かいもん4号のホームページ TRAVEL ヨーロッパ 2011夏
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氷河急行とベルニナ急行。 鉄道趣味か観光か境目ははっきりしませんが、どちらも一度は乗っておきたい列車。 ということで、今回の目的はこれです。 いずれも全席指定の人気列車のため、今回は国内で予約しての出発です。 観光優先的旅行ですが、もちろんこれ以外にも多少鉄道的要素は散りばめてあります。
尚、追加は下の方になります。最新の追加は 2012年7月22日

PART1 出国編            
PART2 モン・サン・ミッシェル観光編
PART3 寝台列車乗車編
PART4 ベルニナ急行乗車編
PART5 サンモリッツ観光編
PART6 氷河急行乗車編
PART7 ツェルマット観光編   
PART8 レイルジェット乗車編
PART9 シャーフベルク登山鉄道&ザルツブルク観光編    2012年7月22日追加 
<PART8 レイルジェット乗車編>


チューリヒ中央駅・レイルジェット(のはず)

 オーストリア各都市間とスイス・チューリヒの間。
 現在はオーストリア国鉄OBBによる「レイルジェット」と呼ばれる高速列車が結んでいます。
 今回はまず、チューリヒからインスブルックまでレイルジェットに乗ることにします。
 レイルジェットは今回が初めての乗車。 いまひとつ勝手がわかりません。
 一番の問題は「予約」と「料金」。
 TGVはじめ最近の高速列車による国際列車は、包括料金で予約が必要なやつが増えています。
 しかしユーレイルパス付録の資料によると、この「レイルジェット」の予約は「任意制」。 つまり従来通りのシステムらしい。
 これまでのユーロシティやドイツのICEに飛び乗るのと同じ感覚で、予約なしでも乗車できそうです。 予約客で一杯でさえなければ、特に問題はないでしょう。
 ということで、チューリヒからウィーン行きのレイルジェット(とクックの時刻表に記載してある列車)に乗りこみました。
 が、チューリヒ中央駅で発車を待つこの列車。 編成は見たところごくごく普通の客車で、従来のユーロシティ編成と違うように見えません。 「新型車両」と書いていたはずなんですが、こんなものなのでしょうか?

国境駅・機関車付け替え

 列車はチューリッヒ市内の長いトンネルを抜けると、美しいチューリヒ湖の南岸を走ります。
 海のないスイスですが、数多い湖の岸には、水泳場やヨットの船着き場やコテージが至るところに見られ、飽きることはありません。
 さて、その湖も尽き、国境手前の駅ブックス駅では列車の進行方向が変わるため、反対側に機関車付け替えです。 プッシュプルでなく機関車付け替えするところなど、やはりレイルジェットっぽくありません。 もちろん編成最後尾の客車の後ろ側には、どう見ても運転台がついていませんから、機関車付け替えは必要です。
 ガイドブックでは「専用の客車と機関車」のはずなのですが、ごくごく標準的な赤と黒のオーストリアの汎用電気機関車が間もなくやって来ました。


機関車付け替え完了

 機関車連結が完了しました。 ここからは進行方向が変わります。
 予約で一杯だったらどうなる?などと心配したこの列車ですが、少なくともチューリヒとインスブルックの間はガラガラ状態のようです。
 オープンの一等車には、わずかしかお客がいませんでした。 客席窓上の予約札入れは、全部空っぽのままです。
 予約客、全くなし?本当か?

発車待ち

 まもなく発車、なのですがなかなか信号が青にならないようです。 どうも高速列車らしくありません。
 列車はこの駅を発車すると、スイス〜オーストリアのアルプス山岳路線にかかります。 鉄道の難所ではありますが山岳地帯の風光明媚な区間で楽しみです。
 前回日中に通ったのは15年前。 真冬でしたので、素晴らしい雪景色でした。 今回は真夏。 どんな車窓風景が待っているでしょうか。
 楽しみです。

レイルジェット(本物)車内

 さて、ブックスから先、途中色々ありまして。
 こちらが「ホンモノ」のレイルジェットの車内です。
 どういうことかと言うと・・・。
 ブックスを出てしばらく。 予定(時刻表)にない山中の小さな駅で停車しました。
 特に気にも留めずに席にいると、車掌がやって来て「この列車はここまで。ここから次の駅まで、でバスに乗り換えろ」。
 よくわかりませんでしたが、途中の山越えの区間で、バス代行になっているらしいのです。
 慌てて下車。 駅舎正面の代行バスに、他のお客より遅れ気味に飛び乗りました。
 「次の駅まで」と言われたので、ほんの15分か20分程度かと思っていましたが、峠を越えて、というより、長い長い高速道路のトンネルで峠を抜けて、再び列車の待つ駅に着いたのは、およそ1時間も後でした。
 待っていたのは、今度こそ間違いない、見るからにスマートな正真正銘のレールジェット編成でした。
 乗車すると、オレンジジュースのパックとチョコレート菓子、新聞のサービス。 これが本来の基本サービスなのでしょう。
 それはいいのですが、途中の代行バス。 高速道路とはいえ、最高速度は100キロ。 レイルジェットの本来のスピードには遠く及びません。
 二度の乗り換え時間も必要だったし、インスブルックに着くのは相当遅れるんじゃなかろうか。 一体いくら遅れているのでしょう。
 それとも、これから本領発揮でぶっ飛ばすのでしょうか。

