▼ 2015/07/13(月) 岩田聡氏とPC-8801用ハードウェア
【PC-8801】
任天堂の代表取締役である岩田聡氏が逝去されました(リンク先PDF)。
優秀な技術者であると同時に任天堂社長に就任して経営手腕を振るうという素晴らしい才能の持ち主であり,私の尊敬する人物の一人です。
HAL研究所時代に岩田氏と一緒に仕事をされていたという藤本健氏の記事によると,私がM88用拡張モジュールを作成していたGSX8800, 響の開発にも岩田氏は参加していたとのことです。
こちらは私が所有しているGSX8800の写真です。
AY-3-8910(PSG)を2つ搭載して6重和音を再生可能なハードウェアです。
I/Oポートは標準では0A0H~0A3Hを使用しますが,ジャンパスイッチの切り替えで0A4H~0A7Hに変更することも可能です。
I/Oポートをずらすことにより,本カードを2枚増設して12重和音を再生できます。
後にNECから発売された"ミュージックインタフェースボード(PC-8801-10)"に,このGSX8800と互換性のある機能が搭載されました。
NECは88用第2水準漢字ROMの仕様をマイコンショップ北九州のロム坊との互換動作にしたり,88FH以降の純正マウスをMSXマウスとの互換動作にしたりと,積極的に他社製品の仕様を取り込んでいます。
このように過去のソフトウェア資産を大事にしたのが,NECが成功した要因の一つだったのでしょう。
PC-8801-10は2枚差しできないのでPSG部分のI/Oポートは0A0H~0A3Hしか使用しないのにもかかわらず,その後継ハード"サウンドボード(PC-8801-11)"が使用するI/Oポートが0A8H以降という仕様になったのも,オリジナルであるGSX8800の2枚差しを考慮してのことだったのではないかと思います。
こちらは私が所有している響の写真です。
YM2151(OPM)によるFM音源8音再生機能と,YM3802によるMIDI入出力機能を備えたハードウェアです。
音源+MIDIボードということで機能的にはPC-8801-10の競合製品となるのでしょうか。
PC-8801-10が旧世代音源のPSG+汎用シリアルICの8251(この時代だとFIFO無し?)で構成されているのに対して,こちらはYAMAHAのシンセサイザに使われていた音源+MIDI専用に開発されたコントローラICという強力な機能で,性能的には完全に前者を上回っています。
響は,後に改良版の響 ver2.0が発売されています。
ver2.0は,付属ソフトの"響子"がバスマウス対応になっているとのことです。
残念ながら,私は中古で入手したため付属ソフトが欠品でした。
ちなみに,ver2.0の外箱裏面には以下の記述があります。Ver1.0のディスク&保証書なら揃っていますが,今頃送っても対応してもらうのは無理でしょうね。
これらのハードウェアの他にも,私は岩田氏が作り上げた数多くの成果物を楽しませていただきました。
これまで私の人生を豊かにしてくれたことについて感謝すると共に,今はただ岩田氏の魂が安らかであることを祈ります。
優秀な技術者であると同時に任天堂社長に就任して経営手腕を振るうという素晴らしい才能の持ち主であり,私の尊敬する人物の一人です。
HAL研究所時代に岩田氏と一緒に仕事をされていたという藤本健氏の記事によると,私がM88用拡張モジュールを作成していたGSX8800, 響の開発にも岩田氏は参加していたとのことです。
こちらは私が所有しているGSX8800の写真です。
AY-3-8910(PSG)を2つ搭載して6重和音を再生可能なハードウェアです。
I/Oポートは標準では0A0H~0A3Hを使用しますが,ジャンパスイッチの切り替えで0A4H~0A7Hに変更することも可能です。
I/Oポートをずらすことにより,本カードを2枚増設して12重和音を再生できます。
後にNECから発売された"ミュージックインタフェースボード(PC-8801-10)"に,このGSX8800と互換性のある機能が搭載されました。
NECは88用第2水準漢字ROMの仕様をマイコンショップ北九州のロム坊との互換動作にしたり,88FH以降の純正マウスをMSXマウスとの互換動作にしたりと,積極的に他社製品の仕様を取り込んでいます。
このように過去のソフトウェア資産を大事にしたのが,NECが成功した要因の一つだったのでしょう。
PC-8801-10は2枚差しできないのでPSG部分のI/Oポートは0A0H~0A3Hしか使用しないのにもかかわらず,その後継ハード"サウンドボード(PC-8801-11)"が使用するI/Oポートが0A8H以降という仕様になったのも,オリジナルであるGSX8800の2枚差しを考慮してのことだったのではないかと思います。
こちらは私が所有している響の写真です。
YM2151(OPM)によるFM音源8音再生機能と,YM3802によるMIDI入出力機能を備えたハードウェアです。
音源+MIDIボードということで機能的にはPC-8801-10の競合製品となるのでしょうか。
PC-8801-10が旧世代音源のPSG+汎用シリアルICの8251(この時代だとFIFO無し?)で構成されているのに対して,こちらはYAMAHAのシンセサイザに使われていた音源+MIDI専用に開発されたコントローラICという強力な機能で,性能的には完全に前者を上回っています。
響は,後に改良版の響 ver2.0が発売されています。
ver2.0は,付属ソフトの"響子"がバスマウス対応になっているとのことです。
残念ながら,私は中古で入手したため付属ソフトが欠品でした。
ちなみに,ver2.0の外箱裏面には以下の記述があります。Ver1.0のディスク&保証書なら揃っていますが,今頃送っても対応してもらうのは無理でしょうね。
■Version Upにともなうメディア交換について
響ver2.0の発売にともない,従来の響をお買い求めのお客様には,メディアの交換をいたします。返信用封筒同封のうえ,保証書とディスクを当社宛にお送りいただければ,Version Upしたソフトを送らせていただきます。
これらのハードウェアの他にも,私は岩田氏が作り上げた数多くの成果物を楽しませていただきました。
これまで私の人生を豊かにしてくれたことについて感謝すると共に,今はただ岩田氏の魂が安らかであることを祈ります。
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