かいもん4号のホームページ TRAVEL ヨーロッパ 2011夏
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氷河急行とベルニナ急行。 鉄道趣味か観光か境目ははっきりしませんが、どちらも一度は乗っておきたい列車。 ということで、今回の目的はこれです。 いずれも全席指定の人気列車のため、今回は国内で予約しての出発です。 観光優先的旅行ですが、もちろんこれ以外にも多少鉄道的要素は散りばめてあります。
尚、追加は下の方になります。最新の追加は 2012年7月22日

PART1 出国編            
PART2 モン・サン・ミッシェル観光編
PART3 寝台列車乗車編
PART4 ベルニナ急行乗車編
PART5 サンモリッツ観光編
PART6 氷河急行乗車編
PART7 ツェルマット観光編   
PART8 レイルジェット乗車編
PART9 シャーフベルク登山鉄道&ザルツブルク観光編    2012年7月22日追加 
<PART4 ベルニナ急行乗車編>

ミラノ中央駅

早朝のミラノ駅。 これからローカル列車で、スイスとの国境の町ティラノに向かいます。
 本日のメインは、ティラノからスイス・サンモリッツまでの列車、「ベルニナ急行」乗車です。
 わざわざイタリアのミラノまでやってきたのは、フランスのモン・サン・ミッシェルとベルニナ急行を結ぶのに、パリからミラノまで寝台列車に乗車すると非常に効率が良いからで、折角の寝台列車を勿体なくも早朝5時半に降りてしまうのもそのためです。
 ローカル列車、と思っていましたが、ミラノからティラノまでの列車は、意外と長い客車列車でした。
 客車の一端に設けられた運転台が、何かとってつけたような感じがします。

ティラノ行き列車

 ティラノ行きのローカル列車。
 いかつい客車運転台と異なり、後ろ側には割と新し目のスマートな機関車が連結されていました。 ローカル線を走るにしては重厚感ある編成の客車は、機関車の後押し運転です。
 しかし車内に入ってみると、かつての幹線の主役と言った感じの古い車両で、荷物棚などの外れた部分は修理されずそのまま。 かつて日本の亜幹線を走っていた鈍行客車を思い出させるような列車でした。

客車内

 ティラノ行きローカル列車の車内風景です。 ローカルではありますが、重厚な立派な客車で、華奢な感じがする軽っぽい気動車などとは全く雰囲気が異なります。
 乗り心地も座り心地も申し分ないのですが、ローカルの悲しさか本当に手入れがされておらず、細かいところを見ると壊れたところは壊れっぱなし、といった感じの車内ではありました。


 鈍行客車、と書きましたが、なかなかどうしてこの列車。 結構高速で走るのです。
 ミラノを出てから暫くは平坦な土地で、線路もほぼ直線に近い複線です。 この手の客車列車の最高速度160キロまで出しているように感じられます。 少なくとも「新快速」よりは速いんじゃないか?
 またまた日本の話ですが、かつて東北本線で、古いスハ32系の長い客車をまだ新しいED75が牽引というミスマッチな編成で、座席から振り落とされそうな勢いで走っていたのを思い出しました。 古いから実際以上に早く思える、ということなのでしょうか。
 しかし中盤延々コモ湖に沿って走る頃からは、風光明美な湖と斜面のブドウ畑がきれいな山を眺める、本当のローカル線をのんびり走る列車に変身しました。
 線路も単線になり、対向列車と交換するのを待ちながら発車します。

ティラノ到着

 ミラノからおおよそ2時間半。
 ローカル列車でティラノまで本当にそんなに早く走れるの?と思っていましたが、前半の韋駄天ぶりが功を奏したのか、ちゃんとクックの時刻表どおり、山間の美しいたたずまいの町・ティラノに定刻到着しました。
 2面3線のホームには、長い客車列車はいささか不釣り合いに感じられます。

イタリアの電車

 隣のホームに停まっていた、いかにも「イタリア」といった感じの電車。 客車よりはこの車両の方がここティラノ駅には似合うようです。
 それにしても、いつも思うことですが、デザインの国イタリアにあって、電車の窓ってどうしてあんなに小さいんでしょう。 (客車の窓は他国同様で、それほどでもないですが。)
 何だか閉所恐怖症になってしまいそうです。 そう言えば、車でも似たような感じのものがあります。
 特にデザインに凝ったやつほどそう感じるのは何故?