車内案内

 レイルジェットの車内、数か所に天井からディスプレイが吊り下げられています。
 列車情報と運行情報が何通りか交互に表示されます。
 それによると、この列車。 チューリヒではなく、ランデックからウィーン行きと表示されています。 これがこの編成の正式な運行区間なのでしょう。
 しかし、時刻表上はチューリヒからウィーンまでの列車。 面白いのは、始発チューリヒから「偽レイルジェット」の客車に乗車した車掌が、そのまま代行バスに乗車し、更にこの(本物)レイルジェットにも引き続き乗務している点。
 普通ならバスの前後で交代するのでしょうが。
 それ以上に、普通なら国境駅で交代するはずの乗務員ですが、見る限りはスイスからオーストリアまで通しの乗務です。
 レイルジェットに限った運用でしょうか。 それとも「代行バス」区間をはさむための臨時の措置でしょうか。
 いずれにしても、激務です。

車内案内

 車内天井のディスプレイ。
 数字と文字の時刻表だけでなく、こんな「地図」と「現在位置」も表示されます。 しかも地図は大まかな位置と拡大と2種類交互に表示されるスグレモノです。
 見ていると、川とか湖とか、どっちに向いて走っているとか、結構面白いものです。 が、私(外国人の乗客)にとっては、大まかな表示の方でも少しエリアが狭いかな、と思います。
 「チューリヒとインスブルックの間のこのあたり」というのが表示されればいいのに。

運行予定・遅れは2分!?

 今夜はインスブルック泊まりの予定。 到着予定は20時少し過ぎで、それから空いたホテルをみつけなければなりません。 そもそも今日オーストリアに来ようと決めたのは、午前中ツェルマット観光を終え、チューリヒに向かう列車に乗った後ですから。
 到着があまり遅くなると色々と面倒ですが、何しろ途中の代行バス。 最高速度は100キロですから、(パンフレットの案内によると)最高230キロで走る(らしい)レールジェットとでは、勝負にならないでしょう。
 一体到着は幾らぐらい遅れるの?
 と見ると、流石スグレモノの案内ディスプレイ。 繰り返される表示パターンの中に「(時刻表上の)計画時刻と実際の到着予想時刻」という表示画面もあります。
 それによると、インスブルックへの到着時刻。 時刻表上20時06分に対し、現在の予想20時08分。
 たった2分しか遅れていないぞ。 本当???
 何と、レイルジェットとは言いながら、チューリヒ〜インスブルック間は相当鈍足のダイヤ設定のようなのです。 ディスプレイの「現在の運転速度」もずっと70〜80キロくらいを示していますが、表示の遅れ時間が広がる気配はありません。
 これなら、高速バスの方がよっぽど早いぞ。
 ということで、代行バス区間。 乗り換え時間を差っ引いてもお釣りがくるぐらい、バスの方が早かった!ということでした。

正真正銘のレイルジェット

 翌朝のインスブルック駅で見かけた、チューリヒ行きのレールジェットです。 (と言いながらおそらく途中までしか行かないのでしょうが。)
 こちらが本当の姿です。
 昨日は思わぬ乗換えでバタバタして、写真を撮り損ないました。 本当はこういう時こそ証拠写真を撮っていれば面白いのでしょうが。
何しろ慣れない海外ですから、バタバタすると余裕がなくなり、写真どころではなくなってしまうのは仕方ないところです。
 それはさておき。
 最新の標準型の電気機関車ではありますが、レイルジェット専用塗装です。

レイルジェット客車

 こちらが後ろ側。
 客車の一端に設けられた運転台は、機関車側と同じようなスタイルです。 さすが高速列車ですから、機関車方式とは言え編成単位の固定プッシュプル構造になっています。
 本来なら、方向が変わるブックスで機関車の付け替えなど必要ないわけでした。

インスブルック駅ホーム

 朝のレールジェット、ウィーン行き。 ホームには結構大勢乗車待ちの乗客がいます。
 昨日乗車のインスブルック以西ではガラガラ状態だったのですが、インスブルック〜ザルツブルク〜ウィーンといったオーストリア国内区間では、さすがに乗客が多いようです。

車内風景

 インスブルックからザルツブルクまで乗車のレールジェットです。
 軽快な車内ですが、レザー張りのシートで高級感あふれます。 一等車ですからあまり軽っぽい感じではありませんが、ドイツ・ジーメンス(シーメンス)社製の車両は、スマートで軽快な感じがします。
 窓から車体にかけて、大きく「RAILJET」と書かれたロゴの文字が印象的です。 (車内からの写真では、ほんの一部しか見えませんが。)

