▼ 2015/02/12(木) PC-8001の1Dシステムディスク
【PC-8001】
私が使った初めてのフロッピーディスクは,PC-8001mkIIに増設したPC-80S31(\168,000)です。中古品を\70,000で購入しました。
その頃はフロッピーディスクと言えば5''2Dが一般的となっていましたが,PC-8001の発売当初に発売されていたのは5''1DのPC-8031(\310,000)でした。
その後5''2DのPC-8031-2W(\288,000)が発売されましたが,同時期に発売された5''1DのPC-8031-1W(\198,000)/PC-8031-1V(\168,000)が安価だったこともあって,PC-8001では5''1Dのディスクが長期にわたって使用されていたようです。
PC-8031(-1W/-1V/-2W)には,PC-8001用のシステムディスクPC-8034(-1V/-2W)が付属品として添付されていました。
月刊マイコン1982/01号 P298の記事によると,PC-8034には1979年版と1980年版の2種類が存在するとのことです。
以下は,本記事を参考にして作成した1979年版の起動時画面です。
起動時のメッセージは「DISK VERSION」のみのシンプルな表示となっています。
同じく,本記事を参考にして作成した1980年版の起動時画面は以下の通りとなります。
こちらの起動メッセージは「Disk Version」の後ろに日付が表示されるという,PC-8801やPC-8001mkIIなどでも見慣れた形式となっています。
また,本記事によると1979年版のシステムディスクはBit-INNにて\500で1980年版に書き換えてもらえるとのことです。
この辺の話はThunderbolt氏のBlogでも記事にされています。
さて,もしもこの2つ以外にバージョンがあると考えられるとしたら海外版のPC-8001A用システムディスクが怪しそうです。
先日荷物整理をしていたら,昔eBayで落札した「PC-8001Aで使用されていたフロッピーディスクの詰め合わせ」が見つかったので,吸い出して確認してみました。
こちらが,PC-8001Aのシステムディスクと思われるものの写真です。
ラベルにはPC-8001としか書かれていません。型番(PC-8034A?)も記載されていないので,本当にPC-8001A用なのかちょっと怪しいです。
国内版もこんな感じなのでしょうか?
02/16追記:国内版PC-8034([14-Nov-1980])も同じ外観だと,HAL8999氏から情報をいただきました。
で,実際に吸い出してみた結果なのですが,残念なことにエラーだらけでまともに吸い出すことができませんでした。ディスクがグニャグニャに歪んでしまっていてどうにもならなさそうです。
一応先頭の数トラックは読み込めたのでバイナリエディタで確認したところ,起動メッセージは「Disk Version [14-Nov-1980]」となっておりました。PC-8001用の1980年版と同じようです。
とりあえずシステム起動するだけでも良いからと他のディスクを探すと「NEC-DOS JAPANESE GAMES」というディスクが見つかりました。
これを吸い出して起動すると,起動後にメニューが立ち上がって以下のような画面が表示されました。
どうやら,I/OやASCIIに掲載されていたゲームの詰め合わせのようです。
しかし,ここで何かおかしいことに気づきます。
先のThunderbolt氏のBlog記事では,1DのシステムディスクはIDセクタによるオートスタート処理をサポートしていないと説明されているのに,このディスクは自動で起動します。
そこで,リセットして起動画面をよく見てみると
「Modified by T.Inoue」というメッセージが表示されているではありませんか。
中身を解析してみると,How many filesの入力処理を潰して自動起動処理を呼ぶように改造されたものらしいです。
無改造のシステムディスクが欲しかったのに...
さらに他のディスクを探すと今度は「NEC DOS GAME PAC」というディスクが見つかったので,吸い出してみたところ以下のような起動画面になりました。
[1-Oct-1980]!? 知らない日付のバージョンだ。
月刊マイコンの記事に記載されていた1980年版と1ヶ月しか違わないところを見ると,ごく短期間だけ出回ったバージョンなのでしょうか?
ディスクには,ツクモ電機のスーパースペースウォーと平城京エイリアンが入っていました。
先ほどのディスクと違って,こちらはメッセージを全て英語に書き換えられています。さすがに,正式販売されたものでは無いと思いますが。
中身を少し解析してみましたが,How many filesの値などワークエリアの位置などがNov版と違っています。
ワークエリアを直接参照するようなプログラムだと,互換性に問題がありそうです。
さらに他のディスクを探すと「NEC SYSTEM DISKETTE 28 K Set Info/8 more K」というディスクがあったので,吸い出してみたところ以下のような起動画面になりました。
1981年版!?
ディスクの中身や空きメモリを確認してみると
setinfo(IDセクタによるオートスタート処理の設定プログラム)がある!?
