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かいもん4号のホームページ
TRAVEL
ヨーロッパ 2011夏
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氷河急行とベルニナ急行。
鉄道趣味か観光か境目ははっきりしませんが、どちらも一度は乗っておきたい列車。
ということで、今回の目的はこれです。
いずれも全席指定の人気列車のため、今回は国内で予約しての出発です。
観光優先的旅行ですが、もちろんこれ以外にも多少鉄道的要素は散りばめてあります。
尚、追加は下の方になります。最新の追加は
2012年7月22日
PART1 出国編
PART2 モン・サン・ミッシェル観光編
PART3 寝台列車乗車編
PART4 ベルニナ急行乗車編
PART5 サンモリッツ観光編
PART6 氷河急行乗車編
PART7 ツェルマット観光編
PART8 レイルジェット乗車編
PART9 シャーフベルク登山鉄道&ザルツブルク観光編
2012年7月22日追加
<PART6 氷河急行乗車編>
雨模様
「世界の車窓から」DVD版(朝日新聞出版刊)、第21刊、ベルニナ急行・氷河急行編。
高級リゾート地・サンモリッツの紹介。
「一年のうち、320日は晴れる。ということですが、今日は一体、どうしたことでしょう。」
ゆったりとした石丸謙二郎氏の名ナレーションは、こんなセリフでスタートします。
撮影日は曇りで太陽が隠れたサンモリッツです。
ところが何と、曇りどころか本日は雨。
夜半からずっと、窓の外では本格的な雨の音がします。
一夜明けて薄明るくなって見ると、周囲の山には低い雲が垂れこめて、完全に雨の天気でした。
朝のサンモリッツ駅
まだ完全に明けきらない(というより天候のせいでなかなか明るくならない)サンモリッツの駅です。
薄暗い中での列車の窓の明かり。
それが更に路面に反射して、ホテルの窓から見下ろすと、それはそれで幻想的な雰囲気ではあります。
しかし、やはり雨は雨。
本日はほぼ一日丸々列車に乗っているスケジュールですから、たちまち困ることはありませんが、それでも晴れているのとでは車窓の楽しさが違います。
それ以上に、夕刻到着のツェルマットの天候が心配です。
雨の氷河急行
本日のスケジュール。
これから9時15分発の氷河急行905列車で、終点ツェルマット到着16時52分まで、およそ7時間半の旅です。
一昨日から今日まで、絵に描いたような観光ルートの旅は、この列車を含め3本の列車を日本で事前予約。
途中トラブルでもない限り変えようがありません。
心配なのはツェルマット到着後。
以降は全く自由な組み立て組み変えが出来ますが、何しろ天気だけは自由にならない。
折角のツェルマット宿泊も、肝心のマッターホルンやブライトホルンが見えなければ意味がありません。
場合によってはツェルマットに2泊する?
それともツェルマット到着後すぐに、ブリーク方面へ引き返してホテルを探し、マッターホルンとツェルマット観光は後日に回す?
天候次第で色々な選択肢を懐にひそませながらの氷河急行の旅です。
氷河急行先頭部
雨のため朝の散歩もできず、出発前にホテルで眺めていたテレビ。
どのチャンネルも言葉のよくわからない番組ばかりですが、中に、スイス・オーストリアの各山々(山頂)のライブカメラ映像とそこの天気予報ばかり流しっぱなしのチャンネルがあります。
途中でスタジオやコマーシャルに切り替わったり、アナウンスやナレーションが入るわけでもない。
軽い音楽に載せて、ひたすら山々の風景が切り替わるばかりです。
さすが、アルプスの国ではあります。
これと、ホテルのロビーに掲示されたサンモリッツ地方の天気情報を総合すると、どうやらサンモリッツは本日午後から晴れてきそう。
しかもアルプスの天気は西から東へ順に変化している模様。
この分なら、西に位置するツェルマットは、今日夕方くらいには回復がギリギリ大丈夫かな?
