曹洞宗 崇福山安楽寺 八角三重塔


探訪年月日・・・平成25年(2013年)5月15日

 この八角三重塔を訪れるのは、中学生の頃の社会見学、平成24年正月の初詣行脚に続いて3回目になります。
 平成25年正月にその年の目標に掲げたものの、随分先送りしていた「長野県内国宝巡り」。急遽、大法寺三重塔から始動したわけですが、この安楽寺八角三重塔は平成24年1月に訪れているので、当初来る予定はありませんでした。しかし、「平成25年中に長野県内の国宝を全て見る」という趣旨からすれば、今年も訪れるべきだと思ったわけです。
 平成25年5月15日、大法寺を訪れた帰り、急遽、安楽寺がある上田市別所温泉に進路を変え、1年4ヶ月ぶりの安楽寺参拝となりました。



所在地・・・長野県上田市別所温泉
創建・建立・・・1290年代(鎌倉時代末期)
国宝指定年(文化財保護法)・・・昭和27年(1952年)
高さ・・・18.75メートル
参考・・・近世以前の現存する木造八角塔としては日本唯一・日本最古の禅宗様建築物



 安楽寺は元は臨済宗の寺院でしたが、1580年頃に曹洞宗寺院となっています。八角三重塔以外にも重要文化財の木像2体を有しており、鎌倉時代中期には相当な規模を誇った禅寺とされています。
 本堂の裏を登った山腹に八角三重塔があります。



 木立の中に、猛禽が羽ばたくかの様な威厳のある姿が浮かび上がります。



 「八角」というだけあって、鋭さがある勇壮なイメージを受けます。



 この八角三重塔は、下から見上げる構図が美しいですね。ちなみにこの塔は三重塔です。四重塔ではありません。一番下の屋根は裳階(もこし)と呼ばれる“ひさし”です。



 3時方向からの撮影です。
 見て分かると思いますが、この八角三重塔は墓地に立っているんです。そのため、撮影に際しても自由にどこからでも撮れるというわけではなく、撮影のための立ち位置に気を遣わなくてはいけないので、結構大変です。




 ちなみに以下の3枚の画像は平成24年1月6日に撮影した、冬の景色です。








 4時方向からの撮影です。


 印象深かったのは、この八角三重塔は「観光のための建造物」というイメージがなく、「寺院の一部として、有るべくして有るもの」というストイックな感じを受けた点です。墓地の中に佇んでいるというのもその原因かも知れませんが。