フリーエリアが約28Kもある(普通は約20K, ROM BASICでも約27K)!?
setinfoを実行してみたところ,画面/プログラム内容は5''2D版のsetinfoとほぼ同じ内容でした。
設定すると自動起動もします。
個人が勝手に作ったとかではなく,NEC純正プログラムのように思えます。
空きメモリが多いのは,DISK BASICの起動時処理でN-BASIC ROMの内容を拡張メモリに転送した後ALL RAMモードに切り替え,BASICの格納アドレスを8000Hから6000Hに変更するようになっているためです。
旧バージョンのシステムディスクでも,本ディスクの"8 more K"というプログラムを実行すると同じように空きメモリが8K増えます。
当然のことながら,PC-8011などを使用して0000H~7FFFHのメモリを拡張しておく必要があります。
setinfoの方はともかく,空きメモリ拡張の方は個人の改造か何かでしょうか。
結果をまとめると
・PC-8001Aのシステムディスクのバージョンは[14-Nov-1980]?
(日本のゲームを所持しているユーザなので,日本版かもしれない)
・PC-8034には[1-Oct-1980]のバージョンがある?
・PC-8034にはsetinfoによるオートスタートをサポートした[9-Feb-1981]のバージョンがある?
(タイミング的にはPC-8031-1Wが発売された頃? マイコン1982/01号の記事は情報が古かったか?)
なんだか不明点だらけのままという結果になってしまいました。
私が所持している資料はPC-8001mkIIが発売された1983年以降のものばかりなので,詳しい事を知りたい方は調査はおまかせします(;^^。
その頃はフロッピーディスクと言えば5''2Dが一般的となっていましたが,PC-8001の発売当初に発売されていたのは5''1DのPC-8031(\310,000)でした。
その後5''2DのPC-8031-2W(\288,000)が発売されましたが,同時期に発売された5''1DのPC-8031-1W(\198,000)/PC-8031-1V(\168,000)が安価だったこともあって,PC-8001では5''1Dのディスクが長期にわたって使用されていたようです。
PC-8031(-1W/-1V/-2W)には,PC-8001用のシステムディスクPC-8034(-1V/-2W)が付属品として添付されていました。
月刊マイコン1982/01号 P298の記事によると,PC-8034には1979年版と1980年版の2種類が存在するとのことです。
以下は,本記事を参考にして作成した1979年版の起動時画面です。
起動時のメッセージは「DISK VERSION」のみのシンプルな表示となっています。
同じく,本記事を参考にして作成した1980年版の起動時画面は以下の通りとなります。
こちらの起動メッセージは「Disk Version」の後ろに日付が表示されるという,PC-8801やPC-8001mkIIなどでも見慣れた形式となっています。
また,本記事によると1979年版のシステムディスクはBit-INNにて\500で1980年版に書き換えてもらえるとのことです。
この辺の話はThunderbolt氏のBlogでも記事にされています。
さて,もしもこの2つ以外にバージョンがあると考えられるとしたら海外版のPC-8001A用システムディスクが怪しそうです。
先日荷物整理をしていたら,昔eBayで落札した「PC-8001Aで使用されていたフロッピーディスクの詰め合わせ」が見つかったので,吸い出して確認してみました。
こちらが,PC-8001Aのシステムディスクと思われるものの写真です。
ラベルにはPC-8001としか書かれていません。型番(PC-8034A?)も記載されていないので,本当にPC-8001A用なのかちょっと怪しいです。
02/16追記:国内版PC-8034([14-Nov-1980])も同じ外観だと,HAL8999氏から情報をいただきました。
で,実際に吸い出してみた結果なのですが,残念なことにエラーだらけでまともに吸い出すことができませんでした。ディスクがグニャグニャに歪んでしまっていてどうにもならなさそうです。
一応先頭の数トラックは読み込めたのでバイナリエディタで確認したところ,起動メッセージは「Disk Version [14-Nov-1980]」となっておりました。PC-8001用の1980年版と同じようです。
とりあえずシステム起動するだけでも良いからと他のディスクを探すと「NEC-DOS JAPANESE GAMES」というディスクが見つかりました。
これを吸い出して起動すると,起動後にメニューが立ち上がって以下のような画面が表示されました。
どうやら,I/OやASCIIに掲載されていたゲームの詰め合わせのようです。
しかし,ここで何かおかしいことに気づきます。
先のThunderbolt氏のBlog記事では,1DのシステムディスクはIDセクタによるオートスタート処理をサポートしていないと説明されているのに,このディスクは自動で起動します。
そこで,リセットして起動画面をよく見てみると
「Modified by T.Inoue」というメッセージが表示されているではありませんか。
中身を解析してみると,How many filesの入力処理を潰して自動起動処理を呼ぶように改造されたものらしいです。
無改造のシステムディスクが欲しかったのに...
