<冬虫夏草について>
冬虫夏草は「コウモリ蛾」の幼虫に寄生する、バッカクキン科のキノコで、
中国の王侯貴族はこれを不老長寿、精力源として珍重していたといわれます。
この菌は寄生先の選択性をもっており、特に中国の四川省、青海雲地域の
3000から5000メートルの高原やチベットの高山の一部に生息する
「コウモリ蛾」の幼虫に寄生して、冬の時期に幼虫を栄養分として
土の中で幼虫の体内に菌糸核を形成します。
幼虫はキノコにすべての養分をとられてしまうので枯死します。
春には幼虫の頭部からキノコの子実体が発生して棒状の子実体のみが
地上に姿を現し、この子実体がまるで草のように見える、
その形態から冬虫夏草と呼ばれるようになりました。
虫の幼虫に寄生するキノコの種類は390種を超えるといわれ、
「コウモリ蛾」の幼虫に寄生する本当の冬虫夏草ではない似たものを
「冬虫夏草」称している場合もありますので、注意が必要です。
日本にも類似のキノコが多種存在しており、これらも含め、
幼虫に寄生するキノコを「冬虫夏草」或いは「虫草」としている例が
見られますが、古来より中国で珍重されてきた冬虫夏草とは、
中国の特定の地域で「コウモリ蛾」に寄生するコルディセプス・シネンシスのことです。
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