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浪費型オリンピックの裏表(ページNo.13)
レポートNO.54 ( 08・11・16)
からレポートNO.56 (08・11・19)まで


【レポートNO.56  08・11・19 
10月30日総務委員会・松村議員のオリンピック招致本部への事務事業質疑
オリンピックキャンペーンに多額の費用つぎ込みながら、
宣伝している「経済波及効果」には根拠がなさ過ぎる


 
<以下要約で、松村議員の質問を紹介します>

〇松村委員 10月26日、一斉に新聞折込みで都民に配布された
広報東京都には幾らかかったか

〇重田参事 印刷、配送、レイアウト委託等、全体で
二千八百万円

〇松村委員 日本共産党の住民アンケートでも「生活が苦しくなった」が七二・九%。「医療が払えず保険料も大変で無保険になる」などの悲痛な声。
 都立墨東病院問題でも命の最後のよりどころ、周産期総合センターの体制がとれていない。大もとには、医師や看護師不足と同時に、石原知事就任から百億円以上の都立病院補助が減らされ、医師など処遇が悪くやめる人がふえている。

 その中で、
オリンピックといえば何でも通り、何千万円の税金がいとも簡単に使われてしまう。広報の中身も、招致支持の世論を高めようと都民に誤解を持たせる報道ではないか。都民がきちっと判断できる形で是非を問うべきだ。

 全国で二兆八千億円、
日本中が元気になるとしている二兆八千億円という経済波及効果の根拠は疑問だ
 ある投資や物の購入で部品とか需要が発生し、物がつくられ所得が生まれるという無限の生産の誘発を経済効果という。
 巨大メーンスタジアムを初め競技施設を幾つもつくれば、大手ゼネコン中心に莫大な利益が上がり建設関連の生産を誘発するが、その分、税金が回される。もっと有効な投資との比較検討なしに効果があるとはいえない。

 世界都市博覧会でも、経済波及論が持ち出されたが、我が党の質問に当時の青島都知事が「波及効果の算定もいろいろ難しく、中小企業に仕事が回る、金が回るような方向が模索できれば、より効果の大きい経済波及につながるのではと考えます」と答弁した。

 都市再生など莫大な建設投資が行われ、大企業は利益を得たが、中小企業や都民は全然、景気回復は感じないし、今、大変な格差が起きている。オリンピック建設投資をやることで経済波及効果があると都民に宣伝できないんじゃないか。
 イベント効果も、三宅島振興の起爆剤と石原知事がやったモーターフェスティバルに、昨年2億6千万円、今年2億2千万円使ったが、経済波及効果など見えていない。

 
建設投資やイベントより、看護師・ヘルパーをふやし、中小企業に役立つ分野への投資や、低利融資など支援が有効で、長期的な効果も明らかだと思うが、どうか。

〇保坂参事 経済波及効果について、投資額ではオリンピック関連施設のほかに、消費支出で多くの海外の方が日本に来られ、観戦され、宿泊、移動、買い物等、たくさん消費される。
 消費については大企業だけでなく一般の飲食店など多くの業者の方々が経済効果が得られるということも重要な効果
だと認識する。


〇松村委員 経済波及効果で日本中元気になるというなら、科学的な、責任ある分析の上で出すべきじゃないかと思うが、資料で、招致本部の試算だと知って唖然とした。
もっと信憑性が裏づけられる所のものが必要じゃないかと思うが、どうか

○並木企画部長 経済効果の試算は、招致本部ができる以前に、
知事本局がオリンピック招致を所管していた平成十七年に、業者に委託して試算したもの。

○松村委員 あと1年を切っている時、都民に知らせる試算としては、知事本局でオリンピックのことが固まっておらず、どのぐらいの財源が必要かが明確になっていない平成十七年の資料が、あたかも今日のだというような断定的なやり方はフェアじゃないと思う。

 これまでの
開催都市の開催後の現実はどうなっているか。経済波及効果云々より、オリンピック後の利用がどこも惨たんたる事態になっていると思うが、どう認識しているか。

○保坂参事 
今までのオリンピック開催都市について、開催後の結果について明らかにした都市はない

○松村委員 長野オリンピックはどういう経済波及効果を見込んでいたか。オリンピック後の大変な後遺症が出ていると思うが、どう分析しているか。

○保坂参事 長野について、現時点では把握してない。

○並木企画部長 九八年長野オリンピックの経済波及効果は、初期投資額一兆六千五百十二億円、国内への波及効果として、生産誘発額四兆六千八百三億円という、財団法人長野経済研究所の数字がある。