希望的観測をもちながらの氷河急行乗車です。
しかしながら、今現在はまだかなり激しく雨が降っており、濡れながらの列車写真撮影です。
なにしろ長い編成。
前の方にはホームに屋根がないのです。
まあ、本当に1年のうち320日以上はこれでいいのでしょう。
前方の2等車のお客さんは、大きな荷物を持って大変そう。
氷河急行最後尾
反対側、氷河急行最後尾。
今回の私達の車両は、後ろから2両目の1等車です。
幸いこの部分のホームにはちゃんと屋根があります。
駅本屋横の1番ホームのため、階段の上り降りもなく、雨に濡れることもありませんでした。
もっとも、小型車両とはいえ低い駅ホームですから、乗車時のステップの段差はかなりのものでしたが。
編成中央部(今現在はこの編成中に2か所)の、赤い厨房車両。
以前は食堂車が連結されていた氷河急行。
人気の高い食堂車は予約がなかなか取れない状況が続き、車両更新を機会に座席で食事をする方式に変更されました。
現在の氷河急行編成。
車体のベースカラーは白ですが、編成中ほどのこの厨房車両だけは真っ赤の装いで、強烈なアクセントになっています。
2等の座席車は、以前は1等車に使用されていたやつです。
青っぽいカラーの座席は片側2列の4人掛けです。
現在の1等車は、通路を挟んで1列席と2列席の向かい合わせのボックスが並びます。
今回は2人連れで予約手配ということで、1列席の向かい合わせを準備いただけました。
間にテーブルがあり、かなりゆったりした造りです。
昨日乗車のベルニナ急行の曲面ガラス窓とは異なり、上部の窓は側面とは別のパーツになっています。
斜め上方向の眺めだけからすると、ベルニナ急行の方がちょっと上かな?といった感じ。
さて、次に気になるのは車内の昼食。
何しろ乗車時間は7時間半ですから、昼食抜きというわけにはゆきません。
座席で取る(もちろん注文しなくてもいいわけですが)方式ですが、予約などしていません。
クックの時刻表や各種観光ガイドによると、事前に予約する旨書かれていますが、多分車内でも何とかなるでしょう。
案の定、サンモリッツを出発してさほど経たないうちに、係員が食事注文するかの確認に来ました。
(この段階では、まだ「注文」ではありません。)
そうして、食事をするお客の席のテーブルを開き、テーブルクロスを広げてセッティング。
「昼食」のはずなのに随分早い準備です。
いくら何でも早くないか?
氷河急行の見どころのひとつ、ランドヴァッサー橋に差しかかります。
今回の私達の席、1列席は進行方向右側。途中クールからは進行方向が変わるため、左側になります。
この車両向きは、昨日のベルニナ急行とは違い、どの氷河急行も見たところ統一されているようでした。
気になる車窓風景、一体どちらが良いのか?
大まかな感じでは、最初のサンモリッツ〜クール間は、前半が2列側、後半が1列側。
クール〜ブリークはほぼ1列側。
ブリーク〜ツェルマットはほぼ同じ(強いて言うなら1列側?)。
全体を通すと1列側に軍配が上がるかな、といったところです。
このランドヴァッサー橋は、「サンモリッツ〜クール間の前半」。
すなわち2人席向きの風景です。
写真ぐらいは取りたいなと思っていましたが、幸いサンモリッツ〜クール間はいくつか空いたボックスもあり、席を移動して楽しむことが出来ました。
それにしても、昨日のベルニナ急行に引き続き、やっぱり氷河急行も満席ではないんですね。
今年は日本人の団体客が少ないせいなのかな?