イタリア国鉄ティラノ駅

 イタリア国鉄ティラノ駅です。
 このローカル線、ここが行き止まりで、ホームの先は山になっています。
 山間を走ってきた目には、ティラノはちょっとした町に見えます。
 駅舎の造りも決して小さくはないのですが、入口も待合室もさほど広くなく、ターミナルと言った感じではありません。 いちばん賑わっていたのは、駅舎に併設された売店とスタンドカフェテラスでした。

レーティッシュ鉄道ティラノ駅

 こちらはレーティッシュ鉄道のティラノ駅です。
 駅前広場に面して、正面入り口はイタリア国鉄駅と90°の位置関係にあります。(左手がイタリア国鉄駅)
 結構大きな造りですが、駅の執務室や運転関係が広いのか、乗客スペースは通路に面した切符売り場と、狭い待合室とトイレ程度です。
 観光地の駅としては、清潔なトイレが無料なのはちょっと嬉しかったかな。

トロッコ車両

 駅舎を抜けて最初に目に飛び込んだのは、この黄色い車両。
 いかにも、と言う感じのトロッコ列車です。 日本でもお馴染みですが、いわゆるトロッコ列車(トロッコ専用編成)ではなく、定期列車の最後尾に連結されています。。
 結構な人気と見え、満員状態です。 何せ車窓は絶景ですから、今日のようなお天気の夏なら、申し分ないでしょう。
 二度目に乗る機会がもしあれば、ぜひ乗ってみたいと思います。 お天気次第ではありますが。

ティラノ駅風景

 レイティッシュ鉄道のティラノ駅ホーム、反対側(出発側)から眺めたところです。
 国鉄駅と少し離れて平行に並んだホームは、いかにも、といった感じの折り返し駅です。
 メインの車両は客車列車ですが、機関車でなく電車が牽引、というのがベルニナ線の特徴です。 中には、「機関車だけれど空いたところに少しだけお客も乗せる」的スタイルの電車(機関車と言うべきか?)もありますが。
 ティラノ駅で出会った日本人の団体客数組、合計50人くらい。 みんなパノラマ車両ではない先発の右側の列車に乗車してゆきました。 時間の関係でしょうか。
 上の写真のトロッコ、右側の列車の最後尾に連結されています。
 ところでよく見ると、黄色いトロッコ、ほかにもいます。 実は結構たくさん運転されているのでしょうか。

日本語看板

 知ってる人は知っている?
 「姉妹鉄道」である日本の箱根登山鉄道から贈られた駅名票。 ラックレールを使わない粘着方式による急勾配鉄道つながり、ということです。
 駅舎内の切符売り場向かい、通路壁に掲示されていました。
 乗客全員が通る場所ではありますが、暗めの場所のため、気付かない人も多いのでは?

ベルニナ急行

 本日のメインはベルニナ急行乗車。 この列車がこれから乗車するやつです。
 1等と2等車両のオールパノラマ編成ですが、一番手前の機関車風車両にも若干の客室があります。 電車?それとも機関車?
 ティラノ発列車の編成は、前方が2等車で、後ろ側2両が1等車でした。

ベルニナ急行チケット

 日本で事前に予約していた列車のチケット2つ目です。
 人気観光列車であり、さすがにこれは予約なしの当日手配では満席のリスクが大きすぎる、と考えたものですから。
 観光列車に乗車する際の一番のポイントは、左右どちらが眺めが良いのか、という点。
 今回は2人連れですから、2人席(1列側向い合わせの席)が発券されています。 事前情報では、ティラノ発の列車では進行向き左側の席がやや眺めが良い。 そして、左側が1列席、右側が2列席。
 のはずだったのですが、車内に入ってみると、最後尾21号車とその前の22号車では車両の向きが逆。 今回私たちが乗車した最後尾21号車は、1列席は右側でした。

ベルニナ急行車両

 今回乗車のパノラマ車両1等車。 屋根まで張り上げた大きな窓は、実に眺めが良さそうです。
 写真で車内が十分わかるでしょうか。
 車両は最後尾の21号車です。 手前側・進行左側が2列席、奥側の進行右側が1列席となっています。 進行方向は左向きです。

ベルニナ急行車内

 パノラマ1等車の車内です。
外から見る以上に屋根高くまでガラス窓が貼りあげられています。 どんな高い山でも、申し分のない眺めが期待できます。
 それより、車内のお客。 賑やかな日本人団体と鉢合わせしなかったのは幸いとして、他のお客もえらく少なめ。 もともと小さな車両に、この号車は乗車率5〜6割、といったところです。
 これなら、座席の左右など心配せず、場合により空いた席に移動することも可能です。

快調に進行

 列車は定刻発車し、高い塔のある教会の広場を通り、狭い家並みをかすめるようにしてティラノの街を抜けます。
 間もなく国境の駅・カンポコロニョ。
 そこから先はいきなり急な登り勾配と左右のカーブの連続となります。 この感じはとてもハンパじゃありません。 写真ではとても表現できないのが残念。
 模型のレイアウトでもこれほど極端ではないのでは?といった感じです。

ループ橋

 レイティッシュ鉄道ベルニナ線の名所、ブルシオのループ橋です。
 ティラノからは20分足らずの場所です。
 パノラマ車両の唯一最大の欠点は窓が開かないこと。 車窓の写真も窓ガラスの反射がいろいろ写り込んでしまいます。 「写真撮影」と「さわやかな山の空気」を堪能したいなら、窓の開く普通の車両がおススメです。
 このループ橋。 事前情報で知ってはいたのですが、現在工事中で「一部にカバーが掛けられている」とのこと。 現地はこんな状況でした。 次の写真と合わせて御覧ください。