○松村委員 そういう波及効果を見込んで、経済効果が現実にそれを上回るものだったのかを検証する必要がある。
 長野オリンピック白書、県民から見たオリンピックということで、長野地方自治研究センターの詳しい分析があるが、長野が、国が十分面倒見てくれるといって当初は起債に頼ったが、あてにならなかったと冒頭から書いている。その後も大変な県民の負担になって、財政危機がその後あった。
 長野は冬季オリンピックだから規模が違うかもしれないが、
アテネの場合はどのように見ているのか

○保坂参事 アテネのオリンピックの経済効果についてだが
公式報告書ということでは把握していない

○松村委員 
アテネの場合も、総費用が大会経費を除いても当初の二倍以上になった。
 その後遺症が今も残って、ギリシャ政府の財政逼迫の要因となっている。歳出削減とか増税とか、公共料金値上げが行われて抗議の声が起っている。

 
アテネ国民の家計に大打撃になっているということも、ホームページなど資料を見て指摘できることではないか。

 経済効果を強調する一方、
オリンピック費用について民間資金を活用すると盛んに強調されている。広報にも、つくり直したパンフレットの中にも、経済効果も新たに書き込んだ。
 投資額を下段に書いたが、招致経費百五十億円、競技施設(恒久施設)は三千四百六億円、競技施設の仮設費用は八百四十三億円と記載して、「上記経費は、民間資金及び国・都の財源を活用します」と・・。さも民間資金が大半のような記載だ。
 競技施設、招致経費百五十億円のうち
民間資金で、前年度集まった額は幾らか。今年度既に半年過ぎたが、現在までに入金された額は幾らか。

○並木企画部長 先ほど答弁した長野オリンピックの経済効果額は、長野オリンピックが開催され、九四年に財団法人が後ほど発表した数字で、当初の見込み額ではない。民間資金は招致経費百五十億円のうち、民間資金五十億円を見込んだ。
 
十九年度末に実際に招致委員会に収入された金額は、五億五千五百万円

○松村委員 今年度はもう半年過ぎている。IOCで来年十月、開催都市が決定した瞬間にこの招致委員会は終了すると聞いている。
 前年度は五億五千五百万ですが、現在までにその後集まった入金額はどうか。

○並木企画部長 五億五千五百万、実際に招致委員会の方に収入になった金額で、一括に入る場合や数年にわたって分割納付する場合がある。
 
五億五千五百万円の収入になったとき、約束いただいた額は三十億円。現時点については四十億円以上の見込みがついている

○松村委員 年度末当時から、どのぐらい集まるのかといったら三十億円という数字をいって、見込みとか、お約束をいただいているということで、確かじゃない。
 
入金されて初めて確定するが、五億五千五百万円から、さらに入金された額は幾らか。

○並木企画部長 年度末三十億円というのは、オフィシャルパートナーとして契約し、収入時期が数年にわたる場合があるので年度末には五億円という話をした。
 既に直近では四十億円以上の見込みがついている。この内訳、オフィシャルパートナーの十二社、それ以外については、個々の企業との約束で、名前、金額は公表できないものがある。
総額では現時点四十億円以上見込みは立っているが、内訳についてはここで明らかにできない。
 直近の招致委員会に入った収入額は、把握していない。


○松村委員 結局都民の税金で、昨年度予算よりかなりオーバーして補助金を投入する形になっており、また今、民間資金四十億の見込みは立っているというが、あとの十億、集まらなければ税金投入なのかという課題も残る。

 
広報東京都は世論調査も載せ、七割の人が賛成としているが、北京オリンピック直前の全国調査。IOCが行う調査は首都圏の範囲で、都民がどう考えているかが大事だ。

 「小・中学生の八割が東京でのオリンピック開催を期待」というデータは、ネットでのアンケート調査。子どもたちがパソコンを使えてネットに登録した会員を対象に、標本数は七百数十件。三十万もネット会員がいる中での七百人の回答率で、確実に全体傾向だといえるのかどうか疑問。この中に北京オリンピックを見に行く小中学生が二・二%という数字。これが全国の小中学生の結果として広報で伝え、期待されていることになるのかも非常に疑問。