大きく曲がったランドヴァッサー橋を渡ってゆきます。
前方もいいですが、今渡ったばかりの橋が遠ざかってゆくのも楽しい眺めです。
さすがに有名な見どころだけあって、どのお客も進行左側の席に移動してカメラを構えます。
1等車では、車窓風景のポイントポイントで車掌が現れて、自ら観光案内のサービスも。
このあたりはまだ、進行左側、2列席向けの風景です。
気になっていた昼食は、飲み物と合わせちゃんと注文を取りに来てくれました。
様子を眺めてみるに、あらかじめ予約していたお客は殆どおらず、皆その場で注文しているようです。
もちろん各テーブルにはちゃんとメニューが準備されています。
まあ、そんなものでしょう。
あまり早くから気を回し過ぎなくても、大抵は何とかなる、ということです。
ちなみに、一品メニューのアラカルトもありますが、面倒なのでセットメニュー(フランス式に、「メニュ」と言えばそれだけで通じます。)を注文しました。
1時間余りを過ぎると、今度は次第に進行方向右側・1列席側向きの景色となります。
深い谷あり、岩山の上の城砦や教会あり。
そしてクールに近付くにつれ、次第に開けた風景に変わります。
気になるお天気ですが、まだ時折雨はぱらつくものの、ほぼ止んで、時には雲の切れ間から薄日がさすこともある感じになりました。
クールです。
山間のつづらのローカル路線から、一気に都会の駅になりました。
ここからはスイス国鉄SBBの路線が伸びており、これまでのメーターゲージの駅を見慣れた目からすると、大都会の駅に見えます。
ここで氷河急行は西に向きを変え、進行方向もこれまでとは逆向きに変わります。
ここからディセンティスまで牽引する機関車がやって来ました。
機関車連結風景です。
ベルニナ急行のような乗客が乗ることができる強力電車ではなく、純正の機関車が牽引します。
少しの停車時間ですが、結構ギャラリーが集まって来ました。
ここから先は乗車位置が前から2両目の客車、ということになり、何しろ手近ですから、私も仲間入りです。
さて、テーブルの準備だけは早くから出来ていた「昼食」ですが、クール到着間近になってようやく本格的な準備開始です。
以前一度眺めたところでは、ディセンティス駅から東側の区間で氷河急行に連結されていた食堂車。
ここクールからディセンティスまでは一時間もかかりませんから、あまりにも慌ただしすぎる。
まさかこれだけの人数の食事があっという間に終わり、というわけではないでしょうね。
サンモリッツからツェルマットまでの直通列車ではありますが、途中ディセンティスからは鉄道会社も変わる。
一体どうなるのでしょうか。
昼食の飲み物はシャンパンを注文。
まずはこれから出てきます。
折角の氷河急行での食事ですから、細かくケチケチせずに行くことにしましょう。
後先考えずに、というのが正確なところかもしれませんが。
珍しくサラダの小皿です。
ヨーロッパでアラカルトを頼むと、(地域にもよりますが)とにかく皿の上に生野菜を拝む機会がほとんどなく、ついつい恋しくなってしまいます。
セットメニューですが、一応コース料理を多少意識されているようです。
(ちなみに座席のメニューによると、冬場はサラダではなくスープがセットになるようです。)
ところで、サンモリッツ発車時は空席があった1等車。
クールから乗車するお客がいて、ここでほぼ満席となりました。
クールから乗ったお客って、食事はどうなるんでしょうか。
心配は不要でした。
発車後すぐに係員が注文を取りに現れ、ほんの一足遅れでちゃんと食事の準備が整いました。
もちろん事前の予約なしでも大丈夫なようでした。
さて、メインが出てくるより先に、早くもディセンティスに到着してしまいました。
どう考えても、ここで食事が終わりとか、係員が下車するなんてことはない。
というより、このペースだと一体いつまで食事の時間なのでしょうか。
あまりぐずぐずしていると、アンデルマットどころかブリークまで着いてしまうぞ。
ここディセンティスで再び機関車交換です。
ここから先はレーティッシュ鉄道からマッターホルン・ゴッタルド鉄道にバトンタッチ。
客車は通しての運転ですが、機関車はマッターホルン・ゴッタルド鉄道のものに付け替えられます。
同時に、長い12両編成でやってきた列車は、ここで前半分の6両だけが切り離されて氷河急行905列車として先に出発。
後ろの残り6両は一足遅れて、氷河急行907列車として運転されます。
ここから先の路線には急勾配部にラックレール区間があり、機関車牽引の両数が制限されるための運用です。
しばらくの停車時間ともなると、乗客が集まって来ます。
長い乗車時間で気分転換なのか、それともなかなか始まらない食事を席で待ちきれないのか。
おそらく両方でしょう。
食事の途中で席を立って歩きまわるなんて行儀悪い、なんて野暮なことを言うのはこの際なし、です。
マッターホルン・ゴッタルド鉄道の機関車。
会社統合前のフルカ・オーバーアルプ鉄道のやつでしょうか。
壮観な顔つきのレーティッシュの機関車と比べると、やや大人しい感じです。
しかしラックレールで急勾配をぐんぐん登ってゆく力持ちではあります。
機関車が連結されます。
