第2巻第6号
第2巻第6号(1947/06/01)
LOCK 6月号
目次
短編 青春の悪魔:水谷準:p.2
随筆 論議の新展回を:江戸川乱歩:p.20
短編 トランプ物語:北町一郎:p.26
怪奇実話 死の仮面:青江耿介:p.32
チェーンストーリー・雉子も啼かずば 土岐雄三、阿知波五郎:p.38
ロック大学 死体:阿知波五郎:p.40
連載 奇蹟のボレロ(2):角田喜久雄:p.44
青春の悪魔:水谷準
後書きで「本格めいたもの」と書いていますが、やはり変格ものです。
水谷の中での分類は、なかなか理解しにくいです。
論議の新展回を:江戸川乱歩
編集部のもくろみを外れて、一向に盛り上がらない「木々」と「乱歩」の交互の随筆です。
元々はどちらも同じ作風で、考え方も似ています。
重箱の隅を探して繰り返す主張も、流石に飽きてきました。
両者共に分かっていると思いますが、先に切り出すのはやはり乱歩でした。
トランプ物語:北町一郎
当時はユーモア小説の作者として、本も多く活躍していたようですが、現在は忘れられた作者です。
軽いユーモア小説は、書かれた時代を考慮して読むという行為が難しいのでしょう。
死の仮面:青江耿介
ロックではお馴染みの名前ですが、作者の情報はしりません。連続の登場です。
この作も実話か、翻訳か、それ以外かは不明です。
雉子も啼かずば:土岐雄三
企画ものの風に書かれていますが、内部に「ロック大学」を含んだ日記風のコントです。
ひとりで書くのが普通と思いますが、他の人の原稿を中に使用するというのはあまり感心しない趣向と思います。
ロック大学 死体:阿知波五郎
これ自体は単独の連載ですが、土岐雄三作に取り込まれた風に配列されています。
法医学的に死体を見るという当たり前の内容ですが、時代的にはどうっだたのかは断言できません。
奇蹟のボレロ(2):角田喜久雄
連載2回目で第2章からです。
既に登場している加賀美の前で次々と事件は起こります。
複数犯なのでしょうか。進展が早い印象はあります。