 都合のいいデータだけで宣伝するのでなく、世論も反映するように、例えば
北京直後の九月、二つの世論調査が新聞報道された。そのどちらも支持は四割。
 招致したいというだけで都合のよいものを一方的に押しつけるのは、アンフェアではないか。


○重田参事 世論調査、私ども実施したものは昨年の十月で時間がたっており、
立候補都市選定後の全国規模の調査ということで、日本世論調査会が実施した調査結果を掲載した
 日本世論調査会は、共同通信社と全国の新聞社等の三十八の報道機関で構成する世論調査の全国組織。その調査結果で七割の賛成ということは、国民の総意をあらわしているものと考え、単独メディアや民間機関に比べ、公平、公正な結果で、恣意的ではないかというご指摘は当たらないと考える。

○松村委員 立候補ファイル作成も年内。国際競技団体との調整も進んでいると思うが、申請ファイルからの主な変更点は何か。

○中嶋計画調整担当部長 申請ファイルで競技会場計画を公表してから、北京オリンピックを皮切りに国際競技団体の方と具体的な意見交換が、現在も続いている。
 国際競技団体は、東京の会場計画を実質的な立場から詳しく調査するので、意見交換を具体的にしている。
 今、競技会場計画については、調整の経過を踏まえ今後、変更が必要なのかどうか含め、立候補ファイルに向けた会場計画をさらに精査をしていく。現時点でお答えできない。

○松村委員 
メディアセンターはどこに変更するか

○藤井施設計画担当部長 メディアセンターは、現在、築地市場の移転跡地と決められ、申請ファイルで記載した。
豊洲新市場予定地の土壌汚染対策について、中央卸売市場の設置した技術会議で検討中と聞く。それを受けて都は具体的な対策をまとめると聞く。
 立候補ファイル提出に向けて、招致本部は、コンパクトなオリンピック計画という東京のコンセプトに基づいた、IOCから高い評価が得られるメディアセンターの計画を進める。

○松村委員 場所の変更は否定しない。
 
水泳会場は現在、辰巳国際水泳場だが規模的に無理。周辺地域の仮設では多くの課題があるが、どうするか。

○中嶋計画調整担当部長 水泳会場は、辰巳国際水泳場を中心とした辰巳の森の海浜公園で開設するという計画。現在、この計画を
国際水泳連盟と具体的な意見交換をし、調整を経た後、立候補ファイルで明らかにしたい

○松村委員 なぜ明らかにできないのか不思議だ。最後にマラソンコース。
東京マラソンコースは起伏が乏しく、オリンピッコースとしては課題があると聞くが、変更があるか。

○中嶋計画調整担当部長 マラソンコースは、申請ファイルでは、IOCに具体的計画の提出は求められていない。東京オリンピックで
どういうコースにするのかは、現在、国際陸上連盟と具体的な意見交換をして、今後詰める計画

○松村委員 今回に限らず、なかなか中身を都民に明らかにしないことが、都民世論が盛り上がらない根っこにある。後になって突然一方的に変更を発表するのは、議会軽視でおかしいし、いつまでも通用しない。厳しく指摘し質問を終わる。

【レポートNO.55  08・11・17 
オリンピック招致委がついに築地跡地のメディアセンター断念
たまつきか?5競技会場変更も・・理事会決定


●11月14日、都のオリンピック招致本部は、都庁のマスコミにオリンピック招致計画のなかで、メイン施設の一つにあたる、メディアセンターの設置場所を、築地市場の豊洲移転跡地から、臨海副都心の東京ビッグサイトに変更すること、および、オリンピック競技施設計画でも体操、バスケットボール、ハンドボール、レスリングの4競技の会場、自転車競技のコースを変更することを理事会で決定したと発表しました。