鉄道ファン、かどうかはわかりませんが、先日のベルニナ急行といい、ちょっと時間があるとカメラを手に集めってくる人が必ず何人もいます。
人のことをとやかく言える立場ではないですが。
走るにつれて天候は回復してはいるのですが、ホームで見学中に時折雨がぱらついたりと、まだ安定したお天気とは言えません。
機関車の連結と引き通しの接続も終わり、発車準備が完了したようです。
私の乗っている905列車の編成が先発ですから、乗り遅れるわけにはゆきません。
そろそろ車内・自分の席に戻ることにしましょう。
食事も待っているはず?ですし。
次に出てきたのは「お皿」です。
メインディッシュのはずが、「メイン」がなく「ディッシュ」だけです。
現時点では何も載っていません。
トレーに乗せられた食事一式、ではなく一つ一つ順に出てくるのは、いかにも「コースの食事」的で良いですが、空っぽの皿だけ先に出てきた、というのはあまり経験がありません。
列車はディセンティスを発車。
すぐに左にカーブしながら急な勾配にかかります。
後方にはディセンティスの駅。
ホームには先ほどまで後方(サンモリッツ発車時は前方)に連結されていた6両の客車が残されたまま。
この客車は一足遅れでツェルマットを目指します。
間髪をいれず機関車の連結が始まった頃、でしょうか。
「ディッシュ」の上にようやく「メイン」が載せられました。
まずは茹でた「野菜」が。
ニンジン嫌いの子供だと泣き出しそうです。
しかし少し甘みのある味付けで、まずまずです。
続いて並んで載せられたのは「麦ごはん?」。
バターっぽい塩味がきいて、割合ふっくらしていて、ピラフともちょっと違っていて、これが意外と美味しい。
昔の「麦ごはん」のイメージではありません。
最後に「牛肉ときのこのクリームソース煮」が盛り付けられて、完了です。
皿の上には3種類。
別々の係員が、それぞれ大きな容器に入った料理をすくって給仕してくれます。
何となく昔の「給食」のセッティングを思い出します。
ほとんどの人が「セットメニュー」を食べているわけで、5両分の乗客の食事を全部狭い厨房車両の中で盛りつけてしまっては、並べる場所も運ぶ手間も大変そう。
狭い車内で大勢の人に供食するための知恵を絞った方式、または止むを得ない手段、でしょうか。
途中駅で反対側の氷河急行とすれ違い。
時間的にほぼ中間地点、といったところです。
車内では食事のピークです。
反対側の列車もそうでしょうか。
氷河急行の最高地点付近、オーバーアルプパスです。
オーバーアルプ湖岸を走る氷河急行の写真。
ここを通るのは二度目ですが、何度も見たことがある気がします。
氷河急行が観光案内の写真に出てくるのは、大抵こことランドヴァッサー橋が人気を二分しています。
この区間の車窓は、圧倒的に1列席側が良い眺めです。
オーバーアルプパスで、次の氷河急行と交換です。
停車中に食事の「お代わり」を勧められましたが、さすがに有難くも遠慮させていただきます。
本日はホテルで朝食を十分に食べており、その後は列車に乗っているだけなので大して空腹にもなりません。
さらにこの後は、(よほど雨が降っていなければ)ツェルマット泊まりで、一応ちゃんとしたレストランで食事をする予定です。
これ以上食べたら夕食が食べられないんじゃないか。
何しろ長い食事時間のため、もう通常の「昼食」時間はかなり過ぎていますから。
おまけにメニューによると、この後デザートのケーキが出てくるはずなのです。
オーバーアルプパスを出ると、こんどはアンデルマットに向けてひたすら下りになります。
長いだらだらの勾配をゆっくり下った後、いきなり眼下にアンデルマットの町が見えてきました。
雨上がりの天気ですから、下の方に雲が見えます。
町と駅がすぐ足元のはるか下の方に見え、これからあそこまで降りるとはととても思えない高さです。
列車は大きく迂回するわけでなく、急な坂道をつづらに曲がりながらゆっくりゆっくり降りて行きます。
右へ左へ曲がるたびに、町と駅が左右の車窓に交互に現れ、その度に少しづつ近づきます。
最初に眼下に見えてから駅に到着するまで、実に長い道のりでした。
2012年3月4日追加
アンデルマットを出た列車は、今度はレアルプまで登りに転じます。
かつてはその列車名の由来である氷河が見えるところを走っていた「氷河急行」。
ですが、現在はフルカ峠の下を貫く長大なトンネルで抜けてしまうため、氷河を眺めることはできません。
スイスでは険しい峠越えの区間は大きな道路建設が制限されており、メーターゲージの小ぶりなこの鉄道でも、陸のカーフェリーが運転されています。
レアルプ駅、この氷河急行は通過します。
かつてはここから峠越えに挑んでいましたが、冬場は雪で列車が通れなくなる難所でもありました。
現在はフルカ峠に向かう旧線の一部が、観光用の蒸気列車の運転に転用されています。
以前通った時は、この右手前方に蒸気機関車の黒い煙が見えましたが、本日この時刻ではそれらしい様子は見られませんでした。
デザートのケーキ、写真を撮り忘れました。
結構大きなやつでした。
それはいいのですが。
ケーキはあるのにコーヒーは付かない。何、それ?
