かいもん4号のホームページ TRIAL20000 勝田線
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福岡近郊の旧国鉄ローカル線・勝田線です。 福岡市内の吉塚駅と近郊の筑前勝田を結ぶ路線は石炭輸送で賑わった時期もありました。 しかし100万都市に直接接続する近郊路線にもかからわず、旅客列車本数は僅少のままで、国鉄ローカル線廃止の早い時期・1985年に廃止されてしまいました。

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<吉塚〜筑前勝田>
2012年11月再訪

(香椎線)宇美駅。

 2012年11月某日早朝、ちょうど1年ぶりに宇美駅を訪れました。 香椎線の列車は昨年同様のキハ47系。 対応の丁寧な駅員さんの姿も昨年同様で、晴天のせいもあり、心地よい朝の宇美駅です。

勝田線探訪。

 乗ってきた列車は香椎線ですが、終点宇美駅周辺の旧国鉄勝田線跡を、ほんの少しだけですが探訪しようというのが本日の企画です。
 現在のJR香椎線宇美駅駅前広場、このあたりが勝田線の廃線跡になります。
 香椎線と勝田線は生まれの違いから、同じ名前の宇美駅でも別々に離れており(と言うより隣り合っている、と言う感じ)、香椎線の駅の改札を抜け駅舎を出ると、目の前が勝田線の線路と言う感じでした。
 駅前広場に立って周囲を見回すと、すぐに細い路地(写真左正面)が目に入ります。
 これが勝田線の廃線跡(北向き、吉塚側)。
 ロケーションとしては写真の右手後方が香椎線宇美駅、そして写真右奥が香椎線の踏切。 もちろんこちらは現役です。

宇美駅周辺。

 本日は早朝わずかの時間しかとれないため、全線踏破というわけにはゆきませんが、宇美駅から北側方面へ少しだけ、散歩気分で往復することにします。
 ローカル線の線路の敷地は決して広いものではなく、少しごちゃごちゃした駅付近ではこんな狭いところを住宅の裏をかすめるように走っていたところもたくさんありました。
 両側が住宅であれば、たちまち遊歩道か畑地くらいにしか有効活用する手立てはありません。

廃線跡のしるし?。

 小さな溝にかかる橋。
 何の変哲もありませんが、手すりに描かれたイラストは蒸気機関車です。
 控えめではありますが、ここが「廃線跡」である意思表示のようです。

それらしいカーブ。

 歩道を少し歩くと、宇美川に架かる橋に行き当たります。
 遊歩道の橋ながらゆるやかなカーブを描いた、いかにもそれらしい線形です。
 紛れもなく「廃線跡」という雰囲気に溢れています。

鉄橋跡。

 橋の外観はこんな感じです。
 よくある、橋桁の上にそのまま歩道を乗せた感じの造りではありません。 桁だけ一度撤去したのでしょうか。
 但し橋脚や桁を固定するリンクのあたりは旧鉄橋そのままのようでした。

宇美川鉄橋跡。

 遊歩道橋の欄干にあるモニュメント。
 何の形かな、と思っていましたが、よく見ると断面がレールの形です。
頭の形状が扁平で、本来のレールそのままというわけでもなさそうでしたが。
 ちょうどこの川の上流、写真右手を、現役の香椎線の鉄橋が渡っています。

鉄橋跡。

 宇美川の橋梁の欄干モニュメント。
 現在の名前は「歩道橋」ですが、シンボルは線路と動輪。 ということで、廃線跡の遊歩道であることをアピールしています。

(香椎線)宇美駅。

 遊歩道橋の吉塚側から香椎駅方面を眺めると。
 こんな感じでちょっとしたベンチもあり、非常にいい雰囲気です。
 但し廃線跡はこの宇美川を境に家並みを完全に抜けてしまい、地元の方が生活に利用する雰囲気ではなくなってしまいます。
 ウォーキングかハイク向け?

線路跡はどこへ?。

 さて、宇美川鉄橋跡までは順調にトレースできた勝田線廃線跡ですが、遊歩道橋を渡った途端に方向が分からなくなりました。
 自然なカーブの正面はご覧のような坂になっており、登ったところに2車線の道路が通っています。
 写真右手川沿いに続く遊歩道もあるのですが、こちらは暫く手入れがされていないようで雑草が生い茂り、日中でも入ってゆくのが少し怖い感じです。
 それに第一、歩道橋からのつながりの線形が不自然で、こんなふうに線路が通っていたとはとても思えません。

廃線跡ふたたび。

 線路跡が確認できないまま車道に上り、吉塚方面に歩くこと少し。
 道路を挟んで宇美川と反対側に、全く活用されていない、紛れもない廃線跡の敷地が見つかりました。
 どうやら鉄橋からこの場所まで200メートルほど、道路拡張の関係で地形が変わってしまったようでした。

廃線跡、だった。

 上の写真のポジションから南東向きに宇美駅方面を眺めると。
 気づかずに歩いてきた道路ですが、確かに一部が廃線跡の敷地だったように見えます。
 昔の地図を見ると、左手の道路が旧道で、右側は勝田線の廃線跡に整備されたようです。
 ちょうど間の植え込みから右側の歩道あたりが勝田線の線路跡。
 新しい道路の工事に伴い、一部の区間が盛り土で埋められたようでした。