●メディアセンター計画の変更の発表文書は以下の通りです。

    メディアセンターについて
 2016年東京オリンピック・パラリンピック競技大会における取材・報道の拠点となるメディアセンターの会場計画について、申請ファイルにおいては、築地市場跡地に計画していましたが、北京オリンピック・パラリンピックにおける実地調査などを踏まえ、より優れた取材・報道環境を確保し、IOCから、より高い評価が得られる計画を策定する観点から、以下の理由により、メディアセンターの会場計画を東京ビッグサイトに変更します。なお、メディアセンターとして床面積が不足する部分は、恒久施設または仮設施設を増設することで対応します。

・選手村や、オリンピックスタジアム、水泳会場、体操会場等主要競技会場に近いこと
・羽田空港・成田空港へのアクセスがより優れていること、主要幹線道路にアクセスしやすいこと
・ビッグサイトの展示ホールが、低層で天井が高い無柱の空間であること
・各階に車が直接、乗り入れて機材搬入することが可能なこと
・既存施設を最大限活用できること
・恒久施設として増設する部分は大会後、展示会場としての活用が十分に見込めること

【参考】

○北京オリンピック・パラリンピックにおける国際放送センターの事例
・地上1階地下1階の低層建物
・1階部分は天井の高い無柱空間を利用
・各階に直接車で機材搬入が可能
・大会後は国際展示場等として利用

○オリンピック競技大会のメディアセンター
 国際放送センター(IBC)とメインプレスセンター(MPC)で構成
・国際放送センター:テレビ、ラジオ等の放送会場
・メインプレスセンター:新聞記者,カメラマン,雑誌記者等の報道機関の活動拠点


●以上の文書を読んで、誰でも気がつくことは、メディアセンターを築地に設置するためには、少なくとも来年早々の立候補ファイルの提出までに、築地市場が2016年オリンピックの3年位前には確実に移転が完了しているという見通しが立っていなければならないわけですが、現実には水産市場移転予定の豊洲の土壌汚染が深刻なことから、いまだにその汚染除去対策の新技術を募集・審査している最中で、直ちに打開できる状況にないこと・・これが最大のメディアセンター変更の理由であることは、明々白々であるにも拘らず、それには、この文書で一切触れていないことです。

●これは、石原知事や招致本部のメンツを汚さないためには、誰でも知っている真実さえ、平気で覆い隠してはばからない都の姿勢のあらわれであり、もはや、”何をかいわんや!”です。

●その上、今回は、5つのスポーツ競技の会場やコースが変更されました。

 競技施設の変更も、よく見ると、メディアセンターのビッグサイトへの変更による玉突き現象ではないかと思えてしまいます。
 メディアセンターが移転して、ビッグサイトからハンドボールの予選が国立代々木へ。そこからバスケットボール予選がユースプラザへと移転しているからです。振り回される競技団体の中には、「それだったら福岡のほうがよかった」というところが正直あるんじゃないでしょうか?

●自転車ロードレースのコースは、IOCから求められている競技性を高めるための、高低差がこれまでの計画コースでは十分確保できなかったため、皇居周辺から、多摩丘陵の周回コースまで広げることにしたということです。

●メディアセンターのビッグサイト変更で、同施設の不足分は、「恒久施設または仮設施設を増設することで対応」するということですが、昨年までは、水泳会場をビッグサイトに設置するという計画でしたから、これで3つ目の構想ということになります。水泳会場には、ビッグサイトの既存建物では、重量制限が45トン/uという制限で仮設プールが組めないことを最後まで隠したままで変更されましたが、当時、もと港湾局長の浪越社長が、重量制限をクリアーした展示ホールを都の費用で建ててもらい、オリンピック後は展示に活用できるよう構想していると報道されましたが、水泳会場変更で立ち消えかと思いきや、今度はメディアセンターを理由に、都民の税金で増設をねらっているのかと疑いたくなります。

●以上の計画変更については、12月4日のオリンピック特別委員会で報告・質疑される予定です。時間のある方は、ぜひ傍聴に。

【レポートNO.54  08・11・16 
石原知事が強調する「もうかる東京オリンピック」という根拠はどこに?