仕方ありません。コーヒーはオプションで別注文です。
結構な値段でした。全くいい商売します。
フルカ峠からはひたすら下り、ブリークに到着です。
ここはスイス国鉄SBBとの接続駅で、西へ行けばジュネーブへ、南に向かえばシンプロントンネルを抜けてイタリアへ至る幹線です。
少し前までは、ベルンへ向かうレッチュベルク鉄道もここから分岐していましたが、現在はレッチュベルクベーストンネルの開通により、隣のフィスプ駅が接続駅となっています。
いずれにしても、クール以来の大きな町です。
尚、以前はこの氷河急行の走るマッターホルン・ゴッタルド鉄道。
アンデルマット方面から来ると、SBBブリーク駅の西方で180度向きを変ながらアンダークロスして、SBB駅前広場のブリーク駅へは西側から進入していました。
ツェルマット方面へは再び逆向きに西に進む、行きどまりの構造でした。
数年前に線路が付け替えられ、東側から真っすぐブリークに到着する(従って折り返しもなし)線形に変更されています。
フィスプに到着です。
ブリーク〜フィスプの一駅間はほぼ直線で、国鉄SBBの線路と平行しており、氷河急行が一番スピードを上げる区間です。
ベルンやインターラーケンからツェルマットへ向かうには、かつてはブリークが乗換え駅でした。
しかしトンネル開業により、今ではブリークとフィスプの間、マッターホルン・ゴッタルド鉄道のローカル列車はガラガラ状態です。
よく見ると、写真上から1/3付近の山の上に、峠を登るレッチュベルク旧線が見えます。
残念ながら、ちょうど電線とかぶってしまいましたが。
それにしても、車内ではまだ食事(アラカルト)や飲み物が運ばれています。
要するに、この列車の運転中がずっと昼食だったようなものです。
一体いつ終わるの?
それに勘定の支払いって、どうなるの?
さすがにフィスプを出ると、係員がテーブルのメニューを回収して回り始めました。
これにてようやく打ち止め、ということらしいです。
もっとも「受注残」がいくらかあると見え、新しい飲み物の運搬は時おり続いています。
ここから後は、係員が席を回って「お勘定の支払い」タイムです。
ブリークで下車したお客の分、どうしたのでしょう。
プロですから、おそらくちゃんと回収はしたのでしょう。
ブリーク(フィスプ)と終点ツェルマットの間の区間は、これまで何度も乗車した区間です。
目新しさはありませんが、来る度に新しい建物や道路の改良が進んでおり、飽きることもありません。
心配した天気も、ツェルマットに近づくに従い青空の面積が広がり、明日はお天気が期待できそうです。
ということで、懐に仕舞っていた余計なプランは捨てて、今夜はこのままツェルマットでホテルを探します。
もっともこれも、今まで何度か泊まったホテルに行けば、経験から多分大丈夫でしょう。
終点ツェルマットの駅は、前回訪れた時と大きく変化のない、また来たよ、という感じの駅でした。
さて、ホテルの部屋も予定通り無事に確保。
後は暫く散策の後、どこかで食事です。
何しろ動かないまま結構な時間まで食べていましたから、少し腹ごなししないことには夕食が美味しく頂けません。
散策中の街外れから眺めた、夕刻のマッターホルン。
期待通り何とかその山容を見せてくれましたが、頂上付近の一面に掛かった雲。
随分待ったのですが、この夜は最後まで完全になくなってしまうことはありませんでした。
PART5 氷河急行乗車編 終わり
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