提出してください。
手数料の予納金として3〜4万円必要です。(強制執行時に一緒に回収可能)
印鑑が必要となりますので忘れずに。
申立てが済んだら執行官が打ち合わせた日に執行場所に行き、請求金額に達するまで動産の差し押さえを行います。(こちらでこの動産を差押えろと指示する必要はありません)
差押え後は競売などで売却した後、代金を債権者に交付します。
執行場所で道具屋が買い取っていることもあるようです(その後債務者に買い戻させるらしい)。
動産は隠そうと思えばすぐ隠せるので本気で実行しようと思ったら「金払わないと強制執行するぞ ゴラァ」なんていってる場合じゃありません。さっさと強制執行してしまいましょう。
でも、実際のところ動産執行しても家財道具ぐらいしかないとすれば(しかも差押え禁止のものもある)、あまり成果はあがりません。
強制執行をちらつかせて、相手に間接的に履行を強制するのが有効な使い方かもしれません。強制執行されたなんてことが知れ渡ると他の債権者が騒ぎ始めるでしょうし。
申立書は執行官室にありますので、必要事項を記入し、必要書類と一緒に提出してください。
手数料の予納金として3〜4万円必要です。(強制執行時に一緒に回収可能)
印鑑が必要となりますので忘れずに。
申立てが済んだら執行官が打ち合わせた日に執行場所に行き、請求金額に達するまで動産の差し押さえを行います。(こちらでこの動産を差押えろと指示する必要はありません)
差押え後は競売などで売却した後、代金を債権者に交付します。
執行場所で道具屋が買い取っていることもあるようです(その後債務者に買い戻させるらしい)。
動産は隠そうと思えばすぐ隠せるので本気で実行しようと思ったら「金払わないと強制執行するぞ ゴラァ」なんていってる場合じゃありません。さっさと強制執行してしまいましょう。
でも、実際のところ動産執行しても家財道具ぐらいしかないとすれば(しかも差押え禁止のものもある)、あまり成果はあがりません。
強制執行をちらつかせて、相手に間接的に履行を強制するのが有効な使い方かもしれません。強制執行されたなんてことが知れ渡ると他の債権者が騒ぎ始めるでしょうし。
不動産を強制執行したいとき
差押えた不動産を競売にかけてその売却代金から回収する方法と不動産を管理して、そこから発生する賃料などで回収する方法があります。強制競売のほうが圧倒的に多いため、ここでは強制競売について説明します。
申立場所 不動産の所在地を管轄する地方裁判所
強制競売申立書を作成して、その他の必要書類と一緒に提出します。手続費用は東京地裁の場合、最低でも60万円超かかります。
申立てを受理後不動産を競売にかけるわけですが、配当までに短くても1年ぐらいかかります。大体2年ぐらいはかかると覚悟しておいたほうがよいでしょう。
執行方法のなかでも一番成果のありそうな不動産執行ですが、手続に時間がかかること、すでに金融機関などが担保に取っている可能性が高いことを考えるとあまり利用する機会がないと思います(強制執行自体そうそうやるもんじゃないですけど・・・)。
申立場所 不動産の所在地を管轄する地方裁判所
強制競売申立書を作成して、その他の必要書類と一緒に提出します。手続費用は東京地裁の場合、最低でも60万円超かかります。
申立てを受理後不動産を競売にかけるわけですが、配当までに短くても1年ぐらいかかります。大体2年ぐらいはかかると覚悟しておいたほうがよいでしょう。
執行方法のなかでも一番成果のありそうな不動産執行ですが、手続に時間がかかること、すでに金融機関などが担保に取っている可能性が高いことを考えるとあまり利用する機会がないと思います(強制執行自体そうそうやるもんじゃないですけど・・・)。
債権(売掛金、給与、預金など)を強制執行したいとき
申立場所 債務者の所在地の地方裁判所
債権差押命令申立書をその他の必要書類と一緒に提出します。
差押えようとする債権が存在するのか?あるとすればどれぐらいかを確認するために陳述催告の申立ても同時に行います。
申立手数料3,000円プラス送達のための切手代がかかります。
裁判所が債務者(A)と債務者の債務者(B)に債権差押命令を送達します。差押えの後はAは自由に債権を処分できなくなります。BからAへの弁済も禁止となります。
差押命令送達から一週間たつと債権者はBに対して取立てできるようになります。
転付命令について
債務者の債権を債権者に移すという裁判所の命令のことです。債権を移した時点で債権者の債権は移した分だけ消滅します。
転付命令を受けておけば、そのあとは他の債権者を排除できますので転付債権に関しては優先的に回収できます。ただし、転付債権が焦げついたときの責任は自分で負わなければいけません。
注)すでに競合しているときは転付命令を受けることができません。
主な差押えるべき債権
売掛金
売掛金債権を債務者の取引先と取引内容などで特定できれば実行可能です。日ごろから債務者の取引先にはチェックを入れておきましょう。
給料
勤務先がわかれば実行可能
手取の4分の1まで差押えできます。手取が33万円を超える場合、33万円を超えた分全額差押えできます。
勤務先が変わると差押えをやり直さなければなりません。
預金
銀行名と支店名さえわかれば実行可能。
どこの銀行と取引きしているかわからないというときは、切手代が余計にかかりますが、債務者の近くの銀行にまとめて差押えをかけましょう。運がよければどこかに預金があって差押えられるかもしれません。
債務者が銀行に借金をしていると、銀行に相殺を主張されるのが欠点です。
債権差押命令申立書をその他の必要書類と一緒に提出します。
差押えようとする債権が存在するのか?あるとすればどれぐらいかを確認するために陳述催告の申立ても同時に行います。
申立手数料3,000円プラス送達のための切手代がかかります。
裁判所が債務者(A)と債務者の債務者(B)に債権差押命令を送達します。差押えの後はAは自由に債権を処分できなくなります。BからAへの弁済も禁止となります。
差押命令送達から一週間たつと債権者はBに対して取立てできるようになります。
転付命令について
債務者の債権を債権者に移すという裁判所の命令のことです。債権を移した時点で債権者の債権は移した分だけ消滅します。
転付命令を受けておけば、そのあとは他の債権者を排除できますので転付債権に関しては優先的に回収できます。ただし、転付債権が焦げついたときの責任は自分で負わなければいけません。
注)すでに競合しているときは転付命令を受けることができません。
主な差押えるべき債権
売掛金
売掛金債権を債務者の取引先と取引内容などで特定できれば実行可能です。日ごろから債務者の取引先にはチェックを入れておきましょう。
給料
勤務先がわかれば実行可能
手取の4分の1まで差押えできます。手取が33万円を超える場合、33万円を超えた分全額差押えできます。
勤務先が変わると差押えをやり直さなければなりません。
預金
銀行名と支店名さえわかれば実行可能。
どこの銀行と取引きしているかわからないというときは、切手代が余計にかかりますが、債務者の近くの銀行にまとめて差押えをかけましょう。運がよければどこかに預金があって差押えられるかもしれません。
債務者が銀行に借金をしていると、銀行に相殺を主張されるのが欠点です。