【廃墟マニヤ File060】
C父セメント第一工場(埼玉県)
(その16)
いかにも窯といったイメージです。下にはクリンカー(原料の石灰石などを焼成してできたセメントの一歩手前の状態のモノです)が散らばっていました。
しかしこの工場、全体的にホコリっぽいのですが、特にこのエリアはすごい感じです。
うねうねとのびる太いパイプにも、石灰らしき白いホコリが積もっています。その先に下へのびる薄暗い階段があったので下っていってみると……
なんとも幻想的な光景が広がっていました!
かすかに射し込む光の中に、白く浮かび上がる何基もの巨大なサイロ。まるで異世界に紛れ込んでしまったかのような眩暈を感じます。
かすかにホコリっぽさを感じさせる冷たい空気の中、写真を撮るのも忘れてしばらく立ちつくしてしまいました。
サイロの上部を見上げるとわずかに青い空が見えて、かろうじてそこが日常の世界と地続きであることを思い出させてくれます。
……さて、抜けかけていた魂を引き戻し、サイロの上部へ向かうことにしました。
先ほど下から見えていた部分。
サイロの天辺あたりが面白い姿を見せているのではないかと、更に上に登ったところ、予想とは全く違うこんな広い空間になっていました。
残っていた表示によると、このサイロはクリンカーサイロのようです。ちなみに、写真中央付近の床に見える曲線はサイロの縁ではないかということに気づき、円の内側は避けて歩くことにしました。冷静に考えれば、サイロの中も地面も落ちればタダでは済まないわけですが、サイロの中で誰にも助けてもらえず最期を迎えるというのは、あまりゾッとしないじゃないですか。
サイロにクリンカーを落とす部分? ちょっと妖しい雰囲気でした。
(続く)
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