さらに他のディスクを探すと今度は「NEC DOS GAME PAC」というディスクが見つかったので,吸い出してみたところ以下のような起動画面になりました。
[1-Oct-1980]!? 知らない日付のバージョンだ。
月刊マイコンの記事に記載されていた1980年版と1ヶ月しか違わないところを見ると,ごく短期間だけ出回ったバージョンなのでしょうか?
ディスクには,ツクモ電機のスーパースペースウォーと平城京エイリアンが入っていました。
先ほどのディスクと違って,こちらはメッセージを全て英語に書き換えられています。さすがに,正式販売されたものでは無いと思いますが。
中身を少し解析してみましたが,How many filesの値などワークエリアの位置などがNov版と違っています。
ワークエリアを直接参照するようなプログラムだと,互換性に問題がありそうです。
さらに他のディスクを探すと「NEC SYSTEM DISKETTE 28 K Set Info/8 more K」というディスクがあったので,吸い出してみたところ以下のような起動画面になりました。
1981年版!?
ディスクの中身や空きメモリを確認してみると
setinfo(IDセクタによるオートスタート処理の設定プログラム)がある!?
フリーエリアが約28Kもある(普通は約20K, ROM BASICでも約27K)!?
setinfoを実行してみたところ,画面/プログラム内容は5''2D版のsetinfoとほぼ同じ内容でした。
設定すると自動起動もします。
個人が勝手に作ったとかではなく,NEC純正プログラムのように思えます。
空きメモリが多いのは,DISK BASICの起動時処理でN-BASIC ROMの内容を拡張メモリに転送した後ALL RAMモードに切り替え,BASICの格納アドレスを8000Hから6000Hに変更するようになっているためです。
旧バージョンのシステムディスクでも,本ディスクの"8 more K"というプログラムを実行すると同じように空きメモリが8K増えます。
当然のことながら,PC-8011などを使用して0000H~7FFFHのメモリを拡張しておく必要があります。
setinfoの方はともかく,空きメモリ拡張の方は個人の改造か何かでしょうか。
結果をまとめると
・PC-8001Aのシステムディスクのバージョンは[14-Nov-1980]?
(日本のゲームを所持しているユーザなので,日本版かもしれない)
・PC-8034には[1-Oct-1980]のバージョンがある?
・PC-8034にはsetinfoによるオートスタートをサポートした[9-Feb-1981]のバージョンがある?
(タイミング的にはPC-8031-1Wが発売された頃? マイコン1982/01号の記事は情報が古かったか?)
なんだか不明点だらけのままという結果になってしまいました。
私が所持している資料はPC-8001mkIIが発売された1983年以降のものばかりなので,詳しい事を知りたい方は調査はおまかせします(;^^。
- TB-URL(確認後に公開) http://www5f.biglobe.ne.jp/~apaslothy/cgi_bin/adiary/adiary.cgi/013/tb/
1: CD-R 2015年02月14日(土) 午後6時14分
いろいろあるんですね。私は、1Dのバージョンは使ったことがないんですがDISKベーシックのコマンド仕様自体は、ほぼ同じだったんでしょうか?1Dで思いつくのは、3.5インチのPC-6601だったりします。
8001のNモードDISKベーシックは、MOUNTコマンドがめんどくさい印象しかなく、S-DOSかアスキーのMDBの方を使っていましたが、NモードDISKベーシックを使った市販ソフトウェアはMOUNTの操作を自動化するような細工がされていたんでしょうか?
2: apaslothy 2015年02月16日(月) 午前0時30分
コマンド仕様などは2D版と同様みたいですね。
NモードDISKベーシックを使った市販ソフトは1本も所持してないので,ちょっとわからないです。
アスキーのDUAD-PCはDISKベーシックで動作していると聞きましたが,もし何も対策されておらずREMOVE忘れでソース全滅とかだったら怖いですね。
3: Thunderbolt 2019年11月23日(土) 午前2時19分
また今回も遅レスですみません。
>コマンド仕様は、ほぼ同じだったんでしょうか?
DSKI$/DSKO$にサーフェイス指定があるかないかの違いだけだと思います。
>アスキーのDUAD-PCは
80版のDUAD-PCは使ったことがあります。各種ツール類を終了してメニュープログラムに戻る際にREMOVEとMOUNTが自動実行されます。画面上にコマンドが表示されるので、たぶん行入力バッファにデータを書き込んでるのではないかと…
4: apaslothy 2019年12月01日(日) 午後3時04分
情報,ありがとうございます m(_ _)m
さすがに,MOUNT/REMOVEは自動で行っておりましたか。
まあ,その方がずっと便利そうですしねぇ(;^^