●10月はじめ、オリンピック開催都市決定1年前のイベントで、石原知事は、東京オリンピックが2兆円以上の経済効果で「儲かる」ということを盛んに強調しました。
 私は、聞いていて非常に違和感がありました。都民の中でオリンピック人気が盛り上がらない上に、景気がますます悪化していくのに豪を煮やして、「儲かる」オリンピックを宣伝したかったのかもしれません。

●実際の東京オリンピックの経済効果の推計は、7月20日に、既に発表されていましたが、マスコミでも殆ど話題になりませんでした。知事が強調した2兆円以上という経済効果がどれほどリアルなものか、改めて検証してみました。

●上記の経済波及効果の都による説明は以下の通りです。
   経済波及効果について

   東京オリンピック・パラリンピック招致本部

【オリンピックによる経済波及効果(平成18年7月時点)】

 需要増加額  12,677億円

 生産誘発額  28,342億円

 東京都内   15,676億円

 その他の地域 12,666億円

 備考)
1 需要増加額には道路などのインフラ整備費は含まない。
2 需要増加額には、オリンピック関係者や観客の移動、宿泊に伴う支出や、一般家庭の電気機器、その他の物品の購入費などが含まれる。
※ 道路等のインフラ整備費を需要増加額に算入した場合は、これ以上の経済波及効果が見込まれる。

【経済波及効果の推計調査方法】

○前提条件:競技施設や選手村などのオリンピック関連施設のみを資本投資した(道路・鉄道などのインフラ整備費を加算しない)

○分析対象期間:2009年〜2016年

○経済活動の推計対象項目

 資本投資:会場地造成、施設建設、選手村建設、周辺環境整備等

 消費支出:競技運営、広報、警備、文化イベント、観戦・観光に伴う入場料、移動、宿泊、飲食、買い物など

○効果の推計・分析

投資⇒生産⇒付加価値(所得)⇒消費⇒生産⇒付加価値(所得)までの第2次間接波及効果まで。

○計算方法:平成12年東京都産業連関表を利用し、算出。

○基礎データ:開催計画奮の計画数値などを使用。


●では、需要増加額1・2兆円とか、生産誘発額2・8兆円という額の根拠は何かというと、以下の表の通りです。
 ここにあるように、まず東京とその他地域の需要増加額は、オリンピック関連施設に直接投入される予定の4921億円と、都以外の5億円。
 もう一つは、大会運営費2800億円以外にも、観戦者や参加選手が来日して使う費用を、東京で1900億円、その他地域で3000億円と推計しています。
 観戦者が250万人とすれば、一人平均で二十万円ぐらい使うだろうという計算で、観客の大半が海外や遠隔地からの来訪者でもない限り、かなり甘い見通しではないでしょうか。
 さらに、そこで計算した需要増加額に対して、生産誘発効果では、第一次と第2次合計で、資本投資額の東京では1・6倍、他の地域では4倍の効果が広がると計算しています。

●今日の経済の実態からすれば、一定の規模の投資が、どこまですその広く効果を及ぼすかは、その投資が内需拡大・つまり国民の消費購買力に結びつく形で行なわれたかどうかによって大きく異なります。
 競技施設などへの直接投資や大会参加者・観戦者の消費支出も、かなり対象や効果が限られると考えるべきでしょう。
 また、現在の世界的な経済危機がいつまでどの程度、経済効果に影を落とすかも予測がつきません。

●知事が躍起になって宣伝する「もうかるオリンピック」がどこまで信頼できるかは、大いに疑問ですし、だいたい、儲かることを強調すること自体、オリンピック精神から遠すぎるといわねばなりません。


 ◎08年7月2日(レポート48)から11月10日(レポート53)まで<ページ・その12>はこちらから
 ◎08年5月21日(NO.46)から6月まで<ページ・その11>はこちらから
 ◎08年1月31日(NO.40)から4月27日まで<ページ・その10>はこちらから
 ◎07年10月6日から11月26日までのレポート(ページ・その9)はこちらから
 
◎07年5月23日から9月11日までのレポート(ページ・その8)はこちらから
 ◎10月22日から11月30日までのレポート(ページ・その7)はこちらから
 ◎10月8日から10月18日までのレポート(ページ・その6)はここから
 
◎9月15日から10月8日までのレポート(ページ・その5)はこちら
 ◎8月30日から9月14日までのレポート(ページ・その4)はここから
 ◎7月21日から8月29日のレポート(ページ・その3)はここから
 ◎7月15日から7月20日のレポート(ページ・その2)はここから 
 ◎6月15日から7月19日までのレポート(ページ・その1)はここから

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