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医療法人設立

医療法人とは、病院、医師や歯科医師が常勤する診療所、または介護老人保健施設の開設・所有を目的とする法人のことを言います。医療法44条に定められているとおり、設立には都道府県知事の認可を必要とし、2つ以上の都道府県において病院等を開設する医療法人については、厚生労働大臣の認可が必要となります。

医療法人設立

医療法人の種類

医療法人には「社団たる医療法人」と「財団たる医療法人」があります。

社団たる医療法人

社団たる医療法人(2007年4月1日以降)の類型は5種類となります。

持ち分なし 基金拠出型法人 持分の定めのない社団医療法人がその資金調達手段を選択したもの。なお、持分の定めのない社団のみこの基金制度を利用できる点に留意する。
社会医療法人 ※都道府県の認定は2008年4月1日より
特定医療法人
持ち分あり 持ち分あり社団
出資額限度法人 ※出資額限度法人は、社員の退社及び残余財産の分配にあたりその払戻額を限度としたものであって、持分がないわけではない。

医療法人設立までの流れ

  • 医療法人設立説明会への参加(年2回~3回程度)
  • 設立総会開催
  • 申請書の作成
  • ↓許可
  • 法人設立完了
  • 保健所等への各種届出

※医療法人設立説明会に参加しないと申請を受け付けてもらえません。事前に説明会への参加予約をする必要があります。

医療法人のメリットとデメリット

メリット

  1. 社会的信用の向上 個人経営と法人経営とでは決算方法が異なるため、個人経営時よりも明確に経営状況の判断が可能となります。法人会計を導入し経営収支の明確化することで、社会的信用度の高い財務管理ができます。これにより、金融機関や公的機関から信用が向上するため、設備機器導入の際の融資等、個人経営時よりも融資の枠が大きくなったりすることがあります。
  2. 資金の有効利用 診療報酬に対する源泉徴収がないため、個人経営の場合、診療報酬に対して一定額の源泉徴収がありますが、医療法人の場合は源泉徴収制度がありません。源泉されなかった資金が単純にあまりますから、資金を有効に活用できます。

デメリット

  1. 残余財産の分配禁止 特記すべき大きなデメリットは、解散の際の残余財産の取り扱いです。医療法人が解散する場合、残余財産の帰属先は「国、地方公共団体、又は他の医療法人等」に限られます。個人への分配は認められません。長い期間運営し、法人としての財産を築いたとしても、解散すると法人の持ち物を個人に移譲することができません。相続の際にも大きな問題となることがあります。
  2. 利益金の配当禁止 医療法人は非営利法人のため、剰余金配当が禁止されています。利益が出た場合でも出資者に対して利益の配当はできません。剰余金は医療充実のための設備投資として利用するとか、退職慰労金の原資として利用するとか、全て積立金として留保しなければなりません。原則として、医師個人は役員報酬を以外に法人から利益を得ることができないということになります。
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