遊歩道。

 上の写真から数十メートル吉塚寄りの同じ向きです。
 2枚上の「いかにも」という廃線跡の草むらはここで途切れ、ここからまた遊歩道がスタートします。
 ということで、もう少し進んでみることにします。

下宇美駅跡。

 遊歩道(緑道)が始まり少し北向きに進むと、ガソリンスタンドの裏手にやや開けたスペースが広がります。
 旧国鉄下宇美駅跡です。
 宇美駅からは1キロ足らずの距離で、散歩程度にはちょうどよい距離です。

ホーム跡。

 下宇美駅跡です。 ここにはホーム跡が残されていました。
 勝田線は単行気動車ばかりでなく、貨物列車や客車列車が運転されていましたから、それからするとかなり短いホームの遺構です。
 もしかすると保存にあたり多少短縮されたのかもしれません。

案内板。

 下宇美駅のホーム跡に設置された案内板です。
 詳細は、表示の文面をご参照ください。

案内板。

 案内板、上の写真のものと上下に並べて掲げられていました。
 同じく内容は、表示をご参照ください。

下宇美駅跡。

 緑道の公園に整備された、旧下宇美駅跡の敷地です。
 ホームの跡もあり、非常にわかりやすい遺構です。
 ちょうど紅葉が見頃となる季節。 ここだけでなく、線路跡の両側の色彩が鮮やかな散歩道です。

駅跡・バス停。

 下宇美駅跡のバス停です。
 現在は駅のすぐ正面に道路が通り、バス停が表側、駅の敷地跡は奥の裏手の日陰といったイメージの配置です。
 勝田線が廃止される以前は、さほど大きな道路ではなかったはずですが。

下宇美駅跡。

 下宇美駅跡、吉塚側から眺めると、こんな感じでした。
 ここまででもまずまずの散歩ですが、宇美から折り返しの列車の時刻までにやや余裕がありますので、もう少し進んでみることにします。

高速道路と。

 下宇美駅跡から少し北に進むと、九州自動車道の道路下をくぐります。
 どこでもそうですが、廃線跡の跨線橋や高架跡はなかなか活用の道もなく、薄暗い感じはここだけひときわ寂しさを感じます。
 鉄道の路盤の幅の狭さと高速道路の幅の広さが対照的です。

カラー舗道。

 さて、この遊歩道。
 カラーできれいに整備されているのですが、歩いていて何だか違和感があるな、と思っていました。 実はご覧のようなマット?敷きでした。 クッションに柔らか味があるため、何となく足元が安定しない感じなのでした。
 おまけに、昨日降った雨(本日はさわやかな晴天ですが)が沁みこんでいる感じです。
 マットの下はカラー煉瓦が敷きつめられているようで、そのままで良かったんじゃないか、という感じがします。

緑道風景。

 廃線跡の風景、下宇美から九州自動車道の高架を過ぎるとこんな感じです。
 鬱蒼とした木々の間、という感じの区間はごく僅か。
 以降は、さほど建て込んでいない住宅の裏手をかすめる感じで、散歩には適当な感じです。

古墳跡。

 下宇美の駅跡から北向き・吉塚側に進んで次に開ける場所は、この遺跡跡です。
 九州北部には、こんな感じの小さな遺跡古墳跡が沢山見られますが、ここは緑道と一体で整備されていました。

緑道案内。

 古墳跡の公園を示すモニュメントです。
 下調べなしでの散歩気分程度の廃線跡訪問でしたが、色々と案内が設置してあるお陰で、楽しめながらの散歩となりました。
 列車の車窓からだけでは、こんな知識は何も得られなかったでしょうから。

緑道表示。

 バス停の案内板のような表示板。
 全長4キロ余りの廃線跡の緑道。 所々にこんな案内があるようです。
 尚、この緑道は勝田線の一部ですが、これ以外の区間でも一部遊歩道に整備された場所があります。
 そちらは改めての再訪とすることにします。
 いつ実現するかは分かりませんが。

緑道案内。

 緑道の由来を示すモニュメントです。
 これまた、詳細はここでの説明よりも写真の本文をご参照ください。

途中風景(本日の折り返し地点)。

 途中からカラー舗装(カラーマット?)はなくなり、ごくごく普通の土の路面になった、廃線跡の緑道です。
 しかし歩いていて不自然感はなく、遊歩道としては、まあこれでいいんじゃないかと思います。
 さて、そろそろ時間も無くなってきたので、中途半端ではありますが、このあたりで引き返すことにします。
 また改めて時間をつくり、ゆっくり全線歩いてみたい、と思えるような、勝田線廃線跡の緑道でした。

再び、宇美駅。

 再び、香椎線宇美駅前に戻ってきました。
 勝田線廃線跡から眺めた駅前広場。 左手が香椎線の終点、宇美駅です。
 勝田線の方はこの駅前広場向こう側が、香椎線とは独立していたかつての宇美駅。 そこから更に筑前勝田まで線路が延びていました。
 地図によれば、こちら側も若干の廃線の遺構がトレースできるようなので、いずれまた次の機会の楽しみとしたいと思います。
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