ループ橋

 非常に小さな半径で完全に360°ぐるりと回るループ橋。 思っっていた以上に急なカーブと勾配です。
 一部に赤いカバーが掛けられています。 何だか、ヨーロッパの観光地に行くと、「工事中」で「カバー」の掛けられた名所によく出くわします。 たしか前回もこんなのがありました。 それだけよく手入れや修理がされている、ということでしょうが。
 ここは「進行方向左側の席」向けの車窓ですが、チョイと空席に移動させていただいています。

湖岸風景

 ループ橋の次の見どころは、ポスキアーヴォ湖です。
 ここは「進行方向右側」向きの車窓風景。 細長い湖の湖岸を岸に沿って左右に向きをかえながら走ります。
 この湖、線路が湖岸を離れた後も、その後山を登ってゆくと、カーブの度にいつまでも左右のはるか眼下に眺めることが出来ます。

車内風景

 こんなに空いているの?と思える1等車の車内。
 写真で車両奥から詰まっていて、手前の席が空いている、というふうになっていますから、車窓の見どころが右に左に変わるたびに、反対側の乗客が移動してきては景色を眺めたり写真を撮ったり。
 もちろん私達もです。
 おかげで両側の車窓風景が十二分に堪能できました。

パリュー氷河方面

 次の名所、パリュー氷河です。
 先ほどのポスキアーヴォ湖から、急勾配をラックレールなしで一気に1000メートルも上ってきました。
 ここは(というか、この辺りから先は)左側向きの車窓風景ですが、峠を登る際にくねくねと左右に向きをかえながら進むため、右側の窓からも、谷側を眺めることはできます。
 「氷河急行」がフルカ峠をトンネルで抜けるようになり間近に氷河を眺められなくなった今、この「ベルニナ急行」の方が、車窓から氷河を眺めるには適しています。

列車交換

 氷河を見下ろす山中の駅・アルプグリュムで交換のベルニナ急行。
 反対側の列車も、「まずまずかな」と言う程度の、多少空きのある乗車率のように見えました。
 8月中旬は、それほど大混雑する時期ではないのでしょうか。

2011年11月27日追加

峠の駅

 ビアンコ湖のそば、オスピツィオベルニナ駅で小休止する列車。  登山鉄道を除くと、ヨーロッパ最高地点の鉄道駅、ということです。
 少しの停車時間の間、乗客もみな車外に出て一休み、高原の雰囲気を楽しみます。
 真夏なのですが、さすがに標高2256メートルともなると、風がさわやか。
 というよりは、半袖だと日陰は少し寒い感じです。


 交換駅で出会った列車の最後尾には、先ほどティラノで見かけたのと同じ、黄色い「トロッコ」が連結されています。
 やはり両数も便数も結構多そうな「トロッコ」車両です。
 こんなのはクックの時刻表には掲載はありませんが、どうすれば乗車できるのでしょうか。

ビアンコ湖岸

 ビアンコ湖の湖岸を行くベルニナ急行です。 ここから先は、サンモリッツに向けてひたすら勾配を下ってゆきます。
 やはり全体を通して見ると、進行左側の車窓の方が勝っています。 結局私達の車両には、途中1組だけ乗車客がありました。 が、相変わらず空席がありますから、ほぼ終始自席と反対側の席を行き来しながら車窓を楽しめました。

列車交換

 ピッツベルニナとその周囲の山々をを背後に眺め、サンモリッツにかなり近づいてきました。
 ここでまたベルニナ急行と交換です。
 サンモリッツまたはクールから運転されるベルニナ急行のルート。 運転時間がさほど長くないため、比較的自由度の高いプランが可能です。
 1日のうちに片道パノラマで、反対は普通の窓の開く車両で往復、なんていうもの良いかも。


 最高地点から見るとかなり下って来て、周囲には再び木々が目立つようになりました。 が、まだピッツベルニナの氷河も車窓から眺めることができます。
 ティラノからサンモリッツまで、時間にすると2時間ちょっとの区間と、ほんの61キロの運転距離。 ですが、高低差千数百メートル。山あり湖あり氷河あり。そして急勾配に急カーブありと、実に変化に富んだ楽しい区間でした。

サンモリッツ到着

 定刻の12時17分、列車は予定通りサンモリッツに到着です。
 小ぶりなメーターゲージだけの鉄道終点駅ではありますが、クール方面から乗り入れてくる氷河急行や一般の車両など、たくさんの車両でにぎやかな駅です。
 観光客が多いためか、列車の発着時には華やかな感じの駅でした。

PART4 ベルニナ急行乗車編 終わり  このページのトップへ 
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