土偶「縄文のビーナス」


探訪年月日・・・平成25年(2013年)10月5日

 前回の長野県内国宝探訪は平成25年5月23日の善光寺でした。なぜ4ヶ月以上も空いてしまったのか。それは、残る「土偶(縄文のビーナス)」と「白樂茶碗 銘・不二山」の2点は距離的に近い場所にあること、そして「不二山」は展示が年1回に限定されていることが原因でした。
 僕が住んでいる小諸市は、この2点がある諏訪地域からはやや離れているので、何度も行くのはちょっと骨が折れます。どうせなら「不二山」の展示期間に合わせて「縄文のビーナス」も見に行こうと考えていました。
 6月ころ(?)各方面に確認し、「不二山」の展示が9月下旬から12月中旬だと知りました。「縄文のビーナス」は常時展示されています。そして今回、もう一つ諏訪地域へ行く理由がありました。この夏に空手着を新調したのですが、日本三軍神と言われている鹿島神宮・香取神宮・諏訪大社のうち、鹿島神宮・香取神宮には9月に空手着を持参して御祈祷を受けたので、最後の締めに諏訪大社でも御祈祷を受けることを決めたのです。
 国宝2点の見学と軍神に対する御祈祷という目的を持って、この日、午前7時半に自宅を出発しました。



所在地・・・長野県茅野市豊平 茅野市尖石縄文考古館(発見地は長野県茅野市米沢の棚畑遺跡)
製作年代・・・縄文時代中期(4500〜5000年前)
発見年・・・昭和61年(1986年)
国宝指定年(文化財保護法)・・・平成7年(1995年)
大きさ・・・全長27センチメートル、重量2.14キログラム。
参考・・・日本最古の国宝とされている(同じく最古の国宝と言われているのは新潟県で出土した縄文式土器で、共に4500〜5000年前の製作とみられている)。山形県で出土した国宝の土偶も「縄文の女神」と呼ばれており、通称名が似ているため注意が必要。



茅野市尖石縄文考古館
 午前9時過ぎ、到着しました。この日は曇りで、車のフロントガラスに僅かに水滴が当たることもありました。


 なんと、館内は一部の展示品を除いて写真撮影可能です。目玉展示品と言える国宝の「縄文のビーナス」や重要文化財の「仮面の女神」も撮影できます。ありがたいことです。正直、撮影は駄目かと思っていましたので、思わぬ幸運でした。(平成25年10月5日時点では可能でしたが、将来的には撮影禁止になる可能性もあります。文化財の保護には理解を示しましょう。)



「縄文のビーナス」と「仮面の女神」が展示されている展示室B
 中央が「縄文のビーナス」で、右寄りの奥に見えるのが「仮面の女神」です。



縄文のビーナス(正面から撮影)
 表面は磨かれて光沢があり、ところどころ雲母でキラキラ輝いています。妊娠した女性を表していると言われています。地震などの揺れに備えてでしょうか、ピアノ線のようなもので固定されています。



7時方向から撮影



5時方向から撮影




 日本の国宝の中でもかなり有名な部類に入るため、国内の国宝展示会の際には展示のための貸出が結構あるみたいです。今回僕が行った時には運良く展示されていましたが、時折出張してしまうこともあるらしいので、事前の確認をされることをお勧めします。

 「5000年もの間、よくぞいい状態で残っていたなぁ。」と感慨深いものがありました。古代の美意識の具現化という感じがします。長野県内から出土したというのがなんとなく嬉しさ倍増ですね。