車内風景

 見ていると、きちんと予約を入れているお客もいるようで、予約なしの先客と席を交代する景色がときどき見られます。 各座席の窓側には、予約表示はありますが、見たところ全部「予約席」と表示されているようで、実際にどの区間で空いているのかサッパリわかりません。
 幸い、私達が占領した向かい合わせの1列席は、予約客が現れることはありませんでした。
 インスブルックからザルツブルクまでは約2時間。 ノンストップですから、座席さえ確保できれば一安心です。
 さすがにインスブルック以東は結構飛ばします。 が、表示される最高速度は160キロ止まりでした。
 時刻表で確認すると、普通の客車のインターシティと同じ所要時間の設定になっています。 今のところ、レールジェットの俊足は十分には活かされていないようです。

レールジェット、チューリヒ行き?

 オーストリア・シャーフベルクとザルツブルク、インスブルックの駆け足観光を終え、再びインスブルックからスイスに戻ります。
 列車は往路と同じ、レールジェット。 路線も同じ、インスブルックからブックス経由でチューリヒまでです。
 ということは、2日前と同じく、途中の峠越えで「代行バス」に乗り換えるのでしょうか。
まあ、今回は事前知識があるため、そうだとしても慌てることはないでしょう。

2012年5月6日追加

代行バス乗換駅

 インスブルックからチューリヒに向け定刻発車後、今回は車内放送で「途中バスに乗り換える」旨の案内がありました。 2日前の往路は何もなかったように思いますが、全く予想もしていなかったので、よくわからない言葉を聞き流して気付かなかっただけなのでしょうか。
更に、車掌がチケット拝見の巡回時に、どこまで乗るか尋ねた上で丁寧に説明してくれました。 乗換え駅は、前回往路にレイルジェットに乗り換えたランデックかなと思って尋ねると、「もっと手前で、あと10分で到着する」とのこと。
 随分慌ただしい乗換えです。
 今回バスに乗り換えた駅はここ、OTZTAL駅。 混乱を避けるために、上下で乗換え駅を変えているのでしょうか。
 やはり大した数の乗客ではなく、乗り換えたのは大型バスでちょうど2台分のお客でした。
 もちろん、「レイルジェット」の車掌も一緒に引き続きの乗車です。

再び乗換駅

 高速道路の距離表示から、1時間半くらい掛かるのでは、と思われていた次の乗換え駅、BLUDENZ駅。 しかし意外と速く、1時間弱で無事到着しました。 乗客は再び列車に戻ります。
 それにしても、大規模な代行バス運転です。 峠越えのバスから眺めるに、単線の線路には所々に工事用の車両が止められているようではありました。 帰国後確認するに、8月6日から21日まで、線路の改良工事のための措置だったようです。
 この工事、何年もつづいているのでしょうか。 3年前の同時期の訪問時、チェコのプラハからチューリヒへの夜行列車ユーロナイト(本来この路線を通る列車)が、経由路線と時刻を変更されていた理由が、今回ようやくわかりました。
 それにしても、風光明美な山岳路線で有名な車窓を列車から眺められなかったのは少々残念です。

スイス側・偽レイルジェット

 やはり、スイス側(乗換え駅はまだオーストリア国内ですが)はユーロシティに使用の普通の客車です。 どうやらスイス側にはレイルジェット編成は置いていないようです。
 以前は黒と赤の2色塗りの、重々しいカラーがOBBの特徴でしたが、今回見ると白っぽい部分が多い軽快な感じに変わっていました。

国境駅・機関車付け替え

 普通の客車編成ですから、進行方向が変わるブックスで機関車付け替えがあるのも、往路と全く同じです。
 やって来たスイス国鉄の機関車は、一回り小さく見えるオレンジ色のタイプです。
 ちょっとばかり古いタイプですが、山国スイスの力持ちの機関車ではあります。

連結線

 車体の連結を終え、一番最後に電力供給用のジャンパカプラーを接続すると、作業は完了です。
 こちらの車両は、客車への給電用のカプラーが車体の高い位置にあります。
 日本では見られず珍しい眺めに感じます。

客車車内

 あとは、チューリッヒまで客車で一直線。
 「普通の客車」と書きましたが、国際列車ユーロシティに使用する1等車ですから、決してみすぼらしい感じではなく、やや重厚感のあるどっしりした客車で、乗り心地もまずまずです。
 黒いレザー張りのシートは、オーストリア国鉄OBBの共通の仕様なのでしょうか。
 スイス・チューリヒに到着したのは、定刻ぴったり。 やはり本日も、代行バス乗換え区間を含みながら、本来の時刻表通りに終着駅に着くことができた「偽レイルジェット」でした。

PART8 レイルジェット乗車編 終わり  このページのトップへ 
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